以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるコントロールシステムの構成を示すブロック図である。
図1において、コントロールシステムは、コントロール装置101、状態検知部102、温度検知部103及び空調機器104を備えて構成される。コントロール装置101は、ユーザが第1の領域に存在した時間及び第1の領域における温度に基づいて室内の空調機器104の運転データを生成して出力する。なお、第1の領域とは、空調機器104が配置されている第2の領域(部屋)に入る前にユーザが一定時間存在していた領域(部屋)のことである。状態検知部102は、第1の領域におけるユーザの状態を検知し、ユーザの状態を示す情報をコントロール装置101へ送信する。温度検知部103は、第1の領域における温度を検知し、検知した温度データをコントロール装置101へ送信する。空調機器104は第2の領域内の空気の調整を行う。
また、コントロール装置101は、インタフェース部105、タイマ部106、温度データ記録部107、好み温度データ抽出部108、特別モード参照部109、特別モード時間算出部110及び運転データ生成部111を備えて構成される。インタフェース部105は、状態検知部102、温度検知部103及び空調機器104と通信可能に接続されており、状態検知部102、温度検知部103及び空調機器104からデータを受信するとともに、空調機器104へデータを送信する。タイマ部106は、第1の領域にユーザが存在した時間を測定する。
温度データ記録部107は、タイマ部106によって測定された第1の領域にユーザが存在した時間を記録するとともに、温度検知部103からインタフェース部105を介して受信した温度データをタイマ部106によって測定された時間に関連付けて、ユーザが入室前に存在した第1の領域における温度の時間的変化、すなわち時間的履歴として記録する。温度データ記録部107は、タイマ部106で測定した第1の領域にユーザが存在した時間と、記録した温度の時間的変化とを特別モード時間算出部110へ出力する。
好み温度データ抽出部108は、ユーザの好みの温度を抽出する。特別モード参照部109は、空調機器104の室温設定温度、設定風量及び吹き出し設定温度等のうちの少なくとも1つをそれぞれ所定量分だけ変更させる特別モードの制御情報を記憶している。特別モード時間算出部110は、温度データ記録部107から出力されたユーザが前記第1の領域に存在した時間と、第1の領域における温度の時間的変化と、ある一定の温度である基準温度とを用いて、空調機器104が特別モードで運転を実行する実行時間を算出する。特別モード時間算出部110は、算出した実行時間を運転データ生成部111へ出力する。運転データ生成部111は、特別モード時間算出部110から出力された特別モードで運転を実行する実行時間の間、特別モード参照部109に記憶されている特別モードの制御情報に基づいて空調機器104を運転するための運転データを生成する。運転データ生成部111は、インタフェース部105を介して運転データを空調機器104へ送信する。
状態検知部102は、ユーザが第1の領域に存在したことを検知するとともに、ユーザが第1の領域に存在しなくなったことを検知し、それらを報知するユーザ情報をコントロール装置101へ送信する。
インタフェース部105におけるデータの送受信には、インターネット網を使用してもよいが、ここでは、無線または有線での宅内通信網を使用するものとする。
空調機器104は、受信部112及び運転実行部113を備えて構成される。受信部112は、コントローラ装置101によって送信された運転データを受信する。運転実行部113は、受信部112によって受信された運転データに従った空調運転を実行する。また、運転実行部113は、不図示の操作部を用いてユーザにより入力された設定内容に基づいて空調運転を実行する。
なお、本実施の形態において、インタフェース部105が受信手段の一例に相当し、タイマ部106が測定手段の一例に相当し、温度データ記録部107が温度データ記録手段の一例に相当し、特別モード参照部109が制御情報記憶手段の一例に相当し、特別モード時間算出部110が実行時間算出手段の一例に相当し、運転データ生成部111が運転データ生成手段の一例に相当し、好み温度データ抽出部108が好み温度データ抽出手段の一例に相当し、インタフェース部105が運転データ送信手段の一例に相当する。また、状態検知部102が状態検知手段の一例に相当し、温度検知部103が温度検知手段の一例に相当する。さらに、受信部112が運転データ受信手段の一例に相当し、運転実行部113が運転実行手段の一例に相当する。
インタフェース部105を介して状態検知部102からユーザが第1の領域に存在することを示す情報が受信されると、温度データ記録部107は、タイマ部106に時間の測定を開始させる。そして、温度データ記録部107は、温度検知部103で検知した温度を、ある一定時間ごとに、あるいは連続的にインタフェース部105を介して受信し、それらを温度の時間的変化として記録する。その後、インタフェース部105を介して状態検知部102からユーザが第1の領域に存在しなくなったことを示す情報が受信されると、温度データ記録部107は、温度の時間的変化の記録を中止し、タイマ部106に時間の測定を中止させ、その時のタイマ部106での測定時間と、それまで記録していた温度の時間的変化とを特別モード時間算出部110へ出力する。
一方、好み温度データ抽出部108は、特別モード時間算出部110において特別モードで運転を実行する実行時間を算出する際に用いる基準温度として、ユーザの好みの温度を抽出する。ここでは、例えば、ユーザが任意に設定する空調機器104の室温設定温度を、インタフェース部105を介して取得する。好み温度データ抽出部108は、ユーザの好みの温度として、空調機器104から室温設定温度を取得すると、特別モード時間算出部110へ出力する。この時、好み温度データ抽出部108は、室温設定温度を予め定期的に空調機器104から受信しておき、それらの平均温度をユーザの好みの温度として出力してもよい。
特別モード時間算出部110は、温度データ記録部107から、ユーザが入室前に存在した第1の領域における温度の時間的変化と、タイマ部106で測定したユーザが第1の領域に存在した時間とが入力されると、入力された温度の時間的変化と時間とに加え、好み温度データ抽出部108から入力されたユーザの好みの温度を基準温度として用いて、空調機器104における特別モードで運転を実行する実行時間を算出し、算出した実行時間を運転データ生成部111へ出力する。
運転データ生成部111は、特別モードで運転を実行する実行時間が特別モード時間算出部110から入力されると、特別モード参照部109に記憶されている特別モードの設定を参照し、その設定を、特別モード時間算出部110から入力された実行時間分だけ実行する運転データを生成し、インタフェース部105を介して空調機器104へ送信する。
ただし、ここでは、特別モード参照部109には、特別モードの設定の一例として、ユーザが任意に設定する室温設定温度から、特別モードでの室温設定温度を引いた値が記憶されている。運転データ生成部111は、空調機器104における運転データを生成する際、その値を参照し、その値分だけ室温設定温度を下げた運転を、特別モード時間算出部110から入力された実行時間分だけ実行する運転データを生成する。
空調機器104は、コントロール装置101から運転命令である運転データを受信すると、その運転データの内容に従って運転を行う。
本発明の実施の形態1について、よりわかりやすく説明するために、一例として、空調機器104を備えた部屋(第2の領域)への入室前にユーザが存在した部屋(第1の領域)を浴室とする。また、状態検知部102で検知するユーザの状態を、ユーザの入浴開始及び入浴終了とし、温度検知部103で検知する温度を浴室内の温度とする。さらに、空調機器104における特別モードでの運転のことを、すずみモード空調と名づけて、以下に具体的に説明することにする。
状態検知部102における、ユーザの入浴開始及び入浴終了の検知は、例えば、浴室の照明のON/OFFや、人体検知センサによる浴室内の在/不在などを検知することで実現するものとし、ここでは、状態検知部102を浴室在不在センサとして説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における浴室温度の時間的変化例とコントロール装置101が送信する情報とを関連付けたグラフである。
図2のグラフGaにおいて、縦軸のTbは温度検知部103で検知される浴室温度を表し、Trは好み温度データ抽出部108で抽出されるユーザの好みの温度(基準温度)を表し、横軸のtaとtbとはそれぞれタイマ部106で測定される入浴開始時間と入浴終了時間とを表し、f(t)は浴室温度の時間的変化を示す関数を表している。また、グラフGbにおいて、縦軸は、すずみモード空調における信号のON/OFFを示し、横軸のtaとtbとはグラフGa同様、タイマ部106で測定される入浴開始時間と入浴終了時間とを表し、tsはすずみモード空調の実行時間を表している。
コントロール装置101の特別モード時間算出部110において、空調機器104によるすずみモード空調を実行する実行時間tsを算出する方法について以下に述べる。
すずみモード空調の実行時間tsは、温度データ記録部107から入力されたユーザの入浴時間(tb−ta)と、浴室温度の時間的変化f(t)と、好み温度データ抽出部108から入力されたユーザの好みの温度Trとに基づいて算出する。ここでは、以下の(1)〜(3)式を用いて算出することにする。
上記(1)式において、Sbは、浴室温度の時間的変化f(t)と基準温度であるユーザの好みの温度Trからなる積分式で、図2の斜線部の面積を示している。上記(2)式に示すように、Sbに係数αを乗じたものが、すずみモード空調の実行時間tsとなる。
ここで、係数αは以下の(3)式を用いて算出するものとする。
α=β/ΔTi・・・・(3)
上記(3)式において、βは例えば、被験者実験結果などで予め定められた係数である。また、ΔTiは、特別モード参照部109でも登録されているユーザが任意に設定する室温設定温度からすずみモード空調での室温設定温度を引いた値とする。従って、上記係数αは、温度差ΔTiに相関のある係数となり、ΔTiが大きければαは小さくなる関係(例えば、互いに反比例の関係)にある。
また、係数αについて、以下の(4)式を用いて算出してもよい。
α=α0・Tr0/Tr・・・・(4)
α0は例えば、被験者実験結果などで予め定められた係数である。そして、Tr0は、被験者実験結果などで一般的な快適温度として予め定められた基準温度である。また、Trは、基準温度であるユーザの好みの温度である。従って、上記係数αは、ユーザの好みの温度Trと相関のある係数となり、TrがTr0より低ければ低いほど、αはα0よりも増加する関係(例えば、互いに反比例の関係)にある。
図3は、入浴時間、浴室温度変化及び基準温度の一例を示す表である。例えば、図3の表では、ユーザの入浴時間が25分となっており、浴室への入室時における温度と退室時における温度との温度変化が30℃から32℃に変化しており、基準温度が26℃となっている。以下、図3に示すデータ例を用いて具体的に説明する。
図4は、本発明の実施の形態1においてコントロール装置101が空調機器104の運転データを出力するまでの流れを示すフローチャートである。
図4において、まず、インタフェース部105は、状態検知部(浴室在不在センサ)102からユーザが浴室に存在することを示す浴室在信号を受信する(ステップS1)。インタフェース部105は、受信した浴室在信号を温度データ記録部107へ出力する。次に、温度データ記録部107は、浴室在信号が入力されると、タイマ部106による入浴時間の測定を開始し、インタフェース部105を介して温度検知部103によって検知される浴室温度を取得する。ここで、温度データ記録部107は、温度検知部103で検知した浴室温度30℃の時点から、ある一定時間ごとにインタフェース部105を介して浴室温度を受信し、浴室在不在センサ102から浴室不在信号を受信するまで、それらを浴室温度の時間的変化として記録し続ける(ステップS2)。
次に、温度データ記録部107は、ユーザが浴室に存在しないことを示す浴室不在信号を受信したか否かを判断する(ステップS3)。ここで、浴室不在信号を受信していないと判断された場合(ステップS3でNO)、浴室不在信号を受信するまで所定の時間間隔で判断を繰り返し行う。一方、浴室不在信号を受信したと判断された場合(ステップS3でYES)、ステップS4の処理へ移行する。
浴室在不在センサ102からインタフェース部105を介して浴室在信号が受信されてからインタフェース部105を介して浴室不在信号が受信されると(ステップS3でYES)、温度データ記録部107は、その時の浴室温度32℃を最後に記録し、タイマ部106による入浴時間の測定を中止するとともに、浴室温度の時間的変化の記録を中止する(ステップS4)。次に、温度データ記録部107は、タイマ部106によって測定した入浴時間と、浴室温度の時間的変化とを特別モード時間算出部110へ出力する(ステップS5)。ユーザが浴室に存在した時間(浴室在信号の受信から浴室不在信号の受信までの測定時間)を入浴時間とし、仮に入浴時間を25分とした場合、温度データ記録部107は、入浴時間25分と、25分間記録し続けた浴室温度の時間的変化とを特別モード時間算出部110へ出力する。
