JP4543536B2 - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキ液圧制御装置に関するものであり、特に、車両用アンチスキッド制御装置、車両用トラクション制御装置等に使用されるブレーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のブレーキ液圧制御装置として、特開平8−295223号公報に開示されたものがある。これは、車輪減速度の推定車体減速度に対する偏差を所定時間毎に演算し、その偏差に基づいて車輪のブレーキ液圧の減圧後の保持・増圧時間を制御するブレーキ液圧制御装置である。
【0003】
また、特開平4−345567号には、車輪のブレーキ液圧を増圧し、増圧前後のスリップ率の変化に応じて、車輪のブレーキ液圧の減圧後の保持・増圧時間を制御するブレーキ液圧制御装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、路面の摩擦係数(μ)は路面の種類・状況や車輪の荷重条件、および車両の旋回によっても大きく変化し、制御中に演算された推定車体減速度等の各演算値が、現在のμの値を前提としたものである以上、これらを基に車輪のブレーキ液圧の減圧後の保持・増圧時間を最適なものに制御することは困難である。
【0005】
特に、前記した後者の従来技術では、車輪のブレーキ液圧の増圧前後のスリップ率の変化を演算する場合、常に増圧量を一定にしてスリップ率変化を演算する必要があるため、μのピーク値付近では、増圧によってμのピーク値を過ぎてしまい、車輪のブレーキ液圧の減圧後の保持・増圧時間を最適なものに制御することは難しい。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべく、車輪のブレーキ液圧の減圧後の保持・増圧時間を最適なものに制御できるブレーキ液圧制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、車輪のスキッド状態を検出すると、車輪のブレーキ液圧を減圧した後に、保持および増圧を繰り返すブレーキ液圧制御装置において、車両の各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記車輪速度検出手段によって検出した各車輪の車輪速度から推定車体速度を演算する推定車体速度演算手段と、前記推定車体速度演算手段によって演算された推定車体速度と前記車輪速度検出手段によって検出された車輪速度から各車輪のスリップ率を演算するスリップ率演算手段と、前記車輪速度検出手段によって検出した各車輪の車輪速度から各車輪の加速度を演算する車輪加速度演算手段と、車輪のブレーキ液圧を減圧した後、ブレーキ液圧を保持している間に、前記車輪加速度演算手段によって演算された車輪加速度が最上点に達した時の、前記スリップ率演算手段によって演算された各車輪のスリップ率を目標スリップ率に設定する目標スリップ率設定手段とを備え、前記目標スリップ率設定手段によって設定された目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を決定し、更に、前記目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の減圧開始時期を決定することとした。
請求項2の発明は、車輪のスキッド状態を検出すると、車輪のブレーキ液圧を減圧した後に、保持および増圧を繰り返すブレーキ液圧制御装置において、車両の各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記車輪速度検出手段によって検出した各車輪の車輪速度から推定車体速度を演算する推定車体速度演算手段と、前記推定車体速度演算手段によって演算された推定車体速度と前記車輪速度検出手段によって検出された車輪速度から各車輪のスリップ率を演算するスリップ率演算手段と、前記車輪速度検出手段によって検出した各車輪の車輪速度から各車輪の加速度を演算する車輪加速度演算手段と、車輪のブレーキ液圧を減圧した後、ブレーキ液圧を保持している間に、前記車輪加速度演算手段によって演算された車輪加速度が最上点に達した時の、前記スリップ率演算手段によって演算された各車輪のスリップ率を目標スリップ率に設定する目標スリップ率設定手段とを備え、前記目標スリップ率設定手段によって設定された目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を決定し、車両が旋回状態にあると判断されたときは、前記目標スリップ率の補正を行うこととした。
【0008】
請求項1の発明によると、車輪加速度が最上点の値に達したときをμの最も高い時と判断して、その時のスリップ率を目標スリップ率として設定して、目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を決定するため、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を最適なものに制御できるブレーキ圧制御装置とすることができる。更に、前記目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の減圧開始時期が決定される。
