JP4546348B2 - トランスインピーダンスアンプ - Google Patents
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Description
トランスインピーダンスアンプは、受信した光信号を受光素子により光電気変換して得られた入力電流Iinを入力とし、帰還抵抗の値に比例するトランスインピーダンス利得によって、出力電圧Voutに変換して出力するものである。
したがって、従来のトランスインピーダンスアンプは、高感度と広ダイナミックレンジ特性を両立させるために、入力電流Iinが大きくなった場合に帰還抵抗の値を小さくしてトランスインピーダンス利得を下げることで、大電流入力時も歪の少ない出力電圧Voutを得るようにしている。
第2のトランスインピーダンスアンプコア回路220は、入力端子が開放された増幅回路221により、出力電圧V1の参照電圧として入力電流Iinに応じて変化しない一定の出力電圧V2を出力端子から出力する。この際、第1のトランスインピーダンスアンプコア回路210と同一の出力特性を得るため、利得切替回路212と同じ構成の利得切替回路222が設けられている。
このような比較入力電圧Vcを差動入力とする利得切替コンパレータ251では、比較入力電圧Vcが電圧検出レベルVh1と比較されることになる。したがって、図19に示すように、入力電流Iinが電流I1を超えて比較入力電圧Vcが電圧検出レベルVh1を超えた時点で、利得切替コンパレータ251からの出力すなわち利得切替信号SELの論理が「利得大」から「利得小」へ反転する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプについて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプの構成を示すブロック図であり、前述した図17と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
出力バッファ回路240は、中間段バッファ回路230の差動出力端子が差動入力端子に接続されて、この差動入力端子に入力された出力電圧V3,V4を差動増幅し(例えば、利得=1)、出力電圧Voutp(非反転出力)およびVoutn(反転出力)を、トランスインピーダンスアンプ200の出力電圧Voutとして出力するバッファ回路である。
リセット判断回路260は、比較入力電圧Vcと利得切替信号SELとを入力として、利得切替判断回路250へリセット信号RESETを出力することにより、受光素子100からの入力電流Iinに応じて利得切替判断回路250の利得切替動作を初期化する判断回路である。
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプで用いられるリセット判断回路について詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプで用いられるリセット判断回路の構成を示すブロック図である。
リセット判断回路260は、ホールド回路261,262、レベル低下検出コンパレータ263、および論理積回路264から構成されている。
ホールド回路262は、比較入力電圧Vcを構成する一方の出力電圧V4が入力端子に接続されて、この出力電圧V4を個別に保持し、その出力端子から出力する回路である。
図3は、ホールド回路の具体例を示す回路図である。ここでは、フィードバックループを有するオペアンプの出力段に、RC時定数回路とトランジスタおよび定電流回路からなる出力回路とが直列接続された構成例が示されている。本ホールド回路では、RC回路により入力信号の平均値を検出保持するもので、放電用RC回路も有することにより入力信号振幅が減衰した場合にも放電用RC回路の時定数に従う応答速度でレベル追従できる。なお、ホールド回路の構成については、図3に限定されるものではなく、いずれの公知技術を用いてもよい。
論理積回路264は、レベル低下検出コンパレータ263から出力されたレベル低下検出信号LDETと利得切替判定回路250の利得切替コンパレータ251から出力された利得切替信号SELとを入力とし、これら信号の論理積からなるリセット信号RESETを出力端子から出力する論理回路である。
次に、図4〜図6を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプの動作について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプの各部における信号波形例である。図5は、利得切替コンパレータおよびデータ検出コンパレータの動作特性例である。図6は、本発明の第1の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプの動作例を示すタイミングチャート図である。
光ファイバを介して局側装置(OLT)から送信された光信号は、光カプラで分配されて宅側装置(ONU)に到達し、その光受信回路の受光素子100により光電気変換され、入力電流Iinとしてトランスインピーダンスアンプ200へ入力される。
一方、第2のトランスインピーダンスアンプコア回路220は、常時、出力電圧V1の参照電圧として入力電流Iinに応じて変化しない一定の出力電圧V2を出力している。
