JP4535597B2 - 冊子作製処理方法およびこれにより作製される冊子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、個別対象毎の印刷媒体に印字、印刷して個別対象毎の冊子状に加工する冊子作製処理方法及びこれにより作製される冊子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、冊子の印刷作製は、一般対象向け共通内容を掲載して頒布する場合の他に、各顧客等の個別向けの内容を掲載して個別対象毎に頒布する冊子のためのものが要望されてきている。これは、個別対象毎の冊子とすることで一般対象向けのものに対してページ数の絞り込みが可能となって生産コスト、物流コスト、在庫コストの削減が可能となるためである。そのため、冊子内の印刷処理を効率的に行えることが望まれている。
【0003】
従来、冊子形態で1点一葉のものを作製する場合として、当該冊子の各頁を事前に印字、印刷しておき、選択情報に基づいて各頁を手作業で選択し、製本を行う手法がとられている。
【0004】
そこで、図10に、従来の冊子印刷製造の概念図を示す。図10において、印刷データ101に基づいて、各パーソナル向け毎にオフセット等で印字、印刷した表紙群102と、別に当該各パーソナル向け毎にそれぞれの情報内容をオフセット等で印字、印刷した各紙葉の紙葉群103が必要数用意される。用意された表紙群102と紙葉群103から、各パーソナルに対応したリスト(選択情報)に基づいて各表紙(各パーソナル向け)とそれに対応した紙葉を手作業にて選択し、製本前の紙葉集104A,104B,・・・104Xとされる。
【0005】
この場合、上記紙葉集104A,104B,・・・104Xにおいて、各パーソナル向け毎に選択ミスがないか否かのマッチングが行われ、選択ミスに応じて適時差し替え等が行われる。そして、マッチング後に接着剤や綴じ針等で片綴じして各パーソナル毎の冊子105A,105B,・・・105Xが完成されるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、用意される上記表紙群102及び紙葉群103は別々に印字、印刷され、手作業で表紙、紙葉を選択してマッチングを行うことから冊子作製工程の効率化を図ることができないという問題がある。
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、個別対象毎の冊子単位でかつ枚数の異なる冊子を作製する工程の効率化を図る冊子作製処理方法及びこれにより作製される冊子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、所定の印刷データに基づいて、一の冊子を構成する単葉の両面に各頁毎の印刷内容を印刷し、折曲、断裁の加工を行って綴じることにより冊子状に製本する冊子作製処理方法であって、前記単葉を平面上としたときに第一頁目を基準に、X方向を所定数の頁割付けの段として、当該X方向の頁割付け数のX値を取得するステップと、前記第一頁目を含む段のおもて面について、当該第一頁目よりX方向に、当該X方向の前頁目の頁数値に「3」を加え、続いて当該X方向の前頁目の頁数値に「1」を加えることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、前記単葉のうら面について、前記第一頁目を基準としてX方向に、対応おもて面の頁数値に「1」を加え、続いて対応おもて面の頁数値に「1」を減じることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、一方、前記第一頁目よりX方向の奇数番目の各頁の印刷向きと、偶数番目の各頁の印刷向きとを、それぞれ折曲加工時に同方向とするデータ回転設定を行うステップと、前記印刷データに基づいて、前記割り付けられた頁数値に対応させ、前記データ回転設定に対応させた印刷処理を行うステップと、前記第一頁を基準に、X方向に山折りから始まるZ折りに折曲加工し、印刷領域を断裁するステップと、所定の綴じ部材で所定部分を綴じるステップと、を含む構成とする。
【0008】
