以下、本発明の実施の形態を、携帯電話によるメールの送受信に適用した一実施例として、図面を参照して説明する。
A.第1実施形態
A−1.第1実施形態の構成
図1は、本発明の第1実施形態によるメール送受信システムの構成を示すブロック図である。図において、携帯電話(無線通信端末/データ通信装置)1a,1bは、撮像装置と該撮像装置で撮影された画像(写真)を複数記憶することが可能な画像メモリとを備え、画像メモリに格納された画像(写真)をメールに添付して送信する機能、および画像が添付されたメールを受信する機能を備えている。また、該携帯電話1a,1bは、メールに添付する画像やメールに添付された画像をメール本文の背景画像として表示する機能や、添付した画像をメール本文の背景画像として表示することを受信側端末(受信側の携帯電話)に指示する情報を含んだメールを送信する機能も備えている。すなわち、携帯電話1a,1bは、画像を添付ファイルとして送受信できる一般的なメール機能だけでなく、メールに添付された画像がメール本文の背景画像として表示される背景画像付きメールを送受信できるメール機能も備えている。更に、該携帯電話1a,1bは、背景画像の明度を補正或いは調整する機能も備えている。
つまり、該携帯電話1a,1bは、例えば背景画像付きメールを送信する際には、背景画像付きメールの送信に先立って、当該メールを受信する受信側端末において当該メールが表示された際に、すなわち、メール本文に添付する画像を背景として該画像上にメール本文が重ね合わされて表示された際に、メール本文が明瞭に視認できるように、背景画像用としてメールに添付する画像の明度を補正することができるようになっている。言い換えると、受信側では、背景画像付きメールを受信すると、添付された画像(明度調整されたもの)を背景とし、該画像にメール本文を重ね合わせて表示するようになっている。
無線基地局2,2は、公衆回線網4を介して、より詳細には、携帯電話1a、1bのユーザが加入する通信サービス事業者が提供しており、且つ公衆回線網4の一部を構成している携帯電話網を介して、通信サービス事業者(インターネットプロバイダを含む)のセンタ装置3に接続する。通信サービス事業者のセンタ装置3は、主なサービスとして提供している携帯電話サービスで必要とする交換機34の他、後述のWWW5に接続するためのシステム(Webサーバ32、ルータ35)、メールシステム(メールサーバ33)を備えている。無線基地局2をAP(アクセス・ポイント)として、携帯電話1a、1bをWWW5に接続させるための機能も備えている。
公衆回線網4は、他の通信サービス事業者の携帯電話網や、アナログやデジタルの電話回線網を含む。WWW5は、所謂インターネットである。インターネットサービスプロバイダ(以下ISPと称す)6は、交換機を除いて、通信サービス事業者のセンタ装置3と同じ構成であり、WWW5に接続するためのシステム(便宜的にWebサーバ62、ルータ65)、メールシステム(メールサーバ63)を備えている。パーソナルコンピュータ7は、公衆回線4、ISP6を介してWWW5に接続したり、メールの送受信を行なう機能を備えている。
なお、本実施形態の特徴として、携帯電話1a,1bは背景画像付きメールを送受信するメール機能、すなわち、メールに添付する或いは添付された画像をメール本文の背景画像として表示処理するメールソフトプログラムを備えており、携帯電話1a,1b同士間で背景画像付きメールを送受信した場合、背景画像付きメールを受信した側の携帯電話は、背景に画像を表示し、その上にメール本文を重ねて表示する(詳細は後述)。しかし、携帯電話1a,1bから通常のメール機能しか備えていない通信機器、例えば、パーソナルコンピュータ7へ、背景画像付きメールを送信した場合、パーソナルコンピュータ7では、背景画像用としてメールに添付された画像は、通常の添付ファイルとして扱われる。すなわち、本実施形態による「背景画像付きメールを処理するメールソフトプログラム」は、一般に知られているメールソフトプログラムと互換性を持っている。
次に、図2(a),(b)は、携帯電話1a,1bの外観を示す図である。本実施形態における携帯電話1a、1bは、蓋部と本体部からなる二つ折り構造であり、図2(a)は、携帯電話1a,1bを開いた状態での正面図を示し、図2(b)は、携帯電話1a,1bを開いた状態での背面図を示したものである。アンテナ11は、蓋部の背面に設けられており、伸縮自在となっている。スピーカ12は、蓋部の前面側に設けられており、音声出力を行なう。表示部(メイン表示部)13は、カラーLCD(液晶表示器)であり、120ドット(幅)×160ドット(高さ)である。該表示部13には、画像付き(背景画付き)メールの画像(写真)と本文とを同時に表示可能となっている。
キー操作部14は、本体部の前面に設けられており、メールキー141、アドレスキー142、カメラキー143、サブメニューキー144、十字キー(4方向カーソルキー)145、センターキー(決定キー)146、オフフックキー147、オンフックキー148、テンキー149などからなる。メールキー141は、メール機能を起動し、メールメニューを表示するためのものである。アドレスキー142は、送信先のメールアドレスや発呼先の電話番号などを選択する際に用いるアドレス帳を開くためのものである。カメラキー143は、カメラ機能を起動し、カメラメニューを表示するためのものである。なお、このカメラキー143は、メール作成モードやメール表示モードにおいてメール本文と背景画像とを重ね合わせて表示しているときには、表示をメール本文のみにしたり背景画像のみにしたりする表示切換キーとしての機能を備えている。サブメニューキー144は、各機能におけるサブメニューを表示させるためのものである。十字キー145は、各機能において表示されたメニューの中から所望のメニューを選択したり、テンキーでデータを入力する際にデータ入力位置をシフトさせたりするためのものである。センターキー(決定キー)146は十字キー145の操作で選択されたメニューなどを確定するためのものである。オフフックキー147は通話を開始するためのものであり、オンフックキー148通話を終了するためのものである。テンキー149は、電話番号や文字の入力の際に使用するものである。マイク15は、本体部の下部に設けられており、音声入力を行なう。
サブ表示部16は、蓋部の背面に設けられている。背面キー17は、透明、または半透明部材で構成され、着信の際、発光するLED171を内蔵している。撮像レンズ18は、蓋部2の背面、上記サブ表示部16の下部に設けられている。報知スピーカ19は、着信などを報知するものであり、蓋部を本体部に閉じた状態でも報知音が聞こえるように、本体部の裏面に配置されている。