請求項2の発明によると、車輪加速度が最上点の値に達したときをμの最も高い時と判断して、その時のスリップ率を目標スリップ率として設定して、目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を決定するため、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を最適なものに制御できるブレーキ圧制御装置とすることができる。更に、車両が旋回状態にあると判断されたときは、前記目標スリップ率の補正が行われる。
【0009】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明による実施の形態に係るブレーキ液圧制御装置を表す。図1においては、1車輪のみについて表した。
【0010】
図1においてマスタシリンダ1は、ブレーキペダル3と連結して、車両の運転者のブレーキ操作力が伝えられることによって、ブレーキ液圧を発生させる。マスタシリンダ1は主液圧路7を介して車輪ブレーキ5と連結され、車輪ブレーキ5にブレーキ液圧を加えることができる。更に主液圧路7には常時開状態の電磁弁である増圧弁11が設置されている。
【0011】
還流路9は主液圧路7に連結するとともにリザーバ13へとつながるとともに、常時閉状態の電磁弁である減圧弁15が設置されている。
【0012】
電動モーター17は液圧ポンプ19と連結され、リザーバ13内のブレーキ液を主液圧路7へと還流する。電動モーター17はスイッチ素子21を介して車両の電源23と電気的に接続され、スイッチ素子21はコントローラー25とも接続されている。車輪速センサ27は、車両の図示しない車輪近傍に設置され、車輪の速度を検出してコントローラー25に対し車輪速信号を送信する。なお、増圧弁11および減圧弁15もそれぞれコントローラー25に電気的に接続されている。
【0013】
図1に示したブレーキ液圧制御装置における、アンチスキッド制御(ABS制御)について説明する。車両の運転者がブレーキペダル3を操作することによってマスタシリンダ1に液圧を発生させ、発生したマスタシリンダ1の液圧は主液圧路7を介して車輪ブレーキ5へと伝わり図示しない車輪にブレーキ力を発生させる。
【0014】
車輪ブレーキ5に過大なブレーキ液圧が与えられ、車輪速センサ27が、図示しない車輪のスキッド状態を検出すると、ABS制御が開始して、コントローラー25が増圧弁11の図示しないソレノイドに通電して作動させ、開状態から閉状態に切換えるとともに、減圧弁15の図示しないソレノイドに通電して作動させ、閉状態から開状態へと切換える。これによって、車輪ブレーキ5はマスタシリンダ1との連通が遮断され、リザーバ13と連通する。したがって、車輪ブレーキ5のブレーキ液がリザーバ13へと吐出され、車輪ブレーキ5の液圧は減圧される。
【0015】
ABS制御が開始すると、コントローラー25によってスイッチ素子21が導通し電源23から電動モーター17に電流が与えられ駆動される。電動モーター17によって液圧ポンプ19が駆動され、一旦リザーバ13に蓄えられたブレーキ液は、マスタシリンダ1に還流される。
【0016】
車輪ブレーキ5の減圧によって車輪の回転が復帰すると、コントローラー25によって減圧弁15が閉状態とされて、車輪ブレーキ5がマスタシリンダ1およびリザーバ13と非連通とされて、車輪ブレーキ5内の液圧が保持される。その後、コントローラー25によって再び増圧弁11の作動、非作動が繰り返されて、車輪ブレーキ5の増圧、保持が繰り返される。
【0017】
図2は本発明によるブレーキ液圧制御装置のジェネリックフローチャートである。ステップS100において、車輪速センサ27が発信した車輪速信号に基づいて、コントローラー25が車輪速度(Vw)を演算する。ステップS200において、演算された車輪速度(Vw)に基づいて車輪加減速度(DVw)が演算される。更に、ステップS300において、ステップS100で演算された車輪速度(Vw)に基づいて推定車体速度(Vs)が演算される。ステップS400では、ステップS300で演算された推定車体速度(Vs)によって、推定車体加減速度(DVs)が演算される。
【0018】
