JPH1071141A - X線ctスキャナ - Google Patents

X線ctスキャナ

Info

Publication number
JPH1071141A
JPH1071141A JP8231095A JP23109596A JPH1071141A JP H1071141 A JPH1071141 A JP H1071141A JP 8231095 A JP8231095 A JP 8231095A JP 23109596 A JP23109596 A JP 23109596A JP H1071141 A JPH1071141 A JP H1071141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
slice direction
collimator
detector
focal point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8231095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3742690B2 (ja
Inventor
Tatsuro Suzuki
達郎 鈴木
Katsuyuki Taguchi
克行 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP23109596A priority Critical patent/JP3742690B2/ja
Publication of JPH1071141A publication Critical patent/JPH1071141A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3742690B2 publication Critical patent/JP3742690B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】X線管の焦点サイズを切り変えた場合でも、2
次元検出器の指定した検出素子列にX線ビームの本影の
みを入射させるようにプリコリメータのスライス方向の
開口幅を制御し、再構成画像の画質の劣化を防止し、被
爆の影響を最小限に抑える。 【解決手段】X線CTスキャナにおいて、X線検出器1
1を2次元検出器で形成する。X線管10の焦点サイズ
を切り換えた場合でも、X線検出器11の複数の検出素
子列の内の指定された検出素子列がプリコリメータ15
により形成されたX線プロファイルの本影を受けるよう
にプリコリメータ15のスライス方向の開口幅を制御す
る手段(30、33、12、38)と、X線検出器11
の指定検出素子列により検出されたデータに基づきCT
像を再構成する手段(13、35)とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線管から曝射さ
れたX線ビームがコリメータを通って被検体を透過し、
X線検出器に入射する構造のX線CTスキャナに係り、
とくに、X線管の焦点のサイズを変更できるようにした
X線CTスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、医療用X線CTスキャナは、X
線ビームのスライス方向の厚さを絞るコリメータを備え
ている。このコリメータには、その主たる機能を果たす
プリコリメータと、補助的に使われるポストコリメータ
とがある。
【0003】X線CTスキャナでは、X線管から曝射さ
れたX線ビームを、スキャンで要求されるスライス厚さ
のファンビームに絞り、このファンビームを被検体に透
過させ、その透過ビームをX線検出器で受けるが、プリ
コリメータはこのスライス方向のX線絞りに使われる。
つまり、プリコリメータ100は図20に示す如く、ス
リット状の開口を有し、X線管101と被検体102の
間に介在して、X線ビームXBを、制御機構103でそ
の開口調整により所望のスライス厚を有したファンビー
ムに成形する。そして、被検体102を透過したファン
ビームはX線検出器104に入射し、この検出値に基づ
いて画像の再構成が行われる。ポストコリメータもスリ
ット状の開口を有するが、その取付け位置は被検体とX
線検出器との間のX線検出器近傍にあって、プリコリメ
ータによって絞られたファンビームのスライス方向の厚
さを、必要に応じてさらに細かく絞るものである。
【0004】X線管はその焦点のサイズを被検体の大き
さなどの対応して更可能になっているものが知られてい
る。しかし、焦点のサイズがいかほどであっても、無限
小ではなく、スライス方向にある大きさを有している。
このため、プリコリメータでX線ビームをプリコリメー
ションすると、X線検出器に入射するX線ファンビーム
のスライス方向の強度(プロファイルPL)は例えば図
21に示す如く台形状となり、強度が一定の領域RM
(以下、「本影」と称する)と、本影のスライス方向の
両側に在って強度に傾きを有した領域RS 、2RS (以
下、「半影」と称する)が形成される。
【0005】このような本影RM と半影RS 、RS とか
ら成るX線プロファイルに対して、従来のスキャナで
は、本影RM 及び半影RS 、RS の全部をX線検出器で
受けている。例えば、シングルスライスCTでは、スラ
イス方向に直交するチャンネル方向に沿って1列の検出
素子を配列したシングルスライス検出器が使われるが、
通常、図21に示す如く、 「スライス方向のX線のビーム幅」<「スライス方向の検出器幅」 … 「条件1」 となるように、X線管101(管球焦点F)、プリコリ
メータ100、及びシングルスライス検出器104の位
置関係を設定している。またマルチスライスCTでは、
スライス方向に直交するチャンネル方向に沿って2列以
上の検出素子を配列した2次元検出器が使われるが、こ
の場合も図22に示す如く、上記の「条件1」が保持さ
れる。なお、この2次元検出器はイメージインテンシフ
ァイヤも含む概念である。
【0006】ところで、X線CTスキャナによって画像
を得るには、2種類のデータを収集する必要がある。す
なわち、キャリブレーションデータと実際の臨床での被
検体データである。キャリブレーションデータはX線検
出器の各セグメントの感度のばらつきを補正するための
もので、例えば既知のファントムを用いて比較的長期の
間隔(例えば1週間、10日など)毎に測定されるX線
透過データである。被検体データ収集時のデータ処理プ
ロセスの中で、キャリブレーションデータを用いて、上
記感度補正が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、X線の
プロファイルは例えば管球のアノードの曝射時における
熱による膨脹やアノードのガタや変形などに起因する焦
点Fの位置の移動等に因って、図23中の実線状態から
破線状態への移行の如く、スライス方向に平行移動する
ことから、キャリブレーションデータの収集時と被検体
データの収集時とでX線プロファイルが異なってしまう
状態が発生し、感度補正を適確に行うことができずに、
そのような再構成された画像にアーチファクトやCT値
のシフトが生じてしまうという問題があった。
【0008】この問題を図24及び図25の具体例を参
照して説明する。図24は、シングルスライス検出器に
対するX線プロファイルのスライス方向の変化の影響を
示すものである。検出器のトータルの出力は、スライス
方向のX線プロファイルと検出器感度の積の積分となる
ため、X線プロファイルがキャリブレーションデータの
収集時と被検体データの収集時とで例えば同図中の実線
から点線の状態に変化すると、スライス方向の検出器感
度が同図に示す如く一様でない場合(通常、一様でない
ことが多い)、検出器出力が変化してしまう。
【0009】また図25は2次元検出器に対するX線プ
ロファイルのスライス方向の変化の影響を示すものであ
る。2次元検出器の場合、キャリブレーションデータの
収集時と被検体データの収集時とで例えば同図中の実線
から点線の状態に変化すると、半影に相当する部分の検
出素子列ではX線強度が大きく変化する。
【0010】このようにX線プロファイルのキャリブレ
ーションデータ収集時と被検体データ収集時とにおける
変化は、アーチファクトの原因になったり、CT値が実
際値からずれてしまい、画質を低下させ、診断能をも低
下させるという事態を招くことになる。
【0011】更に、前述した図22に示す如く「条件
1」を満足させた場合、半影部分も画像化に使用するこ
とになるので、この半影部分で検出するスライス面は本
影部分のそれよりも画質が低下するという問題もあっ
た。
【0012】一方、検査者は、被検体の大きさなどに応
じてX線管の管電流を変更することで、自動的にX線の
焦点のサイズ(すなわちX線ビームの強さ)を変えるこ
とがある。このように焦点サイズを変更すると、X線プ
ロファイルの形状も変わってしまうことから、従来の場
合、例えば、本影のみの入射を意図していた検出器列に
本影および半影が入射するようになって、画質が劣化す
るという問題があった。また、本影部分が大きくなって
検出器の入射面からはみ出し、被検体への被爆を懸念し
なければならない状況にあった。
【0013】本発明は、上述した従来技術の問題に着目
してなされたもので、とくに、X線管の焦点のサイズが
変更された場合でも、X線プロファイルのスライス方向
の形状変化に因る画質低下を防止し、また被爆の影響を
最小限に抑えることを、第1の目的とする。
【0014】また本発明は、上記第1の目的を達成する
と同時に、X線管の焦点の移動に伴うX線プロファイル
のスライス方向の移動に起因したアーチファクトやCT
値のズレを排除でき、高画質及び高精度の画像を得るこ
とを、第2の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明に係るX線CTスキャナにおい
ては、X線ビームを曝射する焦点を有するX線源と、被
検体と前記X線源との間に介挿されて前記被検体のスラ
イス方向における前記X線ビームの幅を絞るプリコリメ
ータと、前記被検体を透過した前記X線ビームを受ける
X線検出器とを備え、前記X線検出器を、複数の検出チ
ャンネルから成る検出素子列を前記スライス方向に複数
配列した2次元検出器で形成するとともに、前記X線源
の焦点のサイズに応じて、前記複数の検出素子列の内の
指定された検出素子列が前記プリコリメータにより形成
されたX線ビームのプロファイルの本影および半影の内
の本影を受けるように当該プリコリメータを制御する制
御手段と、前記指定された検出素子列により検出された
データに基づいてX線CT像を再構成する再構成手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0016】好適には、前記X線源の焦点移動に対応し
た量を検出する検出手段を備え、前記制御手段は、前記
検出手段の検出量に基づいて前記プリコリメータの前記
スライス方向の開口幅、前記プリコリメータの前記スラ
イス方向の位置、および前記X線源の焦点の前記スライ
ス方向の位置の内の少なくとも一つを、前記指定された
検出素子列がX線ビームの前記本影を受けるように制御
する手段を含む。
