JP4541223B2 - 位相可変装置と内燃機関用カム軸位相可変装置 - Google Patents

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本発明は、2つの回転部材間の回転位相を可変とすることができるようにした位相可変置とこれを用いた内燃機関用カム軸位相可変装置に関し、特に、内燃機関用カム軸位相可変装置は、クランク軸によりカム軸を介して駆動される給気バルブまたは排気バルブの開閉タイミングを可変とする内燃機関用バルブタイミング制御装置に用いて好適なものである。
2つの回転部材間の回転位相を可変とする位相角制御装置は、従来、製品事例として、負荷や回転速度などの運転状態の変化に応じて給気バルブや排気バルブの開閉タイミングを適切な方向に変化させる内燃機関用カム軸位相可変装置が製品事例として知られているが、正及び負の領域に亘ってカム軸に発生するトルク変動を駆動力として利用するものとして、例えば、可変バルブタイミング制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
これは、エンジンのクランク軸で回転駆動される第1の回転部材とカム軸に固定された第2の回転部材との間の相対回転に連動して容積が変化する油圧室間をチェック弁を介して導通し、そのチェック弁が油の流れ方向を許容する方向を切り替えることにより、バルブスプリングよってカム軸に発生る変動トルクを駆動力としてカム軸のクランク軸に対する回転位相を遅角、進角両方向のうちの任意の方向に変化させるようにした内燃機関用カム軸位相可変装置である。
特願平11−17795号公報
上記特許文献1に記載の技術では、カム軸位相可変装置の駆動エネルギーとしてカム軸に発生するトルク変動を利用するので、省エネルギを実現できるが、以下の課題も残されている。
上記特許文献1に記載の技術では、油圧室間の導通経路に設けたチェック弁が一方向の油の流れを許容し、反対方向の油の流れを阻止するので、油圧室の容積変化に連動する第1の回転部材とカム軸に固定された第2の回転部材との間の相対的な回転方向が一方の方向にのみ許容され、正負の領域にわたって変動するカム軸変動トルクにおける一方の方向の符号のトルク部分により、上記の許容された方向へ相対回転する。
しかし、その際、チェック弁が反対方向の流れを阻止するようにしたメカニズムは、逆方向の符号のトルクにより油が逆流し始めることによってチェック弁が閉じて機能するPassive(受動的)な動作であり、必ず時間遅れを伴う。このことにより、エンジンの高速運転時にカム軸の変動トルクが高周波になると、これにチェック弁の開閉運動が追従できなくなり、回転位相を変化させる位相可変装置として機能できなくなるという問題があった。
また、上記特許文献1に記載の技術では、そのチェック弁が油の流れを許容する方向を切り替えることにより、カム軸のクランク軸に対する回転位相を遅角、進角両方向の任意の方向に変化させる機能を有しているが、目標の回転位相まで変化させてこの目標の回転位相に固定するためには、新たに現在の位相位相を検出するセンサを設け、常に目標の位相位相と現在の位相位相とを比較してチェック弁を制御し、油の流れを許容する方向に制御するためのフィードバック制御が必要であった。しかも、カム軸変動トルクによるカム軸の回転位相の変化が高速に行なわれるようにすると、かかるフィードバック制御がこの変化に追従できなくなり、目標の位相位相に収束させることができなくなるという問題があった。
本発明の目的は、かかる問題を解消し、駆動エネルギーの低減のために変動トルクを駆動力として利用しながら、高速な回転位相の変化に追従して目標の回転位相への収束を確実に可能とした位相角制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、第1の回転部材と、第1の回転部材を介して回転駆動される第2の回転部材とを有し、第1の回転部材に対する第2の回転部材の位相を制御する位相可変装置であって、第1の回転部材の内周面に設けられた複数の窪み部と第2の回転部材の外周面に設けられた複数の突出部とで、くぼみ部毎に突出部で仕切られた第1の作動室と第2の作動室とからなる作動室の対が複数形成されて、第1の回転部材と第2の回転部材との間の相対的な回転に連動し、相対的な回転の方向に応じて、作動室の対毎に、第1,第2の作動室の一方の容積が増減するとともに、他方の容積が減増し、作動室の対毎に、第1の作動室と第2の作動室とに夫々第2の回転部材の内周面に貫通する導通流路を設け、第1,第2の回転部材の回転運動により、作動室の対夫々の第1,第2の作動室の導通流路間を同時に開閉する作動室の対の個数に等しい個数の通路開閉機構を、第2の回転部材の内周面に対向して円周方向に等ピッチで、設け、第1,第2の回転部材の回転運動とともに、通路開閉機構により、作動室の対毎に、その1回転毎に通路開閉機構の個数に等しい個数の一定区間だけ第1,第2の作動室の導通流路間を開放することにより第1,第2の作動室のいずれか一方の容積が増大し、他方の容積が減少して、第2の回転部材が、第1の回転部材に対して、容積が減少する第1または第2の作動室の方向に回転し、第1の回転部材に対する第2の回転部材の位相を変換することを特徴とするものである。
また、通路開閉機構は、作動室の対毎に、第1,第2の回転部材の1回転中の一定区間、第1,第2の作動室の導通流路間を開放し、一定区間以外の区間で第1,第2の作動室の作動室の導通流路を閉止する第1の状態と、この第1の状態とは異なる一定区間、第1,第2の作動室の導通流路間を開放し、一定区間以外の区間で第1,第2の作動室の導通流路を閉止する第2の状態とを切り換え設定する手段を有することを特徴とするものである。
また、通路開閉機構は、作動室の対毎に、第1,第2の回転部材の1回転中の一定区間、第1,第2の作動室の導通流路間を開放し、一定区間以外の区間、第1,第2の作動室の導通流路を閉止する第1の状態と、第1の状態とは異なる一定区間、第1,第2の作動室の導通流路間を開放し、一定区間以外の区間で第1,第2の作動室の導通流路を閉止する第2の状態と、第1,第2の回転部材の1回転中の全区間、第1,第2の作動室の導通流路を閉止する第3の状態とを切り替え設定する手段を有することを特徴とするものである。
