JP4538748B2 - 連結用フック - Google Patents

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この発明は、自動車の雪上走行時などに用いられる滑り止め用ネット等のタイヤ滑り止め具と、その締め付けバンドを連結するための連結用フックに関するものである。
従来、タイヤ滑り止め具とその締め付けバンドを連結するためのフックは、例えば図6、7に示したようなものが存在する。このような連結用フックは、帯状の鋼板や鉄製の丸棒を略C型に屈曲させた上下のフック体21a、21bを両端部に備え、タイヤTに巻回する滑り止め用ネットNの側端部と、この滑り止め用ネットNを締付ける締付バンドBとを掛止して連結するようにしており、前記両フック体21a、21bの少なくとも一方の表面を軟質合成樹脂材で被覆したものとしている(特許文献1)。
このように構成した従来の連結用フックは、装着時に上下のフック体21a、21bが滑り止め用ネットNおよび締付バンドBのゴム層に与える損傷力を軟質合成樹脂材で緩衝することができるので、これら滑り止め用ネットNおよび締付バンドBの損傷や切断を防止することができるとしている。
さらに、タイヤ滑り止め具とその締め付けバンドを連結するためのフックは、例えば図8、9に示したようなものが存在する。このような連結用フックは、スチールなどの金属材料からなり、略C型に屈曲させた上下のフック体31a、31bを両端部に備え、タイヤに巻回する滑り止め用ネットの側端部と、この滑り止め用ネットを締付ける締付バンドBとを掛止して連結するようにしており、前記下方のフック体31bの屈曲度を上方のフック体31aより小さくし、下方のフック体31bの大きさを上方のフック体31aより大きくしたものとしている。そして、下方のフック体31bの断面形状を楕円形に形成し、その楕円の短径側の面32に前記締付バンドBが掛止するようにしている(特許文献2)。
このように構成した従来の連結用フックは、フックの潰れを防止しながら フックと締付バンドBの係合部が擦れ合って生ずる局部的摩擦の進行を抑えることができ、締付バンドBの耐久性が向上するとしている。
ところで、図6、7および図8、9に示した上記従来の連結用フックは、いずれも上方のフック体21a、31aを滑り止め用ネットNの側端部に掛止させてから、この滑り止め用ネットNおよび締付バンドBに張りを持たせた状態で下方のフック体21b、31bに締付バンドBを掛止させるようにしている。しかし、前記締付バンドBを下方のフック体21b、31bに掛止させる場合、これらフック体21b、31bを略C型に屈曲させたものとしているので、締付バンドBを強く引っ張ってこれらフック体21b、31bの略C型の先端を乗り越えるようにしないと、これらフック体21b、31bに張りを持たせた状態で引っ掛けることができず、両者の掛止が外れてしまうことがある。
そのため、上記従来の連結用フックに締付バンドBを引っ掛けるには、例えば図10に示したような締付バンド取付具を使用していた。この締付バンド取付具は、棒体41の前部に案内溝42を設け、この案内溝42の先端部にフック穴43を設け、このフック穴43より棒体41の後部側の側部にストッパー44を突設し、ストッパー44と前記棒体41の把持部45との間に棒体41に沿って遊動するカラー46を被装している。そして、この締付バンド取付具は、図11に示したように締付バンドBを棒体41と交差させてカラー46の背に載せ、カラー46を先端部まで移動させ、連結用フックの下方のフック体31bの略C型の先端を支点として棒体41をタイヤTの外側方向に回動させると、カラー46上の締付バンドBはカラー46から外れて、棒体41の先端を滑り落ち、下方のフック体31bに滑り込ませることができるものとしている(特許文献3)。
したがって、このように構成した締付バンド取付具を使用すれば、強い力を要することなく連結用フックに締付バンドBを引っ掛けることができるので、女性や老人などの力の弱いものにとってもその作業が簡単に行えるものとなる。
実公平2−1124号公報(第1、2頁、図2、3) 特開2003−252015号公報(第1、3頁、図3) 実開平6−27213号公報(第1頁、図1、4)