請求項2の発明では、所定の印刷データに基づいて、一の冊子を構成する単葉の両面に各頁毎の印刷内容を印刷し、折曲、断裁の加工を行って綴じることにより冊子状に製本する冊子作製処理方法であって、前記単葉を平面上としたときに第一頁目を基準に、X方向を所定数の頁割付けの段としてY方向に所定数の段を構成させるものとし、当該X方向、Y方向におけるそれぞれの頁割付け数のX値、Y値を取得するステップと、前記第一頁目を含む段のおもて面について、当該第一頁目よりX方向に、当該X方向の前頁目の頁数値に「3」を加え、続いて当該X方向の前頁目の頁数値に「1」を加えることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、前記第一頁目の段を除くY方向の奇数段の各おもて面について、当該第一頁目を含むY方向の列の対応部分をそれぞれ始頁とし、当該始頁を{2・X・Y(n−1)+1}(Y(n)はY方向の段数目であって、Y(n−1)は前段の段数目)として、X方向に、当該X方向の前頁目の頁数値に「3」を加え、続いて当該X方向の前頁目の頁数値に「1」を加えることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、一方、前記Y方向の偶数段の各おもて面について、当該第一頁目を含むY方向の列の対応部分をそれぞれ始頁とし、当該始頁を{2・X・Y(n)}として、X方向に、当該X方向の前頁目の頁数値に「3」を減じ、続いて当該X方向の前頁目の頁数値に「1」を減じることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、前記単葉のうら面について、前記第一頁目の段を含むY方向の奇数段で、当該第一頁を含むY方向の列の対応部分を始基準としてX方向に、対応おもて面の頁数値に「1」を加え、続いて対応おもて面の頁数値に「1」を減じることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、前記単葉のうら面におけるY方向の偶数段で、当該第一頁を含むY方向の列の対応部分を始基準としてX方向に、対応おもて面の頁数値に「1」を減じ、続いて対応おもて面の頁数値に「1」を加えることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、一方、前記単葉の両面について、各頁の印刷向きを、それぞれ折曲加工時に同方向とするデータ回転設定を行うステップと、前記印刷データに基づいて、前記割り付けられた頁数値に対応させ、前記データ回転設定に対応させた印刷処理を行うステップと、前記第一頁を含む列を基準に、X方向に山折りから始まるZ折りに折曲加工し、続いてY方向に山折りから始まるZ折りに折曲加工するステップと、印刷領域を断裁して所定の綴じ部材で所定部分を綴じるステップと、を含む構成とする。
【0009】
請求項3の発明では、前記一の冊子を構成する単葉は、連続用紙上での前記印刷処理の後に断裁される構成である。
請求項4の発明では、請求項1〜3の少なくとも何れかに記載の冊子作製処理方法で作製される冊子の構成とする。
【0010】
このように、第一頁を含むX方向を段としてY方向に所定数段とし、各段のおもて面、うら面のそれぞれで頁割付けを行い、印刷向きを両面について折曲加工時に同方向とするデータ回転設定を行った後に印刷処理を行い、X方向とY方向にそれぞれ山折りから始まるZ折りを行ってから印刷領域を断裁して綴じることで冊子状に製本させる。すなわち、単葉の両面の頁割付け、印刷向きを一定の手法で設定してその後の印刷処理、加工処理、製本処理を行うことから、個別対象毎の冊子単位でかつ枚数の異なる冊子を作製する工程の効率化を図ることが可能となるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図により説明する。
図1に、本発明の冊子作製処理方法を実現するための処理システムのブロック構成図を示す。図1(A)は、本システムのブロック構成図、図1(B)は、図1(A)の頁割付手段のブロック構成図である。図1(A)に示す冊子作製処理システム11は、所定の印刷データに基づいて、一の冊子を構成する単葉の両面に各頁毎の印刷内容を印刷し、折曲、断裁の加工を行って綴じることにより冊子状に製本するものであって、システム全体を制御する図示しない制御手段の他に、頁割付手段12、データ回転手段13、印刷手段14、加工手段15および製本綴じ手段16を含んで構成される。
【0012】
上記頁割付手段12は、第一頁を含むX方向を段としてY方向に所定数段として、条件値17のX値およびY値を取得し、第一頁の段を含むY方向の奇数段と偶数段についてのおもて面(表面)、うら面(裏面)のそれぞれで頁割付けを行うもので、詳細は図1(B)で説明する。上記データ回転手段13は、印刷データの向きを折曲加工時に同方向となるようにデータ回転設定を行うもので、単葉がX方向の1段のみで構成される場合には、総ての頁(表裏)を同方向の印刷向きとする。また、Y方向の複数段で構成される場合には、単葉の両面について、第一頁目のY方向における列の対応部分を基準列として、X方向の奇数列目における各頁の印刷向きと、偶数列目における各頁の印刷向きとをX方向としてそれぞれ天地を逆向きとし、または、当該第一頁目のX方向における段を基準段として、各奇数段目における各頁(表裏)の印刷向きと、各偶数段における各頁(表裏)の印刷向きとを、Y方向としてそれぞれ天地を逆向きとする。