また、第1,第2の回転部材間には、その1回転中に正負の領域にわたって周期的に変動する変動トルクが作用するものであって、通路開閉機構は、作動室の対毎に、変動トルクの周期に同期して、第1,第2の作動室の導通流路間の開閉を行なわせることを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、上記のいずれかの位相可変装置を用いた内燃機関用カム軸位相可変装置であって、第1の回転部材は、エンジンのクランク軸によって回転駆動され、第2の回転部材は、エンジンのカムシャフトに一体に連結された構成であることを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、第1の回転部材と、第1の回転部材を介して回転駆動される第2の回転部材とを有し、第1の回転部材に対する第2の回転部材の位相を制御する位相可変装置であって、第1の回転部材の内周面に設けられた複数の窪み部と第2の回転部材の外周面に設けられた複数の突出部とで、くぼみ部毎に突出部で仕切られた第1の作動室と第2の作動室とからなる作動室の対が複数形成されて、第1の回転部材と第2の回転部材との間の相対的な回転に連動し、相対的な回転の方向に応じて、作動室の対毎に、第1,第2の作動室の一方の容積が増減するとともに、他方の容積が減増し、作動室の対毎に、第1の作動室と第2の作動室とに夫々第2の回転部材の内周面に貫通する導通流路を設け、第1,第2の回転部材の回転運動により、作動室の対夫々の第1,第2の作動室の導通流路間を同時に開閉する作動室の対の個数に等しい個数の通路開閉機構を、第2の回転部材の内周面に対向して、円周方向に等ピッチで設け、通路開閉機構は、作動室の対毎に、第1,第2の回転部材の1回転中の通路開閉機構の個数に等しい個数の一定区間で第1,第2の作動室の導通流路間を開放して一定区間以外の区間で第1,第2の作動室の導通流路を閉止する第1の状態と、第1の状態とは異なる通路開閉機構の個数に等しい個数の一定区間で第1,第2の作動室の導通流路間を開放して一定区間以外の区間で第1,第2の作動室の導通流路を閉止する第2の状態と、第1,第2の回転部材の1回転中の全区間で第1,第2の作動室の導通流路を閉止する第3の状態とを切り替え設定する切り替え機構を有し、切り替え機構は、第1,第2の回転部材の相対的な回転に連動して移動し、その移動による位置が第1の回転部材に対する第2の回転部材の位相に一対一で対応する位相角検出部材と、目標とする位相角に応じて外部から位置が制御される位相角制御部材とを有し、位相角検出部材と位相角検出部材の相対的な位置関係により、第1,第2,第3の状態を切り替え、第1,第2の回転部材の回転運動とともに、通路開閉機構により、作動室の対毎に、その1回転毎に一定区間だけ第1,第2の作動室の導通流路間を開放することにより、第1の作動室と第2の作動室とのいずれか一方の容積が増大し、他方の容積が減少して、第2の回転部材が、第1の回転部材に対して、容積が減少した第1または第2の作動室の方向に回転し、第1の回転部材に対する第2の回転部材の位相を変換することを特徴とするものである。
また、第1,第2の回転部材間には、その1回転中に正負の領域にわたって周期的に変動する変動トルクが作用するものであって、通路開閉機構は、変動トルクの周期に同期して、作業室の対毎に、第1,第2の作動室の導通流路間の開閉を行なわせることを特徴とするものである。
また、通路開閉機構の切り替え機構は、位相角制御部材に対する位相角検出部材の位置関係に応じて、第1,第2の状態のいずれか1つを選択設定し、第3の状態となるように、第1の回転部材に対する第2の回転部材の位相を変換させ、位相角制御部材の位置に応じた位相を設定可能としたことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、上記のいずれかの位相可変装置を用いた内燃機関用カム軸位相可変装置であって、第1の回転部材は、エンジンのクランク軸によって回転駆動され、第2の回転部材は、エンジンのカムシャフトに一体に連結された構成であることを特徴とするものである。
本発明によれば、2つの回転部材の一方に作用する変動トルクの周波数が大きくなっても、導通流路の開閉運動が、時間遅れがなく、確実に行なわれるので、変動トルクを駆動源とする位相変換を高速に行なわせることもできる。
また、現在の位相角が目標の位相角に対して現在どちらにずれているかによって位相変換の方向が自動的に切り替わるので、現在の位相角を検出して目標の位相角と比較し、位相変換の方向を指示するフィードバック制御が不要になり、制御システムの構成が簡略化できるし、目標位相角に向かって発散することなく、確実に収束制御をさせることができる。
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1は本発明による位相可変装置及びこれを用いた内燃機関用カム軸位相可変装置の一実施形態を示す軸Xに沿う横断面図、図2は図1で矢印Bの方向に見た平面図、図3は図1での軸Xに垂直な分断線C−Cに沿う断面図、図4は軸Xに垂直な分断線D−Dに沿う断面図、図5は図4とは45゜回転状態が異なる軸Xに垂直な分断線D−Dに沿う断面図であって、1はスプロケット、1aは歯部、2はボディ、3はフロントプレート、3aは傾斜溝、3bは壁部、4は組立てボルト、5はベーン、5aは内周円筒面、5b,5cは導通流路、5dは平行溝、5eは外周面、6はカムシャフト、7は固定ボルト、8は進角油圧室、9は遅角油圧室、10,11はチップシール、12は位相角検出部材、12a,12bは連絡溝、12c,12dは連絡孔、13はピンボルト、13aはピン部、14,15はローラ、16は位相角制御部材、16aは進角導通溝、16bは遅角導通溝、17は第1の回転部材、18は第2の回転部材である。これら図1〜図5はこの実施形態の最進角状態を示している。なお、図1は図4,図5の分断線A−O−Aに沿う断面図である。
また、図7〜図11はこの実施形態の最遅角状態を示すものであって、図7はこの実施形態の軸Xに沿う横断面図、図8は図7で矢印Fの方向に見た平面図、図9は図7での軸Xに垂直な分断線G−Gに沿う断面図、図10及び図11は図7での軸Xに垂直な分断線H−Hに沿う断面図、図11は図10とは45゜回転状態が異なる軸Xに垂直な分断線H−Hに沿う断面図であって、図1〜図5に対応する部分には同一符号を付けている。なお、図7は図10,図11の分断線E−O−Eに沿う断面図である。
