JP4546871B2 - 車載エンジンの排気系構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンなどから排出される排気ガスが通気される排気系部材、例えばディーゼル微粒子除去装置(以下、単に「DPF」という)に排気圧力取出パイプなどの小径パイプが溶接された車載エンジンの排気系構造に関する。
近年、ディーゼルエンジンの排気系統には、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスに含まれるパティキュレート(すすなどの排気微粒子)を捕集するため、例えば触媒機能を有し、かつ上記パティキュレートを捕集するフィルターが設けられたDPFが装備されている。このDPFは、その使用に伴ってフィルターが目詰まりすることから、例えば所定タイミングで排気系統に供給された未燃焼の燃料をこのDPFで燃焼させることにより再生されるのが一般的である。このDPFを再生する所定のタイミングは、通常、DPFにおけるフィルターの上流側や下流側の排気圧力を検出し、この検出された各圧力の圧力差、或いは上記フィルターの上流側の排気圧力と大気圧との圧力差に基づいて定められるている。
そして、このような排気系統には、上記排気圧力を検出するため、例えば特許文献1に開示されているように、このDPFの上流側に位置する排気管などの排気系部材の所定部分にその内部と連通する小径の圧力取出パイプが接合されるとともに、この圧力取出パイプによって取り出された圧力を読み取る圧力センサが設けられることが多い。この圧力取出パイプと排気管などの排気系部材とは、通常、排気系部材に設けられた内部連通孔に圧力取出パイプが差し込まれ、この状態で溶接されることによって気密に接合されることが多く、これにより両者が強固に取り付けられるものとなされている。
特開2003−42885号公報
ところで、上記圧力取出パイプは、排気管などの被接合部材に比べて小径でしかも薄肉に形成されていることが多い。このため、この圧力取出パイプを被接合部材と溶接する際に、この溶接熱によってその内周面が膨出して、いわゆる裏ビードが発生することがある。このような裏ビードが発生すると、圧力取出パイプ内部の通気路が閉塞されたり、狭められたりして適正に圧力を検出することができない等、排気系構造において所望の性能を確保できないという問題があった。
特に、特許文献1記載の構造において、溶接によって圧力取出パイプを接続すると、その熱容量が被接合部材の熱容量に比べて極端に小さいことから、上記問題が顕著に表れることになる。
ここで、このような排気系構造において所望の性能を確保するために、上記溶接に代えて、軸線方向に沿った通気路を有し周囲に雄ねじが刻設されたテーパー状の雄ねじボス部を排気系部材に立設し、この雄ねじボス部に圧力取出パイプを挿入して上記雄ねじにナットを螺着することにより両者を気密状態に圧着することも行われている。しかしながら、このような接合構造を採用すると、両者を気密状態に接合するためには精密な加工を要し、また精度の高い部品が増えて製造コストの増大を招くことになる。
本発明は、上記事情に鑑み、製造コストを極力抑えつつ、通気性を確保して所望の性能を最大限に発揮できる車載エンジンの排気系構造を提供することを目的とする。
本発明に係る車載エンジンの排気系構造は、エンジンから排出される排気ガスが通気される排気系部材に取付ボス部材が固定され、この取付ボス部材を介して当該排気系部材に小径パイプが通気可能な状態で溶接により連結される車載エンジンの排気系構造であって、上記取付ボス部材は、その内径が略一定に保たれた状態でその外径が先端から所定の長さに亘って漸次拡径され上記小径パイプの一端部に内嵌される差込受部が設けられるとともに、この差込受部の基端部側に上記小径パイプの一端が当接される位置決め部が設けられ、上記小径パイプは、その一端部に上記差込受部に沿って拡開された拡開取付部を有し、その一端が上記位置決め部に当接された状態でこの拡開取付部の一端部で上記差込受部に溶接材を用いて溶接されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、別部材からなる取付ボス部材を介して小径パイプが排気系部材に間接的に溶接されるので、排気系部材を容易に加工することができ、製造コストを抑制することができる。しかも、例えば小径パイプの熱容量と排気系部材の熱容量との間の熱容量を有する取付ボス部材を選択すると、排気系部材と取付ボス部材、および取付ボス部材と小径パイプとが各々適度に溶融して確実且つ強固に溶接され、これにより小径パイプと排気系部材との接合強度を向上させることができる。
また、小径パイプは、その拡開取付部が取付ボス部材の差込受部に外嵌された状態でこの拡開取付部の一端部において上記差込受部に溶接されているので、差込受部が裏当て材としての機能を果たし、溶接熱による小径パイプの内周面の膨出を防止することができる。しかも、差込受部は漸次拡径されてその基端部では十分な肉厚を有し、また溶接材を用いて溶接されることから、取付ボス部材の内周面が溶接熱によって膨出することも確実に防止することができる。このため、排気系部材から小径パイプに至る通気路を閉塞したり、狭めたりすることを確実に防止することができ、これにより排気系構造における所望の性能を最大限に発揮させることができる。ここで、取付ボス部材には位置決め部が設けられているので、差込受部がその機能を十分に果たすことができる位置にまで小径パイプを取付ボス部材に確実に外嵌することができ、この状態で溶接されていることから上記作用効果を確実かつ十分に引き出すことができる。
