JP4536286B2 - 手持ち式衝撃レンチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インパクトレンチやオイルパルスレンチ等の手持ち式衝撃レンチを使用して、ボルトやナット等のねじの締付けを行う際や、ゆるめる際において、手振れの影響を除いた実際の締付け角度やゆるめ角度を計測する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車組立・整備工場等において多数のボルト・ナット等のねじの締付け作業を行う場合、全てのねじを均一な締付け力となるようにねじ締めを行う必要がある。このため、特公平6−16990号公報に記載されているように、駆動軸と共に回転する回転部材を被駆動軸回りに回転させてこの回転部材の回転力をハンマを介して被駆動軸に伝達することによりねじの締付けを行うと共にこのねじの締付け角度(ねじ回転角度)を上記駆動軸と一体的に回転する検出回転体とレンチ本体の非回転部に設けた検出センサとにより検出させるように構成した手持ち式インパクトレンチが開発されている。
【0003】
上記手持ち式インパクトレンチにおいて、検出回転体と検出センサとによってねじの締付け角度を検出させるには、回転部材がハンマを介して被駆動軸に衝突したのちに逆回転方向にリバウンドした時のパルス数R1 と、リバウンドした後にフリーランニングして再び衝突して打撃力を与え終わるまでの正転方向(締付け方向)のパルス数F1 とを検出し、これらのパルス数R1 、F1 から1回の打撃時におけるねじ回転角度相当パルス数をθ1 として、回転部材が1回転当たり1回の打撃をする構成のインパクトレンチの場合には、
θ1 =F1 −(360 °相当パルス数)−R1 (式1)
から算出している。そして、打撃毎に上記ねじ回転角度相当パルス数を算出した後、角度に変換してその累積角度が所定のねじ締付け角度に達した時に駆動軸を停止させている。
【0004】
また、オイルを介して回転部材の回転力を被駆動軸に伝達するように構成されたオイルパルスレンチが手持ち式衝撃レンチとして開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような従来の手持ち式衝撃レンチでは、リバウンド時のパルス数と正転時のパルス数とを検出し、それらを用いて式1からねじ回転角度相当パルス数θ1 を求めるので、ねじが着座してから所定のねじ締付け角度までの間にインパクトレンチを操作している作業員によって後述する手振れが発生した場合、その手振れ角度がそのままインパクトレンチの本体側に設けている検出センサによって検出されてねじ締付け角度に大きな誤差が生じるものと理解され、手持ち式衝撃レンチを用いてのねじ回転角度による締付け制御方法は普及しなかった。
【0006】
なお、本明細書の中で述べる「手振れ」とは、以下の3つの場合をさす。
1.ねじ中心は移動しないかまたは直線的に移動した場合で、衝撃レンチがねじ中心に対して回転する場合。
2.ねじ中心がその中心点以外の或る点を中心に回転し、(例えば自動車用ホイール取付けねじ)衝撃レンチはそのねじに釣られて平行移動する場合。
3.ねじ中心がその中心点以外の或る点を中心に回転し、かつ衝撃レンチがねじ中心に対して回転する場合。
ただし、ねじ中心が直線的に移動し、衝撃レンチがそのねじに釣られて平行移動する場合は、本明細書の中で述べる手振れに含まない。
【0007】
また、以下に示すA〜Eの5つの場合の何れかの手振れが生じた場合、ねじの回転角度は正味の回転角度よりも小さく検出される。
A.上記の1.の場合において、衝撃レンチがねじ締付け方向と同一方向に回転する場合。
B.上記の2.の場合において、ねじ中心がねじ締付け方向と反対方向に回転する場合。
C.上記の3.の場合において、衝撃レンチがねじ締付け方向と同一方向に回転し、ねじ中心がねじ締付け方向と反対方向に回転する場合。
D.上記の3.の場合において、ねじ中心がねじ締付け方向と同一方向に回転するが、その回転角度よりも大きく衝撃レンチがねじ締付け方向と同一方向に回転する場合。
E.上記の3.の場合において、衝撃レンチがねじ締付け方向と反対方向に回転するが、その回転角度よりも大きくねじ中心がねじ締付け方向と反対方向に回転する場合。
【0008】
なお、出願人が既に出願した発明以外には、締付け制御に限らず、ゆるめ制御においても適切な方法は提案されていなかった。
そのため、例えば、ナットをゆるめ方向にまわし過ぎた場合、ナットがボルトから脱落してしまい、床や地面の砂等が付着すると、後で締付けるときに、適切な締付けができなくなるという問題があった。また、動力工具でのゆるめかたが不十分であるとその後に手ではゆるめることができなかったりするという事が生じ、そのような場合には、再度何等かの工具を使用しなければならないので、作業性が悪いという問題があった。
あるいは、高所作業でねじのゆるめを行う際に、ゆるめ過ぎたナットがボルトから脱落してしまい、落下したナットにより下にいる人を危険に曝すという問題もあった。
【0009】
発明者等は、衝撃レンチによって実際に衝撃が加えられる時間は極めて短い瞬間(ミリセカンドオーダー)であるので、そのような短い時間に発生しうる手振れ角度は微小なものにしかなり得ないという知見を得て、かかる知見に基づいて、例え多少の手振れが発生しても、必要にして十分な精度でねじ回転角度を測定し得る方法を出願し、本発明においては、更に改良してより高精度の測定が可能な工具を提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、
回転部材がフリーランニング後に被駆動軸側へ打撃力を与えるという動作を繰り返すように構成された手持ち式衝撃レンチにおいて、
回転部材の回転に関する情報を検出する第1の検出手段と、
被駆動軸の回転に関する情報を検出する第2の検出手段と、
第1の検出手段にて検出した回転部材の回転に関する情報、及び第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転に関する情報に基づいて、手振れ角度を除いた被駆動軸の回転角度を計測する計測手段と、
を備え
前記計測手段は、第1の検出手段にて検出した回転部材の回転に関する情報に基づいて回転部材の減速期間を検出する減速期間検出手段と、
減速期間検出手段にて検出した減速期間の間のみ、
第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転に関する情報から被駆動軸の回転角度の累算値を得て、手振れ角度が除かれた被駆動軸の回転角度を計測する演算手段と、
から構成されている。
【0013】
請求項では、
回転部材がフリーランニング後に被駆動軸側へ打撃力を与えるという動作を繰り返すように構成された手持ち式衝撃レンチにおいて、
回転部材の回転に関する情報を検出する第1の検出手段と、
被駆動軸の回転に関する情報を検出する第2の検出手段と、
