JPS6328009Y2 - - Google Patents

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JPS6328009Y2
JPS6328009Y2 JP4293779U JP4293779U JPS6328009Y2 JP S6328009 Y2 JPS6328009 Y2 JP S6328009Y2 JP 4293779 U JP4293779 U JP 4293779U JP 4293779 U JP4293779 U JP 4293779U JP S6328009 Y2 JPS6328009 Y2 JP S6328009Y2
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oil
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hydraulic
vehicle
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、油圧モータの供給回路圧力が大気
圧以下の時にフリーホイーリング状態とされる油
圧モータを装着した車両の走行用油圧装置に関す
るものである。
〔従来の技術〕
不整地を自由に走行でき、不整地の凹みや柔軟
な箇所に車輪がはまりこんだ場合には容易に脱出
すること(以下、これを脱輪と称する)ができ、
さらには急な坂を登ることも可能な車両として
は、たとえば4輪駆動方式を採用したジープなど
がある。この4輪駆動方式は、歯車変速装置(ト
ランスミツシヨン)に補助変速機を連結し、その
出力軸を前後両軸形とし、それぞれにユニバーサ
ルジヨイント、プロペラシヤフトおよびデイフア
レンシヤル減速装置からなるかなり複雑な動力伝
達系を連結して、前・後輪を同時に回転駆動する
ようにしたものである。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、ジープほどの高速走行を要せず、最
高でせいぜい毎時15Km程度の速度で路上走行がで
きればよいとされる、たとえば農業用運搬車や土
木建設用特装車においては、4輪駆動方式のもの
は、大幅なコストアツプを来たすことから、従来
用いられていない。しかし、走行速度が速くなく
ても不整地を自由に走行でき、脱輪が容易にで
き、かつ登坂能力の優れているものが要望される
ことはいうまでもないところである。
この考案は、不整地の走行を必要とする車両、
たとえば農業用運搬車などにおいて、どの走行速
度においてもジープなどのように4輪駆動ができ
るようにする必要はなく、第1速、すなわち低速
での走行4輪駆動によつてなしうるようにして、
不整地における走行性能、脱輪動作ならびに登坂
能力などの性能を従来の2輪駆動方式のこの種の
車両に比して大いに向上させることができるよう
にすることを技術的課題としてなされたものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を達成するため手段として、この考案
は、車両走行用油圧装置をつぎのように構成し
た。すなわち、この考案に係る車両走行用油圧装
置は、エンジン駆動の後輪を有する車両の前輪の
固定主軸の偏心軸部に回転自在に支承され、複数
個のシリンダが前記偏心軸部の軸心に向つて放射
状に等配されたシリンダブロツク、このシリンダ
ブロツクの前記各シリンダにそれぞれはめあわさ
れ、圧油の導入用貫通孔を中心に有するとともに
頂端面にポケツトを備えたピストン、これら各ピ
ストンの頂端面の周縁部とそれぞれ密着するピス
トン押圧面を内方に有し、前記固定主軸に回転自
在に支承され、前輪ハブ部を形成するケーシン
グ、並びに前記固定主軸を貫通し、その偏心軸部
の二面取り部にそれぞれ開口する圧油の供給油路
及び排出油路からなるラジアルピストン形油圧モ
