JP4535911B2 - 内燃機関の潤滑構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の潤滑構造、詳しくはエンジン等のクランク室に付設されるトランスミッション、デファレンシャル及び中間歯車の潤滑構造に関する。
内燃機関の潤滑構造として、潤滑油をカムチェーンによって最上部のオイル溜りに運び、トランスミッションを順次潤滑するものが知られている。このような内燃機関の潤滑構造では、入力軸から出力軸に回転を伝達するサイレントチェーンを利用して、潤滑油をケーシング内の上方のオイルポケットに搬送して一旦蓄積し、重力を利用してその下方の各要潤滑部分に潤滑油を供給するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
他の内燃機関の潤滑構造として、バイパス通路を設けているものが知られている。このような内燃機関の潤滑構造では、メイン軸の潤滑通路とドライブ軸の潤滑通路とをバイパス管で連結することで潤滑通路を配設し、シフトフォークの邪魔にならない位置にバイパス管を配置することで、バイパス管をメイン軸とドライブ軸に近接して配置できるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
特許第2716625号公報 特公平06−027494号公報
ところが、上記特許文献1に開示された内燃機関の潤滑構造においては、カムチェーンによる送油は有効ではあるものの、最上位にあるオイルポケットから次第に下方に位置するオイルポケットへオイルを順次下流するようにしているために、この内燃機関の姿勢変動の影響を受けた場合に効率的な潤滑を行うことができない可能性がある。
また、上記特許文献2に開示された内燃機関の潤滑構造においては、バイパス管が、各軸とは別の部品で構成されているために、部品点数の増加を招き、部品管理に必要な組立て工数が増加する。
ところで、内燃機関にトランスミッション及びデファレンシャルを内蔵する場合、トランスミッションとデファレンシャルにそれぞれ異種の潤滑油を使用する必要がある。この場合、クランク室内にトランスミッションとデファレンシャルとを隔てる隔壁を設け、さらに、クランク室の外側にトランスミッションとデファレンシャルとを接続するための中間歯車を収容する中間歯車収容室を設けなくてはならず、各歯車への専用送油通路を設けようとすると、内燃機関の構造が複雑になってしまうという問題がある。
また、トランスミッションとデファレンシャルとをクランク室内に同室に配置し、同種の潤滑油を使用することも可能ではあるが、この場合、内燃機関の前後長さが長くなり、内燃機関の姿勢変動の影響を受け易くなってしまうため、トランスミッションとデファレンシャルは個別に設けた方が良い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、簡素な構造で各歯車を潤滑することができると共に、内燃機関の姿勢変動の影響を受けずに安定した潤滑を行うことができる内燃機関の潤滑構造を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内燃機関のクランク室にクランク軸と平行なメイン軸及びカウンタ軸を有するトランスミッションを内蔵すると共に、前記トランスミッション後方の前記クランク室に隔壁を設け、前記隔壁に隔てられたデファレンシャル室に前記クランク軸と平行な出力軸を有するデファレンシャルを設け、前記カウンタ軸の出力を中間歯車を介して前記デファレンシャルのリング歯車に伝達する内燃機関の潤滑構造であって、前記中間歯車を収納する中間歯車収納室を前記クランク室とは別室に設け、前記クランク軸及びメイン軸を強制圧送式潤滑とし、前記強制圧送式潤滑に用いる潤滑油の一部を前記中間歯車収納室に導き、前記中間歯車をバスタブ方式で潤滑することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記中間歯車収納室の下端部は、前記クランク室の潤滑油面より上方に位置されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記中間歯車収納室の前記中間歯車の最下端を結ぶ線より上方に、クランク室への潤滑油戻り孔を設けることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記強制圧送式潤滑に用いる前記潤滑油を前記中間歯車収納室に導く送油通路は、前記潤滑油を前記メイン軸の潤滑油路に一旦取り込んだ後、前記中間歯車収納室にオリフィス孔を介して送油するように形成されることを特徴とする。