第1の検出手段にて検出した回転部材の回転に関する情報、及び第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転に関する情報に基づいて、手振れ角度を除いた被駆動軸の回転角度を計測する計測手段と、
を備え、
前記計測手段は、
第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転に関する情報から手振れ角度を算出する手振れ角度算出手段と、
第1の検出手段にて検出した回転部材の回転に関する情報と前記手振れ角度から、前記手振れ角度が除かれた被駆動軸の回転角度を計測する減算手段と、
から構成されている。
請求項では、
回転部材がフリーランニング後に被駆動軸側へ打撃力を与えるという動作を繰り返すように構成された手持ち式衝撃レンチにおいて、
被駆動軸の回転に関する情報を検出する第2の検出手段と、
第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転速度もしくはその変化が所定値より大きい期間のみの被駆動軸の回転角度を累算して、手振れ角度が除かれた被駆動軸の回転角度を計測する計測手段と、
を備えている。
【0014】
請求項では、
計測手段によって計測された、被駆動軸の回転角度の総和が予め設定された角度に達したときに打撃力を停止させる制御手段を、
備えている。
請求項では、
打撃力の発生方向を、締付け方向、もしくはゆるめ方向に切り換える切替え手段を備えている。
ただし、右ねじの場合は、締付け方向とは右回転方向のことを指し、ゆるめ方向とは左回転方向を指す。左ねじの場合は、その逆向きの回転方向を指す。
なお、前記第1の検出手段にて検出した回転部材の回転に関する情報とは、回転部材の回転角度、回転速度(角速度)、角加速度、減速開始時点、回転方向、および回転方向の変化を含むものである。
また、前記第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転に関する情報とは、被駆動軸の回転角度、回転速度(角速度)、角加速度、減速開始時点、回転方向、および回転方向の変化を含むものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に用いる手持ち式衝撃レンチを図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明に用いる手持ち式衝撃レンチの一例として、衝撃時にリバウンドを生じるレンチであるインパクトレンチの要部の縦断側面図である。なお、以下に述べるインパクトレンチやオイルパルスレンチ等の衝撃レンチはすべて手持ち式のものとする。
【0017】
図中において、
1は本発明に用いるインパクトレンチ、2はこのインパクトレンチ1の内部に設けられたエアモータ、3はこのエアモータ2の駆動軸、4はこの駆動軸3の前端に一体に連結された回転円筒部材である。この回転円筒部材の円板形状の後壁板4aにおける中心部は四角の凹凸の嵌め合わせ構造によって前記駆動軸3に一体に連結されている。
なお、インパクトレンチ1は特許請求の範囲に記載された手持ち式衝撃レンチの一つの実施形態であり、ねじの締付けとゆるめの両方に用いられる工具である。また、回転円筒部材4は特許請求の範囲に記載された回転部材の一つの実施形態である。
【0018】
なお、前記エアモータ2は、公知のように、外部から空気供給通路(図示せず)を通じて圧縮空気を供給し、操作レバー20及び切替えレバー21を操作することによって、圧縮空気により右方向又は左方向に高速回転させられる構成となっている。そして、公知のように、エアモータ2の駆動軸3の回転によって一体的に回転する回転円筒部材4の回転力を後述する打撃力伝達機構5を介して、前方に突出させられたアンビルと称される被駆動軸6に伝達することにより、この被駆動軸6の先端に取り付けたソケット体(図示せず)に装着したねじを締付けるように構成されている。
なお、図1に示した切替えレバー21と切替え用バルブ22は特許請求の範囲に記載された切替え手段に相当する構成である。
【0019】
前記被駆動軸6の後部は大径の胴体部6aに形成され、この胴体部6aは前記回転円筒部材4の中心部に設けられている。回転円筒部材4は前記被駆動軸6の胴体部6aの回りを回転して、上述したように打撃力伝達機構5を介してその回転力を被駆動軸6に伝達するように構成されている。
この打撃力伝達機構5は、回転円筒部材4の内周面の適所に内方に向かって突出した打撃突起5aと、被駆動軸6の胴体部6a上に形成した半円形状の支持溝6bに左右揺動自在に支持されたアンビル片5bとからなり、このアンビル片5bを左右方向に傾けた状態にしてこのアンビル片5bの上向き一側端面に上記打撃突起5aを衝突させることにより、回転円筒部材4の回転力を被駆動軸6側に伝達するように構成されている。
【0020】
前記アンビル片5bは図10に示すように、その先端部にカム板5cが回転円筒部材4の前端部内周面に設けられている周方向に一定円弧長の凹部5d内に位置する時には、打撃突起5aに係合しない中立姿勢を維持し、凹部5dから外れて回転円筒部材4の内周面に接しながら動く時に、上記打撃突起5aに衝突するような傾斜姿勢となる。また、アンビル片5bは被駆動軸6の胴体部6a内に設けているアンビル片押圧部材5e、スプリング5f、スプリング受止部材5gによって、常時、中立姿勢となる方向に力が加えられていると共にスプリング受止部材5gは回転円筒部材4の内周カム面4bに接している。さらに、回転円筒部材4の内周面において、打撃突起5aの両側には上記アンビル片5bが傾くのを許容する凹部5hが形成されている。なお、このようなインパクトレンチの構造は既知のものであるので、詳しい説明は省略する。
【0021】
また、発明の実施の形態においては、回転円筒部材4が1回転当たり1回の打撃を発生する構成での説明を行っているが、1回転当たり2回の打撃を発生する構成や3回以上の打撃を発生する構成の手持ち式衝撃レンチにも同様に応用できることはいうまでもない。
【0022】
前記回転円筒部材4の後端部外周面には所定数の歯71aが設けられた歯車体からなる第一検出回転体71が一体に固着されている。一方、この第一検出回転体71に対向して非回転側であるケーシング1bの内周面に、周方向に一定の間隔を存して半導体磁気抵抗素子からなる一対の第一検出センサ81a、81bが取り付けられている。そして、第一検出回転体71の回転を第一検出センサ81a、81bによって検出し、その出力信号を第一検出センサ81a、81bに電気的に接続した入力回路10に入力するように構成されている。
【0023】
前記被駆動軸6には所定数の歯72aが設けられた歯車体からなる第二検出回転体72が一体に固着されている。一方、この第二検出回転体72に対向して非回転側であるケーシング1bの内周面に、周方向に一定の間隔を存して半導体磁気抵抗素子からなる一対の第二検出センサ82a、82bが取り付けられている。そして、第二検出回転体72の回転を第二検出センサ82a、82bによって検出し、その出力信号を第二検出センサ82a、82bに電気的に接続した入力回路10に入力するように構成されている。