ータと、前記車両のパワーテイクオフ装置から取
り出された動力で駆動され、前記ラジアルピスト
ン形油圧モータに圧油を供給する油圧ポンプと、
この油圧ポンプと前記油圧モータとを接続する油
圧回路に設けられた3位置4方切換弁とを備えて
なり、前記油圧ポンプは、その吐出容量を前記油
圧モータの油圧駆動時の回転速度が前記車両のト
ランスミツシヨンの切換えによる後輪の第1速の
回転速度に一致するように設定するとともに、前
記切換弁はその中立切換位置では前記油圧ポンプ
から油圧モータへの供給油路をしや断するととも
に油タンクへの排出油路に導通し、かつ油圧モー
タから油タンクへの排出油路を導通することによ
り前記油圧モータをフリーホイーリング状態にな
らしめるものを用いたことを特徴として構成され
ている。
〔作用〕
上記構成の油圧装置を備えた車両においては、
3位置4方切換弁を切換え操作して、車両の歯車
変速装置に連結したパワーテイクオフ装置から取
り出された動力によつて駆動される油圧ポンプか
らラジアルピストン形油圧モータに圧油を供給
し、その油圧モータの固定主軸に支承されている
ケーシングを回転駆動させて前輪を油圧駆動させ
ると、油圧モータの油圧駆動時の回転速度が車両
のトランスミツシヨンの切換えによる後輪の第1
速の回転速度に一致するよう、前記油圧ポンプの
吐出容量が設定されているので、油圧駆動の前輪
と通常の機械駆動の後輪とによる第1速でのハイ
ブリツド式の4輪駆動が行なわれる。また、前記
切換弁を切換え操作することにより、油圧モータ
への圧油の供給をしや断し、かつ油圧モータから
の戻り油をタンクへ開放して、その供給回路圧力
を大気圧以下にするときは、油圧モータはフリー
ホイーリング状態となり、この油圧モータのフリ
ーホイーリング状態においてなされるミツシヨン
切換えによる第1速〜第3速での後輪の機械駆動
走行に対し、前輪におけるエネルギー損失は最小
となる。
〔実施例〕
以下、この考案の好適な実施例について図面を
参照しながら詳細に説明する。
第1図は、この考案に係る油圧装置に用いられ
る特定の油圧モータを前輪ハブ部に装着した状態
を示す側面図、第2図はこの油圧装置の油圧回路
図、第3図は同じくこの油圧装置の油圧回路図で
あるが、その方向切換弁に標準的な構成のものを
使用し、チエツク弁を備えたバイパス油路を設け
た油圧回路図、第4図および第6図は、それら油
圧回路に組み込まれて使用される特定のケーシン
グ回転形のラジアルピストン形油圧モータの構造
説明図である。
図において、1はケーシング回転形のラジアル
ピストン形油圧モータ、2は前輪リム、3は前輪
タイヤ、4は油圧モータ1の固定主軸、5は油圧
ポンプで、図示されていないが、トランスミツシ
ヨンに連結された一方向回転のシングル型パワー
テイクオフ装置の出力軸によつて継手を介し回転
駆動される。6は油タンク、7はフイルタ、8は
リリーフ弁、9,9′は手動操作方式の3位置4
方切換弁である。方向切換弁9は、中立位置にお
いてすべてのポート、すなわちポンプポートP、
タンクポートT、油圧モータ1と接続されるA、
B両ポートが油タンク6に接続するオールポー
ト・オープン、バイパス付き方向切換弁にボール
チエツク弁10を組み込んだものであり、方向切
換弁9′は、中立位置において、Aポートのみが
ブロツクされ、かつボールチエツク弁10が弁外
のバイパス管路に取り付けられているものであつ
て、それは方向切換弁9を中立位置においてAポ
ートブロツク流路を有する標準的なものと置き換
えるとともに、弁外のバイパス管路にボールチエ
ツク弁10を取り付け、この両者によつて、前記
方向切換弁9と同一の機能をもたせるようにした
ものである。
左・右の前輪に組み込まれた油圧モータ1は、
切換弁9,9′のいずれのA、B各ポートに対し
ても、管路を介しそれぞれ並列に接続される。1
1は油圧モータ1のドレン排出管路であり、第2
