JP4539008B2 - 複数クラッチ式変速機及び変速制御装置 - Google Patents

複数クラッチ式変速機及び変速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチと変速機構とを直列に組み合わせた回転動力伝達系を、入力軸と出力軸との間に複数並列に設けるとともに、該回転動力伝達系間での回転動力伝達の切り換えにより変速が可能な複数クラッチ式変速機及びこの複数クラッチ式変速機における変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
クラッチと変速機構とを直列に組み合わせた回転動力伝達系を入力軸と出力軸との間に複数、例えば2つ並列に設けたツインクラッチ式変速機が知られている(特許第3216424号公報)。この変速機は、一方の回転動力伝達系に属するクラッチを係合し、他方の回転動力伝達系に属するクラッチは解放状態にすることで前記一方の回転動力伝達系のギヤの噛み合い状態に対応した変速比を実現している。そして変速する場合にはクラッチツウクラッチを実行する。すなわち、今まで回転動力を伝達していた回転動力伝達系に属するクラッチを解放するとともに要求される変速比状態にある回転動力伝達系に属するクラッチを係合することで変速比を切り換え、このことにより円滑な変速を達成している。
【0003】
このような円滑な変速を実行するためには、前記クラッチツウクラッチを実行する各クラッチにおいて、係合しようとするクラッチと解放しようとするクラッチとをそれぞれ適切なタイミングで駆動する必要がある。このため各クラッチ毎にアクチュエータが設けられており、クラッチの断接駆動はそれぞれ独立したアクチュエータにて実行されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようにアクチュエータは各クラッチ毎に存在するため、自ずとアクチュエータの数が多く、アクチュエータあるいはアクチュエータに関連した機構や付属するセンサの故障の確率が高まる。もし、いずれかの回転動力伝達系のクラッチに対するアクチュエータや関連する機構・センサが故障した場合には、該当するアクチュエータによるクラッチの断接が不可能となる。例えば、ツインクラッチ式変速機の場合に、上記故障により、後進段、第1速段、第3速段を含む回転動力伝達系のクラッチの断接が不可能となると、後進段、第1速段、第3速段では走行できなくなる。このため道路状況によっては退避走行等の走行ができなくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、各回転動力伝達系のクラッチを独立したアクチュエータにより断接駆動する複数クラッチ式変速機において、一部のアクチュエータが前述した故障などにより停止したとしても、アクチュエータが停止している側の回転動力伝達系における変速段を実現することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の複数クラッチ式変速機は、クラッチと変速機構とを直列に組み合わせた回転動力伝達系を、入力軸と出力軸との間に複数並列に設けるとともに、該回転動力伝達系間での回転動力伝達の切り換えにより変速が可能な複数クラッチ式変速機であって、前記クラッチ毎に設けられ、変速時に前記各クラッチの断接駆動を個々に実行する複数のクラッチ駆動手段と、前記複数のクラッチの内の1つのクラッチaを駆動する前記クラッチ駆動手段Aと前記複数のクラッチの内の他のクラッチbとを連結することで、前記クラッチ駆動手段Aにて前記クラッチaと前記クラッチbとを連動して断接駆動できるように切り換え可能な連結手段とを備え、前記連結手段による前記クラッチ駆動手段Aと前記クラッチbとの連結は、前記クラッチaと前記クラッチbとが同一状態で連動して断接駆動するように行われることを特徴とする。
【0007】
このように連結手段は、クラッチ駆動手段Aとクラッチbとを連結することで、クラッチ駆動手段Aにてクラッチaとクラッチbとを連動して断接駆動できるように切り換えることができる。このため何らかの原因で複数のクラッチ駆動手段の内で駆動を停止しなくてはならないクラッチ駆動手段が出てきたとしても、他のクラッチ駆動手段にて駆動を停止した方のクラッチを断接駆動できることになる。
【0008】
したがって、例えば、クラッチ駆動手段Aにてクラッチa,b同士を共に解放した状態で、クラッチbに対応する変速機構を所望の変速比に切り換え、クラッチaに対応する変速機構をニュートラルとした後で、クラッチ駆動手段Aにて両クラッチa,bを共に係合する。このことによりクラッチ駆動手段が駆動停止した方の回転動力伝達系における変速段を実現できる。このようにして一部のクラッチ駆動手段が駆動を停止したとしても退避走行等の走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0009】
ここで連結手段による連結とは、直接、クラッチ駆動手段Aとクラッチbとが接続して連結するのみでなく、他の機構を介して間接的に接続することで連結する場合も含む。
【0010】
請求項2に記載の複数クラッチ式変速機は、請求項1の複数クラッチ式変速機の構成に対して、前記クラッチ駆動が異常か否かを検出するクラッチ駆動異常検出手段と、前記クラッチ駆動異常検出手段にていずれかの回転動力伝達系でクラッチ駆動が異常であると検出されると、クラッチ駆動が正常なクラッチ駆動手段を前記クラッチ駆動手段Aとし、前記クラッチ駆動が異常と検出されたクラッチを前記クラッチbとして、前記クラッチ駆動手段Aにて前記クラッチaと前記クラッチbとを連動して断接駆動できるように前記連結手段を切り換させる切換手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
このように切換手段は、いずれかの回転動力伝達系でクラッチ駆動が異常であると検出されると、連結手段による連結により、クラッチ駆動が正常なクラッチ駆動手段Aによるクラッチ駆動に、前記クラッチ駆動が異常と検出されたクラッチbを連動させている。このため、クラッチ駆動が異常と検出されたクラッチbを、クラッチ駆動が正常な方のクラッチ駆動手段Aにより、正常な方のクラッチaと共に駆動することが可能となる。このことにより、異常な方のクラッチbを正常な方のクラッチ駆動手段Aにて所望通りに断接駆動することが可能となる。したがって、例えば、正常な方のクラッチaと共に異常な方のクラッチbを解放することで、異常な方のクラッチbに対応する変速機構を所望の変速比に切り換える。そして正常な方のクラッチaに対応する変速機構をニュートラルとして両クラッチa,bを係合すれば、クラッチ駆動が異常な回転動力伝達系における変速段を実現できる。このことにより退避走行等の走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0012】
請求項3に記載の複数クラッチ式変速機では、請求項2において、前記各クラッチ駆動手段はクラッチ駆動状態を検出するクラッチ駆動検出センサを備えて該クラッチ駆動検出センサの出力に基づいて前記各クラッチの断接駆動を個々に実行するとともに、前記クラッチ駆動異常検出手段は前記クラッチ駆動検出センサの異常を前記クラッチ駆動の異常に含めることを特徴とする。
【0013】
このようにクラッチ駆動状態を検出するクラッチ駆動検出センサの異常の場合も、切換手段はクラッチ駆動検出センサが正常な方のクラッチaの駆動とクラッチ駆動検出センサが異常な方のクラッチbの駆動とを連動させることができる。このことにより、正常な方のクラッチ駆動検出センサの出力により、異常な方のクラッチb側の駆動状態を正確に検出することができるようになり、クラッチ駆動検出センサが異常であっても該当するクラッチbを正確に駆動することができるようになる。このようにしてクラッチ駆動検出センサが故障しても、これに対応するクラッチbが駆動でき該当する回転動力伝達系における変速段も実現できる。このため退避走行等の走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0014】
請求項4に記載の複数クラッチ式変速機では、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記連結手段は、前記クラッチaを駆動するクラッチ駆動手段Aと前記クラッチbを駆動するクラッチ駆動手段Bとを連結することにより、前記クラッチ駆動手段Aにて前記クラッチaと前記クラッチbとを連動して断接駆動できるように切り換え可能としていることを特徴とする。
【0015】
クラッチaとクラッチbとの連動は、このようにクラッチ駆動手段A,B同士を連動させることによって実現することができる。したがって両クラッチ駆動手段A,Bが一体となって駆動するので、自ら駆動していないクラッチ駆動手段B側のクラッチbも、クラッチ駆動手段Aにて駆動することが可能となる。したがってクラッチ駆動手段B側の回転動力伝達系における変速段が実現できる。このようにして退避走行等の走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0016】
請求項5に記載の複数クラッチ式変速機では、請求項4において、前記連結手段は、前記クラッチ駆動手段間に、いずれかのクラッチ駆動手段を通常よりも過剰に駆動した場合に前記クラッチ駆動手段同士を連結させる状態に変化する連結切換部材を備えることを特徴とする。
【0017】
このような連結切換部材を設けることにより、駆動が停止していないクラッチ駆動手段Aを過剰に駆動させるのみで、駆動が停止しているクラッチ駆動手段B側のクラッチbに連結させることができる。したがって連結切り換えのための特別なアクチュエータを必要としない。
【0018】
請求項6に記載の複数クラッチ式変速機では、請求項1〜5のいずれかにおいて、入力軸と出力軸との間に2つの回転動力伝達系を並列に設けたことを特徴とする。
【0019】
回転動力伝達系の数としては、2つからなる複数クラッチ式変速機を挙げることができる。この構成において一方の回転動力伝達系のクラッチ駆動手段Bを停止しなくてはならない場合においても、他方の回転動力伝達系におけるクラッチ駆動手段Aによるクラッチ駆動に連動させることができる。このことによりクラッチ駆動手段Bが停止した方の回転動力伝達系における変速段が実現できる。このため退避走行等の走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0020】
請求項7に記載の複数クラッチ式変速機では、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記連結手段による連結を実行するに当たり、前記変速機構をニュートラル状態とするニュートラル化処理を実行し、その後に前記連結を実行することを特徴とする。
このようなニュートラル化処理を行うことにより、退避走行可能となるまで車両がエンジンの駆動力により走行を再開するのを禁止することができる。
請求項に記載の複数クラッチ式変速機の変速制御装置は、請求項1〜のいずれかの複数クラッチ式変速機に対する変速制御装置であって、前記連結手段にてクラッチが連動していない回転動力伝達系間での変速が生じた場合には、クラッチを解放している回転動力伝達系の内で要求変速比を実現できる回転動力伝達系に属する変速機構を要求変速比とした後に、前記クラッチ駆動手段にて、今までクラッチを係合して回転動力を伝達していた回転動力伝達系に属するクラッチを解放しかつ前記要求変速比とされている回転動力伝達系に属するクラッチを係合することで変速を実行する変速制御手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
クラッチ駆動手段が停止してない回転動力伝達系間での変速では、上述したごとく各クラッチ駆動手段によりクラッチの断接駆動を実行して回転動力を伝達させる回転動力伝達系を切り換えることにより円滑に変速することが可能となる。
【0022】
請求項に記載の複数クラッチ式変速機の変速制御装置では、請求項において、前記変速制御手段は、前記連結手段にてクラッチが連動している回転動力伝達系間での変速が生じた場合には、前記クラッチ駆動手段Aにて連動しているクラッチを全て解放した状態で要求変速比を実現できる回転動力伝達系に属する変速機構を要求変速比へ切り換えかつ要求変速比を実現できない回転動力伝達系に属する変速機構をニュートラル状態へ切り換えた後、前記クラッチ駆動手段Aにより連動しているクラッチを全て係合することを特徴とする。
【0023】
クラッチの連動がなされた回転動力伝達系間での変速では、連動するクラッチを共に解放して、要求変速比を実現できる回転動力伝達系を該当する変速比とし、要求変速比を実現できない回転動力伝達系をニュートラルとした後、連動するクラッチを共に係合することで変速が完了する。こうして要求される変速比を実現できる。このことで退避走行等の走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1のブロック図に、上述した発明が適用された自動車用のツインクラッチ式6段変速機(複数クラッチ式変速機に相当、以下「変速機」と称する)2及びその制御システムを示す。尚、変速機2内部は模式的に示している。
【0025】
エンジンの出力は変速機2の入力軸4に入力される。この入力軸4には、トーショナルダンパTDを介して第1クラッチC1及び第2クラッチC2の各入力側が接続されている。第1クラッチC1の出力側には第1クラッチ出力軸A1が、第2クラッチC2の出力側には第2クラッチ出力軸A2が接続されている。尚、第2クラッチ出力軸A2は第1クラッチ出力軸A1の外側に同軸に配置されている。更に、第1変速機出力軸A3が、これらのクラッチ出力軸A1,A2に平行に配置され、第2変速機出力軸A4が、クラッチ出力軸A1,A2の延長上に同軸に配置されている。
【0026】
