JP4540800B2 - 測距装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子を有し、なおかつ山登りコントラストAFと外光測距AFを併用する方式のデジタルカメラ等の測距装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラのオートフォーカス(以下、AF)には、撮影レンズを通過した被写体光束を撮像素子で受光し、撮像出力のコントラスト(AF評価値)が極大となるようにフォーカスレンズ位置を調節する山登りコントラストAFと、撮影レンズとは異なる光路で被写体からの反射光を受光するパッシブ測距やアクティブ測距に基づく外光測距AFがある。
【0003】
上記山登りコントラストAFは、フォーカスレンズを例えば至近方向に駆動しつつコントラストが最大となる合焦位置を見つけるので、合焦するまでに時間を要するという問題がある。また、上記外光測距AFは、高速に測距できるが、山登りコントラストAFに比べ精度的に劣るという問題がある。
【0004】
そこで、従来から、山登りコントラストAFと外光測距AFを併用した電子カメラが知られている。
【0005】
例えば、特開平10−229516号公報のカメラでは、状況に応じて外光測距AFとTTL山登りコントラストAFとを切り換えて使用するもので、検出した温度やモード、絞り値、焦点距離に応じて、いずれの方式を採用するかの切換え方法について述べられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平10−229516号公報に開示のカメラは、二つのAF方式を状況に応じて選択する。例えばマクロモードではパララックスのない山登りコントラストAFを選択することになるが、検出エリアで、被写体像のコントラストが低い場合は山登りコントラストAFで合焦することができないという問題がある。
【0007】
このような場合、外光測距AFによって測距できる可能性があるので、続けて外光測距AFを行うことが考えられる。しかしながら、外光測距AFに切り換える際の時間ロスによってタイムラグが増大してカメラの使い勝手が悪くなるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題を解決するためのもので、二つの方式のAFを組み合わせて、これらを単純に使い分けるだけでなく、複合させることによってより高速に、高い機能、性能を実現し、タイムラグが好ましくないシーンであっても確実に撮影して、高精度の画像を得ることができる測距装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の測距装置は、撮影レンズを介して被写体像が結像される撮像素子の画像信号のコントラストを示すAF評価値が極大となるようにフォーカスレンズを移動させる第1のAFを行う第1AF手段と、パッシブ方式測距により被写体距離に関する情報を検出し、これに基づいてフォーカスレンズを移動させる第2のAFを行う第2AF手段と、上記第1AF手段と上記第2AF手段のそれぞれが検出可能か否かを判定する判定手段と、上記第1AF手段と上記第2AF手段の両方の検出領域に対応する被写体領域に補助光を照射するAF補助光と、上記判定手段が、上記第1AF手段と第2AF手段との両方が検出不能と判定する場合に、上記第1AF手段と第2AF手段とをAF動作させ、上記第1AF手段の動作を行う期間と第2AF手段の被写体距離に関する情報を検出する動作を行う期間とが少なくとも一部重なるように制御するとともに、上記重なる期間を含む期間に上記AF補助光を照射する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項1においては、第1AF手段と第2AF手段を同時に並行して動作させるので、第1AF手段と第2AF手段を切り換えて使用する際の切換えロスによるタイムラグが少なくなり、使い勝手の良い測距装置を提供できるものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の測距装置において、上記第1AF手段と上記第2AF手段の出力のうちで検出可能な出力を選択する選択手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2においては、第1AF手段と第2AF手段を同時に並行して実行し、検出可能な方の結果を採用するので、高速な測距装置を提供することができる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