【0024】
入力回路10に入力された二組の検出センサ(第一検出センサ81a、81b、および第二検出センサ82a、82b)からの信号は、さらに、増幅部11、波形整形部12を介して制御回路13に入力されている。
制御回路13は、中央演算部131、回転角信号出力部132、ねじ締付け完了検出部133、ねじゆるめ完了検出部134、電磁弁制御部135を含んでおり、電磁弁制御部135からの制御信号は出力回路17を介して圧縮空気供給ホース18中に設けられている電磁弁19に接続されている。
なお、前記制御回路13は、特許請求の範囲に記載された計測手段、手振れ角度算出手段、減算手段、減速期間検出手段、および演算手段に相当する構成であり、特許請求の範囲に記載された機能を備えたものであれば、ソフトウエアで実現してもハードウエアで実現しても、両者の混在で実現してもよい。
【0025】
ここで図1に示すねじゆるめ完了検出部134は、インパクトレンチ1をねじのゆるめ制御に用いる場合に使用するものである。
なお、第一検出回転体71と第一検出センサ81a、81bとによって特許請求の範囲に記載された第1の検出手段の一つの実施形態が構成され、第二検出回転体72と第二検出センサ82a、82bとによって特許請求の範囲に記載された第2の検出手段の一つの実施形態が構成されている。
【0026】
以上の構成においては、入力回路10から出力回路17に至るまでの電気部品はインパクトレンチ外に設けられた制御器(図示せず)内に設けられている。そして、電磁弁19によって特許請求の範囲に記載された制御手段が構成されている。
また、前記制御器と電磁弁19はインパクトレンチ内に内蔵することもできる。また、電磁弁19と電磁弁制御部135は電磁弁19以外の圧縮空気供給停止装置とそれに適した制御部を用いてもよい。
【0027】
以上のように構成したインパクトレンチにおけるボルト・ナット等の締付け角度の検出方法を以下に説明する。
まず、被駆動軸6の先端部に取り付けたソケット体に締付けるべきねじ9を装着するとともに、あらかじめ、ねじ締付け完了検出部133に所定のねじ締付け角度を入力しておく。その後、電磁弁19を開放させると共にインパクトレンチの操作レバー20を押してインパクトレンチに圧縮空気を供給し、エアモータ2をねじの締付け方向(右ねじの場合には右回転方向)に回転させると、駆動軸3と回転円筒部材4とが一体的に回転する。そして、その回転によりカム板5cが凹部5dから回転円筒部材4の内周面に接しながら動いてアンビル片5bが傾き、スプリング受止部材5gと内周カム面4bの摩擦抵抗により、着座までは、回転円筒部材4と被駆動軸6とが一体的に回転してねじ9を締付け方向に高速度で回転させながら進ませる。
【0028】
ねじ9が回転しながら進んでいる間、即ち、座面に着座するまでは、被駆動軸6側には殆ど負荷がかからず、回転円筒部材4と一体的に回転する歯車体からなる第一検出回転体71もねじ9の締付け方向に高速回転してその歯71aが第一検出センサ81a、81b上を連続的に通過する。このとき、第一検出センサ81a、81bによって位相のずれた波形のパルス信号を発生させるが、このパルス信号はねじが着座するまでは角度検出のための演算には用いられない。
【0029】
回転円筒部材4と共に打撃突起5aとアンビル片5bとからなる打撃力伝達機構5を介して被駆動軸6が一体的に高速回転し、ねじ9が締付け座面に着座すると、被駆動軸6に抵抗トルク(負荷)が発生してその被駆動軸6の回転が急速に停止に近づいて、打撃突起5aとアンビル片5bとが衝突し、打撃が開始される。
【0030】
そして、この打撃が終了した後は、アンビル片5bを押圧しているスプリング5fの弾性力が打撃突起5aとアンビル片5bとの係合力に打ち勝ってその係合が解かれ、回転円筒部材4が被駆動軸6の胴体部6a回りをフリーランニングする。
このフリーランニング中において、回転円筒部材4はエアモータ2の回転駆動力によって加速される一方、図11、図12に示すようにカム板5cが回転円筒部材4の内周面に接してアンビル片5bが傾き、回転円筒部材4がフリーランニング後、その打撃突起5aをアンビル片5bに衝撃的に係合させ、その打撃力によって被駆動軸6に回転円筒部材4の回転力を伝達してその被駆動軸6を或る角度だけ締付け方向に回転させる。
【0031】
上記回転円筒部材4が打撃を開始するタイミング、すなわち減速が開始するタイミングはねじの締付けが開始するタイミング(図3(A)の▲2▼)であり、これを第一検出センサ81a,81bからの信号に基づいて検出した回転円筒部材の回転に関する情報の一つである減速開始時点に基づいて後述するように検出する。
そして、このタイミングから第二検出センサから出力される被駆動軸6の回転パルスのカウントを開始する(図3(B)の▲7▼)。
【0032】
このねじ9の締付け時に、被駆動軸6が上記打撃突起5aによる打撃力で或る角度だけ締付け方向に回転し終わった瞬間に、回転円筒部材4が締付け方向と反対方向にリバウンドし、回転方向が反転(図3(A)の▲5▼)する。
この被駆動軸6が締付け方向に回転し終わったタイミング、即ち、この打撃における締付けが終了するタイミング(図3(B)の▲8▼)は回転円筒部材4の減速が終了したタイミング(図3(A)の▲4▼)であり、また、回転円筒部材4の回転方向が変化するタイミング(図3(A)の▲5▼)でもある。このタイミングを第一検出センサ81a,81bからの信号に基づいて検出した回転円筒部材4の回転に関する情報の一つである回転方向の変化に基づいて検出する。
【0033】
回転円筒部材の打撃による減速期間(図3(A)の▲3▼)における第二検出センサから出力される被駆動軸6の回転パルスをカウントする(図3(B)の▲7▼〜▲8▼の期間)。
回転円筒部材4は、或る角度リバウンド(図3(A)の▲6▼)した後、エアモータ2の回転駆動力によって締付け方向に再びフリーランニング(図3(A)の▲1▼’)する。
この回転円筒部材4のフリーランニング後、その打撃突起5aをアンビル片5bに衝撃的に係合させ、その打撃力によって被駆動軸6を更に或る角度だけ締付け方向に回転させる。その時もまた前回の打撃と同様に、締付け開始のタイミングから締付け終了のタイミングまでの間、即ち、打撃時の回転円筒部材4の減速期間(図3(A)の▲3▼’)における第ニ検出センサから出力される被駆動軸6の回転パルスをカウントし、前回のカウント値に加算する。このような動作を繰り返して締付けを行う。
【0034】
以上のようにして、第二検出センサから得られる回転パルスを打撃時の回転円筒部材4の減速期間のみ積算することにより、ねじの実質的な締付け角度の累積角度を検出し、この累積角度が、予め設定された所定のねじ締付け角度に達した時に、ねじ締付け完了検出部133からねじ締付け完了信号が出力されて、電磁弁制御部135が作動し、圧縮空気の供給を自動的に停止してねじ9の締付けが完了するのである。
【0035】