さらに、取付ボス部材の差込受部が小径パイプの拡開取付部に内嵌された状態で溶接されているので、両者の接合面を拡大させてさらなる接合強度を得ることができる。そして、このように接合強度が向上されているので、車両の振動等にも拘わらず耐久性を向上させることができる。
なお、上記小径パイプの拡開取付部は、予め拡開されているものであってもよいし、差込受部に小径パイプが外嵌される際に差込受部によって拡開されるものであってもよい。
ここで、上記位置決め部の具体的構成は特に限定されるものではなく、例えば取付ボス部材の周面に突設された一個ないしは複数個の膨出部等であってもよいが、上記位置決め部は、取付ボス部材の外径が段状に拡径されて形成された環状受面部として構成され、この環状受面部の外径は上記小径パイプの拡開取付部の外径よりも大きく形成されているのが好ましい(請求項2)。
このように構成すれば、環状に形成された環状受面部によって確実に小径パイプの位置決めがなされるとともに、小径パイプの拡開取付部の外径よりも大きく形成されたこの環状受面部が溶接材の接合面としての機能を果たして小径パイプと排気系部材との接合強度をさらに向上させることができる。
この発明において、上記排気系部材および小径パイプの具体的構成や用途等は特に限定されるものではないが、例えば上記排気系部材はディーゼルエンジンからの排気ガスに含まれる微粒子を除去するフィルターを含むディーゼル微粒子除去装置であり、上記小径パイプはこのディーゼル微粒子除去装置のフィルターの上流部および下流部の少なくとも上流部に接続され当該部分を流通する排気圧力を検出するための圧力取出パイプである場合に好ましく適用することができる(請求項3)。
すなわち、ディーゼルエンジンのディーゼル微粒子除去装置には小径の圧力取出パイプが接合されることが多く、これらを含む排気系構造についてこの発明を適用すれば、フィルターの少なくとも上流部の圧力を上記圧力取出パイプから適正に取り出すことができ、これにより圧力測定精度を向上させることができる。
この場合、上記ディーゼル微粒子除去装置はその本体部の少なくとも一部を覆う断熱カバーが設けられ、上記圧力取出パイプはその他端が可撓性ホースを介して圧力センサに接続されるとともにその中間部の所定部分が上記断熱カバーに取り付けられているのが好ましい(請求項4)。
このように構成すれば、小径の圧力取出パイプを通じて伝達される振動等をその中間部の取付部分で抑えることができ、圧力取出パイプとディーゼル微粒子除去装置との接合部分を振動等から保護することができ、これにより耐久性を向上させることができる。
このように断熱カバーが設けられている場合には、上記取付ボス部材は、その先端が上記断熱カバーよりも外側に突出しているのが好ましい(請求項5)。
このように構成すれば、断熱カバーを取り付けた状態で圧力取出パイプを容易かつ適正に取り付けることができ、これにより上記所望の性能を確実に得ることができる車載エンジンの排気系構造を得ることができる。
このように小径パイプに可撓性ホースを取り付けるように構成する場合には、上記ディーゼル微粒子除去装置はフレキシブル継手を含む排気管を介してディーゼルエンジンに接続され、上記圧力取出パイプは排気ガス流の上流側に向かって上記フレキシブル継手の近傍位置にまで配索されているのが好ましい(請求項6)。
このように構成すれば、排気管等の部材を通じてディーゼル微粒子除去装置に伝達される振動もフレキシブル継手によって抑制することができ、このディーゼル微粒子除去装置と圧力取出パイプとの接合部分を振動等から保護することができ、これにより耐久性を向上させることができる。
この発明において、小径パイプの内外径等は特に限定されるものではないが、上記小径パイプは、上記拡開取付部以外の部分の外径が10mm以下でその内径が4mm以上に設定されているのが好ましい(請求項7)。
すなわち、小径パイプの外径が10mmよりも大きくなると、いわゆる裏ビードによる影響が小さくなるので小径パイプを直接的に排気系部材に溶接しても支障が少なく、またその内径が4.0mm未満になると通気性が十分に確保することができなくなる虞があるからである。
なお、この発明に係る車載エンジンの排気系構造の形成方法は、エンジンから排出される排気ガスが通気される排気系部材に小径パイプを通気可能に溶接する車載エンジンの排気系構造の形成方法において、内径が略一定に保たれた状態で、その外径が先端から所定の長さに亘って漸次拡径され上記小径パイプの一端部に内嵌される差込受部が設けられるとともに、この差込受部の基端部側に上記小径パイプの一端が当接される位置決め部が設けられた取付ボス部材を、上記排気系部材に設けられた内部連通孔に気密状態に固定するボス固定工程と、この差込受部に沿って拡開された拡開取付部を有する小径パイプの当該拡開取付部をその一端が位置決め部に当接するまで上記差込受部に外嵌するパイプ嵌合工程と、この外嵌された拡開取付部の一端部を溶接材を用いて上記差込受部に溶接する溶接工程とを含むことにより行うことができる。