請求項1記載の内燃機関の潤滑構造によれば、クランク軸及びメイン軸を強制圧送式潤滑にするため、内燃機関の姿勢変動の影響を受けずに安定した潤滑を行うことができる。また、この強制圧送式潤滑に用いる潤滑油の一部を中間歯車収容室に送油するので、中間歯車収納室に収納した中間歯車をバスタブ方式で潤滑することができる。これにより、各歯車への専用送油通路を設ける必要がなくなるので、別体のバイパス管を設けたものと比較して内燃機関の構造を簡素化することができる。
請求項2記載の内燃機関の潤滑構造によれば、中間歯車収納室の下端部がクランク室の潤滑油面より上方に位置されるため、中間歯車収納室において中間歯車を浸漬させた潤滑油を効率よく循環させることができると共にクランク室へ確実に戻すことができる。
請求項3記載の内燃機関の潤滑構造によれば、中間歯車収納室におけるクランク室への潤滑油戻り孔が両中間歯車の最下端を結ぶ線より上方にあるため、潤滑油戻り孔の下端部までに両中間歯車を十分に潤滑できる所定量の潤滑油を溜めることができる。
請求項4記載の内燃機関の潤滑構造によれば、オリフィス孔を介して中間歯車収容室に潤滑油を送油するため、強制圧送潤滑されるクランク軸及びメイン軸への送油通路の送給圧力を下げることなく中間歯車収納室に潤滑油を送油することができる。
以下、本発明の一実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1〜図8は本発明の一実施の形態を示すもので、図1は本発明に係る内燃機関の潤滑構造を搭載した車両の側面図、図2は図1に示した車両の平面図、図3は本発明に係る内燃機関の潤滑構造を説明するパワーユニットのシリンダヘッドとシリンダブロックとクランク軸とメイン軸とカウンタ軸と中間軸とデファレンシャルとを結んだ線で切断した断面図、図4は図3に示したパワーユニットのフォーク軸とメイン軸とリバース軸とカウンタ軸とシフトドラムとを結んだ線で切断した断面図、図5は図3に示したパワーユニットの左クランクケースを内側から見た側面図、図6は図3に示したパワーユニットのオイルポンプ周りの断面図、図7は図3に示したパワーユニットの左クランクケースを外側から見た側面図、図8はパワーユニットの送油通路の要部を示す図7のB−B矢視断面図である。なお、図1及び図2において、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向に従い、Frを前側、Rrを後側、Lを左側、Rを右側として示す。
図1及び図2に示すように、車両10は、車体(車体フレーム)11に左右2つの前輪12,12並びに左右2つの後輪13,13を備え、車体11の前部にバーハンドル15式の繰舵機構14を備え、車体11の中心部に前部シート16並びに後部シート17を備え、車体11の後下部にパワーユニット(内燃機関)1を備え、さらに、車体11前部の周囲を覆うフロントカバー18、フロントカバー18の上部に取付けたウインドスクリーン19、ウインドスクリーン19の上端から後方へ連続して延びて前部・後部シート16,17の上方を覆うルーフ20、車体11の後部を覆うリヤカバー21を備えた、後輪駆動の小型自動4輪車である。
ルーフ20の支持構造は、左右のルーフサイドピラー22,22にてルーフ20を支えるものである。左右のルーフサイドピラー22,22は、車体前部から車体後部にかけてアーチ状に湾曲したパイプ状のルーフピラーであって、前部のフロントピラー23,23と後部のリヤピラー24,24との組合せ構造である。
左右のフロントピラー23,23は、車体前部でフロントカバー18の上端から後上方へ延し、その上端間に前部クロスメンバ25を掛け渡した部材である。ウインドスクリーン19は、左右のフロントピラー23,23間に設けることになる。