以上においては、回転円筒部材の回転に関する情報に基づいて、打撃時の減速開始のタイミングと、減速終了つまり回転方向の変化のタイミングとを検出して、その期間のみ、第二検出センサからの回転パルスを積算するように構成したが、前記第一検出センサ81a、81bにて検出した回転円筒部材の回転に関する情報から手振れパルス数を検出し、第二検出センサ82a、82bにて検出した被駆動軸6の回転パルス数から前記手振れパルス数を減算することによって、手振れによる影響を排除した実際の締付けパルス数を得るようにしてもよい。
【0036】
図4に示したように、前記第一検出センサ81a、81bにて検出した回転円筒部材の回転に関する情報から、回転円筒部材のフリーランニングの期間▲1▼と、打撃による減速期間▲3▼と、リバウンド期間▲6▼とが判別できる。
この方法における手振れパルス数の検出方法を以下に述べる。図5、6に示すように、打撃終了時点から次の打撃終了時点までの1サイクル中に回転円筒部材の回転角度に対応して検出され、導き出されるパルス数において、締付け方向の回転角度に相当するパルス数(Fp)からリバウンド角度に相当するパルス数(Rp)を差し引いたパルス数は、後述する設計パルス数(Pdp)と、ねじの締付け角度に相当するパルス数(ΔHp)と、手振れによるパルス数(hp)との和となっている。ただし、Pdpで表した設計パルス数は、この場合は回転円筒部材4が1回転当たり1回の打撃をする構成のレンチの場合で示してあり、360°相当のパルス数を示す。
【0037】
従って、このサイクルにおける手振れパルス数は、下記の式2によって求めることができる。
hp=(Fp−Rp)−Pdp−ΔHp (式2)
前記の設計パルス数は、そのインパクトレンチに関して決められた固有値であり、回転円筒部材が1回転する毎にm回の打撃を発生する構成のレンチの場合は、360°/mの角度に相当するパルス数である。つまり、回転円筒部材4が1回転当たり1回の打撃をする構成のレンチであれば360°に相当するパルス数であり、1回転当たり2回の打撃をする構成のレンチであれば180°に相当するパルス数である。
【0038】
図5、6においてP1時点からP2時点、およびP5時点からP6時点は回転円筒部材4が減速しながら被駆動軸6と一体となって回転している状態を示している。
そこで、ねじ着座後の第1回目の打撃サイクルの開始(つまり最初のリバウンド発生)からk回目の打撃サイクル終了までの手振れパルス数の累計は、式3に示すように、回転円筒部材の回転において、締付け方向のパルス数(Fp)の累計から締付け反対方向のパルス数(Rp)の累計を差し引いたものから、ねじの締付け角度に対応したパルス数(ΔHp)の累計と、設計パルス数(Pdp)のk回目の打撃終了までの累計(=設計パルス数×打撃数k)とを減じることによって算出できる。
Σhp=(ΣFp−ΣRp)−Σ(Pdp)−Σ(ΔHp) (式3)
【0039】
従って、第一検出センサからのパルスを用いて、式3によって算出されたk回目の打撃サイクル終了時点までの手振れパルス数を、この期間において第二検出センサから出力される被駆動軸の回転パルス数(図4(B))の総計から減算することによって、手振れの影響が排除された実際の締付けパルス数を得ることができる。
そして、このパルス数に応じた角度が、予め設定された所定のねじ締付け角度に達した時にねじ締付け完了検出部133からねじ締付け完了信号が出力されて、電磁弁制御部135が作動し、圧縮空気の供給を自動的に停止してねじ9の締付けが完了するのである。
【0040】
また、図4(A)、(B)に示したように、打撃による回転円筒部材4の減速期間を除いた期間、つまりリバウンドからフリーランニングまでを含んだ期間(図4(A)の▲6▼と▲1▼)に第二検出センサから出力される被駆動軸の回転パルスは手振れパルスであると判別することができ、このパルスをカウントする。この方法によって検出されたk回目の打撃サイクル終了までの手振れパルス数を、この期間において第二検出センサから出力される回転パルス数(図4(B))の総計から減算することによっても、手振れの影響が排除された実際の締付けパルス数を得ることができる。
【0041】
なお、上述した2つの手法においては、ねじ着座後の第1回目の打撃サイクルの開始からk回目の打撃サイクル終了時点までの手振れパルス数の累算値を、この期間における被駆動軸の回転パルス数の総計から減じるという手法を用いたが、各打撃サイクル毎に被駆動軸の回転パルス数から手振れパルス数を減じてねじ回転角度を算出し、それを累算してねじの実質的な締付け角度を検出するという手法を用いても何ら問題ない。
【0042】
以下において、前記第一検出センサ81a、81bにて検出した回転円筒部材の回転に関する情報である回転角度、回転速度、減速開始時点、回転方向および回転方向の変化を検出する手順の概要を図13〜図19に基づいて具体的に説明する。
第一検出センサ81a、81bにより、回転円筒部材4と一体的に回転する第一検出回転体71の1つの歯が通過する毎に1個のパルスを検出し、それを累算することによって累算したパルス数に応じた回転円筒部材4の回転角度を検出する。また、単位時間当たりにおける通過歯数から回転円筒部材4の回転速度を検出するように構成している。なお、図13〜図18において、(a)は回転円筒部材4と被駆動軸6との動作関連図、(b)はねじ9の締付け角度説明図、(c)は回転円筒部材4の回転速度と打撃毎のねじ9の締付け角度の時間的推移を示す図である。また、ねじ9の締付け方向は右方向の場合を示している。
【0043】
図13は回転円筒部材4がフリーランニングしている状態図であって、この時は打撃突起5aとアンビル片5bとからなる打撃力伝達機構5から被駆動軸6には回転円筒部材4の回転力は伝達されず、回転円筒部材4は図13(c)と図19に右上がり線で示すように、加速しながら右方向にフリーランニング▲1▼を行う。
【0044】
第一検出センサ81a、81bは、互いに90度位相の異なるパルス信号を出力するように構成されているので、これらのパルス信号の波形は、図19に示すように、第一検出回転体71がねじの締付け方向(右回転方向)に回転している場合には一方の検出センサ81aからは他方の検出センサ81bより90度位相の進んだ波形のパルス信号が出力される。これとは逆に、打撃突起5aがアンビル片5bに衝突して打撃を行った後第一検出回転体71が回転円筒部材4と共に左回転方向にリバウンドした時には両第一検出センサ81a、81bからの信号の位相が反転する。すなわち、他方の検出センサ81bからは一方の検出センサ81aよりも90度位相の進んだ波形のパルス信号が出力される。
【0045】