この発明に係る車載エンジンの排気系構造によれば、製造コストを抑制しつつ、溶接熱による小径パイプの内周面の膨出を確実に防止することができるとともに、取付ボス部材の内周面が溶接熱によって膨出することも確実に防止することができ、これにより排気系部材から小径パイプに至る通気路を閉塞したり、狭めたりすることを確実に防止することができ、このため排気系構造における所望の性能を最大限に発揮させることができるという利点がある。しかも、ここで、位置決め部によって、差込受部がその機能を十分に果たすことができる位置にまで小径パイプが取付ボス部材に外嵌されて両者が溶接されており、上記効果を十分に引き出すことができる。また、両者の接合面を拡大させてさらなる接合強度を得ることができ、車両の振動等にも拘わらず耐久性を向上させることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、当実施形態に係る排気系統を排気マニホールドおよび排気過給機を省略した状態で示す斜視図である。図2および図3は、排気系統の平面図および側面図である。
当実施形態の排気系統4は、車両前部のエンジンルームに搭載されたディーゼルエンジン3に適用されるものであり、車体前後方向に延設され、当該エンジン3における燃焼の結果発生する排気ガスを車体後方から大気中に放出するものである。具体的には、排気系統4は、ディーゼルエンジン3の複数個(当実施形態では4個)の排気ポート31に上流分岐端がそれぞれ接続された排気マニホールド5と、この排気マニホールド5の下流合流端に接続された排気過給機6と、この排気過給機6から排出された排気ガスを車体の前部から後部にまで導いて大気中に放出する排気管7とを備え、当実施形態ではこの排気管7にディーゼル微粒子除去装置8(DPF8)およびマフラ9が介在している。
排気マニホールド5は、エンジン3の各シリンダ(図示せず)から排出される排気ガスを集め下流の排気過給機6に導く管部材であり、上流側が排気ポート31に応じて分岐して形成されるとともにこの分岐管を下流側で合流させて排気過給機6に導いている。当実施形態の排気マニホールド5には、図3に示すように、排気ガスの一部を吸気系統に導入させるEGR通路の上流側通路51が形成されている。
排気過給機6は、排気流のエネルギーを利用してエンジン3への空気の充填効率を向上させるものである。この排気過給機6は、排気通路に配置されたタービン61と、このタービン61と同軸であって吸気通路に配置されたコンプレッサ62とを備え、排気流でタービン61を駆動させ、これによりコンプレッサ62も駆動させて圧縮した空気をエンジン3に吸気するものである。
排気管7は、図1に示すように、排気過給機6(図2参照)からDPF8にまで延びるフロント管7aと、DPF8からマフラ9にまで延びるセンタ管7bと、マフラ9の下流以降のリヤ管(図示せず)とを備え、これらの各管7a,7bが車体下方において前後方向に延びるように配索されている。
フロント管7aは、屈曲形成されるとともに後下がりに傾斜して配索され、その上流端がフランジ接合により排気過給機6に接合されているとともに、その下流端が球面ジョイント10aによってDPF8に接合されている。このフロント管7aは、その構成部材である上記球面ジョイント10aと同様の球面ジョイント10bを介して直列接続された第1および第2連結管71,72を備えている。
この球面ジョイント10a,10b(フレキシブル継手の一例に相当)の具体的構成について説明する。なお、排気流の上下流に配置された二つの球面ジョイント10a,10bは、ともに同様の構成を有しているので、ここでは下流側に配置された球面ジョイント10b(フロント管7aとDPF8とを繋ぐ球面ジョイント)について説明する。
球面ジョイント10bは、図4に示すように、第2連結管72の下流端部に接合された円環状フランジ101と、DPF8の後述する上流側接続管部83bの上流端に接合された球状フランジ102と、これらの円環状フランジ101と球状フランジ102との間に介在するガスケット103と、円環状フランジ101と球状フランジ102とを弾性的に連結することによりフロント管7aとDPF8とを弾性連結する弾性連結部107とを備え、円環状フランジ101と球状フランジ102とがガスケット103を介して対向配置され、この状態で両フランジ101,102が弾性連結部107によって連結されることにより曲げ自由度を有するように構成されている。したがって、フロント管7aは、DPF8に対して回転変位可能に構成されている。
具体的には、円環状フランジ101は、第2連結管72の下流端から所定の長さ上流側に位置する部分に、第2連結管72の径方向外方に向かって突出した状態に接合されている。この結果、第2連結管72の下流端部は、円環状フランジ101から突出した状態となっている。そして、この第2連結管72の突出端部の周面に上記ガスケット103が装着され、このガスケット103が球状フランジ102の球状受面102aに押し付けられることによりDPF8に対する第2連結管72の相対位置に変化があってもフロント管7aとDPF8との気密性が確保されるようになっている。なお、このガスケット103は、断面視略扇状に形成された環状体であり、各フランジ101,102に当接する部分がその形状に沿って形成されている。
