JPH11120451A - 検知装置 - Google Patents

検知装置

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JPH11120451A
JPH11120451A JP9279085A JP27908597A JPH11120451A JP H11120451 A JPH11120451 A JP H11120451A JP 9279085 A JP9279085 A JP 9279085A JP 27908597 A JP27908597 A JP 27908597A JP H11120451 A JPH11120451 A JP H11120451A
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Kenji Haniyuda
謙治 羽生田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成により低コストで、測定環境の明
るさや外乱光の影響を受けずに、検知領域内への侵入者
等を高感度で検出し得る検知装置を提供する。 【解決手段】 検知装置10は、赤外線発光素子11
と、発振回路12,アップカウンタ13,調整回路とし
てのオフディレー回路14及び投光回路15と、赤外線
受光素子16と、この赤外線受光素子16の受光信号を
処理するための切換え回路としてのマルチプレクサ1
7,二重積分回路18,同期検波増幅回路19,平滑回
路20,比較回路としてのウィンドーコンパレータ回路
21及び警報回路22と、赤外線発光素子11及び赤外
線受光素子16の前に配置された可視光カットフィルタ
23とを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射光測定回路に
利用し、特に受光素子への入射光の変化を検出して、所
定の検知領域内での侵入者等の存在を検知するための検
知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防犯用の検知装置は、検知領域に
赤外光を照射する赤外線発光素子と、検知領域で反射さ
れた反射光を受光する赤外線受光素子とを含んでおり、
赤外線発光素子から出射して、検知領域内に侵入した人
間の体等により乱反射された赤外線が赤外線受光素子に
入射することにより、赤外線受光素子に入射する赤外線
光量を検出し、その変化に基づいて検知領域内への侵入
者等を検知するようにしている。
【0003】このような構成の検知装置によれば、検知
領域内に侵入者等がいない場合には検知領域内からの赤
外線の乱反射がないことから、赤外線受光素子への赤外
線の入射光量は変化がない。
【0004】この状態から、検知領域内に侵入者等が入
ると、この侵入者等によって赤外線発光素子から出射し
た赤外線が乱反射されることになり、この乱反射された
赤外線が赤外線受光素子に入射する。これにより、赤外
線受光素子への赤外線の入射光量が変化するので、この
赤外線受光素子の検出信号の変化が、信号処理回路によ
って適宜に処理されることによって、侵入者等の存在が
検知され得ることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構成の検知装置においては、測定環境の明るさや外乱光
の影響を受けてしまい、誤動作してしまうことがあっ
た。この外乱光による影響を防止するために検知感度を
低く設定すると、検知距離が短くなったり、検知視野が
狭くなってしまうと共に、小さな物体や反射率の低い物
体が検知できなくなってしまうという課題が生じてい
た。従って、外乱光対策としては、発光素子を一定周波
数でパルス変調することによりパルス発光させ、受光素
子による受光信号の中から信号光による信号のみを取り
出すように、受光信号の一部を積分した信号により、受
光素子として使用されるフォトトランジスタのバイアス
を変化させて、信号周波数より低い周波数の外乱光に対
して応答しないようにした検知装置や、受光信号をバン
ドパスフィルタ回路により周波数選択して、外乱光の影
響を排除するようにした検知装置などが知られている。
