第1の実施形態の画像形成装置1は、図1の構成図に示すように、画像形成ユニット10と中間転写体11と給紙部12と定着装置13と排紙部14と走査光受光部15とマーカ検知部16と制御部17とを備える。
画像形成ユニット10は、感光体20の周囲に順に帯電部21と書込装置22と現像装置23とクリーニング部材24とを配置している。
感光体20は、像担持体として機能し、矢印の方向に回転駆動される。帯電部21は、感光体20を暗中にて所定の電位に一様に帯電する。
書込装置22は、図2の平面図に示すように、画像情報に応じて変調されて光源30から出力されるレーザービームをコリメートレンズ31によりコリメートし、回転多面鏡用モータにより回転する回転多面鏡32の偏向反射面により走査し、結像レンズ33で絞り込んでレーザースポットを形成し、感光体20を回転方向と直交する主走査方向に走査露光することにより、感光体20の回転と連動して感光体20を2次元に露光する。露光部分は除電されて画像部を形成し、非露光部分は非画像部を形成し、感光体20に静電潜像が形成される。
なお、図3の感光体20表面の展開図に示すように、感光体20上で画像情報を構成する画素のうち、副走査方向の位置が等しい画素の集合をラインと称し、画像形成の際に時間的に先に走査されるラインから時間的に後に走査されるラインに向かって各ラインずつ1ライン目、2ライン目と順に表現する。本実施形態を、マルチビーム光源などを用いて一度の走査で複数のラインを形成する画像形成装置に適用する場合にも、同様に各ライン毎に1ライン目、2ライン目と順に表現する。
現像装置23は、イエローのトナー像を現像するY色現像器25と、マゼンダのトナー像を現像するM色現像器26と、シアンのトナー像を現像するC色現像器27と、黒のトナー像を現像するK色現像器28とを、リボルバー機構により各色の現像時ごとに択一的に切り替えるリボルバー方式で、感光体20の潜像から各色のトナー像を現像する。各現像装置は、トナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体を有し、現像剤担持体に対して静電潜像の非画像部電位と画像部電位との中間の電位が印加されることにより、現像剤担持体上のトナーを択一的に画像部に付着させる。クリーニング部材24は、感光体20の一次転写後の領域に残留するトナーや現像液を除去する。
中間転写体11は、画像形成ユニット10の感光体20に対向して配置されたドラム形状の画像支持体であり、表面の移動方向を感光体20の移動方向に一致させて副走査方向に回転駆動され、表面に複数の画像を重ね合わされる。中間転写体11は、感光体20との対向部分である一次転写部において、1回転ごとに同じ位置に感光体20から各色のトナー像を一次転写されてフルカラートナー像を表面に形成する。
中間転写体11は、回転方向に直交する主走査方向の一端側において、副走査方向に沿ってマーカ34を設けている。マーカ34は、中間転写体11と反射率の異なる物質で形成された複数のスケールを、副走査方向に等間隔で配置して構成されており、スケールの間隔を広くしたマーカの切れ目を一部に設けている。各スケールは、副走査方向に10μm程度の幅をもち、副走査方向に間隔65μmで配置されている。
給紙部12は、給紙トレイに積載した転写紙を送りローラで1枚ずつ送り出し、レジストローラでタイミングを調整しながら中間転写体11に送る。中間転写体11に形成されたフルカラートナー像は、フルカラートナー像の形成まで退避または給紙していた二次転写機構の活動により、給紙部12から送られる転写紙に一括して転写される。定着装置13は、中間転写体11でトナー像を転写された転写紙に圧力を加えながら加熱してトナーを定着させる。排紙部14には定着後の転写紙が排紙される。
走査光受光部15は、主走査同期信号発生手段として機能し、具体的には、書込装置22によるレーザの走査範囲内であって画像範囲外に配置された受光素子によりレーザービームを受光し、主走査方向の記録開始位置(横レジスト)を決定する主走査同期信号を形成する。
マーカ検知部16は、副走査同期信号発生手段として機能し、具体的には、マーカ34の通過領域付近に固定され、LEDなどの発光素子から中間転写体11に光を照射し、ホトセンサなどの受光素子で反射光を受光し、反射光強度の変化からマーカ34を検出することにより、副走査同期信号を形成する。
マーカ検知部16から出力される副走査同期信号は、図4の波形図に示すように、マーカ34の検知ごとに一定時間間隔T1で出力されるととともに、マーカ34の切れ目においては時間T2空けて出力される。時間間隔T1より時間間隔T2のほうが大きくなるため、1つのスケールを検知してから次のスケールを検知するまでの経過時間が、所定のしきい値より大きいことを検知することによりマーカの切れ目を検知し、次に検知されるスケールにより発生する信号がホームポジション検知信号となる。ホームポジションを検知することにより、ホームポジション通過後に検知されるスケールの数、すなわち副走査同期信号のカウント数から、常に中間転写体11上の絶対位置が把握される。ホームポジション検知信号は、主走査同期信号のカウントの基準として利用される。
マーカ検知部16から出力される副走査同期信号を用い、中間転写体11の理想的な移動速度から導かれる個々のスケールの検知予定時刻と、マーカ検知部16による実際の検知時刻とを比較することにより、理想的な中間転写体11の移動量と実際の移動量とのずれを検出することができる。
なお、マーカ検知部16は、中間転写体11に開口で構成したマーカ34のスケールの透過光を検知するものであってもよい。マーカ34のスケールパターンは等間隔でなくてもよく、規則的またはランダムに間隔が変化するスケールパターンを用い、間隔の変化をあらかじめ把握しておき中間転写体11の移動量を正しく検知するものなどであってもよい。マーカ検知部16は、光を単独のスケールに対して照射するものであっても、複数のスケールに対して同時に照射するものであってもよい。マーカ34及びマーカ検知部16は、中間転写体11の移動状態を検知可能な各種の他の手段であってもよい。
マーカ34は、中間転写体11に直接形成したものであってもよく、スケールパターンを形成したテープを中間転写体11に接着させて形成したものであってもよい。スケールパターンを形成したテープでマーカ34を構成することにより、マーカ34の加工性が良くなり、テープの切れ目をそのままマーカ34の切れ目として容易に利用することができる。
なお、マーカ検知部16は、マーカ34を検出することにより、副走査同期信号、ホームポジション検知信号及び色ずれ量計算開始信号を生成する機能、中間転写体11上の絶対的な位置を検出する機能、エンコーダとしての機能などを全て実現することができ、各機能を別々の構成で実現した場合に比較して、部品点数の増加を抑えることができる。
制御部17は、図5のブロック図に示すように、ROM40とCPU41とRAM42と入出力部43と速度制御部44と画像処理部45と書込制御部46とを有する。
ROM40は、CPU41が画像形成動作を実効するための動作プログラムなどを記憶している。CPU41は、動作プログラムを適宜読み出しながら画像形成動作全体を制御する。RAM42は、CPU41により適宜記憶領域として使用される。入出力部43は、外部機器と接続され画像データなど各種信号を入出力する。
