JP2004163088A - エリア別環境提供制御システム - Google Patents

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哲 橋本
Toshiyuki Akamatsu
敏行 赤松
Osamu Sugie
治 杉江
Haruyuki Yamamori
晴之 山森
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Abstract

【課題】 個人等の要望に適した環境をできるだけ提供するとともに、会社のオフィス等の知的生産性等を考慮しつつ環境提供装置の運転を制御して省エネルギー化を行うエリア別環境提供制御システムを提供する。
【解決手段】 パーソナル空調制御システム80は、複数のデスク空間11a等それぞれに対して空調環境を提供する空気調和機1,2,3,4を制御する。パーソナル空調制御システム80は、個人情報記憶部50、空調環境設定部30およびシステム制御部60を備える。個人情報記憶部50は、それぞれのデスク空間11a等に属する個人に関する情報を記憶する。空調環境設定部30は、個人から空調環境に関する要望を受ける。システム制御部60は、複数のデスク空間11a等に対する空調環境の提供に必要なエネルギー量が、所定の目標上限値を超えないように、空調環境設定部30で受けた個人それぞれの要望と個人情報記憶部50の情報とに基づいて、それぞれのデスク空間11a等に対して提供する空調環境を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のエリアそれぞれに対して環境を提供する環境提供装置を制御するエリア別環境提供制御システムに関する。
人の温度、湿度、照明あるいは音等に対する感覚には、個人差がある。例えば、不特定多数の人が存在する空間を空気調和する場合、その中にはその温度や湿度に対して不快を覚える人や体調を崩す人等が現れることがある。このようなことが会社のオフィス等で起きると、組織の知的生産性等が落ち込むことが懸念される。このような問題を解決するための技術として、複数のエリアそれぞれに対して空調環境を提供するエリア別空調制御システムがある。このエリア別空調制御システムとして、パーソナル空調システム(特許文献1参照。)や空調装置コントロールシステム(特許文献2参照。)等が知られている。
特開平5−87364号公報(第2−3項、図1) 特開2002−115894号公報(第2−3項、図1)
しかし、このエリア別空調制御システムは、個人の要求通りに空調を行うことから、エネルギーを多量に消費する傾向があるという問題を有している。
一方、近年、地球環境保全の観点から、社会の省エネルギー化が促進されている。このような背景のもと、建物の用途別に適正なエネルギー消費量が公開され、建物のオーナーには、この値を目標として建物の省エネルギー化に努めることが社会的責務として課される傾向にある。上述したエリア別空調制御システムと省エネルギー化とは、エネルギー的にトレードオフの関係になることが多く、この関係を最適に保つシステムが今後求められる。このシステムを省エネルギー化する最も簡便な方法は、一律単純にそのシステムの運転を抑制制御することである。しかしながら、一律単純にこのシステムの運転を抑制制御して省エネルギー化を行うのが好ましくない場合も考えられる。例えば、このシステムを会社のオフィス等に導入する場合である。会社のオフィス等には、知的生産性の高い管理職や専門職等もいれば、知的生産性の低い新入社員等もいるのが通常である。このような場合、一律単純にそのシステムの運転を抑制制御して省エネルギー化を行うと、知的生産性の高い管理職や専門職等の空調環境が劣化して彼らの知的生産性が低下すること等が懸念される。
本発明の課題は、個人等の要望に適した環境をできるだけ提供するとともに、会社のオフィス等の知的生産性等を考慮しつつ環境提供装置の運転を制御して省エネルギー化を行うエリア別環境提供制御システムを提供することにある。
請求項1に記載のエリア別環境提供制御システムは、複数のエリアそれぞれに対して環境を提供する環境提供装置を制御するエリア別環境提供制御システムであって、個人等情報記憶部、要望入力部および環境提供制御部を備える。個人等情報記憶部は、それぞれのエリアに属する個人及び/又は団体に関する情報を記憶する。要望入力部は、個人及び/又は団体から環境に関する要望を受ける。環境提供制御部は、複数のエリアに対する環境の提供に必要なエネルギー量が、所定の目標上限値を超えないように、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望と個人等情報記憶部の情報とに基づいて、それぞれのエリアに対して環境提供制御を行う。
このエリア別環境提供制御システムでは、個人等情報記憶部が、それぞれのエリアに属する個人及び/又は団体に関する情報を記憶する。また、要望入力部が、個人及び/又は団体から環境に関する要望を受ける。そして、環境提供制御部が、複数のエリアに対する環境の提供に必要なエネルギー量が所定の目標上限値を超えないように、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望と個人等情報記憶部の情報とに基づいて、それぞれのエリアに対して環境提供制御を行う。
したがって、エリア別環境提供制御システムは、個人等の要望に則した環境をできるだけ提供するように環境提供装置を制御することができる。また、環境提供制御部がそれぞれのエリアに対して環境提供制御を行う場合、生産性の高い管理職や専門職等に優先的に快適な環境を提供するようにすれば、エリア別環境提供制御システムは省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性を高く維持できることが期待できる。
なお、環境とは、例えば、空調環境、照明環境あるいは音環境等を含む。また、個人等情報記憶部、要望入力部および環境提供制御部は同一装置内に内蔵されていてもよい。個人等情報とは、例えば、個人及び/又は団体の査定に関する情報、個人及び/又は団体の業務内容に関する情報、個人の快適感受性に関する情報、個人及び/又は団体が利用する空間のグレード(レンタルオフィス等の場合に適用される。)に関する情報、個人及び/又は団体の不在に関する情報、個人及び/又は団体について撮影した画像に関する情報、個人の生理量に関する情報、個人の健康状態に関する情報、個人及び/又は団体における執務状況に関する情報、個人及び/又は団体における作業誤り状況に関する情報、並びに個人の年齢・性別に関する情報等である。
請求項2に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項1に記載のエリア別環境提供制御システムであって、第1演算部と第2演算部とをさらに備える。第1演算部は、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望に基づき、エリアそれぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギー量を演算する。第2演算部は、エリアのエリア別要求エネルギー量の和を求める。そして、環境提供制御部は、第2演算部で求めた和が目標上限値より小さい場合には個人等情報記憶部の情報に拘わらず個人及び/又は団体それぞれの要望に基づく環境提供制御を行う。一方、第2演算部で求めた和が目標上限値より大きい場合には個人等情報記憶部の情報に基づく優先度に応じて前記個人及び/又は団体に提供する環境を制御する。
このエリア別環境提供制御システムでは、第1演算部が、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望に基づき、エリアそれぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギー量を演算する。このため、エリアそれぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギーを前もって推測することができる。そして、第2演算部が、エリアのエリア別要求エネルギー量の和を求める。このため、エリアのエリア別要求エネルギー量の和を前もって推測することができる。さらに、第2演算部で求めた和が目標上限値より小さい場合には、環境提供制御部が、個人等情報記憶部の情報に拘わらず個人及び/又は団体それぞれの要望に基づく環境提供制御を行う。一方、第2演算部で求めた和が目標上限値より大きい場合には、環境提供制御部が、個人等情報記憶部の情報に基づく優先度に応じて個人及び/又は団体に提供する環境を制御する。
したがって、第2演算部で求めた和が目標上限値より小さい場合には、エリア別環境提供制御システムは、環境提供装置に対して個人等の要望に則した環境を提供するように制御することができる。一方、第2演算部で求めた和が目標上限値より大きい場合には、環境提供制御が行われるに際して知的生産性の高い管理職や専門職等に提供される環境が優先的に制御されないように設定することができれば、エリア別環境提供制御システムは省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性を高く維持できると期待できる。