1記載の測距装置において、上記第1AF手段と上記第2AF手段の出力のうちで信頼度の高い出力を選択する選択手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3においては、第1AF手段と第2AF手段を同時に並行して実行し、信頼度の高い方の結果を採用するので、高精度な測距装置を提供することができる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1記載の測距装置において、補助光装置を有し、上記第1、第2AF手段の少なくとも両方が動作している時に補助光を照射することを特徴とする。
【0016】
請求項4においては、補助光を使用する場合においても、第1AF手段と第2AF手段を同時に並行して実行するので、1回の補助光照射のみで第1,第2のAF手段の両方に対応でき消費電力を削減することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態の測距装置を示す概念図である。
【0018】
図1において、撮影レンズ1を通過した被写体光束は、撮像素子2上に結像される。第1AF手段3は、撮像素子2の出力に基づいてAF評価値を算出してAF動作を行う。同時に、第2AF手段4は、撮影レンズ1とは異なる光路で被写体光束を受光して測距動作を行い、被写体距離を算出してAF動作を行う。
【0019】
上記第1AF手段3は、例えば、撮影レンズ1を移動しながら撮像素子2の出力に基づいて最もコントラスト(AF評価値)の高いレンズ位置に調節する山登りコントラストAF手段で構成される。
【0020】
上記第2AF手段4は、例えば、撮影レンズ1とは異なる光路で被写体からの反射光を受光することで測距動作を行い、被写体距離を算出してレンズ位置を調節するパッシブ測距やアクティブ測距に基づく外光測距AF手段で構成される。
【0021】
制御手段5は、第1AF手段3の出力と第2AF手段4の出力より一方を選択する選択手段と、選択された第1又は第2AF手段の出力に基づいて撮影レンズ1のピント調節を行うためのレンズ駆動を行う手段と、を少なくとも備えている。
【0022】
上記の構成においては、第1AF手段3と第2AF手段4を同時に並行して動作させ、制御手段5にて第1AF手段3と第2AF手段4の一方に切り換えて使用するので、一方のAF手段に切り換える際の切換えによるタイムラグが少なくなり、使い勝手の良い測距装置を実現することが可能となる。
【0023】
次に、このような測距装置を電子カメラに用いた場合の実施の形態を説明する。
【0024】
〔第1の実施の形態〕
(構成)
図2は電子カメラの測距装置のブロック図を示している。
図2に示すように、本実施の形態の測距装置が電子カメラに搭載され、該カメラには、制御部13が備えられている。この制御部13は、例えばCPUで構成されたものであって、電子カメラ全体の各種動作を制御する。
【0025】
また、電子カメラには、図1で説明したように撮影レンズ1が設けられ、該撮影レンズ1を介して被写体像が撮像素子2に結像される。撮像素子2は、被写体像を撮像して画像信号を生成して、信号処理部12へ供給する。
撮像素子2は、撮像素子駆動部11を介して制御部13に接続されて、該制御部13によって電子シャッタなどの動作タイミングが制御される。
【0026】
信号処理部12は、撮像素子2からの画像信号に対し、例えばA/D変換処理、γ補正、色信号処理等の信号処理を行い、制御部13及びAF評価値算出部21に供給する。
AF評価値算出部21は、山登りコントラストAFの実行時、信号処理部12からの画像信号に処理を施して、例えば図3及び図4に示す測距エリア31に対応する画像出力についてのAF評価値を算出し、制御部13に供給する。図3及び図4については後述する。
【0027】
制御部13は、前記AF評価値が高くなる方向に撮影レンズ1内のフォーカスレンズを駆動し、その極大値を探索するようにAF動作制御を行う。このときの制御部13によるAF評価値に応じたフォーカスレンズ駆動例が図5に示されている。
【0028】
図5において、横軸は制御部13からのレンズ駆動モータ18に出力される駆動パルス数、すなわちフォーカスレンズ移動位置を示し、縦軸は駆動パルス数に応じた各フォーカスレンズ位置における撮像素子2の画像出力より算出されるAF評価値を示している。
【0029】