これら第1クラッチC1及び第2クラッチC2は、それぞれレリーズシリンダRC1,RC2に設けられたレリーズピストンRP1,RP2を介して油圧により駆動される。尚、レリーズピストンRP1,RP2とクラッチC1,C2との間は、レリーズアーム、レリーズベアリング、ダイヤフラムスプリング等からなるクラッチ接続機構L1,L2が存在する。このことにより、レリーズシリンダRC1,RC2の油圧が高まることによりレリーズピストンRP1,RP2の押圧力が高まるとクラッチC1,C2が解放される。逆に、レリーズシリンダRC1,RC2の油圧が低くなることによりレリーズピストンRP1,RP2の押圧力が低まるとクラッチC1,C2が係合されるようにされている。
【0027】
レリーズシリンダRC1,RC2はそれぞれ独立したマスタシリンダMC1,MC2から油圧が供給される。マスタシリンダMC1,MC2はそれぞれ独立したマスタシリンダ駆動機構MD1,MD2により駆動される。ただし、マスタシリンダ駆動機構MD1,MD2同士は、いずれかのクラッチC1,C2の駆動が異常となった場合には、インターロック機構ILにより連結されて連動するように構成されている。
【0028】
マスタシリンダ駆動機構MD1,MD2及びインターロック機構ILの構成の詳細を図2に示す。この内、マスタシリンダ駆動機構MD1,MD2同士は、同一の構成であり、クラッチモータCMR1,CMR2、ウォームWM1,WM2及びウォームホイールWH1,WH2を備えている。クラッチモータCMR1,CMR2は、ECU6からの駆動信号MCL1,MCL2に基づいて回転位相が正確に調整できるサーボモータあるいはステッピングモータどの電動モータが用いられている。ウォームWM1,WM2はクラッチモータCMR1,CMR2により回転されると共に、ウォームホイールWH1,WH2とともにウォームギヤを形成している。このウォームギヤの構成では、ウォームWM1,WM2側の回転によりウォームホイールWH1,WH2を回転させることができるが、ウォームホイールWH1,WH2側からはウォームWM1,WM2を回転させられない伝達効率とされており、このことによりセルフロック機構の機能を果たしている。
【0029】
ウォームホイールWH1,WH2は外周縁部近くにマスタシリンダプッシュロッドLDM1,LDM2を揺動可能に取り付けている。このマスタシリンダプッシュロッドLDM1,LDM2の先端は、マスタシリンダMC1,MC2のピストンに接続されている。したがって、第1ウォームホイールWH1の場合は、図2において時計回り,第2ウォームホイールWH2の場合は反時計回りに回転することによりマスタシリンダMC1,MC2のピストンが押されると、マスタシリンダMC1,MC2内の油圧が高まる。このことに伴いレリーズシリンダRC1,RC2の油圧が高くなり、レリーズピストンRP1,RP2がクラッチ接続機構L1,L2を押圧するのでクラッチC1,C2は解放される。
【0030】
そしてウォームホイールWH1,WH2が上述とは逆に回転されることによりマスタシリンダMC1,MC2のピストンが戻されると、マスタシリンダMC1,MC2内の油圧が低くなる。このことに伴いレリーズシリンダRC1,RC2の油圧が低くなり、レリーズピストンRP1,RP2がクラッチ接続機構L1,L2を押圧しなくなるのでクラッチC1,C2は係合される。
【0031】
このようなウォームホイールWH1,WH2の回転をクラッチモータCMR1,CMR2及びウォームWM1,WM2を介してECU6が実行することにより、クラッチC1,C2をそれぞれ独立したタイミングで断接駆動することができる。
【0032】
インターロック機構ILは、インターロックスイッチILS1,ILS2、インターロッククラッチ加圧スプリングISP、インターロッククラッチILC、減速用ドライブギヤIG1,IG2及び減速用ドリブンギヤOG1,OG2を備えている。
【0033】
インターロックスイッチILS1,ILS2は、車体側に取り付けられているが、その一端に、ウォームホイールWH1,WH2の外周縁部近くに揺動可能に設けられている入力プッシュロッドILD1,ILD2の先端が挿入されている。この入力プッシュロッドILD1,ILD2の先端の移動が通常時よりも過剰な移動を示した場合に、インターロックスイッチILS1,ILS2が「ON」となる。このことによりインターロックスイッチILS1,ILS2の他端に設けられている出力プッシュロッドOLD1,OLD2がインターロッククラッチ加圧スプリングISP側へ伸び出した状態を維持することになる。
【0034】
そして再度、入力プッシュロッドILD1,ILD2の先端の移動が通常時よりも過剰な移動を示した場合には、インターロックスイッチILS1,ILS2が「OFF」に戻る。このことにより、インターロックスイッチILS1,ILS2の他端に設けられている出力プッシュロッドOLD1,OLD2がインターロッククラッチ加圧スプリングISP側へ伸び出した状態から元の状態に戻ることになる。
【0035】
このインターロックスイッチILS1,ILS2は同一構成であり、詳細な構成を図3(A)に示す。インターロックスイッチILS1,ILS2の機構は、円筒状のケーシング50内に収納されている。尚、このケーシング50は車体側に固定されている。
【0036】
ケーシング50の各端部には開口部52,54が形成されている。入力側開口部52には入力プッシュロッドILD1,ILD2の先端が挿入されている。反対側の出力側開口部54からは出力プッシュロッドOLD1,OLD2の基端部が挿入されている。そしてケーシング50内部には、入力側開口部52側には入力側ピストン56が出力側開口部54側には出力側ピストン58が摺動可能に配置されている。ケーシング50の内周面にはガイド部60が内周面の周方向に等間隔で配置されている。尚、図3及び後述する図4〜7においては、ケーシング50内の構成は平面に展開した状態で示している。
【0037】
入力側ピストン56は、外周面にて径方向に突出する突起部56aを有し、ガイド部60の軸方向側面60aによりガイドされるため、軸方向には移動可能であるが軸周りに回転することはできない。入力側ピストン56において、出力側ピストン58に対向している端面の外周側には、傾斜方向が相互に逆の2種の斜面56b,56cが周方向に交互に配列して形成されている。
【0038】
各ガイド部60においては、出力側ピストン58に対向している先端には、2つの斜面60b,60dと軸方向に平行な1つの軸方向面60cとが、斜面60b,60dの間に軸方向面60cを挟むようにして周方向に配列して形成されている。
【0039】
出力側ピストン58においては、外周側には入力側ピストン56に向かって軸方向に突出する係合アーム58aを備えている。この係合アーム58aの幅は、2つのガイド部60間に挿入可能な大きさに形成されている。そして係合アーム58aの先端には、ガイド部60の斜面60b,60dと同じ角度に斜面58bが形成されている。尚、この係合アーム58aは、出力側ピストン58の軸周りの回転によっては、2つのガイド部60間に挿入されずに、斜面58bがガイド部60の斜面60b,60dや入力側ピストン56の斜面56bに係合できる位置に形成されている。
【0040】
入力側ピストン56は、スプリング62にて出力側ピストン58側に弱く付勢されている。又、出力側ピストン58には、出力プッシュロッドOLD1,OLD2の基端部が配置されているが、この基端部は比較的強いスプリング64により付勢されることで出力側ピストン58に当接している。
【0041】
図2に示したごとくクラッチモータCMR1,CMR2により通常の変速制御における範囲θnにてウォームホイールWH1,WH2の回転位相の調整がなされている場合には、入力プッシュロッドILD1,ILD2の先端の移動は、図3(A),(B)に示す範囲に限られる。このため入力プッシュロッドILD1,ILD2の先端の移動によって、入力側ピストン56が出力側ピストン58側に移動することはない。
【0042】
しかし、後述するごとくクラッチモータCMR1,CMR2により通常範囲θnを越えてウォームホイールWH1,WH2の回転がなされた場合には、入力プッシュロッドILD1,ILD2の先端は、図4(A)に示すごとく入力側ピストン56を押圧して、出力側ピストン58側へ移動させる。このことにより入力側ピストン56の斜面56bに、係合アーム58aの斜面58bが押されて、出力側ピストン58はスプリング64の付勢力に抗して出力プッシュロッドOLD1,OLD2を出力側開口部54から外側方向へ移動させる。この時、入力側ピストン56の外周に存在する突起部56a及び出力側ピストン58の係合アーム58aは、ガイド部60の軸方向側面60aによりガイドされて、軸周りには回転せずに軸方向へ移動する。
【0043】
そして、図4(B)のごとく入力プッシュロッドILD1,ILD2の先端が最大限移動した状態では、出力側ピストン58の係合アーム58aはガイド部60から外れるため、出力側ピストン58は軸周りに回転が可能となる。この時、係合アーム58aの先端は入力側ピストン56の斜面56bの途中に存在するので、出力側ピストン58は入力側ピストン56の斜面56bから受ける反力により直ちに軸周りに回転することで、係合アーム58aの先端を入力側ピストン56の2つの斜面56b,56cの境界部分まで移動する。このことにより出力側ピストン58はわずかに図示左側に戻る。
【0044】
そして図5(A)に示すごとく入力プッシュロッドILD1,ILD2が戻ると、入力側ピストン56の後退により出力側ピストン58も図示左側に移動しようとするが、出力側ピストン58は上述したごとくわずかに軸周りに回転したため、係合アーム58aの先端はガイド部60の斜面60bに当接する。このため、更に入力側ピストン56が後退すると、出力側ピストン58の係合アーム58aの先端は、入力側ピストン56から離れ、ガイド部60の斜面60bに誘導されてわずかに回転しつつ、ガイド部60の斜面60bと軸方向面60cとの境界部分まで戻り、移動を停止する。
【0045】
このようにして達成された図5(A)の状態は、図3(A),(B)に示した状態と比較して、出力プッシュロッドOLD1,OLD2がケーシング50から伸び出した状態となる。そして、以後、クラッチモータCMR1,CMR2により通常の変速制御における範囲θnにてウォームホイールWH1,WH2の回転位相の調整がなされている限り、入力プッシュロッドILD1,ILD2の移動は、図5(A),(B)に示す範囲に限られる。このため出力プッシュロッドOLD1,OLD2がケーシング50から伸び出した状態が継続する。
【0046】
尚、ここで図3(A),(B)に示した状態をインターロックスイッチILS1,ILS2が「OFF」にあるとし、図5(A),(B)に示した状態を「ON」にあるとする。
【0047】
インターロックスイッチILS1,ILS2が「ON」である状態から「OFF」に戻すには、再度、クラッチモータCMR1,CMR2により通常範囲θnを越えてウォームホイールWH1,WH2を回転させる。このことにより、入力プッシュロッドILD1,ILD2の先端は、図6(A)に示すごとく入力側ピストン56を押圧して、出力側ピストン58側へ移動させる。このことにより入力側ピストン56の斜面56bに、係合アーム58aの斜面58bが押されて、出力側ピストン58はスプリング64の付勢力に抗して図示右側に移動する。このことで、出力側ピストン58の係合アーム58aはガイド部60から外れて出力側ピストン58は回転が可能となる。この時、係合アーム58aの先端は入力側ピストン56の斜面56bの途中に存在するので、出力側ピストン58は入力側ピストン56の斜面56bから受ける反力により直ちに軸周りに回転する。このことで、図6(B)に示すごとく係合アーム58aの先端を入力側ピストン56の2つの斜面56b,56cの境界部分まで回転しつつ、少し図示の左側に戻る。
【0048】
その後、入力プッシュロッドILD1,ILD2が戻ることにより入力側ピストン56が後退して行くと、図7(A)に示したごとく、係合アーム58aの斜面58bがガイド部60におけるもう一つの斜面60dに当接する。このことにより出力側ピストン58は、係合アーム58aの先端を入力側ピストン56に接触させつつ、ガイド部60の斜面60dに誘導されて回転する。そして図7(B)に示したごとく係合アーム58aは2つのガイド部60間に落ち込む。このことにより以後、出力側ピストン58は回転が停止した状態で入力側ピストン56とともに図示左側に移動し、最終的に図3(A)に示した状態に戻る。このことによりインターロックスイッチILS1,ILS2を「OFF」に戻すことができる。
【0049】
図2の説明に戻り、上述したごとくインターロックスイッチILS1,ILS2の「ON」、「OFF」に伴って突出させたり元に戻したりできる出力プッシュロッドOLD1,OLD2の先端側には、インターロッククラッチ加圧スプリングISPが設けられている。インターロッククラッチ加圧スプリングISPは出力プッシュロッドOLD1,OLD2のいずれが伸び出しても、インターロッククラッチILCを押圧するように配置されている。尚、インターロッククラッチILCについては図2において、右側に概略斜視図を併記している。
【0050】
インターロッククラッチILCは、クラッチカバー70内に、一部分に凸部72を形成したディスクプレート74が配置されている。この凸部72が形成されている面に対向して軸方向に移動可能なカバープレート76が配置されている。カバープレート76は、インターロッククラッチ加圧スプリングISPによりディスクプレート74側に押圧されていない時には、スプリング78によりディスクプレート74から離れている。尚、クラッチカバー70とカバープレート76とは一体に回転する。
【0051】
カバープレート76には内面の一部に凹部80が形成されている。このためインターロッククラッチ加圧スプリングISPによりディスクプレート74側に押圧された時に、凸部72と凹部80との回転位相が一致すれば凸部72が凹部80に嵌り込んで、ディスクプレート74とカバープレート76とを同一位相にて一体として回転させることが可能となる。
【0052】
クラッチカバー70及びカバープレート76は、シャフトCAX1により第1減速用ドリブンギヤOG1に連結されている。このことによりクラッチカバー70及びカバープレート76は、第1減速用ドライブギヤIG1を介して第1クラッチモータCMR1により回転される。ディスクプレート74は、シャフトCAX2により第2減速用ドリブンギヤOG2に連結されている。このことによりディスクプレート74は、第2減速用ドライブギヤIG2を介して第2クラッチモータCMR2により回転される。
