JP4535578B2 - X線ctシステム及び操作コンソール及び制御方法及び記憶媒体 - Google Patents

X線ctシステム及び操作コンソール及び制御方法及び記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はX線CTシステム及び操作コンソール及び制御方法及び記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
X線CT(Computerized Tomography)システム及び装置では、被検体を挟んで設けられたX線発生源(X線管)及びX線を検出するX線検出器を有し、これらX線発生源とX線検出器とを回動させることで、異なる回動角での被検体を透過し減衰したX線量に対応する信号を得ることでX線断層像を再構成する。
【0003】
X線検出器は複数の検出素子が一列にならんだもの、その構成を複数列備えたものがある。前者の場合、上記の回動動作を行って1枚のスライスのX線断層像を再構成するのに対し、後者の複数列を備えるシステムでは複数スライス又は/及び異なるスライス厚のX線断層像を再構成することを可能にしている。X線検出器が1列の検出アレイで構成されるシステムはシングルスライスX線CTシステム又は装置と呼ばれ、複数列の検出アレイで構成されるものはマルチスライスCTシステム又は装置と呼ばれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、X線は被検体を透過するにつれ次第に減衰していってX線検出器に到達する。被検体を透過してX線検出器に到達するX線の強度は、被検体を透過しない(被検体の外側を通過する)でX線検出器に到達するX線の強度と比較すると、前者は後者にくらべて十分に小さいものとなる。
【0005】
ここで、X線検出器の各X線検出素子で検出されたX線検出強度を示すデータを、例えば8ビットのデジタルデータに変換(量子化)したとする。被検体の介在無しでX線検出器に到達したデータを仮に、8ビットの最大値である255を割り当てると、被検体を透過してきたデータのほとんどの値は、それよりずいぶんと小さい値に偏ったものとなる。換言すれば、データレンジは一応は0〜255であるものの、本来、必要とする被検体を透過してきたデータが小さい値に偏っているわけであるから、無駄な範囲に量子化のためのビットが使われることになり、再構成されるX線断層像の精度の向上の妨げとなる。
【0006】
そこで、X線管と被検体との間に、X線を減衰させるフィルタを設けることで、この問題を改善することが考えられる。
【0007】
図6は、被検体の搬送方向(Z軸方向)から見た、フィルタを設けないで被検体を透過したX線を検出するシステムAと、フィルタを設けたシステムBにおけるの関係と、X線検出器における各チャネル(1つのチャネルは1つの検出素子に対応する)の出力信号を横軸にし、各チャネルで検出したX線の強度を縦軸にしたときの信号分布を示している。なお、図示は模式的に示したものであって、被検体の断面は図示の如く真円ではない。
【0008】
さて、システムA(フィルタ無し)における、各チャネルに対するX線の強度分布は図示の曲線aのように、被検体を透過する範囲で減衰する。そして、その変化するX線の強度は、図示のH0のレンジ内になる。すなわち、システムAでは図示のレンジH0を8ビットに量子化する範囲として設定することになる。
【0009】
一方、システムBは、図示の如く、X線管と被検体との間に、その中央部分では薄く、両端では厚みを増す形状のフィルタ(材質はテフロン等)を有する。かかるフィルタを介して被検体に向けてX線を照射すると、X線検出器で検出されるX線の強度分布は、図示の曲線bで示す如く、総じて曲線aより低くなるものの、中央部位でのX線の減少する割合は小さなものとなり、逆に両端は大きなものとなる。つまり、図示のフィルタを設けることで、X線の検出するレンジH1とシステムAにおけるレンジH0との関係は、
H1<H0
とすることが可能となる。
【0010】
レンジH1へと狭くなるわけであるから、同じ8ビットを割り当てて量子化する場合であっても、その値の持つ精度(分解能)が向上することになる。
【0011】
なお、実際には、フィルタの形状に合わせて、X線検出器の各チャネルで得られたデータを補正し、その上でX線断層像を再構成することになるが、少なくとも上記のような形状のフィルタを設けることで、より高い精度のデータを得ることが可能になり、再構成されるX線断層像の精度を高めることが可能になる。
【0012】
さて、一方、X線管は駆動により次第に蓄熱し、その影響によりX線の発生する点位置(焦点)が被検体の搬送(Z軸)方向にずれることが一般に知られている。かかる点について以下に説明する。
【0013】
図7は、X線管の焦点、コリメータ、及び、X線検出器(2列のX線検出アレイで構成されている)をZ軸に直交する方向から見た模式図である。
【0014】
図示において、初期状態では、焦点が実線で示す位置にある。このとき、検出アレイA,Bに等しくX線が照射されるように、コリメータの開放幅とZ軸方向の位置が制御される。かかる状況において、実際にガントリ装置を駆動していくことにより、X線管は蓄熱していき、その焦点は破線で示すZ軸方向にずれていく。このとき、コリメータの位置が図示のままであるとすると、X線のZ軸方向における照射範囲は破線で示される範囲へ変化する。図示からもわかるように、このような状況にある場合、検出アレイAの全面にX線が照射されなくなり、結果的に、それぞれのアレイより得られる信号a,bはa<bとなってしまい、各検出器で再構成されるCT番号(X線断層像における各画素の値)は異なったものとなってしまう。
【0015】
そこで、一般に、複数列の検出アレイを備えるX線CTシステム(マルチスライスX線CTシステム)では、X線検出器が有する各X線検出アレイの端部(X線管の焦点と結ぶ線上に被検体が存在しないような位置であれば良い)のX線検出素子をリファレンス素子として用い、これらの素子で得られたX線の強度データに差が生じた場合、その差に依存した分だけ焦点がずれているとして判断し、そのずれ量に依存してコリメータのZ軸方向への位置を調整する機構を備える。これにより、常に全X線検出アレイに等しくX線が照射されるようにしている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
