JP2021076345A - 機器制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザの実際の温冷感と機器制御装置が推測する温冷感との誤差を抑制可能な機器制御装置を提供する。【解決手段】ユーザの温冷感に関する快適性を調整する機能を有する快適性調整機器50の作動を制御する機器制御装置は、ユーザが食事中の状態および食事後の状態のいずれかの状態を示す食事摂取状態であるか否かを判定する食事判定装置11と、食事判定装置11の判定結果を用いて、ユーザの温冷感を推測する温冷感推測部22と、温冷感推測部22が推測した温冷感に基づいて、快適性調整機器50の作動内容を決定し、決定した前記作動内容を快適性調整機器50に出力する温冷感制御設定部23とを備える。【選択図】図1
Description
本開示は、快適性調整機器の作動を制御する機器制御装置に関する。
従来、冷暖房機器の作動を制御する機器制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の機器制御装置は、活動量計、歩数計、携帯電話端末などの端末装置に設けられた加速度センサによって測定したユーザの代謝量に基づいてユーザの温冷感を推測するとともに、推測した温冷感を冷暖房機器の制御に反映させる。
ところで、ユーザの代謝量は、基礎代謝および活動代謝に加えて、ユーザが食事を摂取することによって発生する食事誘発性熱産生で定まる。食事誘発性熱産生は、ユーザが摂取した食べ物の消化に消費されるエネルギである。また、食事誘発性熱産生の発生は、ユーザの体温を上昇させることで、ユーザの温冷感を変化させる。以下、食事誘発性熱産生をDIT(Diet Induced Thermogenesis)とも呼ぶ。
このため、ユーザの温冷感を調整する機能を有する快適性調整機器の作動を制御する機器制御装置は、DITの発生を反映せずに温冷感を推測すると、ユーザの実際の温冷感と推測した温冷感との間に誤差が生じる虞がある。
しかしながら、特許文献1に記載の機器制御装置は、ユーザの代謝量を加速度センサによって測定しているため、活動代謝の測定ができても、DITの発生の検出が難しい。このため、特許文献1に記載の機器制御装置は、DITの発生時にユーザの温冷感を推測する場合、ユーザの実際の温冷感と推測した温冷感との誤差を抑制することが難しい。
本開示は、ユーザの実際の温冷感と機器制御装置が推測する温冷感との誤差を抑制可能な機器制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
ユーザの温冷感に関する快適性を調整する機能を有する快適性調整機器(50)の作動を制御する機器制御装置であって、
ユーザが食事中の状態および食事後の状態のいずれかの状態を示す食事摂取状態であるか否かを判定する食事判定装置(11)と、
食事判定装置の判定結果を用いて、ユーザの温冷感を推測する温冷感推測部(22)と
温冷感推測部が推測した温冷感に基づいて、快適性調整機器の作動内容を決定し、決定した作動内容を快適性調整機器に出力する温冷感制御設定部(23)とを備える。
ユーザの温冷感に関する快適性を調整する機能を有する快適性調整機器(50)の作動を制御する機器制御装置であって、
ユーザが食事中の状態および食事後の状態のいずれかの状態を示す食事摂取状態であるか否かを判定する食事判定装置(11)と、
食事判定装置の判定結果を用いて、ユーザの温冷感を推測する温冷感推測部(22)と
温冷感推測部が推測した温冷感に基づいて、快適性調整機器の作動内容を決定し、決定した作動内容を快適性調整機器に出力する温冷感制御設定部(23)とを備える。
これによれば、温冷感推測部は、ユーザが食事摂取状態の際にユーザの温冷感を推測する場合、ユーザが食事摂取状態であると食事判定装置が判定した判定結果を用いて、温冷感を推測することができる。このため、機器制御装置は、ユーザの実際の温冷感と、温冷感推測部が推測した温冷感との誤差を抑制することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態では、本開示の機器制御装置10を、車両に搭載される機器制御システム1に適用した例について説明する。
本実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態では、本開示の機器制御装置10を、車両に搭載される機器制御システム1に適用した例について説明する。
図1に示すように、機器制御システム1は、快適性調整機器50と、快適性調整機器50の作動を制御する機器制御装置10と、環境計測装置60と、代謝推測装置70と、臭いセンサ81と、姿勢センサ82とを備えている。
快適性調整機器50は、機器制御装置10から入力される信号に基づいて、ユーザである乗員の快適性を調整するために動作するものである。本実施形態において、快適性調整機器50は、乗員の温冷感に関する快適性を調整する空調機器51と、対象空間の臭いに関する快適性を調整する脱臭機器52と、着座した乗員の姿勢に関する快適性を調整するシート53とを含んで構成されている。
空調機器51は車内の温度が空調機器51に設定された所望の温度に近づくように、温度調整された空調風を車内に吹き出す空調装置である。空調機器51は、例えば、所望の温度より低い温度の空調風を吹き出す冷房機能およびの所望の温度より高い温度の空調風を吹き出す暖房機能を有する。空調機器51は、図示しないインストルメントパネルの内側に配置されており、インストルメントパネルの表面に、空調機器51の動作を操作するための空調操作パネルが設けられている。また、空調機器51は、インストルメントパネルの表面などに配置された図示しない吹出口から空調風を吹き出すことで、乗員の温冷感に関する快適性を調整可能に構成されている。
ここで、乗員の温冷感の快適性は、車内の温度だけで決まるものではなく、車内の風速、車内の湿度等の車内の環境、乗員の着衣、乗員の代謝量等の様々な要素が絡み合って変化するものである。本実施形態において、乗員の温冷感に関する快適性を示す指数として、国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)の国際規格ISO7730で定義されているPMV(Predicted Mean Vote:推測平均温冷感申告)を用いる。以下、乗員の温冷感に関する快適性をPMVとも呼ぶ。
PMVは、図2に示すように、乗員の体温調節に影響を与える温熱環境要素である車内の風速(気流速度)、車内温度、車内湿度、輻射温度、着衣量および代謝量の6つのパラメータにより規定されるものである。本実施形態において、PMVは、車内の風速、車内の温度、車内の湿度、輻射温度、乗員の着衣量、乗員の代謝量とPMVとを関連付けたFangerの快適性方程式により演算する。
また、PMVは、人間が暖かいと感じるか寒いと感じるかを7段階の評価尺度で数値化したものである。具体的には、PMVは、図3に示すように、人体にとって熱的に中立(人体の熱収支が平衡状態)となる中立点(PMV=0)よりも大きい値となる場合に人が暑いと感じる指数となり、中立点よりも小さい値となる場合に人が寒いと感じる指数となる。また、統計的に、人は、PMVが0の場合、人の95%程度が快適と感じ、−1.0〜1.0の範囲の場合、人の90%程度が快適と感じる。このように、乗員の温冷感に関する快適性は、PMVの値が0に近いほど向上し、PMVの値が0から離れるほど下がる。
本実施形態の空調機器51は、温度調整された空調風を吹き出し、PMVと相関関係を有する風速、車内の温度、車内の湿度、輻射温度を調整することで、乗員の温冷感に関する快適性を調整する。空調機器51は、機器制御装置10に作動を制御されることによって、PMVが0に近づくように動作する。なお、PMVを演算するにあたり、車内の風速、車内の温度、車内の湿度、輻射温度は、環境計測装置60によって検出される。また、乗員の着衣量は、環境計測装置60が検出する車外の温度に基づいて、推測される。また、乗員の代謝量のうち、基礎代謝、活動代謝、DITは、代謝推測装置70により推測される。
環境計測装置60は、例えば、車内の風速を測定する車内風速センサ61と、車内の温度を測定する車内温度センサ62と、車内の湿度を測定する車内湿度センサ63と、車内の輻射温度を測定する輻射温度センサ64とを含んで構成されている。また、環境計測装置60は、車外の温度を測定する車外温度センサ65を含んで構成されている。
車内風速センサ61、車内温度センサ62、車内湿度センサ63、輻射温度センサ64、車外温度センサ65は、機器制御装置10に接続されており、それぞれが検出した情報を機器制御装置10に送信可能に構成されている。
代謝推測装置70は、例えば、基礎代謝を推測する基礎代謝センサ71と、活動代謝を推測する活動代謝センサ72と、DITを推測するDITセンサ73で構成されている。
基礎代謝センサ71は、例えば、車内に取り付けられた図示しない属性検出カメラとシート53に取り付けられた図示しない重量センサとを含んで構成されている。基礎代謝センサ71は、属性検出カメラが撮影する乗員の画像から乗員の年齢、性別を推測するとともに、重量センサによって乗員の体重を測定し、乗員の年齢、性別、体重に基づいて、乗員の基礎代謝を推測する。基礎代謝センサ71は、機器制御装置10に接続されており、推測した乗員の基礎代謝の値を機器制御装置10に送信可能に構成されている。
活動代謝センサ72は、乗員の活動代謝を推測する装置である。活動代謝センサ72は、例えば、活動量計、歩数計、多機能携帯電話など乗員が携帯可能な端末装置や、腕時計、指輪、眼鏡など乗員が身に着けられることが可能な端末装置に設けられた図示しない加速度センサを含んで構成されている。活動代謝センサ72は、加速度センサによって乗員の体の動きを検出することで、乗員の活動に伴う代謝を推測する。活動代謝センサ72は、機器制御装置10に接続されており、推測した乗員の活動代謝の値を機器制御装置10に送信可能に構成されている。
DITセンサ73は、乗員の食事に伴い発生するDITを推測する装置である。DITセンサ73は、乗員の体重の増加量を検出する図示しない体重検出センサと、乗員の体重に基づいてDITの値を推測するDIT演算部とを含んで構成されている。
体重検出センサは、例えば、シート53の内部に配置されており、シート53に乗員が着座した際のシート53にはたらく圧力に基づいて、乗員の体重を測定することが可能に構成されている。体重検出センサは、測定した乗員の体重を記憶するとともに、記憶されている乗員の体重の情報のうち、最後に受信した乗員の体重と、新たに受信した乗員の体重とを比較することで、乗員の体重の増加量を演算可能に構成されている。
また、DIT演算部は、例えば、乗員の食事に伴い発生するDITの値を以下の式(1)のように、乗員が食事を摂取したことによって増加した体重の増加量ΔMに対し、所定の係数αを乗じることにより推測できる。
DIT=ΔM×α (1)
DITは、上記所定の式(1)において、所定の係数αを例えば、0.1として用いることで算出できる。なお、所定の係数αは、0.1に限定されるものでなく、乗員の年齢、性別等によって、適宜変更可能である。
DITは、上記所定の式(1)において、所定の係数αを例えば、0.1として用いることで算出できる。なお、所定の係数αは、0.1に限定されるものでなく、乗員の年齢、性別等によって、適宜変更可能である。