請求項3に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項2に記載のエリア別環境提供制御システムである。第1演算部は、個人及び/又は団体それぞれの要望と複数のエリアに関する実環境情報とに基づき、エリア別要求エネルギー量を演算する。
このエリア別環境提供制御システムでは、第1演算部が、個人及び/又は団体それぞれの要望と複数のエリアに関する実環境情報とに基づき、エリア別要求エネルギー量を演算する。
したがって、複数のエリアの環境が変動する場合等に、複数のエリアそれぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギー量を正確に推測することができる。
請求項4に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項3に記載のエリア別環境提供制御システムである。第1演算部は、複数のエリアに関する過去および現在の実環境情報から近い未来のエリアに関する環境を予測し、その予測を基にエリア別要求エネルギー量を演算する。
このエリア別環境提供制御システムでは、第1演算部が、複数のエリアに関する過去および現在の実環境情報から近い未来のエリアに関する環境を予測し、その予測を基にエリア別要求エネルギー量を演算する。
このため、複数のエリアの環境変動を前もって推測できる。したがって、複数のエリアそれぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギーを前もって推測できる。
請求項5に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項1に記載のエリア別環境提供制御システムである。環境提供制御部は、個人等情報記憶部の情報から、それぞれのエリアに対して重みづけを行い、その重みづけに応じて環境提供制御を行う。
このエリア別環境提供制御システムでは、環境提供制御部が、個人等情報記憶部の情報からそれぞれのエリアに対して重みづけを行い、その重みづけに応じて環境提供制御を行う。
したがって、エリア別環境提供制御システムは、省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性をエリア別にできるだけ高く維持できるように制御できる。
請求項6に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項1から5のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システムである。個人等情報記憶部の情報は、個人及び/又は団体の査定に関する情報、個人及び/又は団体の業務内容に関する情報、個人の快適感受性に関する情報、個人及び/又は団体が利用する空間のグレードに関する情報、個人及び/又は団体の不在に関する情報、個人及び/又は団体について撮影した画像に関する情報、個人の生理量に関する情報、個人の健康状態に関する情報、個人及び/又は団体における執務状況に関する情報、個人及び/又は団体における作業誤り状況に関する情報、並びに個人の年齢・性別に関する情報のうち少なくとも1つを含む。
このエリア別環境提供制御システムでは、個人等情報記憶部の情報が、個人及び/又は団体の査定に関する情報、個人及び/又は団体の業務内容に関する情報、個人の快適感受性に関する情報、個人及び/又は団体が利用する空間のグレードに関する情報、個人及び/又は団体の不在に関する情報、個人及び/又は団体について撮影した画像に関する情報、個人の生理量に関する情報、個人の健康状態に関する情報、個人及び/又は団体における執務状況に関する情報、個人及び/又は団体における作業誤り状況に関する情報、並びに個人の年齢・性別に関する情報のうち少なくとも1つを含む。
したがって、エリア別環境提供制御システムは、個人及び/又は団体に関する情報を詳細に考慮して制御することができる。このため、省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性をできるだけ高く維持できるように詳細に制御することができる。
なお、快適感受性は、例えば、人間の体感温度を考慮した指標(例えば、PMV等)、疲労感、ストレス感、覚醒度などを含む。健康状態は、例えば、疾病(例えば、風邪など)、疲労(例えば肩こりなど)、環境変化への適応能力(例えば、体温調節機能)の強弱などを含む。執務状況は、例えば、作業内容、作業の経過時間、作業の残時間、作業姿勢などを含む。作業誤り状況は、例えば、作業ミス発生時に観察される行為(例えば、DELキーやBSキーの入力)の発生率・発生量などを含む。
請求項7に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項1から6のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システムである。第1演算部は、社会状況に関する情報に基づき、個人等情報記憶部の情報のそれぞれに対して重み付けを行い、エリア別要求エネルギー量を演算する。
このエリア別環境提供制御システムでは、第1演算部が、社会状況に関する情報に基づき、個人等情報記憶部の情報のそれぞれに対して重み付けを行う。その重み付けに応じて、第1演算部が、エリア別要求エネルギー量を演算する。
したがって、個人等情報記憶部の情報が複数ある場合に、それらの情報の重み付けを社会状況に応じて変えながら、エリア別要求エネルギー量を演算することができる。このため、社会状況が変化した場合でも、省エネルギー化を行いながら会社のオフィス等の知的生産性をできるだけ高く維持することができる。
請求項8に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項1に記載のエリア別環境提供制御システムである。目標上限値は、複数のエリアにおける消費エネルギーの実績値および複数のエリアに関する実環境情報から、現在から近い将来までの所定期間に環境提供装置が消費すると予測できるエネルギー量に基づいて決定した値である。つまり、日々のエネルギー量を予測してその値に所定値(例えば、0.9)を乗じた値等である。
このエリア別環境提供制御システムでは、目標上限値が、複数のエリアにおける消費エネルギーの実績値および複数のエリアに関する実環境情報から、現在から近い将来までの所定期間に環境提供装置が消費すると予測できるエネルギー量に基づいて決定した値である。
したがって、環境変動が大きな条件下であっても前もって適切な目標上限値を設定できる。
なお、エリアに関する実環境情報は、エリアにおける空調負荷を含む。
請求項9に記載のエリア別環境提供制御システムは、複数のエリアそれぞれに対して環境を提供する環境提供装置を制御するエリア別環境提供制御システムであって、個人等情報記憶部と、要望入力部と、環境提供制御部とを備える。個人等情報記憶部は、それぞれのエリアに属する個人及び/又は団体に関する情報を記憶する。要望入力部は、個人及び/又は団体から環境に関する要望を受ける。環境提供制御部は、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望と個人等情報記憶部の情報とに基づいて制限した設定範囲内において、それぞれのエリアに対して環境提供制御を行う。
このエリア別環境提供制御システムでは、個人等情報記憶部が、それぞれのエリアに属する個人及び/又は団体に関する情報を記憶する。また、要望入力部が、個人及び/又は団体から環境に関する要望を受ける。そして、環境提供制御部が、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望と個人等情報記憶部の情報とに基づいて制限した設定範囲内において、それぞれのエリアに対して環境提供制御を行う。
したがって、環境提供制御部が制御する設定範囲が、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望に基づいているので、エリア別環境提供制御システムは、個人等の要望に則した環境をできるだけ提供するように環境提供装置を制御することができる。また、環境提供制御部が制御する設定範囲が制限されているので、省エネルギー化を期待することができる。さらに、環境提供制御部が制御する設定範囲が、個人等情報記憶部の情報に基づいているので、生産性の高い管理職や専門職等に優先的に快適な環境を提供するようにすれば、エリア別環境提供制御システムは省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性を高く維持できることが期待できる。
なお、環境とは、例えば、空調環境、照明環境あるいは音環境等を含む。また、個人等情報記憶部、要望入力部および環境提供制御部は同一装置内に内蔵されていてもよい。個人等情報とは、個人及び/又は団体の査定に関する情報、個人及び/又は団体の業務内容に関する情報、個人の快適感受性に関する情報、個人及び/又は団体が利用する空間のグレード(レンタルオフィス等の場合に適用される。)に関する情報、個人及び/又は団体の不在に関する情報、個人及び/又は団体について撮影した画像に関する情報、個人の生理量に関する情報、個人の健康状態に関する情報、個人及び/又は団体における執務状況に関する情報、個人及び/又は団体における作業誤り状況に関する情報、並びに個人の年齢・性別に関する情報等である。