次に、図3は、携帯電話1a,1bの回路構成を示すブロック図である。無線送受信部20は、無線によりアンテナ11を介して音声やデータ(メールデータ)を送受する。無線信号処理部21は、無線送受信部20で受信した音声やデータ(メールデータ)を復調し、あるいは無線送受信部20へ送信するための音声やデータを変調するなどの無線通信に必要な処理をする。制御部22は、各種動作および全体の動作を制御する。
画像メモリ23は、撮像部(撮像レンズ18、撮像モジュール181、DSP182)で撮像され、画像処理プログラム領域2413に格納されたプログラムにより圧縮符号化された画像ファイルや、WWW5を介してダウンロードした画像ファイルを格納するためのメモリである。ROM24は、書換可能なFlash ROMで構成され、本発明の特徴となる、後述の各種プログラムを格納する。
ドライバ25は、表示部13を駆動させる。ドライバ26は、サブ表示部16を駆動させる。加入者情報記憶部27は、本携帯電話1を呼び出すための電話番号や、操作者(加入者)のID等、プロフィールデータを格納する。ROM28は、制御部18を制御する各種プログラムなどを格納する。RAM29は、無線通信端末として必要な各種データを記憶し、かつ制御部25が動作する上で必要なデータを格納するとともに、メールデータも格納記憶する。
音声信号処理部200は、マイク15から入力された音声信号を符号化処理して無線信号処理部21へ出力したり、無線信号処理部21から入力された通信相手からの音声信号を復号化してスピーカ12を駆動させ、音声を出力する。撮像モジュール181は、CCD、若しくはCMOSで構成され、カラー画像を取り込む。DSP182は、撮像モジュール181に取り込まれた画像を符号化処理する。報知ドライバ192は、報音スピーカ19、バイブレータ191、LED171を駆動させるためのドライバである。
次に、図4は、ROM24のメモリエリアの構成を示す概念図である。該ROM24は、本実施形態の特徴であるソフトウェアプログラムを格納する。ROM24は、メールソフトウェアプログラム領域241、画像処理プログラム領域2413およびその他のプログラム領域2414からなる。
メールソフトウェアプログラム領域241は、既知の一般的なメールソフトウェアプログラムを格納する領域2411と、メールに添付する或いは添付された画像をメール本文の背景画像として表示処理するプログラムを備えた背景画像表示対応メールソフトウェアプログラムを格納する領域2412とに分かれている。なお、背景画像表示対応メールソフトウェアプログラムは、ISP6を介してWWW5からダウンロードするようにしてもよい。
画像処理プログラム領域2413は、撮像部(撮像レンズ18、撮像モジュール181、DSP182)で撮像され、デジタル符号化された画像を、JPEG方式やPNG方式、GIF方式で圧縮処理するための画像処理プログラムを格納する。該画像処理プログラムは、本第1の実施の形態では、画像全体の平均的な明度を判別し、明度を上げたり下げたりする加工処理も行なう。その他のプログラム領域2414は、上記以外のアプリケーションプログラムなどが格納する。
次に、図5は、RAM29のメモリエリアの構成を示す概念図である。RAM29は、アドレス帳データ格納領域291、メールデータ格納領域292、添付ファイル格納領域293およびその他・ワークメモリ294からなる。アドレス帳データ格納領域291は、氏名、電話番号、メールアドレス等を一組のレコードとして複数格納する。メールデータ格納領域292は、メールソフトウェアを使用して作成されたメールデータや送信したメールデータ、受信したメールデータを格納する。添付ファイル格納領域293は、メールにファイルが添付されている場合、このファイルを格納する。その他・ワークメモリ294は、その他のワークメモリとして各種データを格納する。
図6は、メールデータ格納領域292の構成を示す概念図である。メールデータ格納領域292は、作成中のメールデータを格納するワーキング領域2921、送信済みや送信予定のメールデータを複数格納する領域(送信フォルダ)2922、受信したメールデータを複数格納する領域(受信フォルダ)2923とに分かれている。ワーキング領域2921は、メールの宛先を表すデータ(メールアドレスなど)、メールのサブジェクト、メール本文、メールにファイルを添付する際に当該ファイルが添付ファイル格納領域293或いは他のファイル格納領域のどこに格納されているかを表すアドレス(添付ファイルアドレス)、メールのタイプが通常メールであるか背景画像付きメールであるかを表す識別情報(メールタイプ識別フラグMTF)などを記憶する領域を備えている。送信フォルダ2922は、宛先データ、サブジェクト、メール本文、添付ファイルアドレス、メールタイプ識別フラグMTF、メールを送信した日時、当該メールが送信済みであるか否かを表す識別情報(送信済み識別フラグMSF)などを記憶する領域を備えている。受信フォルダ2923は、送信元を表すデータ(メールアドレスなど)、サブジェクト、メール本文、添付ファイルアドレス、メールタイプ識別フラグMTF、メールを受信した日時、当該メールが表示済み(確認済み)であるか否かを表す識別情報(表示済み識別フラグMRF)などを記憶する領域を備えている。
A−2.第1実施形態の動作
次に、上述した第1実施形態の動作について説明する。
(1)メール作成処理
図7乃至図9は、本第1実施形態によるメール作成処理を説明するためのフローチャートである。待受状態でメールキー141が操作されると、メールモードが起動し、表示部13に、“新規作成”、“受信フォルダ”、“送信フォルダ”などからなるメールメニューが表示される。“新規作成”は新規の送信メールを作成する際に選択するメニューであり、“受信フォルダ”は受信済みのメールを確認する際に選択するメニューであり、“送信フォルダ”は送信済み及び未送信のメールを確認する際に選択するメニューである。フローチャートでは、このメールメニューが表示されている状態をスタート状態としている。