【0053】
図8に第1クラッチモータCMR1により、通常範囲θnを越えて過剰角度θxまで、第1ウォームホイールWH1を回転させた状態を示す。尚、このような過剰角度θxまでの回転が第1ウォームホイールWH1に生じて、第1マスタシリンダMC1から第1レリーズシリンダRC1への油圧が更に高くなっても第1クラッチC1の解放状態は維持されるので、第1クラッチC1における断接駆動に問題は生じない。
【0054】
第1ウォームホイールWH1が過剰角度θxまでの回転を生じることにより、第1入力プッシュロッドILD1が第1インターロックスイッチILS1内に通常時よりも深く挿入される。このため前記図4,5に示したごとく第1インターロックスイッチILS1が「ON」となり、第1出力プッシュロッドOLD1が伸び出した状態となる。この第1出力プッシュロッドOLD1によりインターロッククラッチ加圧スプリングISPがカバープレート76側に押圧される。このためカバープレート76はスプリング78の付勢力に抗してディスクプレート74に押圧される。しかしこの時には、第1ウォームホイールWH1とともにカバープレート76も回転しており、図8の右側に併記したごとく、ディスクプレート74の凸部72とカバープレート76の凹部80との位相が一致していないため、凸部72が凹部80に嵌め込まれることはない。
【0055】
その後、第1ウォームホイールWH1を過剰角度θxから通常範囲θnに戻す際にも、カバープレート76も過剰回転位置から正常範囲に戻る途中であるので、ディスクプレート74の凸部72の先端に接触して摺動しつつ元の位置に戻ることになる。
【0056】
そして第1ウォームホイールWH1は、過剰回転位置から通常範囲θnに戻った後も第1クラッチC1の係合状態位置まで第1ウォームホイールWH1を回転させた後、第1クラッチC1の解放状態に戻す。すなわち、通常範囲θn全域を往復動させる。このことにより、インターロッククラッチ加圧スプリングISPにより押圧力を与えられているカバープレート76を、停止しているディスクプレート74に対して相対回転させる。したがってこの相対回転の途中で、図9に示したごとくカバープレート76の凹部80は、ディスクプレート74の凸部72と位相が一致し、凹部80に凸部72が嵌り込む。こうしてディスクプレート74とカバープレート76とは一体化して同一位相を維持しつつ回転を開始することになる。
【0057】
ここで第1ウォームホイールWH1は、第1ウォームWM1、第1減速用ドライブギヤIG1、第1減速用ドリブンギヤOG1及びシャフトCAX1によりカバープレート76と連動している。第2ウォームホイールWH2は第2ウォームWM2、第2減速用ドライブギヤIG2、第2減速用ドリブンギヤOG2及びシャフトCAX2によりディスクプレート74と連動している。したがってディスクプレート74とカバープレート76とが位相を一致させて回転することにより、第1ウォームホイールWH1と第2ウォームホイールWH2とは同一位相で連結して回転することになる。
【0058】
このことにより第1クラッチモータCMR1のみを回転させることで、第1ウォームホイールWH1と第2ウォームホイールWH2とを同一位相で回転することができる。したがって第1クラッチモータCMR1のみで第1クラッチC1と第2クラッチC2とを連動させて断接駆動することが可能となる。
【0059】
そして、第1クラッチC1と第2クラッチC2との連動を停止するには、再度、図8に示したごとく第1ウォームホイールWH1を過剰に回転させて、図6,7に示したごとく第1インターロックスイッチILS1を「OFF」にする。このことにより、第1出力プッシュロッドOLD1はインターロッククラッチ加圧スプリングISPを押圧しなくなる。このため、カバープレート76はディスクプレート74から離れ、凸部72は凹部80から外れる。こうして図2の状態に戻り、第1クラッチモータCMR1は、第1クラッチC1と第2クラッチC2とを連動させて断接駆動することができなくなる。
【0060】
尚、上述した第1クラッチC1と第2クラッチC2との連動は、第2クラッチモータCMR2により第2ウォームホイールWH2を過剰に回転させて第2インターロックスイッチILS2を「ON」又は「OFF」にした場合も同じである。すなわち、第2インターロックスイッチILS2を「ON」することで、第2クラッチモータCMR2のみで第1クラッチC1と第2クラッチC2とを連動させて断接駆動することが可能となる。又、第2インターロックスイッチILS2を「OFF」することで、第1クラッチC1と第2クラッチC2とを非連動の状態に戻すことができる。
【0061】
図1の説明に戻り、第1クラッチ出力軸A1には第1速ドライブギヤI1が固定的に取り付けられ、第3速ドライブギヤI3及び第5速ドライブギヤI5が回転自在に取り付けられ、第1スリーブS1が軸方向に摺動自在に取り付けられている。この第1スリーブS1は、油圧駆動されることにより、第3速ドライブギヤI3と第5速ドライブギヤI5とのいずれかに係合させることによって、第3速ドライブギヤI3と第5速ドライブギヤI5とを選択的に第1クラッチ出力軸A1に連結させることができる。更に、第3速ドライブギヤI3と第5速ドライブギヤI5とのいずれにも係合させないことにより、第3速ドライブギヤI3と第5速ドライブギヤI5とに関してニュートラル状態にしておくことができる。
【0062】
第2クラッチ出力軸A2には後進ドライブギヤIR、第2速ドライブギヤI2が固定的に取り付けられ、第4速ドライブギヤI4及び第6速ドライブギヤI6が回転自在に取り付けられ、第2スリーブS2が軸方向に摺動自在に取り付けられている。この第2スリーブS2は、油圧駆動されることにより、第4速ドライブギヤI4と第6速ドライブギヤI6とのいずれかに係合させることによって、第4速ドライブギヤI4と第6速ドライブギヤI6とを選択的に第2クラッチ出力軸A2に連結させることができる。更に、第4速ドライブギヤI4と第6速ドライブギヤI6とのいずれにも係合させないことにより、第4速ドライブギヤI4と第6速ドライブギヤI6とに関してニュートラル状態にしておくことができる。
【0063】
第1変速機出力軸A3には、第3速ドリブンギヤO3、第4速ドリブンギヤO4、第5速ドリブンギヤO5、第6速ドリブンギヤO6が固定的に取り付けられ、後進ドリブンギヤOR、第1速ドリブンギヤO1、第2速ドリブンギヤO2が回転自在に取り付けられている。又、第3スリーブS3、第4スリーブS4が軸方向に摺動自在に取り付けられている。この内、第3スリーブS3は、油圧駆動されることにより、第1速ドリブンギヤO1に対する係合と非係合とを実行して、第1変速機出力軸A3に対する第1速ドリブンギヤO1の連結とニュートラル状態とを選択することができる。又、第4スリーブS4は、油圧駆動されることにより、後進ドリブンギヤORと第2速ドリブンギヤO2とのいずれかに係合させることによって、後進ドリブンギヤORと第2速ドリブンギヤO2とを選択的に第1変速機出力軸A3に連結させることができる。更に、後進ドリブンギヤORと第2速ドリブンギヤO2とのいずれにも係合させないことにより、後進ドリブンギヤORと第2速ドリブンギヤO2とに関してニュートラル状態にしておくことができる。
【0064】
ここで第1クラッチ出力軸A1と第1変速機出力軸A3との間は、第1速ドリブンギヤO1と第1速ドライブギヤI1とが、第3速ドリブンギヤO3と第3速ドライブギヤI3とが、第5速ドリブンギヤO5と第5速ドライブギヤI5とが常時噛み合わされている。第2クラッチ出力軸A2と第1変速機出力軸A3との間には、第2速ドリブンギヤO2と第2速ドライブギヤI2とが、第4速ドリブンギヤO4と第4速ドライブギヤI4とが、第6速ドリブンギヤO6と第6速ドライブギヤI6とが常時噛み合わされている。更に第2クラッチ出力軸A2と第1変速機出力軸A3との間には、後進ドリブンギヤORは後進アイドラギヤMRを介して後進ドライブギヤIRと常時噛み合わされている。
【0065】
したがって第1スリーブS1と第3スリーブS3とが共にニュートラル状態で有れば、第1クラッチ出力軸A1と第1変速機出力軸A3とは連動することはない。又、第2スリーブS2と第4スリーブS4とが共にニュートラル状態で有れば、第2クラッチ出力軸A2と第1変速機出力軸A3とは連動することはない。
【0066】
上述した第1クラッチ出力軸A1上のドライブギヤI1,I3,I5、第1スリーブS1及び第1変速機出力軸A3上のドリブンギヤO1,O3,O5、第3スリーブS3の組み合わせが1番目の変速機構に相当し、第1クラッチC1との組み合わせにより1番目の回転動力伝達系を構成している。又、第2クラッチ出力軸A2上のドライブギヤI2,I4,I6,IR、第2スリーブS2及び第1変速機出力軸A3上のドリブンギヤO2,O4,O6,OR、第4スリーブS4の組み合わせが2番目の変速機構に相当し、第2クラッチC2との組み合わせにより2番目の回転動力伝達系を構成している。
【0067】
尚、第2変速機出力軸A4は固定的に設けられたドリブンギヤG2を介して、第1変速機出力軸A3に固定的に設けられたドライブギヤG1からトルクが伝達されることで、車輪側への回転トルク出力を実行している。
【0068】
上述した変速機2の各シフトにおける第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1スリーブS1、第2スリーブS2、第3スリーブS3、第4スリーブS4の係合の状態を図10に示す。図中、第1クラッチC1及び第2クラッチC2について「○」印が付されたものは該当する変速段において回転動力伝達のために係合されていることを示し、「×」印は該当する変速段においては解放されていることを示している。第1スリーブS1、第2スリーブS2、第3スリーブS3、及び第4スリーブS4については、ドリブンギヤO1,O2,OR、ドライブギヤI3,I4,I5,I6との係合を、「O1」、「O2」、「OR」、「I3」、「I4」、「I5」、「I6」にて表している。又、いずれのギヤにも係合していないニュートラル状態を「N」で表している。
【0069】
第1速では、第1クラッチC1は係合され、第2クラッチC2は解放される。そして、第1スリーブS1は「N」、第3スリーブS3は「O1」、第2スリーブS2は「N」、第4スリーブS4は「N」又は「O2」である。このように第1速では、第1クラッチC1を介して第1クラッチ出力軸A1にエンジンからの回転動力が伝達され、第1速ドライブギヤI1の回転が第1速ドリブンギヤO1に伝達されて、第1速ドリブンギヤO1の回転が第3スリーブS3の係合により第1変速機出力軸A3に伝達される。このことによりドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第1速の変速比で回転動力が出力される。
【0070】
第2速では、第1クラッチC1は解放され、第2クラッチC2は係合される。そして第1スリーブS1は「N」又は「I3」、第3スリーブS3は「O1」又は「N」、第2スリーブS2は「N」、第4スリーブS4は「O2」である。このように第2速では、第2クラッチC2を介して第2クラッチ出力軸A2にエンジンからの回転動力が伝達され、第2速ドライブギヤI2の回転が第2速ドリブンギヤO2に伝達されて、第2速ドリブンギヤO2の回転が第4スリーブS4の係合により第1変速機出力軸A3に伝達される。このことによりドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第2速の変速比で回転動力が出力される。
【0071】
第3速では、第1クラッチC1は係合され、第2クラッチC2は解放される。そして第1スリーブS1は「I3」、第3スリーブS3は「N」、第2スリーブS2は「N」又は「I4」、第4スリーブS4は「O2」又は「N」である。このように第3速では、第1クラッチC1を介して第1クラッチ出力軸A1にエンジンからの回転動力が伝達され、第1クラッチ出力軸A1の回転が第1スリーブS1の係合により第3速ドライブギヤI3に伝達され、第3速ドライブギヤI3から第3速ドリブンギヤO3を介して第1変速機出力軸A3に伝達される。このように第3速では、ドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第3速の変速比で回転動力が出力される。
【0072】
第4速では、第1クラッチC1は解放され、第2クラッチC2は係合される。そして第1スリーブS1は「I3」又は「I5」、第3スリーブS3は「N」、第2スリーブS2は「I4」、第4スリーブS4は「N」である。このように第4速では、第2クラッチC2を介して第2クラッチ出力軸A2にエンジンからの回転動力が伝達される。そして第2クラッチ出力軸A2の回転が第2スリーブS2の係合により第4速ドライブギヤI4に伝達され、第4速ドライブギヤI4の回転が第4速ドリブンギヤO4を介して第1変速機出力軸A3に伝達される。このことにより、ドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第4速の変速比で回転動力が出力される。
【0073】
第5速では、第1クラッチC1は係合され、第2クラッチC2は解放される。そして第1スリーブS1は「I5」、第3スリーブS3は「N」、第2スリーブS2は「I4」又は「I6」、第4スリーブS4は「N」である。このように第5速では、第1クラッチC1を介して第1クラッチ出力軸A1にエンジンからの回転動力が伝達され、第1クラッチ出力軸A1の回転が第1スリーブS1の係合により第5速ドライブギヤI5に伝達され、第5速ドライブギヤI5から第5速ドリブンギヤO5を介して第1変速機出力軸A3に伝達される。このことにより、ドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第5速の変速比で回転動力が出力される。
【0074】