さらに、図6は図1,図7における位相角検出部材12と位相角制御部材16との位置関係を示す図であり、図1〜図5及び図7に対応する部分には同一符号を付けている。
図1において、スプロケット1とボディ2とフロントプレート3の壁部3bとが、組立てボルト4(図3)により、一体に固定され、これらスプロケット1とボディ2とフロントプレート3とによって第1の回転部材17が形成されている。スプロケット1の外周には歯部1aが形成されており、この歯部1aとエンジンのクランクシャフト(図示せず)との間にチェーンなどの伝達部材が掛けられていて、このクランクシャフトの回転により、この第1の回転部材17が回転駆動される。
また、ベーン5がエンジンのカムシャフト6の先端部に、固定ボルト7により、一体に固定されて第2の回転部材18が形成されている。この第2の回転部材18のベーン5は、第1の回転部材17の内部に、この第1の回転部材17に対して相対回転可能に支持されている。なお、上記軸Xは、このカムシャフト6の軸に一致している。この軸Xに沿う方向を、以下、軸X方向という
図4及び図5において、ボディ2の内面側には、複数個の窪み部が設けられており(ここでは、かかる窪み部が4個設けられているものとする)、夫々の窪み部にベーン5の外周面5eから突出した突出部が嵌め込まれている。ボディ2のこれら窪み部では、これに嵌め込まれたベーン5の突出部により、作動室としての進角油圧室8と遅角油圧室9とが形成されており、第1の回転部材17の一部であるボディ2と第2の回転部材18であるベーン5との相対回転に伴い、これら進角油圧室8と遅角油圧室9との容積が変化する。これら進角油圧室8と遅角油圧室9には、エンジンオイルが非圧縮性で満たされている。
ここで、第1の回転部材17と第2の回転部材18との回転方向を、図1の左側から見たときの回転方向とし、図4及び図5においては、矢印Y方向が時計廻り方向である。このことは、図7〜図11についても同様である。
図4及び図5において、ベーン5は、ボディ2の内面の窪み部の範囲内において、ボディ2に対して時計廻り方向,反時計廻り方向に回転可能であり、これをボディ2に対するベーン5の相対回転という。また、ボディ2の内面側窪み部内でのベーン5の位置関係をボディ2に対するベーン5の位相という。この位相角は、第1の回転部材17、従って、クランクシャフトに対するカムシャフト6の位相角でもある。
カムシャフト6は、エンジンのフロント側、即ち、図1の左側から見て時計廻り方向に回転しているものとするが、カムシャフト6に固定されたベーン5がボディ2に対して矢印Yで示す時計廻り方向に相対回転するときに容積が増大するのが、進角油圧室8であり、逆に、反時計廻り方向に相対回転するときに容積が増大するのが、遅角油圧室9である。ベーン5の突出部には、シール溝が設けられてこれにチップシール10が組み込まれ、また、ボディ2の窪み部からはずれた部位にも、シール溝が設けられてこれにチップシール11が組み込まれている。かかるチップシール10はボディ2の窪み部の底面に当接し、また、チップシール11はベーン5の面に当接しており、これにより、進角油圧室8と遅角油圧室9との間の気密性が高められている。
なお、上記のように、図4,図5はベーン5が最進角状態にあることを示している。この最進角状態では、ベーン5がボディ2に対して最も時計廻り方向に相対回転した状態であり、進角油圧室8は最大の容量の状態に、遅角油圧室9は最小の容量の状態にある。
ベーン5には、図4,図5に示すように、進角油圧室8側の外周面5eから内周面5aに貫通する導通流路5bと遅角油圧室9側の外周面5eから内周円筒面5aに貫通する導通流路5cとが突出部間の外周面5e毎に、即ち、夫々4個ずつ形成されている(図1では、導通流路5b,5cを1つずつ示している)。
図1において、このベーン5の内周円筒面5aには、位相角検出部材12が、その外周円筒面が軸X方向にスライドできるように、嵌入されている。また、位相角検出部材12には、図3にも示すように、この位相角検出部材12の外周面から軸X方向に垂直な方向に突出するようにして、ピンボルト13が固定されており、このピンボルト13の先端部のピン部13aが、ベーン5に設けられた平行溝5dとフロントプレート3の壁部3bから軸X方向に突出した円筒状突出部に設けられた傾斜溝3aとを貫通している。ここで、ベーン5の平行溝5dは軸X方向に平行な貫通溝であり、フロントプレート3の傾斜溝3aは軸X方向に対して傾斜した貫通溝である。
また、このピンボルト13のピン部13aには、ベーン5の平行溝5dに嵌入したローラ14とフロントプレート3の傾斜溝3aに嵌入したローラ15とが取り付けられている。ローラ14は平行溝5dとの間でガタの少ない微小な隙間で相対移動可能であり、また、ローラ15は傾斜溝3aとの間でガタの少ない微小な隙間で相対移動可能である。ローラ14が平行溝5dに沿って移動すると、このローラ14とともにピンボルト13のピン部13aに取り付けられているローラ14が傾斜溝3aに沿って移動し、これにより、位相角検出部材12が軸Xを中心に円周方向に回転しながら軸X方向に移動する。この場合、夫々のローラ14,15は、その外周で溝5d,3aに対してころがり対偶、内周でピン部13aに対して滑り対偶となり、溝5d,3aに対する相対移動の際の摩擦抵抗を低減する働きをしている。
以上のように、位相角検出部材12に固定されたピンボルト13がベーン5の平行溝5dに沿って移動するように拘束されており、かかる拘束によると、位相角検出部材12とベーン5とは、円周方向に相対変位することがなく、一体となって回転する。また、このピンボルト13がフロントプレート3の傾斜溝3aに沿っても移動するように拘束されており、かかる拘束によると、第1の回転部材17の一部であるフロントプレート3に対して、位相角検出部材12が、従って、この位相角検出部材12と円周方向については一体の第2の回転部材18としてのベーン5が円周方向に移動することができるものである。これにより、ベーン5が第1の回転部材17の一部であるボディ2に対して相対回転し、これら間の位相角が変化すると、位相角検出部材12は軸X方向に移動することになる。