【0017】また請求項2記載の発明に係るX線CTス
キャナにおいては、前記X線検出器を、複数の検出チャ
ンネルから成る検出素子列を前記スライス方向に複数配
列した2次元検出器で形成するとともに、前記X線源の
焦点のサイズに応じて、前記プリコリメータにより形成
されたX線ビームのプロファイルの本影および半影の内
の本影を受ける、前記複数の検出素子列の内の少なくと
も1つの検出素子列により検出されたデータに基づいて
X線CT像を再構成する再構成手段を備えたことを特徴
とする。
【0018】好適には、前記X線源の焦点移動に対応し
た量を検出する検出手段と、前記検出手段の検出量に基
づいて前記プリコリメータの前記スライス方向の開口
幅、前記プリコリメータの前記スライス方向の位置、お
よび前記X線源の焦点の前記スライス方向の位置の内の
少なくとも一つを、前記少なくとも1つの検出素子列が
前記X線ビームの前記本影を受けるように制御する制御
手段と、を備える。
【0019】さらに請求項3記載の発明に係るX線CT
スキャナにおいては、前記X線検出器を、複数の検出チ
ャンネルから成る検出素子列を前記スライス方向に複数
配列した2次元検出器で形成するとともに、前記プリコ
リメータにより形成されたX線ビームのプロファイルの
本影および半影の内の本影のみによるデータに基づいて
画像再構成を行う第1の収集モード、および、前記本影
および半影の双方によるデータに基づいて画像再構成を
行う第2の収集モードの内の一方の収集モードを選択す
る選択手段と、この選択手段により選択された収集モー
ドおよび前記X線源の焦点のサイズに応じて前記プリコ
リメータの絞り状況を制御する制御手段と、前記選択手
段により選択された収集モードに基づいてデータを収集
するスキャン手段とを、備えたことを特徴とする。
【0020】好適には、前記X線源の焦点移動に対応し
た量を検出する検出手段を備え、前記制御手段は、前記
検出手段の検出量に基づいて前記プリコリメータの前記
スライス方向の開口幅、前記プリコリメータの前記スラ
イス方向の位置、および前記X線源の焦点の前記スライ
ス方向の位置の内の少なくとも一つを、前記X線検出器
に入射するX線ビームのプロファイルの移動を防止する
ように制御する手段を含む。
【0021】例えば、前記X線源は、前記焦点のサイズ
を変更可能なX線管である。
【0022】好適には、前記スライス方向に移動可能で
あって前記被検体を載せる天板と、マルチスキャン時に
前記X線ビームによるスキャン毎に前記指定された検出
素子列による撮影領域の中心におけるトータルのスライ
ス幅に略一致する前記天板の移動距離を判断する判断手
段と、この判断手段により判断された前記移動距離に基
づいて前記天板の移動を制御する天板制御手段と、を備
えることができる。
【0023】さらに好適には、前記スライス方向に移動
可能であって前記被検体を載せる天板と、ヘリカルスキ
ャン時に前記被検体周りの前記X線源およびX線検出器
の1回転毎に前記指定された検出素子列による撮影領域
の中心における前記スライス方向のトータルの幅に応じ
て前記天板の移動距離を判断する判断手段と、この判断
手段により判断された前記移動距離に基づいて前記天板
の移動を制御する天板制御手段と、を備えた構成とする
こともできる。
【0024】さらに、前記プリコリメータの前記スライ
ス方向の開口幅を、前記X線源の焦点移動に伴う前記X
線ビームの前記スライス方向の予測される最大移動量に
対応した量だけ広く設定する設定手段を備えることがで
きる。この最大移動量には、例えば焦点サイズの変更に
伴う焦点移動量を含めることができる。
【0025】さらに、請求項12記載の発明に係るX線
CTスキャナは、X線ビームを曝射する焦点を有するX
線源と、被検体と前記X線源との間に介挿されて前記被
検体のスライス方向における前記X線ビームの幅を絞る
プリコリメータと、前記被検体を透過した前記X線ビー
ムを受けるX線検出器とを備え、前記プリコリメータの
前記スライス方向の開口幅および前記スライス方向の位
置の内の少なくとも一つを前記X線源の焦点のサイズに
応じて制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0026】以上の構成により、X線源としてのX線管
の焦点サイズが変更された場合でも、その変更に応じて
プリコリメータの開口幅が制御され、X線ビームのプロ
ファイルも調整される。この制御は、例えば、2次元検
出器の使用したい検出素子列に常に本影のみが入射する
ように実施される。これにより、焦点サイズが変更され
た場合でも、本影のみを受けて再構成画像の画質劣化を
防止できるとともに、X線被爆の影響も最小限に抑える
ことができる。
【0027】この作用に合わせて、X線検出器の検出素
子列(2次元検出器の場合、撮影時に指定した又は予め
決まっている検出素子列)のスライス方向の幅にわたっ
て、X線ビームの本影のみが入射するようにプリコリメ
ータの、例えば、スライス方向の開口幅及び/又は位置
が制御される。このため、X線管内で焦点移動が起こっ
てもスライス方向のプロファイルのX線強度は一定にな
り、画質の劣化を招くことはない。
【0028】また、プリコリメータのスライス方向の開
口幅が、X線管のX線焦点の移動に伴うX線ビームのス
ライス方向の予測される最大移動量に対応した量だけ広
く設定される。このため、一度そのように開口設定して
おくだけで、良好な信号及び画質が得られる。
【0029】さらに、X線管のX線焦点の移動に対応し
た量が検出され、その検出量に基づいて、X線ビームの
本影が2次元X線検出器の指定された又は予め決まって
いる検出素子列のスライス方向の幅にわたって入射する
ようにプリコリメータの、例えば、スライス方向の開口
幅及び/又はスライス方向の位置が追従制御される。こ
のため、キャリブレーションデータ収集時と撮影時とで
X線焦点の移動量が異なる場合でも、常に本影部分がX
線検出器に入射し、画像再構成時に安定した良好なキャ
リブレーションが掛かり、アーファクトやCT値のシフ
トの発生を防止できる。
【0030】さらにまた、オペレータが本影モードと
「本影+半影」モードとを任意に選択してスキャンさせ
ることもできる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態に係
るX線CTスキャナを図1〜図17を参照して説明す
る。
【0032】図1に示すX線CTスキャナは、ガントリ
1、寝台2及び制御キャビネット3を備え、例えばRー
R方式で駆動する装置である。寝台2の上面には、その
長手方向(スライス方向(または回転軸方向)に相当す
る)にスライド可能に支持された状態で天板2aが配設
されており、その天板2aの上面に被検体Pが載せられ
る。天板2aは、サーボモータにより代表される寝台駆
動装置2bの駆動によって、ガントリ1の診断用開口部
に進退可能に挿入される。また寝台2には、天板2aの
寝台長手方向の位置を電気信号で検出するエンコーダな
どの位置検出器(図示せず)を備えている。なお、図1
に示すように、チャンネル方向がスライス方向およびX
線ビームの曝射方向に直交する方向として定義される。
【0033】ガントリ1は、その開口部に挿入された被
検体Pを挟んで対向するX線管10及びX線検出器11
を備えている。
【0034】この内、X線源として機能するX線管10
は図2,3に示すように、回転陽極X線管の構造を成す
とともに、その焦点のサイズを「大」、「小」に切換可
能になっている。すなわち、X線管10は、外囲器10
aの真空内部に陰極10bと陽極としてのターゲット1
0cとを配置している。陰極10bは、ターゲット10
cに対向配置されたタングステン製フィラメントFT,
収束電極ELなどで構成され、陰極スリーブ10dに支
持・結合されている。フィラメントFTは図3に示すよ
うに、スライス方向の同一位置にてチャンネル方向に並
置された大焦点用フィラメントFTL と小焦点用フィラ
メントFTS から形成されている。後述する高電圧制御
装置を介して、2つのフィラメントFTL 、FTS に選
択的に電流を流すことによりフィラメントが加熱され、
熱電子がターゲット10cに向かって放出される。
【0035】陽極であるターゲット10cは、ターゲッ
ト角度θのテーパー状のターゲット面が形成された円板
状になっており、回転陽極子10eにより高速で回転可
能に支持されている。大焦点用または小焦点用のフィラ
メントFTL またはFTS から放出された熱電子はター
ゲット面に衝突して実効焦点Fが形成され、ターゲット
面の実効焦点Fの部位からX線ビームが曝射される。
【0036】この結果、高電圧制御装置を介して、2つ
のフィラメントFTL 、FTS に選択的に通電すること
で、焦点を「大」または「小」に選択的に設定すること
ができる。大焦点用フィラメントFTL を使用すると、
電子ビームはより広い範囲のターゲット面に当たり、実
効焦点Fは大きくなる。大焦点用フィラメントFTLに
はより大きな電流を流せるようになっているので、X線
ビームは強くかつ大きなファンビームになる。しかし、
焦点サイズが大きいと、被検体を通過するときの個々の
ビームが太くなるため、分解能は下がる。大焦点は分解
能が低下しても、より強いX線を使用したいとき(例え
ば被検体のサイズが大きい場合)に使用される。小焦点
はその反対で分解能を重視するときに使用される。大焦
点、小焦点は通常、このように使い分けられる。
【0037】この焦点の使い分けに必要な焦点サイズの
情報はプリセット情報として与えられる場合が多い。こ
こでも、操作者は管電流の値を設定することで焦点サイ
ズを自動的に指定できるようになっている。
【0038】またX線検出器11としては、複数の検出
チャンネルを有する検出素子列をスライス方向に複数列
配した2次元検出器、又は複数の検出チャンネルを有す
る検出素子列をスライス方向に1列配したシングルスラ
イス検出器が搭載される。X線管10とX線検出器11
は架台駆動装置12によってガントリ1内の回転軸の囲
りに回転可能になっている。X線検出器11で検出され
た透過X線に相当する電流信号は、データ収集装置(D
AS)13にてデジタル量に変換され、制御キャビネッ
ト3に送られる。
【0039】さらにガントリ1内では、X線管10と被
検体Pとの間にプリコリメータ15が設けられるととも
に、被検体PとX線検出器11との間にポストコリメー
タ16が設けられている。プリコリメータ15は、例え
ばチャンネル方向に一定の幅で且つスライス方向には可
変幅のスリット状の開口を形成する2枚のブレードを有
している。この2枚のプレードはスライス方向で対称に
動くとともに、プリコメータ15全体でもスライス方向
に移動可能になっている。プリコメータ15のスライス
方向の開口幅及び位置はガントリ1内に設定したプリコ
リメータ駆動装置17によって調整される。これによ
り、X線管10から曝射されたX線ビームのスライス方
向の幅を絞って、所望幅のファンビームを形成する。X
線管10の実効焦点Fはスライス方向に有限の長さを持
っているため、前述と同様に検出器位置におけるスライ
ス方向のX線プロファイルに本影および半影を形成す
る。
【0040】なお、プリコリメータ15の開口はスリッ
