JP4543433B2 - 水栓制御システム - Google Patents

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本発明は、例えばトイレにおいて、水栓や便器の使用者を検出して自動的に吐水や洗浄等の制御を行う水栓制御装置と、その動作モードを水栓や便器の掃除等に適した特殊な動作モードに変更するリモコンからなる水栓制御システムに関する。
水栓に手を差し出すと自動的に吐水する自動水栓や、便器の使用後に自動的に洗浄水を流す便器自動洗浄装置など、人体を検出して吐水や洗浄を自動的に行う水栓装置は、その利便性や衛生性から広く普及している。
これらの水栓装置の使用者である人体を検出する手段として、焦電センサや超音波センサなども使用可能であるが、人体の有無を確実に捉える性能に優れ、小型で防水構造にも適しているという理由により、赤外線を用いたアクティブ型の光電センサが多く使用されている。
また、トイレに使用される水栓制御装置では、トイレという環境の特殊性から、AC電源の配線工事を必要としない電池駆動(または洗浄水を利用した水力発電)のものが必要になる場合がある。このような場合、水栓制御装置が低消費電力で動作することが重要であり、特にセンサ部分の低消費化が必須となる。赤外線を用いたアクティブ型の光電センサは、低消費電力という面でも一般に優れている。
この種の光電センサは、赤外線を検出領域に対してパルス投光を行い、その反射光を検出して、検出対象物の有無を判定する。ここでパルス投光を行うのは、検出領域に存在する環境光である蛍光灯などの照明や太陽光に含まれる赤外線の成分、すなわち、光電センサにとってのノイズを除去するためである。また、パルス投光は低消費化にもつながる。
パルス投光によりノイズを除去する方法として、同期積分という方法がある。
同期積分は、パルス投光のタイミングに同期して受光信号を積分するものである。また、投光するタイミングで受光信号を積分し、投光しないタイミングでは極性(プラス・マイナス)を逆転させた受光信号を積分する(反転積分する)と、更にノイズ除去効果が高まる。
このパルス投光とその積分動作を複数回、繰り返し行うことにより、信号である反射光の積分値は増え、ノイズの積分値は逆に減っていく。つまり、パルス投光とそれに同期した積分を複数回行えば、その繰り返し回数に比例してS/Nが向上する。
また、このような自動水栓や便器自動洗浄装置など、センサの感知状態に応じて吐水、洗浄する装置の場合、水栓や便器の掃除をする際に、センサが掃除をする人を感知してしまい、掃除をする人にとっては不本意に水が流れ、掃除がしにくいという問題がある。
そこで、センサ部に磁石に反応するリードスイッチを内蔵し、掃除をする人がセンサに磁石を近づけることでセンサによる洗浄を一時的に停止する等の特殊なモードに切り替えるものがある。
また、磁石以外では、設定手段として赤外リモコンを使い、受光素子はセンサのものを共用し、人体検出とリモコンの発光パターンを変えて区別する考案もある(例えば特許文献1参照)。
赤外リモコンの場合、磁石に比較して伝達できる情報量が多いため、前述の掃除モードの設定以外にも、水栓装置のパラメータの調整や動作条件変更などの特殊な動作モードの設定、あるいは解除といった操作にも利用することができる。
但し、磁石であっても、赤外リモコンであっても、一般の使用者のいたずら等で特殊な動作モードに入ることが無いよう、その設定手段は通常はトイレに持ち込まないようなものでなければならない。
特開平6−308255 物体検知方法
しかし、特殊モードの設定手段として磁石を用いる方式では、センサ部にリードスイッチを収納し、センサ前面には磁石が反応するだけの開口スペースが必要となり、センサが大型化する。センサが大型化すれば、どのような製品であってもデザイン性に劣ることにつながる。特に、自動水栓のようにセンサ面のサイズの小型化が重要な製品では、リードスイッチの収納は困難である。また、設定手段が磁石であるため、誰でも比較的入手し易く、いたずらされる恐れがある。