弾性連結部107は、円環状フランジ101側からこのフランジ101および球状フランジ102を貫通するボルト104と、このボルト104に螺合されるナット105と、ボルト104に挿通され球状フランジ102とナット105との間に介在する平座金板108と、上記ボルト104に挿通され球状フランジ102と平座金板108との間に介在する弾性材(当実施形態ではコイルばね)106とを備え、ナット105をボルト104に螺合することにより平座金板108を介して弾性材106を弾性変形させ、この弾性回復力を利用して円環状フランジ101と球状フランジ102とを弾性的に連結している。
このようにフロント管7aとDPF8とは弾性的に連結されているので、例えばフロント管7aの軸線方向がDPF8の上流側接続管部83bの軸線からずれた場合でもこのずれを吸収して両者を気密状態に接続することができるとともに、フロント管7aを通じてDPF8へ振動が伝達されることを有効に防止している。しかも、この球面ジョイント10a,10bは、第1および第2連結管71,72との連結にも用いられていることから、フロント管7aを通じたエンジン3のDPF8への振動伝達を効果的に防止することができる。
なお、図1および図3に示すように、第1連結管71は、その中間部においてエンジン3の下部後面に接合されたクランク状の管ブラケット11によって支持されている。したがって、この管ブラケット11とエンジン3との間に介在する排気系部材、すなわち排気マニホールド5および排気過給機6は両側からエンジン3に支持されていることとなり、これにより排気マニホールド5および排気過給機6の支持剛性を向上させることができる。
次に、この球面ジョイント10aを介してフロント管7aに連結されるDPF8について説明する。DPF8は、ディーゼルエンジン3から排出される排気ガスを通気させて浄化するためのものであり、当実施形態では、排気ガス中の有害成分(HC,CO,NOx)を浄化する触媒部材81と、排気ガス中に含まれるパティキュレート(すすなどの排気微粒子)を捕集するパティキュレートフィルタ82(以下、単に「フィルタ」という)とを含んで構成されている。
すなわち、DPF8は、図3および図5に示すように、触媒部材81と、この触媒部材81の下流側に直列配置されたフィルタ82と、内部のガス流通路に触媒部材81およびフィルタ82が所定の間隔を設けて収納保持されるDPFハウジング83と、このDPFハウジング83の外周面、特に触媒部材81およびフィルタ82に対応する外周面を被覆する断熱カバー84とを備え、DPF8に導入された排気ガスが触媒部材81を流通することによりその排気ガスに含まれる有害成分を除去するとともに、この触媒部材81を通過した排気ガスがフィルタ82を通過することによりこの排気ガスに含まれるパティキュレートを除去し、この排気ガスをDPF8の下流側へ排出するように構成されている。なお、DPFハウジング83と断熱カバー84との間にセラミックマットなどの断熱材を介在させて断熱効果を向上させるようにしてもよい。
触媒部材81は、排気ガス中のHC(未燃焼燃料成分)やCOの酸化作用を有し、ハニカム状のコージェライト製担体に貴金属系触媒(例えば、γ−アルミナにPtおよびPdを担持させたもの)をコーティングして全体として略円筒状に形成されている。このハニカム状に形成された触媒部材81の各セルは全て両端が開口し、排気ガスは専ら各セルを軸線方向に流通するものとなされている。一方、フィルタ82は、コージェライト製のハニカム状ウォールフロータイプのもので、全体として略円筒状に形成されるとともに、各セルの端面は交互に目封じされて排気ガスがセル間を必ず移動するように構成されている。
DPFハウジング83は、円筒状のハウジング本体83aと、このハウジング本体83aの上流端部に接続され漸次縮径されて第2連結管72(フロント管7a)に接続される上流側接続管部83bと、ハウジング本体83aの下流端部に接続され漸次縮径されてセンタ管7bに接続される下流側接続管部83cとを備えている。
このDPF8は、フィルタ82の上流側と下流側の圧力を検出して、この検出された圧力の差に基づいて図示しないコントロールユニットによって再生され、目詰まりが防止されるように構成されている。したがって、DPFハウジング83におけるフィルタ82の上流側および下流側の所定部分には、それぞれ圧力取出用のパイプ16a,16bの一端部が取付ボス部材15a,15bを介して連通接続されている。
具体的には、このハウジング83の本体83aにおける下半部の所定部分であって触媒部材81とフィルタ82との間に対応する部分には上流側取付ボス部材15aが側方に突出した状態で溶接によって接合されているとともに、下流側接続管部83cにおける下半部の所定部分には下流側取付ボス部材15bが側方に突出した状態で溶接によって接合されている。この取付ボス部材15とDPF8との溶接は、ハウジング83の所定部分に穿設された取付用開口83d(図6参照)に取付ボス部材15の基端部が挿入された状態で、溶接材を用いたアーク溶接によって行われている(図6,7参照)。この結果、取付ボス部材15とDPF8とは溶接部26によっても接合されている。
この上流側および下流側取付ボス部材15a,15bは、DPF8に対する取り付け箇所が異なるものの、部材としては同一であるので、ここでは、上流側取付ボス部材15aを例にとって説明する。