第6速では、第1クラッチC1は解放され、第2クラッチC2は係合される。そして第1スリーブS1は「I5」又は「N」、第3スリーブS3は「N」、第2スリーブS2は「I6」、第4スリーブS4は「N」である。このように第6速では、第2クラッチC2を介して第2クラッチ出力軸A2にエンジンからの回転動力が伝達される。そして第2クラッチ出力軸A2の回転が第2スリーブS2の係合により第6速ドライブギヤI6に伝達され、第6速ドライブギヤI6の回転が第6速ドリブンギヤO6を介して第1変速機出力軸A3に伝達される。このことにより、ドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第6速の変速比で回転動力が出力される。
【0075】
後進シフトでは、第1クラッチC1は解放され、第2クラッチC2は係合される。そして、第1スリーブS1は「N」、第3スリーブS3は「N」、第2スリーブS2は「N」、第4スリーブS4は「OR」である。このように後進シフトでは、第2クラッチC2を介して第2クラッチ出力軸A2にエンジンからの回転動力が伝達され、第2クラッチ出力軸A2の回転が後進ドライブギヤIR及び後進アイドラギヤMRを介して後進ドリブンギヤORに伝達される。そして、第4スリーブS4の係合により第1変速機出力軸A3に伝達される。このことにより、ドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から後進の変速比で回転動力が出力される。
【0076】
ニュートラルシフトでは、両クラッチC1,C2は共に解放される。そして全てのスリーブS1,S2,S3,S4は「N」にされる。このことにより、エンジンからの回転動力は変速機2から車輪側へ出力されることはない。
【0077】
上述した変速段は変速制御用の電子制御ユニット(ECU)6により、クラッチモータCMR1,CMR2の回転制御を行って第1クラッチC1、第2クラッチC2を断接駆動し、更に油圧アクチュエータ6aの油圧制御を行って各スリーブS1〜S4に対して作動油圧の給排を実行することにより実現される。
【0078】
ECU6は、双方向性バスを介して相互に接続されたRAM、ROM、CPU、入力ポート、出力ポート及び各種駆動回路を備えることで、デジタルコンピュータを中心として構成されている。ECU6へは、シフト操作装置8からのシフト位置SHFT信号、スリーブ位置センサ10からの各スリーブS1〜S4の位置を表すスリーブ位置SLVP信号、クラッチストロークセンサ12,14からのクラッチストロークPCL1,PCL2信号が入力されている。その他、ECU6へは、エンジン回転数センサからの回転数NE信号、車速センサからの車速SPD信号、スロットル開度センサからのスロットル開度TA信号(あるいはアクセル開度センサからのアクセル開度ACCP信号)等の制御上必要なデータを検出するための信号が入力されている。又、エンジン制御用のECU16との間で、相互にデータ通信を実行して、制御に必要なデータを相互に伝達している。
【0079】
そしてECU6は、上述した各種の情報に基づいて、目的とする変速段を実現するために油圧アクチュエータ6aにより前記図10に示した変速機2の内部状態を実現している。尚、シフト操作装置8は自動変速モードと手動変速モードとの両方を指示可能であり、ECU6は、それぞれのモードに応じて変速段を決定して、変速機2の内部状態を切り換えている。又、ECU6はダッシュボードに配置されたディスプレイ18に対して制御上必要な情報を表示して乗員に告知している。
【0080】
次に、ECU6にて実行されるクラッチC1,C2の駆動異常時に行われる制御処理について説明する。図11にクラッチ駆動異常判定処理のフローチャートを示す。本処理は時間周期で繰り返し実行される。
【0081】
本処理が開始されると、まずクラッチC1,C2の駆動が異常か否かが判定される(S100)。クラッチC1,C2の駆動異常か否かは、ここではエンコーダとしてウォームホイールWH1,WH2の回転をそれぞれ検出しているクラッチストロークセンサ12,14の出力により判定される。
【0082】
例えば、ECU6は通常の変速段切換時にはクラッチツウクラッチを実行して、クラッチC1,C2の一方を解放し他方を係合させるが、この時にクラッチストロークセンサ12,14の出力が異常な出力か否かを検出する処理を、ECU6が別途実行している。ステップS100ではこの検出内容に基づいてクラッチC1,C2が駆動異常か否かを判定する。
【0083】
例えば、異常検出処理では、第1クラッチモータCMR1にて第1クラッチC1を断接駆動しているにもかかわらずクラッチストロークセンサ12の信号から求めたクラッチストロークPCL1に変化がなかった場合には、第1クラッチC1の駆動が異常であると検出する。
【0084】
又、クラッチストロークPCL1に変化が有ったとしても通常の変化に比較して第1ウォームホイールWH1の回転が鈍化していた場合にも、第1クラッチC1の駆動が異常であると検出する。第2クラッチC2についても同様に駆動異常検出がなされる。
【0085】
尚、このクラッチC1,C2の駆動異常検出処理では、例えば断線等によりクラッチモータCMR1,CMR2が故障して駆動が不可能となった場合のみでなく、クラッチストロークセンサ12,14自体の故障による異常もクラッチ駆動異常として検出される。
【0086】
上述したクラッチC1,C2の駆動異常検出にていずれのクラッチC1,C2も駆動異常でないと検出されている場合には(S100で「NO」)、次に第1異常検出フラグFc1又は第2異常検出フラグFc2が既に「ON」に設定されているか否かが判定される(S108)。異常検出フラグFc1,Fc2はECU6内のバックアップメモリに設定されているフラグであり、第1異常検出フラグFc1は第1クラッチC1が駆動異常となった履歴を示し、第2異常検出フラグFc2は第2クラッチC2が駆動異常となった履歴を示している。
【0087】
両異常検出フラグFc1,Fc2が共に「OFF」であれば(S108で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。
一方、異常検出フラグFc1,Fc2のいずれかが「ON」であれば(S108で「YES」)、次にクラッチC1,C2のいずれか又は両方に生じている駆動異常の修理が完了したか否かが判定される(S110)。このステップS110は通常、修理直後のECU6の起動時に判定されるが、この時にECU6への修理完了を示す入力がなされない内は(S110で「NO」)、このまま一旦処理を終了する。そして修理完了を示す入力がなされれば(S110で「YES」)と判定されて、第1異常検出フラグFc1と第2異常検出フラグFc2とはそれぞれ「OFF」に戻される(S112,S114)。そしてクラッチリンクフラグFccを「OFF」に戻して(S116)、本処理を一旦終了する。
【0088】
ここでクラッチリンクフラグFccは、後述する処理により、例えば図9に示したごとくに、第1ウォームホイールWH1と第2ウォームホイールWH2とが同一位相で連結されて、クラッチC1,C2同士が連動する状態にされた場合に「ON」に設定されるフラグである。
【0089】
クラッチC1,C2の駆動異常検出にてクラッチC1,C2のいずれかが駆動異常であると検出された場合には(S100で「YES」)、次に第1クラッチC1の駆動異常か否かが判定される(S102)。第1クラッチC1の駆動異常であれば(S102で「YES」)、第1異常検出フラグFc1に「ON」を設定し(S104)、一旦本処理を終了する。
【0090】
一方、第2クラッチC2の駆動異常であれば(S102で「NO」)、第2異常検出フラグFc2に「ON」を設定し(S106)、一旦本処理を終了する。
尚、クラッチC1,C2の両方が駆動異常であると検出された場合には、ECU6はエンジン停止などを含めた別の処理を実行するが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0091】
次にクラッチ異常時に対処するクラッチ異常時フェイルセーフ処理を図12に示す。本処理は時間周期で繰り返し実行される。
本処理が開始されると、まずクラッチリンクフラグFccが「OFF」か否かが判定される(S200)。ここで既にマスタシリンダ駆動機構MD1,MD2同士が前述したごとく連結されていれば、Fcc=「ON」であるので(S200で「NO」)、このまま本処理を一旦終了する。
【0092】
一方、Fcc=「OFF」であれば(S200で「YES」)、フェイルセーフ処理完了フラグFfsが「OFF」か否かが判定される(S202)。ここでFfs=「OFF」であるとすると(S202で「YES」)、次に異常検出フラグFc1,Fc2のいずれかが「ON」か否かが判定される(S204)。
【0093】
両異常検出フラグFc1,Fc2とも「OFF」であれば(S204で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。
一方、クラッチ駆動異常判定処理(図11)にて、ステップS104又はステップS106が実行されることにより、異常検出フラグFc1,Fc2のいずれかが「ON」となると(S204で「YES」)、ディスプレイ18に「変速機故障」及び「車両を停止してください」の表示をする(S206)。このことにより運転者に対して故障を告知して車両停止を要求する。
【0094】
次に車速SPDが「0(km/h)」となったか否かが判定される(S208)。SPD>0であれば(S208で「NO」)、このまま本処理を終了する。SPD>0である限りはステップS208にて「NO」と判定される状態が継続する。
【0095】
そして運転者が車両を停止することによりSPD=0となると(S208で「YES」)、次にニュートラル化処理が実行される(S210)。このニュートラル化処理は、変速機2内のスリーブS1〜S4をすべてニュートラル位置に移動させて、退避走行可能となるまで車両がエンジンの駆動力により走行を再開するのを禁止する処理である。尚、スリーブS1〜S4のすべてでなく、第1速段及び後進段とならなければ良いので、スリーブS3,S4のみニュートラル位置としても良い。
【0096】
次にフェイルセーフ処理完了フラグFfsに「ON」を設定して(S212)、一旦本処理を終了する。
このことにより、以後の制御周期ではステップS200にて「YES」と判定されても、Ffs=「ON」であることから(S202で「NO」)、クラッチ異常時フェイルセーフ処理(図12)では実質的な処理はなされなくなる。
【0097】
次に車両停止後にクラッチ異常時に対処するクラッチリンク処理を図13に示す。本処理は時間周期で繰り返し実行される。
本処理が開始されると、まずクラッチリンクフラグFccが「OFF」か否かが判定される(S300)。ここでFcc=「OFF」であれば(S300で「YES」)、フェイルセーフ処理完了フラグFfsが「ON」か否かが判定される(S302)。Ffs=「OFF」であれば(S302で「NO」)、このまま一旦本処理を終了するが、前記クラッチ異常時フェイルセーフ処理(図12)でFfs=「ON」とされていると(S302で「YES」)、次に第1異常検出フラグFc1が「ON」か否かが判定される(S304)。
【0098】
Fc1=「OFF」であれば(S304で「NO」)、Fc2=「ON」であることになるので、次に駆動が異常でない第1クラッチC1側の第1クラッチモータCMR1を駆動し、第1ウォームホイールWH1を過剰角度θxまで回転させる(S306)。このことにより図8に示したごとく第1インターロックスイッチILS1が「ON」となり、第1出力プッシュロッドOLD1によりインターロッククラッチ加圧スプリングISPが押圧されて、ディスクプレート74にカバープレート76が押圧される。
【0099】
次に第1クラッチモータCMR1を駆動することで第1ウォームホイールWH1を通常範囲θn内に戻し、通常範囲θn全域を往復動させる(S308)。このことにより図9に示したごとくカバープレート76の凹部80にディスクプレート74の凸部72が嵌め込まれる。このため第1クラッチモータCMR1の駆動のみで、第1ウォームホイールWH1と第2ウォームホイールWH2とは同一位相にて連動して回転できるようになる。
【0100】
次にクラッチリンクフラグFccを「ON」に設定して(S314)、フェイルセーフ処理完了フラグFfsを「OFF」に戻す(S316)。そしてディスプレイ18の表示を、「変速機故障」及び「退避走行可能」の表示に切り換える(S318)。このことにより運転者に車両を走行して修理工場まで走行可能であることを告知する。こうして一旦本処理を終了する。
【0101】
一方、Fc1=「ON」であれば(S304で「YES」)、次に駆動が異常でない第2クラッチC2側の第2クラッチモータCMR2を駆動し、第2ウォームホイールWH2を過剰角度θxまで回転させる(S310)。このことにより図8に示した第1クラッチC1側の場合と同じく、第2インターロックスイッチILS2が「ON」となり、第2出力プッシュロッドOLD2によりインターロッククラッチ加圧スプリングISPが押圧されて、ディスクプレート74にカバープレート76が押圧される。
【0102】
次に、第2クラッチモータCMR2を駆動することで第2ウォームホイールWH2を通常範囲θn内に戻し、通常範囲θn全域を往復動させる(S312)。このことにより図9に示した第1クラッチC1側の場合と同じく、カバープレート76の凹部80にディスクプレート74の凸部72が嵌め込まれる。このため第2クラッチモータCMR2の駆動のみで、第1ウォームホイールWH1と第2ウォームホイールWH2とを同一位相にて連動して回転できるようになる。
【0103】
そしてクラッチリンクフラグFccを「ON」に設定し(S314)、フェイルセーフ処理完了フラグFfsを「OFF」に戻す(S316)。そしてディスプレイ18の表示を、「変速機故障」及び「退避走行可能」の表示に切り換える(S318)。このことにより運転者に車両を走行して修理工場まで走行可能であることを告知する。こうして一旦本処理を終了する。
【0104】
尚、次の制御周期では、Fcc=「ON」となっているので(S300で「NO」)、クラッチリンク処理(図13)での実質的な処理は終了する。
