JP4538197B2 - 脂肪酸アルキルエステルの製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂肪酸アルキルエステルの製造装置に関する。
世界における油脂の生産量は、年間で約8,500万トン(1993年)であり、日本における油脂消費量は、年間で約280万トンであり、そのうち約235万トンが食用に使われている。
推算によると、日本における廃油脂の年間発生量は約100万トンに達する。廃油脂のうち、石鹸などの原料として再利用されているのは、廃油脂の10%に相当する10万トンに過ぎない。廃油脂の90%に相当する90万トンは、回収されずにごみとして捨てられたり、他の廃棄物に混在してごみ処理場に運ばれ、可燃性ごみと一緒に焼却されたり、不燃性ごみと一緒に埋立て処理されたりして、大量廃棄されている。
本発明は、大量廃棄されている廃油脂から、有用な脂肪酸アルキルエステルを製造する脂肪酸アルキルエステルの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃油脂には、植物油や動物脂が含まれている。これら植物油や動物脂をアルコールとエステル交換反応させると、グリセリンが副生すると同時に、油脂に含まれるモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドが脂肪酸アルキルエステルに変換されることが以前から知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来より、このエステル交換反応を利用して、廃油脂から脂肪酸アルキルエステルを製造する技術がある。従来の廃油脂からの脂肪酸アルキルエステル製造技術は、まず廃油脂を脱水、固形分除去など前処理した後に、苛性ソーダや苛性カリウムなどのアルカリ金属化合物を触媒として、アルコールとエステル交換反応させ、その反応生成物からグリセリンを分離除去した後、さらに後精製を施し、最終的に精製脂肪酸アルキルエステルを得るのがほとんどである。
【0003】
廃油脂の前処理方法としては、自然沈降による水分離が一般的である。
脂肪酸アルキルエステルの後精製方法としては、主に水洗浄を中心とする湿式精製法と、水洗浄せずに吸着精製を用いる乾式精製法とがある。
湿式精製法の場合、エステル交換反応の後に反応混合物中の残留アルカリを酸で中和した後、多量の水を用いて洗浄する。洗浄により、脂肪酸アルキルエステル相に含有されているアルカリや脂肪酸アルカリ金属塩などは、水と共にグリセリン相に移行する。この洗浄工程は、回分操作により繰り返し行われる。
洗浄後、分離したグリセリン相は、大量の水で希釈されるため、蒸留操作により水を分離・除去して、精製グリセリンとアルコールを回収することが可能である(例えば、特許文献2、3参照)。
【0004】
ところが、湿式精製法には、以下の(a)〜(c)に示す問題点がある。
(a)多段階の蒸留工程を配置する必要があり、水を蒸留操作により除去するには、多量のエネルギーを必要とし、洗浄水の混入量が多いほど、多くのエネルギーを必要とする。
【0005】
(b)しかも、湿式精製法では、廃油脂の前処理がまったく行われていないか、自然沈降による油水分離しか行われていないため、廃油脂に水分や遊離脂肪酸などが大量に残存する。
【0006】
廃油脂中に水分が存在すると、化1に示した化学反応式(式中、R、R1、R2、R3:アルキル基、M:金属である)において、アルカリ触媒の活性が低下し、エステル交換反応率が低くなると同時に、油脂の加水分解により脂肪酸石鹸を生成する副反応(石鹸化反応)が促進される。
生成した脂肪酸石鹸は界面活性剤として働く。このため、グリセリンと脂肪酸アルキルエステルとの相分離が困難となり、水洗浄した後に水と脂肪酸アルキルエステルとの相分離が困難となり、廃グリセリンからのグリセリンの回収と精製が困難になる。
また、脂肪酸石鹸は、その比重が脂肪酸アルキルエステルの比重に近く、両親性の性質を持つため、比重差による脂肪酸アルキルエステル相からの分離除去が困難である。そして、脂肪酸アルキルエステル相に残存する脂肪酸石鹸の量に比例して、フリーグリセリンと水分残存量も高くなるといった問題が生じる。
【0007】
他方、廃油脂中に遊離脂肪酸が存在すると、化1に示した化学反応式(式中、R、R1、R2、R3:アルキル基、M:金属である)においてアルカリ触媒と遊離脂肪酸との反応により触媒が消耗されると同時に、脂肪酸石鹸が生成する。
生成した脂肪酸石鹸は界面活性剤として働くので、廃油脂中に水分が存在する場合と同様の問題が生じる。
【化1】
【0008】
(c)エステル交換反応の後、比重差を利用して反応混合物を脂肪酸アルキルエステル相とグリセリン相に分離し、脂肪酸アルキルエステル相を多量の水を用いて繰り返し洗浄する方法も開示されている。
この場合、グリセリンの回収・精製が行わないが、油脂とアルカリ金属化合物などを含む洗浄排水の処理が大きな課題となっている。いずれの方法でも、水洗浄した後の脂肪酸アルキルエステル相には、その飽和溶解度に達する水が存在する。この脂肪酸アルキルエステル相は、ディーゼル燃料基準値(500ppm以下)をクリアすることが困難であるため、ディーゼル燃料として使用することができない。ディーゼル燃料として使用するには、脂肪酸アルキルエステル相から、水乾燥剤による乾燥または蒸留による水分除去工程が必要となる。
【0009】
