JP4538409B2 - 空気タイヤの空気自動供給機構 - Google Patents
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Description
日本国特許出願2003年第090079号(2003年3月28日出願)、及び国際出願PCT/JP/2003/015820(国際出願日2003年12月10日)の明細書、請求の範囲、図面および要約を含む全開示内容は、これら全開示内容を参照することによって本出願に合体される。
しかしながら、例えば空気入れポンプによって空気タイヤに空気を供給する場合は、空気入れポンプの操作に相当な力を要する。そのため、例えば力の弱い者等にとっては、空気入れポンプの操作を行い難く、空気を供給するのが容易でないという問題点がある。
本願発明は、更に、雨水等の水が圧縮空気生成部に入るおそれの少ない空気タイヤの空気自動供給機構の提供を目的とする。
本願発明は、更に、車輪本体の少ない回転数で圧縮空気の生成量を多くすることができ、しかも、小さい力で圧縮空気を生成できる空気タイヤの空気自動供給機構の提供を目的とする。
本願発明は、更に、短い走行距離で十分な量の圧縮空気を生成でき、通常の走行では走行距離が短く車輪の回転数が少ない車椅子等の車両の空気タイヤに圧縮空気を供給できる空気タイヤの空気自動供給機構の提供を目的とする。
本願発明は、更に、車輪本体の少ない回転数で圧縮空気の生成量を多くすることができ、しかも、小さい力で圧縮空気を生成できる空気自動供給機構であって、車両の走行に際して空気タイヤに空気を供給できると同時に、空気タイヤ以外の車両の他の部分に空気を供給できる空気自動供給機構の提供を目的とする。
本願発明は、更に、車軸に対する車輪本体の回転抵抗を小さくできる空気タイヤの空気自動供給機構の提供を目的とする。
この発明による空気タイヤの空気自動供給機構は、車両の車軸に対して回転可能な車輪本体に設けられた空気タイヤに、空気を自動供給し得る空気タイヤの空気自動供給機構であって、
車軸に対する車輪本体の回転に際して圧縮空気を生成する圧縮空気生成部を備え、この圧縮空気生成部で生成した圧縮空気を空気タイヤに供給できるようにしたものである。
本発明の特徴は、上記のように広く示すことができるが、その構成や内容は、目的および特徴とともに、図面を考慮に入れた上で、以下の開示によりさらに明らかになるであろう。
図2は、図1のII−II線に沿う拡大した断面説明図である。
図3は、図2のIII−III線に沿う断面説明図である。
図4は、第2通気路及び第3通気路を示す要部拡大断面説明図である。
図5は、図4のV−V線断面図である。
図6は、図2の状態から、圧縮空気生成部の摺動部が最上位置まで摺動した状態の断面説明図である。
図7は、図6のVII−VII線に沿う断面説明図である。
図8は、図1のVIII−VIII線に沿う拡大した断面説明図である。
図9は、第2実施形態の空気自動供給機構を有する車椅子の車輪の側面図である。
図10は、図9のX−X線に沿う拡大した断面説明図である。
図11は、図10のXI−XI線に沿う断面説明図である。
図12(A)は、摺動子の正面図である。
図12(B)は、図12(A)のXII−XII線断面図である。
図13(A)は、カム部の部分拡大断面図である。
図13(B)は、図13(A)のXIII−XIII線断面図である。
図14は、図11の状態から、第1圧縮空気生成部の摺動部が最上位置に向かって摺動するとともに、第2圧縮空気生成部の摺動部が最下位置に向かって摺動している状態の断面説明図である。
図15は、図14の状態から更に摺動し、第1圧縮空気生成部の摺動部が最上位置まで摺動するとともに、第2圧縮空気生成部の摺動部が最下位置まで摺動した状態の断面説明図である。
図16は、図15のXVI−XVI線断面図である。
図17は、図16の状態から、第1圧縮空気生成部の摺動部が最下位置に向かって摺動するとともに、第2圧縮空気生成部の摺動部が最上位置に向かって摺動した状態の断面説明図である。
図18は、本願発明の第3実施形態の空気自動供給機構を有する自転車の側面図である。
図19は、第3実施形態の空気自動供給機構の要部の拡大断面説明図である。
図20は、回転接続部材を縦断面にした説明図である。
図21は、回転接続部材を横断面にした説明図である。
図22は、第3実施形態の空気自動供給機構を有する自転車のサドル部の一部の拡大断面図である。
図23は、本願発明の第4実施形態の空気自動供給機構の説明図である。
図24は、第4実施形態の空気自動供給機構を有する自転車のブレーキ装置の拡大断面説明図である。
図25は、図24の状態からブレーキワイヤーを操作してブレーキシューをドラムに当接させた状態の拡大断面説明図である。
図26は、第1軸嵌挿孔及び第2軸嵌挿孔の両方を、摺動溝を有するものに形成した実施形態の断面説明図である。
図27は、ハブ体の回転に際し、ピストン部材の保持軸がピストン保持部に対して必要な移動量を算出する際の説明図である。
この実施形態の空気タイヤの空気自動供給機構は、自転車の前側の車輪100に設けられている。この空気タイヤの空気自動供給機構を有する自転車用の車輪100は、車軸101と、車軸101に対して回転可能な車輪本体110とを備えている。
車軸101は、図2に示すように、外周にネジ部101aを有する車軸本体101dと、車軸本体101dの左右両側の夫々に螺合されて固定された玉押し101b、101bと、パイプ状の位置決め部材114とを備えている。尚、位置決め部材114については、後述する。
車輪本体110は、図1に示すようにハブ体102と、空気タイヤ103と、空気自動供給機構とを備えている。ハブ体102は、図2に示すように筒状のハブ胴102aと、ハブ胴102aの左右の両側夫々に固定された右支持部102b及び左支持部102cとを備えている。
これらの各支持部102b、102cは、ハブ胴102aの外周を嵌挿するようにして、ハブ胴102aに回転不能に取り付けられている。また、ハブ胴102aの左右の両側夫々に右支持部102b及び左支持部102cが取り付けられることにより、ハブ体102の内部に、外部と区画された区画空間部111が区画形成されている。
又、これらの各支持部102b、102cとハブ胴102aの外周との嵌挿に際し、両者間に、合成ゴム製からなるリング状の防水パッキン112、112が配設されており、これにより、各支持部102b、102cとハブ胴102aの外周との間から区画空間部111に水が入らないようにされている。
各支持部102b、102cの径方向の内側には、鋼球を転がり可能に受ける鋼球受け部102dと、鋼球受け部102dに転がり可能に配設された複数の鋼球107...107とが備えられている。又、鋼球受け部102dの径方向の内側に、車軸101を通す車軸孔102e、102eが備えられている。
そして、図4に示すように、これらの車軸孔102eに車軸101が通されるとともに、車軸本体101dに螺合された玉押し101b、101bと鋼球受け部102dとの間に複数の鋼球107...107がグリス(図示せず)と共に転がり可能に配設され、これらの鋼球107...107を介して鋼球受け部102dが車軸本体101dに回転自在に支持されている。これにより、ハブ体102が車軸101に対して回転自在とされている。
各支持部102b、102cの径方向の外側には、図2、図3に示すように複数のスポーク孔102f...102fを有する鍔102g、102gが備えられている。そして、各鍔102gの各スポーク孔102f...102fに、各スポーク104(図1に図示)の基端側が係止されている。又、図1に示すように、その係止された各スポーク104の先端側はリム105に係止されている。これにより、リム105がハブ体102に固定され、車軸101に対して回転可能とされている。
空気タイヤ103は、リム105に取り外し可能に係止されることにより、車軸101に対してリム105と共に回転できるようになっている。又、図8に示すように、空気タイヤ103の内側には、空気を保持した空気保持部としての空気保持チューブ103bが備えられている。
又、この空気保持チューブ103bは、空気を出し入れるためのバルブ106を備えている。このバルブ106は、筒状体から構成され、図の下端側には空気入れ口106aが設けられ、図示上端側にはバルブ孔106bが設けられている。又、このバルブ孔106bは、バルブ106の外周に被せられた合成ゴム製の筒状の逆流防止弁106cによって塞がれている。
そして、このバルブ106は、空気保持チューブ103bに設けられた筒状のバルブ取付け用口金103c内に入れられ、バルブ取付け用口金103cに螺合されたバルブ止めナット106dによって抜け止めされている。そして、空気入れ口106aから、バルブ孔106bを塞いでいる逆流防止弁106cの弾性に抗して空気入れポンプ等によって空気が送り入れられると、逆流防止弁106cを押しのけて空気保持チューブ103b内に空気が入るようになっている。又、空気保持チューブ103b内に空気が入った後は、逆流防止弁106cの弾性によってバルブ孔106bを塞ぐ。これにより、空気保持チューブ103b内の空気がバルブ孔106bから外に出るようなことが防止されるようになっている。
尚、逆流防止弁106c、バルブ取付け用口金103c及びバルブ止めナット106dは、一般的な自転車用の車輪の空気保持チューブ103bに採用されているものであるが、この形態のものを使用するものに限らず、適宜変更して使用できる。又、本願発明の空気自動供給機構は、このような空気タイヤ103におけるバルブ106を必ずしも必要とせず、バルブ106を有しない空気タイヤ103にも適応できる。又、バルブを設ける場合、上述の図8に示した英式バルブ(ウッズバルブ)のものに限らず、例えば米式バルブ(シュレーダーバルブ)或いは、仏式バルブ(フレンチバルブ)を使用でき、適宜変更できる。
このように構成された車輪100は、車軸101の左右両側が自転車の車体にナット108,108(図2に図示)を介して固定される。これにより、車輪本体110が自転車の車体に回転可能とされる。
次に、空気自動供給機構について説明する。この実施形態の自転車用空気タイヤの空気自動供給機構は、圧縮空気を生成して空気タイヤに送り込む空気送り込み部を備えている。この空気送り込み部は、図2、図3に示すように圧縮空気を生成する圧縮空気生成部1と、圧縮空気生成部1によって生成された圧縮空気を空気タイヤ103に導いて供給するための空気タイヤ用圧縮空気供給路2とを備えている。
圧縮空気生成部1は、空気を圧縮するための圧縮室31と、圧縮室31の空気を圧縮操作する圧縮操作体としてのピストン部材32と、圧縮室31に外部から空気を取り込むための空気取り込み口4と、空気取り込み口4から圧縮室31内に水が入るのを防止する防水機構51、52、54、55とを備えている。
圧縮室31は、断面円形状の内ケーシング3aの内部に形成されている。この内ケーシング3aの外周側には、断面円形状の外ケーシング3bが回転不能に配設されている。又、外ケーシング3bの基端側には、ハブ取付け部30b、30b(図3に図示)が備えられている。そして、このハブ取付け部30b、30bが、ハブ体102のハブ胴102aの外周にボルト30c、30cを介して固定されている。これにより、内ケーシング3aが、外ケーシング3bを介してハブ体102のハブ胴102aの外周側に取付けられ、ハブ体102のハブ胴102aの外周側に突出されている。
このようにしてハブ体102に取付けられた内ケーシング3aの内部には、区画壁7が備えられている。そして、この区画壁7によって内ケーシング3aの内部が、図の下側の圧縮室31と、図の上側の後述する空気タイヤ用圧縮空気供給路2の連通用供給路13bとに区画形成されている。
上記のように構成された圧縮室31の空気を圧縮操作するピストン部材32は、操作本体としての棒状のピストンロッド33と、後述するカム9のカム面91aに当接するカム当接部35と、カム9に保持されるカム保持部とを備えている。ピストンロッド33は、内ケーシング3aに設けられた合成ゴム製の筒状のロッド案内部材38に摺動可能に通されることにより、ピストンロッド33における図2の上部側の先端部は、圧縮室31内に入れられている。この状態で、ピストンロッド33は、カム9のカム面91aの径方向の外側に、ピストンロッド33の軸心と圧縮室31の軸心とがほぼ一致するように配位されている。そして、このピストンロッド33の先端部には、摺動部34が備えられている。
摺動部34は、圧縮室31の内周径と略同じ程度の径に形成されており、圧縮室31の内周壁に沿って圧縮室31の軸方向、即ち車軸101及びカム9の径方向に摺動可能とされている。又、摺動部34には、合成ゴムから構成されたリング状のパッキン34aが備えられている。
ピストンロッド33における図の下部側の基端部は、圧縮室31のロッド案内部材38からハブ胴102aに穿設されたピストン導入孔115に通されることによりハブ体102の区画空間部111に入れられている。そして、このピストンロッド33の基端部に、カム当接部35とカム保持部とが設けられている。
カム当接部35は、この実施形態では、図2に示すように、回転自在なローラー37の外周の一部から構成されている。より詳しくは、ローラー37は、その一部がピストンロッド33とカム9のカム面91aとの間にピストンロッド33からカム9のカム面91a側に突出し、その状態で、保持軸36によって、ピストンロッド33に回動自在に取り付けられている。そして、そのカム面91a側に突出したローラー37の外周の一部がカム当接部35を構成している。この実施形態におけるカム当接部35は、ピストンロッド33の軸心を延長した軸心延長線q上に形成されている。
カム保持部は、この実施形態では、ローラー37を取り付けた上記保持軸36の一部から構成されている。より詳しくは、保持軸36は、ピストンロッド33に穿設された軸挿通孔及びローラー37に設けられた軸挿通孔に通されるとともに、ピストンロッド33の左側方側に突出され、その状態で、ピストンロッド33に取り付けられている。そして、その突出した保持軸36の突出部36aが、カム9に保持されるカム保持部を構成している。
ローラー37が転がり走行して周回するカム9は、外周にローラー37と当接する断面円形状のカム面91aを有するカム本体91と、ピストン部材32を取り外し自在に保持する操作体保持部としてのピストン保持部92とを備えている。ピストン保持部92は、円盤状のものから構成されている。ピストン保持部92の中心部には、カム本体91を回転自在に受容するカム本体受容孔92aが備えられている。そして、このカム本体受容孔92aに、カム本体91を回転可能に受容することにより、ピストン保持部92は、カム本体91のカム面91aの軸方向の左側方側に配位されている。