DITセンサ73は、食事判定装置11に接続されており、推測したDITの値を機器制御装置10に送信可能に構成されている。なお、体重検出センサは、基礎代謝センサ71を構成する重量センサと一体に構成されていてもよい。
また、DITセンサ73は、乗員が摂取した食事内容を入力可能であって、乗員が摂取した食事内容からDITの値を推測可能に構成されていてもよい。この場合、DITセンサ73は、例えば、乗員の食事の摂取に伴い発生するDITの値を以下の式(2)のように、食事内容から乗員が摂取できるエネルギEに対し、所定の係数βを乗じることにより推測できる。
DIT=E×β (2)
上記式(2)によってDITの値を算出する場合、DITセンサ73は、予め、各種の食事内容において乗員が摂取するエネルギが定められた食事エネルギマップを記憶している。そして、DITセンサ73は、乗員によって入力された食事内容に基づいて、記憶した食事エネルギマップから、入力された食事内容に対する乗員が摂取するエネルギ情報を抽出し、抽出したエネルギに基づいて、DITの値を推測する。DITは、上記所定の式(2)において、所定の係数βを例えば、0.1として用いることで算出できる。なお、所定の係数βは、0.1に限定されるものでなく、食事の内容によって、適宜変更可能である。
上記式(2)によってDITの値を算出する場合、DITセンサ73は、予め、各種の食事内容において乗員が摂取するエネルギが定められた食事エネルギマップを記憶している。そして、DITセンサ73は、乗員によって入力された食事内容に基づいて、記憶した食事エネルギマップから、入力された食事内容に対する乗員が摂取するエネルギ情報を抽出し、抽出したエネルギに基づいて、DITの値を推測する。DITは、上記所定の式(2)において、所定の係数βを例えば、0.1として用いることで算出できる。なお、所定の係数βは、0.1に限定されるものでなく、食事の内容によって、適宜変更可能である。
続いて、脱臭機器52について説明すると、脱臭機器52は、対象空間に含まれる臭いを脱臭することで、対象空間の臭いに関する快適性を調整可能に構成されている。本実施形態において、対象空間の臭いに関する快適性を示す指数として、環境省の悪臭防止法で定義されている臭気指数を用いる。臭気指数とは、試料の臭気を人間の嗅覚で感知することができなくなるまで希釈した場合における希釈の倍数を求め、当該希釈の倍数の値の対数に10を乗じた値を求めることにより規定されるものである。対象空間の臭いに関する快適性は、臭気指数が大きいほど快適性が下がり、臭気指数が小さいほど快適性が向上する。
脱臭機器52は、対象空間の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を吸い込む前に比較して低い臭気指数にしてから排出することで、対象空間の臭気指数を小さくする。対象空間の臭気指数は、臭いセンサ81によって検出される。
臭いセンサ81は、例えば、半導体を含んで構成される電気回路を有しており、半導体の表面に臭気指数を大きくする要因となる物質が付着する前と当該物質が付着した後との電位差を検出することで臭気指数を検出する。臭いセンサ81は、機器制御装置10に接続されており、検出した対象空間の臭気指数の情報を機器制御装置10に送信可能に構成されている。
続いて、シート53について説明すると、シート53は、乗員の背中を支持する背もたれ部と、乗員の臀部を支持する着座部を有し、背もたれ部の姿勢を変更することで、シート53に着座した乗員の姿勢に関する快適性を調整可能に構成されている。本実施形態において、乗員の姿勢に関する快適性は、シート53の着座部に対する背もたれ部の角度が、食事後の乗員にとって食事の消化に適する角度か否かによって規定されるものである。すなわち、シート53に着座した乗員の姿勢に関する快適性は、着座部に対する背もたれ部の角度によって調整されるものである。
シート53は、所定の角度範囲内において着座部に対する背もたれ部の角度を変更可能に構成されている。背もたれ部の角度は、姿勢センサ82によって検出される。
姿勢センサ82は、例えば、シート53に内蔵されており、着座部に対する背もたれ部の角度を検出可能な回転角度検出センサを含んで構成されている。姿勢センサ82は、機器制御装置10に接続されており、検出した背もたれ部の角度情報を機器制御装置10に送信可能に構成されている。
なお、シート53は、着座した乗員にマッサージを行うマッサージ機構を有し、乗員にマッサージを行うことで、乗員の快適性を調整可能に構成されていてもよい。
機器制御装置10は、環境計測装置60と、代謝推測装置70と、臭いセンサ81と、姿勢センサ82と、乗員が入力する情報とに基づいて、快適性調整機器50の作動を制御する装置である。機器制御装置10は、乗員の食事摂取状態を判定する食事判定装置11と、空調機器51を制御する空調機器制御装置20と、脱臭機器52を制御する脱臭機器制御装置30と、シート53を制御するシート制御装置40とを含んで構成されている。
機器制御装置10は、プロセッサ、メモリ等を含むマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。機器制御装置10は、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種演算処理を行い、出力側に接続された空調機器51、脱臭機器52、シート53のそれぞれの作動を制御可能に構成されている。メモリは、非遷移的実体的記憶媒体である。また、機器制御装置10は、空調機器51の空調操作パネルに設けられた各種操作スイッチから操作が可能に構成されている。
食事判定装置11は、乗員が入力する情報に基づいて、乗員が食事中の状態および食事後の状態のいずれかの状態であるか否かを判定可能に構成されている。以下、乗員の状態が食事中の状態および食事後の状態のいずれかの状態であることを食事摂取状態とも呼ぶ。
具体的に、食事摂取状態とは、乗員が食事を摂取することによって、乗員の代謝量が食事前に比べて上昇している状態であって、乗員の食事に伴い食事誘発性熱産生が発生している状態である。本実施形態における食事とは、人が生存に必要な栄養分を取るために毎日の習慣として食べ物を摂取する朝食、昼食、夕食に限られず、間食や夜食などで食べ物を摂取することや飲み物を摂取すること等、DITが発生する要因となるものを含む。
乗員は、食事の摂取を開始し、食べ物の消化が始まることによってDITが発生する食事摂取状態となり、食事終了後、所定の時間が経過すると食べ物の消化が終了し、DITが発生していない非食事摂取状態となる。非食事摂取状態とは、乗員の食事の摂取に伴う乗員の代謝量の上昇が発生していない状態である。
DITは、図4に示すように、乗員が食事の摂取を開始後、時間が経過するにしたがい増加する。また、DITは、乗員が食事の摂取を終了後、時間が経過するにしたがい減少し、食事の摂取を終了してから2時間程度で、発生しなくなる。すなわち、乗員の代謝は、食事の摂取を終了してから2時間程度で、食事の摂取前の状態に戻る。このため、乗員の温冷感は、乗員が食事の摂取を終了後、2時間程度で非食事摂取状態での温冷感に戻る。
食事判定装置11は、空調操作スイッチを乗員が操作することによって、乗員が食事摂取状態であるという情報を食事判定装置11に入力可能に構成されている。食事判定装置11は、乗員が空調操作スイッチを操作するによって、乗員が食事摂取状態であるという情報が食事判定装置11に入力されると、乗員が食事摂取状態であると判定する。食事判定装置11は、空調機器制御装置20と、脱臭機器制御装置30と、シート制御装置40とに接続されており、食事判定装置11が判定した結果を空調機器制御装置20と、脱臭機器制御装置30と、シート制御装置40とに出力可能に構成されている。
なお、食事判定装置11は、乗員が食事摂取状態であるという情報を乗員の音声によって食事判定装置11に入力するための音声センサが設けられていてもよい。この場合、食事判定装置11は、例えば、乗員が発生する「食事を摂取しました」という音声が食事判定装置11に入力されることによって、乗員が食事摂取状態であることを検出可能に構成されていてもよい。
なお、食事判定装置11は、空調操作スイッチを乗員が操作することによって、乗員の基礎代謝の値と、活動代謝の値と、DITの値とを入力可能に構成されていてもよい。この場合、食事判定装置11は、乗員が食事摂取状態であると判定した結果と合わせて、乗員の基礎代謝の値と、活動代謝の値と、DITの値とを空調機器制御装置20に出力する。
続いて、空調機器制御装置20について説明すると、空調機器制御装置20は、空調機器制御装置20が取得した各種情報に基づいて、空調機器51の作動内容を決定し、決定した作動内容の情報を空調機器51に出力するものである。空調機器制御装置20は、環境計測装置60と、代謝推測装置70と、食事判定装置11とから送信される情報が入力される温冷感入力部21と、温冷感入力部21に入力された情報に基づいて乗員の温冷感を推測する温冷感推測部22とを有する。また、空調機器制御装置20は、予め、温冷感に対応付けられた空調機器51の作動内容を記憶するとともに、温冷感推測部22が推測した温冷感に基づいて、空調機器51の作動内容を決定する温冷感制御設定部23を有する。
温冷感入力部21は、有線または無線によって、環境計測装置60および代謝推測装置70が接続されている。温冷感入力部21は、環境計測装置60を構成する各種センサ61〜65が検出した各種情報を受信する。また、温冷感入力部21は、代謝推測装置70を構成する各種センサ71〜73が推測した基礎代謝の値、活動代謝の値、DITの値を受信する。また、温冷感入力部21は、食事判定装置11が判定した乗員の食事摂取状態の情報を受信する。なお、本実施形態の温冷感入力部21は、代謝入力部に相当する。
温冷感入力部21は、温冷感推測部22に接続されており、環境計測装置60と、代謝推測装置70と、食事判定装置11とから受信した各種情報を温冷感推測部22に出力する。
温冷感推測部22は、温冷感入力部21から受信した各種情報に基づいて、PMVを演算する。温冷感推測部22は、PMVを演算する際に、車内の風速、車内の温度、車内の湿度、輻射温度について、環境計測装置60の検出情報を用い、基礎代謝、活動代謝、DITについて、代謝推測装置70の検出情報を用いる。また、温冷感推測部22は、PMVを演算する際に、乗員の着衣量について、車外の温度に応じて予め用意した固定値を用いる。例えば、着衣量は、車外の温度Tが0℃≦C<10の場合に1.0[clo]、10℃≦C<20の場合に0.8[clo]、20℃≦C<30の場合に0.6[clo]、30℃≦C<40の場合に0.4[clo]とする。
また、温冷感推測部22は、演算したPMVに基づいて、乗員の温冷感を推測する。例えば、温冷感推測部22は、演算したPMVが「+3」の場合、乗員の温冷感を「非常に暑い」と推測する。また、温冷感推測部22は、演算したPMVが「−1」の場合、乗員の温冷感を「やや寒い」と推測する。温冷感推測部22は、温冷感制御設定部23に接続されており、推測した乗員の温冷感を温冷感制御設定部23に出力する。
温冷感制御設定部23は、予め、温冷感に対応付けられた空調機器51の作動内容を記憶しており、温冷感推測部22が推測した乗員の温冷感に基づいて、空調機器51の作動内容を決定する。本実施形態において、温冷感制御設定部23には、温冷感に対応付けられた空調機器51の作動内容として、吹出口から吹き出す空調風の設定温度が記憶されている。