上記のごとく前者の湿式精製法の場合、多段階の蒸留工程を配置する必要があり、水を蒸留操作により除去するには、多量のエネルギーを必要とし、洗浄水の混入量が多いほど、多くのエネルギーを必要とする。
しかも、湿式精製法では、廃油脂の前処理がまったく行われていないか、自然沈降による油水分離しか行われていないため、廃油脂に水分や遊離脂肪酸などが大量に残存する。このため、生成した脂肪酸石鹸は界面活性剤として働き、水洗浄した後に水と脂肪酸アルキルエステルとの相分離が困難となり、高品質な脂肪酸アルキルエステルを得ることが困難になる。
【0010】
後者の乾式精製法は、精製工程において洗浄水を使用しない精製法であり、この乾式精製法を利用した脂肪酸アルキルエステルの製造装置には、例えば特許文献4、5がある。
特許文献4、5の製造装置は、いずれも、前処理部、脱水・脱臭処理部、アルコール溶液調製部、混合反応部、液−液分離部、精製処理部、固−液分離部および中和処理部から構成されたものである。
このため、前処理部により原料の廃油脂に含まれる固体物質を除去し、脱水・脱臭処理部により、廃油脂に含まれる不純物を徹底的に除去できる。そして、湿式精製法の水洗浄の代わりに、精製処理部によって、固体吸着剤によるアルカリなどの不純物の吸着除去できる。乾式精製法は、洗浄水を使用しないので、湿式精製法の問題点が解決されるため、高品質な脂肪酸アルキルエステルを得ることができる。
【0011】
【非特許文献1】
有機化学ハンドブック、技報堂出版、1988、p.1407〜1409
【特許文献2】
特開平7−197047号公報
【特許文献3】
特開平7−310090号公報
【特許文献4】
特開平10−245586号公報
【特許文献5】
特開平10−231497号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来の脂肪酸アルキルエステルの製造装置には、以下の(i)〜(iv)に示す問題がある。
(i)特許文献4、5の脂肪酸アルキルエステルの製造装置において、前記前処理部、脱水・脱臭処理部、アルコール溶液調製部、混合反応部、精製処理部および中和処理部については、各処理部に対応して処理槽が設けられている。つまり、前処理槽、脱水・脱臭処理槽、溶解撹拌槽、撹拌反応槽、撹拌精製槽および中和処理撹拌槽の合計6つの処理槽が設けられている。処理槽の数が多いので、装置全体が大型になる。
(ii)また、多くの処理槽があると、各処理槽における操作や制御だけでなく、処理槽同士の連携やタイミング等を管理する必要があり、精製コストが高くなるという問題がある。
(iii)廃油脂貯留容器内の廃油脂は、ポンプを使用してこれを後続の各処理槽に送りこんでいる。このため、装置全体が複雑になる。
(iv)グリセリンを分離除去した後の軽液に含まれる固体夾雑物を、単独のフィルタにより除去している。このため、フィルタを使用していると、すぐに目詰まりを起こし、フィルタの寿命が短い。
【0013】
本発明はかかる事情に鑑み、装置構成をシンプルにすることができ、シンプルであってもディーゼル燃料に使用できるほど高品質な脂肪酸アルキルエステルを、極めて低コストで製造することができる脂肪酸アルキルエステルの製造装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の脂肪酸アルキルエステルの製造装置は、(A)廃油脂から脂肪酸アルキルエステルを製造する装置であって、前記廃油脂が貯留される廃油脂貯留容器と、前記廃油脂貯留容器にフレキシブルチューブと該フレキシブルチューブに介装された移送用バルブからなる廃油脂移送部を介して接続された反応槽と、前記反応槽に送気管と該送気管に介装されたバルブを介して接続された凝縮器と、前記反応槽に送液管と該送液管に介装された開閉弁を介して接続された、触媒含有アルコールを投入するアルコール溶液投入部と、前記反応槽および前記凝縮器の内部を減圧することにより、前記廃油脂貯留容器から前記反応槽へ内容物を移送する機能と、前記アルコール溶液投入部から前記反応槽へ内容物を移送する機能と、前記反応槽から前記凝縮器へ内容物を移送する機能を備える圧力調整部と、前記反応槽の内容物を撹拌する撹拌部と、前記反応槽の内容物を加温する加温部とからなり、(B)前記圧力調整部により前記廃油脂貯留容器から前記反応槽へ廃油脂を移送し、前記反応槽内において廃油脂を加温部で加温し、かつ静置して油脂と水を相分離させ、前記圧力調整部により前記反応槽内を減圧し、前記攪拌部で廃油脂を攪拌しつつ前記加温部で加温して、水および遊離脂肪酸を蒸発させ、前記圧力調整部により水および遊離脂肪酸を前記凝縮器に導いて液化して排出し、前記圧力調整部により前記アルコール溶液投入部から前記反応槽へ触媒含有アルコールを投入し、前記反応槽内で廃油脂と触媒含有アルコールを前記攪拌部で攪拌しつつ前記加温部で加温してエステル交換反応を行わせ、前記圧力調整部により前記反応槽内を減圧した状態でエステル交換反応生成物を前記攪拌部で攪拌しつつ前記加温部で加温してアルコールを蒸発させ、前記圧力調整部により蒸発したアルコールを前記凝縮器に導いて液化して排出し、前記攪拌部および前記加温部を停止させ、前記反応槽内を大気圧にして、エステル交換反応生成物を静置して脂肪酸アルキルエステルが主成分となる軽液をグリセリンが主成分となる重液から分離することを特徴とする。