左右のリヤピラー24,24は、車体後部に設けた左右の支持部材26,26の上端から上方へ延し、その上端から更に前方へ延し、その前端をフロントピラー23,23の後端にボルト止めにて取外し可能に取付けた部材である。リヤピラー24,24の後部上端間には、後部クロスメンバ27が掛け渡されている。左右の支持部材26,26は、上端に左右のリヤピラー24,24をボルトにて取外し可能に取付けることで支持することになる。
左右のフロントピラー23,23、左右のリヤピラー24,24及び前部・後部クロスメンバ25,27とからなる枠に、概ね平板状のルーフ20を取外し可能に取付けることでルーフ20を支えることができる。
ルーフ20の後端は後部シート17よりも後方にある。ルーフ20の幅は、車幅と概ね同一又は若干小さい程度である。車両10の側方は解放されており、運転者や後部乗員の乗り降りは自由である。
このようにして、前部シート16の前をウインドスクリーン19で覆うとともに、前部シート16の上及び後部シート17の上をルーフ20で覆うことができる。雨などから運転者ばかりでなく、後部乗員をも保護することができる。また、後部シート17に荷物を置く場合にも雨などに対しては有利である。さらには、ルーフ20だけであり、側方部が開放されているので、ルーフ20があるにもかかわらず乗り降りが楽になる。
また、車両10は、変速レバー28、パーキングレバー29、ヘッドランプ30、ウインカ31、サイドミラー32、フロントフェンダ33,33、リヤフェンダ34,34、アクセルペダル(不図示)、ブレーキペダル(不図示)を備える。
図3に示すように、パワーユニット(内燃機関)1は、水冷式4ストロークサイクル単気筒内燃機関であって、図1に示すように、クランク軸の軸線を車両の進行方向に直交させると共に、シリンダヘッドが前方を向くようシリンダ軸を進行方向に沿ってほぼ水平になるように車両10に搭載される。
パワーユニット1は、図3に示すように、左クランクケース2と、右クランクケース3と、シリンダブロック40と、シリンダヘッド50と、左クランクケースカバー60と、右クランクケースカバー61と、中間歯車収納室カバー62と、を結合して外殻を構成し、左クランクケース2と右クランクケース3とを結合することで形成されるクランク室4内には、クランク軸100と、トランスミッション200と、デファレンシャル300とが配設される。なお、左クランクケース2の左側面には、左クランクケースカバー60がボルト止めされ、右クランクケース3の右側面には、右クランクケースカバー61がボルト止めされる。
左クランクケース2は、内蔵するトランスミッション200のカウンタ軸202に固定される第1中間歯車202aと、中間軸203に固定される第2中間歯車203aとをクランク室4とは別室に配置するための中間歯車収納室5を形成し、中間歯車収納室5は、両中間歯車202a,203aを囲繞するような壁面を外側に突出させることで形成され、中間歯車収納室カバー62を左クランクケース2にボルト止めすることによって開口部が閉塞される。
シリンダヘッド50は、結合した左、右クランクケース2,3の上部の開口に挿入されるシリンダブロック40と共にスタッドボルト45により共締めされ、その下面には燃焼室51が形成され、燃焼室51に臨むようにスパークプラグ52が装着される。
また、シリンダヘッド50内には、動弁機構のカム軸53が回動自在に支持されており、その端部にはカムスプロケット54が固定される。このカムスプロケット54には、クランク軸100に固定された駆動スプロケット102に架け渡されたカムチェーン94が架け渡される。これにより、クランク軸100の回転駆動力をカム軸53に伝達し、シリンダヘッド50に配置されているロッカーアーム55を駆動して、燃焼室51内で吸気バルブ(図5参照)56、排気バルブ(図5参照)57を所定のタイミングで開閉させる。
また、シリンダヘッド50の左側にはウォーターポンプ95が設けられており、ウォーターポンプ95のポンプ軸96の右端部が動弁機構のカム軸53の左端部に接続される。これにより、カム軸53と共にポンプ軸96が回転してウォーターポンプ95を作動させる。
さらに、シリンダヘッド50の燃焼室51の上方に隣接してウォータージャケット58が形成され、また、シリンダブロック40の燃焼室51に近い部分の周囲にウォータージャケット44が形成されており、シリンダヘッド50とシリンダブロック40とを結合することで、両ウォータージャケット44,58は連通される。