請求項10に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項9に記載のエリア別環境提供制御システムであって、演算部をさらに備える。演算部は、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望と個人等情報記憶部の情報とに基づいて、設定範囲を演算する。環境提供制御部は、個人等情報記憶部の情報に基づく優先度に応じて個人及び/又は団体に提供する環境を制御する。
このエリア別環境提供制御システムでは、演算部が、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望と個人等情報記憶部の情報とに基づいて、設定範囲を演算する。このため、環境提供制御部が制御する設定範囲を前もって制限することができる。そして、環境提供制御部は、個人等情報記憶部の情報に基づく優先度に応じて個人及び/又は団体に提供する環境を制御する。
したがって、環境提供制御部が制御する設定範囲が、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望に基づいているので、エリア別環境提供制御システムは、個人等の要望に則した環境をできるだけ提供するように環境提供装置を制御することができる。また、環境提供制御部が制御する設定範囲を制限することができるので、省エネルギー化を期待することができる。さらに、環境提供制御が行われるに際して知的生産性の高い管理職や専門職等に提供される環境が優先的に制御されないように設定することができれば、エリア別環境提供制御システムは省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性を高く維持できると期待できる。
請求項11に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項10に記載のエリア別環境提供制御システムであって、演算部は、個人及び/又は団体それぞれの要望と複数のエリアに関する実環境情報とに基づき、設定範囲を演算する。
このエリア別環境提供制御システムでは、演算部が、個人及び/又は団体それぞれの要望と複数のエリアに関する実環境情報とに基づき、設定範囲を演算する。
したがって、複数のエリアの環境が変動する場合等に、複数のエリアそれぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギー量を正確に推測することができる。
請求項12に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項11に記載のエリア別環境提供制御システムであって、演算部は、複数のエリアに関する過去および現在の実環境情報から近い未来のエリアに関する環境を予測し、その予測を基に設定範囲を演算する。
このエリア別環境提供制御システムでは、演算部が、複数のエリアに関する過去および現在の実環境情報から近い未来のエリアに関する環境を予測し、その予測を基に設定範囲を演算する。
このため、複数のエリアの環境変動を前もって推測できる。したがって、複数のエリアそれぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギーを前もって推測できる。
請求項13に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項9に記載のエリア別環境提供制御システムであって、環境提供制御部は、個人等情報記憶部の情報から、それぞれのエリアに対して重みづけを行い、その重みづけに応じて環境提供制御を行う。
このエリア別環境提供制御システムでは、環境提供制御部が、個人等情報記憶部の情報から、それぞれのエリアに対して重みづけを行う。その重みづけに応じて、環境提供制御部が、環境提供制御を行う。
したがって、エリア別環境提供制御システムは、省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性をエリア別にできるだけ高く維持できるように制御できる。
請求項14に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項9から13のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システムである。個人等情報記憶部の情報は、個人及び/又は団体の査定に関する情報、個人及び/又は団体の業務内容に関する情報、個人の快適感受性に関する情報、個人及び/又は団体が利用する空間のグレードに関する情報、個人及び/又は団体の不在に関する情報、個人及び/又は団体について撮影した画像に関する情報、個人の生理量に関する情報、個人の健康状態に関する情報、個人及び/又は団体における執務状況に関する情報、個人及び/又は団体における作業誤り状況に関する情報、並びに個人の年齢・性別に関する情報の少なくとも1つを含む。
このエリア別環境提供制御システムでは、個人等情報記憶部の情報は、個人及び/又は団体の査定に関する情報、個人及び/又は団体の業務内容に関する情報、個人の快適感受性に関する情報、個人及び/又は団体が利用する空間のグレードに関する情報、個人及び/又は団体の不在に関する情報、個人及び/又は団体について撮影した画像に関する情報、個人の生理量に関する情報、個人の健康状態に関する情報、個人及び/又は団体における執務状況に関する情報、個人及び/又は団体における作業誤り状況に関する情報、並びに個人の年齢・性別に関する情報の少なくとも1つを含む。
したがって、エリア別環境提供制御システムは、個人及び/又は団体に関する情報を詳細に考慮して制御することができる。このため、省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性をできるだけ高く維持できるように詳細に制御することができる。
なお、快適感受性は、例えば、人間の体感温度を考慮した指標(例えば、PMV等)、疲労感、ストレス感、覚醒度などを含む。健康状態は、例えば、疾病(例えば、風邪など)、疲労(例えば肩こりなど)、環境変化への適応能力(例えば、体温調節機能)の強弱などを含む。執務状況は、例えば、作業内容、作業の経過時間、作業の残時間、作業姿勢などを含む。作業誤り状況は、例えば、作業ミス発生時に観察される行為(例えば、DELキーやBSキーの入力)の発生率・発生量などを含む。
請求項15に記載のエリア別環境提供制御システムは、請求項9から14のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システムであって、演算部は、社会状況に関する情報に基づき、個人等情報記憶部の情報のそれぞれに対して重み付けを行い、設定範囲を演算する。
このエリア別環境提供制御システムでは、演算部が、社会状況に関する情報に基づき、個人等情報記憶部の情報のそれぞれに対して重み付けを行う。その重み付けに応じて、演算部が、設定範囲を演算する。
したがって、個人等情報記憶部の情報が複数ある場合に、それらの情報の重み付けを社会状況に応じて変えながら、設定範囲を演算することができる。このため、社会状況が変化した場合でも、省エネルギー化を行いながら会社のオフィス等の知的生産性をできるだけ高く維持することができる。
請求項1に記載のエリア別環境提供制御システムでは、個人等の要望に則した環境をできるだけ提供するように環境提供装置を制御することができる。また、環境提供制御部がそれぞれのエリアに対して環境提供制御を行う場合、生産性の高い管理職や専門職等に優先的に快適な環境を提供するようにすれば、エリア別環境提供制御システムは省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性を高く維持できることが期待できる。
請求項2に記載のエリア別環境提供制御システムでは、第2演算部で求めた和が目標上限値より小さい場合には、エリア別環境提供制御システムは、環境提供装置に対して個人等の要望に則した環境を提供するように制御することができる。一方、第2演算部で求めた和が目標上限値より大きい場合には、環境提供制御が行われるに際して知的生産性の高い管理職や専門職等に提供される環境が優先的に制御されないように設定することができれば、エリア別環境提供制御システムは省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性を高く維持できると期待できる。
請求項3に記載のエリア別環境提供制御システムでは、複数のエリアの環境が変動する場合等に、複数のエリアそれぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギー量を正確に推測することができる。