ト状に形成されているため、前述した半影に起因する問
題はチャンネル方向には生じない。
【0041】ポストコリメータ16も同様に、チャンネ
ル方向には一定幅でスライス方向に可変幅のスリット状
の開口を有する。このスライス方向の幅はポストコリメ
ータ駆動装置18によって調整される。ポストコリメー
タ18は、本実施形態では、プリコリメータ15によっ
て絞られたX線ビームを更に細かく絞る補助的な絞り機
能を担っている。
【0042】プリコリメータ駆動装置17およびポスト
コリメータ駆動装置18は共に、ステッピングモータや
スライド機構を備え、架台駆動装置12から送られる駆
動制御信号に応答して動作するようになっている。少な
くともプリコリメータ駆動装置17は、開口幅自体を調
整するモータと開口幅全体のスライス方向の位置を調整
するモータとを備えている。
【0043】また、X線検出器11の近傍には焦点位置
センサとしての焦点位置検出器20が取り付けられてい
る。X線管10により曝射されたX線ビームの一部は、
例えばプリコリメータ15のチャンネル方向の横に取り
付けられた焦点位置検出用のプリコリメータ15Dを通
過した後、上記焦点位置検出器20に入射する。この焦
点位置検出器20は図4に示す如く、例えばスライス方
向に隣接した2つのX線検出器FD1,FD2(各々、
シンチレータとフォトダイオードとを備える)から成
り、データ収集装置と同じくA/D変換の後、制御キャ
ビネット3の後述する架台制御装置に送られる。
【0044】制御キャビネット3は、システム全体を統
括する主制御装置30のほか、この主制御装置30から
指令を受けて作動する高電圧制御装置31、寝台制御装
置32、架台制御装置33を有する。特に架台制御装置
33は焦点位置検出器20の検出信号P1,P2、すな
わち内蔵する2つのX線検出器FD1,FD2に入射す
るX線強度の比「(P1−P2)/(P1+P2)」を
演算するとともに、この比とスライス方向のX線焦点位
置移動量とを予め関係付けてある記憶テーブルを参照
し、焦点位置移動量を求める。図5には、かかる関係付
けの一例をグラフで示す。ある焦点移動の範囲において
は、この関係はほぼ直線となる。
【0045】なお、この架台制御装置33では、上記の
記憶テーブル参照の代りに、予め図5の特性を表わす直
線の式のみを記憶しておいて、演算により焦点位置移動
量を求めることもできる。
【0046】更に、この制御キャビネット3は、図1に
示す如く高電圧制御装置31からの駆動信号(大焦点フ
ィラメントまたは小焦点フィラメントのいずれかを選択
するフィラメント選択信号を含む)に応じて作動する高
電圧発生装置34を備え、この高電圧発生装置34で生
成した高電圧がX線管20に供給される。さらに、制御
キャビネット3は、データ収集装置12の収集信号を受
けて画像データを再構成する画像再構成装置35、画像
データを記憶しておく画像データ記憶装置36、再構成
画像を表示する表示装置37、及びオペレータが主制御
装置30に指令を与えるための入力器38を夫々備えて
いる。
【0047】データ収集装置13は、図6に示すよう
に、X線検出器11が2次元検出器の場合にその「nチ
ャンネル×f列」の検出信号(n,fは「1」より大き
い正の整数)から、列選択信号に応じてチャンネルごと
に1列分の検出信号を選択するデータ選択部13A
13A、…、13Aと、このデータ選択部13
、…、13Aにより各々選択された検出信号を増
幅したりA/D変換するデータ収集部13Bとを備え
る。列選択信号は主制御装置30から送られる。データ
収集部13Bで生成されたチャンネルごとのX線検出デ
ータは画像再構成装置35に出力される。
【0048】主制御装置30は、スキャナ全体の管理を
予め定められた手順に従って行う。その一例を図7〜図
12に示す。なお、この主制御装置30による制御はX
線検出器11として2次元検出器が使われている場合
と、シングルスライス検出器が使われている場合とに分
けられる。
【0049】図7にX線検出器11として2次元検出器
が使われている場合の主制御装置30の制御例を示す。
【0050】最初に同図ステップ40にて、主制御装置
30はスキャンモード(マルチスキャンかヘリカルスキ
ャンか)、データ収集用に指定された検出素子列の数及
びその位置,スキャン部位及び位置,スライス厚,X線
管電圧及び電流などのスキャン条件の情報(但し後述す
る「1回転当りのスライス数」、「収集モード」および
「焦点サイズ」の情報は含まない)を入力する。
【0051】次いでステップ41にて、1回転当りのス
ライス数の情報を入力する。さらにステップ42にて、
収集モード(本実施形態では、「本影モード」(:本影
のみを収集するモード)、「本影+半影モード」(:本
影と半影(の一部))とを収集するモード)の情報を入
力する。なお、X線検出器11のデータ収集に使用する
検出素子列は、例えばオペレータにより撮影時に任意に
指定される。
【0052】次いでステップ43に移行して、主制御装
置30は、焦点サイズの情報を入力する。具体的には、
ステップ40で入力した管電流の値をテーブル参照し、
管電流値に対応して予め定めた焦点サイズの情報をプリ
セット情報として入力する。管電流値が高いときには焦
点サイズ「大」が指令され、反対に管電流値が低いとき
には焦点サイズ「小」が指令される。管電流値は操作者
により被検体のサイズなどを勘案して設定される。
【0053】次いでステップ44に移行して、プリコメ
ータ15の開口のスライス方向の幅Wpre を演算する。
この演算に際し、主制御装置30により、プリコメータ
15の採り得る位置態様が図8に示す如く判断される。
【0054】すなわち、「2次元検出器の複数の検出素
子列の内、全部の列を使うのか又は一部の指定列を使う
のか」が、入力器38から指令された入力情報(図7ス
テップ40)に基づいて判断される(図8ステップ44
)。これで「全部の列」を使うと判断されると、入力
器38から指令された入力情報(図7ステップ42)に
基づいて、さらに収集モードは「本影モード」か「本影
+半影モード」かを判断する(図8ステップ44)。
これで「本影モード」が判断される場合、プリコリメー
タ15、X線プロファイルPL、及びX線検出器11は
全部の素子列を本影がカバーするようにプリコリメータ
15のスライス方向の開口幅が制御されることになる、
図8内の説明図(a)の位置関係をとる。また「本影+
半影モード」が判断される場合、全部の素子列の一部に
半影が入射する、同図の説明図(b)の位置関係とな
る。
【0055】さらに、ステップ44で「一部の指定検
出素子列」を使うと判断された場合もステップ44
移って前記ステップ44と同様の判断に付される。こ
の結果、「本影モード」となるときは、説明図(c)に
示す如く、指定された一部の検出素子列のみを本影がカ
バーするようにプリコリメータ15のスライス方向の開
口幅が制御されることになる。「本影+半影」モードと
なるときは、指定された一部の素子列の内の更に一部に
半影が入射する、説明図(d)の位置関係が認識でき
る。
【0056】このようにプリコリメータ15の位置関係
の取り得るべき態様が上記説明図(a)〜(d)の内の
何れかに決まると、主制御装置30はプリコリメータ1
5の開口のスライス方向の幅Wpre を演算する。この演
算は、例えば上記位置関係の態様別に、X線管10、プ
リコリメータ15、被検体のアイソセンタ、及びX線検
出器の位置データなどに基づいて求められる。この演算
式を以下に示す。
【0057】いま、図9に示す如く、X線管10の焦点
Fのサイズをx、X線検出器11上に投影される本影の
スライス方向の長さをy、X線検出器11上に投影され
る「本影+半影」のスライス方向の長さをz、焦点Fと
プリコリメータ15との間の曝射方向の距離をc、プリ
コリメータ15とX線検出器11との間の曝射方向の距
離をdとすると、プリコリメータ15の本影モードの開
口幅Wpre (x,y)および本影+半影モードの開口幅
Wpre (x,z)はそれぞれ、
【数1】
【数2】 の式により演算できる。すなわち、前述した図8の
(a)および(c)の位置態様を採るときは、上記式
(1)に基づき、焦点サイズxおよび本影サイズyを反
映させた開口幅Wpre (x,y)が求められる。また同
図(b)および(d)の位置態様を採るときは、上記式
(2)に基づき、焦点サイズxおよび「本影+半影」サ
イズzを反映させた開口幅Wpre (x,z)が求められ
る。これらの式から分かるように、本影サイズyまたは
「本影+半影」サイズzが変わらず、焦点サイズxのみ
が変化する場合は、その変化分をも反映させた開口幅が
求められることになる。
【0058】なお、この開口幅Wpre (x,y)および
Wpre (x,z)は、図7、8の制御が実施される度に
上記(1)または(2)式に基づいて演算により求めて
もよいが、その演算により求められる開口幅データをテ
ーブルとして予め記憶しておいてもよく、その場合に
は、テーブルを参照するだけで開口幅Wpre を得ること
ができる。また、かかるテーブルは、実測データを基に
作成し記憶しておいてもよい。
【0059】次いで図7のステップ45に移行して、す
でに入手しているスキャン方法を判断し、マルチスキャ
ンの場合、ステップ46で天板の送りピッチを演算す
る。この送りピッチは図17(a)、(b)に示すよう
に、天板を移動させる距離であり、X線検出器11の使
用用に指定した検出素子列の撮影領域の中心におけるト
ータルのスライス幅に一致する距離である。一方、ヘリ
カルスキャンの場合、ステップ47で天板の送り速度を
演算する。この送り速度は1回転当たりの天板の移動距
離として決められる速度で、その移動距離はX線検出器
11の指定検出素子列の撮影領域の中心におけるトータ
ルのスライス幅に一致させる。なお、ヘリカルスキャン
の場合、別の方法で送り速度を指定してもよい。例え
ば、スライス方向のサンプリング密度を上げるために、
送り速度として、前記指定検出素子列に相当する小数点
無しの整数値を選択する代わりに、小数点(端数)を有
する半端な値を選択することもできる。
【0060】マルチスキャンは、「スキャン・天板移動
・スキャン・天板移動…」を繰り返し行うものである。
天板移動量を、撮影領域の中心における指定検出素子列
に対応した1スキャン当たりのトータルのスライス幅
(すなわち、指定された検出素子列全てに入射するX線
プロファイルの半値幅)と等しくした場合、得られた画
像は全て等間隔であり、また個々の画像は互いに隣接し
た領域から得られたものとなり、画像間のギャップが存
在しない。これはシングルスライスCT,マルチスライ
スCTに共に言えることであり、得られた画像から3次
元モデルを作成する場合等に有利である。
【0061】ヘリカルスキャンは、スキャンと天板移動
を同時に行うことで、螺旋状にデータを取得するスキャ
ン方法である。画像を再構成する場合には、再構成する
断面に対して、その断面からの距離を係数として収集デ
ータを補間する方法が一般的である。ヘリカルスキャン
において天板移動速度を、撮影領域の中心における指定
検出素子列に対応したトータルのスライス幅と一致させ
た場合、データ収集領域は1回転進む毎に互いに隣接す
ることになり、欠落のない被写体データの収集が可能と