さて、次に、かかるリファレンス素子による検出した信号差によるコリメータ制御を、先に説明したフィルタを備えるシステムに適用することを考える。
【0017】
図8は、フィルタ近傍を、Z軸に垂直な方向から見た場合の模式図である。
【0018】
初期位置では、図示の実線位置にX線管の焦点が位置し、2つのコリメータに接するX線の経路における、フィルタ内を通過する線分L1、L2の長さは互いに等しくなっている。
【0019】
さて、かかるフィルタを用いたシステムにおいて、蓄熱によってX線管の焦点位置が図示の破線位置にずれると、線分L1はL1’に、L2はL2’へと偏移する。かかる状況下においては、L1’<L2’となってしまい、フィルタを透過するX線の強度はZ軸方向に対して異なったものとなる。したがって、検出アレイA,Bに照射されるX線の強度も同様の影響を受けることになる。
【0020】
かかる問題は、先に説明したコリメータのZ軸方向への移動制御を行ったとしても依然として残る問題である。
【0021】
本発明はかかる問題点に鑑みなされたものであり、X線管の近傍にフィルタを設けるX線CTシステムにおいて、X線管の蓄熱による焦点ずれの発生の影響を少なくし、もって安定してX線断層像を再構成することを可能ならしめるX線CTシステム及び操作コンソール及び制御方法及び記憶媒体を提供しようとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、例えば本発明のX線CTシステムは以下の構成を備える。すなわち、
互いに対向する位置に設けられたX線管と被検体の搬送方向に配される複数列のX線検出アレイで構成されるX線検出器とを回動させ、前記X線管と前記X線検出器の間に位置する、被検体のX線断層像を生成するX線CTシステムであって、
前記X線管で発生したX線の、前記X線検出器へ照射する範囲を画定するためのスリットを形成するコリメータと、
該コリメータ近傍に設けられ、端部が中央部分よりX線減衰率の高いフィルタと、
前記コリメータの搬送方向の位置を調整する第1の調整手段と、
前記フィルタの搬送方向に対するチルト角を調整する第2の調整手段と、
前記複数のX線検出アレイの各列毎の所定位置のX線検出素子からのデータを参照することで、前記X線管のX線の焦点位置の変動に対し、前記コリメータの搬送方向への位置と前記フィルタの前記搬送方向へのチルト角の調整が必要か否かを判断する判断手段と、
該判断手段によって調整が必要と判断された場合、前記第1、第2の調整手段を制御する制御手段とを備える。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図1は、実施形態におけるX線CTシステムのブロック構成図である。図示の如く、本システムは、被検体へのX線照射と被検体を透過したX線を検出するためのガントリ装置100と、ガントリ装置100に対して各種動作設定を行うと共に、ガントリ装置100から出力されてきたデータに基づいてX線断層像を再構成し、表示する操作コンソール200により構成されている。
【0025】
ガントリ装置100は、その全体の制御を司るメインコントローラ1を始め以下の構成を備える。
【0026】
2は操作コンソール200との通信を行うためのインタフェース、3はテーブル12上に横たえた被検体(被検者)を搬送(図面に垂直な方向で以下、Z軸、又は、体軸とも言う)するための空洞部を有する平面円環状のガントリである。4はX線発生源であるX線管であり、X線管コントローラ5により駆動制御される。6は先に説明した特性(端部が中央部分よりX線減衰率の高い特性)を有するフィルタ(テフロン等の材質で構成され、その形状は図6と同様である)であり、7はフィルタ6の回動(Z軸方向に対するチルト角の制御)を行わせるモータ、8はモータ7の駆動制御を行うフィルタコントローラである。9は、X線の照射範囲を画定するためのスリットを有するコリメータ、10はコリメータ9のZ軸(図示に垂直な方向で被検体を搬送する方向)への移動を行わせるモータ、11はモータ10の駆動制御を行うコリメータコントローラである。12はガントリ3の回動を行わせる回転モータであり、13は回転モータ12の駆動を行うモータコントローラである。14は被検体を載置するテーブルであり、15はそのテーブル14をZ軸方向に搬送させるテーブルモータ、16はテーブルモータ15の駆動制御を行うテーブルモータコントローラである。
【0027】
また、17は被検者を透過したX線を検出するX線検出部であり、実施形態では説明を簡単なものとするため、図7と同様、2列のX線検出アレイを備えているものとする。18は、X線検出部17より得られたデータを収集し、デジタルデータに変換するデータ収集部である。
【0028】
一方、操作コンソール200は、所謂ワークステーションであり、図示に示す如く、装置全体の制御を司るCPU51、ブートプログラムやBIOSを記憶しているROM52、主記憶装置として機能するRAM53を始め、以下の構成を備える。
【0029】
HDD54は、ハードディスク装置であって、ここにOS、ガントリ装置100に各種指示を与えたり、ガントリ装置100より受信したデータに基づいてX線断層像を再構成するための診断プログラムが格納されている。また、VRAM55は表示しようとするイメージデータを展開するメモリであり、ここにイメージデータ等を展開することでCRT56に表示させることができる。57及び58は、各種設定を行うためのキーボード及びマウスである。また、59はガントリ装置100と通信を行うためのインタフェースである。
【0030】