温冷感制御設定部23には、例えば、空調機器51が冷房で動作している際の乗員の温冷感が「非常に暑い」場合、「非常に暑い」に対応する作動内容として空調風の設定温度を「12℃」とすることが記憶されている。また、温冷感制御設定部23には、空調機器51が冷房で動作している際の乗員の温冷感が「やや暑い」場合、「やや暑い」に対応する作動内容として空調風の設定温度を「18℃」とすることが記憶されている。
また、温冷感制御設定部23には、空調機器51が暖房で動作している際の乗員の温冷感が「やや寒い」場合、「やや寒い」に対応する作動内容として空調風の設定温度を「26℃」とすることが記憶されている。また、温冷感制御設定部23には、空調機器51が暖房で動作している際の乗員の温冷感が「非常に寒い」場合、「非常に寒い」に対応する作動内容として空調風の設定温度を「35℃」とすることが記憶されている。
温冷感制御設定部23は、温冷感に対応付けられた空調風の設定温度の中から、温冷感推測部22から受信した乗員の温冷感に対応する空調風の設定温度を抽出し、空調風の設定温度を決定する。また、温冷感制御設定部23は、決定した空調風の設定温度の情報を空調機器51に出力する。
なお、温冷感制御設定部23に記憶されるそれぞれの温冷感に対応付けられた空調風の設定温度は、上述した値に限られず、適宜変更可能である。また、温冷感制御設定部23には、温冷感に対応付けられた空調機器51の作動内容として、空調風の設定温度と合わせて、空調機器51が吹き出す空調風の向きや空調風の風量が記憶されていてもよい。
続いて、脱臭機器制御装置30について説明すると、脱臭機器制御装置30は、臭いセンサ81が検出した臭気指数に基づいて、脱臭機器52の作動内容を決定し、決定した作動内容を脱臭機器52に出力するものである。脱臭機器制御装置30は、臭いセンサ81から送信される臭気指数を受信する臭気入力部31と、臭気入力部31に入力された情報に基づいて、脱臭機器52の作動内容を決定する臭気制御設定部32とを有する。
臭気入力部31は、有線または無線によって、臭いセンサ81に接続されており、臭いセンサ81が検出した臭気指数の情報を受信する。また、臭気入力部31は、臭気制御設定部32に接続されており、臭いセンサ81から受信した臭気指数を臭気制御設定部32に出力する。
臭気制御設定部32は、予め、対象空間の臭気指数に対して、脱臭機器52の動作の必要性を判定するための閾値を記憶しており、臭気入力部31から受信した臭気指数に基づいて、脱臭機器52を動作させるか否かを判定する。本実施形態において、臭気指数の閾値は、例えば、対象空間に存在する人が不快と感じる値であって、臭気制御設定部32に「10」で設定されている。なお、脱臭機器52の動作の必要性を判定するための閾値は、対象空間に存在する人が不快と感じる臭気指数であれば、「10」より小さい値や、「10」より大きい値で設定されてもよい。
臭気制御設定部32は、臭気入力部31から受信した臭気指数に基づいて、脱臭機器52を動作させるか否かを判定し、判定した結果を脱臭機器52に出力する。
続いて、シート制御装置40について説明すると、シート制御装置40は、姿勢センサ82が検出した背もたれ部の角度情報に基づいて、シート53の作動内容を決定し、決定した作動内容をシート53に出力するものである。シート制御装置40は、姿勢センサ82から送信される背もたれ部の角度情報を受信する姿勢入力部41と、姿勢入力部41に入力された角度情報に基づいて、シート53の作動内容を決定する姿勢制御設定部42とを有する。
姿勢入力部41は、有線または無線によって、姿勢センサ82に接続されており、姿勢センサ82が検出した背もたれ部の角度情報を受信する。また、姿勢入力部41は、姿勢制御設定部42に接続されており、姿勢センサ82から受信した背もたれ部の角度情報を姿勢制御設定部42に出力する。
姿勢制御設定部42は、予め、背もたれ部の角度に対して、シート53の動作の必要性を判定するための判定角度範囲を記憶しており、姿勢入力部41から受信した背もたれ部の角度情報に基づいて、シート53を動作させるか否かを判定する。判定角度範囲は、例えば、乗員が摂取した食事を消化するために、乗員の腹部が圧迫されない背もたれ部の角度であって、所定の角度範囲で設定される。本実施形態において、判定角度θは、110°≦θ≦130°で設定されている。
なお、判定角度範囲は、食事を摂取後の乗員が食事の消化をし易いように定められる角度である。また、判定角度範囲は、乗員が食事の消化をし易い範囲であれば、110°より小さい角度を含んでもよく、また、130°より大きい角度を含んでもよい。
姿勢制御設定部42は、姿勢入力部41から受信した角度情報に基づいて、シート53を動作させるか否かを判定し、判定した結果をシート53に出力する。
続いて、機器制御装置10が実行する制御処理の一例を図5に示すフローチャートを参照して説明する。機器制御装置10は、車両のエンジンキースイッチがオンされると図5に示す制御処理を周期的に実行される。
図5に示すように、最初に、ステップS10にて、機器制御装置10は、食事判定装置11が乗員の状態が食事摂取状態か否かを判定する。具体的に、食事判定装置11は、運転手が食事摂取状態であるという情報が食事判定装置11に入力されたか否かを判定する。
運転手が食事摂取状態であるという情報が食事判定装置11に入力されていない場合、機器制御装置10は、以降の各ステップをスキップして本処理を抜ける。一方、運転手が食事摂取状態であるという情報が食事判定装置11に入力された場合、機器制御装置10は、食事判定装置11が運転手の状態が食事摂取状態であると判定する。また、機器制御装置10は、判定結果を空調機器制御装置20と、脱臭機器制御装置30と、シート制御装置40とに出力する。
空調機器制御装置20が機器制御装置10からステップS10の判定結果を受信した際の空調機器制御装置20の作動について説明する。機器制御装置10は、空調機器制御装置20が食事判定装置11から運転手が食事摂取状態であるという情報を受信すると、ステップS11にて、空調機器51が動作中か否かを判定する。ステップS11の判定処理の結果、空調機器51が動作していないと判定された場合、機器制御装置10は、以降の各ステップをスキップして本処理を抜ける。
一方、ステップS11の判定処理の結果、空調機器51が動作していると判定された場合、ステップS12にて、機器制御装置10は、温冷感推測部22が、各種装置から取得した各種情報に基づいて、PMVを演算する。具体的に、温冷感推測部22は、環境計測装置60が検出する車内の風速、車内の温度、車内の湿度、輻射温度、車外の温度と、代謝推測装置70が推測する基礎代謝、活動代謝、DITとに基づいて、PMVを演算する。また、空調機器制御装置20は、温冷感推測部22が演算したPMVに基づいて、運転手の温冷感を推測する。
そして、ステップS13にて、機器制御装置10は、温冷感推測部22が推測した温冷感に基づいて温冷感制御設定部23が空調風の設定温度を決定し、決定した空調風の設定温度の情報を空調機器51に出力する。例えば、機器制御装置10は、空調機器51が冷房で動作している場合に温冷感推測部22が運転手の温冷感を「非常に暑い」と推測すると、温冷感制御設定部23が空調風の設定温度を「12℃」と決定し、決定した設定温度の情報を空調機器51に出力する。また、機器制御装置10は、空調機器51が暖房で動作している場合に温冷感推測部22が運転手の温冷感を「非常に寒い」と推測すると、温冷感制御設定部23が空調風の設定温度を「35℃」と決定し、決定した設定温度の情報を空調機器51に出力する。
空調機器51は、機器制御装置10から設定温度の情報を受信すると、受信した設定温度の空調風を車内に吹き出すことで、PMVが「0」に近づくように乗員の温冷感に関する快適性を調整する。機器制御装置10は、運転手の温冷感が「中立」に近づくように、空調機器51から吹き出す空調風の設定温度を制御する。
続いて、機器制御装置10は、ステップS14にて、温冷感制御設定部23から送信した設定温度で空調機器51が動作を開始してから所定時間T1が経過しているか否かを判定する。ステップS14の判定処理の結果、温冷感制御設定部23から送信した設定温度で空調機器51が動作を開始してから所定時間T1が経過していないと判定された場合、機器制御装置10は、空調機器51が吹き出す空調風の設定温度を維持させる。
ここで、所定時間T1とは、予め、機器制御装置10に設定される時間であって、運転手が食事摂取状態になってから非食事摂取状態に戻るまでに必要な時間として推測される時間で設定される。すなわち、所定時間T1は、運転手の代謝が基礎代謝と、活動代謝と、DITによって定まる状態から、DITの発生がなくなり、運転手の代謝が基礎代謝および活動代謝によって定まる状態になるまでに必要な時間として推測される時間で設定される。本実施形態において、所定時間T1は、機器制御装置10に2時間で設定されている。なお、所定時間T1は、2時間に限定されるものでなく、運転手が食事を摂取することによって発生したDITの発生がなくなると推測できる時間であれば、2時間より短い時間や2時間より長い時間で設定されてもよい。
ステップS14の判定処理の結果、温冷感制御設定部23から送信した設定温度で空調機器51が動作を開始してから所定時間T1が経過したと判定された場合、ステップS15にて、機器制御装置10は、温冷感推測部22が再度、PMVを演算する。ここで、温冷感推測部22は、PMVを演算する際、DITセンサ73が推測したDITの値を用いずにPMVを演算する。
具体的に、温冷感推測部22は、環境計測装置60が検出する車内の風速、車内の温度、車内の湿度、輻射温度、車外の温度と、代謝推測装置70が推測する基礎代謝、活動代謝とに基づいて、PMVを演算する。また、温冷感推測部22は、演算したPMVに基づいて、運転手の温冷感を再度、推測する。
そして、ステップS16にて、機器制御装置10は、温冷感推測部22が再度推測した温冷感に基づいて空調風の設定温度を決定し、決定した空調風の設定温度の情報を空調機器51に出力する。そして、空調機器51は、機器制御装置10から設定温度の情報を受信すると、受信した設定温度の空調風を車内に吹き出す。
続いて、脱臭機器制御装置30が機器制御装置10からステップS10の判定結果を受信した際の脱臭機器制御装置30の作動について説明する。機器制御装置10は、脱臭機器制御装置30が食事判定装置11から運転手が食事摂取状態であるという情報を受信すると、ステップS17にて、臭気入力部31が、臭いセンサ81から送信される臭気指数の情報を取得する。そして、ステップS18にて、機器制御装置10は、臭いセンサ81から受信した臭気指数に基づいて、臭気制御設定部32が脱臭機器52を動作させるか否かを判定する。具体的に、臭気制御設定部32は、臭いセンサ81から送信された車内の臭気指数が「10」以上か否かを判定する。
ステップS18の判定処理の結果、車内の臭気指数が「10」未満と判定された場合、機器制御装置10は、以降の各ステップをスキップする。一方、ステップS18の判定処理の結果、車内の臭気指数が「10」以上と判定された場合、機器制御装置10は、臭気制御設定部32が脱臭機器52を動作させる必要があると判定する。そして、ステップS19にて、機器制御装置10は、臭気制御設定部32が脱臭機器52に動作開始信号を出力することで、脱臭機器52の動作を開始させる。