次に、好み温度データ抽出部108は、インタフェース部105を介して空調機器104の室温設定温度を受信し、受信した室温設定温度をユーザの好みの温度として特別モード時間算出部110へ出力する(ステップS6)。ここで、好み温度データ抽出部108は、例えば26℃という室温設定温度を取得する。具体的には、好み温度データ抽出部108は、室温設定温度を要求する要求信号を空調機器104へ送信する。空調機器104は、要求信号を受信すると、内部に記憶されている室温設定温度を読み出してコントローラ装置101へ送信する。インタフェース部105は、空調機器104によって送信された室温設定温度を受信して好み温度データ抽出部108へ出力する。このようにして、好み温度データ抽出部108は、空調機器104から室温設定温度を取得する。
次に、特別モード時間算出部110は、好み温度データ抽出部108からユーザの好みの温度26℃が入力され、温度データ記録部107から入浴時間25分と浴室温度の時間的変化とが入力されると、上記の(3)式あるいは(4)式を用いて係数αを算出する。ここでは、特別モード参照部109に記憶されており、ユーザが任意に設定する空調機器104の室温設定温度から下げる温度差ΔTiを例えば4℃として係数αを算出する。あるいは、一般的な快適温度として予め定められた基準温度Tr0を例えば28℃として係数αを算出する。特別モード時間算出部110は、係数αを算出すると、浴室温度30℃から32℃への時間的変化を示す関数f(t)と、入浴時間25分と、ユーザの好み温度26℃と、上記の(3)式あるいは(4)式を用いて算出した係数αとを上記の(1)式及び(2)式に代入し、空調機器104におけるすずみモード空調の実行時間tsを算出する。そして、特別モード時間算出部110は、算出した実行時間tsを運転データ生成部111へ出力する(ステップS7)。
次に、運転データ生成部111は、特別モード時間算出部110からすずみモード空調の実行時間tsが入力されると、特別モード参照部109に記憶されているユーザが任意に設定する室温設定温度よりも4℃下げるというすずみモード空調の設定を参照する。そして、運転データ生成部111は、特別モード参照部109に記憶されているすずみモード空調を、特別モード時間算出部110から入力された実行時間ts分だけ実行するという運転データを生成する(ステップS8)。次に、運転データ生成部111は、インタフェース部105を介して運転データを空調機器104へ送信する(ステップS9)。
空調機器104は、コントロール装置101から運転データを受信すると、その運転データに従い、すずみモード空調を実行時間ts分だけ実行する制御を行う。
このように、第1の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、第1の領域における温度データとが受信され、受信されたユーザ情報に基づいて第1の領域にユーザが存在した時間が測定される。第1の領域にユーザが存在した時間が記録されるとともに、受信された温度データが測定された時間に関連付けて第1の領域における温度の時間的変化として温度データ記録部107に記録される。特別モード参照部109には、第1の領域とは異なる第2の領域に設けられた空調機器104の設定内容を変更させる制御情報が記憶されている。温度データ記録部107に記録されたユーザが第1の領域に存在した時間と、温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とを用いて、特別モード参照部109に記憶されている制御情報に基づいて空調機器の制御運転を実行する実行時間が算出される。そして、算出された実行時間の間、特別モード参照部109に記憶されている制御情報に基づいて空調機器104を運転するための運転データが生成される。
したがって、ユーザが第1の領域に存在した時間と第1の領域の温度とを用いて第2の領域に配置された空調機器104の制御運転を特別モード参照部109に記憶されている制御情報に基づいて実行する実行時間が算出されるので、空調機器104が配置された部屋への入室前におけるユーザの環境を時間と温度とにより推定し、推定結果を空調機器104の制御に反映させることができ、より快適な空間をユーザに提供することができる。
また、従来は、ユーザ自身が、例えば、冷えによる不快感を感じてから、特別モードの解除を行っていたが、本実施の形態によれば、コントロール装置101がユーザの好みを反映して、特別モードを自動で解除することになる。そのため、ユーザは、まず入室直後に特別モードでの運転による快適さを実感し、次に特別モードでの運転が続行される中での、例えば、冷えなどによる不快感を得ることがなくなる。従って、より健康的で快適な、個人の温冷感の差を考慮した空間をユーザに提供することができる。さらに、日常的に測定することが習慣となっていない人の体温など、ユーザの生体情報を直接検知することなく、日常、人手を介することなく容易に測定できる気温や時間を活用して実現されるので、従来に比べ、極めて実用性及び実現性に富んでおり、低コストでの実現が可能である。
また、ユーザ情報には、第1の領域におけるユーザの存在の有無を検知する情報が含まれているので、第1の領域に確実にユーザが存在したことを確認することができ、空調機器104の制御を所定の制御情報に基づいて実行する実行時間を精度高く算出することができる。
また、ユーザが第1の領域に存在した時間と、第1の領域における温度と、さらにユーザの好みの温度とを用いて、第2の領域に配置された空調機器104の制御を所定の制御情報に基づいて実行する実行時間が算出されるので、ユーザの好みの温度を空調機器104の制御に反映させることができ、ユーザの温冷感の差を考慮した運転を実現することができる。
さらに、ユーザの好みの温度として、空調機器104における、ユーザが任意に設定する室温設定温度を用いることで、ユーザの音声による申告や、日常ユーザが快適さを感じる温度をユーザの生体情報を検知して分析するなどの方法を用いるよりも、より簡単に自動でユーザの好みの温度を抽出することができる。
なお、本実施の形態では、すずみモード空調について、ユーザが任意に設定している室温設定温度からΔTi分だけ設定温度を下げての運転としたが、ユーザが設定する風量からΔVi分だけ風量を上げるとしてもよいし、ユーザが設定する吹き出し温度からΔTi分だけ吹き出し温度を下げるとしてもよい。
また、本実施の形態において、すずみモード空調の実行時間tsの算出に、浴室温度と入浴時間とを用いたが、浴槽の湯の温度や、ユーザが湯に浸かっている時間を検知する手段を用い、湯の温度と浴槽に浸かっている時間とを用いて算出してもよい。
さらに、本実施の形態において、ユーザが入室前に存在した環境を浴室としたが、これに限定されるものではなく、例えば、ユーザの外出時に、携帯端末に搭載されている位置検索システム(GPS)でユーザが宅外に居ることを検知し、携帯端末によって気温や外出時間を測定し、帰宅の際、充電器等を通じてコントロール装置101へこれらのデータを送信するなどしてもよく、その他の環境についても適用できる。また、車のドアや家の玄関のドア等にユーザの外出及び帰宅を検知するセンサを設け、このセンサによりユーザが宅外に居ることを検知してもよい。この場合、センサはユーザが宅外に居る旨を表す情報を携帯端末へ送信し、携帯端末は、宅外に居る旨を表す情報を受信すると、気温や外出時間を測定する。そして、帰宅の際、センサは、ユーザが帰宅した旨を表す情報を携帯端末へ送信し、携帯端末は、帰宅した旨を表す情報を受信すると、気温や外出時間の測定を中止する。その後、携帯端末が充電器等にセットされると、充電器等を通じてコントロール装置101へこれらのデータが送信される。
さらにまた、本実施の形態において、ユーザの入室前に存在した環境を浴室とし、浴室温度や入浴時間を検知し、入室後における、空調機器104の特別モードで運転を実行する実行時間を決定しているが、ユーザが入室前にどの部屋に居たか、及び、そこでどのような環境に存在したかを検知し、入室後における空調機器104の特別モードで運転を実行する実行時間を決定してもよい。
なお、本実施の形態において、係数αには、空調機器104が設置されている室内条件(例えば、部屋の広さ)に関する情報が含まれてはいなかったが、係数αに、それら室内条件に関するデータを含ませ、すずみモード空調の実行時間tsをそれらの情報に合わせて補正し、コントロール装置101が実現しようとする環境を正確に実現できるように構成してもよい。
また、本実施の形態において、すずみモード空調の実行時間を、入浴時間と、浴室温度の時間的変化と、ユーザの好みの温度とを用いて算出したが、これに加え、ユーザの心拍、脈波及び心拍などの生体情報を用いて算出してもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について、実施の形態1と同じく、一例として、空調機器104を備えた部屋(第2の領域)への入室前にユーザが存在した環境(第1の領域)を浴室とし、状態検知部102を浴室在不在センサとし、温度検知部103で検知する温度を浴室温度とし、空調機器104における特別モードでの運転のことをすずみモード空調と名づけて、以下に具体的に説明する。
実施の形態1と同様にして、コントロール装置101における特別モード時間算出部110は、空調機器104におけるすずみモード空調の実行時間tsを算出する。実施の形態1との相違点は、特別モード時間算出部110は、温度データ記録部107から入力されたユーザの入浴時間が、ある一定の時間を超えた場合、すずみモード空調の実行時間tsの算出に用いる浴室温度の時間的変化f(t)を、入浴時間すべてにおける浴室温度の時間的変化ではなく、入浴時間内における予め規定した時間範囲(以降、規定時間と称す)における浴室温度の時間的変化とする点にある。
図5は、本発明の実施の形態2における浴室温度の時間的変化の一例を示すグラフである。図5(a)は、浴室温度の規定時間内における時間的変化の一例を示すグラフであり、図5(b)は、浴室温度の規定時間内における時間的変化の他の例を示すグラフである。
実施の形態1と同様、縦軸のTbは温度検知部103で検知される浴室温度を表し、Trは基準温度として用いる好み温度データ抽出部108によって抽出されるユーザの好みの温度を表している。横軸のtaとtbとはそれぞれ、タイマ部106で測定される入浴開始時間と入浴終了時間とを表し、f(t)は浴室温度の時間的変化を示す関数を表している。
まず、図5(a)において、特別モード時間算出部110は、温度データ記録部107から入力されたユーザの入浴時間が規定時間を超えた場合、入浴時間における浴室温度の時間的変化f(t)のうち、入浴時間における終了時点tbから規定時間分さかのぼった時点ta’から終了時点tbまでを範囲とした浴室温度の時間的変化f(t)を用いて、実施の形態1と同様にして実行時間tsを算出する。ここでは、規定時間分の範囲の終点tb’は、入浴時間における終了時点tbとなる。
また、図5(b)において、特別モード時間算出部110は、温度データ記録部107から入力されたユーザの入浴時間が規定時間を超えた場合、入浴時間における浴室温度の時間的変化f(t)のうち、最高温度を記録した時点を検出する。そして、特別モード時間算出部110は、最高温度を記録した時点を中心とする規定時間分の連続した時間である時点ta’から時点tb’までを範囲とした浴室温度の時間的変化f(t)を用いて、実施の形態1と同様にして実行時間tsを算出する。
なお、本実施の形態では、最高温度を記録した時点を中心とする規定時間分の連続した時間範囲における浴室温度の時間的変化f(t)を用いて実行時間を算出しているが、本発明は特にこれに限定されず、最高温度を記録した時点を含む規定時間分の連続した時間範囲における浴室温度の時間的変化f(t)を用いて実行時間を算出してもよい。
従って、温度データ記録部107から入力されたユーザの入浴時間が規定時間を超えた場合におけるすずみモード空調の実行時間tsの算出方法は、上述した2つの方法どちらを用いてもよい。ここでは、図5(a)の方法を用い、規定時間が30分、ユーザの入浴時間が45分の場合について、実施の形態1と同様のデータ例を用いて以下に説明する。
図6は、本発明の実施の形態2においてコントロール装置101が空調機器104の運転データを出力するまでの流れを示すフローチャートである。
図6において、コントロール装置101における浴室在不在センサ102からの浴室在信号の受信から、好み温度データ抽出部108からユーザの好みの温度が出力されるまでの処理(ステップS1からステップS6までの処理)は、図4に示す実施の形態1と同じ処理が行われるので同一の符号を付し、説明を省略する。
特別モード時間算出部110は、温度データ記録部107から浴室温度の時間的変化とともに、ユーザの入浴時間45分というデータを受信すると、入浴時間が一定時間以下であるか否かを判断する(ステップS11)。なお、本実施の形態では規定時間が30分に予め設定されているので、特別モード時間算出部110は、入浴時間が30分以下であるか否かを判断する。ここで、入浴時間が一定時間以下であると判断された場合(ステップS11でYES)、ステップS12の処理へ移行する。