クランク軸100は、左右のパーツからなり、クランクピン101によって一体化されるもので、左クランクケース2と右クランクケース3にそれぞれ配置される転がり軸受70,71を介して回動自在に支持されており、軸方向左側に交流発電機90が、軸方向右側にトルクコンバータ91が組み付けられる。また、クランクピン101には、コンロッド41を介してピストン42が接続され、このピストン42は、シリンダブロック40内に一体成型されたシリンダライナー43の中でシリンダ軸線方向に往復運動する。
交流発電機90は、イグニッションコイル(不図示)を通じてスパークプラグ52に与える高電圧を発生すると共に、バッテリー(不図示)の充電電流を発生する。
トルクコンバータ91は、クランク軸100に結合されているポンプインペラ91aと、ポンプインペラ91aに対向配置されたタービンランナ91bと、一方向クラッチ91cを介してクランク軸100に接続されているステータ91dと、ステータ91dに与えられる反力を受けるステータ固定プレート91eと、を備えている。
トルクコンバータ91は、クランク室4潤滑兼用のトルコンオイルが充填され、クランク軸100と共にポンプインペラ91aが回転する際、タービンランナ91bがポンプインペラ91aに追従しないときに、ポンプインペラ91aの回転方向とは反対方向の反力をステータ91dが受け、その反力をステータ固定プレート91eが受けるようになっている。そして、タービンランナ91bの回転動力がクランク軸100に外装されたプライマリ駆動歯車103を介してメイン軸201の右側に装備される多板クラッチ92のプライマリ従動歯車93に伝達される。
多板クラッチ92は、湿式のシフトチェンジ用クラッチであって、メイン軸201の右側に組み付けられており、アウターケース92a内に、複数枚のクラッチプレート92bと、クラッチプレート92bに交互に配置されている複数枚のクラッチディスク92cと、それぞれ不図示の、ダンパスプリングと、ドライブプレートと、ストップリングと、クラッチスプリングと、クラッチウェイトと、アウタドライブ歯車と、センタークラッチと、フリースプリングと、セットリングと、を内蔵して構成されている。多板クラッチ92は、右クランクケース3に支持されているクラッチ軸(不図示)に結合されているクラッチリフターレバー(不図示)が、メイン軸201に結合されているクラッチリフターカムプレート(不図示)を回動させることにより、トランスミッション200のギア切換え中にクランク軸100の回転動力をトランスミッション200に伝達せずにニュートラル状態とし、トランスミッション200のギア切換えが終了したと同時にクランク軸100の回転動力をトランスミッション200に伝達する。
トランスミッション200は、図3〜図5に示すように、メイン軸201と、カウンタ軸202と、中間軸203と、リバース軸204と、フォーク軸205と、シフトドラム206とから構成され、各軸はクランク軸100に平行に配置される。なお、図4は、フォーク軸205とメイン軸201とリバース軸204とカウンタ軸202とフォーク軸205とを結んだ線で切断した断面図であるため、フォーク軸205が2本示されているが、実際には1本である。
メイン軸201は、左、右クランクケース2,3にそれぞれ配置される転がり軸受72,73を介して回動自在に支持され、相対回転自在に挿通される歯車201a,201bと、この歯車201a,201bの間でメイン軸201の軸方向にスライド移動可能にして回転方向に係止されていて第1シフトフォーク207の移動により歯車201aまたは歯車201bに係合可能な歯車201cと、メイン軸201に一体成形される歯車201dと、を備える。
カウンタ軸202は、左、右クランクケース2,3にそれぞれ配置される転がり軸受74,75を介して回動自在に支持され、固定された歯車202bと、相対回転自在に挿通される歯車202c,202dと、この歯車202c,202dの間でカウンタ軸202の軸方向にスライド移動可能にして回転方向に係止されていて第2シフトフォーク208の移動により歯車202cまたは歯車202dに係合可能な歯車202eと、を備える。また、カウンタ軸202の左端部には第1中間歯車202a(図3参照)が固定され、中間歯車収容室5内に第1中間歯車202aを配置している。