図において二点鎖線で囲つた枠は、この枠内に含
まれる各油圧エレメントがコンパクトにまとめら
れて小型油圧源装置とされ、パワーテイクオフ装
置(図示せず)に装着できるようにされているこ
とを示す。そして、油圧ポンプ5の吐出容量は、
それが前記パワーテイクオフ装置によつて回転駆
動され、送り出される圧油が油路に並列に接続さ
れた油圧モータ1にそれぞれ1/2ずつ供給される
場合に、油圧モータ1のケーシングの回転速度が
トランスミツシヨンの切換えによる後輪の第1
速、すなわち低速回転速度と一致するように設定
される。
つぎに、この車両走行用油圧装置の動作につい
て説明する。
車両が不整地に乗り入れ、トランスミツシヨン
を第1速に切り換え、後輪を低速回転駆動させる
と同時に、方向切換弁9または9′をその手動切
換レバーの操作によつて左位置(前進位置)に切
り換える。パワーテイクオフ装置の出力軸によつ
て継手を介し回転駆動される油圧ポンプ5からの
圧油は、切換弁9または9′のポンプポートPか
らポートAへ弁内の油路を通り、左側の管路を経
て1/2ずつ油圧モータ1にそれぞれ送りこまれる。
前記したとおり、油圧ポンプ5の吐出容量は、各
油圧モータ1のケーシングを後輪の回転速度と一
致する回転速度で回転させるように設定されてい
ることから、前輪のタイヤ3は、油圧モータ1に
よつて積極的に後輪のタイヤと同一回転速度にて
回転駆動されることとなり、車両は不整地におけ
る第1速での4輪駆動による前進走行を行なうこ
ととなる。この場合、油圧モータ1からの戻り油
は、右側の管路から切換弁9または9′のポート
BからタンクポートTへ弁内の油路を通り、右側
の管路を経て油タンク6へ排出されるとともに、
油圧モータ1のドレンは、ドレン排出管路11を
経て油タンク6へ排出されることはいうまでもな
い。
切換弁9または9′をその手動切換レバーの操
作によつて右位置(後進位置)に切り換えるとき
は、油圧ポンプ5からの圧油は、ポンプポートP
からポートBへ弁内の油路を通り、右側の管路を
経て前記同様に油圧モータ1にそれぞれ送りこま
れ、前記とは反対方向に油圧モータ1のケーシン
グを回転駆動させる。したがつて、トランスミツ
シヨンの第1速・後進位置への切換えを行なうと
ともに、前記した切換弁9または9′の手動レバ
ーの操作を行なうことによつて、車両は第1速で
の4輪駆動による後進走行を行なうこととなる。
なお、油圧駆動にて前輪が回転されて走行がな
される場合、車両が旋回を円滑に行なうには、左
右両輪の回転速度がそれぞれ自動的に変化しなけ
ればならないが、旋回時には前輪の左右両輪に作
用する走行抵抗に差を生ずることから、両輪を
別々に回転駆動させている油圧モータ1の回転速
度が自動的に変化すること、すなわち回転抵抗の
小さい側の前輪の油圧モータ1には、回転抵抗の
大きい側のそれよりも圧油の流入量が自動的に増
してその回転速度が上昇することにより、あたか
もデイフアレンシヤルギアが装着されているのと
同様な作用がなされる。
また、切換弁9または9′をその手動切換レバ
ーの操作によつて左位置(前進位置)または右位
置(後進位置)に切り換えるとともに、トランス
ミツシヨンを中立位置に切り換える場合には、後
輪のエンジンによる回転駆動は行なわれなくな
り、後輪は停止もしくは自由回転の状態におかれ
るが、パワーテイクオフ装置の出力軸はエンジン
によつて引き続いて回され、油圧ポンプ5は圧油
を油圧モータ1に供給し続けることから、前輪の
みを油圧によつて回転駆動させ、車両の油圧単独
駆動による前進または後進走行を行なわせること
もできる。
切換弁9または9′をその手動切換レバーによ
つて中立位置に切り換える場合には、切換弁9に
おいては、油圧ポンプ5からの圧油はポンプポー
トPから弁内に入るが、ボールチエツク弁10に
よつて油路がしや断され、全量がタンクポートT
へバイパスされて油タンク6へ排出され、ポート