一方、入浴時間が一定時間より長いと判断された場合(ステップS11でNO)、特別モード時間算出部110は、浴室温度の時間的変化の時間範囲を決定する(ステップS13)。すなわち、本実施の形態における入浴時間は45分であり、一定時間の30分よりも長いため、入浴終了時間45分から30分さかのぼった入浴開始15分後の時点(図5(a)のta’に相当)から入浴終了時間tbまでを浴室温度の時間的変化の時間範囲とする。次に、特別モード時間算出部110は、入浴開始15分後の時点ta’から入浴終了時間tbまでの時間範囲を積分範囲に適用した下記の(5)式と、(6)式とを用いてすずみモード空調の実行時間tsを算出する(ステップS14)。ただし、係数αの算出に関しては、実施の形態1と同様に行うものとする。
次に、特別モード時間算出部110は、すずみモード空調の実行時間tsを算出すると、算出した実行時間tsを運転データ生成部111へ出力する。ステップS12、ステップS15及びステップS16の処理は、図4に示すステップS7、ステップS8及びステップS9の処理と同じであるので説明を省略する。
このように、空調機器104を備えた部屋への入室前にユーザが第1の領域に存在した時間のうち、予め定められた規定時間における温度の変化を用いて、特別モードで空調機器104の運転を実行する実行時間が算出される。したがって、ユーザが長時間第1の領域で過ごしていたとしても、特別モードで空調機器104の運転を実行する実行時間が、必要以上に長時間になることがなくなり、実行時間を適切な時間に設定することができ、効率的な空調制御を実現することができる。特に、ユーザにとっては、入室直後に快適さを実感した後に、例えば、冷えなどの不快感を得ることがなくなるとともに、経済面においても、効率的な空調制御を実現することができる。
また、図5(a)に示すように、空調機器104を備えた部屋への入室前にユーザが第1の領域に存在した時間のうち、入室直前の規定時間分だけ連続した時間における温度の変化を用いて、特別モードで運転を実行する実行時間が算出される。したがって、ユーザが長時間第1の領域で過ごしていたとしても、ユーザの入室直前の規定時間分だけ連続した時間における状態を、特別モードで運転を実行する実行時間へ反映させるので、ユーザにとってより快適な空調を実現することができる。
また、図5(b)に示すように、空調機器104を備えた部屋への入室前にユーザが第1の領域に存在した時間のうち、最高温度又は最低温度を記録した時点を含む規定時間における温度の変化を用いて、特別モードで実行する実行時間が算出される。したがって、ユーザが長時間第1の領域で過ごしていたとしても、ユーザが入室前に最も悪条件の環境に存在した時点を含む規定時間分だけ連続した時間における状態を、特別モードで運転を実行する実行時間へ反映させるので、ユーザにとってより快適な空調を実現することができる。
なお、本実施の形態において、空調機器104を備えた部屋の入室前にユーザが存在した環境における温度が、全体的に基準温度Trよりも高い場合について記述していたが、低い場合においても適用できる。その場合、特別モード時間算出部110は、下記の(7)式及び(8)式を用いて、空調機器104において特別モードで運転を実行する実行時間tsを算出してもよい。
このとき、空調機器104における特別モードでの運転について、ユーザが任意に設定している室温設定温度からΔTi分だけ設定温度を上げる運転としてもよいし、ユーザが設定する風量からΔVi分風量を上げる運転としてもよいし、ユーザが設定する吹き出し温度からΔTi分だけ吹き出し温度を上げる運転としてもよい。
なお、本実施の形態において、特別モード時間算出部110は、温度検知部103で検知している浴室温度のうち、最高温度の時点を抽出して、(5)式に用いる時間範囲を定めているが、入室前の環境が浴室でない場合も考慮し、最低温度の時点を抽出するなど、ユーザがおかれた環境において最も悪条件である時点を抽出するとしてもよい。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について、実施の形態1と同じく、一例として、空調機器104を備えた部屋(第2の領域)への入室前にユーザが存在した第1の領域を浴室とし、また、状態検知部102を浴室在不在センサとし、温度検知部103で検知する温度を浴室温度とし、また、空調機器104における特別モードでの運転のことを、すずみモード空調と名づけて、以下に説明する。
実施の形態3では、ユーザが第1の領域である浴室から第3の領域である脱衣室を経て第2の領域である空調装置104が配置された室内へ移動することを前提としている。第1の領域である浴室における環境だけでなく第3の領域の一例である脱衣室における環境をも、第2の領域である室内の空調機器104によるすずみモード空調の実行時間に反映させる点が実施の形態1との相違点である。なお、本実施の形態では、脱衣室を第3の領域の一例として説明するが、本発明は特にこれに限定されず、第1の領域から第2の領域に相当する室内に移動するまでにユーザが存在した少なくとも1つ以上の領域を第3の領域とする。
図7は、本発明の実施の形態3におけるコントロールシステムの構成を示すブロック図である。
図7において、コントロール装置101、状態検知部102、温度検知部103、空調機器104、インタフェース部105、タイマ部106、温度データ記録部107、好み温度データ抽出部108、特別モード参照部109、特別モード時間算出部110及び運転データ生成部111は、それぞれ実施の形態1における構成と同じであり説明を省略する。状態検知部701は、脱衣室(第3の領域)に配置されており、ユーザの脱衣室における存在を検知する在不在センサである。温度検知部702は、脱衣室(第3の領域)に配置されており、脱衣室における温度を検知する。また、空調機器104は、例えばリビング(第2の領域)に配置されている。
状態検知部701は、ユーザが脱衣室に存在したこと、及びユーザが脱衣室に存在しなくなったことを検知し、それらを報知する情報をコントロール装置101へ送信する。
なお、コントロール装置101において、ユーザが浴室において入浴を終えるまでの動作は実施の形態1と同様に動作するものとし、ここでは、ユーザの入浴が終了して脱衣室へ移動した後の動作について具体例を用いて説明する。
図8は、本発明の実施の形態3における浴室温度と脱衣室温度の時間的変化例と室内での空調機器104におけるすずみモード空調の室温設定温度変化例とを関連付けたグラフである。
図8において、縦軸のTbは温度検知部103及び温度検知部702で検知される浴室及び脱衣室の温度を表し、Trは基準温度として用いる好み温度データ抽出部108で抽出されるユーザの好みの温度を表している。横軸のtaとtbとtcとは、それぞれタイマ部106で測定される入浴開始の時間と入浴終了の時間と脱衣室退室の時間とを表し、f(t)は浴室温度の時間的変化を示す関数を表し、fc(t)は脱衣室温度の時間的変化を示す関数を表している。また、ΔTiは、空調機器104におけるすずみモード空調の室温設定温度と基準温度Trとの温度差を表し、ΔTi’は、入浴終了時点の浴室温度と脱衣室温度の平均値との温度差を表している。そしてtsはすずみモード空調の実行時間を表している。
コントロール装置101の特別モード時間算出部110において、空調機器104によるすずみモード空調を実行する実行時間tsを算出する方法について以下に述べる。
すずみモード空調の実行時間tsは、温度データ記録部107から入力されたユーザの入浴時間(tb−ta)と、浴室温度の時間的変化f(t)と、好み温度データ抽出部108から入力されたユーザの好みの温度Trとに加え、脱衣室温度の時間的変化fc(t)と、脱衣室での在室時間(tc−tb)とに基づいて算出される。ここでは、以下の(9)式〜(11)式を用いて算出することにする。
上記(9)式において、Sbは、浴室温度の時間的変化f(t)と基準温度であるユーザの好みの温度Trからなる積分式で、図8の斜線部の面積を示している。上記(10)式において、Scは、浴室温度の時間的変化f(t)の入浴終了時点tbにおける値と脱衣室温度の時間的変化fc(t)とからなる積分式で、図8の縦縞部の面積を示している。そして、(11)式に示すように、SbからScを引いた値に係数αを乗じたものが、すずみモード空調の実行時間tsとなる。
ここで、係数αは実施の形態1における(3)式を用いて算出するものとする。
また、ΔTiは、特別モード参照部109に予め記憶されている値を使用してもよいが、ここでは、以下の(12)式を用いて算出することにする。
ΔTi=γ/ΔTi’・・・・(12)
上記(12)式において、係数γは例えば、被験者実験結果などで予め定められた係数である。また、ΔTi’は、入浴終了時点の浴室温度と脱衣室温度平均値との温度差である。従って、上記ΔTiは、温度差ΔTi’に相関のある値となり、ΔTi’が大きければΔTiは小さくなる関係(例えば、互いに反比例の関係)にある。
図9は、脱衣室在室時間、脱衣室温度変化及び浴室温度と脱衣室温度との温度差の一例を示す表である。例えば、図9の表では、ユーザの脱衣室の在室時間(tc−tb)が10分となっており、脱衣室への入室時における温度が29℃となっており、脱衣室からの退室時における温度が29℃となっており、浴室温度と脱衣室温度(平均値)との温度差(ΔTi’)が3℃となっている。以下、図9に示すデータ例を用いて具体的に説明する。
図10は、本発明の実施の形態3においてコントロール装置101が空調機器104の運転データを出力するまでの流れを示すフローチャートである。
図10において、コントロール装置101における浴室在不在センサ102からの浴室在信号の受信から、好み温度データ抽出部108からユーザの好みの温度が出力されるまでの処理(ステップS1からステップS6までの処理)は、図4に示す実施の形態1と同じ処理が行われるので同一の符号を付し、説明を省略する。
コントロール装置101のインタフェース部105は、状態検知部(脱衣室在不在センサ)701からユーザが脱衣室に存在することを示す脱衣室在信号を受信する(ステップS21)。インタフェース部105は、受信した脱衣室在信号を温度データ記録部107へ出力する。次に、温度データ記録部107は、脱衣室在信号が入力されると、タイマ部106による脱衣室在室時間の測定を開始し、インタフェース部105を介して温度検知部702によって検知される脱衣室温度を取得する。ここで、温度データ記録部107は、温度検知部702で検知した脱衣室温度29℃の時点から、ある一定時間ごとにインタフェース部105を介して脱衣室温度を受信し、脱衣室在不在センサ701から脱衣室不在信号を受信するまで、それらを脱衣室温度の時間的変化として記録し続ける(ステップS22)。
次に、温度データ記録部107は、ユーザが脱衣室に存在しないことを示す脱衣室不在信号を受信したか否かを判断する(ステップS23)。ここで、脱衣室不在信号を受信していないと判断された場合(ステップS23でNO)、脱衣室不在信号を受信するまで所定の時間間隔で判断を繰り返し行う。一方、脱衣室不在信号を受信したと判断された場合(ステップS23でYES)、ステップS24の処理へ移行する。
脱衣室在不在センサ701からインタフェース部105を介して脱衣室在信号が受信されてからインタフェース部105を介して脱衣室不在信号が受信されると(ステップS23でYES)、温度データ記録部107は、その時の脱衣室温度29℃を最後に記録し、タイマ部106による脱衣室在室時間の測定を中止するとともに、脱衣室温度の時間的変化の記録を中止する(ステップS24)。次に、温度データ記録部107は、タイマ部106によって測定した脱衣室在室時間と、脱衣室温度の時間的変化とを特別モード時間算出部110へ出力する(ステップS25)。ユーザが脱衣室に存在した時間(脱衣室在信号の受信から脱衣室不在信号の受信までの測定時間)を脱衣室在室時間とし、仮に脱衣室在室時間を10分とした場合、温度データ記録部107は、10分と、10分の間記録し続けた脱衣室温度の時間的変化fc(t)とを、特別モード時間算出部110へ出力する。
次に、特別モード時間算出部110は、温度データ記録部107から脱衣室在室時間10分と脱衣室温度の時間的変化fc(t)が入力されると、入浴終了時点の浴室温度と脱衣室温度平均値との温度差ΔTi’を算出し、上記の式(12)を用いて温度差ΔTiを算出し、算出した温度差ΔTiを上記の(3)式に代入して係数αを算出する。次に、特別モード時間算出部110は、上記の(12)式を用いて算出したΔTiを特別モード参照部109へ登録する。ここでは、入浴終了時点の浴室温度32℃と脱衣室温度平均値29℃との温度差ΔTi’を3℃としてΔTiを求め、その後係数αを求めることにする。特別モード時間算出部110は、係数αを算出すると、浴室温度30℃から32℃への時間的変化を示す関数f(t)と、脱衣室温度29℃から29℃への時間的変化を示す関数fc(t)と、入浴時間25分と、脱衣室在室時間10分と、ユーザの好み温度26℃と、(3)式を用いて算出した係数αとを上記の(9)式〜(11)式に代入し、空調機器104におけるすずみモード空調の実行時間tsを算出する。そして、特別モード時間算出部110は、算出した実行時間tsを運転データ生成部111へ出力する(ステップS26)。
