JP4538726B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のエンジンなどからの排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒に関し、詳しくは自己回復型の排ガス浄化用触媒に関する。
従来より、自動車の排ガス浄化用触媒として、CO及びHCの酸化とNOx の還元とを同時に行って排気ガスを浄化する三元触媒が用いられている。このような三元触媒としては、コーディエライトなどからなる耐熱性基材にγ−アルミナからなる多孔質担体層を形成し、その多孔質担体層に白金(Pt)、ロジウム(Rh)などの貴金属を担持させたものが広く知られている。
ところで近年、排ガス浄化用触媒の設置場所がエンジンに近いマニホールド直下とされる傾向があり、また高速走行時には排ガス温度が高くなることから、排ガス浄化用触媒は高温に晒される場合が多くなっている。ところが従来の排ガス浄化用触媒では、高温の排ガスによりγ−アルミナの焼結が進行し、これに伴う貴金属の粒成長によって触媒活性点が減少するため触媒性能が劣化するという不具合があった。
そこで、例えば特開平04−122441号公報には、予め熱処理されたアルミナを用いて貴金属を担持させる排ガス浄化用触媒の製造方法が開示されている。この製造方法によれば、アルミナは既に熱処理されているため、得られた排ガス浄化用触媒は高温の排ガスに晒されても焼結がほとんど進行せず、貴金属の粒成長を防止することができる。
また近年では、二酸化炭素の排出量を抑制するために、酸素過剰の混合気を供給するリーンバーンエンジンが主流になっている。しかしながら上記公報に開示された製造方法で製造されたような排ガス浄化用触媒では、酸素過剰のリーン雰囲気下で 800℃以上の高温が作用した場合に貴金属の粒成長が著しく、触媒性能が低下するという不具合があった。
例えばアルミナ表面に担持されたPtは、高温で酸素が共存する雰囲気においてはPtO2となり、気相移動により拡散・凝集が促進される。そのため酸素過剰のリーン雰囲気又はストイキ雰囲気では、高温に晒されるとPtに粒成長が生じ表面積の低下により触媒性能が大きく低下する。そのため従来の排ガス浄化用触媒では、触媒性能の劣化分を見越して多量の触媒金属を担持しており、高価であるとともに貴金属資源の消費量が多いという問題があった。
そこで本願出願人は、特開平08−338897号公報にみられるように、貴金属を担持した担体を非酸化性雰囲気中にて 800℃以上で熱処理する製造方法を提案している。この製造方法によれば、多孔質担体が焼結して細孔が収縮するため、担持されている貴金属は多孔質担体で緊密に取り囲まれる。したがってリーン雰囲気下で高温が作用しても貴金属の移動が多孔質担体によって規制されているため、貴金属の粒成長を抑制することができる。
ところが特開平08−338897号公報に記載の製造方法で製造された排ガス浄化用触媒でも、大気中など酸素過剰のリーン雰囲気下で 800℃を超える高温が長時間作用すると、貴金属に粒成長が生じることが明らかとなった。これは、細孔外に担持されている貴金属粒子が物理的及び化学的に担体に固定されておらず、自由に移動できることが原因であると考えられる。
そこで特開2004−141864には、層間に隙間をもつ多層構造を有するα−アルミナからなる高耐熱性担体を用いた触媒が開示されている。α−アルミナは熱的にきわめて安定であり、1200℃の高温下でも安定であって焼結が生じない。したがってこの担体の層間の隙間に貴金属を担持してなる排ガス浄化用触媒では、担持された貴金属は層間の隙間に挟み込まれた状態となっているので、高温時においても貴金属粒子が移動するのが抑制され、貴金属粒子どうしが凝集して層間の間隔以上に粒成長するのが抑制される。また担体自身も高耐熱性であるので、担体自身の焼結による貴金属の粒成長も抑制されている。これらの相乗作用によって、酸素過剰のリーン雰囲気下で 800℃を超える高温が長時間作用しても、貴金属は高分散状態を維持し活性点が多く存在するため高い活性が発現される。
しかしながら特開2004−141864号に記載の触媒であっても、化学的な作用がないため、物理的な空間であるα−アルミナ多層体の層間の大きさの範囲で貴金属が移動し、層間の大きさまでは貴金属の粒成長が避けられない。