Aから油圧モータ1への圧油の供給は断たれ、一
方、油圧モータ1からの排油はポートBからタン
クポートTを経て油タンク6に戻される。このこ
とは切換弁9′においても同様であり、第3図の
油圧回路においては、油圧ポンプ5からの圧油
は、切換弁9′のポンプポートPに至る管路途中
の分岐油路にも送り出されるが、ボールチエツク
弁10によつてしや断されることから、前記同様
に油圧モータ1への圧油の供給は断たれ、一方、
油圧モータ1からの排油は油タンク6に戻され
る。したがつて、油圧モータ1による前輪の回転
駆動は行なわれなくなるが、車両としてはトラン
スミツシヨンが、たとえば第2速もしくは第3速
(中速もしくは高速)位置に切り換えられて、後
輪駆動によつて走行している場合には、前輪は当
然後輪と同一速度にて回転させられていることか
ら、油圧モータ1のケーシングは、前輪によつて
前進方向に回されることとなる。そして、このよ
うに油圧モータ1がその供給油路への圧油の供給
が断たれるとともに、排出油路が油タンク6に開
放されている状態においてそのケーシングが前進
方向に回されるときは、供給回路の圧力は大気圧
以下となり、油圧モータ1は、後記するようにフ
リーホイーリング状態とされることによつてエネ
ルギーロスが最小にされる。すなわち、道路もし
くは平地を第2速または第3速にて後輪駆動によ
つて走行する場合には、切換弁9または9′をそ
の手動切換レバーによつて中立位置に切り換える
ことによつて、油圧モータ1をフリーホイーリン
グ状態とし、前輪の回転抵抗を小さくし、エネル
ギーロスを最小に抑えて、従来の2輪駆動方式の
車両とほぼ同様の燃料消費にて走行することがで
きる。もつとも、この間において、油圧ポンプ5
は、切換弁9または9′のポンプポートPからタ
ンクポートTを経て油タンク6に至る循環油路に
油を送り続けているので、その管路抵抗によるエ
ネルギーロス、すなわちアンロード状態でのポン
プ運転に要する動力損失をなくすことができない
が、その損失は僅少である。
方向切換弁9または9′を中立位置に切り換え、
トランスミツシヨンを第1速・後進に切り換えて
車両を後進させる場合には、油圧モータ1は、車
両の後進にともなつて前輪を介して逆転させら
れ、ポンプとして作用する。したがつて、油圧モ
ータ1の左側管路は吐出油路となるため、ボール
チエツク弁10をその油路に開き勝手に介在させ
て逃し弁として働かせるようにし、油圧モータ1
が油圧ブレーキとして作用することを防止する。
つぎに、これらの油圧回路と組み合わせて使用
されるケーシング回転形のラジアルピストン形油
圧モータについて説明する。
第4図は、軸受支持カバーを取り除いて示した
ラジアルピストン形油圧モータの正面図であり、
第6図はその側断面図である。図において、15
はケーシング、16はピストン押圧面で、ケース
15の内周に五角面を形成する。17はピストン
で、シリンダブロツク18の中心Ozに向かつて
放射状に等角度間隔にて設けられた5箇所のシリ
ンダ19にそれぞれ組み込まれる。また、ピスト
ン17の底部近傍にはピストンリングがはめこま
れ、ピストン17とシリンダ19との〓間からの
油洩れを防止するようにされている。20は固定
主軸4の偏心軸部、21,21′は左右一対のこ
ろがり軸受で、ケーシング15を回転自在に支承
する。また、偏心軸部20はシリンダブロツク1
8を回転自在に支承する。固定主軸4には供給油
路22、排出回路23が設けられ、ともに偏心軸
部20の二面取部にそれぞれ開口し、固定主軸4
の左端部に取り付けられたポートアダプタ24に
接続される。ピストン17のピストン押圧面16
と接触する頂部にはポケツトが設けられ、その内
周にシールリングがはめこまれて、ピストン17
を貫く穴を介し導入される圧油がピストン17と
ピストン押圧面16との接触〓間から漏れるのを
防止するようにされる。25はシリンダブロツク