ここで、本実施の形態では、入浴終了時点の浴室温度と脱衣室温度平均値との温度差ΔTi’が3℃として説明したが、ΔTi’がある特定の値(例えば入浴終了時点の浴室温度とあまり差のない1℃程度)以内であった場合は、脱衣室温度の時間的温度変化fc(t)を浴室温度の時間的変化f(t)の継続とみなしてもよい。この場合、特別モード時間算出部110は、入浴開始時taから脱衣室退室時tcまでの浴室温度の時間的変化f(t)を実施の形態1の(1)式及び(2)式に代入し、すずみモード空調の実行時間tsを算出してもよい。
次に、運転データ生成部111は、特別モード時間算出部110からすずみモード空調の実行時間tsが入力されると、特別モード参照部109に記憶されているΔTiに基づきユーザが任意に設定する室温設定温度よりもΔTiだけ下げるというすずみモード空調を特別モード時間算出部110から入力された実行時間ts分だけ実行するという運転データを生成する(ステップS27)。次に、運転データ生成部111は、インタフェース部105を介して運転データを空調機器104へ送信する(ステップS28)。ここで、運転データ生成部111は、室内においてすずみモード空調を実行する際、すずみモード空調における室温設定温度を下げる度合いであるΔTiがある一定の温度範囲よりも大きい場合、ある一定の値に等しくなるようにΔTiを補正してもよい。
空調機器104は、コントロール装置101から運転データを受信すると、その運転データに従い、すずみモード空調を実行時間ts分だけ実行する制御を行う。
このように、第1の領域から第2の領域にユーザが移動するまでに存在した第3の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、第3の領域における温度データとが受信され、受信されたユーザ情報に基づいて第3の領域にユーザが存在した時間が測定される。そして、測定された第3の領域にユーザが存在した時間が記録されるとともに、受信された温度データが測定された時間に関連付けて第3の領域における温度の時間的変化として温度データ記録部107に記録される。温度データ記録部107に記録されたユーザが第1の領域に存在した時間と、第1の領域での温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とに加え、第3の領域にユーザが存在した時間と、第3の領域での温度の時間的変化とを用いて、特別モード参照部109に記憶されている制御情報に基づいて空調機器の制御運転を実行する実行時間が算出される。
すなわち、コントロール装置101が、浴室における入浴時間と、浴室温度の時間的変化と、基準温度であるユーザの好み温度と、予め登録されたΔTiとに加え、ユーザが浴室から室内へ移動するまでに脱衣室に存在した時間と、脱衣室温度の時間的変化とに基づき室内の空調機器104における特別モードで運転を実行する実行時間が算出される。したがって、特別モードでの運転をより適した時間分だけ実行することが可能となり、自然な温度差を利用した効率的かつユーザに快適さを十分与えることのできる運転が可能となる。
また、特別モード参照部109に記憶されている制御情報の設定内容を変更する変更量ΔTiが第1の領域と第3の領域との温度差ΔTi’に基づいてより算出されるので、空調機器104の特別モードでの運転における室温設定温度をユーザが室内に移動する寸前に存在した脱衣室での環境に応じて変化させることができ、ユーザが段階的に体感した環境を精度高く把握することできめ細かな空調運転を実行することができる。
また、第1の領域と第3の領域とにおける温度差ΔTi’が所定の値(例えば入浴終了時点の浴室温度とあまり差のない1℃程度)よりも小さい場合、第1の領域と第3の領域とを1つの領域と見なすことができ、ユーザが入室前に存在した複数の環境に大きな差が見られない場合を考慮することができ、よりユーザの状態を反映させた空調制御が可能となる。
また、室内においてすずみモード空調を実行する際、すずみモード空調での運転制御に制限を設けて入室前との環境変化が大きくなりすぎないよう空調機器104の設定内容を補正することができ、ユーザに対し、脱衣室から室内に移動する際の急激な温熱変化を与えることがなくなり、より快適な空調運転を実現することができる。
なお、本実施の形態において、ΔTi’を入浴終了時点の浴室温度と脱衣室温度平均値との温度差としているが、浴室温度と脱衣室温度との温度差を求める、例えば浴室温度平均値と脱衣室温度平均値との温度差を求めることでΔTi’を決定してもよい。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4について、実施の形態2と同じく、一例として、空調機器104を備えた部屋(第2の領域)への入室前にユーザが存在した環境(第1の領域)を浴室とし、また、状態検知部102を浴室在不在センサとし、温度検知部103で検知する温度を浴室温度とし、空調機器104における特別モードでの運転のことをすずみモード空調と名づけて、以下に具体的に説明する。
実施の形態2と同様にして、コントロール装置101における特別モード時間算出部110は、空調機器104におけるすずみモード空調の実行時間tsを算出する。実施の形態2との相違点は、特別モード時間算出部110がすずみモード空調の実行時間tsを算出するだけではなく、実行時間ts内のすずみモード空調におけるΔTiの変化(強弱変化)を、温度データ記録部107で記録された浴室温度の時間的変化f(t)に基づいて決定し、実行時間ts内におけるΔTiの強弱変化を示すすずみモード空調の制御内容を運転データ生成部111へ出力する点である。
図11は、本発明の実施の形態4における浴室温度の時間的変化の一例を示すグラフである。
実施の形態2と同様、縦軸のTbは温度検知部103で検知される浴室温度を表し、Trは基準温度として用いる好み温度データ抽出部108で抽出されるユーザの好みの温度を表している。横軸のtaとtbとはそれぞれ、タイマ部106で測定される入浴開始時間と入浴終了時間とを表し、f(t)は浴室温度の時間的変化を示す関数を表している。
図11において、実施の形態2と同様にして、特別モード時間算出部110は、温度データ記録部107から入力されたユーザの入浴時間が、規定時間を超えた場合、入浴時間における浴室温度の時間的変化f(t)のうち、最高温度を記録した時点を検出する。そして、特別モード時間算出部110は、最高温度を記録した時点を中心とする規定時間分の連続した時間である時点ta’から時点tb’までを範囲とした浴室温度の時間的変化f(t)を用いて、すずみモード空調の実行時間tsを算出する。
なお、本実施の形態では、最高温度を記録した時点を中心とする規定時間分の連続した時間範囲における浴室温度の時間的変化f(t)を用いて実行時間を算出しているが、本発明は特にこれに限定されず、最高温度を記録した時点を含む規定時間分の連続した時間範囲における浴室温度の時間的変化f(t)を用いて実行時間を算出してもよい。
特別モード時間算出部110は、入浴時間における浴室温度の時間変化f(t)におけるピーク点(以下P点と示す)と入浴終了時点(以下F点と示す)との関係と、特別モード参照部109に予め記憶されているすずみモード空調におけるΔTiの強弱変化とを対応付けたテーブルを予め記憶している。
特別モード時間算出部110は、すずみモード空調の実行時間tsを算出すると、P点とF点とをそれぞれ抽出する。そして、特別モード時間算出部110は、P点とF点との関係とΔTiの強弱変化とを対応付けたテーブルを参照して、実行時間ts内におけるΔTiの強弱変化を示すすずみモード空調の制御内容を決定し、その制御内容を運転データ生成部111へ出力する。
図12は、本発明の実施の形態4における特別モード時間算出部110が予め記憶しているP点及びF点の関係とΔTiの強弱変化とを対応付けたテーブルの一例を示す図である。
図12において、特別モード時間算出部110によって抽出されたP点とF点とにおける時間間隔が小さく、温度差も小さい場合は、すずみモード空調におけるΔTiは実行時間ts内において、弱→中→強という順番で変化するように決定される。ここで、実行時間ts内における弱、中及び強の時間割は、例えばそれぞれ実行時間tsの1/3とし、強度としては、例えばそれぞれ弱がΔTi/3、中が2・ΔTi/3、強がΔTiというように決定されるものとする。以降も同様にして、P点とF点とにおける時間間隔と、P点とF点とにおける温度差とによってすずみモード空調における制御内容が決定される。
運転データ生成部111は、特別モード時間算出部110から、例えば、最初に弱で運転し、次に中で運転し、最後に強で運転するというすずみモード空調の制御内容が入力されると、特別モード参照部109に記憶されているすずみモード空調の設定であるΔTiを参照し、そのすずみモード空調を、まず弱(1/3・ts)、つづいて中(1/3・ts)、最後に強(1/3・ts)という流れで実行するという運転データを生成する。次に、運転データ生成部111は、インタフェース部105を介して運転データを空調機器104へ送信する。
空調機器104は、コントロール装置101から運転データを受信すると、その運転データに従い、空調の制御を行う。
このように、空調機器104を備えた部屋の入室前にユーザが存在したある環境における温度の時間的変化に基づいて室内の空調機器104における特別モードの運転に変化をもたすことが可能となり、より入室時のユーザの状態にあった制御を実現することができる。さらに、特別モードの運転内容を入室前の環境と大きく差をつける場合でも、初めは弱めの運転から開始することが可能となり、人体に及ぼす負担を軽減し、昨今問題視されているヒートショックなどの事故を未然に防ぐことが可能となる。
なお、本実施の形態において、すずみモード空調におけるΔTiの実行時間ts内における強弱変化の時間割を、弱→中→強などの変化に沿って単純に3等分しているが、例えば、f(t)におけるP点がある一定時間継続していた場合、すずみモード空調におけるΔTiの弱の時間割りを、P点が継続したある一定時間の反比例分にするなど、入浴時間内における温度の時間的変化f(t)の変化に基づいてすずみモード空調におけるΔTiの強弱変化の時間を割り振ってもよい。
なお、本実施の形態において、空調機器104を備えた部屋の入室前にユーザが存在した環境における温度が、全体的に基準温度Trよりも高い場合について記述しているが、ユーザにおける入室前の環境が浴室でない場合も考慮し、f(t)における最も悪条件である最低温度の時点を抽出し、その最低温度点と入浴終了時点との時間間隔と、最低温度点と入浴終了時点との温度差とに基づいて通常ユーザが任意に設定する室温設定温度より上げる温度差ΔTiの強弱変化を決定してもよい。
(実施の形態5)
図13は、本発明の実施の形態5におけるコントロールシステムの構成を示すブロック図である。
図13において、コントロール装置101、空調機器104、インタフェース部105、タイマ部106、温度データ記録部107、好み温度データ抽出部108、特別モード参照部109、特別モード時間算出部110及び運転データ生成部111は、それぞれ実施の形態1における構成と同じであり説明を省略する。状態検知部131は、浴室(第1の領域)に配置されており、ユーザの浴室における存在を検知する在不在センサである。温度検知部132は、浴室(第1の領域)に配置されており、浴室空気温度(以下、浴室温度という)を検知する。状態検知部133は、浴槽(第3の領域)に配置されており、ユーザの浴槽における存在を検知する在不在センサである。温度検知部134は、浴槽(第3の領域)に配置されており、浴槽内に貯えられた水の温度(以下、湯温という)を検知する。また、空調機器104は、例えばリビング(第2の領域)に配置されている。
なお、本実施の形態において、状態検知部131が浴室状態検知手段の一例に相当し、状態検知部133が浴槽状態検知手段の一例に相当し、温度検知部132が浴室温度検知手段の一例に相当し、温度検知部134が浴槽温度検知手段の一例に相当する。
本発明の実施の形態5について、第2の領域である空調機器104を備えた部屋への入室前にユーザが存在した第1の領域を浴室とし、第3の領域を浴槽とし、状態検知部131を浴室在不在センサとし、温度検知部132で検知する温度を浴室温度とし、状態検知部133を浴槽在不在センサとし、温度検知部134で検知する温度を湯温とし、空調機器104における特別モードでの運転のことを、すずみモード空調と名づけて、以下に説明する。
実施の形態1との相違点は、特別モード時間算出部110が、すずみモード空調の実行時間tsを算出する際に、第3の領域の浴槽における湯がユーザに与える影響と、実施の形態1で記述した第1の領域の浴室内の空気がユーザに与える影響との違いを考慮する点にある。