以下は、図2のステップS500にある目標スリップ演算について、図3および図4に基づいて詳述する。図4のステップS502において各車輪がABS制御中であるか否かが判定される。ABS制御中であれば、ステップS504においてコントローラー25からの減圧出力要求の有無が判定される。減圧出力要求が有ればステップS506において前回減圧出力要求が有ったか否かが判定される。前回減圧出力要求が有ればステップS510において目標スリップ率の算出の有無が判定される。ステップS506において前回減圧出力要求が無いと判定されると、減圧開始と判断しステップS508において“目標スリップ率算出無し”のフラグを立てる。ステップS510において目標スリップ率の算出が無いと判定されれば、ステップS512において前回目標スリップ率の算出があったか否かを判定する。前回目標スリップ率の算出が無ければ、ステップS514において車輪速度(Vw)がVwLpeakを超えているか否か、すなわち車輪速度(Vw)が回復状態であるか否かを判定する。車輪速度(Vw)が回復状態にある時、ステップS516において“VwLpeak後カウンタ”を+1とする。ステップS512において前回目標スリップ率の算出が有ったと判定された時、あるいはステップS514において車輪速度(Vw)が回復状態にないと判定された時は、ステップS518においてVwLpeak,VwLpeakスリップ,VwLpeakスリップ率,DvwHpeakを更新し、VwLpeak後カウンタを0とする。
【0019】
ステップS520において、現在の車輪加減速度(DVw)がDvwHpeakより小さいか否かが判定される。ステップS518においてDvwHpeakの初期値は車輪速度(Vw)が最下点付近にある時の値、すなわちほぼ0に設定されている。したがって、車輪速度(Vw)が回復状態にある時は、車輪加減速度(DVw)は正の値をとるため、ステップS520において車輪加減速度(DVw)がDvwHpeakより大きいと判定され、ステップS522においてDvwHpeakの値が更新されていく。車輪速度(Vw)が次第に回復し、車輪加減速度(DVw)が最上点付近になると、車輪加減速度(DVw)が最上点を超えた時点で、ステップS520において車輪加減速度(DVw)がDvwHpeak(前回のDVwの値)より小さいと判定され、ステップS524において“目標スリップ率算出有り”のフラグを立てるとともに、ステップS526において、現在の車輪速度(Vw)、推定車体速度(Vs)を用いて目標スリップ率(Sa)が演算される。
【0020】
次に、ステップS528において目標スリップ率(Sa)と対向輪(前右輪と前左輪あるいは後右輪と後左輪で以下対向輪と呼ぶ)の目標スリップ率(Sa)に所定量Cを超える差があるか否かが判定される。目標スリップ率(Sa)と対向輪の目標スリップ率(Sa)との間にCを超える差がある時、ステップS530において車輪速度(Vw)が最下点にある時のスリップ率(VwLpeakスリップ率)と目標スリップ率(Sa)との差が比較され、その差が所定量e未満である時、旋回内輪と判断し、ステップS532において“目標スリップ率補正要求有り”のフラグを立てる。差が所定量e以上である時、ステップS536において“目標スリップ率補正要求無し”のフラグを立てる。すなわち、対向輪間の目標スリップ率の差が所定量を超え、且つ車輪最大落込み時のスリップ率と目標スリップ率(Sa)との差が所定値未満である時に車両が旋回状態にあると判断し、目標スリップ率(Sa)の補正が行われる。一方、対向輪間の目標スリップ率の差が所定量以下である場合、あるいは車輪最大落込み時のスリップ率と目標スリップ率(Sa)との差が所定値以上であると判定される時は、目標スリップ率(Sa)の補正は行われない。目標スリップ率(Sa)の補正が行われる場合ステップS538を介してステップS540へと進み、目標スリップ1(Sv)が所定値gによって補正され設定される。更に、ステップS542において目標スリップ2(Sv)が所定値jおよびgによって補正され設定される。一方、ステップS544およびステップS546においては、補正無しに目標スリップ1(Sv)および目標スリップ2(Sv)が演算される。
【0021】
ステップS502において制御中でないと判定されると、ステップS548において“目標スリップ率算出無し”のフラグを立て、ステップS550において目標スリップ率(Sa)を所定値Aに設定する。その後、ステップS552において、VwLpeak,VwLpeakスリップ,VwLpeakスリップ率,DvwHpeakを更新し、VwLpeak後カウンタを0とし、更にステップS554において“目標スリップ率補正要求無し”のフラグを立てる。
【0022】
次に図2におけるステップS600のABS制御について、図5を用いて説明する。図5のステップS602においてABS制御中でないと判定されるとステップS604に進み、スリップ率が目標スリップ率(Sa)を超えると制御中のフラグを立て(ステップS606)、ステップS622へと進む。スリップ率が目標スリップ率(Sa)以下であると、ステップS608において増圧弁11および減圧弁15がともに非作動状態となり車輪ブレーキ5がマスタシリンダ1と連通するとともに、リザーバ13と遮断される。更に、ステップS610においてパルス増出力時間が0とされ、またステップS612において、“減圧出力要求無し”のフラグを立てる。
【0023】