図6および図7に示すように、取付ボス部材15aは、軸線方向に沿って直線的に延在する断面略円形のガス流通路151aを有する略円筒状のボス部材である。このガス流通路151aは、フィルタ82の上流側のDPFハウジング83の内部に開口し、これにより排気系統4の排気ガス流通路と連通するように構成されている。この取付ボス部材15aは、DPFハウジング83に固定された状態で、このハウジング83を被覆する断熱カバー84の外周面から突出するようにその長さが設定されている。したがって、このDPFハウジング83に断熱カバー84が取り付けられた状態で、圧力取出パイプ16を容易に接合することができ、これによりこの圧力取出パイプ16の接合に対する信頼性を向上させることができる。
この取付ボス部材15aは、その外径が先端から所定の長さに亘って漸次テーパー状に拡径されて形成され圧力取出パイプ16aの一端部が接続される差込受部152と、差込受部152の基端縁(DPF8側の端縁)において外径が段状に拡径されて形成された環状受面部153と、この環状受面部153からDPF8側の基端部にかけて寸胴形状を呈するボス本体部151とを備え、ガス流通路151aを構成する内径d3は全長に亘って略一定に形成されている。
この差込受部152は、その外径が先端(DPF8と反対側の端縁)から漸次拡径される結果、図7に示すように、略円錐台状に形成されている。この差込受部152は、圧力取出パイプ16aの先端部が外嵌されて、このパイプ16aとの溶接の際に裏当て材として機能するものである。この差込受部152の先端における外径および肉厚は、当実施形態では、圧力取出パイプ16aの後述するパイプ本体161の外径および肉厚と略同等に形成されている。ただし、圧力取出パイプ16aの後述する拡開取付部162が組付前に予め拡開形成されていない場合には、取付容易性および拡開取付部162の加工性の観点から、当該圧力取出パイプ16aの後述するパイプ本体161の内径d1よりも小さく形成されるのが好ましい。
また、この差込受部152の軸線に対する母線の傾斜角度は特に限定されるものではないが、30°〜60°の範囲内に設定されるのが好ましい。この傾斜角度が30°未満になると、径が拡大する割合が減少して差込受部152の基端部の肉厚が不十分になって裏当て材として十分に機能しなくなる虞がある。また、上記傾斜角度が60°を上回ると圧力取出パイプ16aとの接合面が減少して接合強度が減少する虞がある。したがって、この差込受部152の母線の軸線に対する傾斜角度は上記範囲内に設定されるのが好ましい。
環状受面部153は、圧力取出パイプ16aの組付時に当該パイプ16aの先端に当接して位置決めするとともに、取付ボス部材15aと圧力取出パイプ16aとの溶接の際に用いられる溶接材25の接合面としても機能するものである。この環状受面部153は、その法線が取付ボス部材15aの軸線方向と一致する平面を形成し、その外径が圧力取出パイプ16aの後述する拡開取付部162の先端外径よりも大きく形成されている。したがって、図7に示すように、圧力取出パイプ16aが取付ボス部材15aに取り付けられた状態で、環状受面部153の外周縁部が露出するようになっている。
一方、圧力取出パイプ16aは、鋼管によって形成された小径、薄肉の筒状金属部材である。この圧力取出パイプ16aは、内径d1が一定に保たれたパイプ本体161と、パイプ本体161の一端部に設けられた上記差込受部に沿って拡開された拡開取付部162とを有し、軸線に沿って取付ボス部材15aのガス流通路151aに連通するガス流通路161aが形成されている。パイプ本体161は、上記したように小径、薄肉に形成されている。すなわち、パイプ本体161は、好ましくは、その内径d1が4〜9mmの範囲内に設定されるとともに、肉厚を少なくとも0.5mm以上確保した状態でその外径d2が5〜10mmの範囲内に設定されている。すなわち、圧力取出パイプ16aの外径d2が10mmよりも大きくなると、いわゆる裏ビードによって内径d1が変化する等の影響が小さくなり、またその内径d1が4.0mm未満になると排気ガスの通気性を十分に確保することができなくなるからである。
拡開取付部162は、上記差込受部152に沿ってラッパ状に拡開して形成されている。この拡開取付部162は、その肉厚がパイプ本体161の肉厚と略同等に形成され、当実施形態では圧力取出パイプ16aを取付ボス部材15aに組み付ける前に予め拡開されたものが用いられている。拡開取付部162の先端における外径は、上記環状受面部153の外径よりも小さく形成されている。
そして、上記圧力取出パイプ16aは、次のようにしてDPFハウジング83に固定された取付ボス部材15aに取り付けられている。すなわち、拡開取付部162を取付ボス部材15aに向けて圧力取出パイプ16aを、その軸線と取付ボス部材15aの軸線とを一致させて、その拡開取付部162の先端が環状受面部153に当接する状態にまで、拡開取付部162を差込受部152に外嵌する。そして、この組付状態で、溶接材を用いて、拡開取付部162をその先端部において差込受部152および環状受面部153に溶接する。その結果、拡開取付部162、差込受部152、および環状受面部153、特に拡開取付部162および差込受部152が溶融するとともに溶接材が溶融することにより、強固に圧力取出パイプ16aと取付ボス部材15aとが接合される。そして、この環状受面部153上であって、拡開取付部162の先端部の周囲に溶接材によって形成される溶接部25が形成されている。