ここで、浴室在不在センサ131は、ユーザが浴室に存在したこと及びユーザが浴室に存在しなくなったことを検知し、それらを報知する情報をコントロール装置101へ送信する。また、浴槽在不在センサ133は、ユーザが浴槽に存在したこと及びユーザが浴槽に存在しなくなったことを検知し、それらを報知する情報をコントロール装置101へ送信する。
浴槽在不在センサ133は、湯の水位の変化とその変化の速さとを抽出し、抽出した水位の変化とその変化の速さと予め定められた閾値とを比較し、ユーザが浴槽に存在するか否かを検知する。あるいは、浴槽在不在センサ133は、浴槽内にユーザが着座した時に身体が触れる箇所に圧力センサを設けておき、ユーザが当該圧力センサに触れたことを検知して、ユーザが浴槽に存在するか否かを検知する。
図14は、本発明の実施の形態5における浴室及び浴槽の温度の時間的変化例と、室内での空調機器104におけるすずみモード空調の室温設定温度変化例とを関連付けたグラフである。
図14において、縦軸のTbは温度検知部132及び温度検知部134で検知される浴室温度及び湯温を表し、Trは基準温度として用いる好み温度データ抽出部108で抽出されるユーザの好みの温度を表している。横軸のtaとtyとtbとはそれぞれ浴室在不在センサ131及び浴槽在不在センサ133で検知されたユーザの在不在情報をもとにタイマ部106で測定される入浴開始時間(または入湯開始時間)と入湯終了時間と入浴終了時間とを表している。fy(t)は湯温の時間的変化を示す関数を表し、fb(t)は浴室温度の時間的変化を示す関数を表している。また、ΔTiは空調機器104において、通常ユーザが任意で行う設定(例えば、室温設定温度)と、すずみモード空調における設定(例えば、室温設定温度)との差分を表している。そして、tsはすずみモード空調の実行時間を表している。
コントロール装置101における特別モード時間算出部110が、空調機器104によるすずみモード空調を実行する実行時間tsを算出する方法について以下に述べる。すずみモード空調の実行時間tsは、温度データ記録部107から入力された、ユーザが浴槽に浸かった入湯時間(ty−ta)と、湯温の時間的変化fy(t)と、ユーザが浴室に存在し、浴槽以外に存在した時間(tb−ty−ta)と、浴室温度の時間的変化fb(t)と、好み温度データ抽出部108から入力されたユーザの好みの温度Trとに基づいて算出される。ここでは、以下の(13)式〜(15)式を用いて算出することにする。
上記の(13)式において、Syは、湯温の時間的変化fy(t)と基準温度であるユーザの好みの温度Trとからなる積分式で、図14の斜線部の面積を示している。上記の(14)式において、Sbは、浴室温度の時間的変化fb(t)と基準温度であるユーザの好みの温度Trとからなる積分式で、図14の縦縞部の面積を示している。上記の(15)式において、係数θは、湯と空気とで人体に与える影響が大きく異なることを考慮した予め定められた係数であり、水の熱伝導率は空気の熱伝導率の25倍であることや、水と空気との熱容量の違いなどに基づいて決定される1以上の係数である。そして、Syのθ倍とSbとを足した値に係数αを乗じたものが、すずみモード空調の実行時間tsとなる。ここで、係数αは実施の形態1における(3)式を用いて算出するものとする。
図15は、図13のコントロール装置101が空調機器104の運転データを出力するまでの流れを示すフローチャートである。
図15において、まず、インタフェース部105は、実施の形態1と同様にして状態検知部(浴室在不在センサ)131からユーザが浴室に存在することを示す浴室在信号を受信する(ステップS31)。インタフェース部105は、受信した浴室在信号を温度データ記録部107へ出力する。次に、温度データ記録部107は、浴室在信号が入力されると、タイマ部106による入浴時間の測定を開始し、インタフェース部105を介して温度検知部132によって検知される浴室温度を取得する。ここで、温度データ記録部107は、温度検知部132からある一定時間ごとにインタフェース部105を介して浴室温度を受信し、浴室在不在センサ131から浴室不在信号を受信するまで、それらを浴室温度の時間的変化として記録し続ける(ステップS32)。
次に、温度データ記録部107は、ユーザが浴槽に存在することを示す浴槽在信号を受信したか否かを判断する(ステップS33)。ここで、浴槽在信号を受信していないと判断された場合(ステップS33でNO)、ステップS38の処理へ移行する。一方、浴槽在信号を受信したと判断された場合(ステップS33でYES)、ステップS34の処理へ移行する。
浴室在不在センサ131からインタフェース部105を介して浴室在信号が受信されてからインタフェース部105を介して浴室不在信号が受信されるまでの間に、状態検知部(浴槽在不在センサ)133からインタフェース部105を介して浴槽在信号が受信されると(ステップS33でYES)、温度データ記録部107は、タイマ部106による入湯時間の測定を開始する。温度データ記録部107は、温度検知部134からある一定時間ごとにインタフェース部105を介して湯温を受信し、浴槽在不在センサ133から浴槽不在信号を受信するまでそれらを湯温の時間的変化として記録し続ける(ステップS34)。
次に、温度データ記録部107は、ユーザが浴槽に存在しないことを示す浴槽不在信号を受信したか否かを判断する(ステップS35)。ここで、浴槽不在信号を受信していないと判断された場合(ステップS35でNO)、浴槽不在信号を受信するまで所定の時間間隔で判断を繰り返し行う。一方、浴槽不在信号を受信したと判断された場合(ステップS35でYES)、ステップS36の処理へ移行する。
インタフェース部105を介して浴槽不在信号が受信されると(ステップS35でYES)、温度データ記録部107は、その時の湯温を最後に記録し、タイマ部106による入湯時間の測定を中止するとともに、湯温の時間的変化の記録を中止する(ステップS36)。次に、温度データ記録部107は、タイマ部106によって測定された入湯時間と、湯温の時間的変化とを保存する(ステップS37)。
次に、温度データ記録部107は、ユーザが浴室に存在しないことを示す浴室不在信号を受信したか否かを判断する(ステップS38)。ここで、浴室不在信号を受信していないと判断された場合(ステップS38でNO)、ステップS33の処理へ戻り、浴槽在信号を受信したか否かの判断が行われる。一方、浴室不在信号を受信したと判断された場合(ステップS38でYES)、ステップS39の処理へ移行する。
その後、インタフェース105を介して浴室不在信号が受信されると(ステップS38でYES)、温度データ記録部107は、その時の浴室温度を最後に記録し、タイマ部106による入浴時間の測定を中止するとともに、浴室温度の時間的変化の記録を中止する(ステップS39)。次に、温度データ記録部107は、入浴時間と、浴室温度の時間的変化と、これまで保存していた入湯時間と、湯温の時間的変化とを特別モード時間算出部110へ出力する(ステップS40)。
次に、好み温度データ抽出部108は、インタフェース部105を介して空調機器104の室温設定温度データを受信し、受信した室温設定温度データをユーザの好みの温度として特別モード時間算出部110へ出力する(ステップS41)。
次に、特別モード時間算出部110は、好み温度データ抽出部108からユーザの好みの温度が入力され、温度データ記録部107から入浴時間と浴室温度の時間的変化と入湯時間と湯温の時間的変化とが入力されると、実施の形態1と同様にして係数αを算出する。特別モード時間算出部110は、係数αを算出すると、浴室温度の時間的変化を示す関数fb(t)と、湯温の時間的変化を示す関数fy(t)と、入浴時間のうち浴槽以外に存在した時間(tb−ty−ta)と、入湯時間(ty−ta)と、ユーザの好み温度Trと、算出した係数αとを(13)式〜(15)式に代入し、空調機器104におけるすずみモード空調の実行時間tsを算出する(ステップS42)。特別モード時間算出部110は、算出した実行時間tsを運転データ生成部111へ出力する。
次に、運転データ生成部111は、特別モード時間算出部110から、すずみモード空調の実行時間tsが入力されると、特別モード参照部109に記録されているすずみモード空調の設定を参照する。そして、運転データ生成部111は、特別モード参照部109に記憶されているすずみモード空調を、特別モード時間算出部110から入力された実行時間ts分だけ実行するという運転データを生成する(ステップS43)。次に、運転データ生成部111は、インタフェース部105を介して運転データを空調機器104へ送信する(ステップS44)。
空調機器104は、実施の形態1と同様にして、コントロール装置101から運転データを受信すると、その運転データに従い、すずみモード空調を実行時間ts分だけ実行する制御を行う。
このように、浴室におけるユーザの状態と浴槽におけるユーザの状態とを示すユーザ情報と、浴室における温度データと浴槽における温度データとが受信され、受信されたユーザ情報に基づいて、浴室にユーザが存在する時間と浴槽にユーザが存在する時間とが測定される。測定された浴室にユーザが存在した時間と浴槽にユーザが存在した時間とが記録されるとともに、受信された浴室における温度データが測定された時間に関連付けて浴室における温度の時間的変化として記録するとともに、受信された浴槽における温度データが測定された時間と関連付けて浴槽における温度の時間的変化として温度データ記録部107に記録される。特別モード参照部109には、浴室とは異なる場所に設けられた空調機器104の設定内容を変更させる制御情報が記憶されている。そして、温度データ記録部107に記録された浴室にユーザが存在した時間と、浴槽にユーザが存在した時間と、浴室における温度の時間的変化と、浴槽における温度の時間的変化と、浴槽内の水が人体に与える影響を数値化した予め定められた係数と、所定の温度である基準温度とを用いて、特別モード参照部109に記憶されている制御情報に基づいて空調機器104の制御運転を実行する実行時間が算出される。その後、算出された実行時間の間、特別モード参照部109に記憶されている制御情報に基づいて空調機器104を運転するための運転データが生成される。
したがって、ユーザが空調機器104の配置された場所に入室する前の環境について、ユーザが空気中だけでなく水(湯)中に存在していたことを空調機器104のすずみモード空調の実行時間tsを算出する際に考慮することができ、空気だけでなく湯も共存する特殊な環境である浴室のような空間に特化したシステムを実現することができ、ユーザに対し、より快適な空調運転を実現することができる。
なお、本実施の形態において、ユーザの1回の入浴につき入湯が1回である場合について説明したが、本発明は特にこれに限定されず、1回の入浴につき複数回入湯した場合であっても適用可能である。例えば、ユーザが1回の入浴につき複数回数入湯した場合、特別モード時間算出部110は、複数回ぞれぞれの湯温の時間的変化を示す関数fy(t)からユーザの好み温度Trを減算した値の複数回それぞれの入湯時間の積分値を加算した値をSyとし、複数回ぞれぞれの浴室温度の時間的変化を示す関数fb(t)からユーザの好み温度Trを減算した値の複数回それぞれの入浴時間(入浴時間のうち浴槽以外に存在した時間)の積分値を加算した値をSbとし、上記の(15)式を用いて実行時間tsを算出する。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6について、実施の形態5と同じく、空調機器104における特別モードでの運転のことをすずみモード空調と名づけて、以下に具体的に説明する。なお、実施の形態6におけるコントロールシステムの構成は、実施の形態5におけるコントロールシステムの構成と同じであるので説明を省略し、以下、図13に示すコントロールシステムを用いて実施の形態6を説明する。
実施の形態5と同様にして、コントロール装置101における特別モード時間算出部110は、温度データ記録部107から入力された入浴時間、浴室温度の時間的変化、入湯時間及び湯温の時間的変化と、好み温度データ抽出部108から入力されたユーザの好みの温度とに基づいて、空調機器104におけるすずみモード空調の実行時間tsを算出する。実施の形態5との相違点は、特別モード時間算出部110がすずみモード空調の実行時間tsを算出する際、温度データ記録部107から入力された湯温があらかじめ定められた一定の値を越えるかどうかの判定を行い、判定結果に基づいて実行時間tsの算出方法を変更する点である。
図16は、図13のコントロール装置101が空調機器104の運転データを出力するまでの流れを示すフローチャートである。
図16において、コントロール装置101における浴室在不在センサ131からの浴室在信号の受信から、好み温度データ抽出部108からユーザの好みの温度が出力されるまでの処理(ステップS51からステップS61までの処理)は、図15に示す実施の形態5のステップS31からステップS41までの処理と同じ処理が行われるので説明を省略する。