ステップS602においてABS制御中と判定されると、ステップS614において現在のスリップ量がステップS540あるいはステップS544にて算出された目標スリップ1(Sv)以上であるか判定され、現在のスリップ量が目標スリップ1(Sv)以上である場合、ステップS616においてパルス増時間が所定値i未満であるか否か判定される。パルス増モード後であって、パルス増時間が所定値i未満と判定されればステップS618において現在のスリップ量がVwLpeakスリップを超えているか、すなわち車輪速度(Vw)の落込み量が前回の車輪最大落込み量を超えているか判定され、前回の車輪最大落込み量以下であると判定されれば、ステップS620において増圧弁11が作動するとともに減圧弁15が非作動状態となり、車輪ブレーキ5がマスタシリンダ1およびリザーバ13と遮断されブレーキ液圧が保持される。車輪ブレーキ5のブレーキ液圧は、現在のスリップ量がVwLpeakスリップを超えるまで保持され、車輪の振動・外乱補正が行われる。
【0024】
現在のスリップがVwLpeakスリップを超えると、ステップS622において車輪加減速度(DVw)が、負の値であるか否かが判定され、負の値である場合ステップS624において減圧モードに入り、増圧弁11および減圧弁15がともに作動状態となり車輪ブレーキ5がマスタシリンダ1から遮断されるとともに、リザーバ13と連通される。その後ステップS626において“減圧出力要求有り”のフラグが立てられ、ステップS628においてパルス増圧出力時間が0とされる。以上から分かるように、ABS制御中の減圧モードの開始タイミングは、ステップS604における現在のスリップ率と目標スリップ率(Sa)との比較結果、あるいはステップS614における現在のスリップ量と目標スリップ1(Sv)との比較結果によって決定されることとなる。
【0025】
一方、ステップS614において、現在のスリップ量が目標スリップ1(Sv)未満であると判定されると、ステップS630で減圧モード後であるか否かが判定される。ステップS630において減圧モードであると判定された後、ステップS632において目標スリップ率(Sa)の算出が有ることが判定されるとステップS634において現在のスリップ量が目標スリップ2(SV)と比較され、目標スリップ2(SV)未満である場合、増圧タイミングと判断しステップS700へと進んでパルス増制御に入る。これについては後述する。その後、ステップS636においてパルス増出力時間カウンタを+1とし、ステップS638において、パルス増出力時間がhを超えているかどうかを判定し、パルス増出力時間がhを超えていればステップS640において制御外のフラグを立て、ステップS608へと進む。パルス増出力時間がh以下である時は、ステップS612へと進む。
【0026】
ステップS632において目標スリップ率(Sa)の算出が無いと判定されると、車輪加減速度(DVw)が最上点を過ぎていると判断し、ステップS622において保持または減圧の判断を行う。
【0027】
ステップS634において、現在のスリップ量が目標スリップ2(SV)以上であると判定された時は、増圧可能なスリップ量で車輪の速度が回復していないと判断し、ステップS620においてブレーキ液圧が保持される。
【0028】
次に図6に基づいて、図5にあるステップS700のパルス増制御について説明する。ステップS702において車輪加減速度(DVw)が所定値q(例えば3G)未満であるか否かが判定され、q以上の場合、ステップS710において保持時間小・増圧時間大(例えば保持時間20ms・増圧時間5ms)に設定し、極急パルス増モードが実行される。車輪加減速度(DVw)がq未満で、且つステップS704にて現在のスリップ量の目標スリップ1(SV)に対する比が所定値m以下であることが判定された時、ステップS712において保持時間小・増圧時間中(例えば保持時間20ms・増圧時間4ms)に設定し、急パルス増モードが実行される。現在のスリップ量の目標スリップ1(SV)に対する比が所定値mを超えており、且つステップS706にて所定値n以下であることが判定された時、ステップS714において保持時間小・増圧時間小(例えば保持時間20ms・増圧時間3ms)に設定し、基準パルス増モードが実行される。また、現在のスリップ量の目標スリップ1(SV)に対する比が所定値nを超えており、且つステップS708にて所定値p以下であることが判定された時、ステップS716において保持時間中・増圧時間小(例えば保持時間100ms・増圧時間3ms)に設定し、緩パルス増モードが実行される。更に、現在のスリップ量の目標スリップ1(SV)に対する比が所定値pを超えていることが判定された時、ステップS718において保持時間大・増圧時間小(例えば保持時間250ms・増圧時間3ms)に設定し、極緩パルス増モードが実行される。
【0029】
なお、上記した実施の形態についてはアンチスキッド制御を主に記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、トラクション制御等にも適用可能である。
【0030】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、前述したように車輪加速度が最上点の値に達した時をμが最も高い時と判断して、その時のスリップ率を目標スリップ率として設定し、目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を決定するため、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を最適なものに制御でき、安全性の高いブレーキ液圧制御装置とすることができる。更に、前記目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の減圧開始時期が決定される。