そして、第一検出回転体71が締付け方向(右回転方向)に回転している場合は、他方の検出センサ81bからの出力波形がアップエッジ(↑)の時に一方の検出センサ81aからの波形がハイレベル(H)となり、リバウンド方向(左回転方向)に回転している場合はローレベル(L)となる。この回転方向を示す検出信号をQ0 とし、その波形(H)または(L)は、回転方向が変化するまでハイレベルまたはローレベルを保持する。一方、信号Q1 は信号Q0 と全く逆の状態を保持する。そして、中央演算部131は、信号Q0 または信号Q1 によって締付け方向(右回転方向)またはリバウンド方向(左回転方向)を判別しながらそれぞれの方向のパルス信号を検出させるように構成されている。従って、フリーランニング▲1▼は正転方向(締付け方向)のパルス信号(右パルス信号)によって検出される。
【0046】
次に、回転円筒部材4がフリーランニング後、図14(c)に示すように、打撃突起5aがアンビル片5bに衝突する瞬間に回転円筒部材4の回転速度が最大▲2▼となり、この状態からねじ9のこの打撃における締付けが開始される。この締付け時においては、打撃力伝達機構5を介して締付け方向に回転する被駆動軸6はねじ9の締付けにエネルギーを消費するため、図15(c)及び図19に示すように、回転円筒部材4は上記最大速度▲2▼から右下がり線で示すように減速▲3▼して1回の締付けを行った後、図16(c)に示すように回転円筒部材4は左方向にリバウンド▲6▼する。
【0047】
上記最大速度▲2▼から減速▲3▼が開始される時点の検出方法は、図19に示すように第一検出センサ81a、81bによって第一検出回転体71の回転状態を検出することによって行われる。即ち、回転円筒部材4がフリーランニング中において、加速されるに従って、第一検出センサ81a、81bにより検出されるパルス信号の幅が徐々に狭くなり、打撃突起5aがアンビル片5bに衝突する瞬間においては最小幅となった後、回転円筒部材4の減速開始から打撃終了(リバウンド開始)まで右方向のパルス信号の幅は徐々に広くなる。この徐々に幅が狭くなるパルスと徐々に幅が広くなるパルスとを上記第一検出センサ81a、81bから出力させて上述したように中央演算部131において右パルス信号として検出させ、最小パルス幅になった時点をこの打撃におけるねじ9の締付け開始点(回転円筒部材の減速が開始される時点)と判断する。
ちなみに、この時点を、第二検出センサから出力される被駆動軸6の回転パルスのカウントを開始するタイミングとすることができる。
【0048】
このようにして、回転円筒部材4の減速開始時点を検出した後、その減速▲3▼中、換言すれば、減速開始から打撃終了までの間の第一検出回転体71の回転角度を第一検出センサ81a、81bによって検出させることができる。
次いで、上述したように回転円筒部材4が左回転方向にリバウンド▲6▼する。
このリバウンドを開始する時点においては、回転円筒部材4の回転方向が右回転から左回転に変化する。この時点を第二検出センサから出力される被駆動軸の回転パルスのカウントを停止するタイミングとすることができる。
【0049】
図16に示すように、回転円筒部材4のリバウンド▲6▼の速度は、徐々に小さくなって停止した後、再び、回転円筒部材4はエアモータ2からの回転力によって回転方向が右方向にかわり、加速しながら図17に示すようにフリーランニング▲1▼する。そして、再び、打撃突起5aがアンビル片5bに衝突して、図18に示すようにその衝突した瞬間から回転円筒部材4の回転速度が減速▲3▼され、その減速開始から打撃終了までの間の減速▲3▼中の回転円筒部材4の回転角度は上述同様にして第一検出回転体71と第一検出センサ81a、81bとによって検出される。
【0050】
以下、同様にして回転円筒部材4がフリーランニング▲1▼した後、打撃により減速▲3▼する毎に、その減速開始のタイミングと打撃終了のタイミングを検出することができるのである。
このようにして、図3および図4における打撃による減速開始(フリーランニングの終了)のタイミングと、打撃終了による減速終了(リバウンド開始)のタイミングを検出することができる。
【0051】
特公平6-16990号による「インパクトレンチの締付け力制御装置」に記載されたねじ回転角度を得るための手法は、正確なねじ回転角度(締付け角度)を得ることのできる手法ではあるが、それは手持ち式衝撃レンチが固定されている(手振れがない)ことが前提であり、手振れが生じるとその角度分が検出角度に加算または減算され、正確なねじ締付け角度を得ることはできない。
しかし、衝撃レンチが固定されている場合には、打撃回数にかかわらず誤差は検出センサの分解能未満であり、高い検出精度が得られるものである。
図23に、手振れの無い場合の回転円筒部材の打撃サイクルを示す。また、ここでは右ねじを締め付ける場合を例にとって説明する。
なお、検出センサによって検出されるのはパルス信号であり、それを角度に変換して制御を行うのであるが、この説明においては理解を容易にするために、角度を用いて説明する。パルス数と角度とは一対一に対応した比例関係があり、角度によって説明を行っても問題はない。また、回転円筒部材が1回転当たり1回の打撃を行う構成の衝撃レンチの例で説明する。
【0052】
表1は、図23に示した打撃サイクルにおける各工程での回転円筒部材の動きの説明と、回転角度を示したものである。
特公平6-16990号の「インパクトレンチの締付け力制御装置」に記載されたねじ回転角度の計算式は、次の式4のように示される。
ΣHn=Σ(Fn−Rn−P360) (式4)
【表1】
Figure 0004536286
【0053】
ここで、ねじ回転角度を検出する場合の基準となる静止部分としてのグランドの考え方を示す。
ねじの回転角度を求める場合、それは被締結部材に対する絶対角度でなければならない。しかし、手持ち式衝撃レンチの場合、被締結部材に対して回転円筒部材は自由に回転することができ、第一検出センサが取付けられているケーシングも被締結部材に対して回転することができる。回転円筒部材とケーシングとの間の相互の角度は検出できるが、被締結部材に対する回転角度は検出することができない。
【0054】
なお、衝撃レンチによるねじ締付け過程において、打撃によりねじが回転する時間は一瞬であり、それ以外の時間にはねじは静止している。
また、ソケット体を介してねじと連結されている被駆動軸も同様であり、打撃の瞬間以外は静止しており、前述したグランドとして機能すると考えられる。
従って、被駆動軸の動きを検出する第二検出センサを用いて被駆動軸が静止している間のケーシングの回転角度を検出することによって、衝撃レンチの手振れ角度を検出することができる。
このようにして、正確な手振れ角度を検出することができれば、特公平6-16990号の「インパクトレンチの締付け力制御装置」に記載された手法により検出されたねじ回転角度から、前記手振れ角度を差し引くことによって、正確なねじ回転角度を得ることができる。
【0055】
次に、実際の打撃時における実測データを示して説明する。
衝撃レンチが固定されている場合で、手振れのない状態でのねじ締付けにおいて、表1および図23に示した打撃サイクルにおけるFn、Rnに関して、Fn=376°、Rn=10°が検出されたと仮定する。
1.特公平6-16990号の「インパクトレンチの締付け力制御装置」に記載された手法による手振れが無い場合のねじ回転角度の算出。