請求項2の脂肪酸アルキルエステルの製造装置は、請求項1の発明において、前記反応槽の内部において、前記廃油脂が反応した後の反応生成物に含まれる軽液が送られ、該軽液に含まれる固体夾雑物を濾過する固体夾雑物濾過除去部が設けられており、該固体夾雑物濾過除去部が、第1フィルタと、該第1フィルタより目が細かい第2フィルタとからなることを特徴とする。
請求項3の脂肪酸アルキルエステルの製造装置は、請求項1の発明において、前記フレキシブルチューブの一端に、フィルタが着脱自在に取り付けられたことを特徴とする。
請求項4の脂肪酸アルキルエステルの製造装置は、請求項1の発明において、前記廃油脂貯留容器にキャスターが取り付けられており、前記フレキシブルチューブが、前記廃油脂貯留容器に着脱自在に取り付けられたことを特徴とする。
請求項5の脂肪酸アルキルエステルの製造装置は、請求項1の発明において、前記脂肪酸アルキルエステルが貯留される脂肪酸アルキルエステル貯留容器と、該脂肪酸アルキルエステル貯留容器の内部に前記脂肪酸アルキルエステルを移送する脂肪酸アルキルエステル移送チューブとからなり、前記脂肪酸アルキルエステル貯留容器にキャスターが取り付けられており、前記脂肪酸アルキルエステル移送チューブが、前記脂肪酸アルキルエステル貯留容器に着脱自在に取り付けられた構成をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の脂肪酸アルキルエステル製造装置1の構成図である。図2は本実施形態の脂肪酸アルキルエステル製造装置1における製造工程ブロック図である。図1および図2に示すように、本実施形態の脂肪酸アルキルエステルの製造装置1は、廃油脂Aを精製して、有用な脂肪酸アルキルエステルJを精製する装置である。
【0016】
脂肪酸アルキルエステルJの原料となる廃油脂Aは、油脂が含まれていれば、植物油脂であっても、動物性油脂であっても、また、これらが混合された油脂であってもよい。
また、廃油脂Aは、例えば油脂加工工場、食品製造工場、飲食店、一般家庭などから廃棄される廃油脂、食用油製造工程における油滓などの油脂残渣、金属熱圧延加工の潤滑油として使用する植物性油脂の廃油脂、マーガリン、ショートニング等の加工油脂類製造工程で発生する廃油脂、不良品および期間切れ等返品食用油脂、食用油魚肉加工工程で発生する動物油脂であってもよい。
さらに、廃油脂Aは、大豆油、菜種油、ひまわり油、綿実油、椰子油、胡麻油、落花生油、椿油などの植物油脂および牛脂、豚脂、馬脂、魚油、鯨油などの動物油脂を用いることができる。これらの油脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上の混合物であってもよい。
【0017】
かかる廃油脂Aには、油脂のほか、ゴミや料理かすなどの固体夾雑物、水分と油脂の加水分解により生成される遊離脂肪酸、グリセリン等の不純物が含まれている。
本実施形態の脂肪酸アルキルエステルの製造装置1は、これらの不純物が含まれた廃油脂Aであっても、ディーゼル燃料として使用できるくらい高品質な脂肪酸アルキルエステルを製造することができるものである。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の脂肪酸アルキルエステルの製造装置1は、廃油脂貯留容器11、反応槽22、圧力調整部39、廃油脂移送部13、加温部26、撹拌部20、凝縮器57、アルコール溶液投入部60、吸着カラム36、固体夾雑物濾過除去部70および脂肪酸アルキルエステル貯留容器50から構成されるものである。
【0019】
まず、廃油脂貯留容器11を説明する。
廃油脂貯留容器11は、原料の廃油脂Aを貯留するための容器であり、例えばプラスチックや各種金属または合金を使用することができる。
廃油脂貯留容器11の底部には、キャスター10が取り付けられている。このため、廃油脂貯留容器11を簡単に移動させることができる。
符号12は、ドレイン抜き出し用のバルブである。
【0020】
つぎに、反応槽22を説明する。
他方、反応槽22は、廃油脂Aを精製するための槽であり、例えば鉄、ステンレスを使用することができる。このため、反応槽22の内部に廃油脂Aを収容した状態で、減圧処理したり加温処理したりすることができる。この反応槽22の内部は、真空ポンプ等の圧力調整部39によって減圧できるようになっている。
符号23、25および27は、それぞれ圧力計、温度センサおよびガラス窓である。
【0021】
つぎに、廃油脂移送部13を説明する。
前記反応槽22と廃油脂貯留容器11との間には、廃油脂貯留容器11内の廃油脂Aを反応槽22の内部に移送するための廃油脂移送部13が設けられている。
この廃油脂移送部13は、パイプ54、カートリッジ式フィルタ55、フレキシブルチューブ14および移送用バルブ15から構成されたものである。
【0022】
図3は廃油脂移送部13の先端部の拡大図である。図2および図3に示すように、パイプ54は、鉄、ステンレス、プラスチック等の硬質の細長い中空のパイプであり、その上部が前記廃油脂貯留容器11に着脱自在に取り付けられている。このため、廃油脂貯留容器11からパイプ54を簡単に取り外すことにより、キャスター10によって廃油脂貯留容器11を自由に移動させることができる。これにより、原料の受け入れを便利にすることができる。
【0023】
パイプ54の下端は、廃油脂貯留容器11の底面近くに配設されている。パイプ54の下端部には、カートリッジ式フィルタ55が着脱自在に取り付けられている。このカートリッジ式フィルタ55は、前記パイプ54に着脱自在に取り付けられているので、フィルタが目詰まりしても、簡単に新しいフィルタと交換することができる。