一方、特開2004−041866には、一般式ABPdO3で表されるペロブスカイト型構造の複合酸化物を含む排ガス浄化用触媒が提案されている。このようなペロブスカイト型構造の複合酸化物は、酸化雰囲気でPdを固溶し、還元雰囲気でPdが析出するので、酸化雰囲気におけるPdの粒成長を抑制することができる。また特開2004−041867には、同様の機構をRhで実現した排ガス浄化用触媒が記載され、特開2004−041868には、同様の機構をPtで実現した排ガス浄化用触媒が記載されている。
特開2004−041866 特開2004−041867 特開2004−041868 特開2004−141864
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高温域での触媒貴金属の粒成長をさらに抑制し、耐久性に優れた排ガス浄化用触媒とすることを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、層間に隙間をもつ多層構造を有する高耐熱性酸化物と、層間の隙間に形成され酸化雰囲気で貴金属を固溶し還元雰囲気で固溶した貴金属が析出するランタノイド化合物からなる固溶析出層と、固溶析出層に含まれた触媒貴金属と、を含むことにある。
触媒貴金属は、Pt及びPdの少なくとも一種が好ましい。
さらに層間の隙間の間隔は、50nm以下であることが望ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒によれば、触媒貴金属が固溶析出層への固溶と析出を繰り返すことで、触媒貴金属の粒成長が高度に抑制され、優れた耐久性を示す。また固溶析出層によって層間の隙間がさらに狭められているので、粒成長したとしてもその大きさは特許文献4に記載のものより小さくなり、耐久後の活性が向上する。
さらに固溶析出層の厚さは、酸化物多層体の層間の間隔で規制されるためきわめて薄い。したがって特許文献1〜3に記載のものに比べて固溶した触媒貴金属が析出するまでの時間を短くすることができ、レスポンスが鋭いため触媒貴金属の粒成長をさらに抑制することができる。
また使用中に触媒貴金属が自己再生されるため、従来の排ガス浄化用触媒より触媒貴金属の担持量を低減することが可能となり、貴金属資源を節約することができる。
本発明の排ガス浄化用触媒では、高耐熱性酸化物の層間の隙間に、酸化雰囲気で貴金属を固溶し還元雰囲気で固溶した貴金属が析出する化合物からなる固溶析出層が形成され、かつ固溶析出層に触媒貴金属が含まれている。したがって触媒貴金属が仮に粒成長したとしても、排ガス雰囲気が酸化雰囲気において触媒貴金属が固溶析出層に固溶するので、触媒貴金属は原子レベルの大きさで結晶中に固溶する。そして排ガス雰囲気が還元性雰囲気になると、固溶していた触媒貴金属が固溶析出層の表面に原子レベルの大きさで析出する。したがって活性点の数が多く、高い浄化活性が発現される。かつ酸化雰囲気で触媒貴金属は再び固溶析出層に固溶するため粒成長することができず、この固溶析出反応は酸化還元雰囲気変動に関して可逆であるので、排ガス浄化用触媒として使用中の浄化性能の低下を大きく抑制することができる。
そして層間の隙間に形成される固溶析出層の厚さが薄いので、酸化雰囲気における触媒貴金属の固溶と、還元雰囲気における触媒貴金属の析出とのレスポンスが鋭くなり、触媒貴金属の粒成長をさらに抑制することができる
層間に隙間をもつ多層構造を有する高耐熱性酸化物としては、1000℃以上の高温下で安定であれば、ジルコニア、チタニア、セリアなどを用いることもできるが、層状α−アルミナが特に好ましい材料である。α−アルミナは熱的にきわめて安定であり、1200℃の高温下でも安定であって焼結が生じない。
この層状α−アルミナは、水酸化アルミニウムの結晶粒子を乾燥し、その後1200℃程度の高温で焼成することにより製造することができる。焼成時には、結晶内で層状に密着していた水酸化アルミニウムが収縮し、それによって層間に隙間が生成すると考えられる。水酸化アルミニウムは、住友化学(株)などから市販されているものを用いることができる。なお1000℃以下の焼成温度では、多層構造の層状α−アルミナを製造することが困難であることが明らかとなっている。