請求項4に記載のエリア別環境提供制御システムでは、複数のエリアの環境変動を前もって推測できる。したがって、複数のエリアそれぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギーを前もって推測できる。
請求項5に記載のエリア別環境提供制御システムでは、エリア別環境提供制御システムは、省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性をエリア別にできるだけ高く維持できるように制御できる。
請求項6に記載のエリア別環境提供制御システムでは、エリア別環境提供制御システムは、個人及び/又は団体に関する情報を詳細に考慮して制御することができる。このため、省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性をできるだけ高く維持できるように詳細に制御することができる。
請求項7に記載のエリア別環境提供制御システムでは、個人等情報記憶部の情報が複数ある場合に、それらの情報の重み付けを社会状況に応じて変えながら、エリア別要求エネルギー量を演算することができる。このため、社会状況が変化した場合でも、省エネルギー化を行いながら会社のオフィス等の知的生産性をできるだけ高く維持することができる。
請求項8に記載のエリア別環境提供制御システムでは、環境変動が大きな条件下であっても前もって適切な目標上限値を設定できる。
請求項9に記載のエリア別環境提供制御システムでは、環境提供制御部が制御する設定範囲が、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望に基づいているので、エリア別環境提供制御システムは、個人等の要望に則した環境をできるだけ提供するように環境提供装置を制御することができる。また、環境提供制御部が制御する設定範囲が制限されているので、省エネルギー化を期待することができる。さらに、環境提供制御部が制御する設定範囲が、個人等情報記憶部の情報に基づいているので、生産性の高い管理職や専門職等に優先的に快適な環境を提供するようにすれば、エリア別環境提供制御システムは省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性を高く維持できることが期待できる。
請求項10に記載のエリア別環境提供制御システムでは、環境提供制御部が制御する設定範囲が、要望入力部で受けた個人及び/又は団体それぞれの要望に基づいているので、エリア別環境提供制御システムは、個人等の要望に則した環境をできるだけ提供するように環境提供装置を制御することができる。また、環境提供制御部が制御する設定範囲を制限することができるので、省エネルギー化を期待することができる。さらに、環境提供制御が行われるに際して知的生産性の高い管理職や専門職等に提供される環境が優先的に制御されないように設定することができれば、エリア別環境提供制御システムは省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性を高く維持できると期待できる。
請求項11に記載のエリア別環境提供制御システムでは、複数のエリアの環境が変動する場合等に、複数のエリアそれぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギー量を正確に推測することができる。
請求項12に記載のエリア別環境提供制御システムでは、複数のエリアの環境変動を前もって推測できる。したがって、複数のエリアそれぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギーを前もって推測できる。
請求項13に記載のエリア別環境提供制御システムでは、エリア別環境提供制御システムは、省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性をエリア別にできるだけ高く維持できるように制御できる。
請求項14に記載のエリア別環境提供制御システムでは、エリア別環境提供制御システムは、個人及び/又は団体に関する情報を詳細に考慮して制御することができる。このため、省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス等の知的生産性をできるだけ高く維持できるように詳細に制御することができる。
請求項15に記載のエリア別環境提供制御システムでは、個人等情報記憶部の情報が複数ある場合に、それらの情報の重み付けを社会状況に応じて変えながら、設定範囲を演算することができる。このため、社会状況が変化した場合でも、省エネルギー化を行いながら会社のオフィス等の知的生産性をできるだけ高く維持することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るパーソナル空調制御システム80の構成図を図1に示す。ここに示すパーソナル空調制御システム80は、オフィス40のデスク空間11a,12a,13a,14aそれぞれに空調環境を提供するためのシステムである。
[パーソナル空調制御システムのシステム構成に関する説明]
図1に示すパーソナル空調制御システム80は、主として、複数のデスク11,12,13,14、空調環境設定部30、空調環境測定部20、個人情報記憶部50およびシステム制御部60を備える。デスク11,12,13,14は、主として、空気調和機1,2,3,4を内蔵している。なお、このデスク11,12,13,14の近傍空間をデスク空間11a,12a,13a,14aとする。ここでは、空調環境設定部30および空調環境測定部20は、デスク空間11a,12a,13a,14aの内部に設けられる。また、個人情報記憶部50とシステム制御部60等は、管理室70に設置される。一方、空気調和機内蔵デスク11,12,13,14、空調環境測定部20および空調環境設定部30等は、オフィス40内に設けられる。
[パーソナル空調制御システム80のシステム構成要素に関する説明]
(1)デスク11,12,13,14
デスク11,12,13,14は、図2に示すように、主として空気調和機1,2,3,4を内蔵している。空気調和機1,2,3,4は、主として、圧縮機110、凝縮器120、蒸発器130、クロスフローファン140、プロペラファン150および吹き出し口160等を備える。このうち、圧縮機110、凝縮器120、蒸発器130、クロスフローファン140およびプロペラファン150は、デスク11,12,13,14の背面にある箱体270の中に内蔵される。吹き出し口160は、デスク11,12,13,14の前面パネルに設けられる。圧縮機110、凝縮器120、蒸発器130等を利用して生成された調和空気は、クロスフローファン140によって吹き出し口160を介してそのデスク空間11a,12a,13a,14aに供給される。
(2)空調環境設定部30
空調環境設定部30は、主として温度設定部(図示せず)と湿度設定部(図示せず)とを備える。温度設定部(図示せず)により、個人は、その個人のデスク空間11a,12a,13a,14aに対して要望する温度を設定することができる。湿度設定部(図示せず)により、個人は、その個人のデスク空間11a,12a,13a,14aに対して要望する湿度を設定することができる。
(3)空調環境測定部20
空調環境測定部20は、主として温度センサ(図示せず)と湿度センサ(図示せず)とを備える。温度センサ(図示せず)は、デスク空間11a,12a,13a,14aの温度を測定する。湿度センサ(図示せず)は、デスク空間11a,12a,13a,14aの湿度を測定する。
(4)個人情報記憶部50
個人情報記憶部50は、個人情報を記憶する。ここでは、個人の査定情報を記憶する。なお、査定情報は、1から10の数字で表される。査定情報における数字の大きい者が、知的生産性が高いと評価されている。
(5)システム制御部60
システム制御部60は、主として第1演算部61、第2演算部62および空調制御部63等を備える。第1演算部61は、空調環境設定部30で設定される温度と、空調環境測定部20から取得される温度とから、個人の要望を満たすための空気調和機1,2,3,4の運転に要する電力量を演算する。また、第2演算部62は、それぞれの空気調和機1,2,3,4の運転に要する電力量の総和を演算する。そして、空調制御部63は、第2演算部62で求めた電力量の総和が目標電力量上限値よりも小さい場合は、全ての個人に要望に則した空調環境を提供する。また、第2演算部62で求めた電力量の総和が目標電力量上限値よりも大きい場合は、個人の査定情報に基づいて空調制御を行う。なお、目標電力量上限値は、複数のデスク空間11a,12a,13a,14aにおける消費電力量の実績値および複数のデスク空間11a,12a,13a,14aに関する空調負荷量から、現在から近い将来までの所定期間に空気調和機1,2,3,4が消費すると予測できる電力量に基づいて決定した値である。デスク空間11a,12a,13a,14aにおける消費電力量の実績値は、電力量計(図示せず)で測定された値である。デスク空間11a,12a,13a,14aに関する空調負荷量は、デスク空間11a,12a,13a,14aの間取りや窓に面した方角や窓の面積や外気温の推定値などから計算されたものであり、デスク空間11a,12a,13a,14aへの流入熱量とデスク空間11a,12a,13a,14aでの発生熱量との合計である。