なる。
【0062】以上のように各種データが得られると、主
制御装置30はステップ48〜51にて、データ収集装
置12及び画像再構成装置35、架台制御装置33、寝
台制御装置32、並びに高電圧制御装置31に各々必要
情報を出力する。なお、ステップ51にて高電圧制御装
置31に出力される情報には、大焦点用フィラメントF
TL を使用するのか、小焦点用フィラメントFTS を使
用するのかの情報が含まれている。この情報付与によ
り、各制御装置は予め記憶している所定の手順に基づい
て動作するので、指令されたスキャンが実行される。
【0063】一方、図10にX線検出器11としてシン
グルスライス検出器が使われている場合の主制御装置3
0の制御例を示す。この制御例はシングルスライスに特
有の情報(スライス幅)を取り込むこと、及び前述した
2次元検出器を使用した場合には制御の対象外であった
ポストコリメータ16が態様によっては新たに加わる点
が2次元検出器の場合とは大きく異なる。
【0064】具体的には、同図ステップ60にて、主制
御装置30がスキャンモード(シングルスキャンか、マ
ルチスキャンか、又はヘリカルスキャンか)、スキャン
部位及び位置,X線管電圧及び電流などのスキャン条件
の情報(但し後述する「スライス幅」、「収集モード」
および「焦点サイズ」の情報は含まない)を入力する。
次いでステップ61で、シングルスライスのスライス幅
の情報を入力し、ステップ62で収集モード(前述と同
様に「本影モード」か「本影+半影モード」か)の情報
を入力する。
【0065】次いでステップ63に移行し、前述と同様
に、X線管11の焦点サイズの情報を入力する。
【0066】さらにステップ64に移行して、プリコリ
メータ15のスライス方向の開口幅Wpre を演算する。
この場合も、プリコリメータ15のとり得る位置態様が
図11に示す如く判断される。
【0067】すなわち、既に入力している収集モード
(ステップ62)が「本影モード」か又は「本影+半影
モード」かが判断される(図11ステップ64)。こ
れにより、「本影モード」と判断された場合、ステップ
64に移行し、既に得ている指定スライス幅(ステッ
プ61)が回転軸方向における検出器幅に相当する幅に
等しいか否かを判断する。この判断でNOとなるときは
「指定スライス幅<検出器幅に相当する幅」となる場合
であり、その位置態様は図11(a)の如く表わされ
る。そして、この場合のみ後述するようにポストコリメ
ータ16が関与する。これに対して、YES、すなわち
「指定スライス幅=検出器幅に相当する幅」となると
き、プリコリメータ15は同図(b)の位置態様をと
る。ステップ64で「本影+半影モード」が判断され
た場合(この場合、指定スライス幅=検出器幅に相当す
る幅、となることはあり得ない)、説明図(c)の位置
態様をとる。なお、同図(b),(c)の位置態様の場
合、ポストコリメータ16は関与しない。ここでいうス
ライス幅は「X線プロファイルの半値幅を回転軸中心に
投影した値」として定義される。
【0068】上記プリコリメータ15の開口幅Wpre
は、例えば上述の如く判別した態様毎に、X線管10,
プリコリメータ15,被検体のアイソセンタ,及びX線
検出器11の各位置データなどを使って前述の式(1)
または(2)に基づき、演算またはテーブル参照により
求められる。
【0069】さらに図10のステップ65で、ポストコ
リメータ16のスライス方向の開口幅Wpostが演算され
る。この演算は、図11(a)の位置態様のとき(すな
わち、指定スライス幅<検出器幅に相当する幅のとき)
のみ行われるもので、ポストコリメータ16が半影をカ
ットするようにその開口幅Wpostが演算される。
【0070】次いで主制御装置30はステップ66に進
んでスキャン法を判断する。もしシングルスキャンであ
ると判断されたときはステップ69にスキップするが、
マルチスキャンであると判断されたとき及びヘリカルス
キャンであると判断されたときは、ステップ67又はス
テップ68で天板の送りピッチ又は天板の送り速度がス
ライス幅を加味して各々演算される。
【0071】この後、ステップ69〜72の処理が前記
図7ステップ48〜51の処理と同様に順次実施され
る。
【0072】更に、架台制御装置33によるコリメータ
15のスライス方向の開口幅制御の例を図12に基づい
て説明する。
【0073】すなわち、架台制御装置33は主制御装置
から供給された開口幅Wpre を初期値として入力し(同
図ステップ80)、それらのデータに対応した制御信号
を架台駆動装置18に送ることで、プリコリメータ駆動
装置17を作動させ、プリコリメータ15のスライス方
向の実際の開口幅及び/又は位置を指令初期値に合わせ
る(同図ステップ81)。
【0074】この後、焦点位置検出器20からの検出信
号を入力し(同図ステップ82)、X線管10の発熱な
どに伴う焦点Fの移動量を、例えば図5に示したグラフ
を表わした記憶テーブル参照によって推定演算する(同
図ステップ83)。
【0075】次いでステップ84に移行して、推定した
X線焦点Fの移動量を加味したプリコリメータ15の開
口幅Wpre 又はスライス方向の位置を再演算する。すな
わち、焦点Fの移動によってX線プロファイルPLがス
ライス方向にずれたことを補正する開口データが得られ
る。この補正用の新たなデータが再び架台駆動装置12
に送られ、その更新された値でプリコリメータ15の開
口幅、位置が修正される(同図ステップ81)。以下、
同様の処理が繰り返される。
【0076】なお、上述した図12の処理に係る焦点移
動に対する焦点追従制御にあっては、プリコメータ15
のみを追従させるだけでよく、ポストコリメータ16は
X線検出器11に近いため、このコリメータ16を追従
移動させる必要は無い。X線検出器11にシングルスラ
イス検出器が採用されている場合であって、スライス幅
<検出器幅となるプリコリメータ15の位置態様(すな
わち図11の(a)で表わされる位置態様)のとき、ポ
ストコリメータ16は図10のステップ65の処理で演
算された開口幅Wpostが架台制御装置33の図示しない
処理によって指令される。しかし、この場合もポストコ
リメータ16の開口幅WpostをX線焦点移動に伴って追
従制御させることはせず、常に一定値に保持され、半影
をカットする。プリコリメータ15がその他の位置態
様、すなわち図8(a)〜(d),図11(b),
(c)を採るときは、ポストコリメータ16はX線コリ
メーションに関与しない。
【0077】以上の構成及び処理に係るプリコリメータ
15の動作の典型例を図13〜16に示す。この内、図
13は焦点サイズのみを変更した場合のプリコリメータ
15のスライス方向の開口幅の制御例を、図14は焦点
サイズおよび使用検出器列を変更した場合のプリコリメ
ータ15のスライス方向の開口幅の制御例を、図15は
焦点移動に伴うプリコリメータ15のスライス方向の開
口幅の制御例を、図16は焦点移動に伴うプリコリメー
タ15のスライス方向の開口幅及びその位置の制御例を
それぞれ示す。
【0078】いま、X線検出器11として2次元検出器
を使用し(スライス方向の検出素子列はa〜hとす
る)、そのスライス方向の一部の検出素子列d,eを使
用して本影モードのマルチスキャンを実施するものとす
る。
【0079】焦点サイズとして小焦点フィラメントFT
S による小焦点Fが指令されている場合、プリコリメー
タ15の開口幅Wpre は図13(a)に示すように設定
される。すなわち、スキャン条件、1回転当たりのスラ
イス数=2、収集モード=本影モード、および焦点サイ
ズ=小焦点の情報が主制御装置30に入力されると(図
7ステップ40〜43)、プリコリメータ15の位置態
様及びスライス方向の開口幅Wpre が自動的に決められ
る(同図ステップ44)。その位置態様は図8(c)に
相当するものであり、また開口幅Wpre =Wpre1は前記
式(1)に基づき例えば演算により求められる。さらに
スキャン方法はマルチスキャンが指令されているので、
その送りピッチがその一部の指定素子列d,eに相当す
る回転中心におけるトータルのスライス幅に等しくなる
ように自動的に演算される(同図ステップ45、4
6)。そして、入力データ及び演算データは各々、所要
のデータ収集装置13、画像再構成装置35、架台制御
装置33、寝台制御装置32、及び高電圧制御装置31
に出力される。高電圧制御装置31には小焦点を選択す
るフィラメント選択信号も併せて供給される。このため
高電圧制御装置31は、高電圧発生装置34から小焦点
フィラメントFTS にフィラメント電源を供給させる。
【0080】この状態から例えば、撮影部位が頭部から
腹部に変わるなどの状況に対応してオペレータが焦点サ
イズF=大焦点への変更のみを欲したとする(管電流以
外のスキャン条件、1回転当たりのスライス数、および
収集モードは不変とする)。そこでスキャン条件の一つ
としての管電流の上昇を指令すると、この管電流の上げ
に対応したプリセット値として焦点サイズF=大焦点の
情報が自動的に読み込まれる(図7、ステップ43)。
これに応答して、プリコリメータ15の位置態様に応じ
たプリコリメータ15の開口幅Wpre =Wpre2が自動的
に演算される(図7、ステップ44)。つまり、位置態
様は図13(a)のものと変わらないが、前記式(1)
に基づいて求められる開口幅Wpre =Wpre2は焦点Fの
スライス方向のサイズが大きくなった分だけ大きくな
り、Wpre2>Wpre1となる開口幅が設定される。そし
て、図12の処理を介して(いま焦点位置そのものは変
わらないとする)、図13(b)に示すように、プリコ
リメータ15の開口幅Wpre がWpre1からWpre2に広げ
られ、使用する検出素子列d,eには本影RM のみが入
射する。
【0081】したがって、焦点サイズを大焦点に切り換
えた場合でも、使用する検出素子列d,eに半影RS が
入り込んで、本影モードを指定しているにも関わらず、
実質的に「本影+半影」モードになってしまうことはな
く、収集モードで指定した通りに本影RM のみが入射す
る。逆に言えば、図13(a)の小焦点の開口幅Wpre1
のまま大焦点に切り換えたときには、検出素列d,eの
一部に、焦点のスライス方向のサイズが大きくなった分
だけ半影RS が入り込む。しかし、本実施形態のよう
に、焦点サイズの切換に合わせてプリコリメータの開口
幅も調整しているので、そのような事態の発生が未然に
防止される。このため、半影などが入り込むことに因り
再構成像の画質が低下してしまうという不具合の発生も
確実に回避される。
【0082】上述のように焦点サイズを小焦点から大焦
点に切り換える場合とは反対に、大焦点から小焦点に切
り換えた場合も同様に、図13(b)から同図(a)の
状態に開口幅Wpre が調整される。つまり、本影RM が
入射するスライス方向の範囲は検出素子列d,eの範囲
に止められ、使用しない検出素子列にまで本影が入射す
ることはない。このように本影の入射範囲を必要以上に
広げないことによって、X線検出器11の外側に漏れる
不要なX線を極力少なくし、被検体への被爆の影響をよ
り抑えることができる。
【0083】また、上述した焦点サイズの切換に加え