特殊モードの設定手段として赤外リモコンを使い、受光素子はセンサのものを共用する方法(特許文献1)では、センサの受光処理とリモコンの受光処理を別々に行う必要があり、センサ処理が複雑化し消費電力が増大する。また、リモコン専用の受信回路を設ければ、センサ部のサイズの大型化や消費電力の増大という問題が生じる。
前述の特許文献1の方式では、人体検出は連続光を発光し、リモコンは複数回点滅する断続光として判別を行っている。しかし、連続か断続かを判別するには、連続であれば連続しているという状態を、断続であれば、連続、休止、連続と繰り返す状態を認識しなければならず、その判断が終わるまでに長時間を要する。その間、受光回路や判断処理を行うマイコン等の消費が継続するため、低消費化が難しい。
このように、特殊なモードを設定・解除する手段として、センサの大型化を伴わず、低消費で、いたずらされにくい方法がなかった。
ここに、本発明は上記問題を解決するためになされたもので、水栓制御装置とリモコンの組み合わせにより、水栓制御装置の通常動作と特殊モードの設定も含めて、センサ部分の小型化と低消費化が可能な水栓制御システムを提供することを目的とする。
投光手段から光をパルス投光し、その反射光を受光手段で受光して使用者である人体の有無を検出し給水制御を行う水栓制御装置と、
該水栓制御装置に対して光信号を出力し、該水栓制御装置の動作モードの変更等を行うリモコンからなる水栓制御システムにおいて、
前記水栓制御装置は、前記受光手段の出力を増幅した第1の信号を出力する増幅手段と、
前記第1の信号を受けてその極性を反転させた第2の信号を出力する反転手段と、
前記第1または第2の信号を積分する積分手段と、
前記投光手段及び積分手段を制御し、前記積分手段出力に応じて人体の有無、或いは前記リモコンの光信号の入力を判定する制御手段を備え、
該制御手段は、前記パルス投光の投光開始に同期して第1の信号を所定時間積分し、その投光終了に同期して第2の信号を前記所定時間と同一時間積分した後の
前記積分手段の出力が予め設定した第1の閾値レベルに達したときに人体を感知したと判定するものであり、
前記リモコンは、前記水栓制御装置の前記投光手段のパルス投光を受光し、該受光した信号の位相を逆転させて光出力する機能を備え、前記水栓制御装置の前記投光手段及び前記受光手段と対向して前記リモコンを操作させた場合、前記制御手段は、前記積分手段の出力が前記第1の閾値レベルに対して逆の電圧極性の第2の閾値レベルに達したときに前記リモコンの光信号入力であると判定するようにしたので、
水栓制御装置は、人体の検出とリモコン信号の検出を完全に同時に処理することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の水栓制御システムにおいて、前記リモコンは、前記投光手段のパルス投光を受光し、該受光した信号を前記パルス投光開始に同期した所定時間だけ遅延させて光出力することにより、前記受光した信号の位相を逆転させて光出力するので、リモコンは、正確な逆位相の光を水栓制御装置に返すことができる。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の水栓制御システムにおいて、前記リモコンは、前記投光手段のパルス投光を受光し、該受光した信号がなくなるとこれと同期してパルス光を出力することにより、前記受光した信号の位相を逆転させて光出力するので、リモコンは、水栓制御装置側の投光時間や積分時間が個体差や設計変更等でさまざまな値をとっても、パルス投光と逆位相の信号光を出力できる。
本発明によれば、
人体検出時の信号処理とリモコン信号の検出処理は、全く同一の回路で同一の動作により実行される。例えば、受光した信号の特徴から、受光処理の途中で動作を切り替えるというような処理が不要であり、人体検出のみを行う回路に比較して、回路の複雑化、処理時間の延長、消費の増大という事が無い。
また、同期積分により人体検出時に外乱ノイズを低減することができるが、リモコン信号の検出においても同期積分の同様の効果が得られる。よって、水栓制御装置の投光パルスに同期しない外乱ノイズをリモコン信号と誤って検出することがなく、安定した動作が得られる。