上記構成において、実際にスキャンを行う場合には、操作者(技師もしくは医師)は操作コンソールを操作して、スキャンスケジュールを設定し、スキャンの開始指示を与えることになる。操作コンソールで動作しているプログラムは、設定されたスキャンスケジュールにしたがって、ガントリ装置100(メインコントローラ1)に対して各種制御コマンドを発行することになる。ガントリ装置100側のメインコントローラ1は、この制御指示コマンドにしたがって、X線管コントローラ5、フィルタコントローラ8、コリメータコントローラ11、モータコントローラ13、テーブルコントローラに対して制御信号を与えることになる。この結果、X線管4で発生し、被検体を透過してきたX線をX線検出部17で検出し、そのデジタルデータをデータ収集部18より得ることが可能になる。メインコントローラ1はこのデータをインターフェース2を介して操作コンソール200に向けて転送することになる。ガントリ3は回転モータ12により回動し、テーブル14もZ軸に沿って搬送することになるので、異なる回転角度、異なるZ軸位置における透過X線のデジタルデータを順次操作コンソール200に転送することになる。
【0031】
因に、或るZ軸位置でテーブル14の搬送を停止固定し、その状態でガントリ3を1回転させ、その後にテーブル14を次のスキャン位置まで搬送し、再びガントリ3の回転を行うスキャニング方法はアクシャルスキャンと呼ばれ、ガントリ3の回転とテーブル14の搬送を同時に行うスキャニング方法はヘリカルスキャンと呼ばれる。スキャニングはいずれでも構わない。
【0032】
操作コンソール200側で動作しているプログラムは、受信したデータに基づいて公知の処理によるX線断層像を再構成する処理を行い、その結果を順次CRT56に表示することを行うことになる。
【0033】
ここで、実施形態における操作コンソール200は、受信した2列のX線検出アレイの端部で検出したの2つのリファレンスデータ(X線検出部17の端部にあるチャネルで検出された2つのデジタルデータ)の比較を行うことで、X線管4の焦点のZ軸方向のずれを検出する。X線の焦点のずれが発生する理由は先に説明した通りである。そして、この検出結果に基づいてコリメータ6のZ軸方向に対する位置の調整と、フィルタ6のZ軸に対するチルト角の調整を行わせるべく、対応するコマンドをガントリ装置100に出力すること行う。かかる点について以下に詳細に説明する。
【0034】
図2は、実施形態におけるフィルタ6の近傍を、Z軸、及び、X線管とX線管とを結ぶ直線に垂直な方向から見た概念図である。
【0035】
同図(a)において、点Pは初期状態のX線管4の焦点位置(ずれが発生していない状態)を示している。スキャンを行っていく過程で焦点がZ軸の点Pから点P’へ変動すると、X線検出部17が備える2列のX線検出アレイに等しくX線が照射されない。この結果は、ガントリ装置100より転送されてきた2つのリファレンスデータの比に基づいて判明することになるが、実施形態では、2つのリファレンスデータが互いに等しくなるよう、コリメータ6のZ軸方向への移動の制御コマンドを生成し、それをガントリ装置100(メインコントローラ1)に出力する。
【0036】
上記のようにすると、少なくとも2つのリファレンスデータを等しくすることが可能になるが、ここで注意すべきことは、これらリファレンスデータはフィルタ6の透過の影響を既に受けているという点である。つまり、X線管4とコリメータ9との間にフィルタ6が介在していない場合には、上記のようなコリメータのZ軸方向の位置調整によって、正確な焦点位置に一致する制御が可能なものの、実施形態のようにフィルタ6がそれらの間に介在していると、調整後のコリメータ6のZ軸方向の位置は、実際の焦点位置点P’からはずれた位置にあたかも焦点があるものとして、それに合わせた状態になっている。
【0037】
理由は、同図(a)の点P’に実際の焦点が位置している場合、調整後のコリメータのスリットのZ軸の開口幅によって規定される照射範囲の両端におけるフィルタの透過距離L1、L2が既に異なっているからである。つまり、図示のフィルタ6のL2近傍を透過したX線の強度は、L1近傍を透過したX線の強度よりも小さくなっており、この違いを無視して2列のX線検出アレイそれぞれのリファレンス素子で検出されるデータを同じくにしているということは、実際の焦点位置P’とは異なる焦点位置までその焦点が移動したものとして制御していることと等価であるからでもある。
【0038】
そこで、本実施形態では、上記のようにして2つのリファレンスデータが等しくなるように、先ず、制御する。このとき、実際の焦点位置P’からずれた位置に移動したものとしてコリメータ9を制御することになるが、少なくとも、過去にコリメータ9をどの程度制御したかを示すデータを累積加算することで、実際のコリメータ9の位置は算出できるので、その位置に合わせて、同図(b)に示すようにフィルタ6をθだけチルト(回動)させ、その上面が焦点に対して正面を向くように制御する。すなわち、図示のL1’とL2’とを等しくなるようにする。
【0039】
ただし、このようにした結果、それまで互いに等しかった2つのリファレンスデータは、今度は異なった値になる。すなわち、再び不均衡な状態になる。そこで、再び、コリメータの位置調整の行う。以下、このコリメータ9のZ軸方向への位置調整と、フィルタのZ軸方向に対するチルト角の調整を繰り返すことで、収束を図る。実際は、2つのリファレンスデータの比を仮にαとしたとき、1−ε<α<1+ε(εは正の値で、予め設定されるものである)となり、尚且つ、コリメータ9の位置に従ったチルト角にフィルタ6がなっている、を満足するようになったとき、焦点ずれによる調整処理を終了するようにした。換言すれば、この関係を満足しなくなった場合に、この調整処理を行う。
【0040】
上記制御を可能とする実施形態におけるフィルタ6とコリメータ9近傍の構造を図3に示す。
【0041】
コリメータ9は図示の如く、X線の照射範囲を規定するスリット9aが設けられ、端辺にはリニアギヤ設けられている。このリニアギヤに、モータ10の回転軸に取りつけられたフォームシャフト10aが噛合する。コリメータ9は不図示のガイドにZ軸方向にのみ移動可能になっているので、モータ10を駆動することでコリメータ9を図示の矢印方向、すなわち、Z軸方向への位置が調整可能となっている。
【0042】
一方、フィルタ6は、端部に回転軸6aが設けられ、この回転軸6aを支点として回動自在に取りつけられているが、その回転は以下に説明するモータ7によって制御されることになる。
【0043】