この圧力取出パイプ16aは、図2および図5に示すように、断熱カバー84の側方を当該カバー84に沿って配索され、その他端部163(前端部)がフロント管7aの下流側球面ジョイント10aと略対向する位置にまで延びている。この圧力取出パイプ16aは、断熱カバー84の上流端部においてブラケット23aによって支持されている。一方、圧力取出パイプ16bも、断熱カバー84における圧力取出パイプ16aが配索された同じ側の側方を当該カバー84に沿って配索され、その他端部163(前端部)がフロント管7aの下流側球面ジョイント10aと略対応する位置にまで延びている。この圧力取出パイプ16bも、断熱カバー84の下流端部においてブラケット23bによって支持されている。また、圧力取出パイプ16bは、車体前後方向についてブラケット23aと同じ位置においてブラケット24によっても断熱カバー84に支持されている。これらのブラケット23(23a,23b),24は、その基端部が断熱カバー84にボルトにより接合されているとともに、その先端部が上記各圧力取出パイプ16の周面を抱持している。
各圧力取出パイプ16a,16bの先端部163は、支持ブラケット18を介してともに断熱カバー84の上流側縮径部分に支持されている。この支持ブラケット18は、中央部がボルトによって断熱カバー84に取り付けられているとともに、その車幅方向両端部で各圧力取出パイプ16a,16bを抱持するように構成されている。また、圧力取出パイプ16の各先端部163には、可撓性を有する連結パイプ17(可撓性パイプの一例に相当)の一端部(後端部)が連通接続されている。連結パイプ17は、耐熱性を有する軟質合成樹脂によって形成されており、フロント管7aとDPF8との相対位置変化に追随して撓むものとなされている。この連結パイプ17は、第2連結管72の周面と離間した状態で当該第2連結管72に沿って配索され、その他端部が上流側球面ジョイント10bに略対応する位置に配置されている。すなわち、連結パイプ17は、車体前後方向について、フロント管7aの第2連結管72に略対応した状態で配設されている。
この各連結パイプ17の他端部(前端部)には、鋼管からなる金属剛性パイプ19がそれぞれ連通接続されている。各剛性パイプ19は、連結パイプ17との接続部分の近傍位置でパイプ支持ブラケット20によってフロント管7aに支持されている。また、各剛性パイプ19は、エンジン3の後面に沿って配索され、各々可撓性ホース27を介して圧力センサ22に連通接続されている。
この圧力センサ22は、ダッシュパネル21の前面上部に取り付けられ、フィルタ82の上流側および下流側の圧力差を図示しないコントロールユニットに出力するように構成されている。なお、このコントロールユニットは、圧力センサからの出力を受けて、フィルタ82の上流側および下流側の圧力差が所定圧力差以上になった場合に、エンジン3において排気ガスに後噴射燃料を供給して、この後噴射燃料をDPF8に導入するように構成されている。そして、この未燃焼燃料はDPF8の触媒部材81またはフィルタ82において燃焼され、これによりフィルタ82に滞留するすす等のパティキュレートを焼却除去してDPF8が再生される。
このDPF8に戻って、このDPF8は、その上流端部に側方に突出した状態で設けられたマウントラバー12によって車体のフロアパネル(図示せず)の下方に弾性的に支持されている。このマウントラバー12には、防振装置、すなわち、断面楕円形状の円筒状ゴムを有する支持装置が設けられ、上記ゴムの径方向に大きな弾性を有し、当該径方向の振動を吸収することにより、車体からDPF8への振動伝達を抑制するように構成されている。なお、当実施形態のマウントラバー12は、アルミダイキャストによって製造されている。
図1に戻って、センタ管7bは、上流端がDPFハウジング83の下流側接続管部83cに連通接続され、車体後方に略真っ直ぐ延びて形成されている。このセンタ管7bは、その上流端部のDPF8に近接した位置で、マウントラバー13によって車体に弾性的に支持されている。そして、センタ管7bの下流端部はマフラ9に接続されている。このマフラ9は、排気吐出音を軽減するためのものであり、ここでは公知のものが用いられているので、その説明は省略する。このマフラ9もマウントラバー14によって弾性的に支持されている。これらのマウントラバー13,14も、上記マウントラバー12と同様に構成されている。
なお、DPF8を専ら支持するマウントラバー12,13は、その軸線が排気系統4が延びる方向に沿って配設されている。したがって、DPF8は、車体前後方向について車体に対する変位が小さいものとなされ、これにより排気系統4の排気ガス流通路や圧力取出用の排気ガス経路を構成する各管状部材の不測の抜出を効果的に防止するものとなされている。
以上のように構成された車載ディーゼルエンジンの排気系構造によれば、DPFハウジング83に取付用開口83dが形成され、この取付用開口83dに別部材からなる取付ボス部材15が取り付けられているので、その製造時にDPFハウジング83の加工が容易となる。そして、この取付ボス部材15は、その熱容量が、圧力取出パイプ16、特にその拡開取付部162の熱容量よりも大きく、DPFハウジング83の熱容量よりも小さくなるように設計されているので、DPFハウジング83と取付ボス部材15とを溶接する際に各部材83,15の接合箇所が適度に溶融して確実かつ強固に溶接されるとともに、取付ボス部材15と圧力取出パイプ16とを溶接する際にも各部材15,16の接合箇所が適度に溶融して確実かつ強固に溶接され、これにより、圧力取出パイプ16を直接DPFハウジング83に溶接する場合に比べて、圧力取出パイプ16とDPFハウジング83との接合強度を向上させることができる。