このカートリッジ式フィルタ55は、例えばメッシュ数が10〜100のフィルタである。このカートリッジ式フィルタ55により、廃油脂Aに含まれるゴミ、料理かすなどの固体夾雑物をろ過除去することができる。
なお、カートリッジ式フィルタ55のメッシュは、小さいほど固体夾雑物の除去率が高くなるが、通常の家庭や食品製造工場から廃棄される廃油脂に含まれる固体夾雑物のほとんどが料理かすであるので、メッシュ数10〜100の安価なフィルタで十分に除去できる。
【0024】
図1に示すように、前記パイプ54の上端には、フレキシブルチューブ14の一端が連結されており、フレキシブルチューブ14の他端は反応槽22の吸入口に連結されている。このため、廃油脂貯留容器11と反応槽22との間に、廃油脂Aの移送経路を確保できる。
【0025】
このフレキシブルチューブ14の途中には、移送用バルブ15が開閉自在に取り付けられている。
このため、前記圧力調整部39によって反応槽22の内部を減圧してから移送用バルブ15を開くことにより、廃油脂貯留容器11内の廃油脂Aを吸引力により、カートリッジ式フィルタ55→パイプ54→フレキシブルチューブ14→反応槽22に移送することができる。このとき、カートリッジ式フィルタ55によって、廃油脂Aに含まれるゴミ、料理かすなどの固体夾雑物Bをろ過除去できるので、固体夾雑物Bが除去された廃油脂を、反応槽22に移送できる。
説明のため、固体夾雑物Bが除去された廃油脂を、廃油脂A2という。
【0026】
つぎに、反応槽22を詳細に説明する。
前記反応槽22には、液面計21が取り付けられている。
この液面計21によって、反応槽22内の廃油脂A2の量を計測することができるので、計測量が所定量に達っしたら移送用バルブ15を閉じて、廃油脂A2の移送を停止することができる。
【0027】
前記反応槽22内に移送された廃油脂A2には、油脂の他に水が含まれている。水は、その比重が油脂の比重より高く、極性も油脂と異なるので、反応槽22内で廃油脂A2を一定時間静置すると、油脂と水が相分離し、上層油脂と下層水とに分離する。説明のため、前記上層油脂を廃油脂A3という。
【0028】
前記反応槽22の底部には、下層水排水弁28が開閉自在に取り付けられている。この下層水排水弁28を開くことにより、反応槽22内における下層の沈降水を排水することができる。
【0029】
つぎに、加温部26を説明する。
前記反応槽22の内部には、電気ヒータ等の加温部26が配設されている。加温部26には、例えばプラグヒーターやフランジヒーターなどを使用することができる。この加温部26によって、反応槽22内の廃油脂A3を一定温度で加温することができる。
【0030】
つぎに、撹拌部20を説明する。
前記反応槽22には、撹拌部20が設けられている。この撹拌部20は、モータと、撹拌羽根の付いた回転軸24とから構成されたものである。
撹拌部20のモータは、前記反応槽22の上部に取り付けられている。
回転軸24は、軸部分の下部に撹拌羽根が取り付けられたものである。回転軸24の軸部分の上端は、前記モータに取り付けられ、反応槽22の内部において水平面内で回転するようになっている。
この撹拌部20によれば、モータを駆動させることにより、反応槽22内で回転軸24とともに撹拌羽根を回転させることができるので、反応槽22内の廃油脂A3を撹拌することができる。
なお、撹拌部は、上記のごとき構成の撹拌部20だけでなく、反応槽22内の廃油脂A3を撹拌させることができれば、水中ポンプやエアー吹き込み撹拌部であってもよい。
【0031】
上記の構成により、前記圧力調整部39によって反応槽22内を減圧した状態で、撹拌部20によって廃油脂A3を撹拌しながら、加温部26により廃油脂A3を一定温度で加温することができる。
廃油脂A3に含まれている水や遊離脂肪酸の沸点が、油脂の成分であるモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドの沸点に比べて低いので、廃油脂A3が加温されると、水および遊離脂肪酸が油脂よりも先に蒸発する。このため、水および遊離脂肪酸を気体にして、廃油脂A3から除去することができる。
説明のため、水および遊離脂肪酸が除去された廃油脂を、廃油脂A4という。
【0032】
つぎに、凝縮器57を説明する。
前記反応槽22の上端には、送気管の一端が連結され、この連結管の他端には、凝縮器57が設けられている。送気管の適所には、バルブ31が開閉自在に取り付けられている。バルブ31を開くことにより、反応槽22内において蒸発した水や遊離脂肪酸を凝縮器57に送ることができる。
【0033】
凝縮器57は、その内部を通過する気体を冷却して液化するものであり、冷却コイル56が内蔵されている。冷却コイル56は、その内部を冷媒が通過するようになっており、熱交換により、その外側表面付近の気体を冷却することができる。このため、凝縮器57によって、反応槽22から送られる気体状態の水や遊離脂肪酸を、冷却して液化することができる。
凝縮器57の排出管には、バルブ30が開閉自在に取り付けられている。バルブ30を開くことにより、液化した水や遊離脂肪酸をドレインDとして排出することができる。
符号16、33、34はバルブである。
【0034】
つぎに、アルコール溶液投入部60を説明する。