山登りコントラストAFによりフォーカスレンズを、例えば無限側位置から至近方向に移動させていくと、被写体に合焦するポイントでAF評価値は極大値となる。つまり、制御部13は、このAF評価値が極大値となるように、レンズ駆動部17を介してレンズ駆動モータ18を駆動するように制御する。実際には、図5内の矢示にて示すようにAF評価値が一旦極大値に達しこれを過ぎて所定値だけ下降したところでフォーカスレンズを逆方向に移動させて極大値に設定するように制御が行われる。
【0030】
レンズ駆動モータ18の駆動力は、図示しないレンズ駆動機構を介して撮影レンズ1内のフォーカスレンズに伝達されて該フォーカスレンズの駆動が行われる。また、レンズ駆動機構内には、レンズ位置エンコーダ(図示せず)が配置され、該レンズ位置エンコーダによって常時撮影レンズ1内のフォーカスレンズ位置が検出され、制御部13に供給されるようになっている。
【0031】
また、電子カメラの前面には、パッシブ測距部14及びAF補助光装置16が配置され、それぞれ制御部13に接続されている。
【0032】
パッシブ測距部14は、図6に示すように2個の光路を有する受光レンズ14a,14bと、2個の光路に対応する受光領域14c、14dを有するAFセンサ14eとから構成された測距モジュールである。なお、受光レンズ14a,14bとAFセンサ14eによるパッシブ測距光学系は、図6に示すように撮影レンズ1と撮像素子2による撮像光学系とは異なった光路で被写体(図示せず)からの反射光を受光している。
【0033】
パッシブ測距部14は、制御部13からの測距コマンドによりAFセンサ積分動作、AFセンサデータ読み出し、及び測距演算を自動的に行う。この場合の測距方式は、三角測量の原理に基づく公知の位相差検出方式である。
【0034】
パッシブ測距では、撮影レンズ1とは異なる2つの光路を有する受光レンズ14a,14bが所定長Bを隔てて配置され、これら受光レンズ14a,14bの前方からの被写体像を2像に分割してAFセンサ14eの2つの光路に対応した受光領域14c、14dに結像させる。AFセンサ14eの受光領域14c、14dに演算を行う測距エリアを設定し、該測距エリアにおける2像に対応するAFセンサデータを用いて相関演算(位相差検出)を行い、これにより2像の相対的な位置差xを検出し、この位置差xと、受光レンズ14a,14b間の間隔Bと、受光レンズの焦点距離fとを用いて被写体距離L(L=B・f/x)を求める演算を行って前記設定した測距エリアについての測距データを得、この演算を複数の測距エリア設定について行い、得られる複数の測距データ中から最適な測距データ例えば最至近の測距データを選択して被写体距離測定データとする。
【0035】
パッシブ測距部14の測距エリア32と山登りコントラストAF測距エリア31との関係が図3及び図4に示されている。
図3では、撮影画面30において、パッシブ測距部測距エリア32を、山登りコントラストAF測距エリア31より大きい視野に設定している。これは、並行して行われるパッシブ測距部14の測距動作時間と、山登りコントラストAFのAF時間とをほぼ等しく設定することにより効率よくAF動作を行うようにするためである。
【0036】
図4では、パッシブ測距部測距エリア31と山登りコントラストAF測距エリア32とを異なる位置に配置して、広視野化するとともにタイムラグが大きくならないようにしている。山登りコントラストAF測距エリア31に対して、その周辺に分散する形で4つのパッシブ測距部測距エリア32a〜32dを配置している。
【0037】
AF補助光装置16は、例えばLEDに駆動電流を流すことで発光する光源で構成され、その照射パターンは、撮影画面30内においてパッシブ測距部測距エリア32、山登りコントラストAF測距エリア31を含むような範囲に照射され、パッシブ測距及び山登りコントラストAFの両方において使用される。
【0038】
制御部13は、パッシブ測距部14と通信を行い、測距エリア毎に測距結果である被写体距離データ、測距可能であるか否かを示す検出不能フラグ、測距結果の信頼度を示す信頼度データ等を授受する。
【0039】
また、電子カメラには、撮像データを記憶するためのメモリカード15が例えば着脱自在に装着されており、撮影動作時、制御部13は、撮像素子2からの撮像出力が信号処理部12により処理された後、この撮像データをメモリカード15に記録するように制御する。また制御部13は、撮影時あるいは再生操作実行時に、その撮像データに基づく画像又は記憶された画像データに基づく画像を、その本体に設けられた液晶表示素子(LCD)などで構成される表示部22に表示するように制御する。
【0040】