また同期積分は、低減するだけでなく検出感度を増大させるので、リモコン側の光出力(投光電流)を抑えることができる。更に、人体検出光とリモコン光は、位相を逆転させるだけなので、リモコンの投光時間は人体検出の投光時間と同一でよい。よってリモコン側も低消費となり、例えばリモコンを電池で駆動する場合に有利である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明の実施形である、アクティブ型の光電センサの方式の人体検出装置を有する水栓制御装置の回路図であり、図5及び図6はその動作タイミングチャートである。
図3において、1は光電センサの出力信号である赤外光を投光する投光素子、2は対象物から反射した赤外光を受光する受光素子である。
22は図3の光電センサを含む水栓制御装置の回路を制御する制御手段であり、光電センサの検出結果(検出対象である使用者の有無)に応じて電磁弁駆動手段23を駆動して、水栓の自動吐水や便器の自動洗浄を行う。
トランジスタ3と抵抗4とOPアンプ5は、投光素子3に所定の電流を流す定電流回路である。6はアナログスイッチであり、制御手段22から出力される電圧(定電流回路の基準電圧となる電圧で、例えば、制御手段からD/A変換により出力される)を、同じく制御手段22から出力されるタイミング信号S2により、OPアンプ5へ伝達する。これにより、前記定電流回路が動作し、信号S2に同期して投光素子1がパルス投光する投光手段が形成されている。
抵抗7とOPアンプ8は受光手段を構成し、受光素子2が、その受光量に比例して発生する光電流を電圧に変換する。この電圧のAC成分はコンデンサ9を介して抵抗10、11及びOPアンプ12からなる増幅手段に入力され、増幅される。増幅手段の出力は、抵抗13、14及びOPアンプ15からなる反転手段に入力される。反転手段では、信号振幅は等しく、その極性が反転する。
更に、増幅手段の出力はアナログスイッチ16を介して、また、反転手段の出力はアナログスイッチ17を介して積分手段に入力される。なお、アナログスイッチ16及び17はそれぞれ、制御手段22から出力されるタイミング信号S2及びS3により、オン/オフされる。
積分手段は、抵抗18とコンデンサ19、OPアンプ20により構成される。また21は、制御手段22が出力するタイミング信号S1によりオン/オフするアナログスイッチであり、コンデンサ19の放電(積分手段のリセット)を行う。
制御手段22により信号S1乃至S3を制御し、投光のタイミングと積分のタイミングを同期させることにより効果的な信号の積分とノイズ除去を行うことができる。従来から知られているこの動作を図6のタイミングチャートを用いて説明する。
まずパルス投光を行う前に、図6のT0のタイミングから所定時間、信号S1によってアナログスイッチ21をオンし、コンデンサ19を放電、すなわち積分手段をリセットする。この状態の積分手段の出力電圧(OPアンプ20の出力)が基準(反射信号のゼロ位置)となる。
T1のタイミングで信号S2がオン出力されアナログスイッチ6がオンして、投光素子1が投光する。これと同時にアナログスイッチ16がオンし、投光素子1の投光に同期して、反射光に比例した信号である増幅手段出力を積分手段で積分する。
T2のタイミングで信号S2がオフし、信号S3がオンしてアナログスイッチ17がオンする。ここでは、投光素子1が投光していない状態の受信信号を、反転手段によって極性を反転させて積分手段で積分する。T3のタイミングでは、信号S3がオフ、信号S2がオンして、T1〜T3のタイミングの動作を繰り返す。なお、T1〜T2とT2〜T3の時間間隔は、同じ時間である。こうして、図6のT9のタイミングまで、同一の動作を4回繰り返す。
投光素子1の投光に同期して増幅手段出力を積分することにより、積分手段出力は、投光回数に比例した信号量を出力する。図3の回路の場合、検出対象からの反射光、すなわち投光パルスに同期した信号は、積分手段出力が上昇する側に積分される。