アルコール溶液投入部60は、アルコールにアルカリ触媒が含有された触媒含有アルコール溶液を、反応槽22に投入するためのものである。
前記反応槽22の上部には、送液管の一端が連結されており、この送液管の他端には、触媒含有アルコール溶液が収容される容器などのアルコール溶液容器18が設けられている。送液管の適所には開閉弁19が開閉自在に取り付けられている。符号17は触媒含有アルコール溶液容器である。
触媒含有アルコール溶液は、メタノール、エタノール、イソブチルアルコールからなる群より選ばれた1種類もしくは2種類以上の混合アルコールに、水酸化カリウム、水酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、カリウムアルコラートおよびナトリウムアルコラートからなる群より選ばれた1種類もしくは2種類以上のアルカリ性物質を一定の比率で添加し、攪拌することにより調製されるものである。
なお、アルコール溶液は、予め調製してから、アルコール溶液投入部60に入れてもよいし、所定量のアルコールとアルカリ触媒をアルコール溶液投入部60にいれて攪拌することにより調製してもよい。
【0035】
前記反応槽22を減圧または大気圧状態にして、開閉弁19を開くことにより、重力と減圧吸引の力によって、アルコール溶液投入部60内の触媒含有アルコール溶液を反応槽22内に投入することができる。
【0036】
このため、反応槽22内の廃油脂A4に、アルカリ触媒が含有されたアルコール溶液を所定の割合で添加することができる。
説明のため、アルコール溶液が添加された廃油脂を、廃油脂A5という。
【0037】
前記反応槽22において、前記圧力調整部39によって反応槽22内を減圧した状態または大気圧で、撹拌部20によって廃油脂A5を撹拌しながら、加温部26により廃油脂A5を一定温度で加温することができる。これによりエステル交換反応が進む。
【0038】
廃油脂A5に含まれているアルコールの沸点は、反応生成物の成分である脂肪酸アルキルエステルまたはグリセリンの沸点より低いので、常圧または減圧下で反応生成物を所定温度まで加熱すると、反応生成物よりもアルコールが先に蒸発して気化する。
【0039】
反応槽22におけるアルコールの蒸気は、凝縮器57に送られ、この凝縮器57において凝縮され液体のアルコールとなって、アルコール回収容器46に流れ込む。アルコール回収容器46の回収管には、バルブ47が開閉自在に取り付けられている。このため、バルブ47を開くことにより、ドレイン回収容器46からアルコールを回収することができる。
他方、反応槽22内には、エステル交換反応の後に反応生成物が残る。説明のため、この反応生成物をエステル交換反応生成物A6という。
符号44、45は、それぞれアルコール回収容器、バルブである。
【0040】
図4は反応槽22の断面図である。同図に示すように、加温部26および撹拌部20を停止させて、反応槽22内の圧力を大気圧にして、反応槽22内のエステル交換反応生成物A6を静置分離する。これにより、エステル交換反応生成物A6に含まれる脂肪酸アルキルエステルとグリセリンの比重および極性が異なるので、脂肪酸アルキルエステルが主成分となる軽液(上層)A7と、グリセリンが主成分となる重液(下層)71に分離する。
【0041】
前記反応槽22の側面には、軽液払い出し口が設けられている。この軽液払い出し口は、軽液A7と重液71との間に界面が形成される位置よりも高い位置に設けている。軽液払い出し口には送液管の一端が連結され、この送液管の他端には吸着カラム36が設けられている。この送液管の途中には、バルブ29が開閉自在に取り付けられている。
バルブ29を開いて、送液ポンプ32を作動させることにより、軽液A7のみを吸着カラム36に送り込むことができる。
符号35は、バルブである。
【0042】
つぎに、吸着カラム36を説明する。
吸着カラム36は、その内部に活性白土やアルミナやシリカゲルや活性炭等の固体吸着剤が充填されたものである。
このため、反応槽22内の軽液A7が吸着カラム36に送られると、吸着カラム36において、固体吸着剤に軽液A7が接触し、軽液A7に含まれる残存アルカリ触媒、有色物質、臭気物質などの不純物が固体吸着剤に選択的に吸着除去される。
説明のため、不純物が除去された軽液を、軽液A8という。
なお、前記送液管には、ニードルバルブ付流量計37が取り付けられており、吸着カラム36を通過する軽液A7の流量を計測することができる。
符号38は、バルブである。
【0043】
吸着カラム36の送出口には、送液管の一端が連結され、この送液管の他端には、カートリッジ式フィルタ41が設けられている。このため、吸着カラム36内の軽液A8をカートリッジ式フィルタ41に送液することができる。
カートリッジ式フィルタ41とカートリッジ式フィルタ42との間は、送液管が連結されておりカートリッジ式フィルタ41内の軽液A8を固体夾雑物濾過除去部70に送液することができる。
【0044】
つぎに、固体夾雑物濾過除去部70を説明する。
固体夾雑物濾過除去部70は、軽液A8に含まれる固体夾雑物を濾過するためのものであり、カートリッジ式フィルタ41、42から構成されたものである。
これらカートリッジ式フィルタ41、42は、いずれも軽液A8に含まれる固夾雑物を除去するフィルタを備えたものである。カートリッジ式フィルタ41のフィルタの目は粗く、例えば5〜20mmである。カートリッジ式フィルタ42のフィルタの目は細かく、例えば0.1〜5mmである。