即ち、ボティ2に対するベーン5の位相角と位相角検出部材12の軸X方向の位置とは一対一に対応しているものであり、ボディ2に対してベーン5が矢印Yで示す時計廻り方向に最も回転した図4及び図5に示す最進角状態では、位相角検出部材12は、図1及び図2に示すように、ベーン5の内周円筒面5aを最も外側に(即ち、カムシャフト6から最も離れた位置に)スライドした状態にある。これに対し、ボディ2に対してベーン5が矢印Yとは反対の反時計廻り方向に最も回転した図9及び図10に示す最遅角状態では、位相角検出部材12は、図7及び図8に示すように、ベーン5の内周円筒面5aを最も内側に(即ち、カムシャフト6に最も近づいた位置に)スライドした状態にある。
このように、図2に示す傾斜溝3aの傾斜方向によると、この実施形態では、ボディ2に対するベーン5の位相が矢印Yで示す回転方向とは逆の方向(これは、この位相を遅らせるものであるから、以下、遅角方向という)に変化すると、位相角検出部材12は、図1,図7において、図面上右方向に移動し、逆に、位相が矢印で示す回転方向(これは、この位相を進める方向であるから、以下、進角方向という)に変化すると、同じく左方向に移動する。
図1及び図4,図5において、位相角検出部材12の外周部には、軸X方向に伸延し、かつ全体がベーン5の内周円筒面5aに開口した連絡溝12a,12bが進角油圧室8と遅角油圧室9からの導通流路5b,5cの個数ずつ、即ち、4個ずつ形成されている。また、これら連絡溝12aの軸X方向中央部には、これら連絡溝12aから位相角検出部材12の内周円筒面に連通する連絡孔12cが形成され、各連絡溝12bに対しても、同様の連絡孔12dが形成されている。
ここで、連絡溝12a,12bの円周方向の幅は導通流路5b,5cの幅にほぼ等しく、連絡溝12a,12bの軸X方向の長さは、ベーン5が最進角状態から最遅角状態までのいかなる状態にあっても、即ち、位相角検出部材12の軸X方向の移動可能範囲全体において、導通流路5b,5cが常に連通するように設定されている。これにより、ボディ2とベーン5との位相角の変化とともに、位相角検出部材12が軸X方向に移動するが、導通流路5b,5cは常に連絡溝12a,12bに連通し、連絡溝12a,12bから軸X方向にはみ出すことはない。従って、連絡孔12c,12dは夫々進角油圧室8,遅角油圧室9と常に連通した状態にあり、進角油圧室8,遅角油圧室9は夫々導通流路5b,5c、連絡溝12a,12b及び連絡孔12c,12dを介して、位相角検出部材12の内周円筒面に開口している。連絡孔12c,12dは全て位相角検出部材12の軸Xに垂直な同一断面上に配置されている。この連絡孔12c,12dの配置面は、ボディ2とベーン5との間の位相角の変化に連動して軸X方向に移動するものであり、この位相角と一対一で対応する軸X方向の位置にある。
位相角検出部材12の内側には、位相角制御部材16が嵌入されており、この位相角制御部材16の外周円筒面が位相角検出部材12の内周円筒面をスライドして、位相角制御部材16が軸X方向に移動できるようにしている。この位相角制御部材16は、例えば、エンジンの負荷変動などによる外部からの駆動力によって軸X方向に変位されるが、回転運動を行なわないように外部から拘束されている。従って、位相角検出部材12がエンジンの運転中に位相角制御部材16の周りを回転する。
位相角制御部材16には、その外周円筒面に進角導通溝16aと遅角導通溝16bが夫々4個ずつ形成されている。4個の遅角導通溝16bは全て軸X方向に垂直な同一断面上に配置され、かつ図4,図5に示すように、90度のピッチで円周方向に配列されている。また、4個の進角導通溝16aも全て、軸X方向に垂直な同一断面上に配置され、90度のピッチで円周方向に配列されている。但し、4個の進角導通溝16aが配列される断面は4個の遅角導通溝16bが配列される断面とは異なるものであり、しかも、4個の遅角導通溝16bと4個の進角導通溝16aとは、円周方向に45度ずれて配置されている。
ここで、進角導通溝16aと遅角導通溝16bとの円周方向の幅は、ボディ2の内面側の同じくぼみ部に形成された進角油圧室8,遅角油圧室9に夫々連通する位相角検出部材12の連絡孔12cと連絡孔12dとを対となる連絡孔とすると(従って、対となる連絡孔12c,12dは4組ある)、この対となる連絡孔12c,12dの間隔よりも大きく設定されている。進角導通溝16aと遅角導通溝16bとの軸X方向の間隔は、位相角検出部材12に設けられている連絡孔12c,12dの軸X方向の幅(直径)とほぼ等しく設定されている(但し、連絡孔12c,12dの軸X方向の幅が進角導通溝16aと遅角導通溝16bとの軸X方向の間隔を超えることはない)。従って、ボディ2とベーン5とが回転しているときには、その1回転中、位相角制御部材16に対する位相角検出部材12の位置関係に応じて、夫々の対となる連絡孔12c,12dが進角導通溝16aまたは遅角導通溝16bと4回ずつ一致してつながることになり、これにより、ボディ2の内面側の同じくぼみ部に形成された進角油圧室8,遅角油圧室9(これを対となる進角油圧室8,遅角油圧室9という。かかる対となる進角油圧室8,遅角油圧室9も、同様に、4組ある)が進角導通溝16aまたは遅角導通溝16bを介して連通する。
この実施形態の最進角状態を示す図4は、各対をなす連絡孔12c,12dが進角導通溝16aに連通することはなく、各対となる進角油圧室8,遅角油圧室9間の導通流路5b,5c,連絡溝12a,12b及び連絡孔12c,12dからなる導通経路が「閉」となっている状態を示しており、図4とは第1の回転部材17と第2の回転部材18とが45゜回転状態が異なる図5は、各対をなす連絡孔12c,12dが進角導通溝16bに同時に一致して連通し、各対となる進角油圧室8,遅角油圧室9間の導通経路が同時に「開」となっている状態を示している。図6(a)は図4での位相角検出部材12と位相角制御部材16とのかかる状態を示すものである。