また、圧力取出パイプ16は、その拡開取付部162が取付ボス部材15の差込受部152に外嵌された状態でこの拡開取付部162の一端部において差込受部152に溶接されているので、この差込受部152が拡開取付部162の裏当て材として機能し、これにより溶接熱による圧力取出パイプ16の内周面の膨出を確実に防止することができる。しかも、差込受部152は漸次拡径されてその基端部(DPF8側の端部)では圧力取出パイプ16の肉厚よりも厚い十分な肉厚を有し、また溶接材による溶接部25によっても溶接されることから、取付ボス部材15の内周面が溶接熱によって膨出してそのガス流通路151aの通路面積や通路断面形状が変化することも確実に防止することができる。このため、DPFハウジング83から圧力取出パイプ16に至るガス流通路151a,161aを閉塞したり、狭めたりすることを確実に防止することができ、これによりDPF8のフィルタ82の上下各流部の排気圧力を適正に取り出すことができ、圧力測定精度が低下したり、複数の排気系統4を構成した場合に各構造によってばらついたりすることもなく、良好なまま維持することができる。
また、取付ボス部材15には、環状受面部153が設けられ、圧力取出パイプ16の取付時にバラツキなく確実に適正位置に位置決めされた状態で取付ボス部材15に溶接されていることから、複数の排気系統4を製造する場合でも、バラツキがなく、確実に上記効果を得ることができる。
しかも、取付ボス部材15の差込受部152の外周面と圧力取出パイプ16の拡開取付部162の内周面とが面接触した状態で溶接され面接合されていることから、取付ボス部材15と圧力取出パイプ16との接合強度を向上させることができる。すなわち、上記したように、取付ボス部材15を介在させて間接的に圧力取出パイプ16をハウジング83に取り付けることと相俟って、圧力取出パイプ16とDPFハウジング83との接合強度を飛躍的に向上させることができる。このように両部材16,83の接合強度が向上されているので、車両の振動等にも拘わらず、その接合に対する耐久性を向上させることができる。
また、DPF8は曲げ自由度を有する上下流一対の球面ジョイント10a,10bを含むフロント管7aを介してディーゼルエンジン3に接続され、マウントラバー12,13により車体に弾性的に支持されているとともに、圧力取出パイプ16は取付ボス部材15の近傍位置でブラケット23によってDPF8の断熱カバー84に支持されているので、取付ボス部材15を介した圧力取出パイプ16とDPFハウジング83との接合部分に伝達される振動等は各マウントラバー12,13,ブラケット23で吸収等される。したがって、両部材16,83の接合部分は振動等から保護されるので、その耐久性をさらに向上させることができる。
また、DPF8から圧力センサ22に至るまでの排気ガス流通路が、DPF8やエンジン3等、比較的高温雰囲気となる部分について、鋼管等からなる金属パイプ16,19から構成されているので、パイプ16,19とDPF8やエンジン3との接触を防止してこれらのパイプ16,19の破損を確実に防止することができるとともに、パイプ16,19の支持剛性を向上させることができる。一方、DPF8から圧力センサ22に至るまでの排気ガス流通路が、球面ジョイント10a,10bを含むフロント管7aや比較的離れた車載部材(エンジン3と圧力センサ22)間に対応して設けられる部分について、可撓性を有する連結パイプ17等によって構成されているので、エンジン3とDPF8との相対変位やエンジン3とダッシュパネル21との相対変位に追随して変形させることができ、これによりこれらの各パイプ16,17,19等に疲れが生じることを有効に防止して、これらの破損を効果的に防止することができる。
なお、以上に説明した車載エンジンの排気系構造は、本発明に係る構造の一実施形態であり、その具体的構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、その変形例を説明する。
(1)上記実施形態では、圧力取出パイプ16の拡開取付部162は、予め拡開されているものが用いられているが、差込受部152に圧力取出パイプ16が外嵌される際に差込受部152によって拡開されるものであってもよい。
(2)上記実施形態では、圧力取出パイプ16a,16bは、DPFハウジング83に沿って配索され、ともにその先端部163が相互に揃えられた状態で下流側球面ジョイント10aに対応する位置に配置されているが、この圧力取出パイプ16a,16bの配索経路やその先端部の配置位置は特に限定されるものではなく、例えば図8に示すように構成されるものであってもよい。この図8では、下流側の圧力取出パイプ16bの配索経路、先端部216の配置位置については、上記実施形態と同様であるが、上流側の圧力取出パイプ16aの先端部217の配置位置が上記実施形態と異なる。