しかしながら、従来の連結用フックでは、フック体に締付バンドを引っ掛けるのに、上記のような締付バンド取付具を一々使用するのは手間が掛かり、またその締付バンド取付具を別に用意しなければならないのでは非常に面倒であるという問題点を有していた。
また、従来の連結用フックでは、フック体に締付バンドを引っ掛けるのに、上記のような締付バンド取付具が無い場合には、締付バンドを強く引っ張るのに力を要し、女性や老人などの力の弱いものにとっては、その作業が非常に困難であるという問題点を有していた。
さらに、従来の連結用フックでは、フック体に締付バンドを引っ掛けた後も、上方のフック体と下方のフック体の間が開放しているので、走行中にタイヤが激しく振動した場合など、不用意に連結用フックから締付バンドが外れてしまい、安定した状態で連結用フックに締付バンドを引っ掛けておけないという問題点を有していた。
また、従来の連結用フックでは、フック体に引っ掛けた締付バンドを外すには、再び締付バンドを強く引っ張って、フック体の略C型の先端を乗り越えるように引き上げなければならず、またフック体に引っ掛けた締付バンドを外す場合に使用する適当な道具も存在しないので、女性や老人などの力の弱いものにとっては、その作業が非常に困難であるという問題点を有していた。
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、フック体に締付バンドを引っ掛けるのに、強い力を要することなく行え、締付バンド取付具を使用しなくてもよく、さらに締付バンドを引っ掛けた後は不用意にこの締付バンドが外れてしまうことなく、しかもフック体に引っ掛けた締付バンドを外す作業も、強い力を要することなく簡単に行える連結用フックを提供することを目的としてなされたものである。
そのため、この発明の連結用フックは、フック部材1の上端に、横向き部2aと、この横向き部2aの先端から下に向けた下向き部(2b)からなる第一フック体2を設け、フック部材1の下端に横向き部3aからなる第二フック体3を設け、この第二フック体3に、バネ5の付勢力を受けるようにして開閉部材4を回動自在に取り付け、この開閉部材4が第一フック体2と第二フック体3との離空間Sを開閉するようにしている。
そして、この発明の連結用フックは、前記構成において、第二フック体3の横向き部3aの先端面に小凹部9を設け、開閉部材4の下部に小凸部10を設け、この小凹部9と小凸部10とが、前記離空間Sの全開状態および閉鎖状態において凹凸嵌合するようにしており、さらに第二フック体3の先端面に孔6を設け、開閉部材4の下部に孔7を設けたものとし、この開閉部材4に設けた孔7から第二フック体3に設けた孔6に前記バネ5を介在させてピン8を挿入して、かしめ止めしたものとしている
さらに、この発明の連結用フックは、前記第一フック体2の下向き部2bと開閉部材4の上部とが、離空間Sの閉鎖状態において凹凸嵌合するようにしたものとしている。
また、この発明の連結用フックは、前記第一フック体2の下向き部2bの内面に小凹部11を設け、開閉部材4の上部外面に小凸部12を設け、この小凹部11と小凸部12とが、前記離空間Sの閉鎖状態において凹凸嵌合するようにしたものとしている。
この発明の連結用フックは、以上に述べたように構成されているので、フック体に締付バンドを引っ掛けるのに、強い力を要することなく行え、締付バンド取付具を使用しなくてもよく、さらに締付バンドを引っ掛けた後は不用意にこの締付バンドが外れてしまうことがなく、しかもフック体に引っ掛けた締付バンドを外す作業も、強い力を要することなく簡単に行えるものとなる。
以下、この発明の連結用フックを実施するための最良の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
この発明の連結用フックは、図1〜3に示したように、フック部材1の上端に、横向き部2aと、この横向き部2aの先端から下に向けた下向き部2bからなる第一フック体2を設け、フック部材1の下端に横向き部3aからなる第二フック体3を設け、この第二フック体3に開閉部材4を取り付けたものとしている。そして、この開閉部材4は、前記第一フック体2と第二フック体3との離空間Sを開閉するようにしている。