かかる構成において、カムシャフト6に変動トルクが生ぜず、カムシャフト6が一定のトルクで回転しており、しかも、対となる進角油圧室8と遅角油圧室9との流体の圧力(油圧)が等しければ、これに連通した対となる連絡孔12c,12dが進角導通溝16aまたは遅角導通溝16bに連通して対となる進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路が「開」となっても、これら進角油圧室8,遅角油圧室9間の流体の移動はなく、ボディ2に対するベーン5の位相角の変換は生じない。
これに対し、カムシャフト6にトルク変動が生ずると、ベーン5のボディ2に対する相対位相角を変化させるトルクが作用する。このとき、対となる連絡孔12c,12dが進角導通溝16aまたは遅角導通溝16bに連通しない場合には、そのときに対となる進角油圧室8と遅角油圧室9との一方の流体が圧縮され、他方の流体が膨張されるが、カムシャフト6がさらに回転してトルクが作用しなくなると、これら進角油圧室8と遅角油圧室9の流体はもとの状態に戻り、ボディ2に対するベーン5の相対位相角に変化はない。しかし、ベーン5に相対位相角を変化させるトルクが作用したときに、対となる連絡孔12c,12dが進角導通溝16aまたは遅角導通溝16bに一致し、進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路が「開」となってその一方から他方に流体が流れて進角油圧室8と遅角油圧室9との容積の比率が変化することになり、ベーン5は、ボディ2に対し、容積が増加した油圧室側から容積が減少した油圧室側へと相対的な回転を行なう。このようにして、この実施形態では、カムシャフト6にトルク変動が生じ、かつこのトルク変動の発生タイミングに合わせて対となる連絡孔12c,12dが進角導通溝16aまたは遅角導通溝16bに連通し、進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路が「開」となるようにすることにより、ボディ2に対するベーン5の位相角、従って、エンジンのクランクシャフトに対するカムシャフト6の位相角を変化(変換)させることができる。
本発明による内燃機関用カム軸位相可変装置の実施形態は、かかる位相可変装置を内燃機関用の吸気弁カム軸位相可変装置に適用したものであるが、特に、進角油圧室8と遅角油圧室9との対を4個設けていることから、直列4気筒の4ストローク機関に適用した場合のものである。即ち、上記のように、導通流路5b,5c、連絡溝12a,12b、連絡孔12c,12d、進角導通溝16a及び遅角導通溝16bが夫々4個ずつ形成されているのは、直列4気筒用のカム軸では、バルブスプリングからの反力により、その1回転に4周期のトルク変動が発生することに対応させたものである。
内燃機関のシリンダの吸気系では、カムシャフト6に設けられたカムの回転により、吸気バルブがシリンダ内の燃焼室を開閉する。吸気バルブはバルブスプリングによって燃焼室を開放するように付勢されている。カムが回転して吸気バルブをバルブスプリングの付勢力に抗して燃焼室に押し込むと、燃焼室が開放されて混合気体がこの燃焼室に給気され、カムが回転してこのカムによる吸気バルムへの押し込み力がなくなると、バルブスプリングの付勢力により、吸気バルブが移動して燃焼室を閉じる。
かかる動作において、カムがバルブスプリングの付勢力に抗して吸気バルブを燃焼室に押し込むとき、この付勢力によってカムにその回転方向とは逆方向のトルクが発生し、カムシャフト6に作用する。この方向のトルクを、以下、正トルクという。また、カムがさらに回転して吸気バルブがカムによる押し込みから開放されると、バルブスプリングの付勢力により、カムに吸気バルブからその回転方向のトルクが発生し、カムシャフト6に作用する。この方向のトルクを、以下、負トルクという。このようにして、カムシャフト6には、1回転に1回ずつ180゜の回転間隔で正トルクと負トルクとが作用することになる。ここで、直列4気筒の4ストローク機関の場合、4個のシリンダが設けられ、これらシリンダの4個の吸気バルブのカムは同じカムシャフト6によって回転駆動され、夫々のカムの回転位相は90゜ずつずらされている。このために、カムシャフト6には、1回転で正トルクと負トルクとが交互に4回ずつ(即ち、45゜の回転毎に)作用することになる。そこで、図4,図5を例に取ると、図4に示す回転状態で正トルクがカムシャフト6に作用したものとすると、これより45゜回転状態が異なる図5に示す状態では、負トルクがカムシャフト6に作用することになる。
かかる内燃機関用カム軸位相可変装置では、位相角制部材16は、各遅角導通溝16bの円周方向の位置が、カムシャフト6に作用する変動トルクの反時計廻り方向のピーク(即ち、ベーン5をボディ2に対して遅角方向に位相を変換させようとする変動トルクのピークであって、これが上記の正トルクである)の発生タイミング時、対となる連絡孔12c,12dがこの遅角導通溝16bと概ね一致するような位置となるように、位相角制部材16の円周方向の姿勢が設定される。位相角制御部材16は、円周方向の変位については、拘束されているので、この姿勢は変化することがない。従って、各進角導通溝16aは、カムシャフト6に作用する変動トルクの時計廻り方向のピーク(即ち、ベーン5をボディ2に対して進角方向に位相を変換させようとする変動トルクのピークであって、これが上記の負トルクである)の発生タイミング時、対となる連絡孔12c,12dが進角導通溝16aと概ね一致するような位置にあることになる。
この場合、対となる連絡孔12c,12dが進角導通溝16aを横切るか、遅角導通溝16bを横切るかは、位相角制御部材16の軸X方向の位置によるものである。
図1は位相角検出部材12の対となる連絡孔12c,12dが、図6(c)に示すように、位相角制御部材16の進角導通溝16aと遅角導通溝16bとの間に一致し、ベーン5の回転中、対となる連絡孔12c,12dが進角導通溝16aと遅角導通溝16bとのいずれにも一致することがない最進角状態が安定した状態を示すものであるが、かかる状態で位相角制御部材16が、図6(a)で実線矢印で示すように、軸Xに沿ってベーン5内をその奥方向に移動し、対となる連絡孔12c,12dが遅角導通溝16bと一致可能な図6(a)に示す状態となると、ボディ2とベーン5との間で遅角方向の位相変換が生ずる。