図示において、30はモータ7を搭載し、支点軸31に対して回転自在に取りつけられたベース部材である。この辺ベース部材30には、その一端がフィルタ6の支点軸6bに回転自在に取りつけられたアーム32を案内するガイド33が設けられている。このアーム32の側面には図示の如く、コリメータ9と同様、リニアギア34が設けられ、モータ7の回転軸の先端のフォームシャフトと噛合するようになっている。したがって、モータ7を駆動することで、アーム32がガイド33に沿って出入りすることになる。すなわち、ガイド33とフィルタ6のアーム32の支点軸6b間の距離が変動可能になっている。フィルタ6は支点軸6aに回転自在に取りつけられているわけであるから、モータ7を駆動することで、フィルタ6は図示の矢印に沿って回転することになる。つまり、図2(b)に示す様に、Z軸に対するチルト角の制御が可能になる。
【0044】
次に、実施形態における操作コンソール200(CPU51)の動作を図4のフローチャートにしたがって説明する。
【0045】
先ず、ステップS1において、ガントリ装置100におけるコリメータ9、フィルタ6を初期位置に設定すべく、ガントリ装置100にその指示コマンドを送出する。
【0046】
次いで、ステップS2において、スキャンスケジュールを設定する。例えば、被検体のZ軸のどの範囲を、どのような間隔でスキャンするか等の設定を行うことになる。ただし、かかるスキャンスケジュールそのものは本願発明には直接は関係がないので、その説明は省略する。
【0047】
さて、スキャンスケジュールの設定が終了し、操作者によりスキャン開始の指示があると判断すると、処理はステップS3からステップS4に進み、先ず、変数iを“0”に初期化し、ステップS5において、先に設定したスキャンスケジュールにしたがって、スキャンにかかるコマンドを転送する。例えば、ガントリ3の回転やテーブル14の移動距離の指示、及び、X線管4の駆動を開始する旨の指示コマンドを送出する。
【0048】
この結果、ガントリ装置100からはX線検出部17により検出され、データ収集部18によって2列分のデジタルデータがメインコントローラ1に出力されてくるので、そのデータが操作コンソール200に転送されてくる。
【0049】
ステップS6では、このデータを受信し、ステップS7でX線断層像の再構成処理を行う。
【0050】
次いで、ステップS8に進み、最新のデータ中の2つのリファレンスデータと、その時点でのコリメータ9の初期位置からの移動距離、そして、フィルタの回転角度に基づき、調整が必要か否かを判断する。
【0051】
具体的には、先に説明したように、2つのリファレンスデータの比αが1−ε<α<1+εを満足し、且つ、コリメータ9の現在の位置によって決定される仮想的な焦点位置(実際の焦点位置はリファレンスから求めることはできない)に対し、フィルタ6が正面を向いている場合には、調整は不要と判断する。それ以外は調整が必要と判断する。
【0052】
調整不要と判断した場合には、ステップS14に進み、スキャンスケジュールに従ったスキャンが完了したか否かを判断し、否の場合にはステップS5以降の処理を繰り返す。
【0053】
さて、上記の処理を行っていくと、X線管4の蓄熱により、次第にX線の焦点のずれが大きくなり、ついには許容範囲を越えてしまう等の理由で、上記条件が満たされなくなる場合が発生する。
【0054】
かかる状況になると、ステップS8からステップS9に処理が進み、変数iが“0”であるか否かを判断する。変数iが“0”であると判断した場合、ステップS10に進み、最新のリファレンスデータと、その時点でのコリメータ9の位置から、どの程度コリメータを移動させれば良いか算出し、その算出した結果に基づきコリメータの移動とその移動距離を示すコマンドをガントリ装置100に出力する。このとき、操作コンソール200では、新たなコリメータ9の位置を記憶保持しておき、コリメータ9の初期位置(ステップS1で設定した)からの絶対距離を常に保持することが可能になる。以上の結果、次回にスキャンした際にはX線検出部17の2列のX線検出アレイのリファレンスデータを等しくさせることが可能になる。
【0055】
次いで、ステップS11で変数iを“1”にセットし、一連のスキャンが未終了であると判断した場合には、ステップS5以降の処理を行う。
【0056】
そして次回のステップS8においては、2つのリファレンスデータの比は略“1”に等しい値となるものの、フィルタ6の上面は、その時点でのコリメータ9の位置から判断される仮想的な焦点に対して正面になっていないと判断されるので、調整が必要と判断される。
【0057】
したがって、処理はステップS8からステップS9に進むが、このとき、変数iは“1”となっているので、今度はステップS12に進み、フィルタ9のチルト角の制御を行う。すなわち、その時点でのコリメータ9の絶対位置は記憶保持されているから、この位置から仮想の焦点位置が導き出し、その仮想の焦点位置にフィルタ6の上面が正面を向くようにどの程度チルト(回転)させれば良いかを算出し、その算出した角度だけフィルタ6を回転させるべく、コマンドを生成してガントリ装置100に出力する。この後、ステップS13に進み、変数iを“0”にセットし、ステップS14に進むことになる。
【0058】
以上のようにして、ステップS10、11の処理と、ステップS12、13の処理が交互に何度か行われることで、実際の焦点位置に適したコリメータ9の位置合わせとフィルタ6のチルト角の調整が行われていくことになる。
【0059】
以上説明したように本実施形態によれば、フィルタを用いてX線検出部17で検出した被検体を透過したX線のレンジ幅を狭く、その分解能を高めることと、X線管4の蓄熱による焦点のずれに対するコリメータの精度の高い追従の両立を図ることが可能になる。したがって、X線断層像を常に高い精度で再構成することが可能になる。
【0060】
<第2の実施形態>
上記実施形態では、コリメータ9のZ軸方向の位置調整と、フィルタ6のZ軸方向に対するチルト角の調整を交互に行い、収束させる例を説明したが、本来、コリメータ9のZ軸方向の位置とフィルタ6のチルト角は一対一に対応したものであるので、同時にこれら2つを調整するようにしてもよい。かかる例を実現する例を第2の実施形態として説明する。
【0061】