また、ピストン保持部92におけるカム本体受容孔92aの外周側に、ピストン部材32の保持軸36の突出部36aを回転自在に嵌挿する軸嵌挿孔92b・・・92bが備えられている。そして、この軸嵌挿孔92bに、上記保持軸36の突出部36aが出し入れ可能に嵌挿されている。尚、この実施形態では、軸嵌挿孔92b・・・92bは、軸支持部材92のカム本体受容孔92aの軸心を中心とする同一円周上において周方向に略120°ずつ隔てた三箇所のそれぞれに設けられた三つから構成されている。そして、三つの軸嵌挿孔92b・・・92bの内の何れかに保持軸36の突出部36aを嵌挿すれば良いようにされている。
このようにして、圧縮空気生成部1のピストン部材32は、保持軸36を介してカム9に取り外し自在に保持されている。従って、この実施形態では、ピストン部材32のローラー37をカム面91aに常時当接状態に押圧するピストンロッド付勢用のコイルバネは設けられておらず、ピストン部材32がカム9に保持された確動カムから構成することにより、ピストン部材32のローラー37をカム面91aに常時当接させ、ハブ体102の回転に伴なってカム面91aを走行できるようにしている。尚、ピストン部材32は、カム9に保持される形態のものに限らず、ピストンロッド付勢用のコイルバネを設け、ピストンロッド付勢用のコイルバネによってカム面91aに常時当接状態に押圧するようにしても良い。
又、カム9には、図3に示すように、車軸101を挿通させるための車軸挿通孔93が穿設されている。この車軸挿通孔93の中心O2は、上記カム面91aの中心O1から所定距離を隔てている。
この車軸挿通孔93に、車軸101が挿通された後、図2に示すように左右両側からカム固定用ナット44、44によって車軸101に固定されている。又、このカム固定用ナット44は、車軸101に設けた位置決め部材114によって玉押し101bに対する位置が決められている。そして、この固定状態で、図3に示すように車軸挿通孔93の中心O2は、ハブ体102の回転の中心O3と一致する。
従って、図2及び図3に示す状態における圧縮空気生成部1のローラー37の当接しているカム面91aの位置が車軸挿通孔93の中心O2からの距離が最も小さくなる径小部Aとなる。又、その径小部Aから周方向に車軸挿通孔93の中心O2からの距離が漸次大きくなり、半周した位置で、車軸挿通孔93の中心O2からの距離が最も大きくなる径大部Bとなる。
又、そのカム面91aの径小部Aにローラー37がきたとき、図2、図3に示すようにピストンロッド33の摺動部34が、圧縮室31を最も下降し圧縮室31の容積を最大にする最下位置A1となる。一方、カム面91aの径大部Bにローラー37がきたとき、図6、図7に示すようにピストンロッド33の摺動部34が、圧縮室31を最も上昇し圧縮室31の容積を最小にする最上位置B1となる。
圧縮空気生成部1の空気取り込み口4は、上述のように圧縮室31に、外部から空気を供給するためのものである。この実施形態では、図2に示すように、ピストンロッド33の摺動部34が圧縮室31を摺動する最下位置A1から最上位置B1までの摺動部34の移動範囲における最下位置A1の近傍の位置に、内ケーシング3aの外周壁から圧縮室31に貫通するようにして形成されている。
空気取り込み口4を、圧縮室31における摺動部34の最下位置A1の近傍の位置に設けることにより、摺動部34が最下位置A1から空気取り込み口4を超え、その超えた位置から最上位置B1への摺動に際して、圧縮室31の空気を、空気取り込み口4に逃がすことなく圧縮できる。従って、空気取り込み口4を、上記位置に設けることにより、圧縮室31での摺動部34の摺動による空気の圧縮に際して圧縮室31から空気取り込み口4に空気が流れないようにするための逆流防止弁を不要にでき、簡素化できると共に低コストで製作できる。
その一方、空気取り込み口4を、圧縮室31における摺動部34の最下位置A1の近傍の位置に設ける場合は、摺動部34が最上位置B1から最下位置A1に向かって摺動する際に空気取り込み口4に達するまでは、圧縮室31に空気が入らないため、圧縮室31は負圧の状態になる。
従って、例えば空気取り込み口4を摺動部34の移動範囲における最上位置B1の近傍の位置に設けるようにして実質的に負圧状態にならないようにした場合に比べ、摺動部34が最上位置B1から最下位置A1にかけて摺動する際の抵抗が大きくなる。
よって、空気取り込み口4を、上記のように圧縮室31における摺動部34の最下位置A1の近傍の位置に設ける場合において、ピストン部材32をカム9に保持させないで、ピストンロッド33を最上位置B1から最下位置A1の方向に付勢する圧縮操作体付勢用としてのピストンロッド付勢用のコイルバネを設け、そのコイルバネの付勢力によってピストンロッド33の摺動部34を最上位置B1から最下位置A1に摺動させる場合は、上記圧縮室31の負圧に抗して摺動させことができる大きさの付勢力を有するコイルバネを用いることが必要となる。
しかし、そのような付勢力の大きいコイルバネを用いると、摺動部34を最下位置A1から最上位置B1に摺動させる際には、コイルバネの付勢力に抗して摺動させなければならず、車軸101に対するハブ体201の回転抵抗が大きくなってしまう。従って、空気取り込み口4を、圧縮室31における摺動部34の最下位置A1の近傍の位置に設ける場合は、この実施形態のように、ピストンロッド付勢用のコイルバネを設けないで、ピストン部材32をカム9に保持させた確動カムから構成するのが、車軸101に対するハブ体201の回転抵抗を小さくして円滑に回転できる点で好ましい。
尚、空気取り込み口4の位置は、上記の位置に設ける形態のものに限らず、例えば摺動部34の移動範囲における最上位置B1の近傍の位置に設けるようにしても良い。ただし、この場合は、逆流防止弁を付設しなければならず、製作工程が多くなるとともに、コスト高になってしまう。従って、上記実施形態のように空気取り込み口4を、摺動部34の移動範囲における最下位置A1の近傍の位置に設けるのが、簡素化できると共に低コストで製作できる点で好ましい。
圧縮空気生成部1の防水機構は、この実施形態では、第1通気路51と、第1通気路51に続く第2通気路としての右車軸間隙通気路52と、右車軸間隙通気路52に続く第3通気路54と、シール部材55とを備えている。
第1通気路51は、空気取り込み口4とハブ体102の区画空間部111とを通気可能に連通し、区画空間部111内の空気を区画空間部111から空気取り込み口4に案内する。この実施形態における第1通気路51は、外ケーシング3bの内周壁に、空気取り込み口4からハブ体102の区画空間部111にかけて形成された案内溝から構成されている。
右車軸間隙通気路52は、図4、図5に示すようにハブ体102の右支持部102bの車軸孔102eの内周面とその車軸孔102eに通した車軸101との間の車軸間隙52aから、車軸101の玉押し101bと鋼球受け部102dとの間に配設された鋼球107、107同士間の鋼球間隙52b・・・52bを通るように延びた、右支持部102bに形成された空間路から構成されている。
尚、この実施形態では、車軸孔102eには、位置決め部材114が配設されており、車軸間隙52aは、車軸孔102eの内周面と位置決め部材114の外周との間に形成されている。
第3通気路54は、図4に示すように、筒状体56の内周面と車軸101の外周との間に、右車軸間隙通気路52と外部とを連通するように区画形成されている。
より詳しくは、筒状体56は、合成樹脂から構成されており、図4に示すように左端側の外周に、右支持部102bに取り付けるための係止用突起56aが備えられている。
そして、係止用突起56aが右支持部102bに設けられた係止用溝102hに嵌め入れられることにより、筒状体56がハブ体102の右支持部102dに取り付けられている。
また、筒状体56の外周と右支持部102bとの間には、防水パッキン116が配設されており、この防水パッキン116によって筒状体56の外周と右支持部102bとの間から、水が右車軸間隙通気路52に入り込まないようにされている。
このようにして、ハブ体102の右支持部102bに取り付けられた筒状体56には、車軸101が挿通されており、筒状体56の内周面と車軸101との間に、右車軸間隙通気路52と外部とを連通する第3通気路54が、車軸101の外周側に全周に渡って形成されている。この実施形態では、筒状体56の内周側には、車軸101の玉押101bが配設されており、第3通気路54は、玉押し101bの外周と筒状体56の内周面との間に形成されている。
又、第3通気路54は、筒状体56の内周面を、右側の外部側に行くに従って漸次径が大きくなるテーパー状にすることにより形成した外側(図4では、右側)のテーパー部59aと、テーパー部59aの内側(図4では、左側)に、テーパー部59aから径方向の内側に延設した閉鎖部59bによって形成した径方向の幅L1の狭い径小幅狭部59cとが備えられている。この実施形態におけるテーパー部59aのテーパー角Pは、10°に設定されている。
また、第3通気路54には、径小幅狭部59cの右側方側に、筒状体56の内周面と被覆部材60とによって形成された径大幅狭部61が備えられている。この被覆部材60は、径小幅狭部59cの径より外径の大きい円板状のものから構成され、筒状体56のテーパー部59aの径方向の内側に配設されるようにして、車軸101に固定されている。
これにより、被覆部材60の外周と筒状体56のテーパー部59aとの間に、径方向の幅L2が径小幅狭部59cの幅L1と同程度で、径小幅狭部59cよりも径の大きい径大幅狭部61が形成されている。従って、この実施形態の第3通気路54は、径の異なる二つの幅狭部59c、61を備え、これらの二つの幅狭部59c、61によって空気が蛇行して流れ得るように形成されている。又、この実施形態では、径小幅狭部59cの幅L1及び径大幅狭部61の幅L2を0.5mm程度に設定している。
シール部材55は、ハブ体102に形成された左車軸間隙通気路53を外部から密閉するものである。この左車軸間隙通気路53は、上述した右車軸間隙通気路52と同様に、図2に示すようにハブ体102の左支持部102cの車軸孔102eとその車軸孔102eに通した車軸101との間の車軸間隙53aから、車軸101の玉押し101b、101bと鋼球受け部102dとの間に配設された鋼球107、107同士間の鋼球間隙53bを通るように延びた空間路から構成されている。
又、シール部材55は、図2に示すように合成ゴム製のリング状のものから構成されている。そして、このシール部材55の内周側に設けられた取付片55aが、玉押し101bに設けられた取付溝101cに嵌め入れられることにより、シール部材55が玉押し101bに取り付けられている。又、このようにして玉押し101bに取り付けられたシール部材55の外周は、左支持部102cに全周に渡って当接している。これにより、シール部材55が、左車軸間隙通気路53を外部から略密閉状態にシールし、左車軸間隙通気路53に外部から水が入ることのないようにしている。
次に、空気自動供給機構の空気タイヤ用圧縮空気供給路2について説明する。この空気タイヤ用圧縮空気供給路2は、圧縮空気生成部1と空気タイヤ103との間に形成されており、図2、図3に示すように圧縮空気生成部1の圧縮室31と連通した連通用供給路13bと、空気タイヤ103の空気保持チューブ103bに接続された空気タイヤ送出用供給路13aと、連通用供給路13bと空気タイヤ送出用供給路13aとを連結した連結用供給路21aとから構成されている。
連通用供給路13bは、上記内ケーシング3a内における圧縮室31の図2の上側に、区画壁7によって区画形成されている。この区画壁7には、貫通孔71が穿設されており、この貫通孔71によって、圧縮室31と連通用供給路13bとが通気可能に連通されている。
この貫通孔71には、逆流防止弁40が備えられている。この逆流防止弁40は、空気が空気タイヤ用圧縮空気供給路2から圧縮室31に逆流しないように防止する逆流防止手段としてのもので、この実施形態では、空気タイヤ用圧縮空気供給路2側に配設されたボールバルブ40から構成されている。ボールバルブ40は、ボール41と、ボール41を受ける合成ゴム製のリング状のボール受けパッキン42と、ボール41をボール受けパッキン42側に付勢する付勢部材としてのボール付勢用コイルバネ43とを備えている。そして、このボール付勢用コイルバネ43の付勢力によって、ボール41が空気タイヤ用圧縮空気供給路2側から貫通孔71を塞いでいる。
連結用供給路21aは、筒状の連結管21の内部に形成されている。この連結管21の基端側は、内ケーシング3aの連通用供給路13bに入り込むようにして取付けられている。これにより、連結用供給路21aの基端側は、連通用供給路13bに通気可能に接続されている。
又、この連結管21には、図3に示すように空気タイヤ用圧縮空気供給路2の空気圧を調整する圧調整部12が備えられている。この圧調整部12によって、空気タイヤ用圧縮空気供給路2が、空気を一定圧にして保持する定圧保持部として機能できるようになっている。
この実施形態の圧調整部12は、排気口11aを有する筒部12aと、排気口11aを開閉する弁体12bと、弁体12bを付勢する定圧弁付勢部材としての定圧弁付勢用コイルバネ12cとを備えている。
筒部12aは、連結管21の側壁に取り付けられることにより、筒部12aの排気口11aが連結用供給路21aと外部とを連通させ、連結用供給路21aの圧縮空気が排気口11aから外部に排出可能とされている。
定圧弁付勢用コイルバネ12cは、弁体12bを常時連結用供給路21a側に付勢する。そして、この付勢により、弁体12bは、排気口11aを遮断している。
尚、この圧調整部12は、連結用供給路21aに設ける形態のものに限らず、空気タイヤ用圧縮空気供給路2に設ければ良い。又、圧調整部12は、例えばボールバルブから構成する等、適宜変更し得る。
空気タイヤ送出用供給路13aは、弾性を有する接続パイプ14の内部に形成されている。この接続パイプ14の基端部は、上記連結管21の外周に押し入れるようにして連結管21の先端側に取り付けられている。これにより、連結用供給路21aと空気タイヤ送出用供給路13aとが通気可能に接続されている。