続いて、機器制御装置10は、ステップS20にて、臭気制御設定部32が、再度、車内の臭気指数が「10」以上か否かを判定する。ステップS20の判定処理の結果、車内の臭気指数が「10」以上と判定された場合、機器制御装置10は、脱臭機器52の作動を維持させる。一方、ステップS20の判定処理の結果、車内の臭気指数が「10」より小さいと判定された場合、機器制御装置10は、臭気制御設定部32が脱臭機器52を動作させる必要がないと判定する。そして、ステップS21にて、機器制御装置10は、臭気制御設定部32が脱臭機器52に動作停止信号を出力することで、脱臭機器52の動作を停止させる。
このように、脱臭機器52は、機器制御装置10から送信される動作開始信号および動作停止信号に基づいて動作することで、対象空間の臭気指数が「10」未満になるように対象空間の臭いに関する快適性を調整する。
続いて、シート制御装置40が機器制御装置10からステップS10の判定結果を受信した際のシート53の作動について説明する。機器制御装置10は、シート制御装置40が食事判定装置11からから運転手が食事摂取状態であるという情報を受信すると、ステップS22にて、姿勢入力部41が、姿勢センサ82から送信される背もたれ部の角度の情報を取得する。
そして、ステップS23にて、機器制御装置10は、姿勢センサ82から受信した背もたれ部の角度が所定の角度範囲内であるか否かに基づいて、姿勢制御設定部42がシート53を動作させるか否かを判定する。具体的に、姿勢制御設定部42は、姿勢センサ82から送信された背もたれ部の角度θが110°≦θ≦130°であるか否かを判定する。
ステップS23の判定処理の結果、背もたれ部の角度θが110°≦θ≦130°であると判定された場合、機器制御装置10は、以降の各ステップをスキップする。一方、ステップS23の判定処理の結果、背もたれ部の角度θがθ<110°、または、θ>130°と判定された場合、機器制御装置10は、姿勢制御設定部42がシート53を動作させる必要があると判定する。
そして、姿勢制御設定部42は、シート53を動作させる必要があると判定した場合、ステップS24にて、予め設定される所定のシート角度の情報をシート53に出力する。これにより、姿勢制御設定部42は、背もたれ部の角度が所定のシート角度になるように、シート53を動作させる。
ここで、所定のシート角度は、予め、姿勢制御設定部42に設定される角度であって、判定角度θである110°≦θ≦130°の範囲のうち、例えば、120°で設定される。なお、所定のシート角度は、判定角度θである110°≦θ≦130°の範囲内であれば、120°より小さい角度や120°より大きい角度であってもよい。
このように、シート53は、機器制御装置10から送信される所定のシート角度の情報に基づいて背もたれ部の角度を調整することで、着座した運転手の姿勢に関する快適性を調整する。
以上説明した機器制御装置10によれば、温冷感推測部22は、運転手が食事摂取状態の際に運転手の温冷感を推測する場合、食事判定装置11によって運転手が食事摂取状態であると判定した判定結果を用いて温冷感を推測することができる。このため、機器制御装置10は、運転手の実際の温冷感と、温冷感推測部22が推測した温冷感との誤差を抑制することができる。
また、温冷感推測部22は、運転手によって運転手が食事摂取状態であるという情報が空調機器制御装置20に入力されるので、運転手が食事摂取状態の際に、確実に運転手が食事摂取状態であることを反映して温冷感を推測することができる。
また、温冷感推測部22は、運転手の温冷感を推測する際に、DITセンサ73によって推測されたDITの値を用いて運転手の温冷感を推測することができる。このため、機器制御装置10は、DITの発生の有無だけを反映して温冷感を推測する場合に比較して、運転手の実際の温冷感と、温冷感推測部22が推測した温冷感との誤差を抑制することができる。
また、温冷感推測部22は、運転手の温冷感を推測する際に、基礎代謝センサ71が推測した基礎代謝の値および活動代謝センサ72が推測した活動代謝の値を用いて運転手の温冷感を推測することができる。このため、機器制御装置10は、運転手の代謝のうち、DITの値のみを用いて温冷感を推測する場合に比較して、運転手の実際の温冷感と、温冷感推測部22が推測した温冷感との誤差を抑制することができる。
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、食事判定装置11が、運転手が食事摂取状態であるか否かを判定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、車両がバスなどであって、車両に複数の乗員が乗車する場合、機器制御装置10は、食事判定装置11が複数の乗員のそれぞれの状態について、食事摂取状態であるか否かを判定可能に構成されていてもよい。
上述の第1実施形態では、食事判定装置11が、運転手が食事摂取状態であるか否かを判定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、車両がバスなどであって、車両に複数の乗員が乗車する場合、機器制御装置10は、食事判定装置11が複数の乗員のそれぞれの状態について、食事摂取状態であるか否かを判定可能に構成されていてもよい。
この場合、機器制御装置10は、それぞれの乗員毎の快適性を調整するように快適性調整機器50を制御してもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図6を参照して説明する。本実施形態では第1実施形態と異なる部分について主に説明する。本実施形態において、機器制御システム1は、乗員の現在位置の情報および時刻情報を検出する図示しない位置検出センサ77を含んで構成されている。また、本実施形態の食事判定装置11は、乗員が食事摂取状態であることを推測する食事摂取推測部12を含んで構成されている。
次に、第2実施形態について、図6を参照して説明する。本実施形態では第1実施形態と異なる部分について主に説明する。本実施形態において、機器制御システム1は、乗員の現在位置の情報および時刻情報を検出する図示しない位置検出センサ77を含んで構成されている。また、本実施形態の食事判定装置11は、乗員が食事摂取状態であることを推測する食事摂取推測部12を含んで構成されている。
位置検出センサ77は、例えば、GPS(Global Positioning System)からの位置情報を受信する多機能携帯電話や腕時計で構成されており、時刻毎の乗員の現在位置を検出可能に構成されている。また、位置検出センサ77は、有線または無線によって、食事判定装置11に接続されており、検出した時刻毎の乗員の現在位置の情報を食事判定装置11に送信可能に構成されている。なお、位置検出センサ77は、活動代謝センサ72を構成する多機能携帯や腕時計と一体に構成されていてもよい。
食事判定装置11は、位置検出センサ77から送信される時刻毎の乗員の現在位置の情報と、乗員によって入力された乗員が食事摂取状態であるという情報とを記憶するメモリを有している。また、食事判定装置11は、乗員が食事摂取状態であるという情報が入力された際の乗員の位置情報および時刻情報を紐づけて、当該情報の履歴をメモリに記憶可能に構成されている。
また、食事摂取推測部12は、メモリに記憶された乗員の食事の摂取場所および食事の摂取時間の履歴情報に基づいて、乗員が食事摂取状態であることを推測可能に構成されている。以下、乗員の食事の摂取場所および食事の摂取時間の履歴を食事履歴情報とも呼ぶ。
食事摂取推測部12は、食事履歴情報において、所定場所および所定の時間帯が繰り返し記憶されている場合、当該所定場所および所定の時間帯を、乗員の習慣的な食事摂取場所および習慣的な食事の摂取時刻として推測する。
そして食事判定装置11は、位置検出センサ77から送信された乗員の現在位置の情報および時刻情報が、乗員の習慣的な食事摂取場所の情報および習慣的な食事の摂取時刻と一致する場合、乗員が食事摂取状態であると推測することができる。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の機器制御装置10は、第1実施形態と同様または均等となる構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、このように構成される機器制御装置10は、乗員の操作による乗員の食事摂取状態の情報の入力がなくとも、位置検出センサ77から送信される乗員の現在位置の情報および時刻情報に基づいて、乗員が食事摂取状態であることを推測することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図7を参照して説明する。本実施形態では第1実施形態と異なる部分について主に説明する。図7に示すように、本実施形態において、食事判定装置11は、乗員の食事の摂取に伴い発生するDITの値を推測する代謝推測部13を含んで構成されている。
次に、第3実施形態について、図7を参照して説明する。本実施形態では第1実施形態と異なる部分について主に説明する。図7に示すように、本実施形態において、食事判定装置11は、乗員の食事の摂取に伴い発生するDITの値を推測する代謝推測部13を含んで構成されている。
また、本実施形態のDITセンサ73は、乗員の体重を検出することが可能であっても、乗員の体重に基づいて、DITの値を推測するDIT演算部を含まずに構成されている。また、本実施形態のDITセンサ73は、検出した乗員の体重を食事判定装置11に送信可能に構成されている。
本実施形態の食事判定装置11は、DITセンサ73から送信される乗員の体重を記憶するメモリを有している。また、代謝推測部13は、メモリに記憶されている乗員の体重の情報のうち、最後に受信した乗員の体重と、新たに受信した乗員の体重とを比較することで、乗員の体重の増加量を演算可能に構成されている。また、代謝推測部13は、演算した乗員の体重の増加量に基づいて、上述の式(1)を用いて、乗員の食事の摂取に伴い発生するDITの値を推測可能に構成されている。
本実施形態の食事判定装置11は、乗員によって、乗員が食事摂取状態であるという情報が食事判定装置11に入力されると、代謝推測部13がDITセンサ73から送信される乗員の体重の情報に基づいて、DITの値を推測する。また、食事判定装置11は、代謝推測部13が推測するDITの値を温冷感入力部21を介して、温冷感推測部22に出力可能に構成されている。
温冷感推測部22は、環境計測装置60が検出する各種情報と、環境計測装置60が推測する基礎代謝の値および活動代謝の値と、代謝推測部13が推測したDITの値とを用い、PMVを演算する。また、温冷感推測部22は、演算したPMVに基づいて、乗員の温冷感を推測する。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の機器制御装置10は、第1実施形態と同様または均等となる構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、このように構成される機器制御装置10は、DITセンサ73からのDITの値の情報が送信されなくとも、乗員の体重に基づいてDITの値を推測することで、乗員の温冷感を推測することができる。
(第3実施形態の変形例)
上述の第3実施形態では、代謝推測部13がDITセンサ73から送信される乗員の体重の増加量に基づいて、DITの値を推測する例について説明したが、これに限定されない。例えば、代謝推測部13は、DITセンサ73に設けられたマイクに入力される乗員の音声に基づいて、DITの値を推測可能に構成されていてもよい。