コリメータ9の調整処理は、先に説明したように、基本的に2列の検出アレイのリファレンスデータが等しくすることである。
【0062】
しかしながら、焦点は略リニアに変化するものの、フィルタの上面は回転という非線形的な動作を行う。つまり、コリメータ9が位置Ziにあって、そのときにリファレンスデータの比が仮に0.90となる場合と、それとは異なるZjの位置にある場合における同じ比0.90を得たとしても、これら2つのケースの制御は異なる。
【0063】
そこで、本第2の実施形態では、図5に示すように、現在のコリメータ9の位置に基づいて参照するテーブルを切り替えるべく、予め、コリメータ9の取り得る範囲に対して十分な数のテーブルを用意しておく。コリメータ9の絶対位置は、初期設定した後にガントリ装置100に対して指示するコマンド(モータに印加するパルス数)の累積で記憶保持していることで既知とすることができるので、一義的に1つのテーブルが選択できる。
【0064】
例えば、現在のコリメータ9の位置が初期位置から+1mm移動している場合において、リファレンスデータの比が0.91になったとする。この場合、図示の一番手前のテーブルを用いることに先ず決定し、コリメータの調整量P2と、フィルタの調整量Q2を得る(これらP2、Q2は例えばそれぞれのモータに印加するパルス数とその符号(回転する方向)である)。そして、この得られたデータに基づいて、ガントリ装置100に対するコマンドを作成し、それを送信すると共に、これによってコリメータ9の位置が変化するので、その最新の位置を記憶保持し、次回に参照するテーブルを決めておく。
【0065】
以上のようにすることで、先に説明した第1の実施形態のように、コリメータ9のZ軸における位置調整とフィルタ6のチルト角の調整を交互に何回も繰り返す必要がなくなり、1回の指示コマンドで実際の焦点位置に合わせたスキャニングが可能になる。
【0066】
上記の制御により、2列の検出アレイに照射されるX線の強度は略等しくなり、尚且つ、それぞれのアレイに到達するフィルタ6の透過長もまた略等しくなるので、操作コンソール200におけるX線断層像の再構成処理では、X線検出アレイのデータを受信した際、HDD54に記憶されている補正データ(フィルタの形状に合わせて各チャネルのデータを補正するためのデータ)を用いて正規化し、それを用いて再構成処理を行うことになる。
【0067】
<第3の実施形態>
上記第1、第2の実施形態では、コリメータ9のZ軸方向に対する位置制御、及び、フィルタ6のチルト角の制御を行う例を説明した。
【0068】
本第3の実施形態では、フィルタ6が固定としたシステムにおいて、X線管4の焦点位置のずれに起因する、フィルタ6の透過長の不均一さをソフトウェアでもって補正することを可能にする例を説明する。すなわち、本第3の実施形態においては、図1に示されるフィルタ6のZ軸方向に対するチルト角を調節するモータ7は存在しない。ガントリ装置100及び操作コンソール200における他の構成はそのままであるので、全体の構成については省略する。
【0069】
さて、これまでの説明から明らかなように、2列の検出アレイに到達するX線それぞれの強度は、焦点位置ずれによってフィルタ6の透過長が異なってくるわけであるから、それに応じて異なったものとなる。
【0070】
そこで、操作コンソール200側では、焦点が初期位置(2列の検出アレイに到達するそれぞれのX線における、フィルタの透過長が等しい場合でもある)に使用する補正データを、そのときのX線の焦点位置ずれに応じて微小調整し、それを用いてX線断層像を再構成するものとした。以下に、より詳しく説明する。
【0071】
図9は、操作コンソール200におけるCPU51の処理を模式的に示す図である。
【0072】
図中、90、91はガントリ装置200内のX線検出部17が有する2列のX線検出アレイA,Bの、初期位置における補正データである(HDD54に予め記憶されている)。この中身は、X線検出アレイを構成する各チャネル毎の実測データ(生のデータはフィルタの形状の影響を受けたままである)を均等にするための補正用データが格納されている。例えば、ガントリ装置100から転送されてきた検出アレイAのi番目のデータAiを補正する際には、補正データのi番目のデータDiをそれに乗算する(もしくは線形補間し)。この結果を各チャネルに対して行い、X線断層像を再構成する際のデータを生成する。
【0073】
なお、これ以降、初期位置における補正データを「基準補正データ」と呼び、後述する実際に使用する「補正データ」と区別する。
【0074】
CPU51は、ガントリ装置100から転送されてきたデータのリファレンスデータを参照して、それらが等しくなるよう、ガントリ装置100のコリメータ9のZ軸方向の位置を調整させる指示を与えると共に、そのときのコリメータ9の基準位置に対する現在の位置を変数92に記憶保持する。
【0075】
また、予め、HDD54内には、コリメータ9の現在の位置とX線管4の実際の焦点位置との対応関係を示すルックアップテーブル93を格納されている。
【0076】
この結果、変数92を用いてルックアップテーブル93を参照することで、そのときのX線管4の実際の焦点位置がわかるので、検出アレイA、Bそれぞれに到達したX線における、フィルタ6の透過長(図2(a)のL1、L2に対応する)は算出可能になる。この透過長と、基準位置における透過長の差に基づいて、2列の基準補正データ90、91から新たな補正データ96、97を生成し(処理速度が要求されるのでRAM53上に生成する)、これら補正データ96、97を用いて、実測データ(ガントリ装置100より転送されてくるデータ)を補正する。なお、初期状態では調整処理無し、すなわち、基準補正データ90、91をそのままコピーして補正データ96、97を生成することになる。
【0077】
上記処理を実現する操作コンソール200におけるCPU51の処理は図10に示すフローチャートに従って処理すればよい。以下、同図に従って説明する。
【0078】
先ず、ステップS21において、ガントリ装置100におけるコリメータ9を初期位置に設定すべく、ガントリ装置100にその指示コマンドを送出する。
【0079】