請求項2の発明によると、車輪加速度が最上点の値に達した時をμが最も高い時と判断して、その時のスリップ率を目標スリップ率として設定し、目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を決定するため、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を最適なものに制御でき、安全性の高いブレーキ液圧制御装置とすることができる。更に、車両が旋回状態にあると判断されたときは、前記目標スリップ率の補正が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるブレーキ液圧制御装置を表す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるブレーキ液圧制御装置のジェネリックフローチャートを表す図である。
【図3】制動中の車輪および車体の状況を表す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるブレーキ液圧制御装置の目標スリップ演算に関するフローチャートを表す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるブレーキ液圧制御装置のABS制御に関するフローチャートを表す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるブレーキ液圧制御装置のパルス増制御に関するフローチャートを表す図である。
【符号の説明】
5・・・車輪ブレーキ
Vw・・・車輪速度
Vs・・・推定車体速度
DVw・・・車輪加減速度
VwLpeak・・・車輪速度最下点値
DVwHpeak・・・車輪加減速度最上点値
Sa・・・目標スリップ率
SV・・・目標スリップ
Claims (2)
- 車輪のスキッド状態を検出すると、車輪のブレーキ液圧を減圧した後に、保持および増圧を繰り返すブレーキ液圧制御装置において、車両の各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記車輪速度検出手段によって検出した各車輪の車輪速度から推定車体速度を演算する推定車体速度演算手段と、前記推定車体速度演算手段によって演算された推定車体速度と前記車輪速度検出手段によって検出された車輪速度から各車輪のスリップ率を演算するスリップ率演算手段と、前記車輪速度検出手段によって検出した各車輪の車輪速度から各車輪の加速度を演算する車輪加速度演算手段と、車輪のブレーキ液圧を減圧した後、ブレーキ液圧を保持している間に、前記車輪加速度演算手段によって演算された車輪加速度が最上点に達した時の、前記スリップ率演算手段によって演算された各車輪のスリップ率を目標スリップ率に設定する目標スリップ率設定手段とを備え、前記目標スリップ率設定手段によって設定された目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を決定し、更に、前記目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の減圧開始時期を決定することを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
- 車輪のスキッド状態を検出すると、車輪のブレーキ液圧を減圧した後に、保持および増圧を繰り返すブレーキ液圧制御装置において、車両の各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、前記車輪速度検出手段によって検出した各車輪の車輪速度から推定車体速度を演算する推定車体速度演算手段と、前記推定車体速度演算手段によって演算された推定車体速度と前記車輪速度検出手段によって検出された車輪速度から各車輪のスリップ率を演算するスリップ率演算手段と、前記車輪速度検出手段によって検出した各車輪の車輪速度から各車輪の加速度を演算する車輪加速度演算手段と、車輪のブレーキ液圧を減圧した後、ブレーキ液圧を保持している間に、前記車輪加速度演算手段によって演算された車輪加速度が最上点に達した時の、前記スリップ率演算手段によって演算された各車輪のスリップ率を目標スリップ率に設定する目標スリップ率設定手段とを備え、前記目標スリップ率設定手段によって設定された目標スリップ率に応じて、車輪のブレーキ液圧の保持および増圧の時間を決定し、車両が旋回状態にあると判断されたときは、前記目標スリップ率の補正を行うことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
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