又、連結管21に取り付けられた反対側の接続パイプ14の先端側には、図8に示すように空気タイヤ103に取り外し自在に接続する空気タイヤ接続部16が備えられている。この空気タイヤ接続部16は、パッキン16aと、空気保持チューブ103bのバルブ止めナット106dに係止されるナット係止片16bとを備えている。そして、パッキン16aがバルブ106の端面に当接された状態で、ナット係止片16bがバルブ止めナット106dに係止されている。これにより、空気タイヤ送出用供給路13aが空気保持チューブ103bに通気可能に接続されている。
次に、この実施形態の自転車の空気タイヤの空気自動供給機構の動作について説明する。圧縮空気生成部1の摺動部34が圧縮室31内の最下位置A1に配位し、第2圧縮空気生成部1bの摺動部34が圧縮室31内の最上位置B1に配位した図2、図3に示す状態から、例えば自転車を走行させることにより、空気タイヤ103を車軸101に対して回転させる。これにより、その回転に際してハブ体102が回転し、ハブ体102と共に、圧縮空気生成部1のピストン部材32のローラー37が、カム9のカム面91aの径小部Aから径大部Bに向かって走行する。
その走行に際し、ピストン部材32は、カム9に押圧され始め、ピストン部材32のローラー37がカム9の径大部Bに達するまで押圧される。そして、この押圧によって摺動部34が圧縮室31内を圧縮室31の内壁面に沿って最下位置A1から最上位置B1に向かって圧縮室31内を摺動する。
そして、この摺動部34の最下位置A1から最上位置B1への摺動に際し、圧縮室31内の空気が一定の圧縮比まで圧縮される。
この摺動部34の摺動に際し、例えばピストンロッド33の端部をカム9のカム面91aに付勢用のコイルバネによって押圧して当接状態を維持させている場合には、その付勢力に抗してピストンロッド33を摺動させなければならず、ハブ体102を回転させる際の抵抗になってしまう、しかし、この実施形態では、ピストンロッド33を、保持軸36を介してカム9に保持するようにして付勢用のコイルバネを設けていないため、ピストンロッド33を小さい力で円滑に摺動できる。これにより、ハブ体102を回転させる際の抵抗を小さくできる。
又、例えばピストンロッド33がカム9から受けるカム9の接線方向の力が大きい場合には、ピストンロッド33が圧縮室31のロッド案内部材38を一側方に押圧するため、摺動し難くなるとともに、ロッド案内部材38が磨耗する。その結果、ピストンロッド33が圧縮室31の軸方向に対して傾き、更に摺動し難くなっていく。しかし、この実施形態では、ピストンロッド33がカム9から受ける圧縮室31の軸方向と直角方向成分の力を極力小さくでき、ロッド案内部材38の磨耗を軽減できる。従って、繰り返し使用されてもピストンロッド33を常時圧縮室31の軸方向に押圧でき、円滑に摺動できる。
そして、圧縮空気生成部1のピストン部材32のローラー37が、カム面91aの径大部Bにくると、図6、図7に示すように圧縮空気生成部1のピストンロッド33の摺動部34が最上位置B1まで移動する。そして、その移動に際し、圧縮空気生成部1の圧縮室31内の空気を圧縮する。
このようにして、圧縮空気生成部1の圧縮室31内の空気が圧縮されると、逆流防止弁40のボール41は、その圧縮された空気の空気圧によって圧縮室31から押圧される。その際、逆流防止弁40のボール41は、空気タイヤ用圧縮空気供給路2内の空気圧による押圧力とボール付勢用コイルバネ43の付勢力とを受けている。従って、空気タイヤ用圧縮空気供給路2側からの押圧力が、圧縮室31内からの押圧よりも小さい場合には、逆流防止弁40のボール41は、空気タイヤ用圧縮空気供給路2側に移動して貫通孔71を開ける。これにより、圧縮室31内で圧縮された圧縮空気が、貫通孔71から空気タイヤ用圧縮空気供給路2に送られる。
そして、逆流防止弁40のボール41は、摺動部34が圧縮室31内の最上位置B1から最下位置A1にかけて移動する際に、貫通孔71を閉める。これにより、空気タイヤ用圧縮空気供給路2内の空気が圧縮室31に戻るのを防止できる。
圧縮空気が入った空気タイヤ用圧縮空気供給路2は、所定の空気圧を超えると、空気タイヤ用圧縮空気供給路2内の空気圧によって圧調整部12の弁体12bが定圧弁付勢用コイルバネ12cの付勢力に抗して押圧されて排気口11aを開く。これにより、空気タイヤ用圧縮空気供給路2内の圧縮空気を排気口11aから外部に排出する。そして、空気タイヤ用圧縮空気供給路2内の空気圧が、所定の空気圧になると弁体12bが定圧弁付勢用コイルバネ12cの付勢力によって排気口11aを閉じる。
空気タイヤ用圧縮空気供給路2内に所定の空気圧に保持された圧縮空気は、図8に示すように空気保持チューブ103bのバルブ106内に入り、バルブ孔106bを塞いでいる逆流防止弁106cをバルブ106の内側から押圧する。そして、その空気タイヤ用圧縮空気供給路2内の空気圧により内側から逆流防止弁106cにかかる押圧力が、逆流防止弁106cの弾性力と空気保持チューブ103b内の空気圧により逆流防止弁106cにかかる押圧力との合計よりも大きい場合は、バルブ孔106bを塞いでいる逆流防止弁106cを内側から押しのけ、空気が空気タイヤ用圧縮空気供給路2から空気保持チューブ103b内に流れ込む。
そして、空気タイヤ用圧縮空気供給路2の空気圧により逆流防止弁106cにかかる押圧力と、逆流防止弁106cの弾性力と空気保持チューブ103b内の空気圧により逆流防止弁106cにかかる押圧力との合計が同じになると、空気保持チューブ103b内への空気の流入は止まる。
その後、経時により、空気保持チューブ103bの空気圧が低くなり、逆流防止弁106cの弾性力と空気保持チューブ103b内の空気圧により逆流防止弁106cにかかる押圧力との合計が、空気タイヤ用圧縮空気供給路2の空気圧により逆流防止弁106cにかかる押圧力よりも小さくなると、再度、バルブ孔106bを塞いでいる逆流防止弁106cを空気タイヤ用圧縮空気供給路2の空気圧によって内側から押しのけ、空気タイヤ用圧縮空気供給路2の空気が空気保持チューブ103b内に流れ込む。これにより、常時、空気保持チューブ103bの空気圧は、一定に保持される。
又、接続パイプ14が連結管21又は空気タイヤ103から外れ、或いは接続パイプ14が破損したような場合は、空気タイヤ103のバルブ106によって空気タイヤ103の空気圧をそのまま保持できる。尚、カム9は、車軸101に固定されて位置を変えず、ピストンロッド33がカム面91aを走行して位置を変えるが、図6、図7では、説明の都合上、ピストンロッド33の位置を変えずにカム面91aの位置を変えて表している。後述の図12、図13においても同じである。
更に、ハブ体102が回転すると、ピストン部材32は、保持軸36がカム9のピストン保持部92に保持されているため、カム9に引っ張られ、ローラー37は、カム9のカム面91aに当接した状態を維持し、カム面91aの径大部Bから径小部Aにかけて走行する。その際、カム9によるピストン部材32の引っ張りは、ピストンロッド33の上記軸心延長線qと距離を隔てたピストンロッド33の左側方側から行われる。しかし、摺動部34が最上位置B1から最下位置A1に摺動する際には、空気の圧縮を行わないため、上述した最下位置A1から最上位置B1への摺動部34の摺動に際して空気の圧縮を行う場合に比して小さい力で行うことができ、ピストンロッド33を円滑に引っ張り操作できる。
このローラー37の走行によって、摺動部34は、圧縮室31内を最上位置B1から最下位置A1にかけて移動し、図2、図3の状態に戻る。
又、ピストンロッド33の摺動部34が最上位置B1から最下位置A1へ向かっての摺動に際し空気取り込み口4を通過すると、空気取り込み口4から圧縮室31に、第1通気路51を介してハブ体102の区画空間部111の空気が取り込まれる。
また、区画空間部111内の空気が第1通気路51に入り込むと、区画空間部111には、第2通気路52としての右車軸間隙通気路52、第3通気路54を介して外部の空気が吸入される。
その際、第3通気路54は、テーパー部59aを備えているため、図4に示すようにテーパー部59aに入った水M1を、ハブ体の回転に伴なう遠心力によってテーパー部59aの径大側に移動させて第3通気路54から外に出すことができる。又、テーパー部59aに入った水M1を、自重によってテーパー部59aを伝わせて第3通気路54の外に出すことができる。しかも、第3通気路54が径の異なる二つの幅狭部59c、61を備えているため、雨水等の水M1が、第3通気路54を通過し難いものにでき、雨水等の水M1を、第3通気路54から右車軸間隙通気路52に入り難いものにできる。
又、仮に雨水等の水M1が第3通気路54から右車軸間隙通気路52に入ってきた場合でも、右車軸間隙通気路52には、鋼球107・・・107と共にグリスが配設されているため、水M1が右車軸間隙通気路52を通過し難く、右車軸間隙通気路52からハブ体102の区画空間部111に入り難いものにできる。
従って、区画空間部111には、第2通気路52及び第3通気路54を介して水M1が入ることなく空気だけが入り込み、その結果、圧縮室31には、第1通気路51を介して空気取り込み口4から区画空間部111の空気だけが吸入され、雨水等の水が空気と共に入り込むようなことを防止できる。
以下、同様に、ハブ体102の回転に伴なってピストン部材32の摺動部34が圧縮室31を摺動し、圧縮室31で圧縮空気の生成と外部の空気の取り込みとを繰り返し、生成した圧縮空気を適宜空気タイヤ103に供給する。
又、ピストン部材32をカム9から外す場合は、保持軸36を、ピストンロッド33に取り付けた状態で右側方側に引っ張り操作して軸嵌挿孔92bから抜けば良く、これにより、ピストン部材32をカム9から取り外すことができ、圧縮室31を構成した内ケーシング3a、或いはピストンロッド33等をハブ体102から容易に外すことができる。従って、分解等して部品の交換等が容易に行うことができ、メンテナンスの容易なものにできる。
尚、上記第1実施形態では、左車軸間隙通気路53をシール部材55によって外部から遮断することによって、第2通気路を右車軸間隙通気路52から構成し、この右車軸間隙通気路52と外部とを連通する第3通気路54を設けたものにしているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。例えばシール部材55を設けずに、第2通気路を右車軸間隙通気路52と左車軸間隙通気路53とから構成し、右車軸間隙通気路52と左車軸間隙通気路53とに,夫々第3通気路54を設けるようにしても良い。ただし、ハブ体102の左右の両側に、上記実施形態のような第3通気路54を設けた場合は、コスト高になるので、第3通気路54を、ハブ体102の左又は右の一方側にだけ設け、ハブ体102の右又は左の他方側にシール部材55を設けたものにしておくのが、第2通気路54に水を入り難くでき、しかも低コストで製作できる点で好ましい。
又、上記第1実施形態では、第3通気路54を、ハブ体102に固定した筒状体56と、車軸101に固定した被覆部材60とによって形成するようにしているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば第3通気路54を、ハブ体102に固定した筒状体56のみによって形成するようにしても良い。
また、上記第1実施形態では、第2通気路を、ハブ体102に形成された右車軸間隙通気路52から構成しているが、支持部102b、102cに、区画空間部111から外部に貫通する貫通孔を設け、この貫通孔を、右車軸間隙通気路52に代え、或いは右車軸間隙通気路52と共に、第2通気路を構成するようにしても良く、適宜変更できる。より具体的には、例えば支持部102b、102cを、シールドベアリングを介してハブ体102に回転自在に支持するとともに、支持部102b、102cにおけるシールドベアリングの径方向の外側の部分に、区画空間部111から外部に貫通する貫通孔を設け、この貫通孔を第2通気路とする。
又、上記第1実施形態では、防水機構を、第1通気路51、第2通気路52、第3通気路54及びシール部材55から構成しているが、例えば防水機構を、外ケーシング3bの内周面から外周面に、内ケーシング3bの空気取り込み口4と外部とを連通させるように穿設した穿設孔と、穿設孔を覆う液体遮断可能且つ気体通過可能な皮膜とを備えたものから構成し、皮膜によって外ケーシング3bの外部から穿設孔に雨水等の水を遮断して空気だけを通すようにしても良い。
又、上記第1実施形態では、筒状体56のテーパー部59aのテーパー角Pを、10°に設定しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。好ましくは、テーパー角Pは、5°程度〜15°程度の範囲である。5°程度より小さくなると、ハブ体の回転の伴なう遠心力によって水を径の大きい方に移動させ難くなって外部に追い出し難くなる。又、水を自重によって径の大きい方に伝わせて外部に追い出し難くなる。一方、15°程度より大きくなると、降ってくる雨水等が入り易くなってしまう。
また、上記第1実施形態では、第3通気路54の径小幅狭部59cの幅L1及び径大幅狭部61の幅L2を0.5mm程度にしているが、適宜変更できる。好ましくは、0.1mm程度〜1.5mm程度の範囲である。0.1mm程度よりも小さくなると、ピストンロッド33の圧縮室31内の摺動に伴なう空気の吸引によってハブ体102の区画空間部111が負圧になり、同時に水も吸引してしまう恐れが高くなる。一方、1.5mm程度よりも大きくすると、水が入り易くなってしまう。以上のように、この実施形態の第3通気路54は、ハブ体102に固定された筒状体56の内周面と車軸101の外周との間に区画形成されている。又、この第3通気路54は、筒状体56の内周の一部の径を小さくすることによって径方向の幅L1を狭くなるように形成した径小幅狭部59cを備えている。更に、第3通気路54は、車軸本体102dに固定されるようにして筒状体56の内周側に配位された被覆部材60によって、径方向の幅L2が径小幅狭部59cと同程度で、径小幅狭部59cよりも径が大きく形成された径大幅狭部61が備えられている。このようにして、第3通気路54は、少なくとも径の異なる二つの幅狭部59c、61を備え、これらの二つの幅狭部59c、61によって空気が蛇行して流れ得るように形成されている。又、これらの二つの幅狭部59c、61の径方向の幅L1、L2は、略0.1mm〜1.5mmの範囲である。
次に、第2実施形態について説明する。図9は、第2実施形態の車椅子の空気タイヤの空気自動供給機構を有する車椅子の車輪の側面図、図10は、図1のX−X線に沿う拡大断面説明図である。
この第2実施形態の空気自動供給機構は、車椅子の左側の車輪500と右側の車輪(図示せず)との夫々に装備されて車椅子の空気タイヤの空気自動供給機構とされている。この車椅子の空気タイヤの空気自動供給機構を有する車椅子の左側の車輪500と右側の車輪とは、同一構成を採っている。以下、左側の車輪500について説明し、右側の車輪の説明を省略する。