次にクラッチリンクフラグFccの内容により変速機2に対する処理を切り換える変速制御処理を図14に示す。本処理は時間周期で繰り返し実行される。
【0105】
本処理では、まずFcc=「ON」か否かが判定される(S400)。ここでFcc=「OFF」であれば(S400で「NO」)、図2に示したごとく、第1ウォームホイールWH1と第2ウォームホイールWH2とは、それぞれ各クラッチモータCMR1,CMR2により単独で回転可能であるので、通常時変速制御の実行が設定される(S402)。すなわち前述したごとく変速段の切り換え要求がシフト操作装置8や車両走行状態に応じて発生した場合には、変速機2が、図10に示した内部状態となるように、各スリーブS1〜S4を切り換え、クラッチツウクラッチにより各クラッチC1,C2を切り換える。
【0106】
Fcc=「ON」であれば(S400で「YES」)、次にFc1=「ON」か否かが判定される(S404)。Fc1=「OFF」であれば(S404で「NO」)、すなわちFc2=「ON」であれば、第1クラッチモータCMR1による後述する異常時変速制御の実行が設定される(S406)。
【0107】
一方、Fc1=「ON」であれば(S404で「YES」)、第2クラッチモータCMR2による異常時変速制御の実行が設定される(S408)。
異常時変速制御処理を図15に示す。本処理は時間周期で繰り返し実行される。尚、ここではステップS406にて行われる第1クラッチモータCMR1による異常時変速制御処理について説明する。ステップS408にて行われる異常時変速制御処理については、第1クラッチモータCMR1及び第1クラッチストロークセンサ12の代わりに、第2クラッチモータCMR2及び第2クラッチストロークセンサ14を用いるのみの違いであるので、ステップS408については詳細な説明は省略する。
【0108】
異常時変速制御処理(図15)の処理が開始されると、まず変速段切り換え要求が有るか否かが判定される(S500)。変速段切り換え要求が無ければ(S500で「NO」)、このまま本処理を終了する。
【0109】
変速段切り換え要求が有れば(S500で「YES」)、次に第1クラッチモータCMR1を駆動して、第1クラッチストロークセンサ12の出力に基づいて、連動している第1ウォームホイールWH1と第2ウォームホイールWH2とを回転させる。このことで両マスタシリンダMC1,MC2から油圧を出力してクラッチC1,C2をそれぞれ解放状態にする(S502)。
【0110】
そしてスリーブS1〜S4をクラッチ異常時に対応した状態で駆動して変速段の切り換えを実行する(S504)。このクラッチ異常時における各スリーブS1〜S4の状態を図16に示す。尚、クラッチC1,C2については、スリーブS1〜S4切り換え後の状態を示している。
【0111】
すなわち、第1速では、第1スリーブS1は「N」、第3スリーブS3は「O1」、第2スリーブS2は「N」、第4スリーブS4は「N」である。したがって第1クラッチ出力軸A1における第1速ドライブギヤI1の回転が第1速ドリブンギヤO1に伝達されて、第1速ドリブンギヤO1の回転が第3スリーブS3の係合により第1変速機出力軸A3に伝達される。第2クラッチ出力軸A2においては、スリーブS2,S4が共にニュートラル状態であるので、第2クラッチ出力軸A2が係合された第2クラッチC2を介してエンジンにより回転されても第1変速機出力軸A3に回転が伝達されることはない。このことによりドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第1速の変速比で回転動力を出力できる。
【0112】
第2速では、第1スリーブS1は「N」、第3スリーブS3は「N」、第2スリーブS2は「N」、第4スリーブS4は「O2」である。したがって第2クラッチ出力軸A2における第2速ドライブギヤI2の回転が第2速ドリブンギヤO2に伝達されて、第2速ドリブンギヤO2の回転が第4スリーブS4の係合により第1変速機出力軸A3に伝達される。第1クラッチ出力軸A1においては、スリーブS1,S3が共にニュートラル状態であるので、第1クラッチ出力軸A1が係合された第1クラッチC1を介してエンジンにより回転されても第1変速機出力軸A3に回転が伝達されることはない。このことによりドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第2速の変速比で回転動力を出力できる。
【0113】
第3速では、第1スリーブS1は「I3」、第3スリーブS3は「N」、第2スリーブS2は「N」、第4スリーブS4は「N」である。したがって第1クラッチ出力軸A1の回転が第1スリーブS1の係合により第3速ドライブギヤI3に伝達され、第3速ドライブギヤI3から第3速ドリブンギヤO3を介して第1変速機出力軸A3に伝達される。第2クラッチ出力軸A2においては前記第1速にて述べたごとくである。このことによりドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第3速の変速比で回転動力を出力できる。
【0114】
第4速では、第1スリーブS1は「N」、第3スリーブS3は「N」、第2スリーブS2は「I4」、第4スリーブS4は「N」である。したがって第2クラッチ出力軸A2の回転が第2スリーブS2の係合により第4速ドライブギヤI4に伝達され、第4速ドライブギヤI4の回転が第4速ドリブンギヤO4を介して第1変速機出力軸A3に伝達される。第1クラッチ出力軸A1においては前記第2速にて述べたごとくである。このことによりドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第4速の変速比で回転動力を出力できる。
【0115】
第5速では、第1スリーブS1は「I5」、第3スリーブS3は「N」、第2スリーブS2は「N」、第4スリーブS4は「N」である。したがって第1クラッチ出力軸A1の回転が第1スリーブS1の係合により第5速ドライブギヤI5に伝達され、第5速ドライブギヤI5から第5速ドリブンギヤO5を介して第1変速機出力軸A3に伝達される。第2クラッチ出力軸A2においては前記第1速にて述べたごとくである。このことによりドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第5速の変速比で回転動力を出力できる。
【0116】
第6速では、第1スリーブS1は「N」、第3スリーブS3は「N」、第2スリーブS2は「I6」、第4スリーブS4は「N」である。したがって第2クラッチ出力軸A2の回転が第2スリーブS2の係合により第6速ドライブギヤI6に伝達され、第6速ドライブギヤI6の回転が第6速ドリブンギヤO6を介して第1変速機出力軸A3に伝達される。第1クラッチ出力軸A1においては前記第2速にて述べたごとくである。このことによりドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から第6速の変速比で回転動力を出力できる。
【0117】
後進シフトでは、第1スリーブS1は「N」、第3スリーブS3は「N」、第2スリーブS2は「N」、第4スリーブS4は「OR」である。したがって第2クラッチ出力軸A2の回転が後進ドライブギヤIR及び後進アイドラギヤMRを介して後進ドリブンギヤORに伝達される。そして第4スリーブS4の係合により第1変速機出力軸A3に伝達される。第1クラッチ出力軸A1においては前記第2速にて述べたごとくである。このことによりドライブギヤG1及びドリブンギヤG2を介して第2変速機出力軸A4から後進の変速比で回転動力を出力できる。
【0118】
ニュートラルシフトでは、全てのスリーブS1,S2,S3,S4は「N」にされる。このことによりエンジンからの回転動力は変速機2から車輪側へ出力されることはない。
【0119】
そして次に切り換えた変速段がニュートラル以外か否かが判定される(S506)。第1速〜第6速及び後進であれば(S506で「YES」)、両クラッチC1,C2は第1クラッチモータCMR1の駆動により係合されて(S508)、本処理を一旦終了する。
【0120】
一方、ニュートラルであれば(S506で「NO」)、このまま本処理を一旦終了する。すなわち両クラッチC1,C2は解放されたままとなる。
尚、上述した第2クラッチC2の駆動異常の場合と同様に、第1クラッチC1の駆動異常の場合も異常時変速制御処理(図15)にて述べたごとく実行することにより全ての変速段にて走行することが可能となる。すなわち、第2クラッチモータCMR2及び第2クラッチストロークセンサ14を用いることで、図16に示したようにクラッチC1,C2及びスリーブS1〜S4を切り換えることで全ての変速段が実現できる。
【0121】
上述した構成において、第1レリーズピストンRP1、第1レリーズシリンダRC1、第1マスタシリンダMC1及び第1マスタシリンダ駆動機構MD1を含む第1クラッチC1の駆動系が1番目のクラッチ駆動手段に相当する。第2レリーズピストンRP2、第2レリーズシリンダRC2、第2マスタシリンダMC2及び第2マスタシリンダ駆動機構MD2を含む第2クラッチC2の駆動系が2番目のクラッチ駆動手段に相当する。インターロック機構ILが連結手段に相当し、インターロックスイッチILS1,ILS2が連結切換部材に相当し、クラッチストロークセンサ12,14がクラッチ駆動検出センサに相当する。ECU6により実行される通常の変速段切換におけるクラッチツウクラッチ処理時においてクラッチストロークセンサ12,14の出力が異常な出力か否かを検出する処理及びクラッチ駆動異常判定処理(図11)がクラッチ駆動異常検出手段としての処理に相当する。クラッチリンク処理(図13)が切換手段としての処理に、変速制御処理(図14)及び異常時変速制御処理(図15)が変速制御手段としての処理に相当する。
【0122】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).マスタシリンダ駆動機構MD1,MD2のいずれかが駆動できない場合、ここでは断線などによるクラッチモータCMR1,CMR2の故障やクラッチストロークセンサ12,14の故障が生じた場合には、正常な方を駆動してマスタシリンダ駆動機構MD1,MD2同士を連結している(図13)。このことによりマスタシリンダ駆動機構MD1,MD2の内の正常な方で異常な方を駆動して、両クラッチC1,C2を連動して断接駆動できるように切り換えることができる。
【0123】
そして異常時変速制御処理(図15)を実行することによって、マスタシリンダ駆動機構の駆動が停止した方の回転動力伝達系における変速段を実現できる。このことにより退避走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0124】
(ロ).クラッチストロークセンサ12,14の検出値によりクラッチC1,C2のいずれが駆動異常か否かを判定しているので、クラッチストロークセンサ12,14自体の異常もクラッチC1,C2の駆動異常として検出される。
【0125】
このようにクラッチストロークセンサ12,14自体の異常時においてもクラッチC1,C2の連動が実行される。このことにより、クラッチストロークセンサ12,14の内の正常な方により、センサが異常な方のクラッチの駆動状態を正確に検出することができるようになり、クラッチを正確に駆動することができるようになる。このようにしてクラッチストロークセンサ12,14のいずれかが故障しても、これに対応するクラッチが駆動でき、該当する回転動力伝達系における変速段も実現できるので、退避走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0126】
(ハ).インターロックスイッチILS1,ILS2は、クラッチモータCMR1,CMR2の内の正常に駆動される方により各ウォームホイールWH1,WH2をクラッチC1,C2を解放する方向へ過剰に回転させることにより「ON」に切り換えることができる。
【0127】
したがって、連結切り換えのための特別なアクチュエータを用いずに、回転動力伝達系が異なるクラッチC1,C2の連動状態を切り換えさせることが可能となる。更に、断線等の異常を修理した後は、前述したごとくクラッチモータCMR1,CMR2のいずれかによりウォームホイールWH1,WH2をクラッチC1,C2を解放する方向へ過剰に回転させれば良いので、「OFF」に戻すことも容易である。
【0128】
(ニ).クラッチC1,C2同士を連動させていない変速機2の正常時における変速制御では、前述したごとく要求変速比を実現できる回転動力伝達系側を要求変速比とした後にクラッチツウクラッチを実行することにより円滑な変速を実行している。
【0129】
そして前述したクラッチ駆動の異常時にクラッチC1,C2同士を連動させた状態での変速制御では、まず連動するクラッチC1,C2を共に解放する。そして要求変速比を実現できる回転動力伝達系を該当する変速比とし、要求変速比を実現できない回転動力伝達系をニュートラルとした後、連動するクラッチC1,C2を共に係合することで変速が完了する。こうして要求される変速比を実現でき、退避走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0130】
(ホ).クラッチの駆動異常時には、クラッチ異常時フェイルセーフ処理(図12)により、クラッチC1,C2同士を連動させる前に、運転者に車両停止を要求して運転者が車両を停止した後に、正常な方を駆動してマスタシリンダ駆動機構MD1,MD2同士を連結している(図13)。このため極めて安全な状態でクラッチC1,C2同士を連動させることができ、再度走行可能な状態にすることができる。
【0131】
特に、車両停止直後に、直ちに変速機2内のスリーブS1〜S4をすべてニュートラル位置に移動させて、マスタシリンダ駆動機構MD1,MD2同士を連結する前に車両がエンジンの駆動力により走行を再開するのを禁止している(図12:S210)。このため、安全かつ迅速にマスタシリンダ駆動機構MD1,MD2同士を連結させることができ、早期に退避走行が可能となる。
【0132】
[実施の形態2]