【0006】しかしながら、このような検知装置におい
ては、信号光に重畳された外乱光の影響を完全に排除す
ることは困難であるので、外乱光によって信号光が変化
してしまい、正確な信号光の検出を行なうことができな
かった。
【0007】これに対して、従来は、発光素子に流す駆
動電流を大きくして発光出力を増大させる方法や、受発
光素子を複数個並べて配置することにより、感度を高め
る方法が採用されているが、これらの方法においては、
S/N比が多少改善されるものの、消費電流が増大した
り、コストが高くなってしまう。このため、このような
検知装置の使用は、外乱光の影響の少ない場所に限定さ
れてしまい、検知距離が短く且つ検知視野が狭く、また
小さい物体や反射率の低い物体を検出できず、さらには
動きの遅い物体や静止した物体の検知もできないとい
う、性能面での限界があることから、用途が限定されて
しまっていた。
【0008】また、信号光による信号の積分値及び外乱
光による信号の積分値をそれぞれサンプルホールドし
て、これら積分値の差をとることにより、外乱光による
信号を除去する方法もあるが、回路が複雑になると共
に、コストが高くなってしまう。他方、信号光による信
号の積分及び外乱光による信号の積分を、それぞれ別の
積分器によって行ない、積分値の差をとることにより、
外乱光による信号を除去する方法もあるが、この方法で
は回路は単純になるものの、二つの積分器の積分定数を
合わせることが困難であり、正確な外乱光による信号の
除去ができない。
【0009】本発明は以上の点に鑑み、簡単な構成によ
り、低コストで測定環境の明るさや外乱光の影響を受け
ずに、検知領域内への侵入者等が高感度で検出されるよ
うにした検知装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の検知装置は、検知領域にパルス光を照射す
る発光手段と、検知領域からの反射光を受光する受光手
段と、受光手段からの受光信号を外乱光測定及び信号光
測定に切り換える切換え手段と、切換え手段により切り
換えられた外乱光による信号を逆積分する二重積分処理
手段と、二重積分処理手段からの信号光による信号の変
化をトリガレベルと比較して検知信号を出力する比較手
段と、比較手段からの検知信号に基づいて警報を発生さ
せる警報手段とを含んでいることを特徴とするものであ
る。
【0011】また本発明の検知装置は、検知領域にパル
ス光を照射する赤外線発光素子と、検知領域内の侵入者
等からの反射光を受光する赤外線受光素子と、赤外線受
光素子からの受光信号を外乱光測定及び信号光測定に切
り換える切換え回路と、切換え回路により切り換えられ
た外乱光による信号を逆積分して信号光による信号のみ
を取り出す二重積分回路と、二重積分回路の出力信号か
ら信号光成分のみを取り出して増幅する同期検波増幅回
路と、同期検波増幅回路からの信号光による信号を直流
信号に変換する平滑回路と、平滑回路からの直流信号の
変化をトリガレベルと比較して検知信号を出力する比較
回路と、比較回路からの検知信号に基づいて警報を発生
させる警報回路とを含んでいることを特徴とするもので
ある。
【0012】本発明による検知装置は、好ましくは、上
記構成に加え、二重積分回路のリセット期間中に切換え
回路の受光素子の出力端子間を短絡するスイッチを含ん
でいる。
【0013】本発明による検知装置は、好ましくは、上
記二重積分回路の外乱光測定時間と信号光測定時間のデ
ューティ比を調整するための調整回路を備えている。
【0014】本発明による検知装置は、好ましくは、上
記比較回路が、トリガレベルが自動シフトすることによ
り、一定した検知感度にて検知信号を出力するようにな
っている。
【0015】上記構成によれば、切換え手段によって、
発光手段が発光している信号光測定時間と、発光手段が
発光していない外乱光測定時間とを切り換えて、二重積
分処理手段によって信号光測定時間にて信号光及び外乱
光による信号を積分し、外乱光測定時間にて外乱光によ
る信号を逆積分することにより、信号光による信号のみ
を取り出す。これにより、外乱光の影響を排除した信号
光による信号のみの検出が可能となり、検知領域内への
侵入者等が高感度で正確に検出されることになる。