て、使用する検出素子列を変更する場合の開口幅制御例
を図14(a),(b)に示す。
【0084】いま、X線検出器11として2次元検出器
を使用し(スライス方向の検出素子列はa〜hとす
る)、そのスライス方向の一部の検出素子列d,eを使
用して本影モードのマルチスキャンを実施するものとす
る。焦点サイズとして小焦点フィラメントFTS による
小焦点Fが指令されている場合、プリコリメータ15の
開口幅Wpre は図14(a)に示すように設定される。
すなわち、この場合は前述した図13(a)の場合と同
様の処理が行われる。
【0085】この状態から例えば、撮影部位が頭部から
腹部に変わるなどの状況に対応してオペレータが焦点サ
イズF=大焦点へ、かつ使用検出素子列の数(すなわ
ち、1回転当たりのスライス数)をc〜fへの増加を指
令したとする(管電流、使用する検出素子列の位置以外
のスキャン条件および収集モードは不変とする)。これ
に応答して、プリコリメータ15の位置態様に応じたプ
リコリメータ15の開口幅Wpre =Wpre2が自動的に演
算される(図7、ステップ44)。つまり、位置態様は
図14(a)のものと変わらないが、前記式(1)に基
づいて求められる開口幅Wpre =Wpre2は焦点Fのスラ
イス方向のサイズが大きくなった分、および、使用検出
素子列の増えた分だけ大きくなり、Wpre2>Wpre1とな
る開口幅が設定される。この結果、図12の処理を介し
て、図14(b)に示すように、プリコリメータ15の
開口幅Wpre がWpre1からWpre2に広げられ、新たに指
定した検出素子列c〜fには本影RM のみが入射する。
【0086】したがって、焦点サイズを大焦点に且つ使
用する検出素子列を切り換えた場合でも、使用する検出
素子列に半影RS が入り込んで、本影モードを指定して
いるにも関わらず、実質的に「本影+半影」モードにな
ってしまうことはなく、再構成画像の画質低下を防止で
きる。また、当然に図14(b)の状態から同図(a)
の状態へも自動的に開口幅を制御でき、被検体への被爆
の影響をより抑えることができる。
【0087】一方、焦点Fのサイズを切り換えた場合で
も、焦点位置はその配置構造上、チャンネル方向にはず
れるが、スライス方向には原則としてずれないことには
なっている。しかしながら、焦点サイズの切換に因って
スライス方向にも微妙にずれることがある。この場合で
も、図13および図14に示す開口幅制御において、そ
のスライス方向のずれが焦点位置検出器20により検出
されるから、図12の処理を介してそのずれが自動的に
補正される。
【0088】なお、図13および図14の開口幅制御に
おいて、プリコリメータ15のスライス方向の開口幅と
そのスライス方向の位置とを一体に調整するようにして
もよい。
【0089】上述した図13および図14の開口幅制御
は、被検体が変わったときなどに、オペレータにより指
令されるスキャン条件および/または焦点サイズの情報
に応じて実施されるものであるが、図15および図16
の開口幅制御はスキャン中であっても自動的に追従制御
されるものである。
【0090】いま、X線検出器11として2次元検出器
を使用し(スライス方向の素子列はa〜hとする)、そ
のスライス方向の一部の検出素子列c〜fを指定して本
影モードのマルチスキャンを行うものとする。これらの
情報を含むスキャン条件、スライス数、収集モード、お
よび焦点サイズが主制御装置30に入力されると(図7
ステップ40〜43)、プリコリメータ15の位置態様
及びスライス方向の開口幅が自動的に決められる(同図
ステップ44)。さらにスキャン方法はマルチスキャン
が指令されているので、その送りピッチがその一部の指
定素子列に相当する回転中心におけるトータルのスライ
ス幅に等しくなるように自動的に演算される(同図ステ
ップ45、46)。このようにして入力されたデータ及
び演算されたデータは各々、所要のデータ収集装置1
3、画像再構成装置35、架台制御装置33、寝台制御
装置50、及び高電圧制御装置51に出力される。
【0091】特に、データ収集装置13は、主制御装置
30から指令された「どの列」(この場合はc〜f列)
を使うかの列選択信号により、チャンネルごとの列を切
り替え、必要なデータを選択して画像再構成装置35に
送る。また、マルチスキャンが指令されているので、c
〜f列分に相当するスライス幅が天板の送りピッチとな
る。ヘリカルスキャンが指令されているとすると、c〜
f列分に相当する撮影領域の回転中心におけるスライス
幅が1回転中の天板移動距離となる。これにより、検出
器の描く軌跡が全て等間隔となり、再構成におけるデー
タ補正等の処理が簡単になる。
【0092】この結果、主制御装置30の管理のもと
で、各装置が同期をとって動作しデータ収集を行うとと
もに、その画像を再構成する。このとき、プリコリメー
タ15は図15(図8(c)に相当)に示す位置態様を
とる。つまり、プリコリメータ15のスライス方向の開
口幅Wpre は2次元検出器11の検出素子列a〜hの内
の一部の指定素子列c〜fに本影RM のみが入射するよ
うに制御される。
【0093】しかも、X線管10の管球焦点F(例えば
小焦点、ここでは点として表す)が例えば図15に示す
如く、陽極の曝射時の発熱などに因ってスライス方向に
移動することがある。この場合でも、焦点位置移動量の
検出に伴う図12の処理に拠ってプリコリメータ15の
開口幅がリアルタイムに微調整され、検出用の一部の指
定素子列c〜fには本影RM のみが入射する。
【0094】このようにプリコリメータ15の開口幅を
フィードバック制御することで、キャリブレーションデ
ータ収集時と実際の撮影時とでX線プロファイルが変わ
るような撮影を行った場合でも、2次元検出器11の予
め指定した検出素子列c〜f(スライス方向のスライス
幅に相当)に入射するX線強度は常に一定になるから、
再構成時のキャリブレーションが良好に掛かり、従来発
生していた画像上のアーチファクトやCT値のシフトを
防止することができる。またX線プロファイルの変化に
対する要求が大幅に緩和される。さらに、再構成画像は
本影のみを使っているから、何れのスライス面の画質も
良好になる。さらに、プリコリメータ15の開口幅だけ
を制御すればよいので、駆動対象となるモータ数が開口
幅制御用の1つだけで済み、制御が簡単であるという利
点もある。
【0095】なお、上述した図15の制御法を2次元検
出器の全面、すなわち図15の例で言えば全部の検出素
子列a〜hを使って本影モードでスキャンする場合(す
なわち図8(a)の状態)にも同様に好適に適用でき
る。また、X線検出器11としてシングルスライス検出
器を使う場合で、本影モードの場合(すなわち図11
(a),(b)の状態)にも好適に実施できる。
【0096】一方、図16に示すスキャンの場合、図1
5の場合と同一の条件(2次元検出器,スライス方向の
一部の指定検出素子列c〜fのみの使用,本影モード,
同一焦点サイズ)を採用するが、焦点移動に伴うフィー
ドバック制御量が今度はプリコリメータ15の各ブレー
ドの「スライス方向の位置」(すなわち、プリコリメー
タのスライス方向の開口幅及び位置)としている。すな
わち、プリコリメータ15全体のスライス方向の位置が
リアルタイムに変更される。この制御は図12のステッ
プ82〜84,81の一連の処理によってリアルタイム
に行われる。
【0097】このため、例えばX線管10の焦点F(例
えば小焦点、図では点で表す)が図16上で矢印で示す
如く右側に移動すると、結果的には、プリコリメータ1
5のスライス方向の一方のプレードが右側(矢印A1
に移動させられ、且つ、もう一方のブレードも右側(矢
印A2 )に等距離だけ移動させられる。すなわち、前述
した図15の場合のようにスライス方向のコリメーショ
ンを担う両ブレードがスライス方向に対称に動いて開口
幅Wpre のみを変える制御とは異なり、開口幅Wpre 自
体及びスライス方向のコリメータ全体の位置が焦点移動
量に応じて変わる。
【0098】したがって、X線検出器11に対するX線
プロファイルPLのスライス方向の位置は変わらず、焦
点移動が実際には生じても、見掛け上焦点移動が発生し
ていないことと同じになる。これにより、図15の場合
と同等の作用効果が得られるほか、図15の方法と比べ
ても、より安定且つ高精度なプロファイルの位置制御を
行うことができ、また被曝量を最小限に抑制できるとい
う利点がある。さらに重要なことは、図16に示すプリ
コリメータ15の制御を行った場合、スライス方向の本
影の位置が固定される。つまり、本影を受ける検出素子
列のX線プロファイルの形状は、キャリブレーションデ
ータ収集時と画像データ収集時とで不変である。したが
って、そのような本影を受ける検出素子列により検出さ
れたデータを使った画像は常に高品質に保持できるとい
う有利さも在る。
【0099】なお、上述した図16の制御法を2次元検
出器の全面、すなわち図16の例で言えば全部の検出素
子列a〜hを使って本影モードでスキャンする場合(す
なわち図8(a)の状態)にも同様に好適に適用でき
る。また、X線検出器11としてシングルスライス検出
器を使う場合で、本影モードの場合(すなわち図11
(a),(b)の状態)にも好適に実施できる。
【0100】一方、「本影+半影モード」は検査者によ
り必要に応じて選択される(図7、ステップ42及び図
10、ステップ62参照)。このように「本影モード」
のみならず、「本影+半影モード」も任意に選択できる
ようにしたので、半影部分も合せて検出器に入射させる
ことで被曝量を抑えることができ、またマルチスキャン
やヘリカルスキャンを高速に行うことができるというメ
リットがある。この様子を図17(a),(b)に示
す。同図(a)は「本影モード」のスキャンを、同図
(b)は「本影+半影モード」のスキャンを各々説明す
るもので、同図(b)の方がX線検出器11上の使用可
能な素子列数が多い。これにより、「本影+半影モー
ド」で高速なスキャンが可能になる。
【0101】ところで、図17(a),(b)では送り
ピッチまたは送り速度の量を表す矢印は概略的に描かれ
ている。送りピッチや送り速度は実際にはX線焦点を点
と見做して演算されるので、それらの量を表す矢印は実
際には図示のものよりも若干短くなって、トータルのス
ライス幅に相当する量となる。
【0102】本発明に係る変形例を図18に基づき説明
する。前述した実施形態はX線管の管球焦点の移動に応
じてプリコリメータ15のスライス方向の位置及び/又
は開口幅をリアルタイムに微調整する構成としたが、か
かる変形例はそのような構成を簡略化したものである。
具体的には、プリコリメータ15のスライス方向の開口
幅及び/又は位置は一回だけ初期設定することとし、そ
の後は焦点位置の移動があっても、その値を保持する。
【0103】いま、前述した図15,16の場合と同様
に、2次元検出器の一部の指定検出素子列c〜eのみを
使って本影モードでスキャンするとする。X線管10が
最も低い温度状態から最も高い温度状態になって焦点移
動が起こったとしても、少なくとも目的とする一部の検
出素子列c〜eには必ず本影のみが入射するように開口
幅Wpre (又は位置)が最初に1回だけ設定される。つ
まり、予め焦点移動を見込んで、使用する検出素子列を