前記式4により、この打撃サイクルにおけるねじ回転角度(締付け角度)は、
Hn=Fn−Rn−P360=376°−10°−360°=6°
となり、ねじは6°締付けられたことになる。
【0056】
2.手振れが加わった場合。
上記の締付けに180°/秒の速度で衝撃レンチが右回転方向(ねじの締付け方向と同一方向)に回転する手振れが加わったと仮定する。なお、この場合は前述したように、ねじ回転角度は正味の回転角度よりも小さくなるように検出される。
例えば、ある小型の衝撃レンチの1回の打撃サイクルに要する時間が約50ミリセカンドであることから、1回の打撃サイクル当たり、180°×0.05=9°の手振れが上乗せされることになる。但し、このサイクルの間に手振れ速度の変化は無く、一定であるとする。
【0057】
表2は、実際の打撃における各サイクル毎の工程別時間比率を表している。図24には、手振れがある場合の各工程毎の手振れが上乗せされた角度を示してあり、表3にはそれぞれの記号の説明を示した。また、表4には、10回目の打撃サイクルでの各工程別の時間比率、手振れ角度、手振れが上乗せされた見かけ上の角度を示している。
【表2】
Figure 0004536286
【表3】
Figure 0004536286
【表4】
Figure 0004536286
【0058】
手振れが上乗せされた状態において、特公平6-16990号の「インパクトレンチの締付け力制御装置」に記載された手法によってねじ回転角度を算出する場合、式4におけるFn,Rnに代えて、手振れが上乗せされた*Fn,*Rnを用いることになり、式5に示す計算式となってしまう。
Σ*Hn=Σ(*Fn−*Rn−P360) (式5)
そして、その計算結果は、
*Fn−*Rn−P360=368.5831°−11.5831°−360°
=−3.0000°
となり、
この例においては、ねじ回転角度がマイナス、つまりねじは締付けられたのではなく、ゆるめられたものであると誤検出してしまう。
【0059】
3.手振れ検出と、その除去の方法
手振れの検出は、ねじが静止している期間の被駆動軸の回転角度を検出することで可能となる。ねじが静止している期間は、図25(a)に示したように、回転円筒部材のリバウンドの開始時点T1nから打撃開始時点T2nまでである。1サイクルにおけるこの手振れ検出期間での手振れ角度±hは、図25(a)(b)に示すように、1サイクルでの手振れ角度9°のうちの99.02%(つまり、表4に示した時間比率のうちのA、B、Cの各工程の合計分)となり、
±h=−9°×(99.02/100)=−8.9118°
となる。
【0060】
この手振れ角度を、特公平6-16990号の「インパクトレンチの締付け力制御装置」による式4に改良を加えた、本発明で提案する式6
Σ*Hn=Σ(*Fn−*Rn−P360−(±h)) (式6)
を用いて計算すると、
*Hn=*Fn−*Rn−P360−(±h)
=368.5831°−11.5831°−360°−(−8.9118°)
=5.9118°
となる。
ここで、この打撃サイクルにおける実際のねじ回転角である6°と比較すると、若干の誤差が発生しているが、これは、打撃開始時点T2nから打撃終了時点T3nまでの期間に関して、手振れ角度の検出及びそれを用いての補正を行っていないためである。しかし、打撃を行っている工程(D工程)は打撃サイクルの約1%という極めて短時間であり、その時間内に発生する誤差はねじの締付け精度上は問題の無い範囲であると考えられる。
【0061】
以上の説明は、模擬的に検討して、ねじ回転角度と手振れ検出期間内の手振れ角度を計算したものである。また、説明の理解を容易にするために、B工程の実時間及びその工程の1サイクルにおける時間比率を実データを解析することによって求めたが、実用上の装置においては、B工程とその後に続くC工程の時間を区分せずに、まとめて検出する方が望ましい。また、手振れ角度の検出についても以下に示す方法を用いる方が望ましい。
【0062】
即ち、実用上の装置における手振れ角度の検出は、手振れ検出期間の開始時点T1n(リバウンド開始時点)と手振れ検出終了時点T2n(打撃開始時点)を第一検出センサと、回転円筒部材と一体に動く第一検出回転体と、を用いて、前述した方法によって検出し、この期間内の手振れ角度を第二検出回転体と第二検出センサとで検出し、回転円筒部材の回転角度である*Fn,*Rnを第一検出回転体と第一検出センサとで検出して、これらを式6に代入してねじ回転角度を得るのである。
なお、上記内容においては、打撃サイクル毎に、回転円筒部材の右回転角度からリバウンド角度と、360°と、手振れ角度とを引いて、ねじ回転角度を求め、それを累算していく手法での説明を行ったが、それとは別に、ねじ着座後の第1回目の打撃サイクルの開始からk回目の打撃サイクル終了までの手振れ角度の累計と、回転円筒部材の右回転角度の累計と、リバウンド角度の累計と、設計パルス数に相当する角度のk回分の累計と、を求めて、それらを用いてねじ回転角度を求めるという手法を用いても、請求項の構成を用いたものであれば構わない。
【0063】
次に、機械的な結合部分での遊びの影響について検討する。
例えば、図1に示した場合において、
インパクトレンチ1の被駆動軸6と、ソケット体との結合部分における遊び(「遊びA」と表記する。)の影響と、
ソケット体とねじの頭部の六角部分との結合部分における遊び(「遊びB」と表記する。)の影響とが考えられる。
一般的には、上記ふたつの部分における遊びの影響は無視できる程度であるが、さらに高い精度で締付け制御を行うためには、次のような工夫を加えることができる。
【0064】
図1に示したインパクトレンチの場合、
図11に示したスプリング5fを、従来のものより強くすることによって、スプリング受止部材5gの、回転円筒部材4の内周カム面4bを押す力を強くし、そのことによって遊びの発生を抑えるように工夫するとよい。
つまり、回転円筒部材4がリバウンドするときには被駆動軸も、前記「遊びA」、「遊びB」の分だけ僅かに逆転する。そして、上記のようにスプリング5fを従来のものより強くしているため、図17(C)に示した回転円筒部材4のフリーランニング▲1▼時に、通常よりも大きい摩擦力が発生しているため、回転円筒部材4につられて、被駆動軸6にも右回転方向の回転力が加わり、前記「遊びA」の部分は、図22(a)に示すように右回転方向に寄せられた状態となる。同時に、前記「遊びB」の部分も図22(b)に示すように、右回転方向に寄せられた状態となる。従って、回転円筒部材4による打撃時には、前記「遊びA」、「遊びB」は解消され、被駆動軸6の回転角度とねじ回転角度との誤差は解消される。
このように、スプリング5fを通常のものより強くすることで、より精度の高い回転角度の検出を行うことが可能となるのである。
なお、前記「遊びA」、「遊びB」の部分における凹凸の嵌め合わせ部分の隙間をより小さくすることによって遊びが殆ど無い状態にしてもよい。
また、上述した遊びの発生を抑える二つの方法は、以下に述べるオイルパルスレンチにも適用できる。