このメールメニューにおいてメールの新規作成の指示が検出されたか否かを判断する(ステップS10)。メールの新規作成の指示が検出されなかった場合には、その他の処理へ進む(ステップS12)。一方、メールの新規作成の指示が検出されると、メール作成のためのメニュー画面を表示する(ステップS14)。このメニュー画面は、通常のメールソフトプログラムに基づく通常のメールを作成するか、背景画像表示対応メールソフトプログラムに基づく背景画像付きメールを作成するかを選択する画面である。次に、背景画像付きメールの作成が選択されたか否かを判断する(ステップS16)。ここで、背景画像付きメールの作成が選択されなかった場合には、通常のメール作成処理へ進む(ステップS18)。
一方、背景画像付きメールの作成が選択されると、ワーキング領域2921のメールタイプ識別フラグMTFに背景画像付きメールであることを表す情報“1”をセットするとともに、表示部13に作成画面を表示する(ステップS20)。この作成画面では、メールの作成においてデータを入力しなければならない項目、すなわち、“宛先”、“サブジェクト”、“本文”などの項目が表示される。そして、それぞれの項目が選択されてデータが入力されると、入力された各項目のデータをワーキング領域2921の対応する項目領域に格納するとともに、表示部13で、入力されたこれらの内容(各項目のデータ)の表示を行なう(ステップS22)。次に、入力内容に対する決定(確定)が指示されたか否かを判断する(ステップS24)。そして、決定が指示されなかった場合には、ステップS22へ戻り、入力を継続する。
一方、入力内容が決定された場合には、メールに添付可能な画像ファイルが画像メモリ23に格納されているか否か検索する(ステップS26)。そして、画像ファイルが格納されているか否かを判断し(ステップS28)。画像ファイルが格納されていない場合には、その旨をユーザに知らせるべくエラー表示する(ステップS30)。このエラー表示は、ユーザにより確認操作が為されるまで、例えばユーザが何れかのキーを操作するまで、維持され、ステップS32でキー操作が検出されると、ステップS14に戻る。
一方、画像ファイルがあった場合には、全ての画像ファイルをアルバム表示する(ステップS34)。そして、このアルバム表示において添付すべき画像ファイルが選択されたか否かを判断し(ステップS36)、画像ファイルが選択されなかった場合には、ステップS34へ戻り、アルバム表示を継続する。なお、添付すべき画像ファイルの選択は、すなわち、メール本文の背景画像とする画像の選択は、ユーザが十字キー(カーソルキー)145とセンターキー146を操作して行なう。
一方、メールに添付するための画像ファイルがアルバム表示から選択されると、選択された画像ファイルが格納されている場所を示すアドレスをワーキング領域2921の添付ファイルアドレス格納領域に格納するとともに、選択された画像ファイルに基づく画像の明度を判別する(ステップS38)。そして、画像の明度が中間値Mであるか否かを判断する(ステップS40)。そして、画像の明度が中間値Mであれば、画像の明度を所定量増やし(ステップS46)、その後、ステップS22で作成されたメールの本文をこの画像上に重ねて表示する(ステップS54)。すなわち、当該メールを受信する受信側携帯電話での表示状態をプレビューできるプレビュー表示を行う。
一方、画像の明度が中間値Mでなければ、中間値Mより明るいか否かを判断し(ステップS42)、中間値Mより明るければ、さらに、中間値Mと閾値TH1(中間値M<閾値TH1)との間であるか否かを判断する(ステップS44)。そして、画像の明度が中間値Mと閾値TH1との間であれば、ステップS46で画像の明度を所定量増やした後にステップS54に進んで、ステップS22で作成されたメールの本文をこの画像上に重ねてプレビュー表示する。他方、画像の明度が閾値TH1以上であれば、画像の明度を調整することなくそのままステップS54に進んで、ステップS22で作成されたメールの本文をこの画像上に重ねてプレビュー表示する。
一方、画像の明度が中間値Mより暗ければ、さらに、中間値Mと閾値TH2(中間値M>閾値TH2)との間であるか否かを判断する(ステップS48)。そして、画像の明度が中間値Mと閾値TH2との間であれば、画像の明度を所定量減らして暗くする(ステップS50)とともに、表示する文字色(メール本文の表示色)を白に設定し(ステップS52)、その後、ステップS22で作成されたメールの本文をこの画像上に重ねてプレビュー表示する(ステップS54)。また、画像の明度が閾値TH2より暗い場合には、明度を調整することなく、表示する文字色(メール本文の表示色)を白に設定する処理のみを行ない(ステップS52)、その後、ステップS22で作成されたメールの本文をこの画像上に重ねてプレビュー表示する(ステップS54)。
このように、ステップS54のプレビュー表示では、メールに添付する画像が、その明度を調整された上で、メールの本文の背景画像として、メールの本文とともに表示部13に表示される。また、本実施形態では、上述したように、背景画像用としてメールに添付する画像の明度を判別することによって、メールの背景として表示される画像の明るさを調整することを特徴としている。
ここで、図10乃至図12を参照して、本実施形態における画像の明るさ調整をより具体的に説明する。図10は、画像の明度調整について説明するための画像明度の概念図であり、図11は、原画像と、原画像の明るさ(明度)が中間値M、若しくは、中間値Mと閾値TH1(明度70%)の間にあるときにおける明度調整後の画像と、明度調整された画像とメールの本文とを重ねて表示した表示例の模式図であり、図12は、原画像と、原画像の明るさ(明度)が中間値M以下で、中間値Mと閾値TH2(明度30%)の間にあるときにおける明度調整後の画像と、明度調整された画像とメールの本文とを重ねて表示した表示例の模式図である。
画像の明るさ(明度)が図10に示す中間値M、若しくは、中間値Mと閾値TH1(明度70%)の間にあるときは、この画像の明度を上げるように加工処理する(前述したステップS46参照)。図11(a)が原画像、図11(b)が加工処理された画像である。そして、図11(b)に示す画像に対し、図7のステップS22で作成されたメールの本文を重ね合わせ、図11(c)に示すようなプレビュー表示を行なう(前述したステップS54参照)。
一方、画像の明るさ(明度)が図10に示す中間値M以下で、中間値Mと閾値TH2(明度30%)の間にあるときは、この画像の明度を下げるように加工処理する(前述したステップS50参照)。図12(a)が原画像、図12(b)が加工処理された画像である。そして、図12(b)に示す画像に対し、図7のステップS22で作成されたメールの本文を、文字色を白に変更した上で重ね合わせ、図12(c)のようなプレビュー表示を行なう(前述したステップS54参照)。