速度制御部44は、マーカ34のスケール間隔を65μmとあらかじめ把握しているため、マーカ検知部16をエンコーダとして機能させ、1つのスケールを検知した時刻から次のスケールを検知する時刻までの経過時間T1を測定することにより、マーカ34の移動速度すなわち中間転写体11の移動速度を検出し、中間転写体11の表面速度を一定に制御する。マーカ検知部16をエンコーダとして機能させることにより、エンコーダを別途設ける場合に比較して部品点数増加を抑えることができる。表面速度を一定に近づける制御を併用することにより、さらに色ずれを低減させることができる。
画像処理部45は、図6のブロック図に示すように、画像データに対して各種画像処理を施すとともに書込み用の信号を作成する。圧縮伸張部50とページメモリ51とLog変換部52とフィルタ53と階調処理部54とをもつ。
圧縮伸長部50は、入出力部43を通じてスキャナやネットワーク等の画像入力装置から読み込まれたデジタル画像情報を、R(レッド)信号、G(グリーン)信号、及びB(ブルー)信号として入力し、JPEG2000やJBIGなどの圧縮方式を用いてエントロピー符号化して圧縮し、圧縮された圧縮符号をページメモリ51に保持させる。さらに、圧縮伸長部50は、第2版作成時にはページメモリ51から圧縮符号を読み出し、圧縮時と逆の手順で復号化する。圧縮伸長部50は、圧縮処理を施された各色の圧縮符号のページメモリ51上のサイズである圧縮符号量を出力する。
Log変換部52は、入出力部43から入力された画像情報、または、圧縮伸張部50で伸張された画像情報の信号の特性を反射率空間から濃度空間へテーブル変換することにより、RGB信号をCMYK信号に変換する。フィルタ部53は、Log変換部52で変換された画像情報に対して各種フィルタ処理を施す。階調処理部54は、ディザ、誤差拡散などを用いて中間調を表現し、処理後の画像情報を書込制御部46に出力する。
書込制御部46は、図7のブロック図に示すように、副走査同期信号カウンタ60と主走査同期信号カウンタ61と経過時間計測部62とクロック63としきい値記憶部64と開始タイミング決定部65と計測データ記憶部66とβ記憶部67と開始タイミング記憶部68と走査制御部69とをもつ。
副走査同期信号カウンタ60は、マーカ検知部16から入力される副走査同期信号をカウントし、値yとして保持する。主走査同期信号カウンタ61は、走査光受光部15から入力される主走査同期信号をカウントし、値xとして保持する。経過時間計測部62は、走査光受光部15から主走査同期信号が入力されるたびにリセットされながら、主走査同期信号が入力されてからの経過時間tを計測する。クロック63は、経過時間計測部62の時間計測に必要なパルスを発生させ、経過時間計測部62へ出力する。
しきい値記憶部64は、しきい値yth(=100)を記憶している。しきい値ythは、副走査同期信号カウンタ60の値yがいくつになるまで、開始タイミング決定部65によりデータが計測されるかを示す。スケール間隔は65μmであるので、しきい値をyth=100に設定することにより中間転写体11の移動方向の距離に換算して約6.5mmのデータが取得される。なお、しきい値ythは、100に限られるものではない。
開始タイミング決定部65は、図8のフロー図に示すタイミング決定方法を実行することにより、値xがいくつのときに1ライン目の露光を開始するかを示すxstartを、各色ごとに決定する。
タイミング決定方法では、まず開始タイミング決定部65は、マーカ検知部16から副走査同期信号を入力し、色ずれ量計算開始信号を検知したか所定のタイミングで判定し続ける(ステップS10)。開始タイミング決定部65は、副走査同期信号の時間間隔の変化から、マーカの切れ目通過後に最初に検知されるy=0の副走査同期信号、すなわちホームポジション検知信号を、色ずれ量計算開始信号として検出する。色ずれ量計算開始信号は、y=N回目(N>=0)の副走査同期信号の中から選ばれる他の信号であってもよい。
開始タイミング決定部65は、色ずれ量計算開始信号を検知すると、副走査同期信号カウンタ60の値yを0に設定し、副走査同期信号を検知するたびに値yをカウントアップする動作を開始させ(ステップS11)、主走査同期信号カウンタ61の値xを0に設定し、主走査同期信号を検知するたびに値xをカウントアップする動作を開始させ(ステップS12)、内蔵のクロックからの入力をもとに主走査同期信号を検知してからの経過時間tの測定を繰り返す動作を開始させる(ステップ13)。
開始タイミング決定部65は、副走査同期信号カウンタ60が副走査同期信号を検知して値yがカウントアップされたか判定を繰り返し(ステップS14)、副走査同期信号カウンタ60の値yがカウントアップされると、検知時における値xと経過時間tとを値yに対応させて計測データ記憶部66に記憶させる(ステップS15)。例えば、副走査方向に1200dpiの解像度で画像を形成する場合、1ラインの間隔は約21μmである一方、マーカ34を構成するスケールの間隔は65μmであるため、主走査同期信号の検知周期は副走査同期信号の検知周期よりも短く、y=0回目の副走査同期信号とy=1回目の副走査同期信号との間に3つ程度の主走査同期信号が検知される。
開始タイミング決定部65は、値yがあらかじめ設定されたしきい値ythに到達したか判定し(ステップS16)、値yがしきい値ythに達していなければ、副走査同期信号の検知(ステップSS14)と、値xと値yと経過時間tとの記憶(ステップS15)と、値yとしきい値ythとの比較(ステップS16)とを繰り返す。
値yがしきい値ythになるまでに計測データ記憶部66には、図9の測定データ表に例示されるような測定データが記憶される。例えば、色ずれ量計算開始信号、すなわちホームポジション検知信号に相当するy=0回目の副走査同期信号を検知した後、y=1回目の副走査同期信号を検知するまでに3つの主走査同期信号が検知され、3つ目の主走査同期信号からy=1回目の副走査同期信号が検知されるまでの時刻がt1である場合、最初にy=1に対応させてx=3とt=t1とが記憶される。y=2回目の副走査同期信号が検知されるまでに6つの主走査同期信号が検知され、6つ目の主走査同期信号からy=2回目の副走査同期信号を検知するまでの時刻がt2である場合には、y=2に対応させてx=6とt=t2とを記憶し、順にy=100に対応するx=309とt=t100まで記憶される。
開始タイミング決定部65は、値yがしきい値ythに到達すると、計測された値yと値xとの関係を一次関数y=(1/α)x+βで近似することにより、所定の副走査同期信号に対する主走査同期信号の平均的なずれを表すβを算出し、各色ごとにβ記憶部67に記憶させる(ステップS17)。β記憶部67は、1色目のβをβ1として記憶し、2色目のβをβ2として記憶し、3色目のβをβ3として記憶し、4色目のβをβ4として記憶する。
βの具体的な算出方法について説明する。まず開始タイミング決定部65は、値y=Nすなわちy(N)において取得された値x、経過時間tをそれぞれx(N)、t(N)とし、1つの主走査同期信号が検知されてから次の主走査同期信号が検知されるまでの時間間隔pを用い、(式1)に基づいてN=1からN=yth-1までΔy(N)を算出する。例えば、N=1の場合Δy(1)は(式2)のように算出される。t(N)/pは、y=N+1の副走査同期信号が検知される直前に主走査同期信号が検知された時刻から、y=N+1が検知される時刻までの経過時間を主走査同期信号の検知数に換算して表した値である。
次に、開始タイミング決定部65は、(式3)に従って、N=1からN=yth-1までの全てのΔy(N)を加えた値を(yth-1)で割ることにより、Δy(N)の平均値αを算出する。平均値αは、yのカウントが1つ進む間にxのカウントが平均的にいくつ進んだかを示すため、値yと値xとの関係は平均値αを用いて比例関係y=(1/α)x+βで近似される。β=0の場合は、色ずれ量計算開始信号の検知時刻において主走査同期信号と副走査同期信号とが同時に検知されてy=(1/α)xが成立する場合に相当する。すなわち、βは、y=(1/α)xのy=(1/α)x+βからのずれに相当し、所定の副走査同期信号を検知した時刻と、平均的な主走査同期信号の検知時刻とのずれを、主走査同期信号のカウントに換算した値を表す。