即ち、図4,図5はかかる状態を示すものであって、遅角方向の位相変換を行なわせる正トルクの発生タイミングでは、図5に示すように、対となる連絡孔12c,12dが遅角導通溝16bに一致し、対となる進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路が「開」となって進角油圧室8から遅角油圧室9へ液体が移動し、進角油圧室8の容積が減少して遅角油圧室9の容積が増加することにより、ボディ2に対してベーン5が反時計廻り方向に移動する。即ち、ベーン5の遅角方向の位相変換が行なわれる。そして、このベーン5の遅角方向の位相変換により、位相角検出部材12が、図6(a)に示すように、位相角制御部材16に対して破線矢印で示す軸X方向に移動する。
一方、上記とは逆方向の負トルクが発生するタイミングでは、図5に示す状態に対して第1の回転部材17と第2の回転部材18との回転状態が45゜異なる図4に示すように、対となる連絡孔12c,12dは、円周方向に見て進角導通溝16aに対向する位置にあるが、位相角制御部材16の外周円筒面上でのこれら連絡孔12c,12dの移動軌跡がこの進角導通溝16aを通らないため、対となる進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路は「閉」のままとなっている。このため、この負トルクにより、ベーン5がボディ2に対して進角方向に位相を変えようとして遅角油圧室9を圧縮しようとしても、遅角油圧室9は密閉されているため、この遅角油圧室9内の流体が圧縮されてベーン5の進角方向の位相変換が阻止される。従って、このときの負トルクは、ボディ2に対するベーン5の位相変換には作用しない。
このようにして、図4,図5に示す状態では、第1の回転部材17と第2の回転部材18との回転に伴って、対となる連絡孔12c,12dが遅角導通溝16bに一致する毎に対となる進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路が「開」となり、間欠的に順次ベーン5の遅角方向の位相変換が行なわれることになる。そして、これとともに、位相角検出部材12が、図6(a)で破線矢印で示すように、実線矢印で示す位相角制御部材16と同じ方向に軸Xに沿って移動し、図6(c)に示すように、対となる連絡孔12c,12dの位相角制御部材16の外周円筒面上での移動軌跡が遅角導通溝16bと進角導通溝16aとの間を通るようになると、第1の回転部材17と第2の回転部材18との回転中、対となる連絡孔12c,12dは遅角導通溝16bと進角導通溝16aとのいずれとも一致しなくなるので、進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路は「閉」の状態のままであり、ベーン5の位相変換動作が終了してそのときの位相角の状態が保持されることになる。
また、この状態で、図6(a)で実線矢印で示す軸X方向に位相角制御部材16が変位すると、再び上記のベーン5の位相変換動作が行なわれる。
一方、図7〜図11はベーン5、従って、カムシャフト6が第1の回転部材17のボティ2に対し、ベーン5の位相角が最も反時計廻り方向にある最遅角状態示すものであり、特に、図7及び図8では、位相制御部材16がベーン5内の最も奥部に押し込まれ、位相角検出部材12の対となる連絡孔12c,12dが位相角制御部材16の進角導通溝16aと遅角導通溝16bとの間にあって、進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路が常時「閉」に保たれ、最遅角状態が保たれている状態を示している。
かかる図7に示す状態では、ベーン5と一体に回転する位相角検出部材12と回転方向への動きが拘束された位相角制御部材16との位置関係は、図6(c)に示す関係となっているが、かかる状態で、位相角制御部材16が、図6(b)に実線矢印で示すように、軸Xに沿ってベーン5内をその開口方向に移動し、対となる連絡孔12c,12dが進角導通溝16aと一致可能な図6(b)に示す状態となると、ボディ2に対するベーン5の進角方向の位相変換が生ずる。
即ち、図10,図11はかかる状態を示すものであって、進角方向の位相変換を行なわせる負トルク(時計廻り方向の変動トルクのピーク)の発生タイミングでは、図10に示すように、対となる連絡孔12c,12dが進角導通溝16aに一致し、対となる進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路が「開」となって遅角油圧室9から進角油圧室8へ液体が移動し、遅角油圧室9の容積が減少して進角油圧室8の容積が増加することにより、ボディ2に対してベーン5が時計廻り方向に移動する。即ち、ベーン5の進角方向の位相変換が行なわれる。そして、このベーン5の進角方向の位相変換により、位相角検出部材12が、図6(b)に示すように、位相角制御部材16に対して破線矢印で示す方向に軸Xに沿ってに移動する。
一方、上記とは逆方向の正トルクが発生するタイミングでは、図10に示す状態に対して第1の回転部材17と第2の回転部材18との回転状態が45゜異なる図11に示すように、対となる連絡孔12c,12dは、円周方向に見て、遅角導通溝16bに対向する位置にあるが、位相角制御部材16の外周円筒面上でのこれら連絡孔12c,12dの移動軌跡がこの遅角導通溝16bを通らないため、対となる進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路は「閉」のままとなっている。このため、この正トルクにより、ベーン5がボディ2に対して遅角方向に位相を変えようとして進遅角油圧室8を圧縮しようとしても、この進角油圧室8は密閉されているため、この進角油圧室8内の流体が圧縮されてベーン5の遅角方向の位相変換が阻止される。従って、このときの正トルクは、ボディ2に対するベーン5の位相変換には作用しない。