空調制御の具体例を以下に示す。なお、ここでは、冷房運転の場合を例にとって、Aさんのデスク空間がデスク空間11a、Bさんのデスク空間がデスク空間12a、Cさんのデスク空間がデスク空間13aの場合について説明する。
=具体例=
―初期設定の場合1―
(条件1)
目標電力量上限値を所定時間(例えば、1時間)当たり120kWhとする。
(条件2)
各個人のある時点での設定温度が以下に示す値であったとする。また、そのときの第2演算部62で求めた所定時間における電力量の総和が115kWhであったとする。
Aさん:要求値、21℃
Bさん:要求値、28℃
Cさん:要求値、27℃
(結果)
電力量の総和が目標電力量上限値以下であるので、各個人の要求が満たされる。
結果として、
Aさんのデスク空間11a:21℃
Bさんのデスク空間12a:28℃
Cさんのデスク空間13a:27℃
となるように空調機1,2,3が制御される。
―初期設定の場合2―
(条件1)
目標電力量上限値を所定時間(例えば、1時間)当たり120kWhとする。
(条件2)
BさんおよびCさんが空気調和機2,3を運転しているところへ、Aさんが出社してきてAさんが空気調和機1の運転を開始した。このときの設定温度が以下の値であったとする。また、そのときの第2演算部62で求めた所定時間における電力量の総和が125kWhであったとする。
Aさん:要求値、20℃
Bさん:要求値、23℃
Cさん:要求値、23℃
(条件3)
以下の査定値が個人情報記憶部50に記憶されていたとする。
Aさん:10
Bさん: 5
Cさん: 1
(結果)
5kWh過剰であるので、5kWhを削減する必要がある。
査定の大きい人に制御をかけないように、5kWhを按分する。ここでは、最大の査定値からの差をそれぞれ求め、その値を利用して按分を行う。
つまり、
Aさん:10−10=0
Bさん:10− 5=5
Cさん:10− 1=9
を利用して、削減すべき5kWhを按分する。便宜的に1℃の温度変更で、1kWh増加すると仮定すると、
Aさん:5kWh×0/14=0kWh→要望が満たされる。
Bさん:5kWh×5/14=1.785kWh→設定温度よりも1.78℃上昇。
Cさん:5kWh×9/14=3.214kWh→設定温度よりも3.21℃上昇。
結果として、
Aさんのデスク空間11a:20℃
Bさんのデスク空間12a:24.78℃
Cさんのデスク空間13a:26.21℃
となるように空調機1,2,3が制御される。
―設定変更の場合1―
(条件1)
目標電力量上限値を所定時間(例えば、1時間)当たり120kWhとする。
(条件2)
各個人のある時点での設定温度が以下の値であったとする。また、そのときの第2演算部62で求めた所定時間における電力量の総和が115kWhであったとする。
Aさん:要求値、21℃
Bさん:要求値、28℃
Cさん:要求値、27℃
(条件3)
以下の査定値が個人情報記憶部50に記憶されていたとする。
Aさん:10
Bさん: 5
Cさん: 1
(条件4)
以下の要求変更があったとする。
Aさん:要求値、21℃→20℃
Bさん:要求値、28℃→23℃
Cさん:要求値、27℃→25℃
(結果)
目標電力量上限値に対して電力量の総和が5kWh余裕があるので、5kWhまでの増加なら要求値の変更は認められる。便宜的に1℃の温度変更で、1kWh増加すると仮定する。各人の要求を全て満たす場合の電力量増加量は、
Aさん:1kWh
Bさん:5kWh
Cさん:2kWh
合計8kWhとなり、3kWhオーバーとなる。
査定の大きい人に制御をかけないように、削減すべき3kWhを按分する。ここでは、最大の査定値からの差をそれぞれ求め、その値を利用して按分を行う。
つまり、
Aさん:10−10=0
Bさん:10− 5=5
Cさん:10− 1=9
を利用して、削減すべき3kWhを按分する。便宜的に1℃の温度変更で、1kWh増加すると仮定すると、
Aさん:3kWh×0/14=0kWh→要望が満たされる。
Bさん:3kWh×5/14=1.071kWh→設定温度よりも1.07℃上昇。
Cさん:3kWh×9/14=1.928kWh→設定温度よりも1.93℃上昇。
結果として、
Aさんのデスク空間11a:20℃
Bさんのデスク空間12a:24.07℃
Cさんのデスク空間13a:26.93℃
となるように空調機1,2,3が制御される。
―設定変更の場合2―
(条件1)
目標電力上限値を所定時間(例えば、1時間)当たり120kWhとする。
(条件2)
各個人のある時点での設定温度が以下の値であったとする。また、そのときの第2演算部62で求めた所定時間における電力量の総和が115kWhであったとする。
Aさん:要求値、21℃
Bさん:要求値、28℃
Cさん:要求値、27℃
(条件3)
以下の査定値が個人情報記憶部50に記憶されていたとする。
Aさん:10
Bさん: 5
Cさん: 1
(条件4)
以下の要求変更があったとする。
Aさん:要求値、21℃→22℃
Bさん:要求値、28℃→23℃
Cさん:要求値、27℃→25℃
(結果)
5kWh余裕があるので、5kWhまでの増加なら要求値の変更は認められる。便宜的に1℃の温度変更で、1kWh増加すると仮定する。各人の要求を全て満たす場合のエネルギー増加量は、
Aさん:−1kWh
Bさん:5kWh
Cさん:2kWh
合計6kWhとなり、1kWhオーバーとなる。
査定の大きい人に制御をかけないように、削減すべき1kWhを按分する。ここでは、最大の査定値からの差をそれぞれ求め、その値を利用して按分を行う。
つまり、
Aさん:10−10=0
Bさん:10− 5=5
Cさん:10− 1=9
を利用して、削減すべき1kWhを按分する。便宜的に1℃の温度変更で、1kWh増加すると仮定すると、
Aさん:1kWh×0/14=0kWh→要望が満たされる。
Bさん:1kWh×5/14=0.357kWh→設定温度よりも0.36℃上昇。
Cさん:1kWh×9/14=0.642kWh→設定温度よりも0.64℃上昇。
結果として、
Aさんのデスク空間11a:22℃
Bさんのデスク空間12a:23.36℃
Cさんのデスク空間13a:25.64℃
となるように空調機1,2,3が制御される。
[パーソナル空調制御システム80の接続形態に関する説明]
デスク11,12,13,14に内蔵される空気調和機1,2,3,4は、システム制御部60に接続されている。空調環境設定部30は、デスク11,12,13,14に内蔵される空気調和機1,2,3,4に接続されている。空調環境測定部20も、デスク11,12,13,14に内蔵される空気調和機1,2,3,4に接続されている。個人情報記憶部50は、システム制御部60に接続されている。
[パーソナル空調制御システム80の制御の流れに関する説明]
図3は、パーソナル空調制御システム80の制御の流れを示す。
ステップS1では、図1に示す第1演算部61により、空調環境設定部30で設定されたデスク空間11a,12a,13a,14aに対する温度の要求値と、空調環境測定部20から取得されるデスク空間11a,12a,13a,14aの測定温度とから、空気調和機1,2,3,4それぞれに要する電力量が算出される。図3に示すステップS2では、図1に示す第2演算部62により、全ての個人の要求を満たすための総電力量Wbが算出される。図3に示すステップS3では、図1に示す空調制御部63により、Wbが目標電力量上限値以下であるか否かがが判断される。Wbが目標電力量上限値以下であると判断された場合は、図3に示すステップS4へ進められ、Wbが目標電力量上限値以下でないと判断された場合は、ステップS5へ進められる。ステップS4では、図1に示す空調制御部63により、全ての個人の要求を満たすように電力量が配分される。図3に示すステップS5では、図1に示す空調制御部63により、個人の要求分から電力量の合計が算出される。そして、超過分が、個人の査定情報に基づいて配分される。さらに、個人の温度の要求値が配分された電力量に相当する分だけ修正される。図3に示すステップS6では、図1に示す空調制御部63により、修正後の温度で空気調和機1,2,3,4の運転が制御される。
[パーソナル空調制御システム80の特徴]
(1)
ここでは、図1に示す個人等情報記憶部50が、それぞれのデスク空間11a,12a,13a,14aに属する個人に関する情報を記憶する。また、空調環境設定部30が、個人から温度に関する要望を受ける。そして、システム制御部60が、複数のデスク空間11a,12a,13a,14aに対する環境の提供に必要な電力量が所定の目標電力量上限値を超えないように、空調環境設定部30で受けた個人の温度の要求値と個人情報記憶部50に記憶されている個人の査定情報とに基づいて、それぞれのデスク空間11a,12a,13a,14aに対して空気調和制御を行う。