次に、開始タイミング決定部65は、y=(1/α)xの成立を仮定した場合に想定されるy(N)と実際のカウントy(N)との差を平均化し、y=(1/α)×x+βとy=(1/α)×xとのずれ、すなわちβを算出する。具体的には、開始タイミング決定部65は、(式4)に基づいてN=1からN=ythまで計算し、(式5)に示すように全て加算してythで割ることによりβを算出する。
測定データである値xと値yとの関係、及び1色目のβ1と2色目のβ2との関係を図10のグラフに例示する。なお本実施形態においては上記のようにβという値を算出したが、βに対応する値、すなわち所定の副走査同期信号と主走査同期信号との平均的な差が求まるのであれば本実施形態以外の方法を用いても平均的な色ずれを低減させるという効果が得られる。
開始タイミング決定部65は、β記憶部67にβが記憶されると、値xがいくつのときに各色の1ライン目の露光を開始するかを示すxstartを決定し、開始タイミング記憶部68に記憶させる(ステップS18)。1色目のxstart1は、あらかじめ決定されて開始タイミング記憶部68に記憶されている。開始タイミング決定部65は、2色目の露光時にはxstart1+β1-β2に最も近い整数をxstart2に決定し、3色目の露光時にはxstart1+β1-β3に最も近い整数をxstart3に決定し、4色目の露光時にはxstart1+β1-β4に最も近い整数をxstart4に決定する。なお、xstartの選択の仕方としては様々な方法が考えられ、ここでは一例について説明している。
走査制御部69は、図11のフロー図に示す露光方法を実行することにより、レーザ光源30を制御し、感光体20を走査する。露光方法では、走査制御部69は、1色目の露光時にはxstart1を、2色目の露光時にはxstart2を、3色目の露光時にはxstart3を、4色目の露光時にはxstart4をそれぞれ開始タイミング記憶部68から読み出してxstartに設定し、主走査同期信号カウンタ61の値xがxstartに達したか繰り返しチェックする(ステップS20)。走査制御部69は、値xがxstartに達すると、画像処理部から入力される各色のデータに基づいてレーザ光源を点灯させることにより、x=xstartで1ライン目の露光を開始する(ステップ21)。
xstart=400であれば、xの1カウントあたり副走査方向の移動量が21μmであるので、ホームポジション検知から距離にして21×400=8400μm進んだ場所で副走査方向の記録開始信号が発信されて露光が開始される。なお、しきい値yth及びxstart1は必要な計算時刻や画像間の間隔に応じて適宜設定される。
より具体的に、例えば開始タイミング記憶部68にあらかじめxstart1=400が記憶され、1色目にβ1=0.2が算出され、2色目にβ2=0.9が算出される場合、2色目のxstart2がどのように決定されるか、図12の副走査同期信号及び主走査同期信号の検出タイミングと各ドット位置との模式的な関係図を用いて説明する。
図12(a)に示すように、主走査同期信号は外乱の影響を比較的受けにくく、1色目、2色目ともほぼ等間隔で検知される。一方、各主走査同期信号によって形成されるドットは、例えば図12(b)に示すように、1色目はやや長周期の振動を受けてドット間隔を徐々に小さくしながら形成され、2色目には1色目より短周期の振動を受けてドット間隔を徐々に大きくしその後ドット間隔を小さくして形成されるなど、中間転写体11上で見れば等間隔には形成されない。この原因としては中間転写体11の偏芯、画像形成装置1本体の振動等が挙げられる。
開始タイミング決定部65は、1色目の露光時に色ずれ量計算開始信号を検知し、β1=0.2を算出する。β1=0.2であることは、1色目については画像形成前に検知された複数の信号(本実施形態ではyth=100個分に相当する主走査同期信号および副走査同期信号)から、所定の副走査同期信号と平均的な主走査同期信号とが主走査同期信号間隔に換算して0.2ずれていることを示す。走査制御部69は、開始タイミング記憶部68にあらかじめ記憶されたxstart1=400を読み出し、主走査同期信号カウンタ61の値xがxstart1=400となるタイミングで1色目の1ライン目の露光を開始する。
次に、開始タイミング決定部65は、2色目の露光時に色ずれ量計算開始信号を検知し、β2=0.9を算出する。β2=0.9であることは、2色目については所定の副走査同期信号と平均的な主走査同期信号とが主走査同期信号間隔に換算して0.9ずれていることを示す。次に、開始タイミング決定部65は、xstart1+β1-β2=400+0.2-0.9=399.3であることから、399.3に最も近い整数399をxstart2の値として決定する。走査制御部69は、主走査同期信号カウンタ61の値xがxstart2=399となるタイミングで2色目の1ライン目の露光を開始する。
2色目の平均的な主走査同期信号は、1色目の平均的な主走査同期信号に対して0.7ずれている。従って、1色目の主走査同期信号x=Mに対して、2色目の主走査同期信号x=M-1が最も近い事が平均的にわかっている。すなわち、(0.9-0.2)よりも((0.9-1)-0.2)の方が絶対値が小さい。従って、1色目のx=400を第1ラインとした場合、2色目はx=399を第1ラインとすれば、1色目に対する2色目の色ずれは平均的に小さくなる。
なお、比較例として副走査同期信号検知直後の主走査同期信号のみを参照すると、図12(c)の例に示すように、2色目にもxstart2として400を選択し、x=400の主走査同期信号に対して露光を開始すると、実際にはドット位置は外乱によって変動しているため、2ライン目以降について色ずれが大きくなり、2色目の4ライン目が1色目の5ライン目に重なるなどの不具合が生じ、画像全体として色ずれを低減させることができない。
第1の実施形態の画像形成装置によれば、副走査同期信号に対する主走査同期信号の平均的なずれに基づいて露光を開始する主走査同期信号を選択するので、単一の主走査同期信号の値を用いてどの主走査同期信号から露光を開始するのかを決定する場合に比べて、外乱の影響を受けにくく、全体としての色ずれを低減させた高画質な画像を形成することができる。第1の実施形態の画像形成装置によれば、露光を開始する直前にβの計算を行うことにより、実際の露光時とにおけるずれを精度良く把握しながらβを計算することができる。
第2の実施形態の画像形成装置は、第1の実施形態のタイミング決定方法において、3色目のxstart3及び4色目のxstart4を決定するために異なる方法を実行し、他の構成及び制御において第1の実施形態と同様である。開始タイミング決定部65は、3色目のxstart3及び4色目のxstart4を決定する際に、既に形成された色の平均的なβを用いて色ずれを小さくする。具体的には、開始タイミング決定部65は、3色目のxstart3を決定する際に、xstart1+(β1+β2)/2-β3に最も近い整数を選択し、4色目のxstart4を決定する際に、xstart1+(β1+β2+β3)/3-β4に最も近い整数を選択する。
第2の実施形態の画像形成装置2によれば、既に形成された色の平均的なβを用いて3色目のxstart3及び4色目のxstart4を決定することにより、3色目及び4色目の色ずれを平均的に少なくすることができる。