上述の第3実施形態では、代謝推測部13がDITセンサ73から送信される乗員の体重の増加量に基づいて、DITの値を推測する例について説明したが、これに限定されない。例えば、代謝推測部13は、DITセンサ73に設けられたマイクに入力される乗員の音声に基づいて、DITの値を推測可能に構成されていてもよい。
この場合、代謝推測部13は、マイクを介して、乗員が発した言葉や乗員同士の会話の中から食事の内容に関する所定のキーワードを音声認識することによって乗員の食事の内容の情報を検出可能に構成されている。
所定のキーワードは、予め食事判定装置11に登録された乗員の食事内容に関するものであって、例えば、乗員が摂取すると推測される料理名(例えば、ハンバーグ、ラーメン等)を示す言葉である。
代謝推測部13は、マイクを介して、乗員の食事の内容に関する所定のキーワードを検出し、検出した所定のキーワードから、乗員が摂取した食事の内容を推測する可能に構成されている。また、代謝推測部13は、予め、所定のキーワードが示す食事の内容において乗員が摂取するエネルギが定められた食事エネルギマップを記憶している。
これにより、代謝推測部13は、乗員が摂取した食事の内容を推測することで、食事エネルギマップから乗員が摂取したと推測される食事を摂取した際のエネルギ情報を抽出し、上述の式(2)を用いてDITの値を推測することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図8を参照して説明する。本実施形態では第3実施形態と異なる部分について主に説明する。本実施形態において、食事判定装置11は、DITセンサ73から入力される情報を用いて、DITの値を推測するだけでなく、乗員が食事摂取状態である否かを推測可能に構成されている。また、本実施形態の食事判定装置11は、食事摂取推測部12と、代謝推測部13とを含んで構成されている。
次に、第4実施形態について、図8を参照して説明する。本実施形態では第3実施形態と異なる部分について主に説明する。本実施形態において、食事判定装置11は、DITセンサ73から入力される情報を用いて、DITの値を推測するだけでなく、乗員が食事摂取状態である否かを推測可能に構成されている。また、本実施形態の食事判定装置11は、食事摂取推測部12と、代謝推測部13とを含んで構成されている。
本実施形態のDITセンサ73は、体重検出センサに加えて、乗員を撮影するする図示しない乗員撮影カメラを含んで構成されている。乗員撮影カメラは、例えば、車両のダッシュボードに配置されており、シート53に着座した乗員を撮影することが可能に構成されている。なお、乗員撮影カメラは、基礎代謝センサ71を構成する属性検出カメラと一体に構成されていてもよい。
本実施形態の食事摂取推測部12は、代謝推測部13が演算する乗員の体重の増加量に基づいて、乗員の体重が増加しているか否かを判定可能に構成されている。
また、食事摂取推測部12は、DITセンサ73から送信される乗員の画像を記憶するメモリを有している。また食事摂取推測部12は、メモリに記憶されている乗員の画像のうち、最後に受信した乗員の画像と、新たに受信した乗員の画像を比較することで、新たにシート53に着座した乗員が、最後にシート53に着座した乗員と同一か否かを判定可能に構成されている。
このように構成される食事摂取推測部12は、乗員の体重が増加しており、且つ、新たにシート53に着座した乗員が最後にシート53に着座した乗員と同一であると判定する場合にシート53に着座した乗員の体重が最後に着座した状態から増加したと推測できる。これにより、食事摂取推測部12は、食事の摂取によって乗員の体重が増加していると推測することで、乗員の状態が食事摂取状態であると推測することができる。
その他の構成は、第3実施形態と同様である。本実施形態の機器制御装置10は、第3実施形態と同様または均等となる構成から奏される作用効果を第3実施形態と同様に得ることができる。
また、このように構成される機器制御装置10は、乗員の操作による乗員が食事摂取状態であるという情報の入力がなくとも、DITセンサ73から送信される情報に基づいて、乗員が食事摂取状態であることを推測することができる。
(第4実施形態の変形例)
上述の第4実施形態では、食事摂取推測部12がシート53に着座した乗員の体重が最後に着座した状態から増加しているか否かの判定結果に基づいて、乗員が食事摂取状態であることを推測する例について説明したが、これに限定されない。例えば、食事摂取推測部12は、DITセンサ73に設けられたマイクに入力される乗員の音声に基づいて、乗員が食事摂取状態であることを推測可能に構成されていてもよい。
上述の第4実施形態では、食事摂取推測部12がシート53に着座した乗員の体重が最後に着座した状態から増加しているか否かの判定結果に基づいて、乗員が食事摂取状態であることを推測する例について説明したが、これに限定されない。例えば、食事摂取推測部12は、DITセンサ73に設けられたマイクに入力される乗員の音声に基づいて、乗員が食事摂取状態であることを推測可能に構成されていてもよい。
この場合、食事摂取推測部12は、マイクを介して、乗員が発した言葉や乗員同士の会話の中から乗員が食事摂取状態であることを推測可能に構成されている。
所定のキーワードは、予め、食事摂取推測部12に登録されており、乗員が摂取すると推測される料理名に加えて、例えば、飲食店の名称や、食事の内容を示す言葉(例えば、美味しい、まずい等)を示す言葉である。また、所定のキーワードは、料理名や食事の内容を示す複数の所定のキーワードを組み合わせた言葉(例えば、ハンバーグが美味しかった等)であってもよい。
食事摂取推測部12は、マイクを介して、乗員が食事摂取状態であることを推測可能な所定のキーワードを検出し、検出した所定のキーワードから、乗員が食事摂取状態であることを推測することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図9を参照して説明する。本実施形態では第3実施形態と異なる部分について主に説明する。図9に示すように、本実施形態において、機器制御システム1は、乗員の生体情報を測定する生体情報センサ74を含んで構成されている。
次に、第5実施形態について、図9を参照して説明する。本実施形態では第3実施形態と異なる部分について主に説明する。図9に示すように、本実施形態において、機器制御システム1は、乗員の生体情報を測定する生体情報センサ74を含んで構成されている。
生体情報センサ74は、例えば、乗員の指に装着することで、乗員の血糖値を測定可能に構成されている。生体情報センサ74は、食事判定装置11に接続されており、検出した乗員の血糖値を食事判定装置11に送信可能に構成されている。
ここで、乗員の食事摂取状態および非食事摂取状態における血糖値について説明する。乗員は、食事を摂取すると、摂取した食事が消化されることによって、体内にブドウ糖が発生する。そして、乗員は、ブドウ糖が腸から吸収されることで血液中のブドウ糖が増加するため、乗員の血糖値が食事を摂取する前の血糖値に比較して上昇する。すなわち、乗員が食事摂取状態になると、乗員の血糖値は、乗員が非食事摂取状態である場合の平常値に比較して上昇する。
また、乗員の血糖値は、食事終了後、血液中の増加したブドウ糖が体内の臓器などに吸収されることで、時間の経過に従い、減少していく。乗員の血糖値は、図10に示すように、乗員が食事を開始後、時間が経過するにしたがい増加し、乗員が食事を終了後、2時間程度で食事を摂取する前の値である平常値に戻る。
本実施形態の食事摂取推測部12は、生体情報センサ74から送信される所定期間分の過去の乗員の血糖値を記憶することが可能であるとともに、所定期間分の過去の乗員の血糖値の履歴情報に基づいて、乗員の平常の血糖値を演算可能に構成されている。また、食事摂取推測部12は、演算した乗員の平常の血糖値に基づいて、乗員の平常の血糖値と、新たに受信する乗員の血糖値との差を演算可能に構成されている。
これにより、食事摂取推測部12は、乗員の平常の血糖値と、新たに受信する乗員の血糖値との差に基づいて、乗員が食事摂取状態であるか否かを判定することができる。具体的に、食事摂取推測部12は、新たに受信する乗員の血糖値が平常の血糖値に比較して所定値以上高い場合、乗員が食事を摂取したことで血糖値が上昇していると判定し、乗員が食事摂取状態であるか否かを判定することができる。
ここで、所定値とは、予め、食事判定装置11に設定される値であって、例えば、乗員の血糖値の上昇が乗員の食事の摂取に起因するものであると推測できる値で設定される。本実施形態において、所定値は、10mg/dLで設定されている。なお、所定値は、10mg/dLに限定されるものでなく、乗員の血糖値の上昇が乗員の食事の摂取に起因するものであると推測できる値であれば、10mg/dLより小さい値や10mg/dLより大きい値で設定されてもよい。
続いて、本実施形態の機器制御装置10が実行する制御処理の一例を図11に示すフローチャートを参照して説明する。図11に示すように、最初に、ステップS10にて、機器制御装置10は、乗員が食事摂取状態であるか否かを判定する。具体的に、食事摂取推測部12は、新たに受信する乗員の血糖値が平常の血糖値に比較して10mg/dL以上大きいか否かを判定する。
新たに受信する乗員の血糖値が平常の血糖値に比較して10mg/dL以上大きくない場合、機器制御装置10は、以降の各ステップをスキップして本処理を抜ける。一方、新たに受信する乗員の血糖値が平常の血糖値に比較して10mg/dL以上大きい場合、機器制御装置10は、食事摂取推測部12が乗員の状態が食事摂取状態であると判定する。
機器制御装置10は、乗員が食事摂取状態であると判定すると、判定結果を空調機器制御装置20と、脱臭機器制御装置30と、シート制御装置40とに出力する。
続いて、空調機器制御装置20が機器制御装置10からステップS10の判定結果を受信した際の空調機器制御装置20の作動について説明する。なお、図11に示すフローチャートにおいて、ステップS31からステップS33の処理は、第1実施形態に示したステップS11からステップS13までの処理と同様のため、その説明を省略する。
ステップS33にて、機器制御装置10は、空調風の設定温度の情報を空調機器51に出力後、ステップS34にて、再度、食事判定装置11によって乗員の平常の血糖値と、新たに受信する乗員の血糖値とを比較する。すなわち、機器制御装置10は、ステップS34にて、新たに受信する乗員の血糖値が平常の血糖値に比較して10mg/dL以上大きいか否かに基づいて、乗員が食事摂取状態から非食事摂取状態になったか否かを判定する。
ステップS34の判定処理の結果、新たに受信する乗員の血糖値が平常の血糖値に比較して10mg/dL以上大きいと判定された場合、機器制御装置10は、空調機器51が吹き出す空調風の設定温度を維持させる。
一方、ステップS34の判定処理の結果、新たに受信する乗員の血糖値が平常の血糖値に比較して10mg/dL以上大きくないと判定された場合、ステップS35にて、機器制御装置10は、温冷感推測部22が再度、PMVを演算する。