フック部材1は、金属や合成樹脂の帯状板または棒状材としている。このフック部材1を金属の帯状板や棒状体とした場合には、フック部材1の上端を曲げ加工するなどして第一フック体2を設けたものとし、フック部材1の下端に金属部材を溶接するなどして第二フック体3を設けたものとしている。また、フック部材1を合成樹脂の帯状板や棒状体とした場合には、フック部材1の上端に第一フック体2を、フック部材1の下端に第二フック体3をそれぞれ一体成形するなどして設けたものとしている。
第一フック体2の横向き部2aは、略水平であるのが好ましいが、斜めに傾いていてもよく、第一フック体2の下向き部2bは、略垂直であるのが好ましいが、斜めに傾いていてもよい。また、第二フック体3の横向き部3aは、略水平であるのが好ましいが、斜めに傾いていてもよい。
開閉部材4は、金属や合成樹脂の帯状板または棒状材としている。この開閉部材4は、バネ5の付勢力を受けるようにして、前記第二フック体3の先端に回動自在に取り付けたものとしている。例えば、図2に示したように、第二フック体3の先端面に孔6を設け、開閉部材4の下部に孔7を設けたものとし、この開閉部材4に設けた孔7から第二フック体3に設けた孔6に前記バネ5を介在させてピン8を挿入して、かしめ止めしたものとしている。また、前記第二フック体3の横向き部3aと開閉部材4の下部とは、離空間Sの全開状態および閉鎖状態において凹凸嵌合するようにしている。例えば、図2に示したように、第二フック体3の横向き部3aの先端面に小凹部9を設け、開閉部材4の下部に小凸部10を設け、この小凹部9と小凸部10とが、前記離空間Sの全開状態および閉鎖状態において凹凸嵌合するようにしたものとしている。さらに、前記第一フック体2の下向き部2bと開閉部材4の上部とは、離空間Sの閉鎖状態において凹凸嵌合するようにしている。例えば、図2に示したように、第一フック体2の下向き部2bの内面に小凹部11を設け、開閉部材4の上部外面に小凸部12を設け、この小凹部11と小凸部12とが、前記離空間Sの閉鎖状態において凹凸嵌合するようにしたものとしている。
なお、前記第二フック体3の小凹部9は、この小凹部9に代えて小凸部(図示せず)にしてもよく、開閉部材4の小凸部10は、この小凸部10に代えて小凹部(図示せず)にしてもよい。さらに、前記下向き部2bの小凹部11は、この下向き部2bの外面に設けたものとしてもよく、開閉部材4の小凸部12は、この開閉部材4の上部内面に設けたものとしてもよい。また、前記下向き部2bの小凹部11は、この小凹部11に代えて小凸部(図示せず)にしてもよく、開閉部材4の小凸部12は、この小凸部12に代えて小凹部(図示せず)にしてもよい。
以上のように構成したこの発明の連結用フックは、タイヤ滑り止め具と締付バンドとを次のようにして連結することができる。
先ず、この発明の連結用フックの開閉部材4を回動させ、第一フック体2と第二フック体3との離空間Sを、図3に示したように全開状態にし、第一フック体2をタイヤTに装着したタイヤ滑り止め具Gの側端部に掛止させ、締付バンドBを第二フック体3に掛止させる。
この場合、従来品のように下方のフック体21b、31bを略C型に屈曲させたものでは、これら下方のフック体21b、31bの略C型の先端を乗り越えるまで締付バンドBを引っ張る必要がある。しかし、この発明の連結用フックでは、第二フック体3は横向き部3aからなるものとしているので、この横向き部3aに引っ掛かるまで締付バンドBを引っ張ればよいので、締付バンドBを引っ張る力は従来品より少なくて済むことになる。
さらに、従来品では、上方のフック体21a、31aと下方のフック体21b、31bとの離空間Sが狭いので、下方のフック体21b、31bに締付バンドBを掛止させにくいものとなっているが、この発明の連結用フックでは、第一フック体2と第二フック体3との離空間Sが広いので、第二フック体3に締付バンドBを掛止させやすいものとなる。
なお、この発明の連結用フックでは、前記離空間Sを全開状態にすると、第二フック体3の横向き部3aと開閉部材4の下部とが凹凸嵌合し、この開閉部材4が下方に突き出た状態となるので、この開閉部材4を手指で掴みながら前記締付バンドBを第二フック体3に掛止させれば、この操作が非常に行いやすいものとなる。
したがって、この発明の連結用フックは、締付バンドBを引っ張る力が従来品より少なくて済むので、締付バンドBを第二フック体3に掛止させるときに、女性や老人などの力の弱いものにとってもその作業が簡単に行えるものとなる。