符号43は差圧計である。
【0045】
固体夾雑物濾過除去部70によれば、軽液A8が送られると、まず目の粗いカートリッジ式フィルタ41によって、軽液A8に含まれる粗大固夾雑物を除去し、つぎに目の細かいカートリッジ式フィルタ42によって、軽液A8に含まれる微細固夾雑物を除去することができる。
つまり、カートリッジ式フィルタ41,42によって、軽液A8に含まれる固夾雑物を2段階で除去することができるので、固夾雑物を効率的に除去することができ、単一フィルタの場合と比較してフィルタの寿命を延ばすことができる。
【0046】
得られた脂肪酸アルキルエステルJは、脂肪酸アルキルエステル移送チューブ49を通って、脂肪酸アルキルエステル貯留容器50に送られて貯留される。脂肪酸アルキルエステル移送チューブ49は、脂肪酸アルキルエステル貯留容器50に着脱自在に取り付けられている。そして、脂肪酸アルキルエステル貯留容器50には、キャスターが取り付けられている。
このため、脂肪酸アルキルエステル貯留容器50から脂肪酸アルキルエステル移送チューブ49を取り外すことにより、キャスター53によって脂肪酸アルキルエステル貯留容器50を自由に移動することができる。これにより、製造された脂肪酸アルキルエステルの搬出を便利にすることができる。
符号48、51、52は、いずれもバルブである。
【0047】
上記のごとき構成の脂肪酸アルキルエステルの製造装置1によれば、以下のステップ101 〜109 を順に実行することにより、廃油脂Aを精製して、有用な脂肪酸アルキルエステルJを製造することができる。
【0048】
(1)第1固体夾雑物除去ステップ101
前記圧力調整部39によって反応槽22の内部を減圧してから移送用バルブ15を開くことにより、廃油脂貯留容器11内の廃油脂Aを反応槽22に移送することができる。このとき、カートリッジ式フィルタ55によって、廃油脂Aに含まれる固体夾雑物Bを除去することができる。このため、固体夾雑物Bが除去された廃油脂A2を、反応槽22に移送することができる。
【0049】
(2)油水分離ステップ102
前記反応槽22内に移送された廃油脂A2には、油脂の他に水が含まれている。水の比重は油脂の比重より高く、極性も油脂と異なるので、廃油脂A2を所定温度まで加熱し一定時間静置すると、油脂と水が相分離し、上層油脂と下層水とに分離する。
【0050】
前記下層水排水弁28を開くことにより、反応槽22内における下層の沈降水をドレインCとして抜くことができる。この下層水排水ステップにより、廃油脂中の飽和溶解度以上の水のほとんどを除去することができる。
なお、廃油脂A2に含まれる水量が少なく、飽和溶解度以下の場合には、油水分離ステップ102 を省いてもよい。
【0051】
(3)真空脱水・脱酸ステップ103
前記圧力調整部39によって反応槽22内を減圧した状態で、撹拌部20によって廃油脂A3を撹拌しながら、加温部26により廃油脂A3を一定温度で加温する。
これにより、廃油脂A3に含まれている水や遊離脂肪酸の沸点が、油脂の成分であるモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドの沸点に比べて低いので、廃油脂A3が加温されると、水および遊離脂肪酸が油脂よりも先に蒸発する。このため、水および遊離脂肪酸を気体にして、廃油脂Aから除去することができる。
なお、真空脱水・脱酸ステップ103 において、廃油脂の温度を60〜100 ℃に保持しながら60mmHg以下の圧力まで減圧脱気して、廃油脂A3中の水分と遊離脂肪酸の濃度をそれぞれ500ppmと0.05%以下に低減すると好適である。この場合、石鹸の生成がほとんどなく、しかも脂肪酸アルキルエステルとグリセリンの分離も4時間以内で完了できる。
【0052】
気体状態の水および遊離脂肪酸は、凝縮器57によって、冷却して液化される。バルブ30を開くことにより、液化した水や遊離脂肪酸を、ドレインDとして排出することができる。
【0053】
(4)アルコール溶液投入ステップ104
圧力調整部39によって反応槽22を減圧または大気圧状態にして、開閉弁19を開くことにより、重力と減圧吸引の力によって、アルコール溶液容器18内の触媒含有アルコール溶液を反応槽22内に投入することができる。
【0054】
(5)エステル交換反応ステップ105
反応槽22内を常圧状態に戻すか、または圧力調整部39によって反応槽22内を減圧した状態で、加温部26により廃油脂Aを一定温度で加温し、撹拌部20によって廃油脂Aを撹拌する。これによりエステル交換反応が進む。
なお、廃油脂とアルコールとの反応速度を速めるために、廃油脂に対するアルカリ触媒量が0.2重量%〜1.5重量%で、アルコール量は、油脂とのエステル交換反応に必要とされる化学量論的量よりも過剰量となる割合で、温度が25℃〜180℃で好ましくは40〜75℃で、圧力が減圧0.08kg/cm2〜78.5kg/cm2までの範囲内で、反応時間が1〜120分間で攪拌しながら行うと好適である。この場合、油脂から脂肪酸アルキルエステルへの変換率が98%以上になるという効果を奏する。
【0055】
(6)アルコール除去ステップ106
前記圧力調整部39によって反応槽22内を減圧した状態で、撹拌部20によってエステル交換反応生成物A6を撹拌しながら、加温部26によりエステル交換反応生成物A6を一定温度で加温する。