機器制御装置10が再度、PMVを演算した後の処理を示すステップS35からステップS36は、第1実施形態に示したステップS15からステップS16までの処理と同様のため、その説明を省略する。また、乗員が食事摂取状態であると判定された判定結果を受信した際の脱臭機器制御装置30の処理を示すステップS37からステップS41は、第1実施形態に示したステップS17からステップS21までの処理と同様のため、その説明を省略する。また、乗員が食事摂取状態であると判定された判定結果を受信した際のシート制御装置40の処理を示すステップS42からステップS44は、第1実施形態に示したステップS22からステップS24までの処理と同様のため、その説明を省略する。
その他の構成は、第3実施形態と同様である。本実施形態の機器制御装置10は、第3実施形態と同様または均等となる構成から奏される作用効果を第3実施形態と同様に得ることができる。
また、このように構成される機器制御装置10は、乗員の操作による乗員が食事摂取状態であるという情報の入力がなくとも、生体情報センサ74から送信される情報に基づいて、乗員が食事摂取状態であることを推測することができる。
(第5実施形態の変形例)
上述の第5実施形態では、食事摂取推測部12が生体情報センサ74が測定した乗員の血糖値に基づいて、乗員が食事摂取状態であるか否かを推測する例について説明したが、これに限定されない。例えば、生体情報センサ74が乗員の体温を測定可能に構成されている場合、食事摂取推測部12は、生体情報センサ74が測定する乗員の体温に基づいて、乗員が食事摂取状態であるか否かを推測可能構成されていてもよい。
上述の第5実施形態では、食事摂取推測部12が生体情報センサ74が測定した乗員の血糖値に基づいて、乗員が食事摂取状態であるか否かを推測する例について説明したが、これに限定されない。例えば、生体情報センサ74が乗員の体温を測定可能に構成されている場合、食事摂取推測部12は、生体情報センサ74が測定する乗員の体温に基づいて、乗員が食事摂取状態であるか否かを推測可能構成されていてもよい。
この場合、食事摂取推測部12は、乗員の平常の体温と新たに受信した乗員の体温を比較することで乗員が食事摂取状態であるか否かを判定することができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について、図12から図14を参照して説明する。本実施形態では第5実施形態と異なる部分について主に説明する。
次に、第6実施形態について、図12から図14を参照して説明する。本実施形態では第5実施形態と異なる部分について主に説明する。
図12に示すように、本実施形態において、機器制御システム1は、カーナビゲーションシステム75および乗員の食事の摂取のタイミングを検出する食事検出センサ76を含んで構成されている。カーナビゲーションシステム75は、車両に取り付けられている。
カーナビゲーションシステム75は、GPSからの位置情報を受信可能に構成されており、車両の現在位置を検出するとともに、目的地を設定可能に構成されている。また、カーナビゲーションシステム75は、食事判定装置11に接続されており、カーナビゲーションシステム75に設定された目的地の情報および車両の現在位置の情報を食事判定装置11に出力可能に構成されている。なお、食事判定装置11は、目的地の情報および車両の位置情報について、目的地までの通路を案内する機能を有する多機能携帯電話から取得可能に構成されていてもよい。
食事検出センサ76は、例えば、腕時計に設けられた加速度センサで構成されている。食事検出センサ76は、乗員が食事を摂取する際の乗員の手の動作において、テーブルと口との間の往復動作を検出可能に構成されている。また、食事検出センサ76は、食事判定装置11に接続されており、食事検出センサ76が検出した乗員の手の動作の情報を食事判定装置11に出力可能に構成されている。なお、食事検出センサ76は、乗員の顔に装着可能であって、乗員が食事を摂取する際の乗員の咀嚼運動を検出可能に構成されていてもよい。
本実施形態の食事摂取推測部12は、食事検出センサ76から送信される乗員の手の動作の情報に基づいて、乗員の食事摂取の終了を検出可能に構成されている。また、代謝推測部13は、DITセンサ73から送信される乗員の体重の増加量に基づいて、上述の式(1)を用いて、DITの値を推測し、推測したDITの値を温冷感入力部21に送信可能に構成されている。
ところで、DITの値は、図13に示すように、乗員が食事摂取状態になってから、時間の経過とともに変移していく。具体的に、DITの値は、乗員が食事の摂取を開始後、時間が経過するにしたがい増加し、乗員が食事の摂取を終了した時点が最大値となり、乗員が食事の摂取を終了後、時間が経過するにしたがい減少する。図13に示すグラフにおける破線は、乗員が食事の摂取を開始してから食事の摂取を終了後のDITの推移を示す。また、図13に示すグラフにおける実線は、乗員が食事の摂取を終了後、所定の時間が経過した後にDITを測定した場合のDITの推測値の推移を示す。
食事摂取の終了後に上述の式(1)を用いてDITの値を推測した場合、DITの推測値は、乗員の体重の増加量が最大値となる食事摂取の終了時点での値となる。また、上述の式(1)を用いてDITの値を算出する方法は、食事の摂取を終了してからの経過時間を反映させることができない。
このため、代謝推測部13が推測したDITの値は、乗員が食事の摂取を終了してから所定の時間が経過後の実際のDITの値と異なる虞がある。
これに対し、本実施形態において、食事判定装置11が食事検出センサ76から送信される乗員の手の動作の情報に基づいて、乗員の食事摂取の終了を検出可能に構成されている。このため、代謝推測部13は、上述の式(1)を用いてDITの値を推測後、乗員が食事の摂取を終了してからの経過時間を反映させることで、乗員が食事の摂取を終了してから所定の時間が経過後のDITの値を推測することができる。
例えば、図13に示すように、乗員が食事の摂取を終了後、2時間程度で非食事摂取状態になる際において、乗員が食事の摂取を終了してから30分経過した後に、代謝推測部13がDITの値を推測する場合について説明する。この場合、図13に示すように、DITの値は、乗員が食事の摂取を終了後、15分程度で急速に小さくなり、その後、緩やかに減少していく。なお、乗員が食事の摂取を終了後の30分経過した時点でのDITの値は、食事終了時点におけるDITの値の1/4程度である。
この場合、代謝推測部13は、乗員が食事の摂取を終了してから30分経過した後のDITの値を上述の式(1)を用いて推測した値の約1/4として補正することができる。また、代謝推測部13は、補正したDITの値を温冷感入力部21に出力する。
続いて、本実施形態の機器制御装置10が実行する制御処理の一例を図14に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS50にて、機器制御装置10は、乗員の操作によってカーナビゲーションシステム75に目的地の情報が入力されると、機器制御装置10が目的地の情報をカーナビゲーションシステム75から取得する。そして、ステップS51にて、機器制御装置10は、カーナビゲーションシステム75から取得した目的地が飲食店であるか否かを判定する。
ステップS51の判定処理の結果、カーナビゲーションシステム75から取得した目的地が飲食店でないと判定された場合、機器制御装置10は、以降の各ステップをスキップして本処理を抜ける。一方、ステップS51の判定処理の結果、カーナビゲーションシステム75から取得した目的地が飲食店であると判定された場合、ステップS52にて、機器制御装置10は、乗員が目的地に到着しているか否かを判定する。機器制御装置10は、カーナビゲーションシステム75から車両の目的地の到着の情報を取得することで、乗員が目的地に到着しているか否かを判定することができる。
機器制御装置10は、ステップS52にて、カーナビゲーションシステム75から、車両の目的地の到着の情報を取得するまで待機する。そして、ステップS52において、機器制御装置10は、カーナビゲーションシステム75から、車両の目的地の到着の情報を取得すると、乗員が目的地に到着したと判定する。
そして、ステップS52の判定処理の結果、乗員が目的地に到着したと判定すると、機器制御装置10は、ステップS53にて、カーナビゲーションシステム75から車両の現在位置の情報であって、目的地と異なる位置の情報を取得するまで待機する。すなわち、機器制御装置10は、車両の現在位置が目的地から移動を開始するまで待機する。
そして、機器制御装置10は、ステップS53にて、食事摂取推測部12がカーナビゲーションシステム75から目的地と異なる位置の情報を取得した際に、目的地に到着してから移動を開始するまでの経過時間が所定時間T2以上か否かを判定する。
ここで、所定時間T2とは、予め食事摂取推測部12に設定される時間であって、例えば、乗員が食事を摂取する際に必要な時間で設定される。具体的に、所定時間T2は、乗員が目的地である飲食店に到着した際に、飲食店において食事を摂取後、再度車両を移動させるまでに必要な時間で設定される。本実施形態において、所定時間T2は、食事摂取推測部12に30分で設定されている。なお、所定時間T2は、30分に限定されるものでなく、乗員が食事を摂取する際に必要な時間であれば、30分より短い時間や30分より長い時間で設定されてもよい。
ステップS53の判定処理の結果、乗員が目的地に到着してから移動を開始するまでの時間が30分以上経過していないと判定された場合、機器制御装置10は、乗員が非食事摂取状態と判定し、以降の各ステップをスキップして本処理を抜ける。
一方、ステップS53の判定処理の結果、乗員が目的地に到着してから移動を開始するまでの時間が30分以上経過していると判定された場合、機器制御装置10は、食事摂取推測部12が、乗員が食事摂取状態であると判定する。また、機器制御装置10は、食事判定装置11が、判定結果を空調機器制御装置20と、脱臭機器制御装置30と、シート制御装置40とに出力する。
続いて、空調機器制御装置20が機器制御装置10からステップS54の判定結果を受信した際の空調機器制御装置20の作動について説明する。
機器制御装置10は、空調機器制御装置20が食事判定装置11から乗員が食事摂取状態であるという情報を受信すると、ステップS54にて、空調機器51が動作中か否かを判定する。ステップS54の判定処理の結果、空調機器51が動作していないと判定された場合、機器制御装置10は、以降の各ステップをスキップして本処理を抜ける。
一方、ステップS54の判定処理の結果、空調機器51が動作していると判定された場合、ステップS55にて、温冷感推測部22は、環境計測装置60および代謝推測装置70の検出情報と、代謝推測部13が推測したDITとに基づいて、PMVを演算する。また、代謝推測部13は、上述の式(1)を用いてDITの値を推測する際、食事検出センサ76から送信される乗員の手の動作の情報から乗員が食事の摂取を終了してからの経過時間を反映して、DITの値を補正する。そして、空調機器制御装置20は、温冷感推測部22が演算したPMVに基づいて、乗員の温冷感を推測する。
そして、ステップS56にて、機器制御装置10は、温冷感推測部22が推測した温冷感に基づいて、当該温冷感に対応付けられ空調機器51から吹き出す空調風の設定温度を決定し、決定した空調風の設定温度の情報を空調機器51に出力する。空調機器51は、機器制御装置10から設定温度の情報を受信すると、受信した設定温度の空調風を車内に吹き出す。