したがって、パーソナル空調制御システム80は、個人の温度の要求値に則した環境をできるだけ提供するように空気調和機1,2,3,4を制御する。また、システム制御部60がそれぞれのデスク空間11a,12a,13a,14aに対して空気調和制御を行う場合、生産性の高い管理職や専門職等に優先的に快適な環境を提供するので、パーソナル空調制御システム80が省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス40の知的生産性が高く維持される。
(2)
ここでは、図1に示す第1演算部61が、空調環境設定部30で受けた個人の温度の要求値に基づき、デスク空間11a,12a,13a,14aそれぞれにおける環境の提供に要する電力量を演算する。このため、デスク空間11a,12a,13a,14aそれぞれにおける環境の提供に要する電力量が前もって推測される。そして、第2演算部62が、デスク空間11a,12a,13a,14aの電力量の和を求める。このため、デスク空間11a,12a,13a,14aの電力量の和が前もって推測される。さらに、第2演算部62で求めた和が目標電力量上限値より小さい場合には、システム制御部60が、個人情報記憶部50の情報に拘わらず個人の温度の要求値に基づく空気調和制御を行う。一方、第2演算部62で求めた和が目標電力量上限値より大きい場合には、システム制御部60が、個人情報記憶部50に記憶された個人の査定情報に基づく優先度に応じて個人に提供する環境を制御する。
したがって、第2演算部62で求めた和が目標電力量上限値より小さい場合には、パーソナル空調制御システム80は、空気調和機1,2,3,4に対して個人の温度の要求値に則した環境を提供するように制御する。一方、第2演算部62で求めた和が目標電力量上限値より大きい場合には、空気調和制御が行われるに際して知的生産性の高い管理職や専門職等に提供される環境が優先的に制御されないように設定することが可能であるので、パーソナル空調制御システム80が省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス40の知的生産性が高く維持される。
(3)
ここでは、システム制御部60が、個人情報記憶部50に記憶された個人の査定情報からそれぞれのデスク空間11a,12a,13a,14aに対して重みづけを行い、その重みづけに応じて削減すべき電力量を按分し、個人の温度の要求値を按分した電力量に相当する分だけ修正した温度で空調環境を提供する。
したがって、パーソナル空調制御システム80が省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス40の知的生産性がデスク空間11a,12a,13a,14a別にできるだけ高く維持される。
(4)
ここでは、目標電力量上限値が、複数のデスク空間11a,12a,13a,14aにおける消費電力量の実績値および複数のデスク空間11a,12a,13a,14aに関する空調負荷量から、現在から近い将来までの所定期間に空気調和機1,2,3,4が消費すると予測できるエネルギー量に基づいて決定した値である。
したがって、環境変動が大きな条件下であっても前もって適切な目標電力量上限値が設定される。
<本実施形態の変形例>
(A)目標電力量上限値の変形例
目標電力量上限値を、空気調和機1,2,3,4の運転に要する総電力量の実績値およびデスク空間11a,12a,13a,14aの温度データから、現在から近い将来までの所定期間(例えば、現時刻から1時間先まで。)に空気調和機1,2,3,4が消費すると予測できる電力量に基づいて決定した値としてもよい。また、目標電力量上限値を、オフィス40の空調負荷の実績値およびデスク空間11a,12a,13a,14aの空調負荷データから、現在から近い将来までの所定期間(例えば、現時刻から1時間先まで。)において空気調和機1,2,3,4に必要とされると予測できる空調負荷量に基づいて決定した値としてもよい。あるいは、目標電力量上限値を、天気情報、気温情報、湿度情報、気圧情報、風速情報、台風情報、日照時間予測情報、天体観測情報など空調負荷以外の環境情報に基づいて決定した値としてもよい。これらの場合、環境変動が大きな条件下であっても前もって適切な目標上限値を設定できる。
(B)個人情報による重みづけの第1変形例
第1実施形態では、個人の査定情報に基づいて個人の電力量の配分を行ったが、これに代えて、団体の査定情報や個人及び団体の査定情報や個人及び/又は団体の業務内容や個人の快適感受性等に基づいて個人及び団体の電力量の配分を行ってもよい。また、個人及び/又は団体がレンタルオフィス等を使用しているような場合は、個人及び/又は団体が利用するオフィスのグレードに関する情報に基づいて個人及び/又は団体の使用する電力量の配分を行うことも考えられる。あるいは、個人及び/又は団体の不在に関する情報、個人及び/又は団体について撮影した画像に関する情報、個人の生理量に関する情報、個人の健康状態に関する情報、個人及び/又は団体における執務状況に関する情報、個人及び/又は団体における作業誤り状況に関する情報、並びに個人の年齢・性別に関する情報に基づいて個人及び/又は団体の使用する電力量の配分を行うことも考えられる。例えば、業務内容が営業の人と内勤の人とがいた場合、営業の人が不在から在室に変わった直後であれば営業の人に優先的に快適な環境を提供し、営業の人が不在から在室に変わってから一定時間経過後であれば営業の人と内勤の人とに均等に快適な環境を提供するように制御することが考えられる。なお、快適感受性は、例えば、人間の体感温度を考慮した指標(例えば、PMV等)、疲労感、ストレス感、覚醒度などを含む。健康状態は、例えば、疾病(例えば、風邪など)、疲労(例えば肩こりなど)、環境変化への適応能力(例えば、体温調節機能)の強弱などを含む。執務状況は、例えば、作業内容、作業の経過時間、作業の残時間、作業姿勢などを含む。作業誤り状況は、例えば、作業ミス発生時に観察される行為(例えば、DELキーやBSキーの入力)の発生率・発生量などを含む。
以下には、個人情報に快適感受性として疲労感を用いて重みづけする例を示した。なお、疲労感は、1から10の数字で表される。疲労感における数字の大きい者が、疲労感が大きいと評価されている。また、ここでは、冷房運転の場合を例にとって、Aさんのデスク空間がデスク空間11a、Bさんのデスク空間がデスク空間12a、Cさんのデスク空間がデスク空間13aの場合について説明する。
―初期設定の場合―
(条件1)
目標電力量上限値を所定時間(例えば、1時間)当たり120kWhとする。
(条件2)
BさんおよびCさんが空気調和機2,3を運転しているところへ、Aさんが出社してきてAさんが空気調和機1の運転を開始した。このときの設定温度が以下の値であったとする。また、そのときの第2演算部62で求めた所定時間における電力量の総和が125kWhであったとする。
Aさん:要求値、20℃
Bさん:要求値、23℃
Cさん:要求値、23℃
(条件3)
以下の疲労感値が個人情報記憶部50に記憶されていたとする。
Aさん:10
Bさん: 5
Cさん: 1
(結果)
5kWh過剰であるので、5kWhを削減する必要がある。
疲労感の大きい人に制御をかけないように、5kWhを按分する。ここでは、最大の疲労感値からの差をそれぞれ求め、その値を利用して按分を行う。
つまり、
Aさん:10−10=0
Bさん:10− 5=5
Cさん:10− 1=9
を利用して、削減すべき5kWhを按分する。便宜的に1℃の温度変更で、1kWh増加すると仮定すると、
Aさん:5kWh×0/14=0kWh→要望が満たされる。
Bさん:5kWh×5/14=1.785kWh→設定温度よりも1.78℃上昇。
Cさん:5kWh×9/14=3.214kWh→設定温度よりも3.21℃上昇。
結果として、
Aさんのデスク空間11a:20℃
Bさんのデスク空間12a:24.78℃
Cさんのデスク空間13a:26.21℃
となるように空調機1,2,3が制御される。
―設定変更の場合―
(条件1)
目標電力量上限値を所定時間(例えば、1時間)当たり120kWhとする。
(条件2)
各個人のある時点での設定温度が以下の値であったとする。また、そのときの第2演算部62で求めた所定時間における電力量の総和が115kWhであったとする。
(条件3)
以下の疲労感値が個人情報記憶部50に記憶されていたとする。
Aさん:10
Bさん: 5
Cさん: 1
(条件4)
以下の要求変更があったとする。
Aさん:要求値、21℃→20℃
Bさん:要求値、28℃→23℃
Cさん:要求値、27℃→25℃
(結果)
5kWh余裕があるので、5kWhまでの増加なら要求値の変更は認められる。便宜的に1℃の温度変更で、1kWh増加すると仮定する。各人の要求を全て満たす場合のエネルギー増加量は、
Aさん:1kWh
Bさん:5kWh
Cさん:2kWh
合計8kWhとなり、3kWhオーバーとなる。
疲労感の大きい人に制御をかけないように、削減すべき3kWhを按分する。ここでは、最大の疲労感値からの差をそれぞれ求め、その値を利用して按分を行う。
つまり、
Aさん:10−10=0
Bさん:10− 5=5
Cさん:10− 1=9
を利用して、削減すべき3kWhを按分する。便宜的に1℃の温度変更で、1kWh増加すると仮定すると、
Aさん:3kWh×0/14=0kWh→要望が満たされる。
Bさん:3kWh×5/14=1.071kWh→設定温度よりも1.07℃上昇。