本実施の形態では、前記実施の形態1のインターロック機構ILに代えて、図17に示すインターロック機構ILPを用いる。本インターロック機構ILPは、インターロッククラッチ加圧スプリングISPを介してカバープレート76に押圧力を与える機構として、インターロックスイッチILSの代わりに油圧シリンダCSとソレノイド式油圧切換弁VSとを用いている。これ以外の機械的構成は前記実施の形態1と同じである。
【0133】
ここで油圧シリンダCSは、ピストンCSP、ピストンCSPにて区画されて形成された油圧室CSO、油圧室CSOと反対側に圧縮状態で配置されてピストンCSPを押圧するスプリングCSS及びピストンCSPにより移動する出力プッシュロッドOLDとから構成されている。
【0134】
油圧切換弁VSは、油圧シリンダCSの油圧室CSO内にエンジンにより駆動される油圧ポンプからの作動油圧を供給したり、油圧室CSOからオイルパンOP側に排出する機能を果たす。この油圧切換弁VSはECU6により駆動され、ECU6からソレノイドに給電されていない「OFF」時には、図17に示したごとくに作動油圧は油圧室CSO内に供給される。このためピストンCSPはスプリングCSSを圧縮して図示左側に移動し、出力プッシュロッドOLDはインターロッククラッチ加圧スプリングISPを押圧することはない。
【0135】
一方、ECU6からソレノイドに給電された「ON」時には、図18に示したごとくに作動油圧は油圧室CSO内からオイルパンOP側に排出される。このためピストンCSPはスプリングCSSの付勢力により伸張して図示右側に移動する。このため出力プッシュロッドOLDはインターロッククラッチ加圧スプリングISPを押圧し、カバープレート76をディスクプレート74に押圧する。この時、ウォームホイールWH1,WH2同士の位相が一致していなければ、カバープレート76の凹部80とディスクプレート74の凸部72との位相も一致していないので、凹部80に凸部72が嵌め込まれることはない。
【0136】
しかし、クラッチモータCMR1,CMR2の内で正常に駆動できる方を駆動して、カバープレート76とディスクプレート74とを相対的に回転させることにより、凹部80と凸部72との位相が一致すれば、図19に示すごとく凹部80に凸部72が嵌め込まれる。このため、以後、ディスクプレート74とカバープレート76とは同一位相で一体に回転し、このことによりウォームホイールWH1,WH2同士が同一位相状態で、マスタシリンダ駆動機構MD1,MD2同士が連結することになる。
【0137】
ECU6が実行する制御の内で、クラッチ駆動異常判定処理(図11)の代わりに図20のクラッチ駆動異常判定処理が実行され、クラッチリンク処理(図13)の代わりに図21のクラッチリンク処理が実行される。これ以外の処理は前記実施の形態1と同じである。尚、クラッチ駆動異常判定処理(図20)においてはステップS600〜S616の処理は図11にて説明したステップS100〜S116と同じ処理である。又、クラッチリンク処理(図21)においてはステップS700,S702,S704,S708,S712〜S718の処理は、図13のステップS300,S302,S304,S308,S312〜S318の処理と同じである。
【0138】
本実施の形態における制御について説明する。まず、クラッチ駆動異常判定処理(図20)では、クラッチモータCMR1,CMR2が正常に駆動している場合で(S600で「NO」)、Fc1=「OFF」及びFc2=「OFF」であれば(S608で「NO」)、次に油圧切換弁VSは「OFF」とされる(S618)。このため正常時においては前記図17に示したごとく作動油圧が油圧室CSOに供給されるため、OLDは後退しておりインターロッククラッチ加圧スプリングISPを押圧することが無く、カバープレート76はディスクプレート74に押しつけられることはない。したがってマスタシリンダ駆動機構MD1,MD2同士は連結することが無い。
【0139】
一方、クラッチモータCMR1,CMR2のいずれか、例えば第1クラッチモータCMR1の駆動が異常である場合には(S600で「YES」及びS602で「YES」)、Fc1=「ON」とされる(S604)。このことにより前述したクラッチ異常時フェイルセーフ処理(図12)では、車両が停止した後に(S208で「YES」)、ニュートラル化処理(S210)が行われ、フェイルセーフ処理完了フラグFfsに「ON」が設定される(S212)。
【0140】
そして、クラッチリンク処理(図21)ではステップS700,S702にて共に「YES」と判定された後に、油圧切換弁VSは「ON」とされる(S703)。このことにより油圧室CSO内の作動油圧が排出される。このため前記図18にて説明したごとく、油圧シリンダCSから出力プッシュロッドOLDが伸び出してインターロッククラッチ加圧スプリングISPを押圧するので、ディスクプレート74に対してカバープレート76が押圧される。この時には凹部80に対して凸部72が嵌め込まれるとは限らない。
【0141】
次にFc1=「ON」であるので(S704で「YES」)、正常に駆動できる第2クラッチモータCMR2を駆動することで第2ウォームホイールWH2を、通常範囲θn全域で往復動させる(S712)。このことにより図19に示したごとく、カバープレート76の凹部80にディスクプレート74の凸部72が嵌め込まれる。このため第2クラッチモータCMR2の駆動のみで、第1ウォームホイールWH1と第2ウォームホイールWH2とを同一位相にて連動して回転できるようになる。尚、第2クラッチモータCMR2の駆動が異常である場合は(Fc2=「ON」:S704で「NO」)、第1クラッチモータCMR1を駆動することで第1ウォームホイールWH1を、通常範囲θn全域で往復動させる(S708)。このことで第1クラッチモータCMR1の駆動のみで、第1ウォームホイールWH1と第2ウォームホイールWH2とを同一位相にて連動して回転できるようになる。
【0142】
このようにしてクラッチモータCMR1,CMR2の内の正常な方の駆動のみで、第1ウォームホイールWH1と第2ウォームホイールWH2とを同一位相にて連動して回転できるようになる。このため変速制御処理(図14)及び異常時変速制御処理(図15)の実行により、前記実施の形態1にて示したごとく全ての変速段での走行が可能となる。
【0143】
上述した構成において、インターロック機構ILPが連結手段に相当する。ECU6により実行される通常の変速段切換におけるクラッチツウクラッチ処理時においてクラッチストロークセンサ12,14の出力が異常な出力か否かを検出する処理及びクラッチ駆動異常判定処理(図20)がクラッチ駆動異常検出手段としての処理に相当する。クラッチリンク処理(図21)が切換手段としての処理に相当する。
【0144】
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)、(ロ)、(ニ)及び(ホ)の効果を生じる。
【0145】
(ロ).エンジンにより駆動されている油圧ポンプからの作動油圧によりカバープレート76の凹部80にディスクプレート74の凸部72を嵌め込んでいる。このためクラッチモータCMR1,CMR2のいずれも特別な駆動をさせなくても、油圧切換弁VSの切り換え処理により直ちにディスクプレート74に対してカバープレート76を押圧状態にすることができる。したがって直ちにカバープレート76の凹部80とディスクプレート74の凸部72との位相を一致させて凹部80に凸部72を嵌め込ませる処理に移行することができるので、マスタシリンダ駆動機構MD1,MD2同士を迅速に連結でき、一層早期に退避走行を開始することが可能となる。
【0146】
[実施の形態3]
本実施の形態では、前記実施の形態2においてインターロック機構ILPを備えない構成とする。したがってマスタシリンダ駆動機構MD1,MD2同士の直接的な連結はなされない。
【0147】
このインターロック機構ILPの代わりに、連結機構として図22に示すごとくマスタシリンダMC1,MC2とレリーズシリンダRC1,RC2との間に油圧切換弁VSPを設ける。更にマスタシリンダMC1,MC2とレリーズシリンダRC1,RC2との間の油圧配管から各マスタシリンダMC1,MC2のリザーバタンクRVT1,RVT2へのリターン配管RTP1,RTP2を設けて、このリターン配管RTP1,RTP2に開閉切り換え弁である油圧抜き弁VA1,VA2を設けている。これ以外の機械的構成は前記実施の形態2と同じである。
【0148】
この油圧切換弁VSP及び2つの油圧抜き弁VA1,VA2はECU6により切り換え駆動されるが、両クラッチC1,C2が正常に駆動されている場合には、ECU6は油圧切換弁VSPを駆動せず(「OFF」)、油圧抜き弁VA1,VA2は閉弁状態(「OFF」)にある。したがって図22のごとく油圧切換弁VSPにより、第1マスタシリンダMC1からの油圧は第1レリーズシリンダRC1のみへ分配され、第2マスタシリンダMC2からの油圧は第2レリーズシリンダRC2のみへ分配される。このことにより第1マスタシリンダ駆動機構MD1は第2マスタシリンダ駆動機構MD2とは独立して第1クラッチC1を断接駆動でき、第2マスタシリンダ駆動機構MD2は第1マスタシリンダ駆動機構MD1とは独立して第2クラッチC2を断接駆動できる。
【0149】
一方、ECU6からソレノイドに給電することにより、図23(A)に示すごとく油圧切換弁VSPを中間変位状態にすると、第2マスタシリンダMC2と第2レリーズシリンダRC2との間は遮断される。そして、第1マスタシリンダMC1からの油圧は第1レリーズシリンダRC1と第2レリーズシリンダRC2との両方へ分配されるようになる。したがって、第1クラッチモータCMR1の駆動により両クラッチC1,C2の断接駆動が可能となる。尚、油圧切換弁VSPを中間変位状態にする時に第2マスタシリンダMC2により第2レリーズシリンダRC2に油圧が発生している場合には、第1クラッチストロークセンサ12の出力に基づく両クラッチC1,C2の断接駆動が正確にできなくなる。このため、油圧切換弁VSPを中間変位状態にする前に予め第2油圧抜き弁VA2を開弁することで第2レリーズシリンダRC2側の作動油を第2マスタシリンダMC2の第2リザーバタンクRVT2側に放出している。
【0150】
更に、ECU6からソレノイドに給電されることにより、図23(B)に示すごとく油圧切換弁VSPを最大変位状態にすると、第1マスタシリンダMC1と第1レリーズシリンダRC1との間は遮断される。そして、第2マスタシリンダMC2からの油圧は第1レリーズシリンダRC1と第2レリーズシリンダRC2との両方へ分配されるようになる。したがって、第2クラッチモータCMR2の駆動により両クラッチC1,C2の断接駆動が可能となる。尚、油圧切換弁VSPを最大変位状態にする時に第1マスタシリンダMC1により第1レリーズシリンダRC1に油圧が発生している場合には、第2クラッチストロークセンサ14の出力に基づく両クラッチC1,C2の断接駆動が正確にできなくなる。このため、油圧切換弁VSPを最大変位状態にする前に予め第1油圧抜き弁VA1を開弁することで第1レリーズシリンダRC1側の作動油を第1マスタシリンダMC1の第1リザーバタンクRVT1側に放出している。
【0151】
ECU6が実行する制御の内で、クラッチ駆動異常判定処理(図20)の代わりに図24のクラッチ駆動異常判定処理が実行され、クラッチリンク処理(図21)の代わりに図25のクラッチリンク処理が実行される。これ以外の処理は前記実施の形態2と同じである。尚、クラッチ駆動異常判定処理(図24)においてはステップS800〜S816の処理は図20のステップS600〜S616の処理と同じである。又、クラッチリンク処理(図25)においてはステップS900,S902,S904,S914〜S918の処理は、図21のステップS700,S702,S704,S714〜S718の処理と同じである。
【0152】
本実施の形態における制御について説明する。まず、クラッチ駆動異常判定処理(図24)では、クラッチモータCMR1,CMR2が正常に駆動している場合(S800で「NO」)では、Fc1=「OFF」及びFc2=「OFF」であれば(S808で「NO」)、次に油圧切換弁VSPは「OFF」とされ(S818)。そして両油圧抜き弁VA1,VA2は「OFF」とされる(S820)。このため正常時においては前記図22に示したごとく、第1マスタシリンダ駆動機構MD1と第2マスタシリンダ駆動機構MD2とはそれぞれ独立に各クラッチC1,C2を断接駆動できる。したがって図10に示したごとくの通常時の変速が可能となる。
【0153】
一方、クラッチモータCMR1,CMR2のいずれか、例えば第1クラッチモータCMR1の駆動が異常である場合には(S800で「YES」及びS802で「YES」)、Fc1=「ON」とされる(S804)。このことにより前述したクラッチ異常時フェイルセーフ処理(図12)では、車両が停止した後に(S208で「YES」)、ニュートラル化処理(S210)が行われ、フェイルセーフ処理完了フラグFfsに「ON」が設定される(S212)。
【0154】
そしてクラッチリンク処理(図25)ではステップS900,S902にて共に「YES」と判定された後に、Fc1=「ON」であるので(S904で「YES」)、第1油圧抜き弁VA1が開弁(「ON」)される(S909)。このことにより第1マスタシリンダMC1から第1レリーズシリンダRC1までの油圧経路の油圧がキャンセルされる。更に正常に駆動できる第2クラッチモータCMR2を駆動して、第2クラッチC2を係合状態にする(S910)。すなわち第2ウォームWM2を、第2マスタシリンダMC2が第2レリーズシリンダRC2に対して油圧を付与しない位相位置に回転させる。
【0155】
次に油圧切換弁VSPを最大変位状態にする(S912)。このことにより図23(B)に示した状態となる。したがって第2クラッチモータCMR2を駆動することで第2ウォームホイールWH2を介して第2マスタシリンダMC2から両レリーズシリンダRC1,RC2に作動油圧を与えることができ、両クラッチC1,C2を同一状態で断接駆動することができる。ただし変速制御においては1つの第2マスタシリンダMC2にて両レリーズシリンダRC1,RC2を駆動させるため、第2マスタシリンダプッシュロッドLDM2が通常より2倍のストロークで駆動されるように、第2クラッチモータCMR2により駆動される第2ウォームホイールWH2の回転領域は拡大される。