高耐熱性酸化物における層間の間隔は、2nm〜50nmであることが望ましい。層間の間隔が50nmより大きいと触媒貴金属粒子が移動し易くなり、高温雰囲気で粒成長する恐れがある。また層間の間隔が2nmより小さいと、層間の隙間に固溶析出層を配置することが困難となる。さらに、層間の間隔が50nm以下であれば、固溶析出層の厚さも50nm以下となる。このように固溶析出層の厚さを薄くすることで、酸化雰囲気における触媒貴金属の固溶と、還元雰囲気における触媒貴金属の析出とのレスポンスが鋭くなるので、触媒貴金属の粒成長をさらに抑制することができるとともに、高い浄化活性が発現される。なお層間の間隔を調整するには、水酸化アルミニウムの焼成速度や温度などを調整することで行うことができる。
固溶析出層は、酸化雰囲気で貴金属を固溶し、還元雰囲気で固溶した貴金属が析出するものであり、ランタノイド化合物を用いることができる。ランタノイド化合物としては、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの酸化物、炭酸塩、硝酸塩などが例示される。
層間の隙間に固溶析出層を形成するには、多層構造を有する高耐熱性酸化物に例えばランタノイド硝酸塩など水溶性ランタノイド化合物の水溶液、ランタノイド元素のアルコキシドを溶解したアルコール溶液などを含浸させる。このような溶液は毛細管現象によって層間の隙間に滲入するので、次いでそのまま蒸発乾固する方法、あるいは沈殿法、ゾルゲル法などにより層間に前駆体を析出させ、それを焼成する方法により、高耐熱性酸化物の層間に固溶析出層を形成することができる。
固溶析出層の形成量は、高耐熱性酸化物の層間の合計容積以下とするのが好ましいが、高耐熱性酸化物中に酸化物換算で5〜30重量%とするのが望ましい。固溶析出層がこの範囲より多くなるとガス拡散が困難となり、この範囲より少ないと効果が低くなる。
触媒貴金属としては、Pt,Rh,Pd,Ir,Ruなど従来の排ガス浄化用触媒に用いられているものの単一種あるいは複数種を用いることができる。特に、高い触媒活性を有するものの粒成長しやすい、PtあるいはPdの場合に効果的である。また触媒貴金属の担持量は、固溶析出層に固溶できる最大量より少ないことが望ましいが、高耐熱性酸化物に対して 0.1重量%以上であり、 0.5〜20重量%とするのが好ましい。担持量がこの範囲より少ないと排ガス浄化用触媒としての活性が低すぎて実用的でなく、この範囲より多く担持すると固溶析出層に固溶できなかった分が粒成長する場合がある。
固溶析出層に触媒貴金属を含ませるには、高耐熱性酸化物の層間の隙間に先ず触媒貴金属を担持し、その後に固溶析出層を形成する方法、あるいは先ず層間の隙間に固溶析出層を形成しておき、そこに触媒貴金属を担持する方法のいずれも用いることができる。しかしながら、先に固溶析出層を形成している場合には、触媒貴金属が層間の隙間に進入しにくくなって隙間以外に担持される場合があり、そのような触媒貴金属は粒成長が避けられないので、触媒貴金属を担持後に固溶析出層を形成する方法が特に好ましい。
例えば高耐熱性酸化物の層間の隙間に貴金属を担持するには、貴金属化合物薬液を用い毛細管現象を利用して層間の隙間に含浸させ、その後蒸発乾固することで担持することができる。この場合、高耐熱性酸化物に吸着しにくい貴金属化合物薬液を用いることが望ましい。吸着しやすい薬液を用いると、層間の隙間あるいは固溶析出層以外に担持される貴金属が多くなり、それらが高温時に粒成長するという不具合がある。
なお蒸発乾固する際には、溶媒が完全に蒸発するまで撹拌など外部から応力を加えることが望ましい。特に、溶媒が完全に蒸発するまで撹拌などの外部剪断応力を加え続けることが望ましい。溶媒が残っている状態で撹拌などを停止すると、貴金属化合物薬液と高耐熱性酸化物とが分離して層間の隙間に触媒貴金属を十分に担持することが困難となる。しかし溶媒が完全に蒸発するまで撹拌などの外部剪断応力を加え続ければ、貴金属化合物薬液と高耐熱性酸化物との分離が回避され、隙間に触媒貴金属を均一かつ十分に担持することができる。
本発明の排ガス浄化用触媒は、層間の隙間に酸化物粒子がさらに担持された構造とすることも好ましい。この酸化物粒子が介在することによって貴金属粒子が層間の隙間内を移動するのがさらに抑制されるので、触媒貴金属の粒成長をさらに抑制することができる。
この酸化物粒子としては、固溶析出層及び触媒貴金属と反応しないものであり、ジルコニア,セリア,チタニア,あるいはこれらから選ばれる複数種の複合酸化物などが例示される。シリカなどは、触媒貴金属と反応して活性が低下するため好ましくない。またアルミナなどは、ランタノイド化合物と複合酸化物を生成する場合があり、固溶析出層の作用が損なわれる場合がある。