18に植えこまれた同期ピン、26はケーシング
15にはめこまれた同期リングで、この両者で構
成される回転同期機構によつて、シリンダブロツ
ク18のケーシング15に対する自転を規制し、
ピストン17の頂面とピストン押圧面16とが互
いに平行を保つようにされる。
つぎに、このラジアルピストン形モータの動作
について説明する。
供給油路22に送りこまれた圧油によつて、A
およびB位置にある2個のピストン17がピスト
ン押圧面16に押し付けられると、ピストン押圧
面16を介してF1,F2の合力Fがケーシング1
5に作用する。第5図に示すようにこの合力F
は、シリンダブロツク18が支承される偏心軸部
20の中心O2をよぎる半径方向を外向きに指向
する。一方、固定主軸4に取り付けられたころが
り軸受21,21′を介して回転自在に支承され
るケーシング15の回転中心はO1である。した
がつて、合力Fは偏心量1 2の合力Fに対する
正弦分、すなわち1 3だけのトルクアームをケ
ーシング15の回転中心O1に対してもつことに
なり、ケーシング16は合力F×1 3のトルク
によつてO1を回転中心として矢印で示した時計
方向に回される。
この回転に伴つてEおよびD位置のピストン1
7はピストン押圧面16によつて内方へ押しこま
れ、シリンダ19内の油は戻り油として排出油路
23から排出され、C位置のピストン17のシリ
ンダ19は供給油路22と接続する。この場合
D、E位置においてピストン押圧面16は、それ
ぞれピストン17より反力を受け、その合力が中
心O1に対してケーシング15を反時計方向に回
すトルクを生ずるが、その絶対値は前記のケーシ
ング15を時計方向に回すトルクの大きさと比べ
ると小さい。つぎの段階においては前記のA位
置、B位置をそれぞれB位置、C位置のピストン
17がしめることになり、前記のとおりケーシン
グ15が時計方向に回され、E位置、D位置をし
めるピストン17によつて戻り油が排出油路23
から排出される。前記説明においては、A位置、
B位置をしめる2本のピストン17が圧油の作用
を受ける場合のトルクの発生について説明したの
であるが、偏心軸部20の二面取り部の四隅には
切欠けが施されていることから、C位置にあるピ
ストン17がわずかB位置に移動すると、このピ
ストン17にも圧油が作用するので、3本のピス
トン17が圧油の作用を受ける場合が生じ、この
ときはさらに大きいトルクが発生する。以上の動
作が引き続いてなされることによつて、ケーシン
グ15には時計方向のトルクが常に付与され、回
転が継続して行なわれて、ケーシング15と一体
に取り付けられている前輪が、前進方向に回転駆
動されることとなる。この油圧モータ1の構成は
対称的であるので、供給油路22と排出油路23
を油圧回路の切換弁9,9′によつて逆にすれば、
ケーシング15、すなわち前輪が前記とは反対の
後進方向に回転駆動されることはいうまでもな
い。ピストン押圧面16とピストン17との接触
部には静圧軸受が形成されるとともに、ピストン
17の頂部のポケツトと底部とに作用する圧油に
よる押圧力はほぼ拮抗しているので、ピストン1
7のピストン押圧面16に対する接触圧は非常に
小さい。したがつて、ケーシング15の回転に伴
つて生ずるピストン17の頂部とピストン押圧面
16間の摺動運動による摩擦損失はきわめて僅少
となる。
説明の便宜上、圧油によつてピストン17がピ
ストン押圧面16に押し付けられると前記した
が、正しくはピストン径にほぼ等しい圧油の柱が
直接ピストン押圧面16を押し付けるのである。
シリンダブロツク18が或る回転角度以上自転し
ないように規制し、ピストン17の頂面とピスト
ン押圧面16とが互いに平行を保つようにする同
期ピン25と同期リング26とから構成された回
転同期機構が設けられているので、シリンダ19
に対するピストン17のはめあいはピストン17
の一部分で十分であり、したがつて、このはめあ