続いて、機器制御装置10は、ステップS57にて、食事判定装置11が食事検出センサ76から送信される乗員の手の動作の情報に基づいて、乗員の食事摂取の終了から所定時間T2が経過しているか否かを判定する。ステップS57の判定処理の結果、乗員の食事摂取の終了から所定時間T2が経過していないと判定された場合、機器制御装置10は、空調機器51が吹き出す空調風の設定温度を維持させる。
一方、ステップS57の判定処理の結果、乗員の食事摂取の終了から所定時間T2が経過したと判定された場合、ステップS58にて、機器制御装置10は、温冷感推測部22が再度、PMVを演算する。また、機器制御装置10は、再度演算したPMVに基づいて、温冷感推測部22が乗員の温冷感を再度、推測する。
そして、ステップS59にて、機器制御装置10は、温冷感推測部22が再度推測した温冷感に基づいて、当該温冷感に対応付けられ空調機器51から吹き出す空調風の設定温度を決定し、決定した空調風の設定温度の情報を空調機器51に出力する。
なお、乗員が食事摂取状態であると判定された判定結果を受信した際の脱臭機器制御装置30の処理を示すステップS60からステップS64は、第1実施形態に示したステップS17からステップS21までの処理と同様のため、その説明を省略する。また、乗員が食事摂取状態であると判定された判定結果を受信した際のシート制御装置40の処理を示すステップS65からステップS67は、第1実施形態に示したステップS22からステップS24までの処理と同様のため、その説明を省略する。
また、上述した構成以外の構成は、第5実施形態と同様である。このように構成される本実施形態の機器制御装置10は、第5実施形態と同様または均等となる構成から奏される作用効果を第3実施形態と同様に得ることができる。
また、このように構成される機器制御装置10は、乗員の食事摂取状態の情報の入力が乗員によって食事判定装置11に入力されなくても、乗員の現在位置の情報を用いて、乗員が食事摂取状態であるか否かを判定することができる。
また、機器制御装置10は、代謝推測部13が乗員の食事の摂取の終了後の経過時間を反映して推測したDITの値に基づいて、温冷感推測部22が温冷感を推測することができる。このため、機器制御装置10は、乗員の食事の摂取の終了後の経過時間に関係なく温冷感を推測する場合に比較して、経過時間毎に対する温冷感推測部22が推測した温冷感の食事誘発性熱産生に起因する誤差を抑制することができる。
(第6実施形態の変形例)
上述の第6実施形態では、機器制御装置10が、乗員の食事摂取の終了から所定時間T2が経過するまで、空調機器51が吹き出す空調風の設定温度を維持させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、機器制御装置10は、乗員が食事の摂取を終了してからの経過時間に応じて、空調機器51が吹き出す空調風の設定温度を変化させるように制御してもよい。
上述の第6実施形態では、機器制御装置10が、乗員の食事摂取の終了から所定時間T2が経過するまで、空調機器51が吹き出す空調風の設定温度を維持させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、機器制御装置10は、乗員が食事の摂取を終了してからの経過時間に応じて、空調機器51が吹き出す空調風の設定温度を変化させるように制御してもよい。
この場合、代謝推測部13は、DITの値を上述の式(1)を用いて推測する際に、乗員が食事の摂取を終了してからの経過時間に応じて、DITの値を補正する。また、温冷感推測部22は、代謝推測部13が補正するDITの値に基づいて、PMVを演算し、乗員の温冷感を推測する。これにより、温冷感制御設定部23は、乗員が食事の摂取を終了してからの経過時間に応じて温冷感推測部22が推測する温冷感に基づいて、空調機器51に設定温度の情報を出力することができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について、説明する。本実施形態では第5実施形態と異なる部分について主に説明する。本実施形態において、機器制御システム1は、乗員の着衣を撮影する図示しない着衣検出センサを含んで構成されている。
次に、第7実施形態について、説明する。本実施形態では第5実施形態と異なる部分について主に説明する。本実施形態において、機器制御システム1は、乗員の着衣を撮影する図示しない着衣検出センサを含んで構成されている。
着衣検出カメラは、例えば、車両のダッシュボードに配置されており、乗員の着衣を撮影することが可能に構成されている。着衣検出カメラは、食事判定装置11に接続されており、検出した着衣の画像を食事判定装置11に送信可能に構成されている。なお、汚れ検出カメラは、基礎代謝センサ71を構成する属性検出カメラと一体に構成されていてもよい。
また、食事判定装置11は、着衣検出カメラから送信される乗員の着衣の画像を記憶するメモリを有している。また、食事判定装置11は、メモリに記憶されている着衣の画像のうち、最後に受信した着衣の画像と、新たに受信した着衣の画像を比較し、乗員の着衣が最後にシート53に着座した際の着衣と同じ場合、着衣の汚れの付着の有無を判定可能に構成されている。
このように構成される食事摂取推測部12は、乗員の着衣が最後にシート53に着座した際の着衣と同じ場合において、着衣に汚れが付着していると判定する場合、食事の摂取によって着衣に汚れが付着していると推測することができる。これにより、食事摂取推測部12は、乗員の状態が食事摂取状態であると推測することができる。
その他の構成は、第5実施形態と同様である。本実施形態の機器制御装置10は、第5実施形態と同様または均等となる構成から奏される作用効果を第2実施形態と同様に得ることができる。
また、このように構成される機器制御装置10は、乗員の操作による乗員が食事摂取状態であるという情報の入力がなくとも、汚れ検出カメラから送信される情報に基づいて、乗員が食事摂取状態であることを推測することができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について、図15を参照して説明する。本実施形態では第1実施形態と異なる部分について主に説明する。本実施形態において、機器制御装置10は、乗員が空調操作パネルの各種操作スイッチを操作することによって、乗員が空調機器51の作動内容を設定することができるともに、乗員が設定した作動内容を空調機器51に出力可能に構成されている。また、図15に示すように、本実施形態の温冷感制御設定部23は、作動設定入力部24と、作動設定抽出部25、制御設定出力部26と、機械学習部27とを含んで構成されている。
次に、第8実施形態について、図15を参照して説明する。本実施形態では第1実施形態と異なる部分について主に説明する。本実施形態において、機器制御装置10は、乗員が空調操作パネルの各種操作スイッチを操作することによって、乗員が空調機器51の作動内容を設定することができるともに、乗員が設定した作動内容を空調機器51に出力可能に構成されている。また、図15に示すように、本実施形態の温冷感制御設定部23は、作動設定入力部24と、作動設定抽出部25、制御設定出力部26と、機械学習部27とを含んで構成されている。
作動設定入力部24は、空調操作パネルの操作スイッチに接続されており、乗員が操作スイッチに入力した空調機器51の作動内容を受信可能に構成されている。本実施形態において、作動設定入力部24は、空調機器51から吹き出す空調風の設定温度を入力可能に構成されている。作動設定入力部24は、制御設定出力部26に接続されており、乗員に入力された空調機器51から吹き出す空調風の設定温度を制御設定出力部26に出力する。
作動設定抽出部25は、温冷感推測部22に接続されており、温冷感推測部22が推測した乗員の温冷感を受信可能に構成されている。作動設定抽出部25は、予め、温冷感に対応付けられた空調機器51の作動内容を記憶している。本実施形態において、作動設定抽出部25は、温冷感に対応する空調機器51から吹き出す空調風の設定温度を記憶している。
作動設定抽出部25は、温冷感推測部22が推測した温冷感を受信すると、記憶している温冷感に対応する空調風の設定温度から、受信した温冷感に対応する空調風の設定温度を抽出する。また、作動設定抽出部25は、抽出した空調風の設定温度を制御設定出力部26に出力する。
制御設定出力部26は、作動設定入力部24または作動設定抽出部25から送信される設定温度の情報に基づいて、空調機器51の作動内容を決定可能に構成されている。具体的に、制御設定出力部26は、作動設定入力部24または作動設定抽出部25から空調風の設定温度を受信すると、空調機器51から吹き出す空調風の設定温度を決定する。また、制御設定出力部26は、決定した設定温度の情報を空調機器51に出力する。空調機器51は、制御設定出力部26から空調風の設定温度の情報を受信すると、受信した設定温度の空調風を車内に吹き出す。
ここで、制御設定出力部26は、作動設定入力部24および作動設定抽出部25の両方から空調風の設定温度を受信した場合、作動設定入力部24から受信した設定温度を優先し、空調機器51に作動設定入力部24から受信した設定温度の情報を出力する。
例えば、制御設定出力部26は、作動設定抽出部25が抽出した設定温度の情報を空調機器51に出力後、乗員によって作動設定入力部24に設定温度が入力された場合、作動設定入力部24に入力された設定温度の情報を空調機器51に出力する。このため、空調機器51から吹き出す空調風の温度は、作動設定入力部24に入力された温度となる。
具体的に、作動設定抽出部25が温冷感「やや暑い」に対応する設定温度「18℃」の情報を空調機器51に出力後、作動設定入力部24に設定温度「19℃」が入力されると、制御設定出力部26は、設定温度「19℃」の情報を空調機器51に出力する。このため、空調機器51から吹き出す空調風の温度は、「18℃」から「19℃」に変更される。
また、作動設定抽出部25が温冷感「やや寒い」に対応する設定温度「26℃」の情報を空調機器51に出力後、作動設定入力部24に設定温度「25℃」が入力されると、制御設定出力部26は、設定温度「25℃」の情報を空調機器51に出力する。このため、空調機器51から吹き出す空調風の温度は、「26℃」から「25℃」に変更される。
また、制御設定出力部26は、作動設定抽出部25が抽出した設定温度に対して乗員によって作動設定入力部24に入力された設定温度の情報を機械学習部27に出力する。
機械学習部27は、制御設定出力部26から設定温度の情報を受信した場合、作動設定抽出部25が抽出した設定温度と、乗員によって作動設定入力部24に入力された設定温度とを紐付けして記憶する。以下、作動設定抽出部25が抽出した設定温度に対して、乗員によって作動設定入力部24に入力された設定温度の情報を乗員の希望温度とも呼ぶ。
また、機械学習部27は、乗員の希望温度を教師データとして機械学習を行い、作動設定抽出部25が抽出する設定温度に対応付けられた設定温度の予測モデルマップを作成する。予測モデルマップは、作動設定抽出部25が抽出する設定温度に対して、乗員の希望温度を反映させた空調風の設定温度が定められるものである。予測モデルマップには、温冷感に対応し、乗員が入力すると推測される設定温度が定められている。機械学習部27は、作成した予測モデルマップを作動設定抽出部25に出力可能に構成されている。