酸化物粒子の担持量は特に制限されないが、高耐熱性酸化物に対して1重量%以上とすることが望ましい。これ以下では担持した効果が発現されない。また酸化物粒子を層間の隙間に担持するには、焼成により酸化物となる可溶性塩の溶液を用い、触媒貴金属の担持と同様に含浸させた後に焼成することで担持することができる。
なお先ず貴金属を担持し、その後に酸化物粒子を担持し、最後に固溶析出層を形成することが望ましい。この逆では、例えば酸化物粒子の担持量が多い場合など、層間の隙間への触媒貴金属の担持が困難となる場合がある。
本発明の排ガス浄化用触媒は粉末状であり、そのまま用いることもできるが、ペレット化してペレット触媒とすることができる。あるいはコージェライト製や金属箔製のハニカム基材、フォーム基材などの排ガス流路表面にコートして用いてもよいし、ウォールフロー構造のフィルタの隔壁細孔中にコートしてフィルタ触媒とすることもできる。また本発明の粉末触媒をそのまま用いてもよいし、Rh/ZrO2触媒粉末など他の触媒粉末と混合して用いることもできる。
なお固溶析出層への触媒貴金属の固溶が生じる酸化雰囲気は、A/F=14.7以上で燃焼された排ガス雰囲気であり、触媒貴金属が析出する還元雰囲気は、A/F=14.6以下で燃焼された排ガス雰囲気であるので、一般のガソリンエンジンと三元触媒を搭載した車両の市街地走行時には、両雰囲気が頻繁に繰り返されることになる。またリーンバーンエンジンを搭載した車両においても、NOx 吸蔵還元触媒によるNOx 還元時には上記還元雰囲気となるので、本発明の排ガス浄化用触媒を有効に利用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
市販の水酸化アルミニウム結晶粒子(住友化学(株)製)を 120℃で2時間乾燥して脱水し、その後大気中にて1200℃で5時間焼成して、層間に隙間をもつ多層構造を有する層状α−アルミナ粉末を調製した。この層状α−アルミナ粒子は、平均一次粒子径が3μm、比表面積が数m2/g、層間の間隔は20〜50nmであった。
この層状α−アルミナ粉末に、所定濃度のジニトロジアンミン白金水溶液の所定量を含浸し、溶媒が完全に蒸発するまで撹拌しながら蒸発乾固させ、大気中にて 120℃で2時間乾燥し 400℃で2時間焼成してPtを担持した。Ptの担持量は1重量%である。
次いでPtを担持した層状α−アルミナ粉末に、所定濃度の硝酸ランタン水溶液の所定量を含浸し、溶媒が完全に蒸発するまで撹拌しながら蒸発乾固させ、大気中にて 120℃で2時間乾燥し 400℃で2時間焼成して層間の隙間に酸化ランタンからなる固溶析出層を形成した。酸化ランタンは大気中の二酸化炭素と反応し、炭酸ランタンとなるが、いずれもランタノイド化合物である。なお固溶析出層の形成量は、La換算で10モル%である。
得られた触媒粉末を圧粉成形し、それを粉砕して 0.5〜 1.7mmのペレット触媒を調製した。
図1に得られた触媒の模式的な拡大断面図を示す。この触媒は、多層構造の層状α−アルミナ1と、層状α−アルミナ1の層間の隙間10に形成された固溶析出層2及びPt3とからなり、酸化雰囲気ではPtは固溶析出層2に固溶している。そして還元雰囲気では、固溶していたPt3が固溶析出層2の表面に析出する。
(実施例2)
実施例1と同様に調製された層状α−アルミナ粉末に、先ず実施例1と同様に所定濃度の硝酸ランタン水溶液の所定量を含浸して固溶析出層を形成した。次いで実施例1と同様にしてPtを担持した後、同様にペレット触媒を調製した。
(実施例3)
硝酸ランタン水溶液に代えて硝酸プラセオジム水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の触媒を調製した。固溶析出層の形成量は、Pr換算で10モル%である。
(実施例4)
硝酸ランタン水溶液に代えて硝酸ネオジム水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の触媒を調製した。固溶析出層の形成量は、Nd換算で10モル%である。
(実施例5)
ジニトロジアンミン白金水溶液に代えて硝酸パラジウム水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の触媒を調製した。Pdの担持量は1重量%である。