特別モード時間算出部110は、好み温度データ抽出部108からユーザの好みの温度が入力され、温度データ記録部107から入浴時間と浴室温度の時間的変化と入湯時間と湯温の時間的変化とが入力されると、実施の形態1と同様にして係数αを算出する。特別モード時間算出部110は、係数αを算出すると、温度データ記録部107から入力された湯温の時間的変化に対し、ある一定の値を越えるかどうかの暖まり判定を行う(ステップS62)。なお、ここでの一定の値とは、例えば基準温度Tr+10である。その際、特別モード時間算出部110は、湯温の時間的変化の平均値を算出し、算出した平均値が一定の値(基準温度Tr+10)以上であるか否かを判定する。
ここで、湯温の時間的変化の平均値が一定の値以上であると判断された場合、ユーザが入湯する際、高めの湯温で短時間浸かったと判断できる。入浴に関する一般的な知識として、高めの湯温で短時間浸かった状態では体の芯まで暖まっていないという認識が存在することからも、このときのユーザの暖まり具合は小さいと判定することができる。そのため、湯温の時間的変化の平均値が一定の値以上であると判断された場合(ステップS63でYES)、特別モード時間算出部110は、すずみモード空調の実行時間tsを実施の形態5のステップS42と同様にして算出する(ステップS63)。
一方、湯温の時間的変化の平均値が一定の値(基準温度Tr+10)よりも低いと判断された場合、ユーザが低めの湯温で長時間浸かったと判断できる。一般的に半身浴の効果にもあるように、低めの湯温で長時間浸かった状態は体の芯まで暖まっているということが言えることからも、このときのユーザの暖まり具合は大きいと判定することができる。そのため、湯温の時間的変化の平均値が一定の値よりも低いと判断された場合(ステップS62でNO)、特別モード時間算出部110は、すずみモード空調の実行時間tsを下記の(16)式を用いて算出する(ステップS64)。
ts=α・(δSy+Sb)・・・・(16)
上記(16)式において、SyとSbと係数αとは実施の形態5と同様にして求められるものとする。ここで、上記係数δは、被験者実験結果などで予め定められた係数である。そして、Syのδ倍とSbとを足した値に係数αを乗じたものが、すずみモード空調の実行時間tsとなる。特別モード時間算出部110は、上記の(16)式を用いてすずみモード空調の実行時間tsを算出すると運転データ生成部111へ出力する。
次に、運転データ生成部111は、特別モード時間算出部110から、すずみモード空調の実行時間tsが入力されると、実施の形態5と同様にして特別モード参照部109に記録されているすずみモード空調の設定を参照する。そして、運転データ生成部111は、特別モード参照部109に記録されているすずみモード空調を、特別モード時間算出部110から入力された実行時間ts分だけ実行するという運転データを生成する(ステップS65)。次に、運転データ生成部111は、インタフェース部105を介して運転データを空調機器104へ送信する(ステップS66)。
このように、ユーザが入浴中にどのような水温でどれくらい浸かったかによりユーザの暖まり具合を判定し、判定結果を空調機器104のすずみモード空調の実行時間tsに反映させるので、ユーザの毎回変動する入浴の仕方に忠実な空調運転を実現することができ、風呂上りのユーザに対して快適な空調運転を行うことができる。さらに、ユーザの入浴の仕方に忠実な空調であるため、行き過ぎた空調をすることがなくなり、適切な設定内容で空調機器104を制御することができ、湯冷めなどで健康を害することのない空調が可能となる。
なお、本実施の形態において、ユーザの1回の入浴につき入湯が1回である場合について説明したが、1回の入浴につき複数回入湯した場合であっても、特別モード時間算出部110は、複数回ぞれぞれの湯温の時間的変化を判定し、少なくとも1回以上低めの湯温で長時間の入湯を行っていた場合は、上記の(16)式を用いてすずみモード空調の実行時間tsを算出する。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明に係るコントロール装置は、第1の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、前記第1の領域における温度データとを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記ユーザ情報に基づいて前記第1の領域にユーザが存在した時間を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された前記第1の領域にユーザが存在した時間を記録するとともに、前記受信手段によって受信された前記温度データを前記測定手段によって測定された時間に関連付けて前記第1の領域における温度の時間的変化として記録する温度データ記録手段と、前記第1の領域とは異なる第2の領域に設けられた空調機器の設定内容を変更させる制御情報を記憶する制御情報記憶手段と、前記温度データ記録手段に記録された前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間と、前記温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とを用いて、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器の制御運転を実行する実行時間を算出する実行時間算出手段と、前記実行時間算出手段によって算出された前記実行時間の間、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器を運転するための運転データを生成する運転データ生成手段とを備える。
また、本発明に係るコントロール方法は、第1の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、前記第1の領域における温度データを受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信された前記ユーザ情報に基づいて前記第1の領域にユーザが存在した時間を測定する測定ステップと、前記測定ステップにおいて測定された前記第1の領域にユーザが存在した時間を記録するとともに、前記受信ステップにおいて受信された前記温度データを前記測定ステップにおいて測定された時間に関連付けて前記第1の領域における温度の時間的変化として記録する温度データ記録ステップと、前記温度データ記録ステップにおいて記録された前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間と、前記温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とを用いて、前記第1の領域とは異なる第2の領域に設けられた空調機器の設定内容を変更させる制御情報を記憶する制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器の制御運転を実行する実行時間を算出する実行時間算出ステップと、前記実行時間算出ステップにおいて算出された前記実行時間の間、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器を運転するための運転データを生成する運転データ生成ステップとを含む。
また、本発明に係るコントロールプログラムは、第1の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、前記第1の領域における温度データを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記ユーザ情報に基づいて前記第1の領域にユーザが存在した時間を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された前記第1の領域にユーザが存在した時間を記録するとともに、前記受信手段によって受信された前記温度データを前記測定手段によって測定された時間に関連付けて前記第1の領域における温度の時間的変化として記録する温度データ記録手段と、前記第1の領域とは異なる第2の領域に設けられた空調機器の設定内容を変更させる制御情報を記憶する制御情報記憶手段と、前記温度データ記録手段に記録された前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間と、前記温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とを用いて、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器の制御運転を実行する実行時間を算出する実行時間算出手段と、前記実行時間算出手段によって算出された前記実行時間の間、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器を運転するための運転データを生成する運転データ生成手段としてコントロール装置を機能させる。
また、本発明に係るコントロールプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、第1の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、前記第1の領域における温度データを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記ユーザ情報に基づいて前記第1の領域にユーザが存在した時間を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された前記第1の領域にユーザが存在した時間を記録するとともに、前記受信手段によって受信された前記温度データを前記測定手段によって測定された時間に関連付けて前記第1の領域における温度の時間的変化として記録する温度データ記録手段と、前記第1の領域とは異なる第2の領域に設けられた空調機器の設定内容を変更させる制御情報を記憶する制御情報記憶手段と、前記温度データ記録手段に記録された前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間と、前記温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とを用いて、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器の制御運転を実行する実行時間を算出する実行時間算出手段と、前記実行時間算出手段によって算出された前記実行時間の間、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器を運転するための運転データを生成する運転データ生成手段としてコントロール装置を機能させるコントロールプログラムを記録している。
これらの構成によれば、第1の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、第1の領域における温度データとが受信され、受信されたユーザ情報に基づいて第1の領域にユーザが存在した時間が測定される。第1の領域にユーザが存在した時間が記録されるとともに、受信された温度データが測定された時間に関連付けて第1の領域における温度の時間的変化として温度データ記録手段に記録される。制御情報記憶手段には、第1の領域とは異なる第2の領域に設けられた空調機器の設定内容を変更させる制御情報が記憶されている。温度データ記録手段に記録されたユーザが第1の領域に存在した時間と、温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とを用いて、制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて空調機器の制御運転を実行する実行時間が算出される。そして、算出された実行時間の間、制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて空調機器を運転するための運転データが生成される。
したがって、ユーザが第1の領域に存在した時間と第1の領域の温度とを用いて第2の領域に配置された空調機器の制御運転を制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて実行する実行時間が算出されるので、空調機器が配置された部屋への入室前におけるユーザの環境を時間と温度とにより推定し、推定結果を空調機器の制御に反映させることができ、より快適な空間をユーザに提供することができる。
また、上記のコントロール装置において、前記ユーザ情報は、前記第1の領域における前記ユーザの存在の有無を検知する情報を含むことが好ましい。
この構成によれば、ユーザ情報には、第1の領域におけるユーザの存在の有無を検知する情報が含まれているので、第1の領域に確実にユーザが存在したことを確認することができ、空調機器の制御を所定の制御情報に基づいて実行する実行時間を精度高く算出することができる。
また、上記のコントロール装置において、前記ユーザの好みの温度を前記実行時間算出手段へ出力する好み温度データ抽出手段をさらに備え、前記実行時間算出手段は、前記実行時間を算出する際に用いる前記基準温度として、前記好み温度データ抽出部によって出力された前記ユーザの好みの温度を用いることが好ましい。