なお、これは図3の構成でそうなるのであって、例えば受光素子2の取り付け極性、増幅手段の構成(反転型か非反転型か)や増幅段数によっては積分手段出力が下降する側に積分される場合もある。信号が、上昇と下降のどちら方向に積分されるかは本質的な問題ではない。
また、増幅手段出力と反転手段出力を同時間、同回数積分することにより、投光に同期しない成分、つまり光電センサの動作環境にあるノイズを打ち消すことができる。こうして、投光と積分動作を繰り返すことで、反射信号量(積分手段出力)は大きくなり、ノイズ成分は小さくなって光電センサのS/N比が向上する。以上は良く知られた同期積分の動作である。
次に、本発明の水栓制御装置を特殊なモードに設定するためのリモコンの回路図を図1に示す。
図1において、51は受光素子、52は投光素子である。抵抗53とOPアンプ54は受光手段を構成し、受光素子51が、その受光量に比例して発生する光電流を電圧に変換する。この電圧はコンパレータ57の(+)入力端子に入力される。また、この電圧は抵抗55、56の分圧によって、コンパレータ57のもう一方の(−)入力端子に対して、若干低い電位に設定されている。よってコンパレータ57は、受光素子51が信号光を受光すると、それに応じてロジックレベルのHiパルスを出力する。
コンパレータ57の出力は遅延手段58により所定時間だけタイミングを遅らされて、抵抗59、トランジスタ60と投光素子52からなる投光回路に入力される。
こうして、受光素子51が受光した光は、遅延手段58に設定された所定時間だけ遅れて投光素子52から投光される。つまり、所定時間だけ遅らせて反射するような動作となる。
なお、この遅延を行う所定時間とは、水栓制御装置の投光素子1の1回の投光時間に等しい値とする。これは、図6ではT1〜T2の時間である。つまり、特殊モードの設定を行う水栓制御装置の投光時間に合わせて、リモコン側の遅延手段58の遅延時間を設定すれば良い。
図1のリモコンによって図3の水栓制御装置を特殊なモードに設定する場合、双方を図4のように組み合わせて使用する。図4は、その際の、図1の投光素子1、受光素子2と、図3の受光素子51、投光素子52の物理的な位置関係を示す図である。
図4において、101は水栓制御装置側の投受光素子を遮光する遮光部材(投受光素子の固定を兼ねる)、102はそれを収める防水のケースである。また、104はリモコン側の投受光素子を遮光する遮光部材(投受光素子の固定を兼ねる)である。リモコン側にも防水のケースを被せても良いが、ここでは省略する。
双方の投受光素子は、投光と受光がそれぞれ向き合う位置関係となるよう、それぞれの投受光素子の間隔を同じとしている。103のようなクッション材を挟んで向かい合わせると、不要な光の漏れが発生しにくく、より好ましい。
図3の水栓制御装置を特殊なモードに設定する場合の動作を、図5のタイミングチャートを用いて説明する。但し、図3の回路動作は図6と同じで、制御手段22が出力する図5の信号S1、S2、S3は図6の場合と全く同じである。よって、図5と図6のタイミングT0〜T9は対応する。
図5のT1〜T2のタイミングで投光素子1がパルス光を出力するが、図4のような状態となっているため、受光素子2に反射光は返ってこない。よって、図5の受光手段出力にはT1〜T2のタイミングで信号は現れない。
このT1〜T2のタイミングでは、図1の受光素子51が図3の投光素子1の出力を受光する。これがコンパレータ57でロジックレベルに変換され、遅延手段58で遅延される。この遅延時間を、T1〜T2の時間と同一に設定しておく。
図5のT2のタイミングになると、遅延手段58で遅延された信号が投光素子52に出力される。こうして、T2〜T3のタイミングにリモコン側(投光素子52)の出力が現れ、それが図1の受光素子2に入力される。以降の動作は図6と同じで、同様の事が4回繰り返される。
こうして、投光素子1が投光していないタイミングで受光素子2にパルス光が入力される。これは、投光タイミングに対して、その積分タイミングの位相(積分と反転積分)が逆転した状態であり、図5のように、積分手段出力は、図6とは逆の下降方向に変化する。