第3の実施形態の画像形成装置は、第2の実施形態のタイミング決定方法において、有彩色同士の間での色ずれ低減を優先する点で異なり、他の構成及び制御において第2の実施形態と同様である。具体的には、有彩色に対するxstartを決定する際に、既に形成された色に有彩色が含まれていれば、ブラックに対するβ及びxstartを除くか、または、ブラックに対するβ及びxstartを有彩色に対するβ及びxstartに置き換える。
例えば、1色目をブラック、2色目をシアン、3色目をマゼンダ、4色目をイエローとする場合、開始タイミング決定部65は、2色目(シアン)のxstart2を決定する際には、xstart1+β1-β2に最も近い整数を選択することにより1色目のブラックとの色ずれを低減させる。開始タイミング決定部65は、3色目(マゼンダ)のxstart3を決定する際に、xstart2+β2-β3に最も近い整数を選択することにより有彩色である2色目のシアンとの色ずれを優先的に低減させる。開始タイミング決定部65は、4色目(イエロー)のxstart4を決定する際に、xstart2+(β2+β3)/2-β4に最も近い整数を選択することにより有彩色である2色目のシアンと3色目のマゼンダとの色ずれを優先的に低減させる。
第3の実施形態の画像形成装置によれば、色あいが変化するという意味で視覚上影響の大きい有彩色同士の色ずれを優先的に低減することができる。
第4の実施形態の画像形成装置は、図13のブロック図に示すように第1の実施形態の書込制御部91に相関色優先部70を備え、他の構成及び制御において第1の実施形態と同様である。相関色優先部70は、有彩色のうちで相関の強い色を選択し、後に画像形成される色のxstartを決定する際に、先に画像形成された色のxstartとβとを基準にさせる。
具体的には、まず、相関色優先部70は、圧縮伸長部50から、R色の圧縮符号量Frと、G色の圧縮符号量Fgと、B色の圧縮符号量Fbとを取得し、FrとFgとFbとを比較することにより最も情報量の多い1色を検出する。
圧縮符号量は、圧縮伸長部50により圧縮処理を施されて得られた圧縮符号のページメモリ51上のサイズである。情報量が大きいほど圧縮符号量が大きく、Fg>FbであることはG色の情報量がB色の情報量よりも大きいことを意味し、Fg<FbであることはG色の情報量がB色の情報量よりも小さいことを意味する。例えば、G色のみから画像が構成されている場合にはG色の情報量は大きくなるがB色の情報量は0である。なお、圧縮符号には一般にヘッダー等の情報が存在するのでB色の実際のメモリ使用量は0でない場合もある。
次に、相関色優先部70は、シアンとイエローとマゼンダとのなかから、最も情報量の多い色(RGB)を構成する2色を相関の強い色として選択する。
R色はマゼンタとイエローとから形成され、G色はシアンとイエローとから形成され、B色はシアンとマゼンタから形成されるため、例えば、G色の情報量が最も多い場合、シアンとイエローとの相関が強いといえる。例えば、シアン露光開始時にイエローとの色ずれを低減させることによりG色の色ずれを優先して低減することができ、シアン露光開始時にマゼンタとの色ずれを低減させることによりB色の色ずれを優先して低減することができる。Fg>Fbである場合には、B色の色ずれを防止するよりも、G色の色ずれを防止する方が、画質の劣化を効果的に低減することができる。すなわち、シアンの画像形成を最後に行う場合、Fg>Fbであれば、マゼンタのβではなくイエローのβを基準とすれば色ずれ低減の観点から有効である。
次に、相関色優先部70は、開始タイミング決定部65に対し、選択した相関の強い2色のうち先に画像形成された色のxstartとβとの和から、後に画像形成される色のβを引いた値に最も近い整数を、後に画像形成される色のxstartとして決定させる。
より具体的には、B色の情報量Fbが最も大きい場合、相関色優先部70は、開始タイミング決定部65に対し、3色目(シアン)のxstart3としてxstart2+β2-β3に最も近い整数を選択させる。B色はマゼンダとシアンとから形成されており、かつ、2色目にマゼンダを画像形成したのち4色目にシアンを画像形成することから、シアンのxstart4の算出時にマゼンダのβ2を参照させることにより、マゼンダとシアンとの色ずれを低減させ、情報量の大きなB色のずれを低減させ、画像全体としての色ずれを低減することができる。
G色の情報量Fgが最も大きい場合、相関色優先部70は、開始タイミング決定部65に対し、4色目(シアン)のxstart4としてxstart1+β1-β4に最も近い整数を選択させる。G色はイエローとシアンとから形成されており、かつ、1色目にイエローを画像形成したのち4色目にシアンを画像形成することから、シアンのxstart4の算出時にイエローのβ1を参照させることにより、イエローとシアンとの色ずれを低減させ、情報量の大きなG色のずれを低減させ、画像全体としての色ずれを低減することができる。
R色の情報量Frが最も大きい場合、相関色優先部70は、開始タイミング決定部65に対し、2色目のマゼンダのxstart2としてxstart1+β1-β2に最も近い整数を選択させる。R色はイエローとマゼンダとから形成されており、かつ、1色目にイエローを画像形成したのち2色目にマゼンダを画像形成することから、マゼンダのxstart2の算出時にイエローのβ1を参照させることにより、シアンとマゼンダとの色ずれを低減させ、情報量の大きなR色のずれを低減させ、画像全体としての色ずれを低減することができる。
第4の実施形態の画像形成装置によれば、情報量が多い色のずれを低減させることにより、相関の強い有彩色間の色ずれ低減を優先させ、画像全体としての色ずれを効果的に低減することができる。なお、画像形成する色の順序をイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの順に限るものではない。
第5の実施形態の画像形成装置は、第1の実施形態の画像形成装置1において、開始タイミング記憶部68は、あらかじめxstart1、xstart2、xstart3、及びxstart4に一定値を記憶しており、開始タイミング決定部65は、xstart1、xstart2、xstart3、及びxstart4を決定する代わりに、画像情報のうちの何ライン目から露光を開始するかを決定する。
具体的には、開始タイミング記憶部68は、あらかじめxstart1=400、xstart2=400、xstart3=400、及びxstart4=400を記憶している。1色目の露光時には、開始タイミング決定部65は、β1の算出後、画像情報の1ライン目を露光を開始する最初のラインとして決定し、走査制御部69は、一定のx=400のタイミングで画像情報の1ライン目から露光する。2色目の露光時には、開始タイミング決定部65は、β2の算出後、画像情報のうち(1+β1‐β2)に最も近い整数のラインを最初に露光するラインとして決定し、走査制御部69は、x=400のタイミングで画像情報の決定されたラインから露光を開始する。3色目の露光時には、開始タイミング決定部65は、β3の算出後、画像情報のうち(1+β1‐β3)に最も近い整数のラインを最初に露光するラインとして決定し、走査制御部69は、x=400のタイミングで画像情報の決定されたラインから露光を開始する。4色目の露光時には、開始タイミング決定部65は、β4の算出後、画像情報のうち(1+β1‐β4)に最も近い整数のラインを最初に露光するラインとして決定し、走査制御部69は、x=400のタイミングで画像情報の決定されたラインから露光を開始する。