左側の車輪500は、車軸101と、車輪本体110とを備えている。車軸101は、先の第1実施形態のものと同一構成を採っている。
車輪本体110は、図9に示すようにハブ体102と、空気タイヤ103と、空気自動供給機構とを備えている。ハブ体102及び空気タイヤ103は、先の第1実施形態のものと同一構成を採っている。
空気自動供給機構は、圧縮空気を生成する複数の圧縮空気生成部1a、1bと、圧縮空気生成部1a、1bによって生成された圧縮空気を空気タイヤに導いて供給するための空気タイヤ用圧縮空気供給路2a、2bとを備えている。
圧縮空気生成部は、この実施形態では、図10、図11の上側に現れた第1圧縮空気生成部1aと、図の下側に現れた第2圧縮空気生成部1bとの二つから構成されている。
第1圧縮空気生成部1a及び第2圧縮空気生成部1bは、先の第1実施形態の圧縮空気生成部1と同じ構成を採っている。又、これらの第1圧縮空気生成部1a及び第2圧縮空気生成部1bは、ハブ胴102aの外周に、互いに周方向に180°だけ隔てた位置に配位されボルト30c、30cを介して固定されている。
又、これらの第1圧縮空気生成部1aと第2圧縮空気生成部1bとの各ピストン部材32、32は、先の第1実施形態のものと同様に、各ピストン部材32、32に設けられた保持軸36、36を介してカム9に設けられた円板状のピストン保持部92に保持されている。
この第2実施形態におけるカム9のピストン保持部92は、図13A、図13Bに示すように保持部本体89と、保持部本体89を摺動する摺動子80と、摺動子80を摺動可能状態に保持する保持部材90とを備えている。
摺動子80は、図12A、図12Bに示すように筒状のものから構成されている。摺動子80の内周側には、保持軸36を嵌挿する保持軸嵌挿孔83が備えられている。又、摺動子80の外周側には、円筒部81と、円筒部81より径の大きく形成された鍔部82とが備えられている。
保持部本体89は、上記図13A、図13Bに示すように、カム本体受容孔92aの軸心であってカム面91aの中心O1を中心とする同心円96上に設けられた第1軸嵌挿孔92bと第2軸嵌挿孔95とを備えている。
第1軸嵌挿孔92bは、先の第1実施形態のものと同様に、円形状の孔から構成されている。そして、この第1軸嵌挿孔92bに、第1圧縮空気生成部1aのピストン部材32の保持軸36が回転可能に嵌挿されている。
一方、第2軸嵌挿孔95は、上述の同心円96の周方向に所定長さで延ばされるようにして形成された円弧状の長溝からなる摺動溝95aと、摺動溝95aの周縁に全周に渡って、ピストン保持部92の左面側から所定深さ及び所定幅でカットすることにより形成された座部95bとを備えている。
そして、第2軸嵌挿孔95の摺動溝95aに、摺動子80の円筒部81が嵌め入れられるとともに、座部95bに摺動子80の鍔部82が当接するようにして、第2軸嵌挿孔95に摺動子80が摺動可能に収納されている。
このようにして第2軸嵌挿孔95に収納された摺動子80は、第2軸嵌挿孔95の摺動溝95aに形成された第1端95cに円筒部81が当接した始端位置97aから、摺動溝95aに形成された第2端95dに円筒部81が当接した終端位置97bまでの範囲、第2軸嵌挿孔95を移動可能とされている。
又、このようにして摺動子80を収納した第2軸嵌挿孔95の第1軸嵌挿孔92bに対する位置、及び第2軸嵌挿孔95の摺動溝95aの溝長さは、この実施形態では、次のように形成されている。
図13Bに示すように、まず、第1軸嵌挿孔92bの軸心92dから、カム面91aの中心O1を通り、更に、その中心O1から上記の同心円96と交わるように延ばした延長線を基準線98とする。そして、この基準線98と上記同心円96との交点に、摺動子80の保持軸嵌挿孔83の軸心83aが位置した状態から、その軸心83aが基準線98から時計方向及び反時計方向の両方向に夫々、カム面91aの中心O1からの中心角Ψ/2、Ψ/2でほぼ36°になる位置まで移動できるものとし、その移動した位置が摺動子80の始端位置97a、終端位置97bとなるように、第2軸嵌挿孔95を形成している。
保持部材90は、図13Aに示すように、摺動子80が摺動に際して車軸101の軸方向に対して傾かないようにする摺動子傾き防止手段としてのものであり、円板状のものから構成されている。そして、この保持部材90は、第2軸嵌挿孔95の座部95b側から第2軸嵌挿孔95に収納された摺動子80を覆うようにして車軸101に取り付けられている。これにより、摺動子80は、第2軸嵌挿孔95を摺動するに際して鍔部82が座部95bに当接状態に保持される。従って、摺動子80は、保持軸嵌挿孔83の軸心が車軸101の軸とほぼ平行な状態を維持でき、摺動に際し保持軸嵌挿孔83の軸方向が車軸101の軸方向に対して傾くことなく第2軸嵌挿孔95を摺動する。
そして、上記のようにして第2軸嵌挿孔95に収納された摺動子80の保持軸嵌挿孔83に、第2圧縮空気生成部1bのピストン部材32の保持軸36が嵌挿されている。これにより、保持軸36は、摺動子80を介して第2軸嵌挿孔95内を、カム面91aの中心O1を中心にして、カム面91aの周方向に、カム面91aの中心O1からの中心角Ψでほぼ72°の角度範囲、移動可能とされている。
以上のようにして、第1圧縮空気生成部1aと第2圧縮空気生成部1bとが上記のように配位されることにより、図10、図11に示すように第1圧縮空気生成部1aのピストン部材32のローラー37がカム面91aの径小部Aに当接しピストンロッド33の摺動部34が圧縮室31における最下位置A1にきたとき、第2圧縮空気生成部1bのピストン部材32の保持軸36が第2軸嵌挿孔95のほぼ中央位置に配位されるとともに、ピストン部材32のローラー37がカム面91aの径大部Bに当接しピストンロッド33の摺動部34が圧縮室31における最上位置B1にくる。
次に、空気タイヤ用圧縮空気供給路2a、2bについて説明する。この第2実施形態の空気タイヤ用圧縮空気供給路は、第1圧縮空気生成部1aと空気タイヤ103との間に形成された第1空気タイヤ用圧縮空気供給路2aと、第2圧縮空気生成部1bと空気タイヤ103との間に形成された第2空気タイヤ用圧縮空気供給路2bとから構成されている。
第1空気タイヤ用圧縮空気供給路2aは、先の第1実施形態の空気タイヤ用圧縮空気供給路2と同一構成を採っており、第1圧縮空気生成部1aの圧縮室31と連通した連通用供給路13bと、空気タイヤ送出用供給路13aと、連通用供給路13bと空気タイヤ送出用供給路13aとを連結した連結用供給路21aとを備えている。
第2空気タイヤ用圧縮空気供給路2bは、上記第1空気タイヤ用圧縮空気供給路2aと同様に、連通用供給路13bと、空気タイヤ送出用供給路と、連結用供給路とを備えている。ただし、この第2空気タイヤ用圧縮空気供給路2bは、連通用供給路13bが接続路22aを介して第1空気タイヤ用圧縮空気供給路2aの連結用供給路21aに接続されるとともに、その連結用供給路21aを介して第1空気タイヤ用圧縮空気供給路2aの空気タイヤ送出用供給路13a及び空気タイヤ103に接続されている。従って、この実施形態の第1空気タイヤ用圧縮空気供給路2aの連結用供給路21a及び空気タイヤ送出用供給路13aは、第2空気タイヤ用圧縮空気供給路2bの連結用供給路及び空気タイヤ送出用供給路を兼用するようになっている。
次に、この第2実施形態の車椅子の空気タイヤの空気自動供給機構の動作について説明する。第1圧縮空気生成部1aの摺動部34が圧縮室31内の最下位置A1に配位し、第2圧縮空気生成部1bの摺動部34が圧縮室31内の最上位置B1に配位した図10、図11に示す状態から、例えば車椅子を押して走行させることにより、空気タイヤ103を車軸101に対して回転させる。これにより、その回転に際してハブ体102が回転し、ハブ体102と共に、第1圧縮空気生成部1aのピストン部材32のローラー37が、カム9のカム面91aの径小部Aから径大部Bに向かって走行するとともに、第2圧縮空気生成部1bのピストン部材32のローラー37が、カム9のカム面91aの径大部Bから径小部Aに向かって走行する。
又、その走行に際し、第2圧縮空気生成部1bのピストン部材32の保持軸36は、図14に示すように、摺動子80を介して第2軸嵌挿孔95を、その第2軸嵌挿孔95の摺動溝95aの第1端95cに向かって移動し、円筒部81が第1端95cに当接した摺動子80の始端位置97aまで移動する。
その際、例えば摺動子80を設けずに、保持軸36を直接第2軸嵌挿孔95に入れるようにして第2軸嵌挿孔95を摺動させようとすると、第2圧縮空気生成部1bのピストン部材32が圧縮室31に対して回転自在に収納されている場合、保持軸36が第2軸嵌挿孔95を摺動するに際し保持軸36に抵抗がかかると、保持軸36が第2軸嵌挿孔95を摺動しないで保持軸36を介してピストン部材32が圧縮室31に対して回転し保持軸36の軸方向が車軸101の軸方向に対して傾く場合がある。保持軸36の軸方向が車軸101の軸方向に対して傾くと、カム9のカム面91aを走行するローラー37の軸が傾いてカム面91aを走行し難くなり、或いは、保持軸36が第2軸嵌挿孔95から出てしまう場合も生じ、ピストン部材32が圧縮室31を円滑に摺動できない恐れが生じる。
しかし、この実施形態では、第2軸嵌挿孔95を摺動する摺動子80を介して保持軸36が第2軸嵌挿孔95を移動するため、保持軸36は、第2軸嵌挿孔95を円滑に移動する。従って、第2圧縮空気生成部1bのピストン部材32が圧縮室31に対して回転自在に収納されている場合でも、保持軸36が摺動子80を介して円滑に第2軸嵌挿孔95を移動するものにでき、ピストン部材32が圧縮室31を円滑に摺動し得るものにできる。
更にローラー37が走行すると、第1圧縮空気生成部1aのピストン部材32は、更にカム9に押圧され始め、ピストン部材32のローラー37がカム9の径大部Bに達するまで押圧される。そして、この押圧によって、図15、図16に示すように、摺動部34が圧縮室31内を圧縮室31の内壁面に沿って最下位置A1から最上位置B1に向かって圧縮室31内を摺動する。
そして、この摺動部34の最下位置A1から最上位置B1への摺動に際し、圧縮室31内の空気が一定の圧縮比まで圧縮される。
第1圧縮空気生成部1aで生成された圧縮空気は、先の第1実施形態の場合と同様に、連通用供給路13bから連結用供給路21aに、更に連結用供給路21aから空気タイヤ送出用供給路13aを通って適宜空気タイヤ103に入り込む。
一方、第2圧縮空気生成部1bのピストン部材32の保持軸36は、図14に示した始端位置97aから、図16に示すように摺動子80を介して第2軸嵌挿孔95の摺動溝95aのほぼ中央位置まで移動する。又、この保持軸36の移動に際して、第2圧縮空気生成部1bのピストンロッド33の摺動部34は、カム9に引っ張られ、圧縮室31内を圧縮室31の内壁面に沿って最上位置B1から最下位置A1に向かって圧縮室31内を摺動する。
又、第2圧縮空気生成部1bのピストン部材32のローラー37は、上述した第1圧縮空気生成部1aのピストン部材32のローラー37がカム面91aの径大部Bにきたとき、カム面91aの径小部Aにきて、図15、図16に示すように第2圧縮空気生成部1bのピストンロッド33の摺動部34が最下位置A1まで移動する。
この第2圧縮空気生成部1bのピストンロッド33の摺動部34が最上位置B1から最下位置A1にくる際においても、ピストン部材32の保持軸36がカム9のピストン保持部92に保持されているため、ピストン部材32は、ピストンロッド33の軸心延長線qと軸方向に一定の距離を隔てたピストンロッド33の左側方側からカム9のピストン保持部92に引っ張られる。しかし、摺動部34が最上位置B1から最下位置A1に摺動する際には空気の圧縮を行わないため、上述した最下位置A1から最上位置B1への摺動部34の摺動に際して空気の圧縮を行う場合に比して小さい力で行うことができ、ピストンロッド33を円滑に引っ張り操作できる。
又、第2圧縮空気生成部1bのピストンロッド33の摺動部34が空気取り込み口4を通過すると、空気取り込み口4から圧縮室31に、第1通気路51を介してハブ体102の区画空間部111の空気を取り込む。又、ハブ体102の区画空間部111に、第2通気路52及び第3通気路54によって水が入るのを防止でき、空気だけを入り込ませることができる。
図16に示す状態から、更に、ハブ体102が回転すると、図17に示すように第1圧縮空気生成部1aのピストン部材32が保持軸36を介してカム9に引っ張られ、ローラー37がカム面91aの径大部Bから径小部Aに向かって走行し、これにより、摺動部34が最上位置B1から最下位置A1(図11参照)に向かって移動する。
一方、第2圧縮空気生成部1bは、ピストン部材32の保持軸36が摺動子80を介して第2軸嵌挿孔95を、その第2軸嵌挿孔95の摺動溝95aの第2端95dに向かって移動し、円筒部81が第2端95dに当接した終端位置97bまで移動する。又、その移動に際し、ピストン部材32のローラー37がカム面91aの径小部Aから径大部Bに向かって走行し始め、ピストン部材32のローラー37がカム面91に押圧され始める。又、この走行によって摺動部34は、圧縮室31を最下位置A1から最上位置B1(図11参照)に向かって移動する。そして、その移動に際し、圧縮室31内の空気を一定の圧縮比に圧縮する。
第2圧縮空気生成部1bによって圧縮された空気は、第2空気タイヤ用圧縮空気供給路2bの連通用供給路13bから接続路22aを通って、第1空気タイヤ用圧縮空気供給路2aの連結用供給路21aに入る。また、第1圧縮空気流通路1bの連結用供給路21aに入った圧縮空気は、上述の第1圧縮空気生成部1aの場合と同様にして、空気タイヤ送出用供給路13aを通って空気タイヤ103に入り込む。
以下、同様に、ハブ体102の回転に伴なって、第1圧縮空気生成部1aと第2圧縮空気生成部1bとが交互に圧縮空気の生成を繰り返し行い、圧縮空気を適宜空気タイヤ103に供給する。
以上のようにして行うことにより、車輪本体が回転する毎に、第1圧縮空気生成部1aと第2圧縮空気生成部1bとが順次交互に空気を圧縮して空気タイヤ103に供給できる。これにより、第1実施形態のように一つの圧縮空気生成部1を設けて行う場合とほぼ同じ力で圧縮空気を生成できるとともに、第1実施形態のように一つの圧縮空気生成部1を設けて行う場合に比して二倍の量の圧縮空気を生成できる。従って、車椅子の通常の走行において、車輪の回転数が少ない段階の走行開始後短時間内に、充分な量の空気を圧縮して空気タイヤ103を所定の空気圧にでき、しかも、車椅子の走行に際しての抵抗を抑えることができる。よって、車椅子等に適したものにできる。