この構成によれば、ユーザが第1の領域に存在した時間と、第1の領域における温度と、さらにユーザの好みの温度とを用いて、第2の領域に配置された空調機器の制御を所定の制御情報に基づいて実行する実行時間が算出されるので、ユーザの好みの温度を空調機器の制御に反映させることができ、ユーザの温冷感の差を考慮した運転を実現することができる。
また、上記のコントロール装置において、前記好み温度データ抽出手段は、前記空調機器の室温設定温度を取得し、取得した前記室温設定温度を前記ユーザの好みの温度として前記実行時間算出手段へ出力することが好ましい。
この構成によれば、ユーザの好みの温度を、第2の領域に設置された空調機器の室温設定温度とすることで、ユーザの好みの温度を簡単に自動で抽出することができる。
また、上記のコントロール装置において、前記実行時間算出手段は、予め時間範囲を定めた規定時間を規定し、前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間が前記規定時間を越えた場合、前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間のうち前記規定時間分の連続した時間に基づき前記実行時間を算出することが好ましい。
この構成によれば、ユーザが第1の領域に存在した時間のうち、予め定められた規定時間における温度の変化を用いて、所定の制御情報に基づいて空調機器の運転を実行する実行時間が算出される。したがって、ユーザが長時間第1の領域で過ごしていたとしても、所定の制御情報に基づいて空調機器の運転を実行する実行時間が、必要以上に長時間になることがなくなり、実行時間を適切な時間に設定することができ、効率的な空調制御を実現することができる。
また、上記のコントロール装置において、前記実行時間算出手段は、前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間が前記規定時間を越えた場合、前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間における終了時点から前記規定時間分さかのぼった時点までの連続した時間に基づき前記実行時間を算出することが好ましい。
この構成によれば、ユーザが第1の領域に存在した時間のうち、第2の領域へ移動する直前の規定時間分だけ連続した時間における温度の変化を用いて、所定の制御情報に基づいて空調機器の運転を実行する実行時間が算出される。したがって、ユーザが長時間第1の領域で過ごしていたとしても、移動直前の規定時間分だけ連続した時間における状態を、所定の制御情報に基づいて空調機器の運転を実行する実行時間へ反映させるので、ユーザにとってより快適な空調を実現することができる。
また、上記のコントロール装置において、前記実行時間算出手段は、前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間が前記規定時間を越えた場合、前記温度データ記録手段に記録されている前記温度の時間的変化のうち最高温度又は最低温度を記録する時点を検出し、前記最高温度又は最低温度を記録した時点を含む前記規定時間分の連続した時間に基づき前記実行時間を算出することが好ましい。
この構成によれば、ユーザが第1の領域に存在した時間のうち、最高温度又は最低温度を記録した時点を含む規定時間における温度の変化を用いて、所定の制御情報に基づいて空調機器の運転を実行する実行時間が算出される。したがって、ユーザが長時間第1の領域で過ごしていたとしても、ユーザが第2の領域への移動前に最も悪条件の環境に存在した時点を含む規定時間分だけ連続した時間における状態を、所定の制御情報に基づいて空調機器の運転を実行する実行時間へ反映させるので、ユーザにとってより快適な空調を実現することができる。
また、上記のコントロール装置において、前記受信手段は、前記第1の領域から前記第2の領域にユーザが移動するまでに存在した第3の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、第3の領域における温度データとを受信し、前記測定手段は、前記受信手段によって受信された前記ユーザ情報に基づいて前記第3の領域にユーザが存在した時間を測定し、前記温度データ記録手段は、前記測定手段によって測定された前記第3の領域にユーザが存在した時間を記録するとともに、前記受信手段によって受信された前記温度データを前記測定手段によって測定された時間に関連付けて前記第3の領域における温度の時間的変化として記録し、前記実行時間算出手段は、前記温度データ記録手段に記録された前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間と、前記第1の領域での温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とに加え、前記第3の領域に前記ユーザが存在した時間と、前記第3の領域での温度の時間的変化とを用いて、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器の制御運転を実行する実行時間を算出することが好ましい。
この構成によれば、第1の領域から第2の領域にユーザが移動するまでに存在した第3の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、第3の領域における温度データとが受信され、受信されたユーザ情報に基づいて第3の領域にユーザが存在した時間が測定される。そして、測定された第3の領域にユーザが存在した時間が記録されるとともに、受信された温度データが測定された時間に関連付けて第3の領域における温度の時間的変化として温度データ記録手段に記録される。温度データ記録手段に記録されたユーザが第1の領域に存在した時間と、第1の領域での温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とに加え、第3の領域にユーザが存在した時間と、第3の領域での温度の時間的変化とを用いて、制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて空調機器の制御運転を実行する実行時間が算出される。
したがって、所定の制御情報に基づいた空調機器の運転をより適した時間分だけ実行することが可能となり、自然な温度差を利用した効率的かつユーザに快適さを十分与えることのできる運転が可能となる。
また、上記のコントロール装置において、前記設定内容は、室温設定温度、設定風量及び吹き出し設定温度のうちの少なくとも1つを含み、前記実行時間算出手段は、前記温度データ記録手段に記録された前記第1の領域と前記第3の領域とにおける温度差を前記温度の時間的変化から算出し、算出した前記温度差に基づき前記空調機器における室温設定温度、設定風量及び吹き出し設定温度のうちの少なくとも1つを変更させる変更量を算出し、前記制御情報記憶手段に記憶されている前記制御情報を前記変更量に変更することが好ましい。
この構成によれば、制御情報記憶手段に記憶されている制御情報の設定内容を変更する変更量が第1の領域と第3の領域との温度差に基づいて算出されるので、空調機器の室温設定温度をユーザが第2の領域に移動する寸前に存在した第3の領域での環境に応じて変化させることができ、ユーザが段階的に体感した環境を精度高く把握することできめ細かな空調運転を実行することができる。
また、上記のコントロール装置において、前記実行時間算出手段は、前記第1の領域と前記第3の領域とにおける温度差が所定の値よりも小さい場合、前記第1の領域と前記第3の領域とを1つの領域と見なし、前記ユーザが前記第1の領域と前記第3の領域とに存在した間における温度の時間的変化に基づいて前記実行時間を算出することが好ましい。
この構成によれば、第1の領域と第3の領域とにおける温度差が所定の値よりも小さい場合、第1の領域と第3の領域とを1つの領域と見なすことができ、ユーザが第2の領域に移動する前に存在した複数の環境に大きな差が見られない場合を考慮することができ、よりユーザの状態を反映させた空調制御が可能となる。
また、上記のコントロール装置において、前記実行時間算出手段は、算出した前記変更量が所定の範囲を超えた場合、前記空調機器における室温設定温度、設定風量及び吹き出し設定温度のうちの少なくとも1つを補正することが好ましい。
この構成によれば、第2の領域において所定の制御情報に基づいた空調機器の運転を実行する際、所定の制御情報に基づいた空調機器の運転制御に制限を設けて第2の領域に移動する前との環境変化が大きくなりすぎないよう空調機器の設定内容を補正することができ、ユーザに対し、第2の領域に移動する直前の領域から第2の領域へ移動する際の急激な温熱変化を与えることがなくなり、より快適な空調運転を実現することができる。
また、本発明に係るコントロール装置は、浴室におけるユーザの状態と浴槽におけるユーザの状態とを示すユーザ情報と、前記浴室における温度データと前記浴槽における温度データとを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記ユーザ情報に基づいて、前記浴室に前記ユーザが存在する時間と前記浴槽に前記ユーザが存在する時間とを測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された前記浴室にユーザが存在した時間と前記浴槽に前記ユーザが存在した時間とを記録するとともに、前記受信手段によって受信された前記浴室における前記温度データを前記測定手段によって測定された時間に関連付けて前記浴室における温度の時間的変化として記録するとともに、前記受信手段によって受信された前記浴槽における前記温度データを前記測定手段によって測定された時間と関連付けて前記浴槽における温度の時間的変化として記録する温度データ記録手段と、前記浴室とは異なる場所に設けられた空調機器の設定内容を変更させる制御情報を記憶する制御情報記憶手段と、前記温度データ記録手段に記録された前記浴室に前記ユーザが存在した時間と、前記浴槽に前記ユーザが存在した時間と、前記浴室における前記温度の時間的変化と、前記浴槽における前記温度の時間的変化と、前記浴槽内の水が人体に与える影響を数値化した予め定められた係数と、所定の温度である基準温度とを用いて、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器の制御運転を実行する実行時間を算出する実行時間算出手段と、前記実行時間算出手段によって算出された前記実行時間の間、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器を運転するための運転データを生成する運転データ生成手段とを備える。
この構成によれば、浴室におけるユーザの状態と浴槽におけるユーザの状態とを示すユーザ情報と、浴室における温度データと浴槽における温度データとが受信され、受信されたユーザ情報に基づいて、浴室にユーザが存在する時間と浴槽にユーザが存在する時間とが測定される。測定された浴室にユーザが存在した時間と浴槽にユーザが存在した時間とが記録されるとともに、受信された浴室における温度データが測定された時間に関連付けて浴室における温度の時間的変化として記録するとともに、受信された浴槽における温度データが測定された時間と関連付けて浴槽における温度の時間的変化として温度データ記録手段に記録される。制御情報記憶手段には、浴室とは異なる場所に設けられた空調機器の設定内容を変更させる制御情報が記憶されている。そして、温度データ記録手段に記録された浴室にユーザが存在した時間と、浴槽にユーザが存在した時間と、浴室における温度の時間的変化と、浴槽における温度の時間的変化と、浴槽内の水が人体に与える影響を数値化した予め定められた係数と、所定の温度である基準温度とを用いて、制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて空調機器の制御運転を実行する実行時間が算出される。その後、算出された実行時間の間、制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて空調機器を運転するための運転データが生成される。
したがって、ユーザが空調機器の配置された場所に移動する前の環境について、ユーザが空気中だけでなく水(湯)中に存在していたことを空調機器の所定の制御情報に基づいた実行時間を算出する際に考慮することができ、空気だけでなく湯も共存する特殊な環境である浴室のような空間に特化したシステムを実現することができ、ユーザに対し、より快適な空調運転を実現することができる。
また、上記のコントロール装置において、前記実行時間算出手段は、前記温度データ記録手段によって記録された前記浴槽における前記温度の時間的変化を予め定められた閾値と比較した結果に基づいて前記空調機器の制御運転を実行する実行時間を算出することが好ましい。
この構成によれば、ユーザが入浴中にどのような水温でどれくらい浸かったかによりユーザの状態を判定し、判定結果を空調機器の所定の制御情報に基づいた実行時間に反映させるので、ユーザの毎回変動する入浴の仕方に忠実な空調運転を実現することができ、風呂上がりのユーザに対して快適な空調運転を行うことができる。さらに、ユーザの入浴の仕方に忠実な空調であるため、行き過ぎた空調をすることがなくなり、適切な設定内容で空調機器を制御することができる。