例えば、β1=0.9、β2=0.2であれば、2色目の露光時に開始タイミング決定部65は、(1+β1-β2)=1+0.9-0.2=1.7に最も近い整数のライン、すなわち画像情報の2ライン目を最初に露光するラインとして決定し、走査制御部69は、x=400のタイミングで画像情報の2ライン目から露光を開始する。2色目の画像情報の1ライン目は画像形成されないが、特殊な場合を除いて1ライン程度の欠落は視覚上ほとんど問題とならない。
第5の実施形態の画像形成装置によれば、画像全体としての色ずれを平均的に低減させることができる。
第6の実施形態の画像形成装置は、第1の実施形態のタイミング決定方法において、1色目の露光時には、まず走査制御部69が開始タイミング記憶部68に記憶されたxstart1=400に基づいてx=xstart1のタイミングで露光を開始し、露光開始後に開始タイミング決定部65が値yと値xと経過時間tとを計測してβ1を算出する点で第1の実施形態と異なり、2色目以降は第1の実施形態と同様にβ及びxstartを決定した後に露光を開始する。他の構成及び動作は第1の実施形態と同様である。
第6の実施形態の画像形成装置によれば、実際に露光を開始してから値y、値x、経過時間tを計測し、これらを用いてβ1を算出することにより、画像形成前の値y、値x、経過時間tを用いてβ1を用いる場合に比較して、1色目の画像形成時におけるβを忠実に反映して、2色目以降のxstartを決定することができ、色ずれの少ない画像を形成することができる。
第7の実施形態の画像形成装置は、第1の実施形態の画像形成装置1において、光源30から複数のビームを出力するマルチビーム方式であり、開始タイミング決定部65で画像情報の1ライン目を露光する先頭ビームを選択し、走査制御部69で選択されたビームを先頭ビームとして露光を開始する点で第1の実施形態と異なる。他の構成及び動作は第1の実施形態と同様である。
具体的には、1つの主走査同期信号を検出するごとに1回走査し、1回の走査で副走査方向にBN(=4)個のビームを用いて、BN(=4)ライン分の露光を同時に行う。4ライン同時に露光するため、外乱による副走査方向のドット位置ずれは4ドット単位で発生する。ここで、副走査方向の下流側、すなわち形成される画像の先頭に近い方から順に第1ビーム、第2ビーム、第3ビーム、第4ビームと称する。例えば、先頭ビームとして第2ビームが選択された場合には、1走査目には第1ビームを使用せず、第2ビームで1ライン目、第3ビームで2ライン目、第4ビームで3ライン目を露光する。2走査目以降は全てのビームで同時に4ラインを露光する。
1色目の露光時には、開始タイミング決定部65は図8のフロー図に従ってβ1を算出し、1ライン目を書き込むビームとして第1ビームを選択し、走査制御部69は、開始タイミング記憶部68に記憶されたx=xstart1のタイミングで、あらかじめ定められた第B1ビームを先頭ビームとして露光を開始する。
2色目の露光時には、開始タイミング決定部65は図8のフロー図に従ってβ2を算出するとともにxstart2を決定し、図14のフロー図に従って2色目のビーム選択方法を実行することにより第B2ビームを先頭ビームとして選択する。2色目のビーム選択方法においては、まず開始タイミング決定部65は、(xstart1+β1)-(xstart2+β2)≧0であるか判定する(ステップS30)。次に、開始タイミング決定部65は、(xstart1+β1)-(xstart2+β2)≧0である場合、[(xstart1+β1)-(xstart2+β2)]×BN+B1に最も近い整数B2を選択し(ステップS31)、(xstart1+β1)-(xstart2+β2)<0である場合、[1+(xstart1+β1)-(xstart2+β2)]×BN+B1に最も近い整数B2を選択する(ステップS31)。走査制御部69は、x=xstart2のタイミングで、第B2ビームを先頭ビームとして露光を開始する。
3色目の露光時には、開始タイミング決定部65は図8のフロー図に従ってβ3を算出するとともにxstart3を決定し、2色目と同様に3色目のビーム選択方法を実行する。3色目のビーム選択方法においては、開始タイミング決定部65は、(xstart1+β1)-(xstart3+β3)≧0である場合、[(xstart1+β1)-(xstart3+β3)]×BN+B1に最も近い整数B3を選択し、(xstart1+β1)-(xstart3+β3)<0である場合、[1+(xstart1+β1)-(xstart3+β3)]×BN+B1に最も近い整数B3を選択する。走査制御部69は、x=xstart3のタイミングで、第B3ビームを先頭ビームとして露光を開始する。
4色目の露光時には、開始タイミング決定部65は図8のフロー図に従ってβ2を算出するとともにxstart2を決定し、2色目と同様に4色目のビーム選択方法を実行する。4色目のビーム選択方法においては、開始タイミング決定部65は、(xstart1+β1)-(xstart4+β4)≧0である場合、[(xstart1+β1)-(xstart4+β4)]×BN+B1に最も近い整数B4を選択し、(xstart1+β1)-(xstart4+β4)<0である場合、[1+(xstart1+β1)-(xstart4+β4)]×BN+B1に最も近い整数B4を選択する。走査制御部69は、x=xstart4のタイミングで、第B4ビームを先頭ビームとして露光を開始する。
より具体的には、例えば、図15の主走査同期信号の検知時刻と対応するドット位置との関係図に示すように、あらかじめxstart1=400、B1=1が設定されており、1色目にβ1=0.2が算出され、2色目にβ2=0.9が算出された場合、2色目のxstart2は399と決定される。さらに、(xstart1+β1)-(xstart2+β2)=0.3となるため、[(xstart1+β1)-(xstart2+β2)]×BN+B1=0.3×4+1=2.2に最も近い整数である2がB2として選択される。走査制御部69は、2色目の先頭ビームとして第2ビームを選択し、x=399のタイミングで1ライン目と2ライン目と3ライン目とを露光し、x=400のタイミングで4ライン目と5ライン目と6ライン目と7ライン目とを露光し、以下4ラインずつ順に露光する。
この例では、図15(a)に示すように2色目の主走査同期信号は1色目の主走査同期信号に対して主走査同期信号間隔換算で0.3だけ早い。つまり、2色目の主走査同期信号は1色目の主走査同期信号に対してビーム間間隔で1.2ビーム分だけ早いため、x=399のタイミングで2色目の先頭ビームを第2ビームとして露光することにより、図15(b)の一色目のドット位置及び図15(c)の2色目のドット位置に示すように、副走査方向のドット間の平均的なずれを0.2ドット分に抑えることができる。
第7の実施形態の画像形成装置によれば、マルチビームを用いた画像形成装置において、主走査同期信号と副走査同期信号との平均的なずれβを用いて先頭ビームを選択することにより、平均的な色ずれを小さくして画像形成することができる。なお第1の実施形態に第2から第4の実施形態を適用できるように、第7の実施形態に対しても第2から第4の実施形態を適用することができる。
第8の実施形態の画像形成装置80は、図16の構成図に示すように、二次転写部81と第1画像ステーション82Yと第2画像ステーション82Mと第3画像ステーション82Cと第4画像ステーション82Kと給紙部83と定着装置84と排紙部85と制御部100を備えるタンデムタイプの画像形成装置である。