そして、この発明の連結用フックは、締付バンドBを第二フック体3に掛止させた後、図4、5に示したように開閉部材4を回動させて、第一フック体2と第二フック体3との離空間Sを閉鎖状態にする。この離空間Sを閉鎖状態にすると、第一フック体2の下向き部2bと開閉部材4の上部とが凹凸嵌合すると共に、第二フック体3の横向き部3aと開閉部材4の下部とが凹凸嵌合するので、この閉鎖状態が維持されることになる。
したがって、この発明の連結用フックは、走行中にタイヤTが激しく振動した場合なども、前記離空間Sは閉鎖されているので締付バンドBが外れてしまうことはなく、締付バンドBを安定した状態で第二フック体3に掛止させておくことができる。なお、従来品では、上方のフック体21a、31aと下方のフック体21b、31bとの離空間Sが常に開放しているため、走行中にタイヤTが激しく振動した場合など、この離空間Sから不用意に締付バンドBが外れてしまう場合がある。
また、この発明の連結用フックは、タイヤ滑り止め具と締付バンドとの連結を外す場合には、次のようにして行う。
先ず、この発明の連結用フックの開閉部材4を回動させ、閉鎖状態になっている離空間Sを、図3に示したように再び全開状態にする。
そこで、第二フック体3に掛止されている締付バンドBに手指を掛けて、そのまま横方向に引っ張れば、従来のようにフック体の略C型の先端を乗り越えるように引き上げなくてもよいので、強い力を要することなく、第二フック体3から締付バンドBを簡単に外すことができる。
したがって、この発明の連結用フックは、第二フック体3から締付バンドBを外した後、この第二フック体3をタイヤ滑り止め具から外せば、タイヤ滑り止め具と締付バンドとの連結を外すことができる。
この発明の連結用フックの斜視図である。 この発明の連結用フックの分解斜視図である。 この発明の連結用フックの開閉部材の回動状態を示す斜視図である。 この発明の連結用フックの掛止状態を示す説明図である。 この発明の連結用フックの掛止状態を示す正面図である。 従来の連結用フックの一例を示す斜視図である。 図6に示す従来の連結用フックの使用状態を示す説明図である。 従来の連結用フックの他の例を示す側面図である。 図8に示す従来の連結用フックの使用状態を示す説明図である。 従来の連結用フックの締付バンド取付具の側面図である。 図10に示す締付バンド取付具の使用状態を示す説明図である。
1 フック部材
第一フック体
2a 横向き部
2b 下向き部
第二フック体
3a 横向き部
4 開閉部材
5 バネ
S 離空間

Claims (3)

  1. フック部材(1)の上端に、横向き部(2a)と、この横向き部(2a)の先端から下に向けた下向き部(2b)からなる第一フック体(2)を設け、フック部材(1)の下端に横向き部(3a)からなる第二フック体(3)を設け、この第二フック体(3)に、バネ(5)の付勢力を受けるようにして開閉部材(4)を回動自在に取り付け、この開閉部材(4)が第一フック体(2)と第二フック体(3)との離空間(S)を開閉するようにした連結用フックであって、第二フック体(3)の横向き部(3a)の先端面に小凹部(9)を設け、開閉部材(4)の下部に小凸部(10)を設け、この小凹部(9)と小凸部(10)とが、前記離空間(S)の全開状態および閉鎖状態において凹凸嵌合するようにしており、さらに第二フック体(3)の先端面に孔(6)を設け、開閉部材(4)の下部に孔(7)を設けたものとし、この開閉部材(4)に設けた孔(7)から第二フック体(3)に設けた孔(6)に前記バネ(5)を介在させてピン(8)を挿入して、かしめ止めしたものとしたことを特徴とする連結用フック。
  2. 前記第一フック体(2)の下向き部(2b)と開閉部材(4)の上部とが、離空間(S)の閉鎖状態において凹凸嵌合するようにしたことを特徴とする請求項1記載の連結用フック。
  3. 前記第一フック体(2)の下向き部(2b)の内面に小凹部(11)を設け、開閉部材(4)の上部外面に小凸部(12)を設け、この小凹部(11)と小凸部(12)とが、前記離空間(S)の閉鎖状態において凹凸嵌合するようにしたことを特徴とする請求項1記載の連結用フック。
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