また、この電子カメラは、2段式のレリーズスイッチが採用されており、図2に示すようにファーストレリーズスイッチ19(以下、1RSW)、セカンドレリーズスイッチ20(以下、2RSW)が設けられている。これらの1RSW19,2RSW20は、レリーズボタンに連動したスイッチであって、レリーズボタンの第1段階の押し下げにより1RSW19がオンし、引き続いて第2段階の押し下げで2RSW20がオンするようなっている。各レリーズスイッチ19,20からのスイッチ操作信号は、制御部13に供給される。
【0041】
制御部13は、供給されたスイッチ操作信号から1RSW19のオンを認識すると、AF,測光動作を行うように制御し、さらに2RSW20のオンを認識すると、撮影動作を行うように制御する。
【0042】
(作用)
次に、図7乃至及び図9を参照して第1の実施の形態の作用を説明する。
図7は制御部13の動作を示すフローチャートである。各ステップS101〜S120を説明する。
【0043】
まず、図示しない電源スイッチのオン或いは電池挿入により、制御部13が起動し、カメラ動作を開始する。
【0044】
S101では、カメラ内部の初期化動作を行い、撮影可能な状態とする。
S102では、レリーズスイッチの押下に伴う1RSW19のオンを待つ。
【0045】
S103で、1RSW19がオンすると、パッシブ測距部14に測距コマンドを送信して測距動作を開始させる。パッシブ測距部14は、自動的にAFセンサ積分から測距演算までの動作を行う。
【0046】
同時に、S104では、山登りコントラストAF動作を実行する。
S105では、山登りコントラストAFの結果、合焦できたか判別し、合焦できた場合はS109に移行する。一方合焦できない場合はS106に進む。
【0047】
次に、S106では、パッシブ測距部14と通信を行う。
そして、S107で、パッシブ測距部14による測距が可能であったか否を判定する。可能な場合はS108に進む。一方、測距結果の検出が不能の場合はS113に移行する。
【0048】
S108では、パッシブ測距結果により、フォーカスレンズのレンズ駆動を行う。
S109では、レリーズスイッチの第2段階の押下に伴う2RSW20のオンを検出する。2RSW20のオンを検出した場合はS111に移行し、2RSW20がオフの場合はS110に移行する。
【0049】
S110では、1RSWのオンを検出する。オンの場合はS109に戻って2RSW20のオンを待つ。1RSWのオフの場合はS102に戻る。
【0050】
S111では、撮像処理を行う。
S112では、S111の撮像処理後、メモリカード15に対して撮影した画像データを記録する。以降、S102に戻り同様の動作を繰り返す。また表示部22により撮像した画像を表示する。
【0051】
一方、S113は、S107でのパッシブ測距部14による測距が不能の場合であり、山登りコントラストAF及びパッシブ測距の両方の方式において測距結果の検出が不能なので、AF補助光16によるAFを行う。 AF補助光装置16の補助光照射を開始する。
【0052】
S113以後のステップでは、AF補助光装置16からの補助光を照射しながらパッシブ測距部14による測距と山登りコントラストAFを並行して行う。
【0053】
S114では、パッシブ測距部14に測距コマンドを送信して測距動作を開始させる。パッシブ測距部14は、自動的にAF補助光照射中のAFセンサ積分、AFセンサデータ読み出し、及び測距演算を行う。
【0054】
S115では、山登りコントラストAFを行う。
S116では、AF補助光装置16をオフする。
【0055】
S117では、山登りコントラストAFの結果、合焦できたか否か判別する。合焦の場合はS109に、非合焦の場合はS118にそれぞれ移行する。
【0056】
S118では、パッシブ測距部14と通信を行い、測距データや測距可能か否かの情報を得る。
【0057】
S119は、パッシブ測距部14において、AF補助光装置16の補助光照射のもとで測距可能であったならばS108に進み以後同様の処理を行う。一方測距不能の場合はS120に進む。
【0058】
S120では、S119で測距不能の場合は、AF補助光装置16の補助光照射による被写体からの反射光量の大きさによって測距を行う公知の光量測距演算を行い、S108に進み以後同様の処理を行う。
【0059】
図8は、図7に示すステップS113〜S120におけるAFシーケンスを示すタイムチャートである。パッシブ測距部14の測距動作と山登りコントラストAF動作が並行して行われており、山登りコントラストAF動作が可能であればそのまま山登りコントラストAFによるフォーカスレンズ駆動のピント調節が行われ、山登りコントラストAF動作が不可能であれば同時に行われていたパッシブ測距の結果を採用してフォーカスレンズ駆動のピント調節が行われることになる。