【0156】
第2クラッチモータCMR2の駆動が異常である場合には(S802で「NO」)、Fc2=「ON」とされる(S806)。このことでクラッチリンク処理(図25)では、ステップS904で「NO」と判定されて、第2油圧抜き弁VA2が開弁(「ON」)される(S905)。このことにより第2マスタシリンダMC2から第2レリーズシリンダRC2までの油圧経路の油圧がキャンセルされる。更に正常に駆動できる第1クラッチモータCMR1を駆動して、第1クラッチC1を係合状態にする(S906)。すなわち第1ウォームWM1を、第1マスタシリンダMC1が第1レリーズシリンダRC1に対して油圧を付与しない位相位置に回転させる。
【0157】
次に油圧切換弁VSPを中間変位状態にする(S908)。このことにより図23(A)に示した状態となる。したがって第1クラッチモータCMR1を駆動することで第1ウォームホイールWH1を介して第1マスタシリンダMC1から両レリーズシリンダRC1,RC2に作動油圧を与えることができ、両クラッチC1,C2を同一状態で断接駆動することができる。この場合も1つの第1マスタシリンダMC1にて両レリーズシリンダRC1,RC2を駆動させるため、第1マスタシリンダプッシュロッドLDM1が通常より2倍のストロークで駆動されるように、第1クラッチモータCMR1により駆動される第1ウォームホイールWH1の回転領域は拡大される。
【0158】
このようにしてクラッチモータCMR1,CMR2の内の正常な方の駆動のみで、両クラッチC1,C2を同一状態で連動して断接駆動できるようになる。このため変速制御処理(図14)及び異常時変速制御処理(図15)の実行により全ての変速段での走行が可能となる。
【0159】
上述した構成において、油圧切換弁VSP及び油圧抜き弁VA1,VA2の組み合わせが連結手段に相当する。ECU6により実行される通常の変速段切換におけるクラッチツウクラッチ処理時においてクラッチストロークセンサ12,14の出力が異常な出力か否かを検出する処理及びクラッチ駆動異常判定処理(図24)がクラッチ駆動異常検出手段としての処理に相当する。クラッチリンク処理(図25)が切換手段としての処理に相当する。
【0160】
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).断線などによるクラッチモータCMR1,CMR2の故障やクラッチストロークセンサ12,14の故障が生じた場合には、油圧切換弁VSP及び油圧抜き弁VA1,VA2により正常な方のマスタシリンダMC1,MC2の油圧が両方の両レリーズシリンダRC1,RC2に配分される。このように油圧的に連結されることにより、マスタシリンダ駆動機構MD1,MD2の正常な方で異常な方を駆動して両クラッチC1,C2を連動して断接駆動できるようになる。
【0161】
このため故障などで、マスタシリンダ駆動機構MD1,MD2のいずれかを停止しなくてはならない状況となっても、駆動ができる方で、停止した側のクラッチを断接駆動できることになる。そして異常時変速制御処理(図15)を実行することにより、マスタシリンダ駆動機構が停止した方の回転動力伝達系における変速段が実現でき、退避走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0162】
(ロ).前記実施の形態1の(ロ)、(ニ)及び(ホ)の効果を生じる。
[実施の形態4]
本実施の形態では、前記実施の形態3において油圧切換弁VSPを備えない構成とする。この代わりに連結機構として、図26に示すごとく第1レリーズピストンRP1と第2レリーズピストンRP2との間にインターロック機構ILRが設けられている。これ以外の機械的構成は前記実施の形態3と同じである。
【0163】
両クラッチC1,C2の駆動が正常になされている場合には、インターロック機構ILRによるレリーズピストンRP1,RP2間の連結はなされておらず、油圧抜き弁VA1,VA2は閉弁状態(「OFF」)にある。したがって図26のごとく第1マスタシリンダ駆動機構MD1は第2マスタシリンダ駆動機構MD2とは独立して第1クラッチC1を断接駆動でき、第2マスタシリンダ駆動機構MD2は第1マスタシリンダ駆動機構MD1とは独立して第2クラッチC2を断接駆動できる。
【0164】
ここでインターロック機構ILRは図27に示すごとくである。すなわち第1レリーズピストンRP1には、軸方向に直交する方向に貫通する第1ピン孔90と第2係合溝92とが形成されており、第1ピン孔90内には第1インターロックピン94が収納されている。同様に第2レリーズピストンRP2には軸方向に直交する方向に貫通する第2ピン孔96と第1係合溝98とが形成されており、第2ピン孔96内には第2インターロックピン100が収納されている。各係合溝92,98には反対側から貫通孔92a,98aが形成されている。この貫通孔92a,98aは後述するごとく係合溝92,98に嵌り込んだインターロックピン94,100を反対側から治具の挿入により排除するために用いられる。
【0165】
第1レリーズピストンRP1の軸方向に沿って設けられた第1スイッチプレートSP1には、第1レリーズピストンRP1側に突出した第1インターロックスイッチLS1が設けられている。この第1インターロックスイッチLS1は、第1レリーズピストンRP1が通常範囲θnにて移動している場合には、第1インターロックピン94が対向しない位置に設けられている。更に、第2レリーズピストンRP2の軸方向に沿って設けられた第2スイッチプレートSP2には、第2レリーズピストンRP2側に突出した第2インターロックスイッチLS2が設けられている。この第2インターロックスイッチLS2は、第2レリーズピストンRP2が通常範囲θnにて移動している場合には、第2インターロックピン100が対向しない位置に設けられている。
【0166】
第1インターロックピン94は、図28(A)に示すごとく軸方向に配列されたボタンピン102と係合ピン104とを備えている。ボタンピン102の周方向には環状溝102aが形成されてスナップリング106が嵌合されている。このスナップリング106は、第1ピン孔90の内周面に設けられた環状溝90aにも部分的に入り込んでいることにより、第1ピン孔90内でのボタンピン102の軸方向位置を決定している。係合ピン104の周方向には環状溝104aが形成されてスナップリング108が嵌合されている。このスナップリング108は、第1ピン孔90の内周面に設けられた環状溝90bにも部分的に入り込んでいることにより、第1ピン孔90内での係合ピン104の軸方向位置を決定している。尚、第1ピン孔90の内周面にはもう一つの環状溝90cが設けられているが、図28(A)の状態では何も挿入されていない。
【0167】
ボタンピン102と係合ピン104とに連続してスプリング収納室110,112が形成され、内部には、ボタンピン102と係合ピン104とを離間する方向に付勢力を発生している圧縮状のスプリング114が設けられている。このスプリング114の付勢力は、スナップリング106,108が環状溝90a,90bから外れない程度の強さに設定されている。
【0168】
第2インターロックピン100については、図28にて説明した第1インターロックピン94の構造と同じであるので詳細な説明は省略する。
上述した構成において、前記実施の形態1の場合と同様に第1クラッチモータCMR1を駆動して、過剰位置θxまで第1ウォームホイールWH1を回転させた場合には、図29(A)に示すごとく第1インターロックピン94のボタンピン102側が第1インターロックスイッチLS1に乗り上げる。このことによりボタンピン102は押し込まれて、図28(B)に示したごとくボタンピン102のスナップリング106は、第1ピン孔90の奥にある環状溝90cに移動する。同時に係合ピン104もボタンピン102により押されることにより、スナップリング108は環状溝90bから外れて第1ピン孔90から外れる。このためスプリング114の付勢力により係合ピン104は対向する第2レリーズピストンRP2の表面に当接する。
【0169】
そしてクラッチモータCMR1を駆動して第1レリーズピストンRP1を通常範囲θnに戻して、通常範囲θnを一通り移動させる。この移動の途中で図29(B)に示すごとく第1インターロックピン94の係合ピン104は第2レリーズピストンRP2の第1係合溝98に嵌り込む。このことにより第1レリーズピストンRP1と第2レリーズピストンRP2とは同一位相で一体に移動できるようになる。したがって、第1クラッチモータCMR1の駆動により両クラッチC1,C2の断接駆動が可能となる。尚、前記実施の形態3の場合と同じく予め第2油圧抜き弁VA2を開弁する。このことで第2レリーズピストンRP2は自由に移動可能となり、第1クラッチモータCMR1の駆動による両クラッチC1,C2の断接駆動が確保される。
【0170】
同様に第2クラッチモータCMR2を駆動して、過剰位置θxまで第2ウォームホイールWH2を回転させた場合には、図30(A),(B)に示すごとく第2インターロックピン100の係合ピン104は第1レリーズピストンRP1の第2係合溝92に嵌り込む。このことにより両レリーズピストンRP1,RP2は同一位相で一体に移動できるようになり、第2クラッチモータCMR2の駆動により両クラッチC1,C2の断接駆動が可能となる。尚、前記実施の形態3の場合と同じく予め第1油圧抜き弁VA1を開弁する。このことで第1レリーズピストンRP1は自由に移動可能となり、第2クラッチモータCMR2の駆動による両クラッチC1,C2の断接駆動が確保される。
【0171】
ECU6が実行する制御の内で、クラッチ駆動異常判定処理(図24)の代わりに図31のクラッチ駆動異常判定処理が実行され、クラッチリンク処理(図25)の代わりに図32のクラッチリンク処理が実行される。これ以外の処理は前記実施の形態3と同じである。尚、クラッチ駆動異常判定処理(図31)においてはステップS930〜S946の処理は図24のステップS800〜S816の処理と同じである。又、クラッチリンク処理(図32)においてはステップS960〜S965、S969,S974〜S978の処理は、図25のステップS900〜S905、S909,S914〜S918の処理と同じである。
【0172】
本実施の形態における制御について説明する。まず、クラッチ駆動異常判定処理(図31)では、両クラッチC1,C2が正常に駆動している場合(S930で「NO」)では、Fc1=「OFF」及びFc2=「OFF」であれば(S938で「NO」)、次に両油圧抜き弁VA1,VA2は「OFF」とされる(S848)。
【0173】
このため正常時においては前記図26,27に示したごとく、第1マスタシリンダ駆動機構MD1と第2マスタシリンダ駆動機構MD2とはそれぞれ独立に各クラッチC1,C2を断接駆動できる。したがって図10に示したごとくの通常時の変速が可能となる。
【0174】
一方、クラッチモータCMR1,CMR2のいずれか、例えば第1クラッチモータCMR1の駆動が異常である場合には(S930で「YES」及びS932で「YES」)、Fc1=「ON」とされる(S934)。このことにより前述したクラッチ異常時フェイルセーフ処理(図12)では、車両が停止した後に(S208で「YES」)、ニュートラル化処理(S210)が行われ、フェイルセーフ処理完了フラグFfsに「ON」が設定される(S212)。
【0175】
そしてクラッチリンク処理(図32)ではステップS960,S962にて共に「YES」と判定された後に、Fc1=「ON」であるので(S964で「YES」)、第1油圧抜き弁VA1が開弁(「ON」)される(S969)。このことにより第1レリーズピストンRP1の自由移動が可能となる。
【0176】
そして第2クラッチモータCMR2により第2ウォームホイールWH2を過剰角度θxまで回転させる(S970)。このことにより図30(A)に示したごとく、第2インターロックピン100のボタンピン102が第2インターロックスイッチLS2により押し込まれ、係合ピン104が反対側に突出し、第1レリーズピストンRP1の表面を押圧する。
【0177】
次に第2クラッチモータCMR2により第2ウォームホイールWH2を通常領域θnに戻して、通常領域θn内を往復動させる(S972)。この往復動の途中で図30(B)に示すごとく第2インターロックピン100の係合ピン104が第1レリーズピストンRP1側の第2係合溝92に落ち込む。このことで両レリーズピストンRP1,RP2が同一位相で一体化する。
【0178】
以後、第2クラッチモータCMR2を駆動することで第2ウォームホイールWH2及び第2マスタシリンダMC2を介して両レリーズシリンダRC1,RC2を駆動でき、両クラッチC1,C2を断接駆動することができる。
【0179】
第2クラッチモータCMR2の駆動が異常である場合には(S932で「NO」)、Fc2=「ON」とされる(S936)ことで、クラッチリンク処理(図32)では、ステップS964で「NO」と判定されて、第2油圧抜き弁VA2が開弁(「ON」)される(S965)。このことにより第2レリーズピストンRP2の自由移動が可能となる。そして第1クラッチモータCMR1により第1ウォームホイールWH1を過剰角度θxまで回転させ(S966)、次に通常領域θn内を往復動させることで(S968)、図29(A),(B)に示したごとく両レリーズピストンRP1,RP2を同一位相で一体化する。
【0180】
以後、第1クラッチモータCMR1を駆動することで第1ウォームホイールWH1及び第1マスタシリンダMC1を介して両レリーズシリンダRC1,RC2を駆動でき、両クラッチC1,C2を同一状態で断接駆動することができる。
【0181】
このようにしてクラッチモータCMR1,CMR2の内の正常な方の駆動のみで、両クラッチC1,C2を同一状態で連動して断接駆動できるようになる。このため変速制御処理(図14)及び異常時変速制御処理(図15)の実行により、全ての変速段での走行が可能となる。
【0182】