エステル交換反応生成物6に含まれているアルコールの沸点は、反応生成物の成分である脂肪酸アルキルエステルまたはグリセリンの沸点より低いので、エステル交換反応生成物6よりもアルコールが先に蒸発する。
他方、反応槽22内には、エステル交換反応生成物A6が残る。
【0056】
反応槽22におけるアルコールの蒸気は、凝縮器57に送られ、この凝縮器57において凝縮され液体のアルコールGとなって、アルコール回収容器46に流れ込む。バルブ47を開くことにより、ドレイン回収容器46からアルコールGを回収することができる。
このように回収されたアルコールGは、高純度であり、水分濃度が通常0.1%以下と低いので、アルコールとアルカリ触媒との混合溶液を調製するための原料として再利用することができる。
【0057】
なお、アルコールの除去率は、反応槽22内の温度と圧力に依存し、また除去速度が攪拌速度に依存する。
例えば水分と遊離脂肪酸が除去された200Lの廃油脂を2.7kgの水酸化カリウムを溶解した28Lのメタノールと混合し、温度65℃、攪拌速度300rpm、20分間反応した生成物では、圧力20mmHg、温度65℃、攪拌速度300rpmの条件で20分間攪拌すると、反応生成物中の残存アルコール濃度を0.3%以下に低減することができる。
【0058】
(7)粗グリセリン除去ステップ107
加温部26および撹拌部20を停止させて、反応槽22内の圧力を大気圧にして、反応槽22内において反応生成物A6を静置分離する。反応生成物A6に含まれる脂肪酸アルキルエステルとグリセリンの比重および極性が異なるので、脂肪酸アルキルエステルが主成分となる軽液(上層)A7とグリセリンが主成分となる重液(下層)71に分離する。
なお、静置分離時間が長いほど、分離の完成度が高くなるが、装置の稼働率が低くなり生産性が落ちる場合があるので、2〜8時間が好適である。
【0059】
(8)不純物除去ステップ108
バルブ29を開いて、送液ポンプ32を作動させることにより、軽液A7のみを吸着カラム36に送り込むことができる。反応槽22内の軽液A7が吸着カラム36に送られると、吸着カラム36において、固体吸着剤に軽液A7が接触し、軽液A7に含まれる残存アルカリ触媒、有色物質、臭気物質などの不純物が固体吸着剤に選択的に吸着除去され、軽液A8となる。
【0060】
(9)第2固体夾雑物除去ステップ109
吸着カラム36を通した軽液A8は、さらに、固体夾雑物濾過除去部70のカートリッジ式フィルタ41、42を順次に通すことにより、軽液A8に含まれる固夾雑物Iを除去することができる。このステップにおいて、軽液A8に含まれる粗大固夾雑物はまずカートリッジ式フィルタ41により除去され、軽液A8に含まれる微細固夾雑物はさらにカートリッジ式フィルタ42により除去される。カートリッジ式フィルタ41と42の組み合わせで軽液A8に含まれる固夾雑物を効率よく除去できるだけではなく、フィルターの寿命が単一フィルターの場合に比べて長くなる。
【0061】
上記のステップ101 〜109 を順に実行することにより、最終的に、脂肪酸アルキルエステルJを得ることができる。この脂肪酸アルキルエステルJは、脂肪酸アルキルエステル貯留容器50に送られて貯留される。
【0062】
精製された脂肪酸アルキルエステルJの性状は、JIS 規格の2号軽液に近く、たとえばアメリカのバイオディーゼル燃料油に関する規格ASTM PS121-99を満たすことができるから、ディーゼル燃料として利用できる。
また、脂肪酸アルキルエステルJは、他にも、高級アルコール等を製造する際の出発原料や樹脂可塑剤、切削油、潤滑油、潤滑油、防錆油、洗浄油など、種々の用途に利用することができる。
【0063】
脂肪酸アルキルエステルの製造装置1によれば、反応槽22において、油水分離処理、真空脱水・脱酸処理、アルコール溶液投入処理、エステル交換反応処理、アルコール除去処理および粗グリセリン除去処理を順次行うことができる。このため、ディーゼル燃料に使用できるほど高品質な脂肪酸アルキルエステルを製造することができる。
しかも、多段階の処理を単独の反応槽22により行うことができるから、装置全体を小型化でき、シンプルな構造にできる。
よって、煩雑な操作や制御が必要なく、処理槽間の連携やタイミング合わせ等の管理も必要ないので、脂肪酸アルキルエステルを極めて低コストで製造することができる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、反応槽において、油水分離処理、真空脱水・脱酸処理、アルコール溶液投入処理、エステル交換反応処理、アルコール除去処理および粗グリセリン除去処理を順次行うことができる。このため、ディーゼル燃料に使用できるほど高品質な脂肪酸アルキルエステルを製造することができる。しかも、多段階の処理を単独の反応槽により行うことができるから、装置全体を小型化でき、シンプルな構造にできる。よって、煩雑な操作や制御が必要なく、処理槽間の連携やタイミング合わせ等の管理も必要ないので、脂肪酸アルキルエステルを極めて低コストで製造することができる。
また、圧力調整部によって反応槽の内部を減圧してから移送用バルブを開くことにより、吸引力により廃油脂貯留容器内の廃油脂を廃油脂移送チューブを通じて、反応槽に移送することができる。このため、ポンプなしで、廃油脂を移送することができる。