Cさん:3kWh×9/14=1.928kWh→設定温度よりも1.93℃上昇。
結果として、
Aさんのデスク空間11a:20℃
Bさんのデスク空間12a:24.07℃
Cさんのデスク空間13a:26.93℃
となるように空調機1,2,3が制御される。
(C)個人情報による重みづけの第2変形例
第1実施形態では、個人の査定情報に基づいて電力量配分を行ったが、これに代えて、空調環境を変更するにつれて変化する個人の生産性の向上量データやその向上量を金額換算した値に基づいて電力量配分を行ってもよい。このようにすれば、会社等は具体的な金銭メリットを考慮しつつパーソナル空調制御システム80を運用することができる。
(D)空調環境設定部30および空調環境測定部20の第1変形例
省エネルギーを行う場合には、温度調整又は湿度調整のどちらか消費電力量の大きい方を省エネルギーの対象としてもよい。また、温度調整および湿度調整に制御順位や消費電力閾値等を設けることより、バランスよく省エネルギーすること等も考えられる。さらに、湿度センサから取得される湿度データも考慮して空気調和機1,2,3,4の運転に要する電力量を算出することも考えられる。
(E)空調環境設定部30および空調環境測定部20の第2変形例
空調環境設定部30は、さらに風量・風向設定部(図示せず)を備えてもよい。また、空調環境測定部20は、さらに風量計(図示せず)を備えてもよい。そして、省エネルギー行う場合には、温度調整又は風量・風向調整のどちらか消費電力量の大きい方を省エネルギーの対象としてもよい。また、温度調整および風量・風向調整に制御順位や消費電力閾値等を設けることより、バランスよく省エネルギーすること等も考えられる。さらに、風量計から取得される風量データも考慮して空気調和機1,2,3,4の運転に要する電力量を算出することも考えられる。
(F)電力量算出の変形例
第1実施形態では、空調環境設定部30で設定されたデスク空間11a,12a,13a,14aに対して要望される温度および空調環境測定部20で測定されたデスク空間11a,12a,13a,14aの測定温度に基づいて空気調和機1,2,3,4それぞれの運転に要する電力量を算出したが、これに代えて、システム制御部60にデータベースを接続して、空調環境設定部30で設定されたデスク空間11a,12a,13a,14aに対して要望される温度およびデータベースに蓄積されたデスク空間11a,12a,13a,14aの温度データに基づいて空気調和機1,2,3,4の運転に要する近い未来の予測電力量を算出してもよい。
(G)空気調和機内蔵デスク11,12,13,14の変形例
第1実施形態では、空気調和機1,2,3,4の全てがデスク11,12,13,14に内蔵されていたが、これに代えて、空気調和機1,2,3,4の一部のみをデスク11,12,13,14に内蔵してその他の部分は一般的なセパレート式空気調和機と同様に屋外等に室外機として配置してもよい。
(H)個人情報記憶部50、空調環境設定部30およびシステム制御部60は同一装置内に内蔵されていてもよい。デスク11,12,13,14の個数は、3つ以下でも、5つ以上でもよい。デスク11,12,13,14のそれぞれは、2つ以上の空気調和機を備えていてもよい。あるいは、デスク11,12,13,14のうちに、空気調和機を備えないものがあってもよい。第1実施形態では、温度に関する要望しか空調環境設定部30に入力されていないが、湿度に関する要望が空調環境設定部30に入力されてもよい。第1実施形態では、空気調和機1,2,3,4によりデスク空間11a,12a,13a,14aが冷房される場合が示されているが、暖房されてもよく、加湿されてもよく、除湿されてもよい。なお、暖房時には、図2に示す凝縮器120が蒸発器となり、蒸発器130が凝縮器となる。湿度を制御しない場合、空調環境設定部30は、湿度設定部(図示せず)を備えなくてもよい。湿度を制御しない場合、空調環境測定部20は、湿度センサ(図示せず)を備えなくてもよい。
(I)図1に示す個人情報記憶部50は、社会状況に関する情報を記憶していてもよい。この場合、第1演算部61が、社会状況に関する情報に基づき、個人情報記憶部50の情報のそれぞれに対して重み付けを行う。その重み付けに応じて、第1演算部61が、電力量を演算する。したがって、個人情報記憶部50に記憶されている情報が複数種類ある場合に、それらの情報の重み付けを社会状況に応じて変えながら、電力量を演算することができる。このため、社会状況が変化した場合でも、省エネルギー化を行いながら会社のオフィス40の知的生産性をできるだけ高く維持することができる。
<照明環境への応用例>
パーソナル空調制御システム80は、パーソナル照明制御システム80であってもよい。この場合に制御の対象となるのは、デスク空間11a,12a,13a,14aにおける明るさである。このとき、明るさの測定が必要であれば、照度計などを利用できる。この場合、パーソナル照明制御システム80は、個人の明るさの要求値に則した環境をできるだけ提供するように照明機器を制御することができる。また、システム制御部60がそれぞれのデスク空間11a,12a,13a,14aに対して照明制御を行う場合、生産性の高い管理職や専門職等に優先的に快適な環境を提供するようにすれば、パーソナル照明制御システム80が省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス40の知的生産性が高く維持される。
<音環境への応用例>
パーソナル空調制御システム80は、パーソナル音制御システム80であってもよい。この場合に制御の対象となるのは、デスク空間11a,12a,13a,14aにおける会話をかき消すマスク音である。このとき、会話音の測定が必要であれば、マイクおよび音量レベルメータ等を利用できる。パーソナル音制御システム80は、個人のマスク音の要求値に則した環境をできるだけ提供するようにマスク音を制御することができる。また、システム制御部60がそれぞれのデスク空間11a,12a,13a,14aに対して音制御を行う場合、生産性の高い管理職や専門職等に優先的に快適な環境を提供するようにすれば、パーソナル空調制御システム80が省エネルギー化を行いながらも会社のオフィス40の知的生産性が高く維持される。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るパーソナル空調制御システム280を図4に示す。図4において、図1のパーソナル空調制御システム80の構成要素と同様の構成要素は同じ番号で示してある。ここに示すパーソナル空調制御システム280は、オフィス40のデスク空間11a,12a,13a,14aそれぞれに空調環境を提供するためのシステムである。
このパーソナル空調制御システム280は、基本的な構造は第1実施形態と同様であるが、図1に示す第1演算部61と第2演算部62とが備えられておらず、代わりに図4に示す管理室270のシステム制御部260に演算部261が備えられている点で構成が異なる。すなわち、演算部261は、空調環境設定部30で受けた個人の温度の要求値と個人情報記憶部50の情報とに基づいて、空調制御部63の制御可能な設定範囲を演算する。その設定範囲において、システム制御部260は、空気調和機1,2,3,4を制御する。したがって、システム制御部260が制御する設定範囲が制限されるので、省エネルギー化が期待される。
また、このパーソナル空調制御システム280は、制御の流れが第1実施形態と異なる。すなわち、図5に示すステップS11では、インフルエンザ情報などの社会状況に関する情報が取得される。インフルエンザ情報などの社会状況に関する情報は、図4に示す演算部261に受け取られる。図5に示すステップS12では、個人情報記憶部50の情報に対する重み付けが決定される。図4に示す演算部261において、個人情報記憶部50の情報のうち、健康状態に関する情報の重み付けが増やされ、個人の査定情報などの健康状態以外の情報の重み付けが減らされる。図5に示すステップS13では、図4に示す空調制御部63の制御可能な設定範囲が算出される。湿度の設定範囲は60%〜70%に制限され、温度の設定範囲は25℃〜28℃に制限される。図5に示すステップS14では、デスク空間11a,12a,13a,14aに対する重み付けが決定される。デスク空間11a,12a,13a,14aに対する重み付けの決定方法は、第1実施形態と同様である。図5に示すステップS15では、空調制御部63により、制限された設定範囲において、空気調和機1,2,3,4の運転が制御される。
設定範囲において、個人の要望があった場合は、個人の要望通りに制御される点は第1実施形態と同様である。また、査定の高い者に対して優先的に設定範囲が制限されないため、査定の高い者が優遇される点も第1実施形態と同様である。したがって、このようなパーソナル空調制御システム280によっても、要望する空調環境をできるだけ提供するようにしつつ省エネルギー化を行いながらもオフィス40の知的生産性が高く維持される。
本発明にかかるエリア別環境提供制御システムは、個人等の要望に適した環境をできるだけ提供するとともに、会社のオフィス等の知的生産性等を考慮しつつ環境提供装置の運転を制御して省エネルギー化を行うことができるという効果を有し、複数のエリアそれぞれに対して環境を提供する環境提供装置を制御するエリア別環境提供制御システム等として有用である。