上述した構成において、インターロック機構ILR及び油圧抜き弁VA1,VA2の組み合わせが連結手段に相当し、インターロックピン94,100、係合溝92,98及びインターロックスイッチLS1,LS2の組み合わせが連結切換部材に相当する。ECU6により実行される通常の変速段切換におけるクラッチツウクラッチ処理時においてクラッチストロークセンサ12,14の出力が異常な出力か否かを検出する処理及びクラッチ駆動異常判定処理(図31)がクラッチ駆動異常検出手段としての処理に相当する。クラッチリンク処理(図32)が切換手段としての処理に相当する。
【0183】
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).断線などによるクラッチモータCMR1,CMR2の故障やクラッチストロークセンサ12,14の故障が生じた場合には、正常な方を駆動して両レリーズピストンRP1,RP2同士を連結している(図32)。このことによりマスタシリンダ駆動機構MD1,MD2の正常な方で異常な方を駆動して、両クラッチC1,C2を連動して断接駆動できるように切り換えることができる。
【0184】
このため故障などで、マスタシリンダ駆動機構MD1,MD2のいずれかを停止しなくてはならない状況となっても、駆動ができる方で、停止した側のクラッチを断接駆動できることになる。
【0185】
そして異常時変速制御処理(図15)を実行することにより、マスタシリンダ駆動機構が停止した方の回転動力伝達系における変速段が実現でき、退避走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0186】
(ロ).前記実施の形態1の(ロ)、(ニ)、(ホ)の効果を生じる。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態4においては油圧抜き弁VA1,VA2は電磁駆動であったが、油圧抜き弁VA1,VA2を電磁駆動とせず、前記実施の形態1にて用いたインターロックスイッチILS1,ILS2にて開閉駆動しても良い。すなわち、レリーズピストンRP1,RP2の過剰移動に合わせて、インターロックスイッチILS1,ILS2を「ON」と「OFF」とで切り換え、出力プッシュロッドOLD1,OLD2により油圧抜き弁VA1,VA2を「ON」と「OFF」とで切り換える。このことにより、全てレリーズピストンRP1,RP2の過剰移動のみにて両クラッチC1,C2を連動して断接駆動したり、逆にクラッチC1,C2を独立に断接駆動できるようになる。
【0187】
(b).クラッチリンク処理(図13,21,32)のステップS308,S312,S708,S712,S968,S972ではウォームホイールWH1,WH2を通常領域θnの全域を往復動したが、これはウォームホイールWH1,WH2の状態を元の位置に戻すためである。凸部72を凹部80に嵌合、あるいはインターロックピン94,100を係合溝92,98に嵌合するのみであれば、ウォームホイールWH1,WH2を通常領域θnにて一通り移動させるのみでよい。
【0188】
(c).各実施の形態は2つの回転動力伝達系を備えたツインクラッチ式6段変速機であったが、3つ以上回転動力伝達系を備えたものでも良い。故障時に1つでも正常にクラッチが駆動できる回転動力伝達系が存在すれば、クラッチを連動させることにより、全ての変速段が実現でき、退避走行ができなくなる事態を回避することができる。
【0189】
(d).各実施の形態は回転動力伝達系が、第1速、第3速及び第5速のものと、後進、第2速、第4速及び第6速のものとで分かれていたが、これ以外の変速段の分け方により回転動力伝達系が形成されていても良い。例えば、後進、第1速、第3速、第5速及び第7速のものと、第2速、第4速及び第6速のものとで分かれていても良い。
【0190】
(e).入力プッシュロッドの過剰な挿入により「ON」と「OFF」とを切り換えるインターロックスイッチは、前記実施の形態1に示したものばかりでなく、他の構成で同一の機能を果たすものを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の自動車用のツインクラッチ式6段変速機及びその制御システムのブロック図。
【図2】実施の形態1のインターロック機構の構成説明図。
【図3】実施の形態1のインターロックスイッチの構成及び動作説明図。
【図4】実施の形態1のインターロックスイッチの構成及び動作説明図。
【図5】実施の形態1のインターロックスイッチの構成及び動作説明図。
【図6】実施の形態1のインターロックスイッチの構成及び動作説明図。
【図7】実施の形態1のインターロックスイッチの構成及び動作説明図。
【図8】実施の形態1のインターロック機構の動作説明図。
【図9】実施の形態1のインターロック機構の動作説明図。
【図10】実施の形態1の通常時変速制御におけるクラッチとスリーブとの状態説明図。
【図11】実施の形態1のECUが実行するクラッチ駆動異常判定処理のフローチャート。
【図12】実施の形態1のクラッチ異常時フェイルセーフ処理のフローチャート。
【図13】実施の形態1のクラッチリンク処理のフローチャート。
【図14】実施の形態1の変速制御処理のフローチャート。
【図15】実施の形態1の異常時変速制御処理のフローチャート。
【図16】実施の形態1の異常時変速制御におけるクラッチとスリーブとの状態説明図。
【図17】実施の形態2のインターロック機構の構成説明図。
【図18】実施の形態2のインターロック機構の動作説明図。
【図19】実施の形態2のインターロック機構の動作説明図。
【図20】実施の形態2のクラッチ駆動異常判定処理のフローチャート。
【図21】実施の形態2のクラッチリンク処理のフローチャート。
【図22】実施の形態3の連結機構の構成説明図。
【図23】実施の形態3の連結機構の動作説明図。
【図24】実施の形態3のクラッチ駆動異常判定処理のフローチャート。
【図25】実施の形態3のクラッチリンク処理のフローチャート。
【図26】実施の形態4のインターロック機構の構成説明図。
【図27】実施の形態4の連結機構の構成説明図。
【図28】実施の形態4の連結機構の動作説明図。
【図29】実施の形態4の連結機構の動作説明図。
【図30】実施の形態4の連結機構の動作説明図。
【図31】実施の形態4のクラッチ駆動異常判定処理のフローチャート。
【図32】実施の形態4のクラッチリンク処理のフローチャート。
【符号の説明】
2…変速機、4…入力軸、6…ECU、6a…油圧アクチュエータ、8…シフト操作装置、10…スリーブ位置センサ、12…第1クラッチストロークセンサ、14…第2クラッチストロークセンサ、16…エンジン制御用ECU、18…ディスプレイ、50…ケーシング、52,54…開口部、56…入力側ピストン、56a…突起部、56b,56c…斜面、58…出力側ピストン、58a…係合アーム、58b…斜面、60…ガイド部、60a…軸方向側面、60b,60d…斜面、60c…軸方向面、62,64…スプリング、70…クラッチカバー、72…凸部、74…ディスクプレート、76…カバープレート、78…スプリング、80…凹部、90…第1ピン孔、90a,90b,90c…環状溝、92…第2係合溝、92a…貫通孔、94…第1インターロックピン、96…第2ピン孔、98…第1係合溝、98a…貫通孔、100…第2インターロックピン、102…ボタンピン、102a…環状溝、104…係合ピン、104a…環状溝、106,108…スナップリング、110,112…スプリング収納室、114…スプリング、A1…第1クラッチ出力軸、A2…第2クラッチ出力軸、A3…第1変速機出力軸、A4…第2変速機出力軸、C1…第1クラッチ、C2…第2クラッチ、CAX1,CAX2…シャフト、CMR1…第1クラッチモータ、CMR2…第2クラッチモータ、CS…油圧シリンダ、CSO…油圧室、CSP…ピストン、CSS…スプリング、G1…ドライブギヤ、G2…ドリブンギヤ、I1,I2,I3,I4,I5,I6,IR…ドライブギヤ、IG1,IG2…減速用ドライブギヤ、IL…インターロック機構、ILC…インターロッククラッチ、ILD1…第1入力プッシュロッド、ILD2…第2入力プッシュロッド、ILP…インターロック機構、ILR…インターロック機構、ILS1…第1インターロックスイッチ、ILS2…第2インターロックスイッチ、ISP…インターロッククラッチ加圧スプリング、L1,L2…クラッチ接続機構、LDM1…第1マスタシリンダプッシュロッド、LDM2…第2マスタシリンダプッシュロッド、LS1…第1インターロックスイッチ、LS2…第2インターロックスイッチ、MC1…第1マスタシリンダ、MC2…第2マスタシリンダ、MD1…第1マスタシリンダ駆動機構、MD2…第2マスタシリンダ駆動機構、MR…後進アイドラギヤ、O1,O2,O3,O4,O5,O6,OR…ドリブンギヤ、OG1…第1減速用ドリブンギヤ、OG2…第2減速用ドリブンギヤ、OLD…出力プッシュロッド、OLD1…第1出力プッシュロッド、OLD2…第2出力プッシュロッド、OP…オイルパン、RC1…第1レリーズシリンダ、RC2…第2レリーズシリンダ、RP1…第1レリーズピストン、RP2…第2レリーズピストン、RTP1,RTP2…リターン配管、RVT1…第1リザーバタンク、RVT2…第2リザーバタンク、S1…第1スリーブ、S2…第2スリーブ、S3…第3スリーブ、S4…第4スリーブ、SP1…第1スイッチプレート、SP2…第2スイッチプレート、TD…トーショナルダンパ、VA1…第1油圧抜き弁、VA2…第2油圧抜き弁、VS…油圧切換弁、VSP…油圧切換弁、WH1…第1ウォームホイール、WH2…第2ウォームホイール、WM1…第1ウォーム、WM2…第2ウォーム。

Claims (9)

  1. クラッチと変速機構とを直列に組み合わせた回転動力伝達系を、入力軸と出力軸との間に複数並列に設けるとともに、該回転動力伝達系間での回転動力伝達の切り換えにより変速が可能な複数クラッチ式変速機であって、
    前記クラッチ毎に設けられ、変速時に前記各クラッチの断接駆動を個々に実行する複数のクラッチ駆動手段と、
    前記複数のクラッチの内の1つのクラッチaを駆動する前記クラッチ駆動手段Aと前記複数のクラッチの内の他のクラッチbとを連結することで、前記クラッチ駆動手段Aにて前記クラッチaと前記クラッチbとを連動して断接駆動できるように切り換え可能な連結手段とを備え、
    前記連結手段による前記クラッチ駆動手段Aと前記クラッチbとの連結は、前記クラッチaと前記クラッチbとが同一状態で連動して断接駆動するように行われる
    ことを特徴とする複数クラッチ式変速機。
  2. 請求項1の複数クラッチ式変速機の構成に対して、
    前記クラッチ駆動が異常か否かを検出するクラッチ駆動異常検出手段と、
    前記クラッチ駆動異常検出手段にていずれかの回転動力伝達系でクラッチ駆動が異常であると検出されると、クラッチ駆動が正常なクラッチ駆動手段を前記クラッチ駆動手段Aとし、前記クラッチ駆動が異常と検出されたクラッチを前記クラッチbとして、前記クラッチ駆動手段Aにて前記クラッチaと前記クラッチbとを連動して断接駆動できるように前記連結手段を切り換させる切換手段と、
    を備えたことを特徴とする複数クラッチ式変速機。
  3. 請求項2において、前記各クラッチ駆動手段はクラッチ駆動状態を検出するクラッチ駆動検出センサを備えて該クラッチ駆動検出センサの出力に基づいて前記各クラッチの断接駆動を個々に実行するとともに、
    前記クラッチ駆動異常検出手段は前記クラッチ駆動検出センサの異常を前記クラッチ駆動の異常に含めることを特徴とする複数クラッチ式変速機。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記連結手段は、前記クラッチaを駆動するクラッチ駆動手段Aと前記クラッチbを駆動するクラッチ駆動手段Bとを連結することにより、前記クラッチ駆動手段Aにて前記クラッチaと前記クラッチbとを連動して断接駆動できるように切り換え可能としていることを特徴とする複数クラッチ式変速機。
  5. 請求項4において、前記連結手段は、前記クラッチ駆動手段間に、いずれかのクラッチ駆動手段を通常よりも過剰に駆動した場合に前記クラッチ駆動手段同士を連結させる状態に変化する連結切換部材を備えることを特徴とする複数クラッチ式変速機。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、入力軸と出力軸との間に2つの回転動力伝達系を並列に設けたことを特徴とする複数クラッチ式変速機。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、
    前記連結手段による連結を実行するに当たり、前記変速機構をニュートラル状態とするニュートラル化処理を実行し、その後に前記連結を実行する
    ことを特徴とする複数クラッチ式変速機。
  8. 請求項1〜7のいずれかの複数クラッチ式変速機に対する変速制御装置であって、
    前記連結手段にてクラッチが連動していない回転動力伝達系間での変速が生じた場合には、クラッチを解放している回転動力伝達系の内で要求変速比を実現できる回転動力伝達系に属する変速機構を要求変速比とした後に、前記クラッチ駆動手段にて、今までクラッチを係合して回転動力を伝達していた回転動力伝達系に属するクラッチを解放しかつ前記要求変速比とされている回転動力伝達系に属するクラッチを係合することで変速を実行する変速制御手段を備えたことを特徴とする複数クラッチ式変速機の変速制御装置。
  9. 請求項8において、前記変速制御手段は、前記連結手段にてクラッチが連動している回転動力伝達系間での変速が生じた場合には、前記クラッチ駆動手段Aにて連動しているクラッチを全て解放した状態で要求変速比を実現できる回転動力伝達系に属する変速機構を要求変速比へ切り換えかつ要求変速比を実現できない回転動力伝達系に属する変速機構をニュートラル状態へ切り換えた後、前記クラッチ駆動手段Aにより連動しているクラッチを全て係合することを特徴とする複数クラッチ式変速機の変速制御装置。
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