【0013】
上記印刷手段14は、取得する印刷データ18に基づいて、上記頁割付手段12で割り付けられた頁数値に対応させ、上記データ回転手段13でのデータ回転設定に対応させた印刷処理を行う。上記加工手段15は、単葉がX方向の1段のみで構成される場合には第一頁を基準に、X方向に山折りから始まるZ折りに折曲加工して印刷領域の断裁を行い、Y方向の複数段で構成される場合には、第一頁を含む列を基準に、X方向に山折りから始まるZ折りに折曲加工し、続いてY方向に山折りから始まるZ折りに折曲加工して印刷領域の断裁を行う。そして、上記製本綴じ手段16は、断裁した各頁葉を所定の綴じ部材で一辺を綴じて冊子状に製本する。
【0014】
ここで、図1(B)において、上記頁割付手段12は、適宜、段数区分手段21、奇数段頁割付手段22、偶数段頁割付手段23および統合手段24を備える。段数区分手段21は、取得する条件値17のX値およびY値に基づいて奇数段と偶数段を区分けし、Y値の範囲内の奇数段(1段、3段、・・・であって、1段のみの場合もある)の段数値を奇数段頁付手段22に送出すると共に、Y値の範囲内の偶数段(2段、4段、・・・)の段数値を奇数段頁付手段22に送出するが、単葉がX方向の1段のみで構成される場合には送出されない。
【0015】
上記奇数頁割付手段22は、第一頁目を含む段のおもて面について、当該第一頁目よりX方向に、当該X方向の前頁目の頁数値に「3」を加え、続いて当該X方向の前頁目の頁数値に「1」を加えることをX値まで繰り返して頁割付けを行うと共に、第一頁目の段を除くY方向の奇数段の各おもて面について、当該第一頁目を含むY方向の列の対応部分をそれぞれ始頁とし、当該始頁を{2・X・Y(n−1)+1}(Y(n)はY方向の段数目であって、Y(n−1)は前段の段数目)として、X方向に、当該X方向の前頁目の頁数値に「3」を加え、続いて当該X方向の前頁目の頁数値に「1」を加えることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行う。
【0016】
また、単葉のうら面について、第一頁目の段を含むY方向の奇数段で、当該第一頁を含むY方向の列の対応部分を始基準としてX方向に、対応おもて面の頁数値に「1」を加え、続いて対応おもて面の頁数値に「1」を減じることをX値まで繰り返して頁割付けを行う。
【0017】
上記偶数頁割付手段23は、Y方向の偶数段の各おもて面について、当該第一頁目を含むY方向の列の対応部分をそれぞれ始頁とし、当該始頁を{2・X・Y(n)}として、X方向に、当該X方向の前頁目の頁数値に「3」を減じ、続いて当該X方向の前頁目の頁数値に「1」を減じることをX値まで繰り返して頁割付けを行う。また、単葉のうら面におけるY方向の偶数段で、当該第一頁を含むY方向の列の対応部分を始基準としてX方向に、対応おもて面の頁数値に「1」を減じ、続いて対応おもて面の頁数値に「1」を加えることをX値まで繰り返して頁割付けを行う。
【0018】
そして、上記統合手段24は、上記奇数段頁割付手段22で割り付けられた頁数値と、上記偶数段頁割付手段23で割り付けられた頁数値とを統合して一の冊子を構成する単葉全体の頁割付けとするものである。
【0019】
そこで、図2〜図4に、各頁数の冊子作製の説明図を示す。なお、ここでは印刷データの向きをX方向とした場合を示している。図2は、8頁冊子を作製する場合のもので、図2(A)に示す8頁冊子を構成する8頁展開単葉31のおもて面において、X=2、Y=2の条件値で第一頁目(P−1)よりX方向を第1段とし、Y方向に2段で構成したものである。まず、第一頁(P−1)を含む段において、X方向に前頁目(第一頁)に「3」を加えた頁数値(P−4)が頁割付けされている。
【0020】
また、Y方向の第2段のおもて面において、第一頁を含む列の対応部分を始頁として、{2・X・Y(n)}(X=2、Y(n)=2)より第8頁(P−8)が頁割り付けられ、これより前頁目の頁数値としての第8頁(P−8)からX方向に「3」を減じた第5頁(P−5)が割り付けられている。
【0021】