中間軸203は、左、右クランクケース2,3にそれぞれ配置される転がり軸受76,77を介して回動自在に支持されるもので、左端部に固定される第2中間歯車203aと、ばね機構209によって左側に付勢されて回転方向に係止される歯車203bとを備え、第2中間歯車203aを中間歯車収容室5内に配置し、歯車203bをデファレンシャル室301内に配置する。ここで、デファレンシャル室301とは、トランスミッション200の後方のクランク室4において、左、右クランクケース2,3にそれぞれ形成される隔壁6,7によって、クランク室4及び中間歯車収納室5とは独立して形成されるものである。なお、第1中間歯車202aと第2中間歯車203aは常時噛合されている。
リバース軸204は、左、右クランクケース2,3にそれぞれ形成される嵌合部に支持されるもので、一体成形された歯車204a,204bを回動自在に軸支する。
フォーク軸205は、左、右クランクケース2,3にそれぞれ形成される嵌合部に支持されるもので、第1シフトフォーク207と第2シフトフォーク208とを軸方向にスライド移動可能に軸支する。
シフトフォーク207,208は、シフトドラム206に設けられるカム溝206a,206bにそれぞれ挿入され、シフトドラム206が回動することによって、カム溝206a,206bに沿ってフォーク軸205の軸線上をスライド移動する。
デファレンシャル300は、デファレンシャル室301内に配置されるもので、リング歯車302が中間軸203の歯車203bに噛合されているので、中間軸203の回転動力が歯車203bを介してリング歯車302に伝達されて、差動歯車機構303により左右のドライブ軸(出力軸)304,305を回転させる。
図5に示すように、シリンダヘッド50には、吸気バルブ56が配置された吸気ポート50aと、排気バルブ57が配置された排気ポート50bが形成されており、吸気ポート50aにインジェクタ59が組み付けられている。インジェクタ59は、不図示のエンジンコントロールユニットに電気的に接続されており、このエンジンコントロールユニットから与えられた電流によって、回転数に応じて、高燃圧の燃料を吸気ポート50a内に噴射する。
左、右クランクケース2,3の割り面には、それぞれに潤滑油送給用の送油通路2a,3a(図8参照)が左右対称に形成される。この送油通路2a,3aは、両クランクケース2,3が結合されることにより密閉され、前端部がオイルポンプ(図6参照)80の吐出側に連通接続され、後端部が中間歯車収納室5に有する送油通路(図7参照)5aに連通接続される。
図6に示すように、クランク軸100の近傍には、オイルポンプ80が組み付けられている。オイルポンプ80は、クランク軸100に装備された歯車104とポンプ歯車81とを介してクランク軸100の回転に伴ってクランク室4(図5参照)の底部から潤滑油を汲み上げて右クランクケース3の前方に形成された分配口3bに送給する強制圧送潤滑を行う。分配口3bは、一方が右クランクケースカバー61内に形成された送油通路61aを通じてクランク軸100側に送給され、他方が左、右クランクケース2,3に形成される送油通路2a,3aに送給される。送油通路61aに送給された潤滑油は、クランク軸100内に形成された潤滑孔105からトルクコンバータ91内を通過してクランクピン101内に送給される。また、クランク軸100の左側前方には、クランク軸100に装備された歯車106とスタータ歯車98とを介してスタータモータ97が接続されている。
次に、図7,図8を参照して、オイルポンプ80から圧送されてきた潤滑油の中間歯車収納室5への送給経路について説明する。
図7に示すように、中間歯車収納室5は、前述したように、両中間歯車202a,203aを囲繞するような壁面を左クランクケース2の外側に突出させることで形成され、を囲繞するような壁面を外側に突出させることで形成されており、周囲に配置された周板2cの端面に側面視略逆L字形状の送油通路5aが形成されている。送油通路5aは、送油通路2a,3aに連通する中央孔5bと、中央孔5bの下方側に設けられるメイン軸孔5cと、中央孔5bの後方側に設けられるリバース軸孔5dと、周板2cの端面においてこれら各孔5c,5b,5dを繋ぐ接続溝5e,5eとで構成され、メイン軸孔5c及びリバース軸孔5dは、周板2cの端面からクランク室4内に貫通している。