決め、開口幅(又はスライス方向の位置)を広めに設定
しておく。そして、スキャン前に一度設定したら、その
後の開口制御は行わない。
【0104】この焦点移動距離を見込んだ場合の開口幅
Wpre の設定は定量的には下記の式を用いればよい。前
述した図9に示す如く、X線管10の焦点Fのサイズを
x、X線検出器11上に投影される本影のスライス方向
の長さをy、X線検出器11上に投影される「本影+半
影」のスライス方向の長さをz、焦点Fとプリコリメー
タ15との間の曝射方向の距離をc、プリコリメータ1
5とX線検出器11との間の曝射方向の距離をdとし、
さらに、図19に示す如く、スライス方向における予想
される最大の焦点移動量をΔmとすると、プリコリメー
タ15の本影モードの開口幅Wpre (x,y)および
「本影+半影」モードの開口幅Wpre (x,z)は夫
々、
【数3】
【数4】 の式により演算できる。なお、この開口幅の設定値は予
め式(3)または(4)に基づいて演算しておいて、テ
ーブルとして保有しておくようにしてもよい。
【0105】これにより、X線CTスキャナの駆動状態
に応じてX線管の温度が上昇し、管球焦点が例えば図1
8中の実線図示の状態から点線図示の状態(X線管が最
高に暖まった状態)に向かって移動した場合でも、X線
検出器11の指定検出素子列c〜eには常に本影のみが
入射する。したがって、この変形例によれば、開口制御
が一回で済み、制御が簡単化される。この場合にはま
た、焦点位置検出器20が不要になる利点もある。
【0106】さらに、上述した焦点移動を見込んだ開口
幅設定の手法には、以下のような種々のファクタを取り
込んで、または単独で実施することができる。
【0107】第1に、焦点切換における焦点位置の移動
に対する対応策に関する。X線管10の焦点を例えば小
焦点から大焦点に切り換えると、焦点位置が微妙にずれ
ることがあり得る。X線管内では、大焦点用フィラメン
トおよび小焦点用フィラメントは、その構造上、チャン
ネル方向に並んで設置されているため、焦点を切り換え
ても通常、チャンネル方向に焦点位置がずれるだけで、
スライス方向には原理的にはずれないことになってい
る。しかしながら、焦点切換によってスライス方向にも
微妙にずれを生じることがある。
【0108】そこで、図19に示す如くの、スライス方
向における予想される最大の焦点移動量Δmに、焦点切
換に伴う焦点移動量を加味しておく。または、この最大
の焦点移動量Δmを焦点切換に伴う焦点移動量に等しく
設定しておく。これにより、前述した図18に模式的に
表す如く、X線管10の温度上昇および焦点切換に拠る
焦点移動があっても、または、焦点切換に拠る焦点移動
があっても、簡単な開口幅制御でありながら、使用する
検出素子列に入射するX線プロファイルを常に所望のも
のに維持できる。
【0109】第2に、フライング焦点の技法における焦
点移動の対応に関する。X線CTスキャナでは、データ
のサンプリング点を増加させるなどの目的のため、X線
管内で陰極からターゲートに向けて放射する電子ビーム
を電磁的作用などに因って振り、意図的に焦点位置を変
える機能を搭載しているものがある。この焦点位置の移
動によって本影のスライス方向の移動が生じる。
【0110】そこで、この場合も図19に示す如くの、
スライス方向における予想される最大の焦点移動量Δm
に、フライング焦点に伴う焦点移動量を加味しておく。
または、この最大の焦点移動量Δmをフライング焦点に
伴う焦点移動量に等しく設定しておく。これにより、前
述した図18に模式的に表す如く、X線管10の温度上
昇および焦点切換に拠る焦点移動があっても、または、
フライング焦点に拠る焦点移動があっても、簡単な開口
幅制御でありながら、使用する検出素子列に入射するX
線プロファイルを常に所望のものに維持できる。
【0111】なお、上述した図18の制御法を2次元検
出器の全面、すなわち図18の例で言えば全部の検出素
子列a〜hを使って本影モードでスキャンする場合(す
なわち図8(a)の状態)にも同様に好適に適用でき
る。また、X線検出器11としてシングルスライス検出
器を使う場合で、本影モードの場合(すなわち図11
(a),(b)の状態)にも好適に実施できる。
【0112】またなお、本発明におけるX線管の管球焦
点の移動に関するセンサ手段は、上述した構成のものに
限定されることなく、例えばX線管10の外周面上に取
り付けた赤外線検出器でX線管10の温度変化を検出
し、その温度変化に基づいて管球焦点の移動を推定する
ようにしてもよい。また、例えば実開平2−91200
号公報記載の如く、X線管の冷却油の温度を検出する温
度検出器であってもよいし、またX線管電圧、X線管電
流、X線照射時間、X線照射停止時間などのX線管の駆
動に関する情報を、管球焦点の移動に関する情報として
取り込む構造を採ってもよい。
【0113】また、前述した実施形態およびその変形例
では、X線管の焦点サイズの切換を「大」または「小」
の2段階としたが、本発明は必ずしもこれに限定される
ものではない。例えば、「中」焦点用フィラメントを搭
載して、焦点サイズを3段階に切換可能に構成すること
もできるし、焦点サイズをさらに多くのステップ状に切
換可能に構成してもよい。さらには、例えば電磁的作用
により電子ビームの形状や位置を制御したり、陰極の位
置を機械的に調整したりすることで、任意の大きさの焦
点を設定可能なX線管に本発明を適用し、任意値に設定
された焦点サイズに応じて前述と同様にプリコリメータ
の開口幅を制御するようにしてもよい。
【0114】さらに、本発明は上述した実施形態、つま
り、X線ビームの本影のみを受ける、2次元検出器の1
以上の検出素子列の指定を、実際のX線スキャンによる
撮影時にその都度行うようにするというスキャナ構成に
限定されるものではない。設計上の条件やその他の条件
により、その1以上の検出素子列が予め固定的に決まっ
ている場合でも、かかる2次元検出器は本発明のX線C
Tスキャナに好適に適用できる。つまり、そのような場
合には、予め決まっている検出素子列によって検出され
たデータのみを採用して前述と同様の処理を行うように
データ収集装置13への列選択信号を設定しておけばよ
い。
【0115】さらに、前述した実施形態およびその変形
例では、焦点サイズの変更(切換)および焦点位置の移
動に伴う、両方のプリコリメータの開口幅制御に対応可
能な制御を実施する構成を示したが、焦点サイズの変更
(切換)に伴うプリコリメータの開口幅制御のみでも単
独に実施できることは勿論である。
【0116】なおまた、本発明は上述した実施形態や変
形形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理の
範囲内で適宜に組み合わせ、変更、変形することが可能
である。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のX線C
Tスキャナによれば、X線源としてのX線管の焦点サイ
ズが変更された場合でも、その変更に応じてプリコリメ
ータの開口幅が、例えば、2次元検出器の使用したい検
出素子列に常に本影のみが入射するように制御されるこ
とから、焦点サイズが変更された場合でも、本影のみを
受けて再構成画像の画質劣化を防止できるとともに、X
線被爆の影響も最小限に抑えることができる。
【0118】また、上述の効果にほか、下記の種々の効
果も同時に得られる。すなわち、X線検出器の検出素子
列(2次元検出器の場合、複数の検出素子列の内の指定
された検出素子列または予め決まっている検出素子列)
のスライス方向の幅全体にX線プロファイルの本影のみ
が入射するので、スライス位置によって画質が変わるこ
とも無く、また高い信号値を検出することができ、高画
質の再構成象を提供することができる。さらに、プリコ
リメータのスライス方向の開口幅が、X線管のX線焦点
の移動に伴うX線ビームのスライス方向の予測される最
大移動量に対応した量だけ広く設定されるので、一度そ
のように開口設定しておくだけで、良好な信号及び画質
が得られる。さらにまた、X線管の管球焦点が温度上昇
などに因って移動し、キャリブレーションデータ収集時
と撮影時とでX線プロファイルが変化した場合でも、プ
リコリメータのスライス方向の例えば開口幅及び/又は
位置などを焦点移動量に応じてリアルタイムに微調整す
ることにより、X線検出器の指定されたまたは予め決め
てある検出素子列のスライス方向の幅全体にわたって本
影を入射させることができるので、画像上のアーチファ
クトやCT値のシフトを排除でき、画質を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るX線CTスキャナの
概要を示すブロック図。
【図2】焦点サイズを切換可能なX線管の概略構造図。
【図3】図2中のIII-III 線に沿った側面図。
【図4】X線検出器とX線ビームの入射との位置関係を
説明する図。
【図5】X線検出器の出力とX線焦点位置移動量の関係
を示すグラフ。
【図6】データ収集装置のブロック図。
【図7】主制御装置で実行される2次元検出器の場合の
制御例を示すフローチャート。
【図8】2次元検出器の場合のプリコリメータの位置態
様を判断するフローチャート。
【図9】プリコリメータの開口幅制御に関わるパラメー
タの説明図。
【図10】主制御装置で実行されるシングルスライス検
出器の場合の制御例を示すフローチャート。
【図11】シングルスライス検出器の場合のプリコリメ
ータの位置態様を判断するフローチャート。
【図12】架台制御装置で実行される開口制御の一例を
示すフローチャート。
【図13】焦点サイズの切換に伴うプリコリメータの開
口幅制御を示す説明図。
【図14】焦点サイズの切換および使用する検出素子列
の変更に伴うプリコリメータの開口幅制御を示す説明
図。
【図15】2次元検出器を使ったときの焦点移動追従制
御の一例を示す説明図。
【図16】2次元検出器を使ったときの焦点移動追従制
御の他の例を示す説明図。
【図17】(a),(b)は本影モード,本影+半影モ
ードのときの送りピッチまたは送り速度の大小を比較説
明する図。
【図18】変形例に係るプリコリメータの開口設定を説
明する図。
【図19】焦点の移動量を説明する図。
【図20】プリコリメータの役割を説明する図。
【図21】従来のシングルスライスCTにおけるX線プ
ロファイルとX線検出器の位置関係を説明する図。
【図22】従来の2次元検出器に係るCTにおけるX線
プロファイルとX線検出器の位置関係を説明する図。
【図23】X線管の管球焦点の移動を説明する図。
【図24】シングルスライス検出器に対するプロファイ
ル変化の影響を説明する図。
【図25】2次元検出器に対するプロファイル変化の影
響を説明する図。
【符号の説明】
1 ガントリ 2 寝台 2a 天板 2b 寝台駆動装置 3 制御キャビネット 10 X線管(X線源) 11 X線検出器(2次元検出器またはシングルスライ
ス検出器) 12 架台駆動装置 13 データ収集装置 15 プリコリメータ 17 プリコリメータ駆動装置 20 焦点位置検出器 30 主制御装置 31 高電圧制御装置 32 寝台制御装置 33 架台制御装置 34 高電圧発生装置 35 画像再構成装置