(実施例6)
ジニトロジアンミン白金水溶液に代えて硝酸パラジウム水溶液を用いたこと、硝酸ランタン水溶液に代えて硝酸プラセオジム水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の触媒を調製した。固溶析出層の形成量はPr換算で10モル%であり、Pdの担持量は1重量%である。
(比較例1)
固溶析出層を形成せずにPtのみを担持したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の触媒を調製した。
(比較例2)
ジニトロジアンミン白金水溶液に代えて硝酸パラジウム水溶液を用いたこと、固溶析出層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の触媒を調製した。Pdの担持量は1重量%である。
(比較例3)
層状α−アルミナ粉末に代えて市販のγ−アルミナ粉末を用いたこと、固溶析出層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の触媒を調製した。
(比較例4)
層状α−アルミナ粉末に代えて市販のγ−アルミナ粉末を用い、実施例1と同様に所定濃度の硝酸ランタン水溶液の所定量を含浸して固溶析出層を形成した。次いで実施例1と同様にしてPtを担持した後、同様にペレット触媒を調製した。
<試験・評価>
各実施例及び各比較例のペレット触媒の製造方法及び組成を表1にまとめて示す。
Figure 0004538726
各実施例及び各比較例のペレット触媒について、表2に示すリッチガスとリーンガスを1分毎に切り換えて流しながら、1100℃で5時間加熱する耐久試験を行った。
Figure 0004538726
耐久試験後の各ペレット触媒を評価装置にそれぞれ配置し、表2に示すストイキ雰囲気のモデルガス流通下にて、空間速度SV=21万/hで、 500℃×20分の前処理後20℃/分で連続昇温し、その間のHC、CO及びNOx の浄化率を連続的に測定した。この結果からHC、CO及びNOx の50%浄化温度を算出し、結果を図2に示す。
Figure 0004538726
図2より、各実施例の触媒は各比較例の触媒に比べて耐久試験後も高い浄化性能を示していることがわかり、触媒貴金属の担持量は実施例も比較例も同一であることから、各実施例の触媒では触媒貴金属の粒成長が抑制されたために高い浄化性能が発現されたことが明らかである。さらに比較例3と比較例4とはほぼ同等に性能が悪いことから、層間の隙間以外に固溶析出層を形成しても効果が無いことがわかり、各実施例の触媒では、層間の隙間に触媒貴金属を含む固溶析出層を形成することによって触媒貴金属の粒成長を最大に抑制できることが明らかである。
また実施例1と実施例2との比較より、触媒貴金属を担持した後に固溶析出層を形成する方法が好ましいことがわかり、実施例1と実施例5との比較、及び実施例3と実施例6との比較から、PtよりPdの方がより粒成長抑制の効果が高いこともわかる。
本発明の排ガス浄化用触媒は、酸化触媒、三元触媒、NOx 選択還元触媒、NOx 吸蔵還元触媒、ディーゼルフィルタ触媒などに利用することができる。
本発明の一実施例の排ガス浄化用触媒の作用を説明する模式的な拡大断面図である。 実施例及び比較例の触媒の50%浄化温度を示すグラフである。
符号の説明
1:層状α−アルミナ(高耐熱性酸化物) 2:固溶析出層 3:Pt
10:層間の隙間

Claims (3)

  1. 層間に隙間をもつ多層構造を有する高耐熱性酸化物と、該層間の隙間に形成され酸化雰囲気で貴金属を固溶し還元雰囲気で固溶した該貴金属が析出するランタノイド化合物からなる固溶析出層と、該固溶析出層に含まれた触媒貴金属と、を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記触媒貴金属は白金及びパラジウムの少なくとも一種である請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記層間の隙間の間隔は50nm以下である請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
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