【0065】
次に、本発明に用いる手持ち式衝撃レンチの別の例として、オイルパルスレンチの説明を図9を参照しながら行う。
オイルパルスレンチの場合にも、図1とほぼ同様に、従来の第一検出センサ81a、81bに加えて、被駆動軸6Aの回転パルスを出力する第二検出センサ82a、82bを備えている。なお、これらの検出センサによる回転パルスの検出方法は前述した方法と同様であるので省略する。
【0066】
なお、オイルパルスレンチは特許請求の範囲に記載された手持ち式衝撃レンチの一つの実施形態であり、ねじの締付けとゆるめの両方に用いられる工具である。そして、オイルシリンダ4Aは特許請求の範囲に記載された回転部材の一つの実施形態である。
このように構成されたオイルパルスレンチの場合も、前述したインパクトレンチと同様に手振れ角度が除かれた被駆動軸の回転角度を検出することができる。
【0067】
次に、第二検出センサのみを用いて手振れの影響を除いた締付け角度を検出することのできる手持ち式衝撃レンチの説明を、図7を参照しながら行う。
この場合には、制御回路13によって、第二検出センサにて検出した被駆動軸6,6Aの回転速度が所定値ω0より大きい期間のみの被駆動軸6,6Aの回転角度を累算して、手振れ角度が除かれた被駆動軸の回転角度を計測する計測手段を実現する。
【0068】
即ち、中央演算部131において、第二検出センサにて検出した被駆動軸の回転速度が予め設定された所定値ω0より大きい期間のみ、第二検出センサから出力される被駆動軸の回転パルスをカウントして、累算する。そして、ねじ締付け完了検出部133においては、回転パルスの累算値が予め設定された所定の締付け角度に相当する値に達した時に、電磁弁制御部135から制御信号を出力して、出力回路17を介して電磁弁19を閉じて締付けを終了する。
【0069】
このように、第二検出センサにて検出した被駆動軸の回転速度が所定値より大きい期間のみ第二検出センサから出力される被駆動軸の回転パルスを累算することによって、手振れによる影響を排除することが可能になった。則ち、打撃による被駆動軸の回転速度は非常に大きいものであるが、手振れによる被駆動軸の回転速度は小さいので、回転速度が小さい期間の回転パルスを排除することによって手振れによる影響を排除することが可能になったのである。
【0070】
次に、前述した構成のインパクトレンチを用いてねじをゆるめる場合を図8を参照して説明する。
まず、被駆動軸6の先端部に取り付けたソケット体をゆるめるべきねじ9に装着するとともに、予め、ねじゆるめ完了検出部134に所定のねじゆるめ角度θrを入力しておく。しかる後、電磁弁19を開放させると共にインパクトレンチの切替えレバー21をゆるめ側に操作して切替え用バルブ22を切り替えた後に、操作レバー20を操作してインパクトレンチに圧縮空気を供給し、エアモータ2をねじのゆるめ方向(右ねじの場合には左回転方向)に回転させると、回転円筒部材4が回転し始めてアンビル片5bに衝撃的に係合させ、その打撃力によって被駆動軸6に回転円筒部材4の回転力を伝達してその被駆動軸6を或る角度だけゆるめ方向に回転させる。この時の被駆動軸のゆるめ方向への回転に基づく回転パルスを、第二検出センサによって検出させる。
【0071】
このようにして検出した被駆動軸の回転パルスは制御回路13に入力される。そして、中央演算部131においては、第二検出センサにて検出した被駆動軸の回転パルスを打撃毎にカウントして、予め設定された所定の回転速度ωrを越える速度で駆動されたときから、回転パルスをカウントして累算する。このようにすることで図8の(B)のT部に示す手振れのように前記所定の回転速度ωrを越えない回転パルスは排除される。
【0072】
そして、ねじゆるめ完了検出部134においては、回転パルスの累算値が予め設定された所定のゆるめ角度θrに相当する値に達した時に、電磁弁制御部135から制御信号を出力して、出力回路17を介して電磁弁19を閉じてゆるめを終了する。
このように、予め設定されたねじゆるめ角度でインパクトレンチを停止させるので、ボルトやナットが脱落したりするという問題は解決できるのである。
なお、前述した第2の検出手段のみを用いた2つの手法においては、被駆動軸の回転速度が所定値よりも大きい期間のみ、被駆動軸の回転パルスを累算するという手法を用いた。
一方、打撃による被駆動軸の回転速度(角速度)の単位時間当たりの変化である角加速度は非常に大きいが、手振れによる被駆動軸の角加速度は小さいことから、被駆動軸の角加速度が所定値よりも大きい期間のみ被駆動軸の回転パルスを累算するという手法を用いることも可能である。
また、ここで述べたインパクトレンチの構成(第二検出センサおよび第二検出回転体)は、手持ち式オイルパルスレンチにも適用可能である。
【0073】
なお、手持ち式衝撃レンチに関して特許請求の範囲に記載された第1および第2の検出手段は、前述した構成に限定されるものではなく、第2の検出手段は被駆動軸に装着されたソケット体の回転を、非回転側であるケーシングと一体になったソケットカバーの内面に配設された第二検出センサで検出してもよい。また、いずれの検出手段とも図20に示すように、周方向に一定間隔毎にスリットまたは光反射体を設けた円板体からなる検出回転体7’と通過スリット数または光反射数を検出するフォトインタラプタ等の一組の光検出センサ8a’,8b’を用いてもよい。
【0074】
第一の検出回転体の別の実施形態としては、図21に示すように、エアモータの軸端部に一体になるように設けてもよい。これ以外にも、エアモータから回転部材までの間であって、エアモータと一体的に回転する回転軸部であれば、どの位置に設けることも可能である。
【0075】
なお、エアモータに代えて電動モータや内燃機関等のエンジンを使用することも自由である。
また、打撃力伝達機構としては、
特公昭61-7908号に開示された構成のインパクトレンチや、US.PAT2、285、638、US.PAT2、160、150、US.PAT3、661、217、US.PAT3、174、597、US.PAT3、428、137、US.PAT3、552、499に開示されたクラッチ構造のインパクトレンチに用いられている打撃力伝達機構にも応用することが可能である。 本発明は、インパクトレンチ、オイルパルスレンチ、インパクトドライバ等の手持ち式動力ねじ締め工具に応用することができるのである。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1、2の手持ち式衝撃レンチによれば、
回転部材の回転に関する情報を検出する第1の検出手段と、
被駆動軸の回転に関する情報を検出する第2の検出手段と、
第1の検出手段にて検出した回転部材の回転に関する情報、及び第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転に関する情報に基づいて、手振れ角度を除いた被駆動軸の回転角度を計測する計測手段と、
を備えているので、ねじ等の正確な締付けもしくはゆるめ作業が可能となった。