作動設定抽出部25は、機械学習部27から予測モデルマップを受信後、温冷感推測部22が推測する乗員の温冷感を受信した場合、予測モデルマップから制御設定出力部26に出力する温度設定を抽出する。また、制御設定出力部26は、作動設定抽出部25が予測モデルマップから抽出した設定温度の情報を空調機器51に出力することができる。
これにより、空調機器制御装置20は、温冷感制御設定部23が乗員によって入力される設定温度を機械学習することで、作動設定抽出部25が抽出した設定温度に対して、乗員が入力すると推測される設定温度を推測することができる。このため、機器制御装置10は、乗員が入力する設定温度を反映して快適性調整機器50の作動を制御することができるので、機械学習を行わない場合に比較して、乗員の温冷感に関する快適性を向上させることができる。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、機器制御装置10の外部に設けられている環境計測装置60をから車内の風速、車内の温度、車内の湿度、輻射温度の情報を受信する例について説明したが、これに限定されない。例えば、機器制御装置10は、環境計測装置60を備えている構成でもよい。
上述の実施形態では、機器制御装置10の外部に設けられている基礎代謝センサ71から基礎代謝の値を受信し、活動代謝センサ72から活動代謝の値を受信する例について説明したが、これに限定されない。例えば、機器制御装置10は、基礎代謝センサ71および活動代謝センサ72を備えている構成でもよい。
上述の実施形態では温冷感推測部22が基礎代謝の値と、代謝推測装置70が推測した活動代謝の値と、DITの値とを用いて乗員の温冷感を推測する例について説明したが、これに限定されない。例えば、温冷感推測部22は、代謝推測装置70が推測した基礎代謝の値と、活動代謝の値と、DITの値とを用いずに乗員の温冷感を推測する構成でもよい。具体的に、温冷感推測部22は、予め用意された基礎代謝の値と、活動代謝の値と、DITの値の夫々の固定値を用いて乗員の温冷感を推測してもよい。
上述の実施形態では、機器制御装置10は、脱臭機器制御装置30およびシート制御装置40を備えている例について説明したが、これに限定されない。例えば、機器制御装置10は、脱臭機器制御装置30およびシート制御装置40を備えていない構成でもよい。
上述の実施形態では、機器制御装置10は、車両に搭載される快適性調整機器50の作動を制御する例について説明したが、これに限定されない。例えば、機器制御装置10は、住宅などの室内に用いられる空調機器51等の快適性調整機器50の作動を制御する構成でもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、ユーザの温冷感に関する快適性を調整する機能を有する快適性調整機器の作動を制御する機器制御装置は、ユーザが食事摂取状態であるか否かを判定する食事判定装置を備える。機器制御装置は、食事判定装置の判定結果を用いて、温冷感推測部がユーザの温冷感を推測し、温冷感推測部が推測した温冷感に基づいて、温冷感制御設定部が快適性調整機器の作動内容を決定する。
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、ユーザの温冷感に関する快適性を調整する機能を有する快適性調整機器の作動を制御する機器制御装置は、ユーザが食事摂取状態であるか否かを判定する食事判定装置を備える。機器制御装置は、食事判定装置の判定結果を用いて、温冷感推測部がユーザの温冷感を推測し、温冷感推測部が推測した温冷感に基づいて、温冷感制御設定部が快適性調整機器の作動内容を決定する。
第2の観点によれば、食事判定装置は、ユーザが食事摂取状態の際に、ユーザによって入力される食事摂取状態の情報を用いて、ユーザが食事摂取状態であるか否かを判定する。
これによると、温冷感推測部は、ユーザによって入力された食事摂取状態の情報に基づいて、温冷感を推測できるので、ユーザが食事摂取状態の際に、確実にユーザが食事摂取状態であることを反映して温冷感を推測することができる。したがって、機器制御装置は、ユーザの実際の温冷感と、温冷感推測部が推測した温冷感との誤差を抑制することができる。
第3の観点によれば、食事判定装置は、ユーザが食事摂取状態であることを推測する食事摂取推測部を有し、食事摂取推測部の推測結果を用いて、ユーザが食事摂取状態であるか否かを判定する。
これによると、温冷感推測部は、ユーザの操作による食事摂取状態の情報の入力がなくとも、ユーザが食事摂取状態であることを推測して温冷感を推測することができる。したがって、機器制御装置は、ユーザの実際の温冷感と、温冷感推測部が推測した温冷感との誤差を抑制することができる。
第4の観点によれば、温冷感制御設定部は、ユーザが入力する作動内容が入力される作動設定入力部と、温冷感推測部が推測した温冷感に対応する作動内容を抽出する作動設定抽出部を有する。また、温冷感制御設定部は、作動設定抽出部によって抽出された作動内容に対して作動設定入力部に入力された作動内容を教師データとして機械学習を行い、作動内容を作動設定入力部に入力されると推測される作動内容に対応付ける機械学習部を有する。また、温冷感制御設定部は、機械学習部が対応付けた作動内容を快適性調整機器に出力する制御設定出力部を有する。
これによると、温冷感推測部は、温冷感制御設定部が機械学習を行うことで、制御設定出力部が快適性調整機器に作動内容を出力する際に、ユーザが入力すると推測される作動内容を出力することができる。このように、機器制御装置は、ユーザが入力する作動内容を反映して快適性調整機器の作動を制御することができるので、機械学習を行わない場合に比較して、ユーザの温冷感に関する快適性を向上させることができる。
第5の観点によれば、ユーザが食事を摂取した際の食べ物の消化に消費されるエネルギである食事誘発性熱産生を推測する代謝推測装置を有し、温冷感推測部は、代謝推測装置が推測した食事誘発性熱産生を用いて、前記温冷感を推測する。
これによると、温冷感推測部は、ユーザの温冷感を推測する際に、代謝推測装置が推測した食事誘発性熱産生に基づいて、ユーザの温冷感を推測することができる。このため、機器制御装置は、食事誘発性熱産生の発生による代謝の上昇の有無だけを反映して温冷感を推測する場合に比較して、ユーザの実際の温冷感と、温冷感推測部が推測した温冷感との誤差を抑制することができる。
第6の観点によれば、ユーザの基礎代謝の情報および活動代謝の情報の少なくとも一方が入力される代謝入力部を有し、温冷感推測部は、食事誘発性熱産生に加えて、代謝推測装置が推測した基礎代謝および活動代謝を用いて、温冷感を推測する。
これによると、温冷感推測部は、ユーザの温冷感を推測する際に、食事誘発性熱産生と、基礎代謝と、活動代謝とに基づいて、ユーザの温冷感を推測することができる。このため、機器制御装置は、ユーザの代謝のうち、食事誘発性熱産生のみに基づいて温冷感を推測する場合に比較して、ユーザの実際の温冷感と、温冷感推測部が推測した温冷感との誤差を抑制することができる。
第7の観点によれば、温冷感制御設定部は、ユーザの食事終了後からの経過時間に応じて、快適性調整機器の作動内容を決定する。
これによると、機器制御装置は、ユーザの食事終了後からの経過時間に応じて小さくなる食事誘発性熱産生に応じて温冷感制御設定部が快適性調整機器の作動内容を決定することができる。このため、機器制御装置は、ユーザの食事終了後の経過時間に関係なく快適性調整機器の作動内容を決定する場合に比較して、経過時間毎に対するユーザの温冷感に関する快適性を向上させることができる。
第8の観点によれば、温冷感制御設定部は、予め、温冷感に対応付けられた快適性調整機器の作動内容を記憶しており、温冷感推測部が推測した温冷感に基づいて、作動内容を決定する。
これによると、機器制御装置10は、温冷感毎に快適性調整機器の作動内容が対応付けられているため、ユーザの温冷感に関する快適性を調整し易い。
11 食事判定装置
22 温冷感推測部
23 温冷感制御設定部
50 快適性調整機器
22 温冷感推測部
23 温冷感制御設定部
50 快適性調整機器
Claims (9)
- ユーザの温冷感に関する快適性を調整する機能を有する快適性調整機器(50)の作動を制御する機器制御装置であって、
前記ユーザが食事中の状態および食事後の状態のいずれかの状態を示す食事摂取状態であるか否かを判定する食事判定装置(11)と、
前記食事判定装置の判定結果を用いて、前記ユーザの前記温冷感を推測する温冷感推測部(22)と
前記温冷感推測部が推測した前記温冷感に基づいて、前記快適性調整機器の作動内容を決定し、決定した前記作動内容を前記快適性調整機器に出力する温冷感制御設定部(23)とを備える機器制御装置。 - 前記食事判定装置は、前記ユーザが前記食事摂取状態の際に、前記ユーザによって入力される、前記ユーザが前記食事摂取状態であるという情報を用いて、前記ユーザが前記食事摂取状態であるか否かを判定する請求項1に記載の機器制御装置。
- 前記食事判定装置は、前記ユーザが前記食事摂取状態であることを推測する食事摂取推測部(12)を有し、前記食事摂取推測部の推測結果を用いて、前記ユーザが前記食事摂取状態であるか否かを判定する請求項1に記載の機器制御装置。
- 前記温冷感制御設定部は、
前記ユーザが入力する前記作動内容が入力される作動設定入力部(24)と、
予め記憶された前記作動内容から前記温冷感推測部が推測した前記温冷感に対応する前記作動内容を抽出する作動設定抽出部(25)と、
前記作動設定抽出部によって抽出された前記作動内容に対して前記ユーザによって前記作動設定入力部に入力された前記作動内容を教師データとして機械学習を行い、予め記憶された前記温冷感に対応付けられた前記作動内容を前記ユーザによって前記作動設定入力部に入力されると推測される前記作動内容に対応付ける機械学習部(27)と、
前記温冷感推測部が推測した前記温冷感に基づいて、前記機械学習部が対応付けた前記作動内容を前記快適性調整機器に出力する制御設定出力部(26)とを有する請求項1ないし3のいずれか1つに記載の機器制御装置。 - 前記ユーザが食事を摂取した際の食べ物の消化に消費されるエネルギである食事誘発性熱産生を推測する代謝推測装置(12)を有し、
前記温冷感推測部は、前記代謝推測装置が推測した食事誘発性熱産生を用いて、前記温冷感を推測する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の機器制御装置。 - 前記ユーザの基礎代謝の情報および活動代謝の情報の少なくとも一方が入力される代謝入力部(21)を有し、
前記温冷感推測部は、前記代謝推測装置が推測した前記食事誘発性熱産生に加えて、前記代謝推測装置が推測した前記基礎代謝および前記活動代謝を用いて、前記温冷感を推測する請求項5に記載の機器制御装置。 - 前記温冷感制御設定部は、前記ユーザの食事終了後からの経過時間に応じて、快適性調整機器の作動内容を決定する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の機器制御装置。
- 前記温冷感制御設定部は、予め、前記温冷感に対応付けられた前記快適性調整機器の前記作動内容を記憶しており、前記温冷感推測部が推測した前記温冷感に基づいて、前記作動内容を決定する請求項1ないし7のいずれか1つに記載の機器制御装置。
- 前記快適性調整機器とともに車両に適用される請求項1ないし8のいずれか1つに記載の機器制御装置。
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