二次転写部81は、中間転写ベルト86と第1駆動ローラ87と第2駆動ローラ88と二次転写ローラ89とクリーナ90とを有する。中間転写ベルト86は、第1駆動ローラ87と第2駆動ローラ88と二次転写ローラ89とに張架されたシームレスベルトであり、第1駆動ローラ87と第2駆動ローラ88とにより回転駆動される。クリーナ90は、中間転写ベルト86に残留した二次転写残トナーなどを除去する。
中間転写ベルト86は、回転方向に直交する主走査方向の一端側において、副走査方向に沿って第1の実施形態と同様のマーカ34を設けている。マーカ34は、中間転写ベルト86と反射率の異なる物質で形成された複数のスケールを、副走査方向に等間隔で配置して構成されており、スケールの間隔を広くしたマーカ34の切れ目を一部に設けている。各スケールは、副走査方向に10μm程度の幅をもち、副走査方向に間隔65μmで配置されている。
第1画像ステーション82Y、第2画像ステーション82M、第3画像ステーション82C、及び、第4画像ステーション82Kは、それぞれ現像するトナー色が異なる他は同様の構成をもつ。各画像ステーションにおいて、同じ機能をもつ要素には同じ符号を付加し、各符号にYが付加された要素はイエローを現像する第1画像ステーション82Yに属する要素であることを示し、各符号にMが付加された要素はマゼンダを現像する第2画像ステーション82Mに属する要素であることを示し、各符号にCが付加された要素はシアンを現像する第3画像ステーション82Cに属する要素であることを示し、各符号にKが付加された要素はブラックを現像する第4画像ステーション82Kに属する要素であることを示す。
各画像ステーションは、中間転写ベルト86上の第1駆動ローラ87と第2駆動ローラ88との間の領域において、中間転写ベルト86の回転方向上流から、第1画像ステーション82Y、第2画像ステーション82M、第3画像ステーション82C、第4画像ステーション82Kの順に対向している。
代表して第1画像ステーション82Yの構成について説明する。第1画像ステーション82Yは、感光体91Yの周囲に順に帯電部92Yと書込装置93Yと現像装置94Yとクリーニング部材95Yと走査光受光部96Yとマーカ検知部97Yとを配置している。
感光体91Yは、像担持体として機能し、矢印の方向に回転駆動され、現像装置94Yとクリーニング部材95Yとの間で中間転写ベルト86に対向している。帯電部92Yは、感光体91Yを暗中にて所定の電位に一様に帯電する。書込装置93Yは、画像情報に応じて変調されて光源から出力されるレーザービームをコリメートレンズによりコリメートし、回転多面鏡用モータにより回転する回転多面鏡の偏向反射面により走査し、結像レンズで絞り込んでレーザースポットを形成し、感光体91Yを回転方向である副走査方向に対して直交する主走査方向に走査露光することにより、感光体91Yの回転と連動して感光体91Yを2次元に露光する。露光部分は除電されて画像部を形成し、非露光部分は非画像部を形成し、感光体91Yに静電潜像が形成される。現像装置94Yは、感光体91Yの潜像からイエローのトナー像を現像する。現像されたトナー像は、二次転写部81に転写される。クリーニング部材95Yは、感光体91Yの転写後の領域に残留するトナーや現像液を除去する。
中間転写ベルト86は、一周する間に、第1画像ステーション82Y、第2画像ステーション82M、第3画像ステーション82C、第4画像ステーション82Kの順に、各トナー色のトナー像を転写される。
走査光受光部96Yは、第1の実施形態の走査光受光部15と同様に主走査同期信号発生手段として機能し、具体的には、書込装置93Yによるレーザの走査範囲内であって画像範囲外に配置された受光素子によりレーザービームを受光し、主走査方向の記録開始位置(横レジスト)を決定する主走査同期信号を形成する。
マーカ検知部97Yは、第1の実施形態のマーカ検知部16と同様に副走査同期信号発生手段として機能し、具体的には、マーカ34の通過領域付近に固定され、LEDなどの発光素子から中間転写ベルト86に光を照射し、ホトセンサなどの受光素子で反射光を受光し、反射光強度の変化からマーカ34を検出することにより、副走査同期信号を形成する。
なお、カラー画像支持体である中間転写ベルト86はベルト形状をもつため、中間転写ベルト86の伸縮が副走査方向の主要な変動となる。中間転写ベルト86の伸縮は、主に中間転写ベルト86を張架する第1駆動ローラ87と第2駆動ローラ88との遍芯により大きく影響を受け、特に、各画像ステーションより下流側に位置する第1駆動ローラ87の遍芯の影響が大きい。例えば、第1駆動ローラ87の遍芯が大きい部分では中間転写ベルト86の移動量が比較的大きいため、張架された中間転写ベルト86が移動方向に強く引かれることにより、中間転写ベルト86上のマーカ34の検知間隔が変動する。そのため、マーカ検知部97Yが中間転写ベルト86のマーカ34を検出する面と、感光体91Yが中間転写ベルト86にトナー像を転写する面とは、第1駆動ローラ87と第2駆動ローラ88と二次転写ローラ89とにより中間転写ベルト86に形成される複数の面のうち、同じ面であることが望ましい。マーカ検知部97Yでマーカ34を検知する面と、感光体91Yによりトナー像が転写される面とを、中間転写ベルト86の動きが似ている同じ面にすることにより、所定の副走査同期信号に対する平均的な主走査同期信号のずれβを精度良く算出し、高い予測精度で効果的に色ずれを低減させることができる。
給紙部83は、給紙トレイに積載した転写紙を送りローラで1枚ずつ送り出し、レジストローラでタイミングを調整しながら中間転写ベルト86に送る。中間転写ベルト86に形成されたフルカラートナー像は、フルカラートナー像の形成まで退避または給紙していた二次転写機構の活動により、給紙部83から送られる転写紙に一括して転写される。定着装置84は、中間転写ベルト86でトナー像を転写された転写紙に圧力を加えながら加熱してトナーを定着させる。排紙部85には定着後の転写紙が排紙される。
制御部100は、図17のブロック図に示すように第1の実施形態と同様のROM40とCPU41とRAM42と入出力部43と速度制御部44と画像処理部45とを有し、第1の実施形態の書込制御部46と機能の異なる書込制御部101を有する。
書込制御部101は、図18のブロック図に示すように、第1の実施形態と同様の経過時間計測部62とクロック63としきい値記憶部64と開始タイミング決定部65と計測データ記憶部66とβ記憶部67と開始タイミング記憶部68と走査制御部69とをもち、第1の実施形態の副走査同期信号カウンタ60と主走査同期信号カウンタ61と機能の異なる、副走査同期信号カウンタ102と主走査同期信号カウンタ103と開始タイミング決定部104と走査制御部105とをもつ。
第1の実施形態との主要な相違点は、トナー色ごとに、開始タイミング決定部104がxstartを決定するために使用する副走査同期信号及び主走査同期信号の入力もとが異なり、走査制御部100が制御するレーザ光源が異なる点である。以下、相違点を重点的に説明する。
副走査同期信号カウンタ102は、マーク検知部88Y、マーク検知部88M、マーク検知部88C、及びマーク検知部88Kとから副走査同期信号を入力してそれぞれ別にカウントするほか、第1の実施形態の副走査同期信号カウンタ60と同様の機能をもつ。
主走査同期信号カウンタ103は、走査光受光部96Y、走査光受光部96M、走査光受光部96C、及び走査光受光部96Kとから主走査同期信号を入力してそれぞれ別にカウントするほか、第1の実施形態の主走査同期信号カウンタ61と同様の機能をもつ。