そして、8頁展開単葉31のうら面においては括弧内の頁数値として表しており、第一頁目の段で、当該第一頁(P−1)を始基準としてX方向に、対応おもて面の頁数値(P−1)に「1」を加えた第2頁(P−2)が割り付けられ、続いてX方向の次頁において対応おもて面の頁数値第4頁(P−4)に「1」を減じた第3頁(P−3)が割り付けられている。また、第2段(偶数段)において、第一頁を含む列の対応部分(上記始頁の第8頁(P−8))よりX方向に対応おもて面の頁数値(P−8)に「1」を減じた第7頁(P−7)が割り付けられ、続いてX方向の次頁において対応おもて面の頁数値第5頁(P−5)に「1」を加えた第6頁(P−6)が割り付けられている。
【0022】
さらに、8頁展開単葉31の両面について、第一頁目のY方向における列の対応部分を基準列として、X方向の奇数列目における各頁(P−1)、(P−2)、(P−7)、(P−8)の印刷向きと、偶数列目における各頁(P−3)〜(P−6)の印刷向きとがX方向とされ、それぞれ天地を逆向きにデータ回転設定されている。
【0023】
そこで、図2(B)に示すように、第一頁を含む列を基準に、折り線32(図2(A))でX方向に山折りを行い、続いて図2(C)に示すように折り線33(図2(B))でY方向に山折りして折曲加工される。また、図2(D)に示すように、印刷領域である断裁線34で断裁し、図2(E)に示すように一辺を綴じ部材としての接着剤(ステープルでもよい)35で綴じられることで冊子36として製本されるものである。
【0024】
次に、図3は、12頁冊子を作製する場合のもので、図3(A)に示す12頁冊子を構成する12頁展開単葉41のおもて面において、X=3、Y=2の条件値で第一頁目(P−1)よりX方向を第1段とし、Y方向に2段で構成したものである。まず、第一頁(P−1)を含む段において、X方向に前頁目(第一頁)に「3」を加えた頁数値(P−4)が頁割付けされ、続いてX方向に前頁目(第4頁)に「1」を加えた頁数値(P−5)が頁割付けされている。
【0025】
また、Y方向の第2段のおもて面において、第一頁を含む列の対応部分を始頁として、{2・X・Y(n)}(X=2、Y(n)=2)より第8頁(P−12)が頁割り付けられ、これより前頁目の頁数値としての第8頁(P−12)からX方向に「3」を減じた第9頁(P−9)が割り付けられ、続いてX方向に「1」を減じた第8頁(P−8)が割り付けられている。
【0026】
そして、12頁展開単葉41のうら面においては括弧内の頁数値として表しており、第一頁目の段で、当該第一頁(P−1)を始基準としてX方向に、対応おもて面の頁数値(P−1)に「1」を加えた第2頁(P−2)が割り付けられ、続いてX方向の次頁において対応おもて面の頁数値第4頁(P−4)に「1」を減じた第3頁(P−3)が割り付けられ、続いてX方向の対応おもて面の頁数値(P−5)に「1」を加えた第6頁(P−6)が割り付けられている。
【0027】
また、第2段(偶数段)のうら面において、第一頁を含む列の対応部分(上記始頁の第12頁(P−12))よりX方向に対応おもて面の頁数値(P−12)に「1」を減じた第11頁(P−11)が割り付けられ、続いてX方向の次頁において対応おもて面の頁数値第9頁(P−9)に「1」を加えた第10頁(P−10)が割り付けられ、続いてX方向の次頁において対応おもて面の頁数値第8頁(P−8)に「1」を減じた第7頁(P−7)が割り付けられている。
【0028】
さらに、12頁展開単葉41の両面について、第一頁目のY方向における列の対応部分を基準列として、X方向の奇数列目における各頁(P−1)、(P−2)、(P−5)〜(P−8)の印刷向きと、偶数列目における各頁(P−3)、(P−4)、(P−9)、(P−10)の印刷向きとがX方向とされ、それぞれ天地を逆向きにデータ回転設定されている。
【0029】
そこで、図3(B)に示すように、第一頁を含む列を基準に、折り線42(図3(A))でX方向に山折りが行われ、折り線43(図3(B))でX方向に谷折りするZ折りが行われる。続いて図3(C)に示すように折り線44(図3(B))でY方向に山折りされて折曲加工される。また、図3(D)に示すように、印刷領域である断裁線45で断裁し、図4(E)に示すように一辺を綴じ部材としての接着剤(ステープルでもよい)46で綴じられることで冊子47として製本されるものである。
【0030】
また、図4は、18頁冊子を作製する場合のもので、図4(A)に示す18頁冊子を構成する18頁展開単葉51のおもて面において、X=3、Y=3の条件値で第一頁目(P−1)よりX方向を第1段とし、Y方向に3段で構成したものである。この場合、Y方向の第2段までは上記図3(A)と同様である。
【0031】