中間歯車収納室5には、メイン軸孔5cに隣接した位置において、左クランクケース2に形成されるオリフィス孔2dが開口されている。このオリフィス孔2dは、図3にも示されるように、メイン軸孔5cを介して送油通路5aに連通されると共に、メイン軸201内に形成される潤滑油路201e(図3参照)に連通される。
また、中間歯車収納室5は、左クランクケース2の後方上側に配置されているために、周板2cの下端部がクランク室4内の潤滑油の油面L(図5参照)より上方に位置されている。そして、中間歯車収納室5には、潤滑油戻り孔2eを有する。この潤滑油戻り孔2eは、第1中間歯車202aの裏面側の位置でクランク室4に貫通して形成される。また、潤滑油戻り孔2eは、中間歯車収納室5内の第1、第2中間歯車202a,203aの最下端を結ぶ線Aよりも上方に配置される。
さらに、中間歯車収納室5は、中間歯車収納室カバー62が組み付けられることにより、開口が閉塞されると共に、送油通路5aが密閉されて、第1、第2中間歯車202a,203aをバスタブ方式で潤滑する。このように、中間歯車収納室5は、トランスミッション200を構成する複数の歯車のうちの外径の大きい第1、第2中間歯車202a,203aを左クランクケース2の側部へ配置することで各軸間、特にメイン軸201とカウンタ軸202間の距離を短縮でき、それによって、パワーユニット1の全長を短くすることができる。
オイルポンプ80から吐出された潤滑油は、送油通路2a,3aの前端部から後端部へ送給され、中間歯車収納室5の送油通路5a内において中央孔5bからメイン軸孔5cとリバース軸孔5dとに分岐される。そして、メイン軸孔5cに送給された潤滑油は、メイン軸孔5cからメイン軸201における左側の軸受72部分に送られ、メイン軸201内に形成される潤滑油路201e(図3参照)内に一旦取り込まれてからオリフィス孔2dに送られ、オリフィス孔2dから中間歯車収納室5内に吐出される。このとき、中間歯車収納室5内への潤滑油の吐出がオリフィス孔2dによりされるため、潤滑油路201e及び送油通路2a,3a,5aの潤滑油の送給圧力が低くなることはなく、メイン軸201に対する潤滑も安定的に行うことができる。
一方、中央孔5bからリバース軸孔5dに送給された潤滑油は、リバース軸孔5dからリバース軸204の左側部分に送られ、リバース軸204内に形成された潤滑油路204c(図4参照)内に送給される。ここで、カウンタ軸202内に形成された潤滑孔202f(図4参照)に対しては、右クランクケース3に形成されるオイルポケット3cに溜まった潤滑油が供給される。
そして、オリフィス孔2dから中間歯車収納室5内に吐出された潤滑油は、バスタブ方式で第1、第2中間歯車202a,203aを潤滑しつつ周板2cの底部に溜まる。周板2cの底部は、下方に向けて湾曲した形状に形成されているために、パワーユニット1の姿勢変動の影響を受けることはなく、底部に溜まった潤滑油の量は第1、第2中間歯車202a,203aを潤滑するのに十分な量となる。その後、周板2cの底部に溜まった潤滑油は、潤滑油戻り孔2eからクランク室4内に潤滑油が戻されるため、所定量を超えることはなく常に安定した潤滑を行うことができる。このように、パワーユニット1はバスタブ方式の潤滑でありながら、潤滑要部である、クランク軸100、メイン軸201、リバース軸204、そして中間歯車収納室5へは、結合した左、右クランクケース2,3内に形成される送油通路2a,3a,5aを通じて強制的な潤滑を行うことができるので、潤滑切れ等による不具合を確実に解消することができる。
以上説明したように、本実施形態の内燃機関の潤滑構造においては、クランク軸100、メイン軸201、リバース軸204及び中間歯車収納室5が強制圧送式潤滑されるために、内燃機関1の姿勢変動の影響を受けずに安定した潤滑を行うことができる。また、この強制圧送式潤滑に用いる潤滑油の一部を中間歯車収容室5に送油するので、中間歯車収納室5に収納した第1、第2中間歯車202a,203aをバスタブ方式で潤滑することができる。これにより、各歯車への専用送油通路を設ける必要がなくなるので、別体のバイパス管を設けたものと比較して内燃機関の構造を簡素化することができる。