【0016】また、切換え回路によって、赤外線発光素
子が発光している信号光測定時間と、赤外線発光素子が
発光していない外乱光測定時間とを切り換えて、二重積
分回路によって信号光測定時間にて信号光及び外乱光に
よる信号を積分し、外乱光測定時間にて外乱光による信
号を逆積分することにより、信号光による信号のみを取
り出す。これにより、外乱光の影響を排除した信号光に
よる信号のみの検出が可能となり、検知領域内への侵入
者等が高感度で正確に検出されることになる。
【0017】本検知装置に、二重積分回路のリセット期
間中に切換え回路の受光素子の出力端子間を短絡するス
イッチを含んでいる場合には、二重積分回路の出力を確
実にゼロにでき、誤動作することがない。
【0018】本検知装置に、上記二重積分回路の外乱光
測定時間と信号光測定時間のデューティ比を調整するた
めの調整回路を備えている場合には、外乱光測定時間と
信号光測定時間とが互いに僅かに異なることにより、赤
外線受光素子や二重積分回路のオペアンプが完全にリニ
ア動作しないことによる測定誤差が補正され、より一層
外乱光の影響を受けない、正確な検出が行なわれ得る。
【0019】上記比較回路が、トリガレベルが自動シフ
トすることにより、一定した検知感度にて検知信号を出
力するようになっている場合には、測定環境の変化によ
って感度が変わってしまうようなことがなく、常に一定
の検知感度が得られることになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施形態に基
づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明による
検知装置の一実施形態を示しており、検知装置10は、
赤外線発光素子11と、発振回路12,アップカウンタ
13,調整回路としてのオフディレー回路14及び投光
回路15と、赤外線受光素子16と、この赤外線受光素
子16の受光信号を処理するための切換え回路としての
マルチプレクサ17,二重積分回路18,同期検波増幅
回路19,平滑回路20,比較回路としてのウィンドー
コンパレータ回路21及び警報回路22と、赤外線発光
素子11及び赤外線受光素子16の前に配置された可視
光カットフィルタ23とを含んでいる。
【0021】赤外線発光素子11は、検知領域Xに対し
て近赤外光を出射するように配設されていて、その検知
距離を長くしあるいは検知視野を限定する必要がある場
合には、前方に例えばレンズや凹面鏡,フレネルレンズ
等の収束系または発散系の光学系11aを備えている。
なお、赤外線発光素子11は、例えば赤外LED(発光
ダイオード)が使用され、その発光出力に応じて、所望
の検知距離や検知視野を確保するために、複数個並べて
駆動されるようにしてもよい。
【0022】発振回路12は、クロック信号を発生させ
るものであり、例えばC−MOSインバータ,IC,ト
ランジスタ等によるマルチバイブレータやCR素子を使
用した自励又は他励発振回路から構成されており、その
発振周波数は、赤外線発光素子11の発光パルス幅に対
応して設定される。例えば、その発振周波数が10kH
zの場合、赤外線発光素子11の発光パルス幅は100
μsとなる。
【0023】アップカウンタ13は、発振回路12から
のクロック信号をアップカウントして、その第一のカウ
ンタ出力Q0(図4参照)と第二のカウンタ出力Q1の
ロジック信号により受光信号を切り換えるマルチプレク
サ17のスイッチを順次切り換える信号及び投光回路に
発光素子をパルス駆動させる信号を出力するものであ
る。この場合、投光出力信号E(図4参照)は、その周
波数が外乱光周波数に対して10倍以上の周波数を有す
るように設定されることにより、外乱光に対する影響が
低減される。
【0024】オフディレー回路14は、受光信号におけ
る外乱光測定時間及び信号光測定時間のデューティ比を
調整するための回路であって、例えば図2に示すよう
に、アップカウンタ13からのロジック信号に基づい
て、コンデンサと可変抵抗の抵抗値で決まる時定数τ1
(図4参照)だけ立下りのタイミングを遅延させること
により、デューティ比を調整するようになっている。