そこで、Y方向の第3段目(奇数段)において、第一頁を含む列の対応部分を始頁として、{2・X・Y(n−1)+1}(X=3、Y(n)=3、Y(n−1)=2)より第13頁(P−13)が頁割り付けられる。これより前頁目の頁数値としての第13頁(P−13)からX方向に「3」を加えた第16頁(P−16)が割り付けられ、続いて前頁目の頁数値としての第16頁(P−16)からX方向に「1」を加えた第17頁(P−17)が割り付けられている。
【0032】
そして、18頁展開単葉51のうら面においては括弧内の頁数値として表しており、第一頁目の段で、当該第一頁(P−1)を始基準としてX方向に、対応おもて面の頁数値(P−1)に「1」を加えた第2頁(P−2)が割り付けられ、続いてX方向の次頁において対応おもて面の頁数値第4頁(P−4)に「1」を減じた第3頁(P−3)が割り付けられ、続いてX方向の対応おもて面の頁数値(P−5)に「1」を加えた第6頁(P−6)が割り付けられている。
【0033】
また、第2段(偶数段)のうら面において、第一頁を含む列の対応部分(上記始頁の第12頁(P−12))よりX方向に対応おもて面の頁数値(P−12)に「1」を減じた第11頁(P−11)が割り付けられ、続いてX方向の次頁において対応おもて面の頁数値第9頁(P−9)に「1」を加えた第10頁(P−10)が割り付けられ、続いてX方向の次頁において対応おもて面の頁数値第8頁(P−8)に「1」を減じた第7頁(P−7)が割り付けられている。
【0034】
続いて、第3段(奇数段)のうら面において、第一頁を含む列の対応部分(上記始頁の第13頁(P−13))よりX方向に対応おもて面の頁数値(P−13)に「1」を加えた第14頁(P−14)が割り付けられ、続いてX方向の次頁において対応おもて面の頁数値第16頁(P−16)に「1」を減じた第15頁(P−15)が割り付けられ、続いてX方向の次頁において対応おもて面の頁数値第17頁(P−17)に「1」を加えた第18頁(P−18)が割り付けられている。
【0035】
さらに、18頁展開単葉51の両面について、第一頁目のY方向における列の対応部分を基準列として、X方向の奇数列目における各頁(P−1)、(P−2)、(P−5)〜(P−8)、(P−12)〜(P−15)、(P−17)、(P−18)の印刷向きと、偶数列目における各頁(P−3)、(P−4)、(P−9)、(P−10)、(P−15)、(P−16)の印刷向きとがX方向とされ、それぞれ天地を逆向きにデータ回転設定されている。
【0036】
そこで、図4(B)に示すように、第一頁を含む列を基準に、折り線52(図4(A))でX方向に山折りが行われ、折り線53(図4(B))でX方向に谷折りするZ折りが行われる。続いて図4(C)に示すように折り線54(図4(B))でY方向に山折りが行われ、折り線55(図4(B)でY方向に谷折りするZ折りされて折曲加工される。また、図4(D)に示すように、印刷領域である断裁線56で断裁し、図4(E)に示すように一辺を綴じ部材としての接着剤(ステープルでもよい)57で綴じられることで冊子58として製本されるものである。
【0037】
このように、図2〜図4に示す冊子以外の頁数(2・X・Y)であっても、おもて面において、第1段を除く奇数段の始頁を{2・X・Y(n−1)+1}とし、偶数段の始頁を{2・X・Y(n)}として、第一頁を含む奇数段にあってはX方向に前頁目の頁数値に「3」を加算し、続いて前頁目の頁数値に「1」を加算することを繰り返すことにより頁割付けが行われ、偶数段にあってはX方向に前頁目の頁数値に「3」を減じ、続いて前頁目の頁数値に「1」を減ずることを繰り返すことにより頁割付けが行われる。
【0038】
また、うら面において、各奇数段にあってはX方向に、対応おもて面の頁数値に「1」を加算し、続いて対応おもて面の頁数値に「1」を減ずることを繰り返し、各偶数段にあってはX方向に、対応おもて面の頁数値に「1」を減じ、続いて対応おもて面の頁数値に「1」を加算することを繰り返すことにより頁割付けが行われる。
【0039】
さらに、第一頁目のY方向における列の対応部分を基準列として、X方向の奇数列目における各頁の印刷向きと、偶数列目における各頁の印刷向きとがX方向とされ、それぞれ天地を逆向きにデータ回転設定される。そして、第一頁を基準に、X方向に山折りから始まるZ折りを行い、Y方向に山折りから始まるZ折りを行うことで、各重ね合わされた部分が頁順となり、かつ印刷内容の向きが同方向となるものである。
【0040】
