JP4546279B2 - 中空構造体用セパレータ部材の取付構造 - Google Patents
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Description
セパレータ部材は、本体を発泡性材料で形成し、発泡性材料を中空構造体内に収め、発泡性性材料を中空構造体の外部から加熱することで発泡するものである。
発泡性材料が発泡することで、発泡性材料が中空構造体の内壁に密着し、中空構造体の空間をセパレータ部材で仕切ることができる(例えば、特許文献1参照。)。
図12は従来の基本構成を説明する図である。
セパレータ部材100は、発泡性部材で形成した本体101を中空構造体(フロントピラー)103のスチフナ104に係止させることで、フロントピラー103内に本体101を取り付けるものである。
クリップ突片108…の外周が取付孔104aの周縁に当接し、クリップ突片108…が中空孔106側に弾性変形する。
これにより、係止クリップ102がフロントピラー103に係止され、セパレータ部材100をスチフナ104に取り付ける。
インナーパネル110、スチフナ104およびアウターパネル111でフロントピラー103を構成する。
このため、スチフナ104をセパレータ部材100に取り付けた後、インナーパネル110をスチフナ104に溶接するまでの間に、本体101に工具や治具などが当たる虞がある。
このため、本体101に工具や治具などが当たった場合、クリップ突片108…が弾性変形して、係止クリップ102が取付孔104aから外れ、セパレータ部材100が脱落してしまう虞がある。
セパレータ部材100が脱落した場合、作業者は、係止クリップ102を取付孔104aにもう一度取り付ける必要があり、作業者に過大な負担がかかっていた。
このため、セパレータ部材に工具や治具などが当たった場合、係止クリップが弾性変形して取付孔から外れてしまう虞がある。
さらに、車体パネルに当て部を当接した後、支持軸を中心に回動させて、張出部を車体パネルの壁面に臨ませるとともに、位置決め部を取付孔に入り込ませて、張出部を壁面に臨ませた位置に位置決めして係止状態とするようにした。
このように、張出部と当て部とで車体パネルを挟持することで、車体パネルに係止クリップを、確実に、かつ強固に取り付けることができる。
したがって、車体パネルからセパレータ部材が脱落することを防止でき、脱落したセパレータ部材を車体パネルにもう一度取り付ける手間を省くことができる。
このように、位置決め部を2部材からなる簡単な構成にし、かつ、当て部と一体に形成することで、位置決め部を簡単に形成することができる。
図1は本発明に係るセパレータ部材を中空構造体内に収納した状態を示す斜視図、図2は図1の2−2線断面図である。なお、図1においては、発明の理解を容易にするためにアウターパネルを除去した状態を示す。
車両10は、窓ガラスの枠体を構成するとともに、ルーフを支えるために複数のピラー11(1個のみを図示する)を上方に向けて立ち上げている。
これらのピラー11は、中空状の閉断面構造であり、遮音性などを高めるために、空間39がセパレータ部材12で仕切られている。
以下、ピラー11としてフロントピラーを例示して説明する。
アウターパネル15は、前後端にそれぞれ前後のフランジ23,24を備え、中央部25を車体外側に膨出させた部材である。
スチフナ16は、前後端にそれぞれ前後のフランジ27,28を備え、中央部(壁面)29をアウターパネル15に倣わせて形成した部材である。
アウターパネル15の後フランジ24とスチフナ16の後フランジ28とをスポット溶接で接合するとともに、スチフナ16の後フランジ28とインナーパネル14の後フランジ19とをスポット溶接で接合する。
この中空構造体30に中空構造体用セパレータ部材12が取り付けられている。
中空構造体用セパレータ部材12は、図2に示す中空構造体30内に収納するセパレータ本体31と、セパレータ本体31に備えた係止クリップ32とからなる。
この係止クリップ32を取付孔38に取り付ける。取付孔38は、スチフナ16の中央部29に形成されている。
以下、中空構造体用セパレータ部材の取付構造40を構成するそれぞれの部材について詳しく説明する。
取付孔38は、セパレータ部材12を取り付けた状態で、セパレータ本体31に対して平行に配置され、長さ寸法L1および幅寸法W1に形成された略長孔状の孔である。
支持軸43の先端に張出部42が一体に形成されている。張出部42は、取付孔38に対して略直交するように形成され、長さ寸法L2および幅寸法W2に形成された略長円状の抜け止め防止片である。
これにより、張出部42を取付孔38に簡単に嵌め込んで、通過させることができる。
張出部42の裏面42cから頂部42bまでの距離(突出量)がT2に設定されている。
よって、張出部42を取付孔38に簡単に通過させることが可能になり、従来技術で説明したように、係止クリップを取付孔に差し込むために、係止クリップの先端側を先細状に形成する必要がない。
これにより、張出部42、すなわち突出クリップ32の突出量T2を小さく抑えることができる。
これにより、フロントピラー11の剛性をより一層高めることができる。
間隔Dは、スチフナ16の肉厚寸法T3より僅かに大きい。
すなわち、第2当て部45の表面45aは、張出部42の裏面42cとの間の間隔が、間隔Dになるように形成されている。
弾性片47は、セパレータ本体31側とスチフナ16側に弾性変形可能な部材である。
幅寸法W3は、取付孔の幅寸法W1より僅かに小さい。