尚、この第2実施形態では、接続路22aを介して第1空気タイヤ用圧縮空気供給路2aと第2空気タイヤ用圧縮空気供給路2bとを連結させて一つにしているが、例えば第1空気タイヤ用圧縮空気供給路2aと第2空気タイヤ用圧縮空気供給路2bとを別途に独立させて形成するとともに、各空気タイヤ用圧縮空気供給路2a、2bを空気タイヤ103に接続させ、各空気タイヤ用圧縮空気供給路2a、2bによって圧縮空気を空気タイヤ103に入れるようにしても良い。
次に、第3実施形態の空気自動供給機構について、図18〜図22に基き説明する。第3実施形態の空気自動供給機構は、自転車に装備され車輪の空気タイヤに空気を供給するとともに、空気タイヤ以外の車両としての自転車の他の部分としてのサドル部に空気を供給しシートにクッション性を持たせるものとされている。
この第3実施形態の空気自動供給機構は、先の第2実施形態と同様に、第1圧縮空気生成部10aと第2圧縮空気生成部10bとの二つの圧縮空気生成部と、圧縮空気供給路20a、300とを備えている。
これらの第1圧縮空気生成部10aと第2圧縮空気生成部10bとは、先の第1実施形態のものと同一構成を採っているが、この第2実施形態の第1圧縮空気生成部10aと第2圧縮空気生成部10bとは、自転車における前側の車輪202に取り付けられている。この自転車の前側の車輪202は、先の第1実施形態における自転車の車輪と同様に、図18に示すように車軸201と、車輪本体とを備え、又、車輪本体は、車軸201に回転自在に支持されたハブ体102と、空気タイヤ103とを備えている。
第3実施形態の車軸201は、図19に示すように軸孔43aを備えている。この軸孔43aは、車軸201の左端から軸方向に沿って左右中央よりやや左側にかけて明けられている。これにより、軸孔43aが、車軸201に取り付けたハブ体102の外側からハブ体102の内部にまで延ばされるようになっている。また、このようにしてハブ体202の内部にまで延ばされた軸孔43aの奥部は、図21に示すように、軸孔43aから車軸201の外周に貫通するように明けられた貫通孔43b、43bによって車軸201の外周側と連通している。
車輪本体のハブ体102及び空気タイヤ103は、先の第1実施形態のものと略同構成を採っている。
空気自動供給機構の圧縮空気供給路は、第1圧縮空気生成部10aで生成された圧縮空気を空気タイヤ103に導いて供給する空気タイヤ用圧縮空気供給路20aと、第2圧縮空気生成部10bで生成された圧縮空気を自転車に設けられたサドル部140に導いて供給する他部分用圧縮空気供給路300から構成されている。空気タイヤ用圧縮空気供給路20aは、先の第1実施形態の空気タイヤ用圧縮空気供給路2と同一構成を採っている。
他部分用圧縮空気供給路300は、第2圧縮空気生成部10bの圧縮室31と連通した連通用供給路13b(図19に示す)と、自転車のサドル部140の空気保持部151(図22に示す)に接続されたサドル送出用供給路301と、連通用供給路13bとサドル送出用供給路301とを連結した連結用供給路302とを備えている。
連結用供給路302は、図19に示すように、上記車軸201の軸孔43aと、軸孔43aと連通用供給路13bとを連結した連結路303とを備えている。この連結路303は、連結パイプ313の内部に形成されている。連結パイプ313は、回転接続部材45を介して車軸201の軸孔43aに接続されている。
この回転接続部材45は、図20、図21に示すように、合成ゴム製の二つのリング45a、45aと、リング状の回転子45bとを備えている。
二つのリング45a、45aは、車軸201における貫通孔43b、43bの左右両側の外周に固定されている。
回転子45bの外周側には、連結パイプ313を着脱自在に接続するパイプ接続具45cが備えられている。又、このパイプ接続具45cは、筒状のものから構成され、内周側にパイプ接続孔45dが備えられている。
回転子45bの内周側には、図20に示すように全周に渡って形成された空気溜り部45eが備えられている。又、この空気溜り部45eは、パイプ接続具45cのパイプ接続孔45dと空気溜り部45eとに連通するように穿設された穿設孔45fを介して連通されている。そして、これらの空気溜り部45eとパイプ接続孔45dと穿設孔45fとは、連結パイプ313の連結路303と軸孔43aとを通気可能に接続する接続用孔45iを構成する。
又、空気溜り部45eの左右両側には、リング45a、45aを回転可能に受容するリング受容部45g、45gが備えられている。そして、これらのリング受容部45g、45gにリング45a、45aを回転可能に受容することにより、回転子45bは、空気溜り部45eと車軸201の軸孔43aとが連通した状態で、車軸201に対して回転可能とされている。
そして、このように構成された回転子45bのパイプ接続具45cに、連結パイプ313が取り付けられることにより、連結パイプ313と車軸201とが回転子45bを介して回転可能に接続されている。又、この接続によって、連結パイプ313の内部に形成された連結路303と車輪202の車軸201に形成された軸孔43aとが連通されている。
又、連結パイプ313は、図19に示すように接続具314を介して、内ケーシング3aに取り付けられ、これにより、連結パイプ313の内部に形成された連結路303と内ケーシング3aに区画壁7によって区画形成された連通用供給路13bとが通気可能に接続されている。
又、この接続具314には、図示しないが、他部分用圧縮空気供給路300の空気圧を調整する圧調整部が備えられている。尚、この圧調整部は、先の第1実施形態の圧調整部12と同構成を採っている。
他部分用圧縮空気供給路300のサドル送出用供給路301は、パイプ部材310の内部に形成されている。このサドル送出用供給路301を形成したパイプ部材310の基端は、車輪202の車軸201に、接続具310aを介して接続されている。これにより、サドル送出用供給路301と車軸201の軸孔43aとが通気可能に接続されている。
パイプ部材310の先端は、自転車に設けられたサドル部140に接続されている。
このパイプ部材310が接続されたこの実施形態のサドル部140は、図22に示すように、人が座るためのシート141と、シート141を支持したシート支持部142とを備えている。又、シート支持部142は、シート141を支持したシート支持片143と、シート支持片143を上下移動可能に取り付けたシート取付部150とを備えている。
シート取付部150は、内部に空気を保持した空気保持部151が備えられている。又、この空気保持部151には、空気を入れるための空気入口152が設けられている。そして、この空気入口152に、パイプ部材310が接続されている。これにより、サドル送出用供給路301と空気保持部151とが通気可能に接続されている。
シート取付部150の下部側は、自転車の立てパイプ210内に嵌挿されて固定されている。尚、このシート取付部150は、立てパイプ210と別体のものから構成されるものに限らず、例えば立てパイプ210の一部に構成しても良い。
シート支持片143の上部側は、シート141に固定されている。シート支持片143の下部側には、空気保持部151の空気を下方側に押圧する空気押圧部144が設けられている。この空気押圧部144は、シート取付部150の空気保持部151の内周壁に沿って上下方向に摺動可能に、空気保持部151の内部に配設されている。
又、この実施形態では、この図22に示すように、空気保持部151の内部に、空気押圧部144を上方側に付勢する押圧部用付勢部材としてのコイルバネ153が設けられており、空気保持部151を下方に摺動した空気押圧部144を、圧縮空気の空気圧によって上方に戻す際に補助できるようになっている。
このように構成されたシート141に人が座る等して、空気押圧部144に下方向の力がかかると、空気押圧部144が空気保持部151内の空気を上方側から下方側に押圧し圧縮しながらシート141と共に下方に側に摺動する。
又、空気押圧部144にかかった力が軽減されると、圧縮された空気保持部151内の空気の空気圧によってシート141が上方に戻る。これにより、シート141に弾力性を持てせることができ、シート141にかかる衝撃力を吸収でき、乗り心地の良好なものにできる。
次に、この第3実施形態の自転車の空気自動供給機構の動作について説明する。
第1圧縮空気生成部10aの摺動部34が圧縮室31を最下位置A1に配位し、第2圧縮空気生成部10bの摺動部34が圧縮室31を最上位置B1に配位した図19に示す状態から、例えば自転車を走行させることにより、車軸201に対して車輪本体を回転させる。これにより、その回転に際してハブ体102が回転し、ハブ体102と共に、第1圧縮空気生成部10aのピストン部材32のローラー37が、カム9のカム面91aを走行するとともに、第2圧縮空気生成部1bのピストン部材32のローラー37が、カム9のカム面91aを走行する。
そして、その走行に際し、第1圧縮空気生成部10aは、先の第1実施形態の第1圧縮空気生成部1aと同様に、ピストンロッド33の摺動部34が圧縮室31を最下位置A1から最上位置B1に摺動するに際し、圧縮室31内の空気を一定の圧縮比に圧縮する。そして、圧縮した空気を、空気タイヤ用圧縮空気供給路20aから、適宜空気タイヤ103の空気保持チューブ103bに送り込む。更に走行すると、ピストンロッド33の摺動部34が圧縮室31を最上位置B1から最下位置A1に向かって摺動し、その摺動に際して空気取り込み口4を通過すると、空気を取り込む。この場合においても、圧縮室31に、第1通気路51を介してハブ体102の区画空間部111の空気を空気取り込み口4から取り込む。又、区画空間部111に、第2通気路52及び第3通気路54を介してハブ体102の外部の空気を取り込む。従って、この第3実施形態のおいても、圧縮室31に雨水等の水が入り込むようなことを防止できる。
一方、第2圧縮空気生成部10bは、第1圧縮空気生成部10aのピストンロッド33の摺動部34が圧縮室31を最下位置A1から最上位置B1に向かって摺動するに際し、第2圧縮空気生成部10bのピストンロッド33の摺動部34が圧縮室31を最上位置B1から最下位置A1に向かって摺動し、その摺動に際して空気取り込み口4を通過すると、空気を取り込む。この場合においても、圧縮室31に雨水等の水が入り込むようなことを防止できる。
又、第2圧縮空気生成部10bのピストンロッド33の摺動部34は、第1圧縮空気生成部10aのピストンロッド33の摺動部34が圧縮室31を最上位置B1から最下位置A1に向かって摺動するに際し、圧縮室31を最下位置A1から最上位置B1に向かって摺動し、その摺動に際し、圧縮室31内の空気を一定の圧縮比に圧縮する。
そして、第2圧縮空気生成部10bにより圧縮された空気は、圧縮室31から連通用供給路13bに送られ、連通用供給路13bから連結路303、車軸201の軸孔43aを順次通ってサドル送出用供給路301に送られる。更に、サドル送出用供給路301からサドル部140の空気保持部151に送られる。その際、連結路303と軸孔43aとが回転接続部材45の接続用孔45iを介して回転自在に接続されているため、走行に伴なう車輪本体の回転に際し、連結路303と軸孔43aとが接続状態を維持でき、走行に際して第2圧縮空気生成部10bで圧縮空気を生成し、その生成した圧縮空気を車輪202から自転車のサドル部140に空気を送ることができる。
これにより、常時、空気保持部151を、他部分用圧縮空気供給路300と同じ空気圧に保持でき、空気保持部151の空気圧が予め設定された所定の空気圧よりも低くなると、走行に伴ない第2圧縮空気生成部10bにより順次生成される圧縮空気を順次入れることができる。
尚、この第3実施形態では、空気押圧部144で空気保持部151を押圧して空気保持部151の空気を圧縮するようにしているが、この形態のものに限らず、適宜変更し得る。例えばシート141の一部に空気保持部151を設け、シート141に人が座ると、その荷重を空気保持部151が受けるようにしてシート141自体に弾力性を持たせるようにしても良い。
又、空気押圧部144を設ける場合において、上記実施形態のように、シート取付部150に空気保持部151を設け、サドル部140に空気押圧部144を設ける形態のものに限らず、シート支持片143に空気保持部151を設け、シート取付部150に空気押圧部144を設けることもでき、適宜変更できる。
また、空気保持部151に、空気保持部151からサドル送出用供給路301への空気の逆流を防止するための逆流防止弁を付設するようにしても良く、適宜変更できる。
又、この第3実施形態では、空気自動供給機構を前側の車輪202に設けているが、後車輪に設けるようにしても実施でき、適宜変更できる。
次に、第4実施形態の空気自動供給機構について、図23〜図25に基いて説明する。第4実施形態の空気自動供給機構は、車両としての自転車に装備され車輪の空気タイヤに空気を供給するとともに、空気タイヤ以外の自転車の他の部分としてのブレーキ装置に空気を供給してブレーキ装置の過熱を防止するものとされている。
この第4実施形態の空気自動供給機構は、先の第3実施形態と同様に、第1圧縮空気生成部400aと第2圧縮空気生成部400bとの二つの圧縮空気生成部と、圧縮空気供給路200a、400とを備えている。
第1圧縮空気生成部400aと第2圧縮空気生成部400bとは、車両としての自転車の後車輪に取り付けられている。この後車輪の車軸201、及び車輪本体の空気タイヤ(図示せず)は、先の第3実施形態のものと略同構成を採っている。
又、この第4実施形態の第1圧縮空気生成部400a及び第2圧縮空気生成部400bは、夫々、空気取り込み口4と後車輪用のハブ体402の区画空間部111とを連通する第1通気路51と、第1通気路51に続く第2通気路とを備えている。ただし、この第4実施形態では、後車輪に設けられた後車輪用のハブ体402の右車軸間隙通気路52の右方側がリング状のシール部材550によって、外部と略密閉状態に塞がれており、後車輪用のハブ体402の左車軸間隙通気路53が第2通気路を構成し、この左車軸間隙通気路53から外部の空気を区画空間部111に取り込むようになっている。
第1圧縮空気生成部400a及び第2圧縮空気生成部400bのその他は、先の第3実施形態の第1圧縮空気生成部10aと同じ構成を採っている。