ユーザは、ステップS54でのプレビュー表示が満足できるものである場合には、決定を指示し(メール内容を確定する指示を行ない)、満足できるものではない場合には、背景画像の明度をマニュアルで調整する指示や、メール本文の改行位置や表示位置などを訂正する指示を行なうことができる。
従って、制御部22は、次に、ユーザによる決定指示が検出されたか否かを判断する(ステップS56)。ここでユーザによる決定指示が検出されれば、作成中のメールデータをメールデータ格納領域292の送信フォルダ2922に格納し(ステップS58)、その後、送信指示或いは終了指示の待機状態に移る(ステップS60)。
なお、本実施形態では、加工された画像は添付ファイル格納領域293にメール本文と関連付けられて格納されるようになっている。従って、ステップS58の格納処理では、ワーキング領域2921に格納されている作成中メールデータの内、添付ファイルアドレスを除くデータ、すなわち、宛先、サブジェクト、メール本文及びメールタイプ識別情報(識別フラグMTFの内容)が、送信フォルダ2922の対応する領域に格納される。そして、送信フォルダ2922の添付ファイルアドレス格納領域には、前述の加工された画像が格納されている添付ファイル格納領域293のアドレスが格納される。また、送信フォルダ2922の識別フラグMSFは、未送信を示す状態“0”にセットされる。
送信フォルダ2922に格納されたメールデータ(サブジェクト及びメール本文)は、ステップS60の待機状態、或いは後刻、送信フォルダ2922から当該メールデータを読み出した状態で送信の指示があったとき、指定されている宛先に、添付ファイルアドレスで指定される画像及びメールタイプ識別フラグMTFとともに送信される。このとき、送信フォルダ2922の送信日時格納領域には送信時刻が格納され、また識別フラグMSFは送信済みを示す状態“1”に変更される。
一方、当該メールを受信した携帯電話は、受信したメールデータを受信フォルダ2923の対応する領域に格納するとともに、受信日時格納領域に受信時刻を記憶する。また、このとき、受信フォルダ2923の識別フラグMRFは未表示(未確認)状態“0”にセットされる。この場合、受信したメールのメールタイプ識別フラグMTFは、背景画像付きメールであることを示しているので、当該メールを受信フォルダ2923から読み出して表示すると、メールに添付されている画像を背景画像とし、その上にメール本文が重ねて表示される。
一方、ステップS56で決定が検出できなかった場合は、画像明度のマニュアル調整が指示されているか否かの検出(ステップS62)、メール本文の訂正が指示されているか否かの検出(ステップS80)を行なう。画像明度のマニュアル調整指示が検出された場合は、画像の明度をマニュアルで調整する(ステップS64)。そして、再度、ユーザによる決定指示が検出されたか否かを判断する(ステップS66)。決定が指示されない場合には、ステップS64へ戻り、マニュアル調整を継続する。
一方、マニュアル調整後に決定が指示されると、調整後の画像の明度を判別し(ステップS68)、画像の明度が中間値Mであるか否かを判断する(ステップS70)。中間値Mでなかった場合には、更に、中間値Mより明るいか否かを判断する(ステップS72)。そして、マニュアル調整後の画像の明度が中間値Mより明るければ、ステップS74において、表示する文字色(メール本文の文字色)を黒に設定した上で、上述したステップS54へ戻り、メール本文と画像とを重ねてプレビュー表示する。
また、マニュアル調整後の画像の明度が中間値Mであった場合には、マニュアル調整後の画像の明度が中間値Mより明るかった場合と同様に、ステップS74において、表示する文字色(メールの本文の文字色)を黒に設定した上で、上述したステップS54へ戻り、メール本文と画像とを重ねてプレビュー表示する。なお、マニュアル調整後の画像の明度が中間値Mより暗かった場合には、ステップS76において、表示する文字色(メール本文の文字色)を白に設定した上で、上述したステップS54へ戻り、メール本文と画像とを重ねてプレビュー表示する。
このように、マニュアル調整で画像の明度が中間値Mをまたいで変更された場合には、メール本文の文字色を変更する。ユーザにより決定(メール内容確定と決定)されれば、前述したように、作成中のメールデータをメールデータ格納領域292の送信フォルダ2922に格納する(ステップS56)。
一方、ステップS78において、本文訂正の指示が検出された場合は、背景画像が表示されたままの状態で、メール本文の改行位置や表示位置の訂正、或いはメール本文自体の訂正を行なう(ステップS80)。メール本文の改行位置を訂正すると、メール本文中の対応する位置において改行コードの挿入や削除が行なわれ、またメール本文の表示位置の訂正を訂正すると、メール本文の先頭に改行コードやスペースコードの挿入が行なわれる。そして、再度、ユーザによる決定指示が検出されたか否かを判断する(ステップS82)。決定が指示されない場合には、ステップS80へ戻り、本文訂正を継続する。
ステップS78において本文訂正の指示が検出されなかった場合、及びステップS82において決定が検出された場合には、上述したステップS54へ戻り、メール本文と画像とを重ねてプレビュー表示する。
(2)受信メール表示処理
図13は、本第1実施形態による受信メール表示処理を説明するためのフローチャートである。なお、受信メール表示処理は、前述した図7に示すステップS12における「その他の処理」の1つであり、図13に示すフローチャートは、前述した図7に示すステップS10における「NO」からの分岐である。
メールの新規作成以外が選択された場合、受信フォルダが選択されたか否かを判断し(ステップS90)、受信フォルダが選択されなければ、その他の処理へ進む(ステップS92)。一方、受信フォルダが選択された場合には、受信したメールの一覧を表示すべく受信リストを表示する(ステップS94)。