このようにして、図10,図11に示す状態では、第1の回転部材17と第2の回転部材18との回転に伴って、対となる連絡孔12c,12dが遅角導通溝16bに一致する毎に対となる進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路が「開」となり、間欠的に順次ベーン5の進角方向の位相変換が行なわれることになる。そして、これとともに、位相角検出部材12が、図6(b)で破線矢印で示すように、軸Xに沿って位相角制御部材16の移動方向(実線矢印)と同じ破線矢印で示す方向に移動し、図6(c)に示すように、対となる連絡孔12c,12dの位相角制御部材16の外周円筒面での移動軌跡が遅角導通溝16bと進角導通溝16aとの間を通るようになると、第1の回転部材17と第2の回転部材18との回転中、対となる連絡孔12c,12dは遅角導通溝16bと進角導通溝16aとのいずれとも一致しなくなるので、進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路は「閉」の状態のままであり、ベーン5の位相変換動作が終了してそのときの位相角の状態が保持されることになる。
また、この状態で、図6(b)で実線矢印で示す軸X方向に位相角制御部材16がさらに変位すると、再び上記のベーン5の位相変換動作が行なわれる。
このように、この実施形態は、変動トルクが発生すると、チェック弁でこれを検出して「開閉」作用を行なう「Passive」な機能ではなく、変動トルクと無関係に位相可変装置全体の回転運動のみにより強制的に「Active」に機能する構成をなすものであり、エンジンが高速に運転してカムシャフト6の変動トルクが高周波になっても、確実に同期して進角油圧室8と遅角油圧室9との導通経路を「開閉」し、確実にかつ精度良くベーン5、従って、カムシャフトの位相角を変換する作用が行なわれるものである。
以上説明したように、この実施形態では、位相角検出部材12と位相角制御部材16との軸X方向の相対的な位置関係により、図6(a)や図6(b)に示すように、対となる連絡孔12c,12dの位相角制御部材16の外周円筒面上の軌跡が進角導通溝16a,遅角導通溝16bのいずれか一方を横切る位置にある場合には、カムシャフト6の変動トルクを駆動源として、必ず第1の回転部材17に対するカムシャフト6の位相変換が行なわれる。そして、これに連動して、位相角検出部材12の対となる連絡孔12c,12dの進角導通溝16a,遅角導通溝16bのいずれか一方の導通溝を通る上記軌跡が他方の導通溝に向かって移動するように、位相角検出部材12が軸X方向に移動する。これは、図6(c)に示すように、位相角検出部材12と位相角制御部材16の軸X方向の相対的な位置関係は、この位相角制御部16が軸X方向のいずれの位置にあっても、最終的に必ず対となる連絡孔12c,12dの位相角制御部材16の外周円筒面上の軌跡が進角導通溝16aと遅角導通溝16bとの間の導通溝が形成されていない領域のみを通るような位置関係となることを示している。
位相角制御部材16におけるかかる導通溝が形成されていない領域の幅が、位相角検出部材12の対となる連絡孔12c,12dの孔径と等しくすることにより、エンジンの負荷などに応じて外部から軸X方向の位置制御がなされる位相角制御部材16の軸X方向の位置に対して、位相角検出部材12の軸X方向の位置が一義的に定まり、従って、位相角検出部材12と連動する第1の回転部材17と第2の回転部材18、従って、カムシャフト6との間の位相角も一義的に定まる。このことからして、目標の位相角に対応した位置に位相角制御部材16を位置制御することにより、位相角を検出してフィードバック制御をするということをしなくとも、位相角が目標値に自動的に収束することになる。
本発明による位相可変装置と内燃機関用カム軸位相可変装置の一実施形態の最進角状態を示す断面図である。 図1に示す実施形態の矢印B方向から見た図である。 図1に示す実施形態の分断線C−Cに沿う断面図である。 図1に示す実施形態の分断線D−Dに沿う断面図である。 図4に示す回転状態に対して45゜異なる回転状態での図1に示す実施形態の分断線D−Dに沿う断面図である。 図1に示す実施形態での位相角制御部材と位相角検出部材との間の相対位置関係を示す図である。 図1に示す実施形態の最遅角状態を示す断面図である。 図7に示す状態の実施形態の矢印F方向から見た図である。 図7に示す状態の実施形態の分断線G−Gに沿う断面図である。 図7に示す状態の実施形態の分断線H−Hに沿う断面図である。 図10に示す回転状態に対して45゜異なる回転状態での図7に示す実施形態の分断線H−Hに沿う断面図である。
符号の説明
1 スプロケット
1a 歯部
2 ボディ
3 フロントプレート
3a 傾斜溝
3b 壁部
4 組立てボルト
5 ベーン
5a 内周円筒面
5b,5c 導通流路
5d 平行溝
6 カムシャフト
7 固定ボルト
8 進角油圧室
9 遅角油圧室
10,11 チップシール
12 位相角検出部材
12a,12b 連絡溝
12c,12d 連絡孔
13 ピンボルト
13a ピン部
14,15 ローラ
16 位相角制御部材
16a 進角導通溝
16b 遅角導通溝
17 第1の回転部材
18 第2の回転部材

Claims (9)

  1. 第1の回転部材と、該第1の回転部材を介して回転駆動される第2の回転部材とを有し、該第1の回転部材に対する該第2の回転部材の位相を制御する位相可変装置において、
    該第1の回転部材の内周面に設けられた複数の窪み部と該第2の回転部材の外周面に設けられた複数の突出部とで、該くぼみ部毎に該突出部で仕切られた第1の作動室と第2の作動室とからなる作動室の対が複数形成されて、該第1の回転部材と該第2の回転部材との間の相対的な回転に連動し、該相対的な回転の方向に応じて、該作動室の対毎に、該第1,第2の作動室の一方の容積が増減するとともに、他方の容積が減増し、
    該作動室の対毎に、該第1の作動室と該第2の作動室とに夫々該第2の回転部材の内周面に貫通する導通流路を設け、
    該第1,第2の回転部材の回転運動により、該作動室の対夫々の該第1,第2の作動室の該導通流路間を同時に開閉する該作動室の対の個数に等しい個数の通路開閉機構を、該第2の回転部材の内周面に対向して、円周方向に等ピッチで設け、
    該第1,第2の回転部材の回転運動とともに、該通路開閉機構により、該作動室の対毎に、その1回転毎に該通路開閉機構の個数に等しい個数の一定区間だけ該第1,第2の作動室の該導通流路間を開放することにより該第1,第2の作動室のいずれか一方の容積が増大し、他方の容積が減少して、該第2の回転部材が、該第1の回転部材に対して、容積が減少する該第1または該第2の作動室の方向に回転し、該第1の回転部材に対する該第2の回転部材の位相を変換することを特徴とする位相可変装置。