タイミング決定方法において、1色目のイエローの露光時には、開始タイミング決定部104は、マーク検知部88Yから入力される副走査同期信号から色ずれ量計算開始信号を検出し、副走査同期信号カウンタ102にマーク検知部88Yから入力される副走査同期信号をカウントさせ、主走査同期信号カウンタ103に走査光受光部96Yから入力される主走査同期信号をカウントさせる。開始タイミング決定部104は、第1の実施形態と同様に値xと値yと経過時間tを記憶させ、第1の実施形態と同様にxstart1を決定する。走査制御部100は、第1画像ステーション82Yのレーザ光源を制御し、第1の実施形態と同様にx=xstart1のタイミングで1色目の露光を開始させる。
2色目のマゼンダの露光時には、開始タイミング決定部104は、マーク検知部88Mから入力される副走査同期信号から色ずれ量計算開始信号を検出し、副走査同期信号カウンタ102にマーク検知部88Mから入力される副走査同期信号をカウントさせ、主走査同期信号カウンタ103に走査光受光部96Mから入力される主走査同期信号をカウントさせる。開始タイミング決定部104は、第1の実施形態と同様に値xと値yと経過時間tを記憶させ、第1の実施形態と同様にxstart2を決定する。走査制御部100は、第2画像ステーション82Mのレーザ光源を制御し、第1の実施形態と同様にx=xstart2のタイミングで2色目の露光を開始させる。
3色目のシアンの露光時には、開始タイミング決定部104は、マーク検知部88Cから入力される副走査同期信号から色ずれ量計算開始信号を検出し、副走査同期信号カウンタ102にマーク検知部88Cから入力される副走査同期信号をカウントさせ、主走査同期信号カウンタ103に走査光受光部96Cから入力される主走査同期信号をカウントさせる。開始タイミング決定部104は、第1の実施形態と同様に値xと値yと経過時間tを記憶させ、第1の実施形態と同様にxstart3を決定する。走査制御部100は、第1画像ステーション82YCのレーザ光源を制御し、第1の実施形態と同様にx=xstart3のタイミングで3色目の露光を開始させる。
4色目のブラックの露光時には、開始タイミング決定部104は、マーク検知部88Kから入力される副走査同期信号から色ずれ量計算開始信号を検出し、副走査同期信号カウンタ102にマーク検知部88Kから入力される副走査同期信号をカウントさせ、主走査同期信号カウンタ103に走査光受光部96Kから入力される主走査同期信号をカウントさせる。開始タイミング決定部104は、第1の実施形態と同様に値xと値yと経過時間tを記憶させ、第1の実施形態と同様にxstart4を決定する。走査制御部100は、第1画像ステーション82YKのレーザ光源を制御し、第1の実施形態と同様にx=xstart4のタイミングで4色目の露光を開始させる。
第8の実施形態の画像形成装置80によれば、副走査同期信号に対する主走査同期信号の平均的なずれに基づいて露光を開始する主走査同期信号を選択するので、単一の主走査同期信号の値を用いてどの主走査同期信号から露光を開始するのかを決定する場合に比べて、外乱の影響を受けにくく、全体としての色ずれを低減させた高画質な画像を形成することができる。第8の実施形態の画像形成装置によれば、露光を開始する直前にβの計算を行うことにより、実際の露光時とにおけるずれを精度良く把握しながらβを計算することができる。
なお、第1の実施形態の画像形成装置1に対して第2から第7の実施形態のような各種変更を適用できるように、第8の実施形態の画像形成装置80に対して第2から第7の実施形態のような各種変更を適用することができる。
第9の実施形態の画像形成装置110は、図19の構成図に示すように、二次転写部111と第1画像ステーション112MYと第2画像ステーション112CKと書込装置113と給紙部114と定着装置115と排紙部116と制御部117を備える画像形成装置である。
二次転写部111は、中間転写ベルト118と第1駆動ローラ119と第2駆動ローラ120とを有する。中間転写ベルト118は、第1駆動ローラ119と第2駆動ローラ120とに張架されたシームレスベルトであり、第1駆動ローラ119と第2駆動ローラ120とにより回転駆動される。中間転写ベルト118は、回転方向に直交する主走査方向の一端側において、副走査方向に沿って内側に第1の実施形態と同様のマーカ34を設けている。マーカ34は、中間転写ベルト118と反射率の異なる物質で形成された複数のスケールを、副走査方向に等間隔で配置して構成されており、スケールの間隔を広くしたマーカ34の切れ目を一部に設けている。各スケールは、副走査方向に10μm程度の幅をもち、副走査方向に間隔65μmで配置されている。
第1画像ステーション112MY及び第2画像ステーション112CKは、それぞれ現像するトナー色が異なる他は同様の構成をもつ。各画像ステーションにおいて、同じ機能をもつ要素には同じ符号を付加し、各符号にMYが付加された要素はマゼンダ及びイエローを現像する第1画像ステーション112MYに属する要素であることを示し、各符号にCKが付加された要素はシアン及びブラックを現像する第2画像ステーション112CKに属する要素であることを示す。
各画像ステーションは、中間転写ベルト118上の第1駆動ローラ119と第2駆動ローラ120との間の領域において、中間転写ベルト118の回転方向上流から、第1画像ステーション112MY、第2画像ステーション112CKの順に対向している。代表して第1画像ステーション112MYの構成について説明する。第1画像ステーション112MYは、感光体121MYの周囲に順に帯電部122MYと現像装置123MYとクリーニング部材124MYと走査光受光部125MYとマーカ検知部126MYとを配置している。
感光体121MYは、像担持体として機能し、矢印の方向に回転駆動され、現像装置123MYとクリーニング部材124MYとの間で中間転写ベルト118に対向している。帯電部122MYは、感光体121MYを暗中にて所定の電位に一様に帯電する。
書込装置113は、画像情報に応じて変調された2つの光源から出力されるレーザービームをコリメートレンズによりコリメートし、回転多面鏡用モータにより回転する1つの回転多面鏡の偏向反射面により走査し、結像レンズで絞り込んでレーザースポットを形成し、感光体121MY及び感光体121CKをそれぞれ回転方向である副走査方向に対して直交する主走査方向に走査露光することにより、感光体121MY及び感光体121CKの回転と連動して感光体121MY及び感光体121CKを2次元に露光する。
現像装置123MYは、イエローのトナー像を現像するY色現像器127Yとマゼンダのトナー像を現像するM色現像器127Mとを切り替えることにより、択一的に感光体121MYの潜像からイエローまたはマゼンダのトナー像を現像する。Y色現像器127YとM色現像器127Mとは、択一的に感光体121MYから退避させられること、または、択一的に現像バイアスが印加されることにより、現像動作の実施と不実施とを制御可能に構成されている。一方、現像装置123CKは、シアンのトナー像を現像するC色現像器127Cとブラックのトナー像を現像するK色現像器127Kとを切り替えることにより、択一的に感光体121CKの潜像からシアンまたはブラックのトナー像を現像する。現像されたトナー像は、一次転写ローラに印加された電圧により中間転写ベルト118に転写される。クリーニング部材124MYは、感光体121MYの転写後の領域に残留するトナーや現像液を除去する。
中間転写ベルト118は、一周目に、第1画像ステーション112MYからイエローのトナー像を転写され、続けて、第2画像ステーション112CKからブラックのトナー像を転写され、2週目に、第1画像ステーション112MYからマゼンダのトナー像を転写され、続けて、第2画像ステーション112CKからシアンのトナー像を転写される。