図14は、表示部13に表示される受信リストの表示例を示す模式図である。アイコン1301は、バッテリの充電量を表わしている。また、アイコン1302は、電波受信状態を表わしている。また、受信リストでは、アイコン1303〜1306でメールの既読/未読を判別できるようになっている。すなわち、アイコン1303は、受信フォルダ2923の識別フラグMTFが“0”であり、且つ識別フラグMRFが“0”であるとき表示されるアイコンであり、未読メールを表わしている。また、アイコン1304は、受信フォルダ2923の識別フラグMTFが“1”であり、且つ識別フラグMRFが“0”であるとき表示されるアイコンであり、未読の背景画像付きメールを表わしている。また、アイコン1305は、受信フォルダ2923の識別フラグMTFが“0”であり、且つ識別フラグMRFが“1”であるとき表示されるアイコンであり、既読メールを表わしている。そして、アイコン1306は、受信フォルダ2923の識別フラグMTFが“1”であり、且つ識別フラグMRFが“1”であるとき表示されるアイコンであり、既読の背景画像付きメールを表わしている。
ここで、ユーザは、表示したいメールを受信リストから選択操作することになる。そして、制御部22は、選択されたメールの識別フラグMTFの情報(内容)に基づいて、背景画像付きメールが選択されたか否かを判断し(ステップS96)、背景画像付きメールが選択されなかった場合には、通常のメール処理へ進み(ステップS98)、背景画像付きメールが選択された場合には、メールに添付されている画像を背景にしてメール本文を表示部13に表示する(ステップS100)。
背景画像付きメールが選択されて、メールに添付されている画像を背景にしてメール本文が表示部13に表示されている状態(ステップS100)では、次に、キャンセル操作が検出されたか否かの判断(ステップS102)、終了操作が検出されたか否かの判断(ステップS104)、及びキー143が操作されたか否かの判断、すなわち背景画像の表示指示が為されたか否かの判断(ステップS106)が行われる。
これらの判断において何れの操作も検出されなかった場合には、ステップS100へ戻ってメール本文が重ねられた画像の表示を継続するが、キャンセル操作が検出された場合には、ステップS94へ戻って受信リストの表示へ移行し、終了操作が検出された場合にはメールメニューの表示に戻る。
一方、キー143が操作された場合には、メール本文の表示を徐々に消し、図10(b)に示すような背景画像のみの表示にする(ステップS108)。次に、再度、キー143が操作されたか否かを判断する(ステップS110)。そして、キー143が操作されない場合には、ステップS108へ戻り、画像の表示を継続する。一方、画像が表示されている状態で、キー143が操作されると、ステップS100へ戻り、メール本文を徐々に浮き立たせて(表示させて)、メール本文が重ねられた画像を表示する。すなわち、キー143が操作される毎に、メール本文が重ねられた画像(図10(c)参照)と、画像(図10(b))とが交互に切り換えられ、且つ切り換えた際にはそれぞれが徐々に表示されるようになっている。
なお、ステップS106でキー143の操作が検出されなかった場合、直接ステップS108へ戻るのではなく、他の所定キーの操作を検出するステップを設け、当該キーが操作された場合には、背景画像の表示を徐々に消し、メール本文のみの表示を行なうようにしてもよい。この場合も、ステップS100へのリターンは、前記他の所定キーの再操作を検出したときに行うようにする。このようにすると、メール本文が重ねられた画像(図10(c)参照)と画像(図10(b))との切り換え表示だけでなく、メール本文が重ねられた画像(図10(c)参照)とメール本文のみの表示との切り換え表示も行えるのでので、必要に応じて背景画像及びメール本文のいずれも確実に視認することができる。
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、システム構成、携帯電話の外観、携帯電話の主構成は、前述した第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
B−1.第2実施形態の構成
図15は、本第2実施形態による携帯電話のROM24のメモリエリアの構成を示す概念図である。なお、図4に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。ROM24は、メールソフトウェアプログラム領域241、画像処理プログラム領域2416、テンプレートファイル格納領域2417およびその他プログラム領域2414からなる。
メールソフトウェアプログラム領域241は、既知の一般的なメールソフトを格納する領域2411と、背景画像表示対応メールソフトウェアプログラムを格納する領域2412とに分かれている。なお、背景画像表示対応メールソフトウェアプログラムは、WWW5からダウンロードするようにしてもよい。
テンプレートファイル格納領域2417は、画像を表示する際に、画像処理プログラムに基づいて画像に特殊効果を付加するのに必要な、例えば、画像の明度を変えたり、画像にぼかしを入れたり、画像の表示色をセピア色に変えたりするのに必要なテンプレートファイル(フィルタ機能ファイル)を格納する領域である。テンプレートファイル格納領域2417は、本第2実施態様では、すくなくとも、異なる明度を有する複数種テンプレートファイルを格納している。本第2実施形態では、添付される画像そのものの明度を加工する処理を行なわず、メール本文を表示する表示領域(背景)に、明度を変更するフィルタ機能(テンプレートファイル)を重ね合わせることにより、背景画像の明度変更を行なうものである。より具体的には、各テンプレートファイルで規定されている明度補正データに基づいて、メール本文を表示する表示領域に表示される背景画像の明度を補正するものである。
図16は、本第2実施形態において、画像とテンプレートファイルとの重ね合わせ処理を説明するための概念図である。画像aの明度が閾値TH1より明るい場合には、透明背景テンプレートファイル(文字色・黒)e、すなわち、明度補正値が“0”で且つ表示する文字色(メール本文の文字色)を黒に設定するテンプレートファイルを重ね合わせる。
画像bの明度が中間値Mより明るく閾値TH1より暗い場合、もしくは中間値Mの場合には、明度アップフィルタテンプレートファイル(文字色・黒)f、すなわち、プラスの明度補正値を有し且つ表示する文字色(メール本文の文字色)を黒に設定するテンプレートファイルを重ね合わせる。
画像cの明度が中間値Mより暗く、閾値TH2より明るい場合には、明度ダウンフィルタテンプレートファイル(文字色・白)g、すなわち、マイナスの明度補正値を有し且つ表示する文字色(メール本文の文字色)を白に設定するテンプレートファイルを重ね合わせる。