なお、上記説明は、Y方向に複数段での頁展開単葉を示したが、Y方向に1段であっても、上述の第一頁を含む段の頁割付け、X方向へのZ折りを繰り返すことにより、適用できるものである。また、上記示した各単葉は、印刷時より単葉である場合と、連続用紙上での印刷処理の後に断裁される場合とを含むものである。また、第一頁目のX方向における段を基準段として、各奇数段目における各頁(表裏)の印刷向きと、各偶数段における各頁(表裏)の印刷向きとを、Y方向としてそれぞれ天地を逆向きとすることで、上記折曲加工後に印刷向きが同方向となるものである。
【0041】
次に、図5に、本発明によるおもて面における奇数段の頁割付けのフローチャートを示す。図5において、まず、頁割付手段12の段数区分手段21が、条件値17としてX値およびY値を取得し、全頁数(2・X・Y)を特定する(ステップ(S)1)。そして、奇数段の数値を奇数段頁割付手段22に送出し、偶数段の数値を偶数段頁割付手段23に送出する。
【0042】
そこで、奇数段頁割付手段22において、第1段の基準値「1」(第一頁)より、X方向の次列目を、前列目の頁数値((P(x−1))に対して「3」を加算した頁数値を割り付ける(S2)。続いて、X方向の次列目を前列目の頁数値((P(x−1))に対して「1」を加算した頁数値を割り付ける(S3)。そして、順次前列目の頁数値((P(x−1))に対して「3」の加算と「1」の加算を繰り返して頁数値を割り付ける(S4)。これを、総てのX列(X値)まで頁割付けを行う(S5)。ここで、上記単葉の頁割付けが1段だけの場合にはおもて面については終了する。
【0043】
続いて、第2段目以降の基準頁の列(第一頁を含むY方向の列)上における奇数段の始頁を{P=2・X・Y(n−1)+1}として特定し(S6)、X方向に、順次、前列目の頁数値((P(x−1))に対して「3」の加算と「1」の加算を繰り返して頁割り付ける(S7)。これが総てのX列(X値)まで頁割り付けられる(S8)。そして、総てのY段(Y値)までの奇数段について頁割付けが行われるものである(S9)。
【0044】
また、図6に、本発明によるおもて面における偶数段の頁割付けのフローチャートを示す。まず、頁割付手段12の段数区分手段21が、条件値17としてX値およびY値を取得し、全頁数(2・X・Y)を特定する(S11)。そして、奇数段の数値を奇数段頁割付手段22に送出し、偶数段の数値を偶数段頁割付手段23に送出する。
【0045】
そこで、偶数段頁割付手段23において、第1段目の基準頁「1」の列上における偶数段の始頁を{P=2・X・Y(n)}として特定し(S12)、X方向の次列目を、前列目の頁数値((P(x−1))に対して「3」を減算した頁数値を割り付ける(S13)。続いて、X方向の次列目を前列目の頁数値((P(x−1))に対して「1」を減算した頁数値を割り付ける(S14)。そして、順次前列目の頁数値((P(x−1))に対して「3」の減算と「1」の減算を繰り返して頁数値を割り付ける(S15)。これを、総てのX列(X値)まで頁割付けを行う(S16)。そして、総てのY段(Y値)までの偶数段について頁割付けが行われるものである(S17)。
【0046】
続いて、図7に、本発明によるうら面における頁割付けりのフローチャートを示す。図7(A)は奇数段の裏面(うら面)の頁割付けのフローチャートであり、図7(B)は偶数段の裏面(うら面)の頁割付けのフローチャートである。図7(A)において、まず、基準頁「1」の列上における奇数段の始頁の裏面に、表面(おもて面)の頁数値(S(P))に「1」を加算した頁数値を割り付ける(S21)。
【0047】
続いて、X方向の次列目の裏面に、表面の頁数値(S(P))に「1」を減算した頁数値を割り付ける(S22)。そして、順次、X方向の各列の各裏面で、表面の頁数値(S(P))に「1」の加算と「1」の減算を繰り返して頁数値を割り付ける(S23)。これを、総てのX列(X値)まで頁割付けを行い(S24)、総てのY段(Y値)までの奇数段について頁割付けが行われるものである(S25)。
【0048】
また、図7(B)において、まず、基準頁「1」の列上における偶数段の始頁の裏面に、表面(おもて面)の頁数値(S(P))に「1」を減算した頁数値を割り付ける(S31)。続いて、X方向の次列目の裏面に、表面の頁数値(S(P))に「1」を加算した頁数値を割り付ける(S32)。そして、順次、X方向の各列の各裏面で、表面の頁数値(S(P))に「1」の減算と「1」の加算を繰り返して頁数値を割り付ける(S33)。これを、総てのX列(X値)まで頁割付けを行い(S34)、総てのY段(Y値)までの偶数段について頁割付けが行われるものである(S35)。
【0049】