次いで、ステップS22において、HDD55に格納されている2列の基準補正データをRAM53上にロードし、それを補正データとして使用することとする。
【0080】
次いで、ステップS23に進み、スキャンスケジュールを設定する。スケジュールの設定は第1の実施形態で説明した通りであり、尚且つ、本願発明には直接は関係がないので、その説明は省略する。
【0081】
さて、スキャンスケジュールの設定が終了し、操作者によりスキャン開始の指示があると判断すると、処理はステップS24からステップS25に進み、先に設定したスキャンスケジュールにしたがって、スキャンにかかるコマンドを転送する。例えば、ガントリ3の回転やテーブル14の移動距離の指示、及び、X線管4の駆動を開始する旨の指示コマンドを送出し、ステップS26で被検体を透過してきた2列分のデータを受信し、ステップS27で受信した2列分のデータを、それぞれの補正データを用いて補正し、X線断層像の再構成処理を行う。
【0082】
次いで、ステップS28に進み、最新のデータ中の2つのリファレンスデータを調べることで、コリメータ9のZ軸方向の位置を調整する必要があるか否かを判断する。この判断は、第1の実施形態で説明したように、それらの比が許容範囲内にあるかどうか判断すればよい。
【0083】
調整の必要無しと判断した場合には、ステップS31に進み、スキャンスケジュールに従ったスキャンが完了したか否かを判断し、否の場合にはステップS25以降の処理を繰り返す。
【0084】
また、コリメータ9のZ軸方向への位置の調整が必要と判断した場合には、ステップS29に進み、その時点でのコリメータ9の位置から、どの程度コリメータを移動させれば良いか算出し、その算出した結果に基づきコリメータの移動とその移動距離を示すコマンドをガントリ装置100に出力し、調整する。
【0085】
次いで、ステップS30に進み、コリメータの移動先位置に対するX線管4の実際の焦点位置をテーブル93を参照することで、2列の検出アレイに照射されるフィルタ6における透過長をそれぞれ算出し、基準補正データ90、91に基づいて、RAM53に記憶されているアレイA,B用の補正データを生成し、更新する。そして、ステップS31に処理を進める。
【0086】
以上の結果、本第3の実施形態によれば、フィルタ6のZ軸方向に対するチルト角の調整のためのハードウェアが必要なくなり、これまでのコリメータ制御に、補正データの調整処理という機能(ソフトウェア)の追加によって実現でき、装置の製造及びコストを削減しつつ、第1、第2の実施形態と同様の作用効果を奏することが可能になる。
【0087】
なお、上記第1乃至第3の実施形態では、X線検出部17が2列のX線検出アレイを備える場合を説明したが、より多くの列で構成されるシステムに適用してもよいのは勿論である。また、多列のX線検出アレイを備えるX線CTシステムでは、コリメータのスリットのZ軸方向の幅を調整することも可能なので、かかるシステムに適用してもよい。
【0088】
さらにまた、実施形態では、調整の必要性の判断要素の1つとして、2つのリファレンスデータの比を用いたが、差であっても良いのは勿論である。
【0089】
また、実施形態では、フィルタをコリメータとX線管との間に設けるものとして説明したが、被検体とX線管との間にあればいいので、例えばコリメータの近傍にあって、そのコリメータと被検体との間に位置するようにしても構わない。
【0090】
さらにまた、実施形態におけるフィルタは、図3に示す様な形状を有するものとして説明したがこれに限定されるものでもない。要は、端部が中央部分よりX線の減衰率が高い(中央部分が端部よりX線の透過率が高い)という条件を満すものであればよい。例えば、この条件を満たせば、均等な厚みを有するフィルタでも構わない。
【0091】
また、実施形態で示したコリメータ9のZ軸方向への移動にかかる構造(第1乃至第3の実施形態)、及び、フィルタ6のZ軸方向に対するチルト角の調整にかかる構造(第1、第2の実施形態)は、その一例であって、他の如何なる構造で実現しても構わないし、上記の例によって本願発明が限定されるものでもない。例えば、第2の実施形態で説明したように、本来はコリメータとフィルタの調整は、互いに一対一の関係にあるわけであるから、1つのモータでもって同時に調整するような構成にしても良いであろう。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、X線管の近傍にフィルタを設けるX線CTシステムにおいて、X線管の蓄熱による焦点ずれの発生の影響を少なくし、もって安定してX線断層像を再構成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態におけるX線CTシステムのブロック構成図である。
【図2】実施形態におけるフィルタのチルト角の制御方法を示す図である。
【図3】実施形態におけるフィルタ及びコリメータ近傍の構造斜視図である。
【図4】実施形態における操作コンソール側における処理内容を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態におけるテーブルの内容を示す図である。
【図6】フィルタの有無によるX線検出強度の関係を示す図である。
【図7】X線管における焦点移動による不具合を説明するための図である。
【図8】フィルタを有するシステムにおける、X線管における焦点移動による不具合を説明するための図である。
【図9】第3の実施形態における操作コンソール側の処理内容を模式的に示す図である。
【図10】第3の実施形態における操作コンソール側における処理内容を示すフローチャートである。

Claims (10)

  1. 互いに対向する位置に設けられたX線管と被検体の搬送方向に配される複数列のX線検出アレイで構成されるX線検出器とを回動させ、前記X線管と前記X線検出器の間に位置する、被検体のX線断層像を生成するX線CTシステムであって、
    前記X線管で発生したX線の、前記X線検出器へ照射する範囲を画定するためのスリットを形成するコリメータと、
    該コリメータ近傍に設けられ、端部が中央部分よりX線減衰率の高いフィルタと、
    前記コリメータの、前記被検体の搬送方向に対する位置を調整する第1の調整手段と、