【0060】
図9は山登りコントラストAFの動作を示すフローチャートである。即ち、図7のS104或いはS115の動作を示している。
【0061】
S201 では、タイマーをスタートさせる。
S202では、撮像素子2から信号処理部12への画像取り込みを行う。
【0062】
S203では、AF評価値算出部21によるAF評価値の算出が行われる。
S204では、AF評価値の高いレンズ駆動方向に所定量のレンズ駆動を行う。
【0063】
S205では、レンズ駆動端か否か判定する。レンズ駆動端の場合はS208に進む。
S206では、AF評価値が極大値か否か判定する。極大の場合はS209に進む。
【0064】
S207では、タイマーのカウントがリミット値に達したか否か判別する。リミットに達していない場合は、S202に戻り山登り動作を繰り返す。
【0065】
S208では、山登りコントラストAFによる検出ができなかったことを示す検出不能フラグをセットしてリターンする。
【0066】
S209では、AF評価値の極大値を一度通り越してから戻して極大値に正確に位置させるレンズ駆動処理(極大処理)を行い、合焦としてリターンする。
【0067】
(効果)
以上にように、第1の実施の形態によれば、外光測距と山登りコントラストAFを並行して実行する、つまり、両方式の動作期間の少なくとも一部が重なっているので、両者を順番に続けて実行する場合に比較してタイムラグを削減することができる。また、タイムラグが好ましくないシーンを撮影する場合、貴重なシャッターチャンスを逃すこともなく、確実に撮影することが可能となる。
【0068】
また、外光測距と山登りコントラストAFを同時に並行して実行し、検出可能な方の結果を採用するので、より高速な測距動作が可能となる。
【0069】
さらに、1回のAF補助光による投光で外光測距と山登りコントラストAFの両方に対応できるので消費電力を低減することができる。
【0070】
〔第2の実施の形態〕
図10は本発明に係る測距装置の第2の実施の形態を示し、該測距装置を電子カメラに搭載した場合の制御部の他の動作例を示すフロチャートである。なお、図7に示すフローチャートは、前記第1の実施の形態の図7に示すフロチャートと同様な処理については、同一符号を付してある。
【0071】
(構成)
本実施の形態の測距装置が搭載された電子カメラの構成としては、図2に示す第1の実施の形態と同様であるが、制御部13による制御内容が第1の実施の形態と異なっている。
【0072】
(作用)
次に、本実施の形態の特徴となる制御部13による動作例を図7を参照しながら説明する。
【0073】
まず、図示しない電源スイッチのオン或いは電池挿入により、制御部13が起動し、カメラ動作を開始する。
【0074】
S301〜S320は、第1の実施の形態、図2のS101〜S120と同様である。
【0075】
S321では、山登りコントラストAFが検出可能であった場合は、さらにパッシブ測距部14と通信を行い、測距データや測距可否、測距の信頼度データを受信する。
【0076】
S322では、パッシブ測距が可能か否か通信結果により判別する。測距可能な場合はS323に進む。一方、測距不能の場合はS309に進む。
【0077】
S323では、パッシブ測距結果と既に算出済みの山登りコントラストAFとの両者の信頼度データに基づいて信頼度を比較する。信頼度データとしては、パッシブ測距ではコントラストの大きさや2像の相関度等であり、山登りコントラストAFではAF評価値等の公知のパラメータを使用する。そして上記両者の信頼度データを所定の条件に基づいて比較する。
【0078】
この時の比較動作は、AF補助光の有無により異なった判定基準を用いて行う。
S324では、上記比較の結果、パッシブ測距の方が信頼度が高くパッシブ測距データを選択した場合はS308に移行し、パッシブ測距による測距データに基づいてレンズ駆動を行う。一方、パッシブ測距データを選択しなかった場合即ち山登りコントラストAFの方が信頼度が高く山登りコントラストAFを選択した場合は、既に合焦状態となっているので、S309に進み撮影動作に移行する。
【0079】
(効果)
このように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に対して、パッシブ測距と山登りコントラストAFの両者の信頼度を比較して信頼度の高い方を採用する手段を設けたので、より高精度なAFを行うことができる。従って、第2の実施の形態によれば、外光測距と山登りコントラストAFを同時に並行して実行し、検出可能な方の結果を採用、あるいは信頼度の高い方の結果を採用することが可能であるので、高速かつ高精度な測距動作が可能となる。