第4実施形態の圧縮空気供給路は、第1圧縮空気生成部400aで生成された圧縮空気を空気タイヤ103に導いて供給する空気タイヤ用圧縮空気供給路200aと、第2圧縮空気生成部400bで生成された圧縮空気を自転車に設けられたブレーキ装置に導いて供給する他部分用圧縮空気供給路400とを備えている。空気タイヤ用圧縮空気供給路200aは、先の第1実施形態の空気タイヤ用圧縮空気供給路2と同一構成を採っている。
又、第4実施形態の他部分用圧縮空気供給路400は、第2圧縮空気生成部400bの圧縮室31と連通した連通用供給路13bと、後述する自転車のブレーキ装置120に接続されたブレーキ送出用供給路401と、連通用供給路13bとブレーキ送出用供給路401とを接続した連結用供給路402を備えている。連通用供給路13bは、先の第3実施形態のものと同一構成を採っている。
他部分用圧縮空気供給路400の連結用供給路402も、先の第3実施形態における連結用供給路302と同一構成を採っている。より具体的には、他部分用圧縮空気供給路400の連結用供給路402は、車軸201に明けられた軸孔43aと、軸孔43aと連通用供給路13bとを連結した連結路403とを備えている。又、連結路403は、連結パイプ413の内部に形成されている。そして、その連結パイプ413は、回転接続部材45を介して車軸201に回転自在に接続されており、これにより、連結パイプ413の連結路403と車軸201の軸孔43aとが通気可能に,且つ回転自在に連結されている。
ブレーキ送出用供給路401は、パイプ部材410の内部に形成されている。このパイプ部材410の基端は、後車輪の車軸201に、接続具410aを介して接続されている。これにより、ブレーキ送出用供給路401と車軸201の軸孔43aとが通気可能に接続されている。
パイプ部材410の先端は、自転車の後車輪に設けられたブレーキ装置120に接続されている。
ここで、この後車輪のブレーキ装置120について簡単に説明する。この実施形態で用いるブレーキ装置120は、内拡ブレーキ120から構成されている。この内拡ブレーキ120は、図23に示すように被制動部材としてのドラム121と、制動部材としてのブレーキシュー122と、これらを覆うカバー123とを備えたものである。
ドラム121は、円筒部121aを備え、この円筒部121aの内周側にライニング当接部121bを備えている。そして、このドラム121は、後車輪に設けられた後車輪用のハブ体402のドラム取り付け用ネジ405aに取り付けられることにより後車輪用のハブ体402に固定されている。これにより、ライニング当接部121bが、後車輪用のハブ体402の回転に伴なって共に回転するようになっている。
カバー123は、円板部123aと、円板部123aの外周先端に形成された筒部123bとを備えている。筒部123bには、ブレーキ送出用供給路401を接続するパイプ接続口123cが、筒部123bの外周から内周側に貫通するように穿設されている。そして、このカバー123は、車軸201に通され、カバー固定用ナット123dを介して車軸201に固定されている。又、この固定により、カバー123の筒部123bがドラム121を外周側から覆う。
ブレーキシュー122は、図24に示すように円弧状の一対のシュー片122a、122aを備えている。これらの各シュー片122a、122aは、外周側に合成ゴム製のライニング122b、122bを備えている。そして、これらのシュー片122a、122aは、ドラム121の内周側に、各シュー片122a、122aの基端部同士を通した固定ボルト122cを介してカバー123に回転自在に支持されている。これにより、各シュー片122a、122aは、基端部を回転の軸にして先端側が回転するようになっている。又、これらのシュー片122a、122aの先端同士間には、シュー片122a、122aを回転操作するシュー操作用カム124が配設されている。
シュー操作用カム124は、小径部124aと、小径部124aより径の大きい大径部124bとを備えている。そして、シュー操作用カム124は、シュー操作用カム124を可動操作するためのアーム部材125が接続され、カバー123に、アーム部材125と共に回転し得るように取り付けられている。
又、アーム部材125は、ブレーキワイヤ133を介してブレーキレバー(図示せず)と接続されている。そして、ブレーキレバーの操作によって、図25に示すようにアーム部材125が可動し、それに伴ない、シュー操作用カム124が回転する。
その回転に際し、シュー操作用カム124の大径部124bが各シュー片122a、122aの先端部を押しのける。これにより、各シュー片122a、122aのライニング122b、122bがドラム121のライニング当接部121bに押し当たり、ドラム121の回転を制動できるようになっている。
一方、ブレーキレバーの操作を止めると、シュー片122a、122a同士を接続したコイルバネ126の付勢力によってシュー片122a、122aは、元の状態に戻り、ライニング122b、122bがドラム121のライニング当接部121bから離れる。
そして、このように構成された内拡ブレーキ120におけるカバー123のパイプ接続口123cに、パイプ部材410の先端が取り付けられている。
以上のように構成された第4実施形態の自転車の空気自動供給機構の動作について説明する。
この第4実施形態においても、先の第3実施形態と同様に、例えば自転車を走行させ車軸201に対して車輪本体を回転させる。これにより、第1圧縮空気生成部400aと第2圧縮空気生成部400bとが交互に空気の圧縮を行う。そして、第1圧縮空気生成部400aにより圧縮した空気を、空気タイヤ用圧縮空気供給路200aにより適宜空気タイヤの空気保持チューブに送り込む。
一方、第2圧縮空気生成部400bにより圧縮された空気は、連通用供給路13bから連結路403、車軸201の軸孔43aを順次通ってブレーキ送出用供給路401に送られる。更に、ブレーキ送出用供給路401からブレーキ装置120のパイプ接続口123cに入り、パイプ接続口123cからドラム121に向かって吹き付けられる。これにより、走行に際し、常時ドラム121に空気を吹き付けることができ、ドラム121とライニング122b、122bとの摩擦による熱の発生を抑えることができる。又、例えば夏場における直射日光等によりブレーキ装置120が過熱した場合でも、走行すれば冷却でき、ブレーキ装置120の過熱により支障をきたすようなことを防止できる。
以上のように構成された上記実施形態の発明の空気自動供給機構は、次のように把握することもできる。
即ち、実施形態に係る空気自動供給機構は、車軸に対する車輪本体の回転に際して圧縮空気を生成する圧縮空気生成部を備え、圧縮空気生成部は、複数のものから構成され、各圧縮空気生成部は、空気を圧縮するための圧縮室と、圧縮室に外部の空気を取り込むための空気取り込み口と、空気取り込み口から圧縮室に水が入るのを防止する防水機構とを備えたものである。
又、上記実施形態の空気自動供給機構は、圧縮空気生成部で生成された圧縮空気を空気タイヤに供給するための空気タイヤ用圧縮空気供給路と、圧縮空気生成部で生成された圧縮空気を空気タイヤ以外の車両の他の部分に供給するための他部分用圧縮空気供給路とを備え、この他部分用圧縮空気供給路は、圧縮空気生成部で生成された圧縮空気を自転車のブレーキ装置に導いて供給するものである。
又、そのブレーキ装置は、空気タイヤと共に回転する被制動部材と、被制動部材に当接可能に可動して被制動部材の回転を制動する制動部材とを備えたものである。
また、この他部分用圧縮空気供給路は、圧縮空気生成部で生成された圧縮空気を自転車のサドル部に導いて供給するものである。
このサドル部は、人が座るシートと、空気を保持した空気保持部とを備え、空気保持部は、シートにかかる荷重を受けてシートに弾力性を持たせ得るように配設されたものである。
又、サドル部は、シートを上下移動可能に支持したシート支持部を備え、空気保持部は、シート支持部に設けられ、シート支持部は、空気保持部の空気を押圧可能な空気押圧部を備え、空気押圧部は、シートに下方向の荷重がかかるに際して、空気保持部の空気を押圧し、この押圧によって、空気保持部の空気が圧縮されるとともに、シートが下方向に移動可能とされることにより、シートに弾力性を持たせるようにしたものである。
また、他部分用圧縮空気供給路は、圧縮空気生成部の圧縮室と連通した連通用供給路と、他の部分としての自転車のサドル部又はブレーキ装置に接続された他部分送出用供給路と、連通用供給路と他部分送出用供給路とを連結した連結用供給路とを備えたものである。又、連結用供給路は、車軸の軸方向に沿って車軸に明けられ他部分送出用供給路に接続された軸孔と、軸孔と連通用供給路とを連結した連結路とを備えている。また、連結路と軸孔とは、軸孔に回転自在に接続された接続用孔を介して回転可能に接続されている。
こうすることにより、走行に際して車輪本体と共に回転する圧縮空気生成部で生成した圧縮空気を連結路から軸孔を介して連結用供給路に、更に連結用供給路から自転車のサドル部又はブレーキ装置等の他の部分に送ることができる。
又、実施形態に係る空気自動供給機構は、車軸に対する車輪本体の回転に際して圧縮空気を生成する圧縮空気生成部を備え、圧縮空気生成部は、n(nは、2以上の整数)個のものから構成され、各圧縮空気生成部は、圧縮室と、圧縮室の空気を圧縮操作する圧縮操作体とを備え、圧縮操作体の第1端は、圧縮室内に摺動可能に配設され、圧縮操作体の第2端は、車軸に設けられたカムに保持されることにより、車軸に対する車輪本体の回転に際し、圧縮操作体がカムに追従し圧縮室内を摺動して圧縮室の空気を圧縮操作し、上記カムは、外周に圧縮操作体と当接するカム面を有するカム本体と、カム本体のカム面の側方側に、カム本体に対して回転可能に配位された操作体保持部とを備え、この操作体保持部に、少なくとも(n−1)個の操作体保持部の各圧縮操作体の第2端が、操作体保持部の周方向に移動可能に保持されたものである。
こうすることにより、一つの操作体保持部に各圧縮操作体の第2端を保持した状態で、各圧縮操作体の第2端をカムのカム面に当接した状態を維持させながら車軸の軸心を回転の中心にして回転させることができる。従って、一つの操作体保持部で全ての圧縮操作体の第2端を保持でき、装置の構造を簡素化でき、低コストで製作できる。
また、上記操作体保持部は、保持部本体と、保持部本体の周方向に摺動自在に保持部本体に取り付けられた摺動子と、摺動子の摺動に際して保持部本体の軸方向に対する摺動子の傾きを防止する摺動子傾き防止手段とを備え、この摺動子が、圧縮操作体の第2端を保持することにより、圧縮操作体が摺動子を介してカム面91aの周方向に移動可能とされたものである。
こうすることにより、例えば圧縮操作体に設けた保持軸を、摺動子を介して保持部本体の周方向に移動できる。その際、例えば摺動子を設けずに、保持軸を保持部本体に設けた軸嵌挿孔に直接入れて摺動させようとすると、ピストン部材が圧縮室に対して回転自在に収納されている場合、保持軸が軸嵌挿孔を摺動するに際し保持軸に抵抗がかかると、保持軸が軸嵌挿孔を摺動しないで保持軸を介してピストン部材が圧縮室に対して回転し保持軸の軸方向が車軸の軸方向に対して傾く場合がある。保持軸の軸方向が車軸の軸方向に対して傾くと、カムのカム面を走行するローラーの軸が傾いてカム面を走行し難くなり、或いは、保持軸が軸嵌挿孔から出てしまう場合も生じ、ピストン部材が圧縮室を円滑に摺動できない恐れが生じる。そこで、この実施形態のように、摺動子を介して保持軸を保持部本体の周方向に移動させるようにすることにより、ピストン部材が圧縮室に対して回転自在に収納されている場合でも、保持軸が傾くようなことを防止でき、常時円滑に移動させることができる。
尚、上記実施形態では、圧縮空気生成部を一つ設けたものと二つ設けたものを例示したが、圧縮空気生成部を三つ以上設けるようにしても良く、適宜変更できる。
又、圧縮空気生成部を二つ設けた上記第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態においては、第2軸嵌挿孔95を、円弧状の長溝からなる摺動溝95aを有するものとし、一つのピストン保持部92で第1圧縮空気生成部1aと第2圧縮空気生成部1bとの各保持軸36、36を保持した状態で、第1圧縮空気生成部1aと第2圧縮空気生成部1bとの各ローラー37、37が常時カム9のカム面91aを走行できるようにしているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
例えば第1圧縮空気生成部1aの保持軸36を第1のピストン保持部によって保持させ、第2圧縮空気生成部1bの保持軸36を第1のピストン保持部と異なる別の第2のピストン保持部によって保持させる場合は、第1軸嵌挿孔92b及び第2軸嵌挿孔95を円形状の孔から構成しても良い。
又、一つのピストン保持部92で、複数の圧縮空気生成部1a、1bの各保持軸36、36を保持する場合において、第1軸嵌挿孔92bと第2軸嵌挿孔95との形状等は、図13Bに示すような形態のものに限らず、適宜変更でき、ピストン保持部92で第1圧縮空気生成部1aと第2圧縮空気生成部1bとの各保持軸36、36を保持した状態で、第1圧縮空気生成部1aと第2圧縮空気生成部1bとの各ローラー37、37が常時カム9のカム面91aを走行できる形態のものであれば良い。より具体的には、以下の通りである。
即ち、複数の圧縮空気生成部は、ピストン部材が車軸に対する車輪本体の回転に際して車軸に接近・退行する方向に摺動し得るように、ハブ体に取り付けられ、カムは、外周にピストン部材と当接する断面円形状のカム面を有するカム本体と、カム本体のカム面の側方側にカム本体に対して回転自在に配位された操作体保持部としてのピストン保持部とを備え、カム本体は、車軸の軸心に対してカム面の中心が偏心した状態で、車軸に取り付けられ、ピストン保持部は、複数の圧縮空気生成部の各保持軸を保持する複数の軸嵌挿孔を備え、それらの複数の軸嵌挿孔の内の任意の二つの軸嵌挿孔は、それらの二つの軸嵌挿孔に夫々保持される二つの保持軸がカム面の中心からの中心角で合計、少なくとも4sin−1{e/r・sin(θ/2)}の角度範囲で、カム面の周方向に相対移動できるように、形成されたものである。ただし、rは、カム本体の有効半径、eは、車軸の軸心からカム面の中心までのカム本体の偏心量、θは、二つのピストン部材夫々の摺動方向が互いになす角度とする。又、有効半径とは、カム面の中心からピストン部材におけるローラーを保持した保持軸の軸心までの距離をいう。