画像dの明度が閾値TH2より暗い場合には、透明背景テンプレートファイル(文字色・白)h、すなわち、明度補正値が“0”で且つ表示する文字色(メール本文の文字色)を白に設定するテンプレートファイルを重ね合わせる。
つまり、この第2実施形態においては、画像そのものの明度は加工せずに、各テンプレートファイルで規定されている明度補正データに基づいて、表示された画像の表示明度を補正するものである。したがって、この第2実施形態においては、原画像そのものを加工せずにメールに添付して送信することができる。この場合、メールにはテンプレートファイルを指定する情報、すなわち、テンプレートファイル番号を付加する必要がある。それ故に、本実施形態では、メッセージデータ格納領域292にテンプレート番号格納領域が設けられる。
図17は、本実施形態のメッセージデータ格納領域292の構成を示す概念図である。本実施形態のメッセージデータ格納領域292の構成と図6に示された第1実施形態のメッセージデータ格納領域292の構成とを比較すると、本実施形態のメッセージデータ格納領域292は、第1実施形態のメッセージデータ格納領域292の構成にテンプレート番号を格納する領域が追加されているだけである。
なお、受信したメールが背景画像付きメールであるか否かは、メールにテンプレート番号が付加されているか否かでも判別可能なので、背景画像付きメールの信号構成としては、メッセージタイプ識別情報を付加しない信号構成とすることもできる。この場合、図17に示したメッセージデータ格納領域292に設けられているメッセージタイプ識別情報を格納する領域は、無くてもよい。
B−2.第2実施形態の動作
次に、上述した第2実施形態の動作について説明する。ここで、図18および図19は、本第2実施形態によるメール作成処理を説明するためのフローチャートである。なお、図18および図19に示すフローチャートの前段における処理(作成、画像の選択)は、図7および図8に示すステップS10〜S36までと同じであるので説明を省略する。
(1)メール作成処理
図8のステップS36において、メールに添付するための画像がアルバム表示から選択されると、選択された画像の明度を判別する(ステップS120)。そして、画像の明度が中間値Mであるか否かを判断する(ステップS122)。そして、画像の明度が中間値Mであれば、明度アップフィルタテンプレートファイル(文字色・黒)を読み出す(ステップS128)。そして、この読み出したテンプレートファイルに基づいて画像の表示明度を補正し、且つこの明度補正された画像上にステップS22で作成されたメールの本文を重ねて表示(プレビュー表示)する(ステップS128)。
一方、画像の明度が中間値Mでなければ、中間値Mより明るいか否かを判断し(ステップS124)、中間値Mより明るければ、さらに、中間値Mと閾値TH1(中間値M<閾値TH1)との間であるか否かを判断する(ステップS126)。そして、画像の明度が中間値Mと閾値TH1との間であれば、画像の明度が中間値Mの場合と同一の明度アップフィルタテンプレートファイル(文字色・黒)を読み出し(ステップS128)、読み出したテンプレートファイルに基づいて画像の表示明度を補正し、且つこの明度補正された画像上にステップS22で作成されたメールの本文を重ねてプレビュー表示する(ステップS128)。また、画像の明度が中間値Mと閾値TH1との間でなければ、すなわち閾値TH1より明るければ、透明背景テンプレートファイル(文字色・黒)を読み出す(ステップS130)。このテンプレートは明度補正値が“0”であるので、画像の表示明度補正を行なうこと無しに、ステップS22で作成されたメールの本文を画像上に重ねてプレビュー表示する(ステップS128)。
一方、画像の明度が中間値Mより暗ければ、さらに、中間値Mと閾値TH2(中間値M>閾値TH2)との間であるか否かを判断する(ステップS132)。そして、画像の明度が中間値Mと閾値TH2との間であれば、明度ダウンフィルタテンプレートファイル(文字色・白)を読み出す(ステップS134)。そして、この読み出したテンプレートファイルに基づいて画像の表示明度を補正し、且つメール本文の表示色を“白“に設定した上で、ステップS22で作成されたメールの本文を明度補正された画像上に重ねてプレビュー表示する(ステップS128)。また、画像の明度が中間値Mと閾値TH2との間でなければ、すなわち閾値TH2より暗ければ、透明背景テンプレートファイル(文字色・白)を読み出す(ステップS136)。このテンプレートは明度補正値が“0”であるので、画像の表示明度補正を行なうこと無しに、メール本文の表示色を“白“に設定した上で、ステップS22で作成されたメールの本文を画像上に重ねてプレビュー表示する(ステップS128)。
上述したように、ステップS138のプレビュー表示では、原画像の明度判別によって重ね合わせるテンプレートファイルを選択し、選択したテンプレートに基づいて画像の明度補正及び表示文字色の設定を行なった後、表示部13に、メールの本文と画像とを重ねてプレビュー表示する。
次に、ユーザによる決定指示(メール内容を確定する指示)が検出されたか否かを判断する(ステップS140)。ここでユーザによる決定指示が検出されれば、作成中のメールデータをメールデータ格納領域292の送信フォルダ2922に格納し(ステップS142)、その後、送信指示或いは終了指示の待機状態に移る(ステップS144)。
なお、本実施形態では、原画像自体がテンプレート番号とともにメール本文に添付されて送信される構成であり、原画像自体が添付ファイル格納領域293にメール本文と関連付けられて格納されるようになっている。
従って、ステップS142の格納処理では、ワーキング領域2921に格納されている作成中メールデータの内、添付ファイルアドレスを除くデータ、すなわち、宛先、サブジェクト、メール本文、メールタイプ識別フラグMTF、及びテンプレート番号が、送信フォルダ2922の対応する領域に格納される。そして、送信フォルダ2922の添付ファイルアドレス格納領域には、前述の原画像が格納されている添付ファイル格納領域293のアドレスが格納される。また、送信フォルダ2922の識別フラグMSFは、未送信を示す状態“0”にセットされる。
送信フォルダ2922に格納されたメールデータ(サブジェクト及びメール本文)は、ステップS144の待機状態、或いは後刻、送信フォルダ2922から当該メールデータを読み出した状態で送信の指示があったとき、指定されている宛先に、添付ファイルアドレスで指定される画像、テンプレート番号、及びメールタイプ識別フラグMTFとともに送信される。このとき、送信フォルダ2922の送信日時格納領域には送信時刻が格納され、また識別フラグMSFは送信済みを示す状態“1”に変更される。