【0077】
本発明の請求項の手持ち式衝撃レンチによれば、
被駆動軸の回転に関する情報を検出する第2の検出手段と、
第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転速度もしくはその変化が所定値より大きい期間のみの被駆動軸の回転角度を累算して、手振れ角度が除かれた被駆動軸の回転角度を計測する計測手段と、
を備えているので、第一の検出手段を要することなく、ねじ等の正確な締付けもしくはゆるめ作業が可能となった。
【0078】
請求項の手持ち式衝撃レンチによれば、
計測手段によって計測された、手振れ角度が除かれた被駆動軸の回転角度の総和が予め設定された角度に達したときに打撃力を停止させる制御手段を、
備えているので、ねじ等の締付け過ぎもしくはゆるめ過ぎを防止して、適正な作業が可能となった。
【0079】
請求項の手持ち式衝撃レンチによれば、
打撃力の発生方向を、締付け方向もしくはゆるめ方向に切り換える切替え手段を備えているので、
上記効果の得られる手持ち式衝撃レンチを、ねじ等の締付けもしくはゆるめ作業に容易に切り換えて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に用いるインパクトレンチの縦断側面図である。
【図2】図1の要部を模試的に示した説明図である。
【図3】図1のインパクトレンチにおける被駆動軸の回転パルスの処理の一例を説明する説明図である。
【図4】図1のインパクトレンチにおける被駆動軸の回転パルスの処理の別例を説明する説明図である。
【図5】インパクトレンチにおける手振れを検出する方法の一例を示す速度線図である。
【図6】回転円筒部材の回転状態を説明する図である。
【図7】図1のインパクトレンチにおける被駆動軸の回転パルスの処理の更に別の例を説明する説明図である。
【図8】ゆるめる場合の説明図である。
【図9】オイルパルスレンチの例の縦断側面図である。
【図10】アンビル片を作動させるカム板部分の縦断正面図である。
【図11】フリーランニング時の打撃力伝達機構部分の縦断正面図である。
【図12】そのカム板の作動状態図である。
【図13】打撃突起を備えた回転円筒部材のフリーランニング中の速度説明図である。
【図14】打撃を開始した瞬間の速度説明図である。
【図15】ねじの締付け時の説明図である。
【図16】リバウンド時の速度説明図である。
【図17】再びフリーランニングを行った時の速度説明図である。
【図18】締付け時の締付け角度の説明図である。
【図19】回転円筒部材の作動とそのパルス信号との関連線図である。
【図20】パルス検出部の別の実施形態の説明図である。
【図21】第一の検出回転体の別の実施形態の説明図である。
【図22】遊びの発生を抑制する場合の説明図である。
【図23】手振れの無い場合の回転円筒部材の打撃サイクルの説明図である。
【図24】手振れのある場合の回転円筒部材の打撃サイクルの説明図である。
【図25】手振れのある場合の回転円筒部材の打撃サイクルの説明図である。
【符号の説明】
1 インパクトレンチ(手持ち式衝撃レンチ)
1b ケーシング
2 エアモータ
3 駆動軸
4 回転円筒部材(回転部材)
5 打撃力伝達機構
5a 打撃突起
5b アンビル片
6 被駆動軸
71 第一検出回転体(第1の検出手段)
81a、81b 第一検出センサ(第1の検出手段)
72 第二検出回転体(第2の検出手段)
82a、82b 第二検出センサ(第2の検出手段)
133 ねじ締付け完了検出部
134 ねじゆるめ完了検出部

Claims (5)

  1. 回転部材がフリーランニング後に被駆動軸側へ打撃力を与えるという動作を繰り返すように構成された手持ち式衝撃レンチにおいて、
    回転部材の回転に関する情報を検出する第1の検出手段と、
    被駆動軸の回転に関する情報を検出する第2の検出手段と、
    第1の検出手段にて検出した回転部材の回転に関する情報、及び第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転に関する情報に基づいて、手振れ角度を除いた被駆動軸の回転角度を計測する計測手段と、
    を備え
    前記計測手段は、
    第1の検出手段にて検出した回転部材の回転に関する情報に基づいて回転部材の減速期間を検出する減速期間検出手段と、
    減速期間検出手段にて検出した減速期間の間のみ、
    第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転に関する情報から被駆動軸の回転角度の累算値を得て、手振れ角度が除かれた被駆動軸の回転角度を計測する演算手段と、
    から構成されていることを特徴とする手持ち式衝撃レンチ。
  2. 回転部材がフリーランニング後に被駆動軸側へ打撃力を与えるという動作を繰り返すように構成された手持ち式衝撃レンチにおいて、
    回転部材の回転に関する情報を検出する第1の検出手段と、
    被駆動軸の回転に関する情報を検出する第2の検出手段と、
    第1の検出手段にて検出した回転部材の回転に関する情報、及び第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転に関する情報に基づいて、手振れ角度を除いた被駆動軸の回転角度を計測する計測手段と、
    を備え、
    前記計測手段は、
    第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転に関する情報から手振れ角度を算出する手振れ角度算出手段と、
    第1の検出手段にて検出した回転部材の回転に関する情報と前記手振れ角度から、前記手振れ角度が除かれた被駆動軸の回転角度を計測する減算手段と、
    から構成されていることを特徴とする手持ち式衝撃レンチ。
  3. 回転部材がフリーランニング後に被駆動軸側へ打撃力を与えるという動作を繰り返すように構成された手持ち式衝撃レンチにおいて、
    被駆動軸の回転に関する情報を検出する第2の検出手段と、
    第2の検出手段にて検出した被駆動軸の回転速度もしくはその変化が所定値より大きい期間のみの被駆動軸の回転角度を累算して、手振れ角度が除かれた被駆動軸の回転角度を計測する計測手段と、
    を備えていることを特徴とする手持ち式衝撃レンチ。
  4. 計測手段によって計測された、被駆動軸の回転角度の総和が予め設定された角度に達したときに打撃力を停止させる制御手段を、
    備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の手持ち式衝撃レンチ。
  5. 打撃力の発生方向を、締付け方向、もしくはゆるめ方向に切り換える切替え手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の手持ち式衝撃レンチ。
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