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線ビームを曝射する焦点を有するX線
    源と、被検体と前記X線源との間に介挿されて前記被検
    体のスライス方向における前記X線ビームの幅を絞るプ
    リコリメータと、前記被検体を透過した前記X線ビーム
    を受けるX線検出器とを備えたX線CTスキャナにおい
    て、 前記X線検出器を、複数の検出チャンネルから成る検出
    素子列を前記スライス方向に複数配列した2次元検出器
    で形成するとともに、 前記X線源の焦点のサイズに応じて、前記複数の検出素
    子列の内の指定された検出素子列が前記プリコリメータ
    により形成されたX線ビームのプロファイルの本影およ
    び半影の内の本影を受けるように当該プリコリメータを
    制御する制御手段と、前記指定された検出素子列により
    検出されたデータに基づいてX線CT像を再構成する再
    構成手段と、を備えたことを特徴とするX線CTスキャ
    ナ。
  2. 【請求項2】 X線ビームを曝射する焦点を有するX線
    源と、被検体と前記X線源との間に介挿されて前記被検
    体のスライス方向における前記X線ビームの幅を絞るプ
    リコリメータと、前記被検体を透過した前記X線ビーム
    を受けるX線検出器とを備えたX線CTスキャナにおい
    て、 前記X線検出器を、複数の検出チャンネルから成る検出
    素子列を前記スライス方向に複数配列した2次元検出器
    で形成するとともに、 前記X線源の焦点のサイズに応じて、前記プリコリメー
    タにより形成されたX線ビームのプロファイルの本影お
    よび半影の内の本影を受ける、前記複数の検出素子列の
    内の少なくとも1つの検出素子列により検出されたデー
    タに基づいてX線CT像を再構成する再構成手段を備え
    たことを特徴とするX線CTスキャナ。
  3. 【請求項3】 X線ビームを曝射する焦点を有するX線
    源と、被検体と前記X線源との間に介挿されて前記被検
    体のスライス方向における前記X線ビームの幅を絞るプ
    リコリメータと、前記被検体を透過した前記X線ビーム
    を受けるX線検出器とを備えたX線CTスキャナにおい
    て、 前記X線検出器を、複数の検出チャンネルから成る検出
    素子列を前記スライス方向に複数配列した2次元検出器
    で形成するとともに、 前記プリコリメータにより形成されたX線ビームのプロ
    ファイルの本影および半影の内の本影のみによるデータ
    に基づいて画像再構成を行う第1の収集モード、およ
    び、前記本影および半影の双方によるデータに基づいて
    画像再構成を行う第2の収集モードの内の一方の収集モ
    ードを選択する選択手段と、この選択手段により選択さ
    れた収集モードおよび前記X線源の焦点のサイズに応じ
    て前記プリコリメータの絞り状況を制御する制御手段
    と、前記選択手段により選択された収集モードに基づい
    てデータを収集するスキャン手段とを、備えたことを特
    徴とするX線CTスキャナ。
  4. 【請求項4】 前記X線源は、前記焦点のサイズを変更
    可能なX線管である請求項1乃至3のいずれか一項に記
    載のX線CTスキャナ。
  5. 【請求項5】 前記スライス方向に移動可能であって前
    記被検体を載せる天板と、マルチスキャン時に前記X線
    ビームによるスキャン毎に前記指定された検出素子列に
    よる撮影領域の中心におけるトータルのスライス幅に略
    一致する前記天板の移動距離を判断する判断手段と、こ
    の判断手段により判断された前記移動距離に基づいて前
    記天板の移動を制御する天板制御手段と、を備えた請求
    項1乃至4のいずれか一項に記載のX線CTスキャナ。
  6. 【請求項6】 前記スライス方向に移動可能であって前
    記被検体を載せる天板と、ヘリカルスキャン時に前記被
    検体周りの前記X線源およびX線検出器の1回転毎に前
    記指定された検出素子列による撮影領域の中心における
    前記スライス方向のトータルの幅に応じて前記天板の移
    動距離を判断する判断手段と、この判断手段により判断
    された前記移動距離に基づいて前記天板の移動を制御す
    る天板制御手段と、を備えた請求項1乃至4のいずれか
    一項に記載のX線CTスキャナ。
  7. 【請求項7】 前記プリコリメータの前記スライス方向
    の開口幅を、前記X線源の焦点移動に伴う前記X線ビー
    ムの前記スライス方向の予測される最大移動量に対応し
    た量だけ広く設定する設定手段を備えた請求項1乃至4
    のいずれか一項に記載のX線CTスキャナ。
  8. 【請求項8】 前記設定手段は、前記X線源の焦点サイ
    ズの切換に伴う焦点位置の移動量を加味した最大移動量
    に対応した量だけ広く設定する手段である請求項7記載
    のX線CTスキャナ。
  9. 【請求項9】 前記X線源の焦点移動に対応した量を検
    出する検出手段を備え、前記制御手段は、前記検出手段
    の検出量に基づいて前記プリコリメータの前記スライス
    方向の開口幅、前記プリコリメータの前記スライス方向
    の位置、および前記X線源の焦点の前記スライス方向の
    位置の内の少なくとも一つを、前記指定された検出素子
    列がX線ビームの前記本影を受けるように制御する手段
    を含む請求項1記載のX線CTスキャナ。
  10. 【請求項10】 前記X線源の焦点移動に対応した量を
    検出する検出手段と、前記検出手段の検出量に基づいて
    前記プリコリメータの前記スライス方向の開口幅、前記
    プリコリメータの前記スライス方向の位置、および前記
    X線源の焦点の前記スライス方向の位置の内の少なくと
    も一つを、前記少なくとも1つの検出素子列が前記X線
    ビームの前記本影を受けるように制御する制御手段と、
    を備える請求項2記載のX線CTスキャナ。
  11. 【請求項11】 前記X線源の焦点移動に対応した量を
    検出する検出手段を備え、前記制御手段は、前記検出手
    段の検出量に基づいて前記プリコリメータの前記スライ
    ス方向の開口幅、前記プリコリメータの前記スライス方
    向の位置、および前記X線源の焦点の前記スライス方向
    の位置の内の少なくとも一つを、前記X線検出器に入射
    するX線ビームのプロファイルの移動を防止するように
    制御する手段を含む請求項3記載のX線CTスキャナ。
  12. 【請求項12】 X線ビームを曝射する焦点を有するX
    線源と、被検体と前記X線源との間に介挿されて前記被
    検体のスライス方向における前記X線ビームの幅を絞る
    プリコリメータと、前記被検体を透過した前記X線ビー
    ムを受けるX線検出器とを備えたX線CTスキャナにお
    いて、 前記プリコリメータの前記スライス方向の開口幅および
    前記スライス方向の位置の内の少なくとも一つを前記X
    線源の焦点のサイズに応じて制御する制御手段とを備え
    ることを特徴とするX線CTスキャナ。
  13. 【請求項13】 前記X線検出器は、複数の検出チャン
    ネルから成る検出素子列を前記スライス方向に複数配列
    した2次元検出器である請求項12記載のX線CTスキ
    ャナ。
  14. 【請求項14】 前記X線検出器は、複数の検出チャン
    ネルから成る検出素子列をスライス方向に1列配列した
    シングルスライス検出器である請求項12記載のX線C
    Tスキャナ。
JP23109596A 1996-08-30 1996-08-30 X線ctスキャナ Expired - Lifetime JP3742690B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23109596A JP3742690B2 (ja) 1996-08-30 1996-08-30 X線ctスキャナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23109596A JP3742690B2 (ja) 1996-08-30 1996-08-30 X線ctスキャナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1071141A true JPH1071141A (ja) 1998-03-17
JP3742690B2 JP3742690B2 (ja) 2006-02-08