また、上記内燃機関の潤滑構造では、中間歯車収納室5の下端部がクランク室4の潤滑油面より上方に位置されるため、中間歯車収納室5において第1、第2中間歯車202a,203aを浸漬させた潤滑油を効率よく循環させることができると共にクランク室4へ確実に戻すことができる。
そして、上記内燃機関の潤滑構造では、中間歯車収納室5におけるクランク室4への潤滑油戻り孔2eが第1、第2中間歯車202a,203aの最下端を結ぶ線Aより上方にあるため、潤滑油戻り孔2eの下端部までに第1、第2中間歯車202a,203aを十分に潤滑できる所定量の潤滑油を溜めることができる。
さらに、上記内燃機関の潤滑構造では、オリフィス孔を介して中間歯車収容室5に潤滑油を送油するため、強制圧送潤滑されるクランク100軸及びメイン軸201への送油通路の送給圧力を下げることなく中間歯車収納室5に潤滑油を送油することができる。
本発明に係る内燃機関の潤滑構造を搭載した車両の側面図である。 図1に示した車両の平面図である。 本発明に係る内燃機関の潤滑構造を説明するパワーユニットのシリンダヘッドとシリンダブロックとクランク軸とメイン軸とカウンタ軸と中間軸とデファレンシャルとを結んだ線で切断した断面図である。 図3に示したパワーユニットのフォーク軸とメイン軸とリバース軸とカウンタ軸とシフトドラムとを結んだ線で切断した断面図である。 図3に示したパワーユニットの左クランクケースを内側から見た側面図である。 図3に示したパワーユニットのオイルポンプ周りの断面図である。 図3に示したパワーユニットの左クランクケースを外側から見た側面図である。 パワーユニットの送油通路の要部を示す図7のB−B矢視断面図である。
符号の説明
1 パワーユニット(内燃機関)
2 左クランクケース
2a,3a,5a 送油通路
2d オリフィス孔
2e 潤滑油戻り孔
3 右クランクケース
4 クランク室
5 中間歯車収納室
6,7 隔壁
100 クランク軸
200 トランスミッション
201 メイン軸
202 カウンタ軸
202a 第1中間歯車(中間歯車)
203 中間軸
203a 第2中間歯車(中間歯車)
204 リバース軸
300 デファレンシャル
302 リング歯車
304 左ドライブ軸(出力軸)
305 右ドライブ軸(出力軸)

Claims (4)

  1. 内燃機関のクランク室にクランク軸と平行なメイン軸及びカウンタ軸を有するトランスミッションを内蔵すると共に、前記トランスミッション後方の前記クランク室に隔壁を設け、前記隔壁に隔てられたデファレンシャル室に前記クランク軸と平行な出力軸を有するデファレンシャルを設け、前記カウンタ軸の出力を中間歯車を介して前記デファレンシャルのリング歯車に伝達する内燃機関の潤滑構造であって、
    前記中間歯車を収納する中間歯車収納室を前記クランク室とは別室に設け、前記クランク軸及びメイン軸を強制圧送式潤滑とし、前記強制圧送式潤滑に用いる潤滑油の一部を前記中間歯車収納室に導き、前記中間歯車をバスタブ方式で潤滑することを特徴とする内燃機関の潤滑構造。
  2. 前記中間歯車収納室の下端部は、前記クランク室の潤滑油面より上方に位置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の潤滑構造。
  3. 前記中間歯車収納室の前記中間歯車の最下端を結ぶ線より上方に、クランク室への潤滑油戻り孔を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の潤滑構造。
  4. 前記強制圧送式潤滑に用いる前記潤滑油を前記中間歯車収納室に導く送油通路は、前記潤滑油を前記メイン軸の潤滑油路に一旦取り込んだ後、前記中間歯車収納室にオリフィス孔を介して送油するように形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の潤滑構造。
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