請求項2の発明によれば、まず目の粗い第1フィルタによって、軽液に含まれる粗大固夾雑物を除去し、つぎに目の細かいが小さい第2フィルタによって、軽液に含まれる微細固夾雑物を除去することができる。つまり、軽液に含まれる固夾雑物を2段階で除去することができるので、固夾雑物を効率的に除去することができ、単一フィルタの場合と比較してフィルタの寿命を延ばすことができる。
請求項3の発明によれば、フィルタによって、廃油脂に含まれる固体夾雑物をろ過除去することができる。しかも、フィルタがフレキシブルチューブに着脱自在に取り付けられているので、フィルタが目詰まりしても、簡単に新しいフィルタと交換することができる。
請求項4の発明によれば、廃油脂貯留容器からフレキシブルチューブを取り外すことにより、キャスターによって廃油脂貯留容器を自由に移動することができる。これにより、原料の受け入れを便利にすることができる。
請求項5の発明によれば、脂肪酸アルキルエステル貯留容器から脂肪酸アルキルエステル移送チューブを取り外すことにより、キャスターによって脂肪酸アルキルエステル貯留容器を自由に移動することができる。これにより、製造された脂肪酸アルキルエステルの搬出を便利にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の脂肪酸アルキルエステル製造装置1の構成図である。
【図2】本実施形態の脂肪酸アルキルエステル製造装置1における製造工程ブロック図である。
【図3】廃油脂移送部13の先端部の拡大図である。
【図4】反応槽22の断面図である。
【符号の説明】
1 脂肪酸アルキルエステル製造装置
10 キャスター
11 廃油脂貯留容器
13 廃油脂移動部
22 反応槽
26 加温部
20 撹拌部
57 凝縮器
49 脂肪酸アルキルエステル移送チューブ
50 脂肪酸アルキルエステル貯留容器
60 アルコール溶液投入部
70 固体夾雑物濾過除去部
A 廃油脂
J 脂肪酸アルキルエステル
Claims (5)
- (A)廃油脂から脂肪酸アルキルエステルを製造する装置であって、
前記廃油脂が貯留される廃油脂貯留容器と、
前記廃油脂貯留容器にフレキシブルチューブと該フレキシブルチューブに介装された移送用バルブからなる廃油脂移送部を介して接続された反応槽と、
前記反応槽に送気管と該送気管に介装されたバルブを介して接続された凝縮器と、
前記反応槽に送液管と該送液管に介装された開閉弁を介して接続された、触媒含有アルコールを投入するアルコール溶液投入部と、
前記反応槽および前記凝縮器の内部を減圧することにより、前記廃油脂貯留容器から前記反応槽へ内容物を移送する機能と、前記アルコール溶液投入部から前記反応槽へ内容物を移送する機能と、前記反応槽から前記凝縮器へ内容物を移送する機能を備える圧力調整部と、
前記反応槽の内容物を撹拌する撹拌部と、
前記反応槽の内容物を加温する加温部とからなり、
(B)前記圧力調整部により前記廃油脂貯留容器から前記反応槽へ廃油脂を移送し、前記反応槽内において廃油脂を加温部で加温し、かつ静置して油脂と水を相分離させ、
前記圧力調整部により前記反応槽内を減圧し、前記攪拌部で廃油脂を攪拌しつつ前記加温部で加温して、水および遊離脂肪酸を蒸発させ、
前記圧力調整部により水および遊離脂肪酸を前記凝縮器に導いて液化して排出し、
前記圧力調整部により前記アルコール溶液投入部から前記反応槽へ触媒含有アルコールを投入し、前記反応槽内で廃油脂と触媒含有アルコールを前記攪拌部で攪拌しつつ前記加温部で加温してエステル交換反応を行わせ、
前記圧力調整部により前記反応槽内を減圧した状態でエステル交換反応生成物を前記攪拌部で攪拌しつつ前記加温部で加温してアルコールを蒸発させ、
前記圧力調整部により蒸発したアルコールを前記凝縮器に導いて液化して排出し、
前記攪拌部および前記加温部を停止させ、前記反応槽内を大気圧にして、エステル交換反応生成物を静置して脂肪酸アルキルエステルが主成分となる軽液をグリセリンが主成分となる重液から分離する
ことを特徴とする脂肪酸アルキルエステルの製造装置。 - 前記反応槽の内部において、前記廃油脂が反応した後の反応生成物に含まれる軽液が送られ、該軽液に含まれる固体夾雑物を濾過する固体夾雑物濾過除去部が設けられており、
該固体夾雑物濾過除去部が、
第1フィルタと、該第1フィルタより目が細かい第2フィルタとからなる
ことを特徴とする請求項1記載の脂肪酸アルキルエステルの製造装置。 - 前記フレキシブルチューブの一端に、フィルタが着脱自在に取り付けられた
ことを特徴とする請求項1記載の脂肪酸アルキルエステルの製造装置。 - 前記廃油脂貯留容器にキャスターが取り付けられており、
前記フレキシブルチューブが、前記廃油脂貯留容器に着脱自在に取り付けられた
ことを特徴とする請求項1記載の脂肪酸アルキルエステルの製造装置。 - 前記脂肪酸アルキルエステルが貯留される脂肪酸アルキルエステル貯留容器と、
該脂肪酸アルキルエステル貯留容器の内部に前記脂肪酸アルキルエステルを移送する脂肪酸アルキルエステル移送チューブとからなり、
前記脂肪酸アルキルエステル貯留容器にキャスターが取り付けられており、
前記脂肪酸アルキルエステル移送チューブが、前記脂肪酸アルキルエステル貯留容器に着脱自在に取り付けられた構成をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1記載の脂肪酸アルキルエステルの製造装置。
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