走査光受光部125MYは、第1の実施形態の走査光受光部15と同様に主走査同期信号発生手段として機能し、具体的には、書込装置113によるレーザの走査範囲内であって画像範囲外に配置された受光素子によりレーザービームを受光し、主走査方向の記録開始位置(横レジスト)を決定する主走査同期信号を形成する。
マーカ検知部126MYは、第1の実施形態のマーカ検知部16と同様に副走査同期信号発生手段として機能し、具体的には、マーカ34の通過領域付近に固定され、LEDなどの発光素子から中間転写ベルト118に光を照射し、ホトセンサなどの受光素子で反射光を受光し、反射光強度の変化からマーカ34を検出することにより、副走査同期信号を形成する。マーカ検知部126MYは、中間転写ベルト118に対して感光体121MYの一次転写位置とほぼ同じ位置の内側から、マーカ34を検知する。マーカ検知部126MYにより検知される副走査同期信号は、一次転写位置とほぼ同じ変動を受けるため、これに基づいてβを求めることにより、精度良く色ずれを低減させることができる。
給紙部114は、給紙トレイに積載した転写紙を送りローラで1枚ずつ送り出し、レジストローラでタイミングを調整しながら中間転写ベルト118に送る。中間転写ベルト118に形成されたフルカラートナー像は、フルカラートナー像の形成まで退避または給紙していた二次転写機構の活動により、給紙部114から送られる転写紙に一括して転写される。定着装置115は、中間転写ベルト118でトナー像を転写された転写紙に圧力を加えながら加熱してトナーを定着させる。排紙部116には定着後の転写紙が排紙される。
制御部117は、図20のブロック図に示すように第1の実施形態と同様のROM40とCPU41とRAM42と入出力部43と速度制御部44と画像処理部45とを有し、第1の実施形態の書込制御部46と機能の異なる書込制御部128を有する。
書込制御部128は、図21のブロック図に示すように、第1の実施形態と同様の経過時間計測部62とクロック63としきい値記憶部64と開始タイミング決定部65と計測データ記憶部66とβ記憶部67と開始タイミング記憶部68と走査制御部69とをもち、第1の実施形態の副走査同期信号カウンタ60と主走査同期信号カウンタ61と機能の異なる、副走査同期信号カウンタ129と主走査同期信号カウンタ130と開始タイミング決定部131と走査制御部132とをもつ。
第1の実施形態との主要な相違点は、トナー色ごとに、開始タイミング決定部131がxstartを決定するために使用する副走査同期信号及び主走査同期信号の入力もとが異なり、走査制御部117が制御するレーザ光源が異なる点である。以下、相違点を重点的に説明する。
副走査同期信号カウンタ129は、マーカ検知部126MYとマーカ検知部126CKとから副走査同期信号を入力してそれぞれ別にカウントするほか、第1の実施形態の副走査同期信号カウンタ60と同様の機能をもつ。
主走査同期信号カウンタ130は、走査光受光部125MYと走査光受光部125CKとから主走査同期信号を入力してそれぞれ別にカウントするほか、第1の実施形態の主走査同期信号カウンタ61と同様の機能をもつ。
タイミング決定方法において、1色目のイエローの露光時には、開始タイミング決定部131は、マーカ検知部126MYから入力される副走査同期信号から色ずれ量計算開始信号を検出し、副走査同期信号カウンタ129にマーカ検知部126MYから入力される副走査同期信号をカウントさせ、主走査同期信号カウンタ130に走査光受光部125MYから入力される主走査同期信号をカウントさせる。開始タイミング決定部131は、第1の実施形態と同様に値xと値yと経過時間tを記憶させ、第1の実施形態と同様にxstart1を決定する。走査制御部117は、第1画像ステーション112MYのレーザ光源を制御し、第1の実施形態と同様にx=xstart1のタイミングで1色目の露光を開始させる。
2色目のブラックの露光時には、開始タイミング決定部131は、マーカ検知部126CKから入力される副走査同期信号から色ずれ量計算開始信号を検出し、副走査同期信号カウンタ129にマーカ検知部126CKから入力される副走査同期信号をカウントさせ、主走査同期信号カウンタ130に走査光受光部125CKから入力される主走査同期信号をカウントさせる。開始タイミング決定部131は、第1の実施形態と同様に値xと値yと経過時間tを記憶させ、第1の実施形態と同様にxstart2を決定する。走査制御部117は、第2画像ステーション112CKのレーザ光源を制御し、第1の実施形態と同様にx=xstart2のタイミングで2色目の露光を開始させる。
3色目のマゼンダの露光時には、開始タイミング決定部131は、マーカ検知部126MYから入力される副走査同期信号から色ずれ量計算開始信号を検出し、副走査同期信号カウンタ129にマーカ検知部126MYから入力される副走査同期信号をカウントさせ、主走査同期信号カウンタ130に走査光受光部125MYから入力される主走査同期信号をカウントさせる。開始タイミング決定部131は、第1の実施形態と同様に値xと値yと経過時間tを記憶させ、第1の実施形態と同様にxstart3を決定する。走査制御部117は、第1画像ステーション112MYのレーザ光源を制御し、第1の実施形態と同様にx=xstart3のタイミングで3色目の露光を開始させる。
4色目のシアンの露光時には、開始タイミング決定部131は、マーカ検知部126CKから入力される副走査同期信号から色ずれ量計算開始信号を検出し、副走査同期信号カウンタ129にマーカ検知部126CKから入力される副走査同期信号をカウントさせ、主走査同期信号カウンタ130に走査光受光部125CKから入力される主走査同期信号をカウントさせる。開始タイミング決定部131は、第1の実施形態と同様に値xと値yと経過時間tを記憶させ、第1の実施形態と同様にxstart4を決定する。走査制御部117は、第1画像ステーション112CKのレーザ光源を制御し、第1の実施形態と同様にx=xstart4のタイミングで4色目の露光を開始させる。
第9の実施形態の画像形成装置110によれば、副走査同期信号に対する主走査同期信号の平均的なずれに基づいて露光を開始する主走査同期信号を選択するので、単一の主走査同期信号の値を用いてどの主走査同期信号から露光を開始するのかを決定する場合に比べて、外乱の影響を受けにくく、全体としての色ずれを低減させた高画質な画像を形成することができる。第9の実施形態の画像形成装置によれば、露光を開始する直前にβの計算を行うことにより、実際の露光時とにおけるずれを精度良く把握しながらβを計算することができる。
なお、第1の実施形態の画像形成装置1に対して第2から第7の実施形態のような各種変更を適用できるように、第9の実施形態の画像形成装置110に対して第2から第7の実施形態のような各種変更を適用することができる。
なお、画像支持体として中間転写体を使用することを中心に説明したが、画像支持体は記録媒体など他の部材であってもよい。本発明は、感光体上で各色のトナー像を重ねる画像形成装置、中間転写体を用いず感光体から記録媒体へ直接像を転写する画像形成装置などにも適用することができる。また、例えば回転するノズルから画像情報に応じてトナーを吹き出して感光体、中間転写体、または記録媒体上を走査することにより画像を形成するような、電子写真以外の作像プロセスにも適用可能である。すなわち、潜像または画像を形成可能な走査型書込み装置を用いて形成した画像を複数重ねる各種画像形成装置に適用することができる。