また、本発明に係るコントロールシステムは、第1の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、前記第1の領域における温度データを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記ユーザ情報に基づいて前記第1の領域にユーザが存在した時間を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された前記第1の領域にユーザが存在した時間を記録するとともに、前記受信手段によって受信された前記温度データを前記測定手段によって測定された時間に関連付けて前記第1の領域における温度の時間的変化として記録する温度データ記録手段と、前記第1の領域とは異なる第2の領域に設けられた空調機器の設定内容を変更させる制御情報を記憶する制御情報記憶手段と、前記温度データ記録手段に記録された前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間と、前記温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とを用いて、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器の制御運転を実行する実行時間を算出する実行時間算出手段と、前記実行時間算出手段によって算出された前記実行時間の間、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器を運転するための運転データを生成する運転データ生成手段と、前記運転データ生成手段によって生成された運転データを前記空調機器へ送信する運転データ送信手段とを備えるコントロール装置と、前記第1の領域における前記ユーザの状態を検知し、前記ユーザの状態を示すユーザ情報を前記コントロール装置へ送信する状態検知手段と、前記第1の領域の温度を検知し、前記第1の領域における温度データを前記コントロール装置へ送信する温度検知手段と、前記コントロール装置によって送信された前記運転データを受信する運転データ受信手段と、前記運転データ受信手段によって受信された運転データに従って運転を実行する運転実行手段とを備える空調機器とを備える。
この構成によれば、コントロール装置において、第1の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、第1の領域における温度データとが受信され、受信されたユーザ情報に基づいて第1の領域にユーザが存在した時間が測定される。第1の領域にユーザが存在した時間が記録されるとともに、受信された温度データが測定された時間に関連付けて第1の領域における温度の時間的変化として温度データ記録手段に記録される。制御情報記憶手段には、第1の領域とは異なる第2の領域に設けられた空調機器の設定内容を変更させる制御情報が記憶されている。温度データ記録手段に記録されたユーザが第1の領域に存在した時間と、温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とを用いて、制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて空調機器の制御運転を実行する実行時間が算出される。そして、算出された実行時間の間、制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて空調機器を運転するための運転データが生成され、生成された運転データが空調機器へ送信される。また、状態検知手段において、第1の領域におけるユーザの状態が検知され、ユーザの状態を示すユーザ情報がコントロール装置へ送信される。さらに、温度検知手段によって、第1の領域の温度が検知され、第1の領域における温度データがコントロール装置へ送信される。さらにまた、空調機器において、コントロール装置によって送信された運転データが受信され、受信された運転データに従って運転が実行される。
したがって、ユーザが第1の領域に存在した時間と第1の領域の温度とを用いて第2の領域に配置された空調機器の制御運転を制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて実行する実行時間が算出されるので、空調機器が配置された部屋への入室前におけるユーザの環境を時間と温度とにより推定し、推定結果を空調機器の制御に反映させることができ、より快適な空間をユーザに提供することができる。
また、上記のコントロールシステムにおいて、前記受信手段は、前記第1の領域から前記第2の領域にユーザが移動するまでに存在した第3の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、第3の領域における温度データを受信し、前記測定手段は、前記受信手段によって受信された前記ユーザ情報に基づいて前記第3の領域にユーザが存在した時間を測定し、前記温度データ記録手段は、前記測定手段によって測定された前記第3の領域にユーザが存在した時間を記録するとともに、前記受信手段によって受信された前記温度データを前記測定手段によって測定された時間に関連付けて前記第3の領域における温度の時間的変化として記録し、前記実行時間算出手段は、前記温度データ記録手段に記録された前記ユーザが前記第1の領域に存在した時間と、前記第1の領域での温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とに加え、前記第3の領域に前記ユーザが存在した時間と、前記第3の領域での温度の時間的変化とを用いて、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器の制御運転を実行する実行時間を算出し、前記第3の領域における前記ユーザの状態を検知し、前記ユーザの状態を示すユーザ情報を前記コントロール装置へ送信する状態検知手段と、前記第3の領域の温度を検知し、前記第3の領域における温度データを前記コントロール装置へ送信する温度検知手段とをさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、コントロール装置において、1の領域から第2の領域にユーザが移動するまでに存在した第3の領域におけるユーザの状態を示すユーザ情報と、第3の領域における温度データとが受信され、受信されたユーザ情報に基づいて第3の領域にユーザが存在した時間が測定される。そして、測定された第3の領域にユーザが存在した時間が記録されるとともに、受信された温度データが測定された時間に関連付けて第3の領域における温度の時間的変化として温度データ記録手段に記録される。温度データ記録手段に記録されたユーザが第1の領域に存在した時間と、第1の領域での温度の時間的変化と、所定の温度である基準温度とに加え、第3の領域にユーザが存在した時間と、第3の領域での温度の時間的変化とを用いて、制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて空調機器の制御運転を実行する実行時間が算出される。また、状態検知手段において、第3の領域におけるユーザの状態が検知され、ユーザの状態を示すユーザ情報がコントロール装置へ送信される。さらに、温度検知手段において、第3の領域の温度が検知され、第3の領域における温度データがコントロール装置へ送信される。
したがって、所定の制御情報に基づいた空調機器の運転をより適した時間分だけ実行することが可能となり、自然な温度差を利用した効率的かつユーザに快適さを十分与えることのできる運転が可能となる。
また、本発明に係るコントロールシステムは、浴室におけるユーザの状態と浴槽におけるユーザの状態とを示すユーザ情報と、前記浴室における温度データと前記浴槽における温度データとを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記ユーザ情報に基づいて、前記浴室に前記ユーザが存在する時間と前記浴槽に前記ユーザが存在する時間とを測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された前記浴室にユーザが存在した時間と前記浴槽に前記ユーザが存在した時間とを記録するとともに、前記受信手段によって受信された前記浴室における前記温度データを前記測定手段によって測定された時間に関連付けて前記浴室における温度の時間的変化として記憶するとともに、前記受信手段によって受信された前記浴槽における前記温度データを前記測定手段によって測定された時間と関連付けて前記浴槽における温度の時間的変化として記録する温度データ記録手段と、前記浴室とは異なる場所に設けられた空調機器の設定内容を変更させる制御情報を記憶する制御情報記憶手段と、前記温度データ記録手段に記録された前記浴室に前記ユーザが存在した時間と、前記浴槽に前記ユーザが存在した時間と、前記浴室における前記温度の時間的変化と、前記浴槽における前記温度の時間的変化と、前記浴槽内の水が人体に与える影響を数値化した予め定められた係数と、所定の温度である基準温度とを用いて、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器の制御運転を実行する実行時間を算出する実行時間算出手段と、前記実行時間算出手段によって算出された前記実行時間の間、前記制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて前記空調機器を運転するための運転データを生成する運転データ生成手段と、前記運転データ生成手段によって生成された運転データを前記空調機器へ送信する運転データ送信手段とを備えたコントロール装置と、前記浴室における前記ユーザの状態を検知し、前記ユーザの状態を示すユーザ情報を前記コントロール装置へ送信する浴室状態検知手段と、前記浴槽における前記ユーザの状態を検知し、前記ユーザの状態を示すユーザ情報を前記コントロール装置へ送信する浴槽状態検知手段と、前記浴室における温度を検知し、前記浴室における温度データを前記コントロール装置へ送信する浴室温度検知手段と、前記浴槽における温度を検知し、前記浴槽における温度データを前記コントロール装置へ送信する浴槽温度検知手段と、前記コントロール装置によって送信された前記運転データを受信する運転データ受信手段と、前記運転データ受信手段によって受信された運転データに従って運転を実行する運転実行手段とを備える空調機器とを備える。
この構成によれば、浴室におけるユーザの状態と浴槽におけるユーザの状態とを示すユーザ情報と、浴室における温度データと浴槽における温度データとが受信され、受信されたユーザ情報に基づいて、浴室にユーザが存在する時間と浴槽にユーザが存在する時間とが測定される。測定された浴室にユーザが存在した時間と浴槽にユーザが存在した時間とが記録されるとともに、受信された浴室における温度データが測定された時間に関連付けて浴室における温度の時間的変化として記録されるとともに、受信された浴槽における温度データが測定された時間と関連付けて浴槽における温度の時間的変化として温度データ記録手段に記録される。制御情報記憶手段には、浴室とは異なる場所に設けられた空調機器の設定内容を変更させる制御情報が記憶されている。そして、温度データ記録手段に記録された浴室にユーザが存在した時間と、浴槽にユーザが存在した時間と、浴室における温度の時間的変化と、浴槽における温度の時間的変化と、浴槽内の水が人体に与える影響を数値化した予め定められた係数と、所定の温度である基準温度とを用いて、制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて空調機器の制御運転を実行する実行時間が算出される。その後、算出された実行時間の間、制御情報記憶手段に記憶されている制御情報に基づいて空調機器を運転するための運転データが生成され、生成された運転データが空調機器へ送信される。また、浴室状態検知手段において、浴室におけるユーザの状態が検知され、ユーザの状態を示すユーザ情報がコントロール装置へ送信される。さらに、浴槽状態検知手段において、浴槽におけるユーザの状態が検知され、ユーザの状態を示すユーザ情報がコントロール装置へ送信される。また、浴室温度検知手段において、浴室における温度が検知され、浴室における温度データがコントロール装置へ送信される。さらに、浴槽温度検知手段において、浴槽における温度が検知され、浴槽における温度データがコントロール装置へ送信される。さらにまた、空調機器において、コントロール装置によって送信された運転データが受信され、受信された運転データに従って運転が実行される。
したがって、ユーザが空調機器の配置された場所に移動する前の環境について、ユーザが空気中だけでなく水(湯)中に存在していたことを空調機器の所定の制御情報に基づいた実行時間を算出する際に考慮することができ、空気だけでなく湯も共存する特殊な環境である浴室のような空間に特化したシステムを実現することができ、ユーザに対し、より快適な空調運転を実現することができる。