例えば図27に示すように、二つのピストン部材32、32が夫々、車軸101に接近・退行する方向に摺動し、そのピストン部材32、32夫々の摺動方向p1、p2が互いになす角度をθとし、カム本体91の有効半径をeとする。又、カム面91aの中心O1と一方のピストン部材32の保持軸36の軸心とを結ぶ線と、カム面91aの中心O1と他方のピストン部材32の保持軸36の軸心とを結ぶ線とのなす角度を中心角βとする。図27では、説明の便宜上、ピストン部材32、32を回転させずにカム本体91を、車軸101の軸心を回転の中心O3にして回転させるものとする。
そうすると、図27に示すように、カム面91aにおける回転の中心O3からの距離が最短となる最短部91bと、回転の中心O3とを結ぶ最短半径線w1が上記角度θを二等分する位置にきたとき、中心角βは最小値β1になる。
一方、その状態から、カム本体91が180°回転し(この図27に一点鎖線で示す状態)、カム面91aにおける回転の中心O3からの距離が最長となる最長部91cと、回転の中心O3とを結ぶ最長半径線w2が上記角度θを二等分する位置にきたとき、中心角βは最大値β2になる。
従って、二つのピストン部材32、32を、保持軸36,36を介して一つのピストン保持部92に保持する場合には、ピストン部材32のカム本体91に対する回転に際し、上記最大の中心角β2と上記最小の中心角β1との差分だけ、保持軸36,36をピストン保持部に対して移動できるように保持しておくことが必要である。
即ち、少なくともβ2−β1=中心角Ψ(図13B参照)の角度範囲で、保持軸36,36がピストン保持部92に対して相対移動できるように、軸嵌挿孔95を形成しておくことが必要である。
ここで、図27より、(β1)/2=θ/2−sin−1{(e/r)・sin(π−θ/2)}、又、(β2)/2=θ/2+sin−1{(e/r)・sin(θ/2)}である。従って、β2−β1=4sin−1{(e/r)・sin(θ/2)}と表すことができる。
以上、一つのピストン保持部92で、複数の圧縮空気生成部1a、1bの各保持軸36,36を保持する場合には、二つの保持軸36、36が、カム面91aの中心O1からの中心角で、少なくとも合計、4sin−1{(e/r)・sin(θ/2)}だけ相対移動できるように、第1軸嵌挿孔92bと第2軸嵌挿孔95とを形成することが必要である。例えば上述の図13Bに示すように第2軸嵌挿孔95の一方にだけ保持軸36を移動する摺動溝95aを形成する場合には、第2軸嵌挿孔95の摺動溝95aを、中心角Ψが4sin−1{e/r・sin(θ/2)}以上になるように形成する。この図13Bに示す実施形態では、θがほぼ180°、eがほぼ2、2mm、rがほぼ14、2mmである。従って、中心角Ψは、ほぼ72°になる。
又、図26に示すように、第1軸嵌挿孔940と第2軸嵌挿孔95との両方を、摺動溝940a、95aの有するものに形成する場合は、第1軸嵌挿孔940の摺動溝940aの中心角Ψ1と第2軸嵌挿孔95の摺動溝95aの中心角Ψ2との合計(Ψ1+Ψ2)が4sin−1{e/r・sin(θ/2)}以上になるように形成すれば良い。
尚、この図26では、第1軸嵌挿孔940の摺動溝940aの中心角Ψ1と第2軸嵌挿孔95の摺動溝95aの中心角Ψ2とをほぼ同じに形成したものを示している。又、図26において、940bは、摺動溝940aの周縁に形成された第1軸嵌挿孔940aの座部940bを示している。また、三つ以上の圧縮空気生成部を設ける場合も、三つ以上の圧縮空気生成部の内の任意の二つの保持軸が、カム面91aの中心O1からの中心角で、少なくとも合計、4sin−1{(e/r)・sin(θ/2)}だけ相対移動できるように、軸嵌挿孔を形成すれば良い。
又、圧縮空気生成部を二つから構成する場合、上記実施形態のように、いずれか一方の摺動部が圧縮室内の最下位置から最上位置に向かって摺動するとき、他方の摺動部が圧縮室内の最上位置から最下位置に向かって摺動するように、カムの周方向に略等間隔に配位させる形態のものに限らず、適宜変更できる。ただし、いずれか一方の摺動部が圧縮室内の最下位置から最上位置に向かって摺動するとき、他方の摺動部が圧縮室内の最上位置から最下位置に向かって摺動するように配位しておくことにより、効率良く圧縮空気を生成することができ、この点で有利である。
又、上記実施形態では、摺動子80を介して、保持軸36を第2軸嵌挿孔95に対して移動させるようにしているが、例えば第2圧縮空気生成部1bのピストン部材32が圧縮室31に対して回転不能に収納する場合は、摺動子80を設けずに、保持軸36を第2軸嵌挿孔95に直接入れて移動させるようにしても良い。
また、圧縮空気生成部を三つ以上設ける場合においても、カムの周方向に略等間隔に配位させても良いが、等間隔に配位させなくても良く、適宜変更できる。
また、上記実施形態では、圧縮空気生成部で生成した圧縮空気を他部分圧縮空気供給路によって空気タイヤ以外の他の部分としての自転車のサドル部又はブレーキ装置に供給するようにしているが、空気タイヤ以外の他の部分は自転車のサドル部又はブレーキ装置に限らず、適宜変更できる。
また、上記実施形態では、空気タイヤ用圧縮空気供給路を設けたものとして実施しているが、例えば空気タイヤ用圧縮空気供給路を設けずに、圧縮空気生成部と空気タイヤとを接続し、圧縮空気生成部で生成した圧縮空気を直接空気タイヤに入れるようにしても良く、適宜変更できる。
又、本願発明の空気自動供給機構は、車軸に対して回動自在な車輪本体を有する車両に設けることができ、例えば一輪車、オートバイ、リヤカー等の二輪車、種々の三輪車、四輪車、エレベーター用車輪を有するエレベーター等に使用できる。
更に、上記実施形態では、圧縮操作体をピストン部材32から構成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば圧縮室31をハブ体102の内部まで拡大し、圧縮室31の周壁の全体又は軸方向の一部に、圧縮操作体としての伸縮自在な伸縮部を形成するとともに、圧縮室31の端面にカム9のカム面91aに当接するカム当接部を形成したものとする。そして、ハブ体102の回転に伴ないカム当接部がカム面91aを摺動し、その摺動に際してカム当接部がカム面91aに押圧されることにより、圧縮室31の容積が拡大状態から縮小状態になって空気を圧縮する。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、車軸に対する車輪本体の回転に際して圧縮空気を生成する圧縮空気生成部を備え、この圧縮空気生成部で生成した圧縮空気を空気タイヤに供給できるようにしたものとする。
こうすることにより、車軸に対して車輪本体が回転すると、圧縮空気生成部で空気を圧縮して圧縮空気を生成でき、生成した圧縮空気を空気タイヤに送り入れることができる。従って、例えば自転車を走行させて車輪本体を車軸に対して回転させれば良く、これにより、自動的に圧縮部で空気を一定圧に圧縮させ、その圧縮した空気を空気タイヤに送り込んで常時空気タイヤの空気圧を一定圧にできる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記圧縮空気生成部は、複数のものから構成され、各圧縮空気生成部は、圧縮室と、圧縮室の空気を圧縮操作する圧縮操作体とを備え、この圧縮操作体は、車軸に対する車輪本体の回転に際して車軸に設けられたカムに押圧されることにより圧縮室の空気を圧縮し、上記複数の圧縮空気生成部は、車軸に対する車輪本体の回転に際して各圧縮空気生成部の圧縮操作体がカムに順次に押圧され始めて圧縮操作を順次に開始できるように、配位されたものとする。
こうすることにより、車軸に対する車輪本体の回転に際し、複数の圧縮空気生成部によって、一つの圧縮空気生成部を設けて圧縮空気を生成する場合に比して複数倍の量の圧縮空気を生成できる。例えば車椅子のように、通常の走行では走行距離が短くて車輪の回転数が少なく、短時間の走行では生成できる圧縮空気の量が少なくて短時間の走行では車椅子の空気タイヤに圧縮空気を供給し難い。しかし、この発明においては、車輪の回転数が少ない段階の走行開始後短時間内に、複数の圧縮空気生成部によって充分な量の圧縮空気を生成して空気タイヤに供給して所定の空気圧にできる。
一方、車軸に対する車輪本体の回転に際して各圧縮空気生成部の圧縮操作体がカムに順次に押圧され始めて圧縮操作を順次に開始できるため、例えば複数の圧縮空気生成部によって同時に圧縮室の空気を圧縮する場合に比して、小さい力で圧縮空気を生成でき、車軸に対する車輪本体の回転の抵抗を小さいものにできる。
例えば一つのカムから構成するとともに、カムの周方向に各圧縮空気生成部の位置をずらすようにして複数の圧縮空気生成部を配位させる。これにより、車軸に対する車輪本体の回転に際し、各圧縮空気生成部の圧縮操作体をカムによって順次に押圧でき、製作容易なものにできる。又、複数の圧縮空気生成部を、カムの周方向に沿って一列に並べることも可能となり、装置全体の車軸の軸方向の長さの短いものにできる。従って、例えば自転車や車椅子の車輪本体に設けられたハブ体に取り付け易いものにでき、自転車や車椅子に適したものにできる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、空気自動供給機構は、圧縮空気生成部で生成された圧縮空気を空気タイヤ以外の車両の他の部分に導いて供給するための他部分用圧縮空気供給路を備えたものとする。
こうすることにより、例えば複数の圧縮空気生成部の内の一つで生成された圧縮空気を空気タイヤ用圧縮空気供給路によって空気タイヤに供給し、他の圧縮空気生成部で生成された圧縮空気を、他の部分としての自転車のサドル部に設けた空気保持部に他部分用圧縮空気供給路によって供給しサドル部のシートに弾力性を持たせることができる。或いは他の部分として、例えば自転車のブレーキ装置に他部分用圧縮空気供給路によって供給しブレーキ装置が過熱するのを防止できる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記圧縮空気生成部は、第1圧縮空気生成部と、第2圧縮空気生成部との二つから構成され、これらの第1圧縮空気生成部と第2圧縮空気生成部との各圧縮操作体は、圧縮室を摺動する摺動部と、カムに当接するカム当接部とを備え、この摺動部は、圧縮室の容積を最大状態にする最下位置から圧縮室の容積を最小状態にする最上位置までの範囲を摺動し、カム当接部は、車軸に対する車輪本体の回転に際してカムに押圧され、この押圧によって摺動部が圧縮室を最下位置から最上位置に向かって摺動しその摺動に際して圧縮室の空気が圧縮され、第1圧縮空気生成部と第2圧縮空気生成部とは、いずれか一方の摺動部が圧縮室を最下位置から最上位置に向かって摺動するとき、他方の摺動部が圧縮室を最上位置から最下位置に向かって摺動するように、配位されたものとする。
こうすることにより、第1圧縮空気生成部と第2圧縮空気生成部とは、交互に圧縮室の空気を圧縮し、いずれか一方が圧縮室の空気を圧縮操作している間、他方は圧縮室の空気を圧縮操作することのないものにできる。これにより、例えば一つの圧縮空気生成部を設けて圧縮空気を生成する場合とほぼ同じ力で二倍の量の圧縮空気を生成することができる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記圧縮空気生成部は、圧縮室と、圧縮室の空気を圧縮操作する圧縮操作体と、圧縮室に外部の空気を取り込むための空気取り込み口とを備え、圧縮操作体は、圧縮室の容積を最大状態にする最下位置から圧縮室の容積を最小状態にする最上位置までの範囲にかけて圧縮室を摺動する摺動部を備え、この摺動部が、車軸に対する車輪本体の回転に際して圧縮室を最下位置から最上位置に向かって摺動するに際して圧縮室の空気を圧縮操作し、空気取り込み口は、圧縮室を最下位置から最上位置までの範囲を摺動する摺動部の移動範囲内おける最下位置の近傍に配位されたものとする。
こうすることにより、摺動部が圧縮室を最下位置から最上位置に向かって摺動する空気の圧縮操作に際し、摺動部が最下位置から空気取り込み口を超え、その超えた位置から最上位置への摺動に際して、圧縮室の空気を、空気取り込み口に逃がすことなく圧縮できる。これにより、圧縮室での摺動部の摺動による空気の圧縮に際して圧縮室から空気取り込み口に空気が流れないようにするための逆流防止弁を不要にでき、簡素化できると共に低コストで製作できる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記圧縮空気生成部は、車輪本体に設けられたハブ体に取り付けられるとともに、ハブ体の内部から空気を圧縮室内に取り込みその取り込んだ空気を圧縮可能とされたものとする。
こうすることにより、雨水等の水が入り難いハブ体の内部から空気を圧縮室内に取り込ませることができ、圧縮室に空気と共に水が入り込むおそれの少ないものにできる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記圧縮空気生成部は、空気を圧縮する圧縮室と、圧縮室に外部の空気を取り込むための空気取り込み口と、空気取り込み口から圧縮室に水が入るのを防止する防水機構とを備えたものとする。
こうすることにより、防水機構によって、例えば雨の日に走行したような場合でも、空気取り込み口から圧縮室に雨水等が空気と共に入るようなことを防止でき、圧縮室から雨水等の水を空気タイヤに送り込むのを防止できる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記車輪本体は、車軸に回転自在に支持されたハブ体を備え、上記圧縮空気生成部は、車輪本体のハブ体に取り付けられ、上記防水機構は、空気取り込み口とハブ体の内部とを通気可能に連通した第1通気路を備え、この第1通気路を介して、空気をハブ体の内部から圧縮室に取り込むことにより、圧縮空気生成部に水が入り込むのを防止するものとする。
こうすることにより、雨水等の水が入り難いハブの内部の空気を空気取り込み口から圧縮室に取り込ませることができ、空気取り込み口から圧縮室に空気と共に水が入り込むおそれの少ないものにできる。これにより、容易に低コストで防水機構を形成できる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記ハブ体は、筒状のハブ胴と、ハブ胴を軸方向の両側から支持した支持部とを備え、これらの支持部が、車軸に回転自在に支持されることにより、ハブ体が車軸に対して回転自在とされるとともに、ハブ胴と支持部とによって、ハブ体の内部に、外部と区画された区画空間部が形成され、上記防水機構は、ハブ体の区画空間部と外部とを連通するように、支持部に形成された第2通気路を備えているものとする。