次に、図8に、本発明による印刷向き設定のフローチャートを示す。図8において、まず、条件値17としてX値およびY値が取得されて全頁数(2・X・Y)と頁配置が特定される(S41)。そこで、第1段目の基準頁「1」の列を基準列として、当該基準列を含む各奇数列に対応する頁(表裏)の印刷データをX方向で同方向とする(S42A)。また、各偶数列に対応する頁(表裏)の印刷データを、奇数列頁の印刷データに対して天地を逆とした方向とするものである(S43A)。
【0050】
一方、基準頁「1」を含む段を基準段として、各奇数段における各頁(表裏)の印刷データをY方向で同方向とする(S42B)。また、各偶数段における各頁(表裏)の印刷データを、奇数段に対して天地を逆とした方向等する(S43B)。これにより、上述のように第一頁を基準にしてX方向に山折りから始まるZ折りを行い、Y方向に山折りから始まるZ折りを行うことで総てが同方向となるものである。
【0051】
そこで、図9に、本発明に係る冊子作製処理方法の全体処理フローチャートを示す。図9において、まず、印刷データ18を印刷手段14が取得すると共に、頁割付手段12が条件値17としてX方向の全列数のX値、およびY方向の全段数のY値を取得して全頁数(2・X・Y)を特定する(S51)。そこで、頁割付手段12が奇数段および偶数段のそれぞれの表面の頁を割り付けると共に、裏面の頁を割り付けて表裏の前頁の割付けを統合する(S52)。
【0052】
続いて、データ回転手段13が、印刷データの向きを上述のように折曲加工時に同方向とする設定を行う(S53)。そして、印刷手段14が、取得した印刷データ18を、上記頁割付けに対応させ、またデータ回転手段13で設定した印刷データの向きに対応させて印刷処理を行う(S54)。
【0053】
そこで、第一頁を含む基準列に対してX方向に、山折りから始まるZ折りを行う山折りと谷折りを順次繰り返す(S55)。また、第一頁を含む基準段に対してY方向に山折りから始まるZ折りを行う山折りと谷折りを順次繰り返す(S56)。そして、印刷領域(上記断裁線34,45,56で囲まれる領域)を断裁し、所定辺を接着部材やステープル等の綴じ部材により綴じて冊子状とすることで製本するものである(S57)。
【0054】
なお、上記実施形態では、展開単葉上の第一頁を、平面上の右下に配置した場合を示したが、平面上の左上、右上、左下に配置しても適用することができるものである。
【0055】
このように、単葉の両面の頁割付け、印刷向きを一定の手法で設定してその後の印刷処理、折曲や断裁の加工処理、製本処理を行うことから、個別対象毎の冊子単位でかつ個別対象毎によって枚数が可変となる冊子を作製する工程の効率化を図ることができるものである。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、第一頁を含むX方向を段としてY方向に所定数段とし、各段のおもて面、うら面のそれぞれで頁割付けを行い、印刷向きを両面について折曲加工時に同方向とするデータ回転設定を行った後に印刷処理を行い、X方向とY方向にそれぞれ山折りから始まるZ折りを行ってから印刷領域を断裁して綴じることで冊子状に製本させることにより、単葉の両面の頁割付け、印刷向きを一定の手法で設定できることから、個別対象毎の冊子単位でかつ枚数の異なる冊子を作製する工程の効率化を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冊子作製処理方法を実現するための処理システムのブロック構成図である。
【図2】本発明による8頁冊子作製の説明図である。
【図3】本発明による12頁冊子作製の説明図である。
【図4】本発明による18頁冊子作製の説明図である。
【図5】本発明によるおもて面における奇数段の頁割付けのフローチャートである。
【図6】本発明によるおもて面における偶数段の頁割付けのフローチャートである。
【図7】本発明によるうら面における頁割付けのフローチャートである。
【図8】本発明による印刷向き設定のフローチャートである。
【図9】本発明に係る冊子作製処理方法の全体処理フローチャートである。
【図10】従来の個別冊子作製の説明図である。
【符号の説明】
11 冊子作製処理システム
12 頁割付手段
13 データ回転手段
14 印刷手段
15 加工手段
16 製本綴じ手段
17 条件値
18 印刷データ
21 段数区分手段
22 奇数段頁割付手段
23 偶数段頁割付手段
24 統合手段
36,47,58 冊子
Claims (4)
- 所定の印刷データに基づいて、一の冊子を構成する単葉の両面に各頁毎の印刷内容を印刷し、折曲、断裁の加工を行って綴じることにより冊子状に製本する冊子作製処理方法であって、