【0025】投光回路15は、アップカウンタ13から
のロジック信号に対応して、信号光測定時間に同期して
赤外線発光素子11を発光させるものであり、赤外線発
光素子11の発光出力を安定化させるために、定電圧ま
たは定電流で赤外線発光素子11を駆動するようになっ
ている。
【0026】赤外線受光素子16は、赤外線発光素子1
1からの反射赤外光を検出し得る感度を有するものであ
り、その検知距離を長くしあるいは検知視野を限定する
必要がある場合には、前方に例えばレンズや凹面鏡,フ
レネルレンズ等の収束系または発散系の光学系16aを
備えている。なお、赤外線受光素子16は、例えばフォ
トダイオードが使用され、その受光感度に応じて、所望
の検知距離や検知視野を確保するために複数個並べて配
設されてもよい。
【0027】マルチプレクサ17は、図2に示すよう
に、赤外線受光素子16からの受光信号を、オフディレ
ー回路14を介して入力されるアップカウンタ13から
のロジック信号により、外乱光測定時間と信号光測定時
間とに切り換えるためのものであり、その受光素子出力
端子間に、二重積分回路18のリセット期間中短絡する
ためのアナログスイッチ17aを備えている。
【0028】二重積分回路18は、マルチプレクサ17
で切り換えられた受光信号のうち、外乱光による信号及
び信号光による信号を積分すると共に、外乱光による信
号を逆積分するように、例えば図3に示すように、オペ
アンプ18aから構成されている。
【0029】同期検波増幅回路19は、二重積分回路1
8により出力された信号から、同期検波によって信号光
による信号成分のみを取り出して、処理しやすい適宜の
レベルに増幅する。
【0030】平滑回路20は、同期検波増幅回路19か
らのパルス状の信号光による信号の波形を、直流波形に
変換する。
【0031】ウィンドーコンパレータ回路21は、信号
光による信号の変化を、二つのトリガレベルと比較し
て、二つのトリガレベル間から外れた場合に検知信号を
出力するようになっている。ここで、上記二つのトリガ
レベルは、それぞれ独立してレベル設定されると共に、
平滑回路20の出力信号の大きさに基づいて自動的に調
整されることにより、測定環境が変化しても常に一定の
検知感度を有するように構成されている。なお、上記ト
リガレベル設定は、入力信号の急激な変化に応答せず、
例えば数秒以上の遅延時間を有するように、応答速度を
調整し得るようにしてもよい。
【0032】警報回路22は、ウィンドーコンパレータ
回路21から検知信号が出力されたとき、侵入者等の検
知信号、即ち警報信号を外部に出力するものであり、電
源投入時から動作が安定するまでの所定時間の間、警報
を出力しないように所謂マスク期間を設定した警戒開始
のリセット信号を入力するリセットスイッチや、警報信
号をワンショットあるいは検知している間継続して、さ
らには一旦検知した後はリセットされるまで継続して出
力するように、切り換えられるようにしてもよい。ま
た、警報回路22は、警報信号によりリレーを動作させ
て、リレー接点出力にて外部に報知するための出力端子
を設けるようにしてもよく、警報回路内に視覚的に表示
する表示灯や聴覚的に表示する警報ブザー等を使用して
もよい。
【0033】可視光カットフィルタ23は、強い外乱光
が入射しても二重積分回路の出力が飽和しないように外
乱光の可視光線を遮断し、信号光の近赤外線を透過させ
る材質の光学フィルタである。
【0034】本発明実施形態による検知装置10は以上
のように構成されており、発振回路12からの周期T0
のクロック信号A(図4(A)参照)は、アップカウン
タ13によってアップカウントされて、その第二のカウ
ンタ出力Q1からのロジック信号C(図4(C)参照)
が、直接に投光回路15及びマルチプレクサ17に送出
されると共に、その第一のカウンタ出力Q0からのロジ
ック信号B(図4(B)参照)がオフディレー回路14
を介して、投光回路15及びマルチプレクサ17に送出
される。
【0035】ここで、オフディレー回路14は、アップ
カウンタ13の第一のカウンタ出力Q0からのロジック
信号Bに基づいて、T1とT2 のデューティ比を調整し
て、ロジック信号D(図4(D)参照)を出力するよう