こうすることにより、雨水等の水が第2通気路から区画空間部に入り難いものにできる。これにより、区画空間部から空気を空気取り込み口に送り入れる際、空気と共に水を送り入れるようなことを確実に防止できる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記ハブ体の各支持部は、複数の鋼球を転がり可能に受けた鋼球受け部と、鋼球受け部の径方向の内側に車軸を回転可能に挿通する車軸孔とを備え、車軸孔に通した車軸に、鋼球受け部が複数の鋼球を介して回転自在に支持されることにより、ハブ体が車軸に対して回転自在とされるとともに、ハブ体の各支持部に夫々、車軸孔の内周面と車軸との間に形成された車軸間隙及び鋼球同士の間に形成された鋼球間隙を通るように、区画空間部から通気可能に延びた車軸間隙通気路が形成され、上記第2通気路は、これら二つの車軸間隙通気路の少なくとも一つを構成要素とするものとする。
鋼球受け部に鋼球を配設する場合、通常、鋼球の転がりを円滑にするためにグリスを共に配設する。従って、水は、鋼球間隙を通過し難く、車軸間隙通気路を通り難いものにできる。又、このような車軸間隙通気路は、通常のハブ体に形成されている。従って、第2通気路を、別途に形成しなくても、通常のハブ体に形成されている車軸間隙通気路を利用でき、低コストで防水機構を形成できる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記二つの車軸間隙通気路の内の何れか一つがシール部材によってハブ体の外部から略密閉されることにより、他の一つの車軸間隙通気路が第2通気路の一部又は全部を構成したものとされ、上記防水機構は、この第2通気路を構成した他の一つの車軸間隙通気路と外部とを連通した第3通気路を備え、第3通気路を介してハブ体の外部の空気が上記他方の車軸間隙通気路からハブ体の内部に入るものとする。
こうすることにより、第3通気路の形成にコストがかかるような場合でも第3通気路を一つだけ形成すれば良く、全体のコストを抑えることができる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記第3通気路は、車軸を挿通するようにしてハブ体に取り付けられた筒状体の内周面と車軸の外周との間に区画形成されたものであり、この筒状体の内周面には、外部側に行くに従い内径が漸次大きくなるテーパー部が備えられているものとする。
こうすることにより、第3通気路内に水が入り込んだ場合でも、ハブ体の回転の伴なう遠心力によって、水を、テーパー部の径の大きい方に移動させ、外部に追い出すことができる。又、水を自重によって、テーパー部の径の大きい方に伝わせ、外部に追い出すことができる。従って、第3通気路を、水が通過し難いものにできる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記圧縮空気生成部は、圧縮室と、圧縮室の空気を圧縮操作する圧縮操作体とを備え、圧縮操作体の第1端は、圧縮室内に摺動可能に配設され、圧縮操作体の第2端は、車軸に設けられたカムに保持されることにより、車軸に対する車輪本体の回転に際して、圧縮操作体がカムに追従し圧縮室内を摺動して圧縮室の空気を圧縮操作するものとする。
例えば圧縮操作体の端部を圧縮操作体付勢用のコイルバネによってカムに押圧して当接状態を維持させている場合には、その付勢力に抗して圧縮操作体を摺動させなければならず、車軸に対する車輪本体を回転させる際の抵抗になってしまう、しかし、この実施形態では、圧縮操作体をカムに保持するようにして付勢用のコイルバネを設けていないため、圧縮操作体を小さい力で円滑に摺動できる。これにより、車軸に対する車輪本体を回転させる際の抵抗を小さくできる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記圧縮操作体は、カムに取り外し自在に保持されたものとする。
こうすることにより、圧縮空気生成部をカムから容易に外すことができるとともに、カムから外したその圧縮空気生成部を容易に組みつけることができる。これにより、分解等して部品の交換等が容易に行うことができ、メンテナンスの容易なものにできる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記カムは、外周に圧縮操作体と当接するカム面を有するカム本体と、カム本体のカム面の側方側に配位された操作体保持部とを備え、上記圧縮操作体は、棒状の操作本体と、カム本体のカム面に当接するカム当接部と、カムの操作体保持部に保持されるカム保持部とを備え、上記操作本体は、カム本体のカム面の径方向の外側に、径方向に移動可能に配位され、上記カム当接部は、カム本体のカム面と操作本体との間に配位され、上記カム保持部は、操作体保持部に取り外し自在に保持されたものとする。
こうすることにより、圧縮操作体がカムに押圧されて空気の圧縮操作をする場合は、圧縮操作体の操作本体をカム当接部を介してカムによって径方向の内側から径方向の外側に押圧することができる。これにより、操作本体をカムの径方向に効率良く円滑に移動させることができる。
又、圧縮操作体をカムに保持させ又は保持したカムから取り外す場合は、カム本体のカム面の側方側に配位された操作体保持部にカム保持部を保持させ、あるいは保持を外せば良く、圧縮操作体のカムからの取り外し操作を容易なものにできる。その一方、カム本体のカム面の側方側に配位された操作体保持部にカム保持部を保持しておくと、圧縮操作体がカムに引っ張られる際、圧縮操作体が側方側から引っ張られることになる。しかし、圧縮操作体がカムに引っ張られる際には、空気の圧縮を行わないため、操作本体にはあまり大きな力がかからないため、操作本体を円滑に引っ張り操作でき、支障なく行うことができる。
本願発明の空気タイヤの空気自動供給機構においては、上記カム当接部は、操作本体に回転自在に取り付けられたローラーの外周の一部から構成されたものであり、上記カム保持部は、ローラーを操作本体に回転自在に支持するとともに、カムの操作体保持部に保持される保持軸からなるものとする。
こうすることにより、圧縮操作体を押圧する際にカム当接部にかかるカム面の接線方向の力を小さくでき、圧縮操作体の操作本体をカムの径方向に、より一層、効率良く円滑に移動させることができる。
又、ローラーを操作本体に回転自在に支持した保持軸をカム保持部とし、この保持軸をカムの操作体保持部に保持するため、保持軸を兼用でき、別途にカム保持部を形成せずに済み、容易に低コストで製作できる。
上記においては、本発明を好ましい実施形態として説明したが、各用語は、限定のために用いたのではなく、説明のために用いたものであって、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、添付のクレームの範囲において、変更することができるものである。
Claims (13)
- 車両の車軸に対して回転可能な車輪本体に設けられた空気タイヤに、空気を自動供給し得る空気タイヤの空気自動供給機構であって、
車軸に対する車輪本体の回転に際して圧縮空気を生成する圧縮空気生成部を備え、この圧縮空気生成部で生成した圧縮空気を空気タイヤに供給できるようにした空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記圧縮空気生成部は、空気を圧縮する圧縮室と、圧縮室に外部の空気を取り込むための空気取り込み口と、空気取り込み口から圧縮室に水が入るのを防止する防水機構とを備え、
上記車輪本体は、車軸に回転自在に支持されたハブ体を備え、
上記圧縮空気生成部は、車輪本体のハブ体に取り付けられ、
上記防水機構は、空気取り込み口とハブ体の内部とを通気可能に連通した第1通気路を備え、この第1通気路を介して、空気をハブ体の内部から圧縮室に取り込むことにより、圧縮空気生成部に水が入り込むのを防止するものであり、
上記ハブ体は、筒状のハブ胴と、ハブ胴を軸方向の両側から支持した支持部とを備え、これらの支持部が、車軸に回転自在に支持されることにより、ハブ体が車軸に対して回転自在とされるとともに、ハブ胴と支持部とによって、ハブ体の内部に、外部と区画された区画空間部が形成され、
上記防水機構は、ハブ体の区画空間部と外部とを連通するように、支持部に形成された第2通気路を備えているものであることを特徴とする空気タイヤの空気自動供給機構。 - 請求項1記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記ハブ体の各支持部は、複数の鋼球を転がり可能に受けた鋼球受け部と、鋼球受け部の径方向の内側に車軸を回転可能に挿通する車軸孔とを備え、車軸孔に通した車軸に、鋼球受け部が複数の鋼球を介して回転自在に支持されることにより、ハブ体が車軸に対して回転自在とされるとともに、ハブ体の各支持部に夫々、車軸孔の内周面と車軸との間に形成された車軸間隙及び鋼球同士の間に形成された鋼球間隙を通るように、区画空間部から通気可能に延びた車軸間隙通気路が形成され、
上記第2通気路は、これら二つの車軸間隙通気路である右車軸間隙通気路及び左車軸間隙通気路の少なくとも一つを構成要素とするもの。 - 請求項2記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記二つの車軸間隙通気路の内の何れか一つがシール部材によってハブ体の外部から略密閉されることにより、他の一つの車軸間隙通気路が第2通気路の一部又は全部を構成したものとされ、
上記防水機構は、この第2通気路を構成した他の一つの車軸間隙通気路と外部とを連通した第3通気路を備え、第3通気路を介してハブ体の外部の空気が上記他方の車軸間隙通気路からハブ体の内部に入るもの。 - 請求項3記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記第3通気路は、車軸を挿通するようにしてハブ体に取り付けられた筒状体の内周面と車軸の外周との間に区画形成されたものであり、
この筒状体の内周面には、外部側に行くに従い内径が漸次大きくなるテーパー部が備えられているもの。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記圧縮空気生成部は、複数のものから構成され、
各圧縮空気生成部は、圧縮室と、圧縮室の空気を圧縮操作する圧縮操作体とを備え、
この圧縮操作体は、車軸に対する車輪本体の回転に際して車軸に設けられたカムに押圧されることにより圧縮室の空気を圧縮し、
上記複数の圧縮空気生成部は、車軸に対する車輪本体の回転に際して各圧縮空気生成部の圧縮操作体がカムに順次に押圧され始めて圧縮操作を順次に開始できるように、配位されたもの。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記空気自動供給機構は、圧縮空気生成部で生成された圧縮空気を空気タイヤ以外の車両の他の部分に導いて供給するための他部分用圧縮空気供給路を備えたもの。 - 請求項5記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記圧縮空気生成部は、第1圧縮空気生成部と、第2圧縮空気生成部との二つから構成され、
これらの第1圧縮空気生成部と第2圧縮空気生成部との各圧縮操作体は、圧縮室を摺動する摺動部と、カムに当接するカム当接部とを備え、
この摺動部は、圧縮室の容積を最大状態にする最下位置から圧縮室の容積を最小状態にする最上位置までの範囲を摺動し、
カム当接部は、車軸に対する車輪本体の回転に際してカムに押圧され、この押圧によって摺動部が圧縮室を最下位置から最上位置に向かって摺動しその摺動に際して圧縮室の空気が圧縮され、
第1圧縮空気生成部と第2圧縮空気生成部とは、いずれか一方の摺動部が圧縮室を最下位置から最上位置に向かって摺動するとき、他方の摺動部が圧縮室を最上位置から最下位置に向かって摺動するように、配位されたもの。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記圧縮空気生成部は、圧縮室と、圧縮室の空気を圧縮操作する圧縮操作体と、圧縮室に外部の空気を取り込むための空気取り込み口とを備え、
上記圧縮操作体は、圧縮室の容積を最大状態にする最下位置から圧縮室の容積を最小状態にする最上位置までの範囲にかけて圧縮室を摺動する摺動部を備え、この摺動部が、車軸に対する車輪本体の回転に際して圧縮室を最下位置から最上位置に向かって摺動するに際して圧縮室の空気を圧縮操作し、
上記空気取り込み口は、圧縮室を最下位置から最上位置までの範囲を摺動する摺動部の移動範囲内おける最下位置の近傍に配位されたもの。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記圧縮空気生成部は、車輪本体に設けられたハブ体に取り付けられるとともに、ハブ体の内部から空気を圧縮室内に取り込みその取り込んだ空気を圧縮可能とされたもの。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記圧縮空気生成部は、圧縮室と、圧縮室の空気を圧縮操作する圧縮操作体とを備え、
圧縮操作体の第1端は、圧縮室内に摺動可能に配設され、
圧縮操作体の第2端は、車軸に設けられたカムに保持されることにより、車軸に対する車輪本体の回転に際して、圧縮操作体がカムに追従し圧縮室内を摺動して圧縮室の空気を圧縮操作するもの。 - 請求項10記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記圧縮操作体は、カムに取り外し自在に保持されたもの。 - 請求項10記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記カムは、外周に圧縮操作体と当接するカム面を有するカム本体と、カム本体のカム面の側方側に配位された操作体保持部とを備え、
上記圧縮操作体は、棒状の操作本体と、カム本体のカム面に当接するカム当接部と、カムの操作体保持部に保持されるカム保持部とを備え、
上記操作本体は、カム本体のカム面の径方向の外側に、径方向に移動可能に配位され、
上記カム当接部は、カム本体のカム面と操作本体との間に配位され、
上記カム保持部は、操作体保持部に取り外し自在に保持されたもの。 - 請求項12記載の空気タイヤの空気自動供給機構において、
上記カム当接部は、操作本体に回転自在に取り付けられたローラーの外周の一部から構成されたものであり、
上記カム保持部は、ローラーを操作本体に回転自在に支持するとともに、カムの操作体保持部に保持される保持軸からなるもの。
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