このように、積分手段出力が、検出対象からの反射光を受光した場合と極性が逆方向に変化するという事は、言い換えれば、マイナスの反射光を受光した状態である。つまり、水栓制御装置の光電センサから見ると、対象に向けて赤外光を投光すると、その反射光が逆に減少してしまう状態であり、通常はあり得ない。また、同期積分によってノイズは抑制されるので、ノイズ等で簡単に積分手段出力が変化することもない。
これは、図1のようなリモコンの回路を使用しない限り起きない状態であり、積分手段出力に通常の人体検出時とは逆方向の電圧が現れるという条件は、専用のリモコンを用いて特殊モードが設定されたと判断するに十分なものである。
このように、水栓制御装置側には何ら特別な回路や動作状態の変更、消費の増大を必要とせず、リモコンによる特殊モードの設定が可能となる。
図2にリモコンの他の実施例の回路図を示す。図2の回路は、図1の遅延手段58の部分が異なる。図2では、コンパレータ57の出力がワンショットパルス回路(ワンショット・マルチ・バイブレータ)61に入力される。これ以外は図1と同じである。
61は入力の立ち下がりパルスをトリガにして、一定幅のパルスを1発出力するワンショットパルス回路である。図2の回路では、図1と同様に、受光素子51が水栓制御装置の投光素子1から出力を受光すると、それに応じてコンパレータ57がロジックレベルのHiパルスを出力する。つまり、受光素子51が受光しなくなると、コンパレータ57がLoパルスを出力し、これがワンショットパルス回路61のトリガ入力になる。
よって、水栓制御装置の投光素子1の投光が終了すると、リモコンの投光素子52が光出力する。ワンショットパルス回路61が出力するパルス幅は、厳密に設定する必要はなく、水栓制御装置の投光手段のパルス投光と同じか、若干短い時間に設定しておけば良い。図2の回路では、水栓制御装置が出力するパルス投光の周波数が多少変化しても対応できるという長所がある。
なお、本実施例では1回の人体検出のパルス投光数を4回としているが、これは多くても少なくても良い。パルス投光数が1回であっても、図1または図2の回路により人体検出の投光と逆位相のパルスを出力することができ、リモコンによって特殊モードを設定することは可能である。
また、図4で水栓制御装置とリモコンを向かい合わせに密着させて使用するようになっているが、からなずしも密着させる必要はない。つまり、図3の受光素子2が受光する光の成分において、図3の投光素子1の反射光より、図1または図2の投光素子52の出力光が大きくなるようにすれば良い。
図4のように密着させなくても、例えば「リモコン本体を黒く塗る」「リモコンを小さく作る」「リモコンの投光パワーを上げる」等の対策で、本発明の動作が可能である。
図7は、水栓制御装置のトイレにおける使用例である。図7のように、男性の小便器の洗浄水の給水管と洗浄管の間に便器自動洗浄装置が取り付けられている。この中に水栓制御装置が含まれる。
便器自動洗浄装置は、使用者に向かって赤外光を投光し、その反射光を受光して使用者の有無を判断し、自動的に洗浄水を流し小便器を洗浄する。
図8は便器自動洗浄装置の内部構造例である。カバー内に、水栓制御装置、電磁弁、電源となる電池などが入っている。便器自動洗浄装置のタイプによっては、電磁弁が水栓制御装置と別に設置される事もあり、電源はAC電源で動作するものもある。また、これらが小便器に内蔵されて、便器と一体構造となる場合もある。なお、水栓制御装置は人体検知装置や電磁弁の制御機能を有するが、図8のように、人体検知装置の投光及び受光素子とともに、電気回路として一体に構成される場合が多い。
水栓制御装置は、例えば、使用者が小便器の前に来た時に前洗浄(事前に便器を濡らし、汚れの付着や小便の飛びはねを防止する)を行ったり、使用者が立ち去った後に本洗浄(便器の洗浄および小便の排出)を行う。
よって、図7のように、小便器の前に来た人が用足しの使用者であれば問題ないが、小便器を掃除する人が来た場合、掃除の作業で小便器の前を通ったり、小便器から離れたりすることで、便器洗浄が行われてしまう。洗浄水が無駄になるだけでなく、例えば便器の洗剤が流れてしまうなど、清掃作業の障害となる。