いによりピストン17に自由度が与えられること
から、ピストン17の頂部端面とピストン押圧面
16との接触は常時緊密に保持される。このこと
は、ピストン17の頂部ポケツトにはめこまれた
シールリングの作用と相まつて、この接触部から
の油洩れをきわめて少なくする。
つぎに、供給油路22への圧油の供給を油路回
路の切換弁9,9′の操作によつてしや断し、一
方、排出油路23からは戻り油が油タンク6へス
ムーズに排出されるようにしておいて、ケーシン
グ15を外力(この実施例においては車両の前進
走行に基づく前輪の回転力)によつて時計方向へ
回転させると、このラジアルピストン形油圧モー
タ1はフリーホイーリング状態とされ、自由に空
転可能となることについて説明する。
ケーシング15が外力によつて時計方向に回さ
れると、E、D位置のピストン17がピストン押
圧面16によつて内方へ押しこまれ、戻り油が排
出油路23から切換弁9,9′を経て油タンク6
へ排出される。一方、供給油路29への圧油の供
給が切換弁9,9′によつてしや断されているた
め、再びB、A位置にくるピストン17の内端面
に作用するシリンダ19内の圧力は減圧される。
したがつてB、A位置のピストン17には、そ
れを外方へ押し出し、ピストン押圧面16に押し
付ける力の作用が弱まるとともに、ケーシング1
5とシリンダブロツク18との〓間を満たしてい
るドレンの、大気圧より若干高い圧力とシリンダ
19内の圧力との差圧によつて、ピストン17の
ピストン押圧面16からの分離が促進される。こ
のような動作が繰り返されると、シリンダ19内
には負圧を生ずるようになり、ピストン17がシ
リンダ19内に引きこまれ、シリンダブロツク1
8の外周からピストン17はいずれも突出せず、
したがつてピストン押圧面16との干渉は全く起
こらなくなり、丁度クラツチを切つたときと同じ
効果が得られ、外力によつてケーシング15がフ
リーホイールとして自由に空転させられることに
なる。
一方、この油圧モータ1をフリーホイーリング
状態から通常運転に切り換える場合に備えて、ピ
ストン押圧面16とピストン17間の円周方向に
おける関係位置が或る範囲内に規制されているこ
とが必要である。この用をなすのが、前記した周
期ピン25と同期リング26とからなる回転同期
機構である。
一方、この機構を介してシリンダブロツク18
はケーシング15の回転に追従して回されること
となるので、ケーシング15がフリーホイールと
して回される場合に、その回転速度が大きくなる
につれて、回されるシリンダブロツク18に引き
こまれているピストン17に働く遠心力が大きく
なり、その遠心力がピストン17に作用する、そ
れを内方に引きこむ負圧による吸引力よりも大き
くなると、ピストン17がシリンダブロツク18
より突出することになる。
この油圧モータ1においては、ケーシング15
のフリーホイーリング状態で運転される第3速走
行時の回転数は毎分170回転程度であり、この回
転速度によつてピストン17に生ずる遠心力に対
し十分拮抗しうる負圧を維持することができる。
また、フリーホイーリング状態でこの油圧モー
タ1が運転される場合には、ケーシング15とシ
リンダブロツク18をそれぞれ回転自在に支承す
るころがり軸受21,21′と偏心軸部20の軸
受部の潤滑は、ケーシング15内の負圧によつて
ドレン排出管路11を介し油タンク6より吸いこ
まれる油によつて十分に行なわれ、焼付きなどの
障害は生じない。
〔考案の効果〕
この考案は以上説明したように構成されかつ作
用するので、この考案に係る車両走行用油圧装置
を前輪の駆動に用いることによつて、たとえば農
業用運搬車を、トランスミツシヨン切換えによる
第1速での後輪の機械駆動と前輪の油圧駆動とか
らなるハイブリツド式の4輪駆動にて走行させる
ことができ、従来の後輪の機械駆動のみによるも
のに比し、不整地における走行性能、脱輪動作な