一方、当該メールを受信した携帯電話は、受信したメールデータを受信フォルダ2923の対応する領域に格納するとともに、受信日時格納領域に受信時刻を記憶する。また、このとき、受信フォルダ2923の識別フラグMRFは未表示(未確認)を示す状態“0”にセットされる。この場合、受信したメールのメールタイプ識別フラグは、背景画像付きメールであることを示しているので、当該メールを受信フォルダ2923から読み出して表示すると、メールに添付されている画像をテンプレート番号に基づいて明度補正したものを背景画像とし、その上にメール本文がテンプレート番号で指定される表示色で表示される。
なお、背景画像付きメールの信号構成がメッセージタイプ識別情報を付加しない信号構成で、受信フォルダ2923にメールタイプ識別フラグMTFを格納する領域が設けられていない場合には、テンプレート番号格納領域にデータがあるか否かに基づいて、背景画像付きメールであるか否かを判別し、メールに添付されている画像を背景画像とするか否かの処理を行なう。
一方、ステップS140で決定が検出できなかった場合は、画像明度の訂正が指示されているか否かの検出を行なう(ステップS146)。画像明度の訂正指示が検出された場合は、マニュアルでテンプレートの切り換え選択処理を行なう(ステップS148)。そして、再度、ユーザによる決定指示が検出されたか否かを判断する(ステップS150)。決定指示が検出されない場合には、ステップS148へ戻り、テンプレートの切り換え選択処理を継続する。決定指示が検出された場合には、前述したステップS138へ戻り、画像の明度及びメール本文の表示色をステップS148選択されたテンプレートに基づいて設定した上で、メール本文と画像とを重ねてプレビュー表示する。
一方、ステップS146で画像明度訂正の指示が検出できなかった場合は、メール本文の訂正が指示されているか否かの検出を行なう(ステップS152)。ステップS152において、本文訂正の指示が検出された場合は、背景画像が表示されたままの状態で、メール本文の改行位置や表示位置の訂正、或いはメール本文自体の訂正を行なう(ステップS154)。そして、再度、ユーザによる決定指示が検出されたか否かを判断する(ステップS156)。ステップS156において決定が検出された場合には、上述したステップS138へ戻ってメール本文と画像とを重ねたプレビュー表示を行ない、決定が指示されない場合には、ステップS154へ戻って本文訂正を継続する。
ステップS152において本文訂正の指示が検出されなかった場合には、キー143が操作されたか否か、すなわち背景画像の表示指示が為されたか否かを判断する(ステップS158)。そして、キー143が操作されない場合には、ステップS138へ戻り、プレビュー表示を継続する。
一方、キー143が操作されると、図11(a)に示す原画像を表示する(ステップS160)。次に、再度、キー143が操作されたか否かを判断する(ステップS162)。そして、キー143が操作されない場合には、ステップS160へ戻り、原画像の表示を継続する。一方、原画像が表示されている状態で、キー143が操作されると、ステップS138へ戻り、プレビュー表示する。すなわち、プレビュー表示の際、背景画像の明度調整やメール本文の訂正、原画像の確認などができるようになっている。
なお、本実施形態では、原画像の明度判別レベルを3レベルにし、4種類のテンプレートファイルを用いる例を示したが、原画像の明度判別レベルの数を増やし、より多くの種類のテンプレートファイルを用いるようにしてもよい。このようにすると、テンプレートを用いた補正後の画像明度を、所望の明度(例えば、図10に示した閾値TH1やTH2)付近に合わせ込むことができる。
(2)受信メール表示処理
次に、本第2実施形態による受信メール表示処理を説明する。本第2実施形態による受信メール表示処理は、図13に示した第1実施形態による受信メール表示処理と略同一なので、図13に示したフローチャートを参照して説明する。
本第2実施形態による受信メール表示処理は、第1実施形態による受信メール表示処理と同様に、メールメニューの表示状態で受信フォルダを選択し、受信リストを表示する(ステップS90〜S94)。ユーザが、表示したいメールを受信リストから選択すると、制御部22は背景画像付きメールが選択されたか否かを、選択されたメールの識別フラグMTFの情報(内容)に基づいて判断する(ステップS96)。なお、受信フォルダ2923にメールタイプ識別フラグMTF格納エリアが設けられていない場合には、背景画像付きメールが選択されたか否かを、選択されたメールのテンプレート番号格納領域に番号データが格納されているかに基づいて判断する。
背景画像付きメールが選択されなかった場合には、通常のメール処理へ進み(ステップS98)、背景画像付きメールが選択された場合には、メールに添付されている画像を背景にしてメール本文を表示部13に表示する処理に進む(ステップS100)。この表示処理では、メールに添付されたテンプレート番号で指定されるテンプレートに基づいて、背景画像として表示される画像の明度が補正され、且つメール本文の表示色が指定される。
次に、ユーザによりキャンセル操作が為されたか否かの判断(ステップS102)、終了操作が為されたか否かの判断(ステップS104)、及びキー143の操作が為されたか否かの判断(ステップS106)を順次行ない、何れの操作も為されなかった場合には、ステップS100へ戻り、メール本文が重ねられた画像の表示を継続する。
一方、ステップS102でキャンセル操作が検出された場合には、ステップS94の受信リスト表示に戻り、ステップS104で終了操作が検出された場合にはメールメニューの表示に戻る。そして、ステップS106でキー143が操作された場合には、ステップS108の背景画像のみの表示に移行する。第1の実施形態では、メールに添付されている背景画像用の画像が明度調整された画像であったので、ステップS108での画像表示では、図10(b)に示すような明度調整された画像が表示されたが、本第2の実施形態では、原画像自体がメールに添付されているので、図10(a)に示すような原画像が表示される。すなわち、キー143が操作された場合には、メール本文の表示を徐々に消す(表示を徐々にぼかす?)(表示を徐々に薄くする?)とともに、画像の表示も図10(b)に示すような明度調整された画像から図10(a)に示すような原画像に徐々に移行させる(表示されている画像の明度を原画像に徐々に近づける?)。