すなわち、下流側の圧力取出パイプ16bの先端部216はDPF8の長手方向に沿って配置され、一方、上流側の圧力取出パイプ16aの先端部217はDPF8の長手方向に対して傾斜した状態に配置されている。そして、この先端部217の先端は、下流側の圧力取出パイプ16bの先端部216の先端に比べて後方側に配置されている。
(3)上記実施形態では、位置決め部が環状受面部153として構成されているが、位置決め部は圧力取出パイプの先端に当接して位置決めできるものであればその具体的構成を特に限定されるものではなく、例えば取付ボス部材15の周面に突設された一個ないし複数個の突出部として構成されてもよい。ただし、位置決め部を上記実施形態のように環状受面部153として構成した場合には、この環状受面部153に圧力取出パイプ16の先端の全周が当接されることにより当該圧力取出パイプ16の位置決めが確実に行われるとともに、環状受面部153が溶接材の接合面としての機能を果たして圧力取出パイプとDPF8との接合強度をさらに向上させることができるという利点がある。
(4)上記実施形態では、フロント管7aに一対の球面ジョイント10a,10bが用いられているが、この球面ジョイント10a,10bの少なくともいずれか一方に代えて、蛇腹状に形成されたフレキシブルチューブを用いるものとしてもよい。
本発明に係る車載エンジンの排気構造を含む排気系統を排気マニホールドおよび排気過給機を省略した状態で示す斜視図である。 同排気系統の平面図である。 同排気系統の側面図である。 同排気系統に含まれる球面ジョイントを示す断面図である。 同排気系統に含まれるDPFを示す一部切欠き底面図である。 DPFハウジングに対する圧力取出パイプの接合構造を示す断面図である。 同接合構造を示す斜視図である。 他の実施形態に係るDPFを示す平面図である。
符号の説明
3 ディーゼルエンジン
7 排気管
7a フロント管
7b センタ管
8 ディーゼル微粒子除去装置(DPF)
10a 下流側球面ジョイント(フレキシブル継手の一例)
10b 上流側球面ジョイント(フレキシブル継手の一例)
15 取付ボス部材
15a 上流側取付ボス部材
15b 下流側取付ボス部材
16 圧力取出パイプ
16a 圧力取出パイプ
16b 圧力取出パイプ
17 連結パイプ(可撓性パイプの一例)
22 圧力センサ
23 ブラケット
25 溶接部
83 DPFハウジング
83d 取付用開口
84 断熱カバー
152 差込受部
153 環状受面部
161 パイプ本体
161a ガス流通路
162 拡開取付部

Claims (7)

  1. エンジンから排出される排気ガスが通気される排気系部材に取付ボス部材が固定され、この取付ボス部材を介して当該排気系部材に小径パイプが通気可能な状態で溶接により連結される車載エンジンの排気系構造であって、
    上記取付ボス部材は、その内径が略一定に保たれた状態でその外径が先端から所定の長さに亘って漸次拡径され上記小径パイプの一端部に内嵌される差込受部が設けられるとともに、この差込受部の基端部側に上記小径パイプの一端が当接される位置決め部が設けられ、
    上記小径パイプは、その一端部に上記差込受部に沿って拡開された拡開取付部を有し、その一端が上記位置決め部に当接された状態でこの拡開取付部の一端部で上記差込受部に溶接材を用いて溶接されていることを特徴とする車載エンジンの排気系構造。
  2. 上記位置決め部は、取付ボス部材の外径が段状に拡径されて形成された環状受面部として構成され、この環状受面部の外径は上記小径パイプの拡開取付部の外径よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1記載の車載エンジンの排気系構造。
  3. 上記排気系部材はディーゼルエンジンからの排気ガスに含まれる微粒子を除去するフィルターを含むディーゼル微粒子除去装置であり、上記小径パイプはこのディーゼル微粒子除去装置のフィルターの上流部および下流部の少なくとも上流部に接続され当該部分を流通する排気圧力を検出するための圧力取出パイプであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車載エンジンの排気系構造。
  4. 上記ディーゼル微粒子除去装置はその本体部の少なくとも一部を覆う断熱カバーが設けられ、上記圧力取出パイプはその他端が可撓性ホースを介して圧力センサに接続されるとともにその中間部の所定部分が上記断熱カバーに取り付けられていることを特徴とする請求項3記載の車載エンジンの排気系構造。
  5. 上記取付ボス部材は、その先端が上記断熱カバーよりも外側に突出していることを特徴とする請求項4記載の車載エンジンの排気系構造。
  6. 上記ディーゼル微粒子除去装置はフレキシブル継手を含む排気管を介してディーゼルエンジンに接続され、上記圧力取出パイプは排気ガス流の上流側に向かって上記フレキシブル継手の近傍位置まで配索されていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の車載エンジンの排気系構造。
  7. 上記小径パイプは、上記拡開取付部以外の部分の外径が10mm以下でその内径が4mm以上に設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車載エンジンの排気系構造。
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