    前記フィルタの、前記被検体の搬送方向に対するチルト角を調整する第2の調整手段と、
    前記複数のX線検出アレイの各列毎の所定位置のX線検出素子からのデータを参照することで、前記X線管のX線の焦点位置の変動に対し、前記コリメータの前記被検体の搬送方向への位置と前記フィルタの前記被検体の搬送方向へのチルト角の調整が必要か否かを判断する判断手段と、
    該判断手段によって調整が必要と判断された場合、前記第1、第2の調整手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするX線CTシステム。
  2. 被検体を挟む対向する位置にX線管と当該X線管からのX線を検出する被検体の搬送方向に配される複数列のX線検出アレイを備えるX線検出器を有し、
    更に、前記X線管側に、X線の照射範囲を規定するコリメータと、前記X線検出アレイの中央部分に対応する範囲ではX線減衰率が少なく、当該中央部から外れるにしたがってX線減衰率が大きくなるフィルタとを有し、
    さらにまた、前記コリメータの、前記被検体の搬送方向に対する位置を調整するコリメータ調整手段と、
    前記フィルタの、前記被検体の搬送方向に対するチルト角を調整するフィルタ調整手段と
    を有するガントリ装置に接続され、当該ガントリ装置に対してスキャンにかかる情報の出力及びガントリ装置から転送されてきたデータに基づきX線断層像を再構成する操作コンソールであって、
    前記ガントリ装置より転送されてきた各検出アレイの所定位置におけるX線検出強度を示すデータを参照することで、前記X線管のX線の焦点位置の変動に対しての、前記コリメータの前記被検体の搬送方向への位置と前記フィルタの前記被検体の前記搬送方向へのチルト角の調整が必要か否かを判断する判断手段と、
    該判断手段によって調整が必要と判断された場合、前記コリメータ調整手段及びフィルタ調整手段に対する制御指示情報を出力する手段と
    を備えることを特徴とするX線CTシステムにおける操作コンソール。
  3. 前記判断手段は、更に、コリメータの現在の位置に対してフィルタの現在のチルト角が対応しているか否かを判断する手段を備え、判断の結果と、前記各検出アレイの所定位置におけるX線検出強度を示すデータに基づいて調整が必要か否かを判断することを特徴とする請求項第2項に記載のX線CTシステムにおける操作コンソール。
  4. 前記制御手段は、第1の段階でコリメータの位置を調整することで前記各検出アレイの所定位置におけるX線検出強度を示すデータの差を所定の許容範囲内にし、
    第2の段階で、第1の段階で変更したコリメータの位置に対応してフィルタのチルト角を調整することを1セットとし、当該セットを繰り返し実行することを特徴とする請求項第3項に記載のX線CTシステムにおける操作コンソール。
  5. 被検体を挟む対向する位置にX線管と当該X線管からのX線を検出する被検体の搬送方向に配される複数列のX線検出アレイを備えるX線検出器を有し、
    更に、前記X線管側に、X線の照射範囲を規定するコリメータと、前記X線検出アレイの中央部分に対応する範囲ではX線減衰率が少なく、当該中央部から外れるにしたがってX線減衰率が大きくなるフィルタとを有し、
    さらにまた、前記コリメータの、前記被検体の搬送方向に対する位置を調整するコリメータ調整手段と、
    前記フィルタの、前記被検体の搬送方向に対するチルト角を調整するフィルタ調整手段と
    を有するガントリ装置に接続され、当該ガントリ装置に対してスキャンにかかる情報の出力及びガントリ装置から転送されてきたデータに基づきX線断層像を再構成する操作コンソールの制御方法であって、
    前記ガントリ装置より転送されてきた各検出アレイの所定位置におけるX線検出強度を示すデータを参照することで、前記X線管のX線の焦点位置の変動に対しての、前記コリメータの前記被検体の搬送方向への位置と前記フィルタの前記被検体の搬送方向へのチルト角の調整が必要か否かを判断する判断工程と、
    該判断工程によって調整が必要と判断された場合、前記コリメータ調整手段及びフィルタ調整手段に対する制御指示情報を出力する工程と
    を備えることを特徴とするX線CTシステムにおける操作コンソールの制御方法。
  6. 被検体を挟む対向する位置にX線管と当該X線管からのX線を検出する被検体の搬送方向に配される複数列のX線検出アレイを備えるX線検出器を有し、
    更に、前記X線管側に、X線の照射範囲を規定するコリメータと、前記X線検出アレイの中央部分に対応する範囲ではX線減衰率が少なく、当該中央部から外れるにしたがってX線減衰率が大きくなるフィルタとを有し、
    さらにまた、前記コリメータの、前記被検体の搬送方向に対する位置を調整するコリメータ調整手段と、前記フィルタの、前記被検体の搬送方向に対するチルト角を調整するフィルタ調整手段と
    を有するガントリ装置に接続され、当該ガントリ装置に対してスキャンにかかる情報の出力及びガントリ装置から転送されてきたデータに基づきX線断層像を再構成する操作コンソールとして機能するプログラムコードを格納する記憶媒体であって、
    前記ガントリ装置より転送されてきた各検出アレイの所定位置におけるX線検出強度を示すデータを参照することで、前記X線管のX線の焦点位置の変動に対しての、前記コリメータの前記被検体の搬送方向への位置と前記フィルタの前記被検体の前記搬送方向へのチルト角の調整が必要か否かを判断する判断工程のプログラムコードと、
    該判断工程によって調整が必要と判断された場合、前記コリメータ調整手段及びフィルタ調整手段に対する制御指示情報を出力する工程のプログラムコードと
    を格納することを特徴とする記憶媒体。
  7. 互いに対向する位置に設けられたX線管と被検体の搬送方向に配される複数列のX線検出アレイで構成されるX線検出器とを回動させ、前記X線管と前記X線検出器の間に位置する、被検体のX線断層像を生成するX線CTシステムであって、
    前記X線管で発生したX線の、前記X線検出器へ照射する範囲を画定するためのスリットを形成するコリメータと、