らびに登坂能力などの点において、その性能を大
いに向上させることができる。また、従来どおり
後輪の機械駆動によつて走行する場合には、方向
切換弁の切換え操作によつて、前輪に装着した油
圧モータをフリーホイーリング状態にさせ、エネ
ルギー損失を最小に抑えて、従来の2輪駆動方式
のものとほぼ同様の燃料消費にて走行することが
できるとともに、後進時において前輪の油圧モー
タはブレーキ作用をすることがないので、支障な
く走行することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この考案に係る油圧装置に用いられ
る特定の油圧モータを前輪ハブ部に装着した状態
を示す側面図、第2図および第3図はそれぞれ、
この油圧装置の油圧回路図であり、第4図は、そ
れら油圧回路に組み込まれて使用される特定のケ
ーシング回転形のラジアルピストン形油圧モータ
の、軸受支持カバーを取り除いて示した正面図、
第5図は前記油圧モータの作用力の説明図、第6
図は前記油圧モータの側断面図である。 1……ケーシング回転形のラジアルピストン形
油圧モータ、2……前輪リム、4……油圧モータ
の固定主軸、5……油圧ポンプ、6……油タン
ク、9,9′……手動操作方式の3位置4方切換
弁、10……ボールチエツク弁、15……ケーシ
ング、16……ピストン押圧面、17……ピスト
ン、18……シリンダブロツク、19……シリン
ダ、20……偏心軸部、21,21′……ころが
り軸受、22……供給油路、23……排出油路。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. エンジン駆動の後輪を有する車両の前輪の固定
    主軸の偏心軸部に回転自在に支承され、複数個の
    シリンダが前記偏心軸部の軸心に向つて放射状に
    等配されたシリンダブロツク、このシリンダブロ
    ツクの前記各シリンダにそれぞれはめあわされ、
    圧油の導入用貫通孔を中心に有するとともに頂端
    面にポケツトを備えたピストン、これら各ピスト
    ンの頂端面の周縁部とそれぞれ密着するピストン
    押圧面を内方に有し、前記固定主軸に回転自在に
    支承され、前輪ハブ部を形成するケーシング、並
    びに前記固定主軸を貫通し、その偏心軸部の二面
    取り部にそれぞれ開口する圧油の供給油路及び排
    出油路からなるラジアルピストン形油圧モータ
    と、前記車両のパワーテイクオフ装置から取り出
    された動力で駆動され、前記ラジアルピストン形
    油圧モータに圧油を供給する油圧ポンプと、この
    油圧ポンプと前記油圧モータとを接続する油圧回
    路に設けられた3位置4方切換弁とを備えてな
    り、前記油圧ポンプは、その吐出容量を前記油圧
    モータの油圧駆動時の回転速度が前記車両のトラ
    ンスミツシヨンの切換えによる後輪の第1速の回
    転速度に一致するように設定するとともに、前記
    切換弁はその中立切換位置では前記油圧ポンプか
    ら油圧モータへの供給油路をしや断するとともに
    油タンクへの排出油路に導通し、かつ油圧モータ
    から油タンクへの排出油路を導通することにより
    前記油圧モータをフリーホイーリング状態になら
    しめるものを用いたことを特徴とする車両走行用
    油圧装置。
JP4293779U 1979-03-31 1979-03-31 Expired JPS6328009Y2 (ja)

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JPS55142337U JPS55142337U (ja) 1980-10-11
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