になっている。
【0036】これにより、投光回路15は、ロジック信
号C及びオフディレー回路14からのロジック信号Dに
よりパルス駆動され、赤外線発光素子11から一定間隔
のパルス発光(図4(E)参照)を行なう。そして、赤
外線発光素子11から出射した近赤外光は、光学系11
a及び可視光カットフィルタ23を介して検知領域Xに
照射され、この領域における反射光が、可視光カットフ
ィルタ23及び光学系16aを介して、赤外線受光素子
16に入射して検出される。
【0037】そして、赤外線受光素子16の検出信号は
マルチプレクサ17に入力される。マルチプレクサ17
は、図4(F)に示すように、アップカウンタ13から
のロジック信号Cとオフディレー回路14からのロジッ
ク信号Dに基づいて、期間(信号光測定時間)T1(=
T0+τ1)では赤外線発光素子11が発光しているの
で、信号光による信号と外乱光による信号が重畳された
積分信号を出力し、続く期間(外乱光測定時間)T2
(=T0−τ1)では、赤外線発光素子11が発光して
いないので、外乱光による信号の逆積分信号を出力し、
さらに、期間T3(=T0)では、信号光による信号の
ホールド信号を出力し、その後のリセット期間T4(=
5×T0)では、マルチプレクサ17により二重積分回
路の積分コンデンサC3が短絡され、積分出力が0とな
る。
【0038】二重積分回路18の出力は、外乱光が小さ
い場合、図4(F)にて実線で示すように期間T1で増
大し且つ期間T2で減少するが、外乱光が大きくなった
場合、鎖線で示すように、それぞれ期間T1でより大き
い傾斜で増大し且つ期間T2でより大きい傾斜で減少す
るように変化する。従って、その差である信号光による
信号レベルV1は、外乱光の有無によって変化せず、一
定となる。このため、外乱光の影響を完全に除去した信
号光による信号のみが取り出され得ることになる。ここ
で、期間T1は、期間T2より僅かに長くなることか
ら、赤外線受光素子16及び二重積分回路18のオペア
ンプが完全にリニア作動しないことにより生ずる測定誤
差を補正する。これにより、外乱光に対して強く、高感
度の検出が行なわれ得ることになる。なお、実験では、
信号光測定時間T1と外乱光測定時間T2とのデューテ
ィ比が51:49のとき、最も外乱光に強い検出結果が
得られた。反射信号光が増大した場合には、二重積分回
路18の出力信号Fは図4(F)の右側に示すように、
信号レベルV1’となる。
【0039】続いて、二重積分回路18からの出力信号
は、同期検波増幅回路19によって期間T3における信
号光による信号のみが取り出され、図4(G)に示すよ
うに適宜の信号レベルV2に増幅され、さらに平滑回路
20により平滑化されて、図4(H)に示すように直流
波形の信号Hとなり、その時定数τ2は、回路内の抵抗
及びコンデンサの回路定数によって決まる。尚、この時
定数τ2は、赤外線発光素子11の発光周波数及び応答
速度によって適宜に選定される。
【0040】次に、平滑回路20からの直流信号Hは、
そのレベルV4が、ウィンドーコンパレータ回路21に
おいて、二つのトリガレベルVH,VLと比較される。
そして、直流信号Hが侵入者等の検知によって、図4
(I)に示すように、時定数τ3で信号レベルV4’に
変化すると、二つのトリガレベルVH,VLも時定数τ
3より十分大きい時定数τ4で変化することになるが、
一時的にトリガレベルVHから外れることになり、ウィ
ンドーコンパレータ回路21は、図4(J)に示すよう
に検出信号を出力する。この場合、直流信号Hの変化に
伴って、あるいは測定環境が変化して、信号レベルV4
が変化すると、トリガレベルVH,VLも図示のように
時定数τ4でシフトすることになって、再び同じトリガ
レベルに設定されることになるので、測定環境が変化す
る毎にトリガレベルの調整を行なう必要がなく、常に一
定の検知感度が得られるようになっている。
【0041】こうして、警報回路22は、ウィンドーコ
ンパレータ回路21からの検出信号に基づいて、外部に
警報信号を出力することになる。
【0042】ここで、上記説明は、侵入者等によって検
知装置10の赤外線受光素子16に対する入射光量が増