    該コリメータ近傍に設けられ、端部が中央部分よりX線減衰率の高いフィルタと、
    前記コリメータの前記被検体の搬送方向の位置を調整するコリメータ調整手段と、
    前記複数のX線検出アレイの各列毎の所定位置のX線検出素子からのデータを参照することで、前記X線管のX線の焦点位置の変動に対し、前記コリメータの前記被検体の搬送方向への位置の調整が必要か否かを判断する判断手段と、
    該判断手段によって調整が必要と判断された場合、前記コリメータ調整手段を制御すると共に、前記コリメータの調整後の当該変動した焦点位置を特定し、特定した前記焦点位置から求めた当該焦点位置から照射されるX線がフィルタを透過する透過距離に基づいて、前記X線検出器で検出されたデータについてフィルタ形状に合わせた補正を行う際に使用する補正データを当該透過距離の変動を補正するよう調整する制御手段と
    を備えることを特徴とするX線CTシステム。
  8. 被検体を挟む対向する位置にX線管と当該X線管からのX線を検出する被検体の搬送方向に配される複数列のX線検出アレイを備えるX線検出器を有し、
    更に、前記X線管側に、X線の照射範囲を規定するコリメータと、前記X線検出アレイの中央部分に対応する範囲ではX線減衰率が少なく、当該中央部から外れるにしたがってX線減衰率が大きくなるフィルタとを有し、
    さらにまた、前記コリメータの、被検体の搬送方向に対する位置を調整するコリメータ調整手段を有するガントリ装置に接続され、当該ガントリ装置に対してスキャンにかかる情報の出力及びガントリ装置から転送されてきたデータに基づきX線断層像を再構成する操作コンソールであって、
    前記ガントリ装置より転送されてきた各検出アレイの所定位置におけるX線検出強度を示すデータを参照することで、前記X線管のX線の焦点位置の変動に対しての、前記コリメータの前記被検体の搬送方向への位置の調整が必要か否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段によって調整が必要と判断された場合、前記コリメータ調整手段に対する制御指示情報を出力する手段と、
    前記判断手段によって調整が必要と判断された場合、前記コリメータの調整後の当該変動した焦点位置を特定し、特定した前記焦点位置から求めた当該焦点位置から照射されるX線がフィルタを透過する透過距離に基づいて、前記ガントリ装置から転送されてきたデータについてフィルタ形状に合わせた補正を行う際に使用する補正データを、当該透過距離の変動を補正するよう調整する調整手段と
    を備えることを特徴とするX線CTシステムにおける操作コンソール。
  9. 被検体を挟む対向する位置にX線管と当該X線管からのX線を検出する被検体の搬送方向に配される複数列のX線検出アレイを備えるX線検出器を有し、
    更に、前記X線管側に、X線の照射範囲を規定するコリメータと、前記X線検出アレイの中央部分に対応する範囲ではX線減衰率が少なく、当該中央部から外れるにしたがってX線減衰率が大きくなるフィルタとを有し、さらにまた、前記コリメータの、前記被検体の搬送方向に対する位置を調整するコリメータ調整手段とを有するガントリ装置に接続され、当該ガントリ装置に対してスキャンにかかる情報の出力及びガントリ装置から転送されてきたデータに基づきX線断層像を再構成する操作コンソールの制御方法であって、
    前記ガントリ装置より転送されてきた各検出アレイの所定位置におけるX線検出強度を示すデータを参照することで、前記X線管のX線の焦点位置の変動に対しての、前記コリメータの前記被検体の搬送方向への位置の調整が必要か否かを判断する判断工程と、
    前記判断工程によって調整が必要と判断された場合、前記コリメータ調整手段に対する制御指示情報を出力する工程と、
    前記判断手段によって調整が必要と判断された場合、前記コリメータの調整後の当該変動した焦点位置を特定し、特定した前記焦点位置から求めた当該焦点位置から照射されるX線がフィルタを透過する透過距離に基づいて、前記ガントリ装置から転送されてきたデータについてフィルタ形状に合わせた補正を行う際に使用する補正データを当該透過距離の変動を補正するよう調整する調整工程と
    を備えることを特徴とするX線CTシステムにおける操作コンソールの制御方法。
  10. 被検体を挟む対向する位置にX線管と当該X線管からのX線を検出する被検体の搬送方向に配される複数列のX線検出アレイを備えるX線検出器を有し、
    更に、前記X線管側に、X線の照射範囲を規定するコリメータと、前記X線検出アレイの中央部分に対応する範囲ではX線減衰率が少なく、当該中央部から外れるにしたがってX線減衰率が大きくなるフィルタとを有し、
    さらにまた、前記コリメータの、前記被検体の搬送方向に対する位置を調整するコリメータ調整手段とを有するガントリ装置に接続され、当該ガントリ装置に対してスキャンにかかる情報の出力及びガントリ装置から転送されてきたデータに基づきX線断層像を再構成する操作コンソールとして機能するプログラムコードを格納する記憶媒体であって、
    前記ガントリ装置より転送されてきた各検出アレイの所定位置におけるX線検出強度を示すデータを参照することで、前記X線管のX線の焦点位置の変動に対しての、前記コリメータの前記被検体の搬送方向への位置の調整が必要か否かを判断する判断工程のプログラムコードと、
    前記判断工程によって調整が必要と判断された場合、前記コリメータ調整手段に対する制御指示情報を出力する工程のプログラムコードと、
    前記判断手段によって調整が必要と判断された場合、前記判断手段によって調整が必要と判断された場合、前記コリメータの調整後の当該変動した焦点位置を特定し、特定した前記焦点位置から求めた当該焦点位置から照射されるX線がフィルタを透過する透過距離に基づいて、前記ガントリ装置から転送されてきたデータについてフィルタ形状に合わせた補正を行う際に使用する補正データを当該透過距離の変動を補正するよう調整する調整工程のプログラムコードと
    を格納することを特徴とする記憶媒体。
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