【0080】
尚、上述したAF補助光装置16としては、ストロボ装置を使用しても同様な効果が得られる。
【0081】
また、外光測距部としては、パッシブ測距方式に代えてアクティブ三角測距方式(被写体に光を照射して被写体で反射して戻ってきた光を受光し、発光部と受光部のなす角から被写体までの距離を検出する方式)を採用しても同様な効果が得られる。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、山登りコントラストAFによる第1AF手段と外光測距方式による第2AF手段を同時に並行して実行し、検出可能な方の結果を採用、あるいは信頼度の高い方の結果を採用するので、高速かつ高精度な測距装置を実現することができる。
【0083】
また、AF補助光を使用する場合においても、1回の投光で、山登りコントラストAFによる第1AF手段と外光測距方式による第2AF手段を同時に並行して実行するので、消費電力を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る測距装置の構成を示す概念図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における、電子カメラの測距装置を示すブロック図。
【図3】撮影画面における、パッシブ測距部の測距エリアと山登りコントラストAFの測距エリアとの関係を示す図。
【図4】撮影画面における、パッシブ測距部の測距エリアと山登りコントラストAFの測距エリアとの関係を示す図。
【図5】山登りコントラストAFにおける、フォーカスレンズ位置とAF評価値の関係(フォーカスレンズ駆動例)を説明するグラフ。
【図6】パッシブ測距光学系及び撮像光学系の構成を説明する斜視図。
【図7】図2における、制御部の動作を示すフローチャート。
【図8】図7に示すステップS113〜S120における、AFシーケンスを示すタイムチャート。
【図9】山登りコントラストAFの動作を示すフローチャート。
【図10】本発明に係る測距装置の第2の実施の形態を示し、該測距装置を電子カメラ搭載した場合の制御部の他の動作例を示すフロチャート。
【符号の説明】
1…撮影レンズ
2…撮像素子
3…第1AF手段
4…第2AF手段
5…制御手段
11…撮像素子駆動部
12…信号処理部
13…制御部
14…パッシブ測距部
15…メモリカード
16…AF補助光装置
17…レンズ駆動部
18…レンズ駆動モータ
19…1RSW
20…2RSW
21…AF評価値算出部
22…表示部
Claims (1)
- 撮影レンズを介して被写体像が結像される撮像素子の画像信号のコントラストを示すAF評価値が極大となるようにフォーカスレンズを移動させる第1のAFを行う第1AF手段と、
パッシブ方式測距により被写体距離に関する情報を検出し、これに基づいてフォーカスレンズを移動させる第2のAFを行う第2AF手段と、
上記第1AF手段と上記第2AF手段のそれぞれが検出可能か否かを判定する判定手段と、
上記第1AF手段と上記第2AF手段の両方の検出領域に対応する被写体領域に補助光を照射するAF補助光と、
上記判定手段が、上記第1AF手段と第2AF手段との両方が検出不能と判定する場合に、上記第1AF手段と第2AF手段とをAF動作させ、上記第1AF手段の動作を行う期間と第2AF手段の被写体距離に関する情報を検出する動作を行う期間とが少なくとも一部重なるように制御するとともに、上記重なる期間を含む期間に上記AF補助光を照射する制御手段と、
を具備したことを特徴とする測距装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000152023A JP4540800B2 (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 測距装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000152023A JP4540800B2 (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 測距装置 |
Publications (3)
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