このように、位置決め部46を2部材からなる簡単な構成にし、かつ、第2当て部45と一体に形成することで、位置決め部46を簡単に形成することができる。
張出部42が取付孔38からスチフナ16の外側に抜け出すとともに、第1、第2の当て部44,45が中央部29の内壁29aに当接する。
すなわち、位置決め片48は、スチフナ16でセパレータ本体31側に押し込まれた状態(陥没の状態)になる。
このとき、弾性片47は、セパレータ本体31側に弾性変形している。
位置決め片48が、取付孔38の後側に臨むように位置し、位置決め片48が弾性片47の復元力で取付孔38の後側に入り込み、突出した状態になる。
このように、弾性片47を弾性変形させることで、位置決め片48を突没させることができる。
この状態において、張出部42の裏面42cが中央部29の外壁29bに当接させた状態を保つ。
したがって、張出部42と、第1、第2の当て部44,45とでスチフナ16を挟持することが可能になる。これにより、セパレータ部材12をスチフナ16に、確実に、かつ強固に取り付けることができる。
図6(a),(b)は本発明に係る中空構造体用セパレータ部材の取付構造において取付孔に張出部を差し込む状態を説明する図である。
(a)において、取付孔38に張出部42を合わせ、セパレータ部材12を取付孔38に向けて矢印Aの如く移動する。
ここで、張出部42の長さ寸法L2は、取付孔38の長さ寸法L1より僅かに小さく、張出部42の幅寸法W2(図4参照)は、取付孔38の幅寸法W1(図4参照)より僅かに小さい。
よって、張出部42を取付孔38に簡単に嵌め込んで、張出部42が取付孔38からスチフナ16の外側に抜け出させることができる。
(a)〜(b)において、張出部42が取付孔38からスチフナ16の外側に抜け出した状態で、支持軸43(図4参照)を軸にしてセパレータ部材12を矢印Bの如く回動する。
この状態で、位置決め片48は内壁29aでセパレータ本体31側に押し込まれ、弾性片47がセパレータ本体31側に湾曲状に弾性変形する。
(a)において、支持軸43を取付孔38の前端側に寄せた状態で、支持軸43を軸にしてセパレータ部材12の回動を継続する。
(a)において、支持軸43を取付孔38の前端側に寄せた状態で、支持軸43を軸にしてセパレータ部材12の回動をさらに継続する。
(a)において、セパレータ部材12のセパレータ本体31が水平になり、張出部42が取付孔38に対して直交する位置に配置される。
位置決め片48が、取付孔38の後側に入り込むことで、張出部42を、取付孔38に対して直交する位置に位置決めする。
この状態において、張出部42が中央部29に当接させた状態を保つ。したがって、張出部42と、第1、第2の当て部44,45とで中央部29を挟持することが可能になる。これにより、係止クリップ32でセパレータ部材12を、スチフナ16に確実に、かつ強固に取り付けることができる。
(a)において、アウターパネル15の前フランジ23とスチフナ16の前フランジ27とをスポット溶接で接合するとともに、スチフナ16の前フランジ27とインナーパネル14の前フランジ18とをスポット溶接で接合する。
中空構造体30内にセパレータ本体31を収納する。
これにより、セパレータ本体31で中空構造体30内の空間39(図1、図2参照)を仕切ることができる。
さらに、スチフナ16に第1、第2の当て部44,45を当接した後、支持軸43を中心に回動させて、張出部42をスチフナ16の中央部(壁面)29に臨ませるとともに、位置決め片48を取付孔38に入り込ませて、張出部42を中央部(壁面)29に臨ませた位置に位置決めして係止状態にした。
このように、張出部42と第1、第2の当て部44,45とでスチフナ16を挟持することで、スチフナ16に係止クリップ32を、確実に、かつ強固に取り付ける。
したがって、スチフナ16からセパレータ部材12が脱落することを防止できる。
Claims (2)
- 発泡性材料を備えたセパレータ本体を有し、このセパレータ本体に係止クリップを備え、この係止クリップを車体パネルの取付孔に取り付けることで、セパレータ本体を、車体パネルで形成した中空構造体内に配置し、発泡性材料を加熱により発泡させて中空構造体内の空間を仕切る中空構造体用セパレータ部材の取付構造において、
前記取付孔を、略長孔状に形成し、
この取付孔に取り付ける係止クリップの構成部材として、
前記略長孔状の取付孔より小さく形成し、前記セパレータ本体に支持軸を介して設けた張出部と、
この張出部が前記取付孔を通過した際に、前記車体パネルに当接する当て部と、
この当て部が車体パネルに当接した際に、前記車体パネル押圧力で前記セパレータ本体側に弾性変形可能な位置決め部と、を備え、
前記張出部が前記取付孔を通過した後、前記支持軸を中心に回動させて、張出部を前記車体パネルの壁面に臨ませた状態において、前記弾性変形されていた位置決め部が復元力で前記取付孔に入り込み、前記張出部を前記壁面に臨ませた位置に位置決めして係止状態とすることを特徴とする中空構造体用セパレータ部材の取付構造。 - 前記位置決め部は、前記当て部または前記支持軸から弾性片を延ばし、この弾性片の先端部に位置決め片を備え、
この弾性片を弾性変形させることで、位置決め片を前記セパレータ本体側に移動可能で、
かつ、弾性片の復元力で、位置決め片を前記取付孔に入り込み可能としたことを特徴とする請求項1記載の中空構造体用セパレータ部材の取付構造。
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