本発明の第1実施形態によるパーソナル空調制御システムのブロック図。 本発明の第1実施形態による空気調和機内蔵デスクの構造を示す簡易図。 パーソナル空調制御システムの制御の流れを示すフローチャート。 本発明の第2実施形態によるパーソナル空調制御システムのブロック図。 パーソナル空調制御システムの制御の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1,2,3,4 空気調和機
11,12,13,14 デスク
11a,12a,13a,14a デスク空間
20 空調環境測定部
30 空調環境設定部
40 オフィス
50 個人情報記憶部
60,260 システム制御部
61 第1演算部
62 第2演算部
63 空調制御部
70,270 管理室
80,280 パーソナル空調制御システム
110 圧縮機
120 凝縮器
130 蒸発器
140 クロスフローファン
150 プロペラファン
160 吹き出し口
270 箱体

Claims (15)

  1. 複数のエリア(11a,12a,13a,14a)それぞれに対して環境を提供する環境提供装置(1,2,3,4)を制御するエリア別環境提供制御システム(80)であって、
    それぞれの前記エリア(11a,12a,13a,14a)に属する個人及び/又は団体に関する情報を記憶する個人等情報記憶部(50)と、
    前記個人及び/又は団体から環境に関する要望を受ける要望入力部(30)と、
    前記複数のエリア(11a,12a,13a,14a)に対する環境の提供に必要なエネルギー量が、所定の目標上限値を超えないように、前記要望入力部(30)で受けた前記個人及び/又は団体それぞれの要望と前記個人等情報記憶部(50)の情報とに基づいて、それぞれの前記エリア(11a,12a,13a,14a)に対して環境提供制御を行う環境提供制御部(60)と、
    を備えたエリア別環境提供制御システム(80)。
  2. 前記要望入力部(30)で受けた前記個人及び/又は団体それぞれの要望に基づき、前記エリア(11a,12a,13a,14a)それぞれにおける環境の提供に要するエリア別要求エネルギー量を演算する第1演算部(61)と、
    前記エリア(11a,12a,13a,14a)の前記エリア別要求エネルギー量の和を求める第2演算部(62)と、
    をさらに備え、
    前記環境提供制御部(60)は、前記第2演算部(62)で求めた和が前記目標上限値より小さい場合には前記個人等情報記憶部(50)の情報に拘わらず前記個人及び/又は団体それぞれの要望に基づく環境提供制御を行い、前記第2演算部(62)で求めた和が前記目標上限値より大きい場合には前記個人等情報記憶部(50)の情報に基づく優先度に応じて前記個人及び/又は団体に提供する環境を制御する、
    請求項1に記載のエリア別環境提供制御システム(80)。
  3. 前記第1演算部(61)は、前記個人及び/又は団体それぞれの要望と前記複数の前記エリア(11a,12a,13a,14a)に関する実環境情報とに基づき、前記エリア別要求エネルギー量を演算する、
    請求項2に記載のエリア別環境提供制御システム(80)。
  4. 前記第1演算部(61)は、前記複数の前記エリア(11a,12a,13a,14a)に関する過去および現在の実環境情報から近い未来の前記エリア(11a,12a,13a,14a)に関する環境を予測し、その予測を基に前記エリア別要求エネルギー量を演算する、
    請求項3に記載のエリア別環境提供制御システム(80)。
  5. 前記環境提供制御部(60)は、前記個人等情報記憶部(50)の情報から、それぞれの前記エリア(11a,12a,13a,14a)に対して重みづけを行い、その重みづけに応じて前記環境提供制御を行う、
    請求項1に記載のエリア別環境提供制御システム(80)。
  6. 前記個人等情報記憶部(50)の情報は、前記個人及び/又は団体の査定に関する情報、前記個人及び/又は団体の業務内容に関する情報、前記個人の快適感受性に関する情報、前記個人及び/又は団体が利用する空間のグレードに関する情報、前記個人及び/又は団体の不在に関する情報、前記個人及び/又は団体について撮影した画像に関する情報、前記個人の生理量に関する情報、前記個人の健康状態に関する情報、前記個人及び/又は団体における執務状況に関する情報、前記個人及び/又は団体における作業誤り状況に関する情報、並びに前記個人の年齢・性別に関する情報のうち少なくとも1つを含む、
    請求項1から5のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システム(80)。
  7. 前記第1演算部(61)は、社会状況に関する情報に基づき、前記個人等情報記憶部(50)の情報のそれぞれに対して重み付けを行い、前記エリア別要求エネルギー量を演算する、
    請求項1から6のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システム(80)。
  8. 前記目標上限値は、前記複数のエリア(11a,12a,13a,14a)における消費エネルギーの実績値および前記複数のエリア(11a,12a,13a,14a)に関する実環境情報から、現在から近い将来までの所定期間に環境提供装置(1,2,3,4)が消費すると予測できるエネルギー量に基づいて決定した値である、
    請求項1に記載のエリア別環境提供制御システム(80)。
  9. 複数のエリア(11a,12a,13a,14a)それぞれに対して環境を提供する環境提供装置(1,2,3,4)を制御するエリア別環境提供制御システム(80)であって、
    それぞれの前記エリア(11a,12a,13a,14a)に属する個人及び/又は団体に関する情報を記憶する個人等情報記憶部(50)と、
    前記個人及び/又は団体から環境に関する要望を受ける要望入力部(30)と、
    前記要望入力部(30)で受けた前記個人及び/又は団体それぞれの要望と前記個人等情報記憶部(50)の情報とに基づいて制限した設定範囲内において、それぞれの前記エリア(11a,12a,13a,14a)に対して環境提供制御を行う環境提供制御部(260)と、
    を備えたエリア別環境提供制御システム(280)。
  10. 前記要望入力部(30)で受けた前記個人及び/又は団体それぞれの要望と前記個人等情報記憶部(50)の情報とに基づいて、前記設定範囲を演算する演算部(261)をさらに備え、
    前記環境提供制御部(260)は、前記個人等情報記憶部(50)の情報に基づく優先度に応じて前記個人及び/又は団体に提供する環境を制御する、
    請求項9に記載のエリア別環境提供制御システム(280)。
  11. 前記演算部(261)は、前記個人及び/又は団体それぞれの要望と前記複数の前記エリア(11a,12a,13a,14a)に関する実環境情報とに基づき、前記設定範囲を演算する、
    請求項10に記載のエリア別環境提供制御システム(280)。
  12. 前記演算部(261)は、前記複数の前記エリア(11a,12a,13a,14a)に関する過去および現在の実環境情報から近い未来の前記エリア(11a,12a,13a,14a)に関する環境を予測し、その予測を基に前記設定範囲を演算する、
    請求項11に記載のエリア別環境提供制御システム(280)。
  13. 前記環境提供制御部(260)は、前記個人等情報記憶部(50)の情報から、それぞれの前記エリア(11a,12a,13a,14a)に対して重みづけを行い、その重みづけに応じて前記環境提供制御を行う、
    請求項9に記載のエリア別環境提供制御システム(280)。
  14. 前記個人等情報記憶部(50)の情報は、前記個人及び/又は団体の査定に関する情報、前記個人及び/又は団体の業務内容に関する情報、前記個人の快適感受性に関する情報、前記個人及び/又は団体が利用する空間のグレードに関する情報、前記個人及び/又は団体の不在に関する情報、前記個人及び/又は団体について撮影した画像に関する情報、前記個人の生理量に関する情報、前記個人の健康状態に関する情報、前記個人及び/又は団体における執務状況に関する情報、前記個人及び/又は団体における作業誤り状況に関する情報、並びに前記個人の年齢・性別に関する情報の少なくとも1つを含む、
    請求項9から13のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システム(80)。
  15. 前記演算部(261)は、社会状況に関する情報に基づき、前記個人等情報記憶部(50)の情報のそれぞれに対して重み付けを行い、前記設定範囲を演算する、
    請求項9から14のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システム(280)。
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