前記単葉を平面上としたときに第一頁目を基準に、X方向を所定数の頁割付けの段として、当該X方向の頁割付け数のX値を取得するステップと、
前記第一頁目を含む段のおもて面について、当該第一頁目よりX方向に、当該X方向の前頁目の頁数値に「3」を加え、続いて当該X方向の前頁目の頁数値に「1」を加えることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、
前記単葉のうら面について、前記第一頁目を基準としてX方向に、対応おもて面の頁数値に「1」を加え、続いて対応おもて面の頁数値に「1」を減じることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、
一方、前記第一頁目よりX方向の奇数番目の各頁の印刷向きと、偶数番目の各頁の印刷向きとを、それぞれ折曲加工時に同方向とするデータ回転設定を行うステップと、
前記印刷データに基づいて、前記割り付けられた頁数値に対応させ、前記データ回転設定に対応させた印刷処理を行うステップと、
前記第一頁を基準に、X方向に山折りから始まるZ折りに折曲加工し、印刷領域を断裁するステップと、
所定の綴じ部材で所定部分を綴じるステップと、
を含むことを特徴とする冊子作製処理方法。 - 所定の印刷データに基づいて、一の冊子を構成する単葉の両面に各頁毎の印刷内容を印刷し、折曲、断裁の加工を行って綴じることにより冊子状に製本する冊子作製処理方法であって、
前記単葉を平面上としたときに第一頁目を基準に、X方向を所定数の頁割付けの段としてY方向に所定数の段を構成させるものとし、当該X方向、Y方向におけるそれぞれの頁割付け数のX値、Y値を取得するステップと、
前記第一頁目を含む段のおもて面について、当該第一頁目よりX方向に、当該X方向の前頁目の頁数値に「3」を加え、続いて当該X方向の前頁目の頁数値に「1」を加えることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、
前記第一頁目の段を除くY方向の奇数段の各おもて面について、当該第一頁目を含むY方向の列の対応部分をそれぞれ始頁とし、当該始頁を{2・X・Y(n−1)+1}(Y(n)はY方向の段数目であって、Y(n−1)は前段の段数目)として、X方向に、当該X方向の前頁目の頁数値に「3」を加え、続いて当該X方向の前頁目の頁数値に「1」を加えることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、
一方、前記Y方向の偶数段の各おもて面について、当該第一頁目を含むY方向の列の対応部分をそれぞれ始頁とし、当該始頁を{2・X・Y(n)}として、X方向に、当該X方向の前頁目の頁数値に「3」を減じ、続いて当該X方向の前頁目の頁数値に「1」を減じることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、
前記単葉のうら面について、前記第一頁目の段を含むY方向の奇数段で、当該第一頁を含むY方向の列の対応部分を始基準としてX方向に、対応おもて面の頁数値に「1」を加え、続いて対応おもて面の頁数値に「1」を減じることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、
前記単葉のうら面におけるY方向の偶数段で、当該第一頁を含むY方向の列の対応部分を始基準としてX方向に、対応おもて面の頁数値に「1」を減じ、続いて対応おもて面の頁数値に「1」を加えることを前記X値まで繰り返して頁割付けを行うステップと、
一方、前記単葉の両面について、各頁の印刷向きを、それぞれ折曲加工時に同方向とするデータ回転設定を行うステップと、
前記印刷データに基づいて、前記割り付けられた頁数値に対応させ、前記データ回転設定に対応させた印刷処理を行うステップと、
前記第一頁を含む列を基準に、X方向に山折りから始まるZ折りに折曲加工し、続いてY方向に山折りから始まるZ折りに折曲加工するステップと、
印刷領域を断裁して所定の綴じ部材で所定部分を綴じるステップと、
を含むことを特徴とする冊子作製処理方法。 - 請求項1または2記載の冊子作製処理方法であって、前記一の冊子を構成する単葉は、連続用紙上での前記印刷処理の後に断裁されることを特徴とする冊子作製処理方法。
- 請求項1〜3の少なくとも何れかに記載の冊子作製処理方法で作製されることを特徴とする冊子。
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