大する場合について説明したが、侵入者等によって赤外
線受光素子16に対する入射光量が減少する場合には、
赤外線受光素子16への入射光量に対応して、赤外線受
光素子16から検出信号が出力されることにより、平滑
回路20からの直流信号Hのレベルが低くなって、ウィ
ンドーコンパレータ21にて、VLトリガレベルを下回
ることになり、同様にして、警報信号が出力されること
により、侵入者等が検出されることができる。
【0043】上記実施形態においては、二重積分回路1
8は、期間T1にて信号光と外乱光の重畳した信号の積
分を行ない、期間T2にて外乱光による信号のみの逆積
分を行なうようになっているが、これに限らず、期間T
1にて外乱光による信号のみの積分を行ない、期間T2
にて信号光と外乱光の重畳した信号の逆積分を行なうよ
うにしてもよい。
【0044】上記実施形態においては、各回路は、それ
ぞれ独立して示されているが、例えば発振回路12,ア
ップカウンタ13,オフディレー回路14,平滑回路2
0,ウィンドーコンパレータ回路21と、警報回路22
の全部または一部の機能が、A/D回路内蔵のワンチッ
プマイコンを使用して構成されるようにしてもよい。こ
の構成によれば、機能が増大しても、全体の回路が複雑
化せず、コストアップが抑制され得ることになる。ま
た、静止物体の検知の際、信号光による信号レベルがト
リガレベルを超えた場合、その時点のトリガレベルを記
憶させて、信号レベルが元のレベルに戻るまでの間、即
ち検知している間、継続して警報信号を出力させること
が容易に可能となる。
【0045】さらに、ノイズ対策として、パルス状の信
号光による信号の各波形を一つづつまたは数パルス毎に
レベル変化の様式を解析・処理することによって、ノイ
ズによる誤動作をソフトウェアにより回避することが可
能である。例えば、パルス状の信号光を数パルス以上に
ついて平均化処理を行い、平均値を用いるようにすれば
赤外線式リモコン送信機からのリモコン信号による影響
を低減できる。また、パルス状の信号光による信号が連
続して3回以上同じ方向に変化したときに、検知信号で
あると判定し、その他の変化はノイズによるものと判定
するようにしておけば、ノイズに対する誤動作が大幅に
回避され得ることになる。なお、検知装置がセキュリテ
ィ用に使用される場合、応答速度があまり速くなくても
よいときには、上記パルス状信号光による信号の回数を
さらに多くしそれと同じ方向に変化したときに、検知信
号であると判定するようにすれば、検知領域内に侵入す
る虫等による誤動作が有効に回避され得ることになる。
【0046】また、上記実施形態においては、検知装置
10は、赤外線反射式センサを使用しているが、これに
限らず、他の検知センサ、例えば位置検出素子(PS
D)や超音波センサ等も使用され得ることは明らかであ
る。さらに、上記実施形態においては、可視光カットフ
ィルタ23が設けられているが、これに限らず、例えば
赤外線受光素子16の光学系16aに可視光カット材料
が使用されてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、切
換え回路によって、赤外線発光素子が発光している信号
光測定時間と、赤外線発光素子が発光していない外乱光
測定時間とを切り換えて、二重積分回路によって信号光
測定時間にて信号光と外乱光の重畳した信号を積分し、
外乱光測定時間にて外乱光による信号を逆積分すること
により信号光による信号のみを取り出すようにしてお
り、これにより、外乱光の影響を排除した、信号光によ
る信号のみの検出が可能となり、検知領域内への侵入者
等が高感度で正確に検知され得ることになる。
【0048】上記二重積分回路の外乱光測定時間と信号
光測定時間のデューティ比を調整するための調整回路を
備えている場合には、外乱光測定時間と信号光測定時間
とが互いに僅かに異なることにより、赤外線受光素子や
二重積分回路のオペアンプが完全にリニア動作しないこ
とによる測定誤差が補正され、より一層外乱光の影響を
受けない正確な検出が行なわれる。
【0049】上記比較回路が、トリガレベルが自動シフ
トすることにより一定した検知感度にて検知信号を出力