そこで、図9のようなリモコン(図1または図2の回路が内蔵されたもの)を掃除の作業者に持たせ、図8の赤外光の投光・受光の部分に対向させて図5の動作を行えば、水栓制御装置に対して、通常動作モードと異なる特殊なモードを設定できる。
この場合は「掃除をするので一時的に自動洗浄を禁止する」「掃除が終わったので、一定量の水を流す」などの動作に切り替え、効率的な清掃作業ができる。
本発明の実施形であるリモコンの回路図である。 本発明の第2の実施形であるリモコンの回路図である。 本発明の実施形である水栓制御装置の回路図である。 本発明の実施形である水栓制御装置とリモコンを組み合わせて使用する際の位置関係を示す断面図である。 本発明の実施形である特殊モード設定を行う際の動作を示すタイミングチャートである。 センサの検出動作を行う際の動作を示すタイミングチャートである。 男性用小便器に水栓制御装置を使用した例である。 便器自動洗浄装置の内部構造例である。 本発明のリモコンの外観例である。
符号の説明
1 水栓制御装置の投光素子
2 水栓制御装置の受光素子
5 水栓制御装置の投光手段のOPアンプ
6 投光をオン・オフするアナログスイッチ
8 水栓制御装置の受光手段のOPアンプ
12 増幅手段のOPアンプ
15 反転手段のOPアンプ
16 増幅手段出力を積分する際にオンするアナログスイッチ
17 反転手段出力を積分する際にオンするアナログスイッチ
18 積分手段の抵抗
19 積分手段のコンデンサ
20 積分手段のOPアンプ
21 積分手段をリセットするアナログスイッチ
22 水栓制御装置の制御手段
23 電磁弁駆動手段
51 リモコンの受光素子
52 リモコンの投光素子
54 リモコンの受光手段のOPアンプ
57 コンパレータ
58 遅延手段
61 ワンショットパルス回路
101 水栓制御装置の投受光素子の遮光部材
104 リモコンの投受光素子の遮光部材

Claims (3)

  1. 投光手段から光をパルス投光し、その反射光を受光手段で受光して使用者である人体の有無を検出し給水制御を行う水栓制御装置と、
    該水栓制御装置に対して光信号を出力し、該水栓制御装置の動作モードの変更等を行うリモコンからなる水栓制御システムにおいて、
    前記水栓制御装置は、前記受光手段の出力を増幅した第1の信号を出力する増幅手段と、
    前記第1の信号を受けてその極性を反転させた第2の信号を出力する反転手段と、
    前記第1または第2の信号を積分する積分手段と、
    前記投光手段及び積分手段を制御し、前記積分手段出力に応じて人体の有無、或いは前記リモコンの光信号の入力を判定する制御手段を備え、
    該制御手段は、前記パルス投光の投光開始に同期して第1の信号を所定時間積分し、その投光終了に同期して第2の信号を前記所定時間と同一時間積分した後の前記積分手段の出力が予め設定した第1の閾値レベルに達したときに人体を感知したと判定するものであり、
    前記リモコンは、前記水栓制御装置の前記投光手段のパルス投光を受光し、該受光した信号の位相を逆転させて光出力する機能を備え、前記水栓制御装置の前記投光手段及び前記受光手段と対向して前記リモコンを操作させた場合、前記制御手段は、前記積分手段の出力が前記第1の閾値レベルに対して逆の電圧極性の第2の閾値レベルに達したときに前記リモコンの光信号入力であると判定することを特徴とする水栓制御システム。
  2. 請求項1に記載の水栓制御システムにおいて、
    前記リモコンは、
    前記投光手段のパルス投光を受光し、該受光した信号を前記パルス投光開始に同期した所定時間だけ遅延させて光出力することにより、前記受光した信号の位相を逆転させて光出力することを特徴とする水栓制御システム。
  3. 請求項1に記載の水栓制御システムにおいて、
    前記リモコンは、
    前記投光手段のパルス投光を受光し、該受光した信号がなくなるとこれと同期してパルス光を出力することにより、前記受光した信号の位相を逆転させて光出力することを特徴とする水栓制御システム。
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