中間段バッファ回路230の差動出力信号は、出力バッファ回路240に入力され、出力電圧Voutp(非反転出力)およびVoutn(反転出力)からなるトランスインピーダンスアンプ200の出力電圧Voutとして出力される。
中間段バッファ回路230の差動出力信号は、比較入力電圧Vcとして利得切替判断回路250へ供給され、利得切替判断回路250の利得切替コンパレータ251およびデータ検出コンパレータ252へ入力される。
これにより、利得切り替えが行われる電流I1付近で入力電流Iinが変動しても、利得切替コンパレータ251の比較動作は安定するため、トランスインピーダンスアンプコア回路210,220の利得を安定させることができ、振幅変動の小さい出力信号Voutが得られる。
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプについて説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプで用いられる利得切替判断回路およびリセット判断回路の構成を示すブロック図であり、前述の図2と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
論理積回路264Aは、レベル低下検出コンパレータ263から出力されたレベル低下検出信号LDETと論理和回路265から出力された論理和信号ORとを入力とし、これら信号の論理積からなるリセット信号RESETを出力端子から出力する論理回路である。
次に、図8および図9を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプの動作について説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプにおける利得切替コンパレータの動作特性例である。図9は、リセット信号RESETの真理値表である。
これにより、第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路210,220の利得が小さくなり、結果としてトランスインピーダンスアンプの出力電圧Voutや比較入力電圧Vcは小さくなる。
また、利得切替信号SEL1の論理が「利得大」から「利得中」へ切り替えられた場合、スイッチ257がオンし、比較入力電圧Vcが利得切替コンパレータ252へ供給される。
これにより、第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路210,220の利得がさらに小さくなり、結果としてトランスインピーダンスアンプの出力電圧Voutや比較入力電圧Vcはさらに小さくなる。
これにより、利得切替コンパレータ251,252の利得切替動作がリセットされ、第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路210,220の利得は「利得大」に初期化される。
これにより、利得切替コンパレータ251,252の利得切替動作がリセットされ、第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路210,220の利得は「利得大」に初期化される。
また、本実施の形態では、各個別判断回路で、同一のヒステリシス特性すなわち電圧検出レベルを用いる場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、それぞれ個別のヒステリシス特性すなわち電圧検出レベルを用いてもよい。
次に、図10および図11を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプで用いられるトランスインピーダンスアンプコア回路の具体例について説明する。図10は、本発明の第3の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプで用いられるトランスインピーダンスアンプコア回路の主要部構成例を示す回路図である。図11は、トランスインピーダンスアンプコア回路の利得切替制御を示す説明図である。
次に、図12を参照して、本発明の第4の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプで用いられる利得切替判断回路の具体例について説明する。図12は、本発明の第4の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプの利得切替判断回路で用いられる利得切替コンパレータの構成例を示す回路図である。
本実施の形態では、利得切替判断回路250,250Aで利得切替コンパレータ251,252として用いられるヒステリシスコンパレータのリセット機能について詳細に説明する。
なお、図12のPMOSトランジスタMP1,MP2はリセット信号RESETの論理を反転すればNMOSトランジスタでも実現可能である。
本実施の形態では、リセット端子にリセット信号RESETを与えることで、強制的に反転出力端子ONが非反転出力端子OPに対して高い電圧になるように内部電圧を与えるリセット回路(PMOSトランジスタMP1,MP2)270を追加してある。これにより両出力端子OP,ONの電圧を初期値に戻すことが可能である。