するようになっている場合には、測定環境の変化によっ
て感度が変わってしまうようなことがなく、常に一定の
検知感度が得られることになる。
【0050】従って、本発明によれば、従来では性能面
及び信頼性の点で使用することが困難であったセキュリ
ティ用の侵入者検知器や残留者検知器、あるいは自動ド
ア起動スイッチの静止検知等、あるいはシャッター開閉
検知、そして物体の動きや反射率等の変化を検知するた
めのセンサへの使用が可能となる。かくして、本発明に
よれば、簡単な構成により、低コストで測定環境の明る
さや外乱光の影響を受けずに、検知領域内への侵入者等
が高感度で検出され得るようにした極めて優れた検知装
置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による検知装置の一実施形態の構成を示
すブロック図である。
【図2】図1の検知装置におけるオフディレー回路の構
成例を示す回路図である。
【図3】図1の検知装置におけるマルチプレクサ及び二
重積分回路の構成例を示す回路図である。
【図4】図1の検知装置における各部の信号の変化を示
すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 検知装置 11 赤外線発光素子 12 発振回路 13 アップカウンタ 14 オフディレー回路 15 投光回路 16 赤外線受光素子 17 マルチプレクサ 17a アナログスイッチ 18 二重積分回路 19 同期検波増幅回路 20 平滑回路 21 ウィンドーコンパレータ回路 22 警報回路 23 可視光カットフィルタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検知領域にパルス光を照射する発光手段
    と、 検知領域からの反射光を受光する受光手段と、 この受光手段からの受光信号を、外乱光測定及び信号光
    測定に切り換える切換え手段と、 この切換え手段により切り換えられた外乱光による信号
    を逆積分する二重積分処理手段と、 この二重積分処理手段からの信号光による信号の変化を
    トリガレベルと比較して検知信号を出力する比較手段
    と、 この比較手段からの検知信号に基づいて警報を発生させ
    る警報手段と、を含んでいることを特徴とする、検知装
    置。
  2. 【請求項2】 検知領域にパルス光を照射する赤外線発
    光素子と、 検知領域内の侵入者等からの反射光を受光する赤外線受
    光素子と、 赤外線受光素子からの受光信号を、外乱光測定及び信号
    光測定に切り換える切換え回路と、 切換え回路により切り換えられた外乱光による信号を逆
    積分して信号光による信号のみを取り出す二重積分回路
    と、 この二重積分回路の出力信号から信号光成分のみを取り
    出し、この信号光成分のみを増幅する同期検波増幅回路
    と、 この同期検波増幅回路からの信号光による信号を直流信
    号に変換する平滑回路と、 この平滑回路からの直流信号の変化をトリガレベルと比
    較して検知信号を出力する比較回路と、 この比較回路からの検知信号に基づいて警報を発生させ
    る警報回路と、を含んでいることを特徴とする、検知装
    置。
  3. 【請求項3】 前記二重積分回路のリセット期間中に前
    記切換え回路の受光素子の出力端子間を短絡するスイッ
    チを含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の検
    知装置。
  4. 【請求項4】 前記二重積分回路の外乱光測定時間と信
    号光測定時間のデューティ比を調整するための調整回路
    を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の検知
    装置。
  5. 【請求項5】 前記比較回路が、トリガレベルを自動シ
    フトすることにより一定した検知感度にて検知信号を出
    力することを特徴とする、請求項2に記載の検知装置。
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