  2. 請求項1において、
    前記通路開閉機構は、前記作動室の対毎に、
    前記第1,第2の回転部材の1回転中の一定区間、前記第1,第2の作動室の前記導通流路間を開放し、該一定区間以外の区間で前記第1,第2の作動室の前記導通流路を閉止する第1の状態と、
    該第1の状態とは異なる一定区間、前記第1,第2の作動室の前記導通流路間を開放し、該一定区間以外の区間で前記第1,第2の作動室の前記導通流路を閉止する第2の状態と
    を切り換え設定する手段を有することを特徴とする位相可変装置。
  3. 請求項1において、
    前記通路開閉機構は、前記作動室の対毎に、
    前記第1,第2の回転部材の1回転中の一定区間、前記第1,第2の作動室の前記導通流路間を開放し、該一定区間以外の区間、前記第1,第2の作動室の前記導通流路を閉止する第1の状態と、
    該第1の状態とは異なる一定区間、前記第1,第2の作動室の前記導通流路間を開放し、該一定区間以外の区間で前記第1,第2の作動室の前記導通流路を閉止する第2の状態と、
    前記第1,第2の回転部材の1回転中の全区間、前記第1,第2の作動室の前記導通流路を閉止する第3の状態と
    を切り替え設定する手段を有することを特徴とする位相可変装置。
  4. 請求項1,2または3において、
    前記第1,第2の回転部材間には、その1回転中に正負の領域にわたって周期的に変動する変動トルクが作用するものであって、
    前記通路開閉機構は、前記作動室の対毎に、該変動トルクの周期に同期して、前記第1,第2の作動室の前記導通流路間の開閉を行なわせることを特徴とする位相可変装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの位相可変装置を用いた内燃機関用カム軸位相可変装置であって、
    前記第1の回転部材は、エンジンのクランク軸によって回転駆動され、
    前記第2の回転部材は、該エンジンのカムシャフトに一体に連結された構成であることを特徴とする内燃機関用カム軸位相可変装置。
  6. 第1の回転部材と、該第1の回転部材を介して回転駆動される第2の回転部材とを有し、該第1の回転部材に対する該第2の回転部材の位相を制御する位相可変装置において、
    該第1の回転部材の内周面に設けられた複数の窪み部と該第2の回転部材の外周面に設けられた複数の突出部とで、該くぼみ部毎に該突出部で仕切られた第1の作動室と第2の作動室とからなる作動室の対が複数形成されて、該第1の回転部材と該第2の回転部材との間の相対的な回転に連動し、該相対的な回転の方向に応じて、該作動室の対毎に、該第1,第2の作動室の一方の容積が増減するとともに、他方の容積が減増し、
    該作動室の対毎に、該第1の作動室と該第2の作動室とに夫々該第2の回転部材の内周面に貫通する導通流路を設け、
    該第1,第2の回転部材の回転運動により、該作動室の対夫々の該第1,第2の作動室の該導通流路間を同時に開閉する該作動室の対の個数に等しい個数の通路開閉機構を、該第2の回転部材の内周面に対向して、円周方向に等ピッチで設け、
    通路開閉機構は、該作動室の対毎に、
    該第1,第2の回転部材の1回転中の該通路開閉機構の個数に等しい個数の一定区間で該第1,第2の作動室の該導通流路間を開放して該一定区間以外の区間で該第1,第2の作動室の該導通流路を閉止する第1の状態と、
    該第1の状態とは異なる該通路開閉機構の個数に等しい個数の一定区間で該第1,第2の作動室の該導通流路間を開放して該一定区間以外の区間で該第1,第2の作動室の該導通流路を閉止する第2の状態と、
    第1,第2の回転部材の1回転中の全区間で該第1,第2の作動室の導通流路を閉止する第3の状態と
    を切り替え設定する切り替え機構を有し、
    該切り替え機構は、
    該第1,第2の回転部材の相対的な回転に連動して移動し、その移動による位置が該第1の回転部材に対する該第2の回転部材の位相に一対一で対応する位相角検出部材と、
    目標とする位相角に応じて外部から位置が制御される位相角制御部材と
    を有し、
    該位相角検出部材と該位相角検出部材の相対的な位置関係により、該第1,第2,第3の状態を切り替え、
    該第1,第2の回転部材の回転運動とともに、該通路開閉機構により、該作動室の対毎に、その1回転毎に一定区間だけ該第1,第2の作動室の該導通流路間を開放することにより、該第1の作動室と該第2の作動室とのいずれか一方の容積が増大し、他方の容積が減少して、該第2の回転部材が、該第1の回転部材に対して、容積が減少した該第1または該第2の作動室の方向に回転し、該第1の回転部材に対する該第2の回転部材の位相を変換する
    ことを特徴とする位相可変装置。
  7. 請求項6において、
    前記第1,第2の回転部材間には、その1回転中に正負の領域にわたって周期的に変動する変動トルクが作用するものであって、
    前記通路開閉機構は、該変動トルクの周期に同期して、前記作動室の対毎に、前記第1,第2の作動室の前記導通流路間の開閉を行なわせることを特徴とする位相可変装置。
  8. 請求項7において、
    前記通路開閉機構の切り替え機構は、
    前記位相角制御部材に対する前記位相角検出部材の位置関係に応じて、前記第1,第2の状態のいずれか1つを選択設定し、前記第3の状態となるように、前記第1の回転部材に対する前記第2の回転部材の位相を変換させ、前記位相角制御部材の位置に応じた位相を設定可能としたことを特徴とする位相可変装置。
  9. 請求項6〜8のいずれか1つの位相可変装置を用いた内燃機関用カム軸位相可変装置であって、
    前記第1の回転部材は、エンジンのクランク軸によって回転駆動され、
    前記第2の回転部材は、該エンジンのカムシャフトに一体に連結された構成であることを特徴とする内燃機関用カム軸位相可変装置。
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