Claims (3)
- 入力端子へ入力された電流を増幅し電圧信号として出力する増幅回路と、この増幅回路の利得を所定の利得切替信号に応じて切り替える利得切替回路とを有する第1のトランスインピーダンスアンプコア回路と、
入力端子が開放されて一定の電圧信号を出力する増幅回路と、この増幅回路の利得を前記利得切替信号に応じて前記第1のトランスインピーダンスアンプコア回路と同じ利得に切り替える利得切替回路とを有する第2のトランスインピーダンスアンプコア回路と、
前記第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路からの出力信号を差動増幅して出力する中間段バッファ回路と、
この中間段バッファ回路から出力された差動出力信号からなる比較入力電圧を、所定のヒステリシス特性を決定する2つの電圧検出レベルのうちいずれか高い方の電圧と比較した結果に応じて第1の利得切替信号を出力することにより、前記第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路の利得を第1の利得から第2の利得へ低減させる方向へのみ切替指示する利得切替動作を行う第1の利得切替コンパレータを有する利得切替判断回路と、
前記利得切替判断回路で前記第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路の利得を低減した後、前記比較入力電圧が前記高い方の電圧に達して利得切り替えが行われた後の切替電圧より低い所定のリセット電圧まで低下した際、前記利得切替判断回路の利得切替動作をリセットして前記第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路の利得を初期値へ戻すためのリセット信号を出力するリセット判断回路と
を備え、
前記リセット判断回路は、
前記比較入力電圧と前記リセット電圧とを比較するレベル低下検出コンパレータと、
このレベル低下検出コンパレータから比較結果として出力されるレベル低下検出信号と前記第1の利得切替信号との論理積を前記リセット信号として出力する論理積回路と
を有することを特徴とするトランスインピーダンスアンプ。 - 入力端子へ入力された電流を増幅し電圧信号として出力する増幅回路と、この増幅回路の利得を所定の利得切替信号に応じて切り替える利得切替回路とを有する第1のトランスインピーダンスアンプコア回路と、
入力端子が開放されて一定の電圧信号を出力する増幅回路と、この増幅回路の利得を前記利得切替信号に応じて前記第1のトランスインピーダンスアンプコア回路と同じ利得に切り替える利得切替回路とを有する第2のトランスインピーダンスアンプコア回路と、
前記第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路からの出力信号を差動増幅して出力する中間段バッファ回路と、
この中間段バッファ回路から出力された差動出力信号からなる比較入力電圧を所定のヒステリシス特性と比較した結果に応じて第1の利得切替信号を出力することにより、前記第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路の利得を第1の利得から第2の利得へ低減させる方向へのみ切替指示する利得切替動作を行う第1の利得切替コンパレータを有する利得切替判断回路と、
前記利得切替判断回路で前記第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路の利得を低減した後、前記比較入力電圧が所定のリセット電圧まで低下した際、前記利得切替判断回路の利得切替動作をリセットして前記第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路の利得を初期値へ戻すためのリセット信号を出力するリセット判断回路と
を備え、
前記利得切替回路は、
前記比較入力電圧を所定のヒステリシス特性と比較した結果に応じて第2の利得切替信号を出力することにより、前記第1および第2のトランスインピーダンスアンプコア回路の利得を前記第1の利得から前記第2の利得より低い第3の利得へ低減させる方向へのみ切替指示する利得切替動作を行う第2の利得切替コンパレータと、
前記第1の利得切替コンパレータからの前記第2の利得への切り替えを指示する前記第1の利得切替信号で導通して、前記第1の利得切替コンパレータへ入力されている前記比較入力電圧を前記第2の利得切替コンパレータへ供給するスイッチと
を有することを特徴とするトランスインピーダンスアンプ。 - 請求項2に記載のトランスインピーダンスアンプにおいて、
前記リセット判断回路は、
前記比較入力電圧と前記リセット電圧とを比較するレベル低下検出コンパレータと、
前記第1の利得切替信号および前記第2の利得切替信号の論理和信号を出力する論理和回路と、
前記レベル低下検出コンパレータから比較結果として出力されるレベル低下検出信号と前記論理和信号との論理積を前記リセット信号として出力する論理積回路と
を有することを特徴とするトランスインピーダンスアンプ。
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