Family

ID=16918223

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23109596A Expired - Lifetime JP3742690B2 (ja) 1996-08-30 1996-08-30 X線ctスキャナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3742690B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001095792A (ja) * 1999-08-27 2001-04-10 General Electric Co <Ge> Ctイメージング用x線ビームを位置決めする方法及び装置
JP2001112747A (ja) * 1999-10-19 2001-04-24 Ge Yokogawa Medical Systems Ltd X線ct装置
JP2001286459A (ja) * 2000-04-05 2001-10-16 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc X線ct装置及びその撮影方法
JP2001309914A (ja) * 2000-04-27 2001-11-06 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc X線ctシステム及びその制御方法並びに記憶媒体
JP2003102716A (ja) * 2001-09-21 2003-04-08 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc X線ct装置
JP2003225230A (ja) * 2001-11-29 2003-08-12 Toshiba Corp コンピュータ断層撮影装置
JP2010505454A (ja) * 2006-11-09 2010-02-25 キヤノン株式会社 マルチ放射線発生装置を用いた放射線撮影制御装置
EP2221002A1 (en) * 2009-02-24 2010-08-25 Canon Kabushiki Kaisha Radiation imaging apparatus and processing method therefor
JP2011005018A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc X線ct装置
JP2019005312A (ja) * 2017-06-27 2019-01-17 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 放射線撮影装置、撮影方法及び制御プログラム
CN109770935A (zh) * 2018-12-28 2019-05-21 上海联影医疗科技有限公司 准直器校正方法、装置、ct系统及存储介质
US10531855B2 (en) 2016-12-28 2020-01-14 Canon Medical Systems Corporation X-ray computed tomography apparatus
JP2020188893A (ja) * 2019-05-21 2020-11-26 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 放射線検出器、及びx線ct装置
US11628312B2 (en) 2017-11-06 2023-04-18 The Research Foundation For The State University Of New York System and method for dual-use computed tomography for imaging and radiation therapy

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4957096B2 (ja) * 2006-06-30 2012-06-20 株式会社島津製作所 X線診断装置

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001095792A (ja) * 1999-08-27 2001-04-10 General Electric Co <Ge> Ctイメージング用x線ビームを位置決めする方法及び装置
JP2001112747A (ja) * 1999-10-19 2001-04-24 Ge Yokogawa Medical Systems Ltd X線ct装置
JP2001286459A (ja) * 2000-04-05 2001-10-16 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc X線ct装置及びその撮影方法
JP2001309914A (ja) * 2000-04-27 2001-11-06 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc X線ctシステム及びその制御方法並びに記憶媒体
JP2003102716A (ja) * 2001-09-21 2003-04-08 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc X線ct装置
JP2003225230A (ja) * 2001-11-29 2003-08-12 Toshiba Corp コンピュータ断層撮影装置
JP2010505454A (ja) * 2006-11-09 2010-02-25 キヤノン株式会社 マルチ放射線発生装置を用いた放射線撮影制御装置
US7978816B2 (en) 2006-11-09 2011-07-12 Canon Kabushiki Kaisha Radiographic imaging control apparatus using multi radiation generating apparatus
US8475043B2 (en) 2009-02-24 2013-07-02 Canon Kabushiki Kaisha Radiation imaging apparatus and processing method therefor
EP2221002A1 (en) * 2009-02-24 2010-08-25 Canon Kabushiki Kaisha Radiation imaging apparatus and processing method therefor
JP2011005018A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc X線ct装置
US10531855B2 (en) 2016-12-28 2020-01-14 Canon Medical Systems Corporation X-ray computed tomography apparatus
JP2019005312A (ja) * 2017-06-27 2019-01-17 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 放射線撮影装置、撮影方法及び制御プログラム
US11033246B2 (en) 2017-06-27 2021-06-15 General Electric Company Radiographic imaging apparatus and imaging method
US11628312B2 (en) 2017-11-06 2023-04-18 The Research Foundation For The State University Of New York System and method for dual-use computed tomography for imaging and radiation therapy
CN109770935A (zh) * 2018-12-28 2019-05-21 上海联影医疗科技有限公司 准直器校正方法、装置、ct系统及存储介质
JP2020188893A (ja) * 2019-05-21 2020-11-26 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 放射線検出器、及びx線ct装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3742690B2 (ja) 2006-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5684855A (en) X-ray CT scanner
EP0982002B1 (en) Variable aperture Z-axis tracking collimator for a computed tomograph system
US6056437A (en) Methods and apparatus for imaging system detector alignment
US6320929B1 (en) Method for scanning an examination subject with a CT device
US6229870B1 (en) Multiple fan beam computed tomography system
JP3742690B2 (ja) X線ctスキャナ
US5982846A (en) Methods and apparatus for dose reduction in a computed tomograph
JP4478335B2 (ja) X線ビームの動きを補正するための方法および装置
US7194061B2 (en) X-ray computer tomography apparatus
US6295331B1 (en) Methods and apparatus for noise compensation in imaging systems
JP2004180715A (ja) X線コンピュータ断層撮影装置
US6404841B1 (en) Image thickness selection for multislice imaging system
US6134292A (en) Methods and apparatus for reducing z-axis non-uniformity artifacts
JP2774790B2 (ja) X線ctスキャナ
US6322248B1 (en) X-ray impinging position alignment method and x-ray tomographic imaging method and apparatus
US6870898B1 (en) Computed tomography apparatus with automatic parameter modification to prevent impermissible operating states
JPH09224929A (ja) ツイン・ビーム計算機式断層写真スキャナ
US7283607B2 (en) Continuously operating tomography apparatus and method for the operation thereof
JP5697656B2 (ja) X線撮像装置
JP2002136510A (ja) カバー範囲を拡大させたミリメートル未満のctスライスを得るための方法及び装置
JP3249088B2 (ja) X線照射位置合わせ方法及びx線断層像撮影装置
JPH105210A (ja) X線ct装置及びそのミスアライメント補正方法
JP2003135442A (ja) X線ctシステムおよびその制御方法
JP4406106B2 (ja) X線ct装置
JPH05269122A (ja) X線ct装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081118

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091118

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101118

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101118

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111118

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111118

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121118

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131118

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term