次に、再度、キー143が操作されたか否かを判断し(ステップS110)キー143が操作されなかった場合には、ステップS108へ戻り、画像の表示を継続する。一方、画像が表示されている状態で、キー143が操作されると、ステップS100へ戻り、表示されている画像の明度をテンプレートで指定される明度まで徐々に変化させるとともに、メール本文を徐々に表示してメール本文が重ねられた画像を表示する。すなわち、キー143が操作される毎に、メール本文が重ねられた画像(図10(c)参照)と、原画像(図10(a))とが交互に切り換えられ、且つ切り換えた際にはそれぞれが徐々に表示されるようになっている。
なお、本第2実施形態においても、ステップS106でキー143の操作が検出されなかった場合、直接ステップS108へ戻るのではなく、他の所定キーの操作を検出するステップを設け、当該キーが操作された場合には、徐々に原画像の表示を消し、メール本文のみの表示を行なうようにしてもよい。この場合も、ステップS100へのリターンは、前記他の所定キーの再操作を検出したときに行なうようにする。このようにすると、メール本文が重ねられた画像(図10(c)参照)と原画像(図10(a))との切り換え表示だけでなく、メール本文が重ねられた画像(図10(c)参照)とメール本文のみの表示との切り換え表示も行なえるのでので、必要に応じて背景画像及びメール本文のいずれも確実に視認することができる。
C.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本第3実施形態は、メール本文に画像を添付する場合、原画像自体を送信する方式であり、且つ、添付した画像を受信側の表示部にメール本文の背景画像として表示させる際には、更に、添付の画像をメール本文の背景画像として表示することを指示する情報(フラグ情報)と、添付の画像を背景画像として表示する際の明度補正データとをメール本文に添付して送信する方式である。これにより、受信側では、添付の画像をメール本文の背景画像とする設定が為されている場合に、添付されている明度補正データに基づいて添付画像の明度を補正してメール本文の背景画像とするものである。なお、システム構成、携帯電話の外観、携帯電話の主構成は、前述した第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
C−1.第3実施形態の構成
図20は、本第3実施形態による携帯電話のROM24のメモリエリアの構成を示す概念図である。なお、図4に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。ROM24は、メールソフトウェアプログラム領域2411、画像処理プログラム領域2416、およびその他プログラム領域2414からなる。すなわち、前述した第1及び第2の実施形態では、2種類のメールソフトウェアプログラム(すなわち、通常のメールソフトウェアプログラムと背景画像付きメール用のメールソフトウェアプログラム)を格納する構成であったが、本第3実施形態では、メールソフトウェアプログラムは1種類となっている。
図21は、本実施形態のメッセージデータ格納領域292の構成を示す概念図である。本実施形態のメッセージデータ格納領域292の構成と図6に示された第1実施形態のメッセージデータ格納領域292の構成とを比較すると、本実施形態のメッセージデータ格納領域292は、第1実施形態におけるメールタイプ識別情報MTFを格納する領域に替えて、メールに添付する画像をメール本文と背景画像として表示させるか否かを識別する識別フラグBDFを格納する領域が設けられ、且つメールに添付する画像をメール本文と背景画像として表示させる際に、画像の明度を補正する補正値を格納する領域が追加で設けられているだけである。
C−2.第3実施形態の動作
次に、上述した第3実施形態の動作について説明する。
(1)メール作成処理
図22は、本第3実施形態によるメール作成処理を説明するためのフローチャートである。フローチャートでは、図7と同様に、メールメニューが表示されている状態をスタート状態としている。このメールメニューにおいてメールの新規作成の指示が検出されたか否かを判断する(ステップS170)。メールの新規作成の指示が検出されなかった場合には、その他の処理へ進む(ステップS172)。
一方、メールの新規作成の指示が検出されると、表示部13にメール作成画面を表示する(ステップS174)。この作成画面では、メールの作成においてデータなどを入力しなければならない項目、すなわち、“宛先”、“サブジェクト”、“本文”、添付ファイルなどの項目が表示される。
次に、それぞれの項目が選択されてデータの入力や添付ファイルの選択が行なわれると、入力された各項目のデータをワーキング領域2921の対応する項目領域に格納するとともに、表示部13で、入力されたこれらの内容(各項目のデータ)の表示を行なう(ステップS176)。
ユーザは、この段階で、ステップS176の処理で添付ファイルとして選択した画像ファイルを通常の添付ファイルとして送信するか、或いはメール本文の背景画像用の添付ファイルとして送信するかを選択することが可能である。ユーザは、画像ファイルを通常の添付ファイルとして送信する場合には、決定指示を行ない、メール本文の背景画像用の添付ファイルとして送信するとする場合には、背景画像の表示指示を行なう。
従って、制御部22は、次に、入力内容に対する決定(確定)が指示されたか否かを判断する(ステップS178)。そして、決定(確定)が指示された場合には、作成中のメールデータをメールデータ格納領域292の送信フォルダ2922に格納し(ステップS180)、その後、送信指示或いは終了指示の待機状態に移る(ステップS182)。
本第3実施形態は、前述したように、メール本文に画像を添付する場合、原画像自体を送信する方式であり、且つ、添付した画像を受信側の表示部にメール本文の背景画像として表示させる際には、更に、添付の画像をメール本文の背景画像として表示することを指示する情報(フラグ情報)と、添付の画像を背景画像として表示する際の明度補正データとをメール本文に添付して送信する方式である。
従って、ステップS180の格納処理では、ワーキング領域2921に格納されている作成中メールデータの内、添付ファイルアドレスを除くデータ、すなわち、宛先、サブジェクト、メール本文、背景画表示識別フラグBDF、及び画像明度補正値が、送信フォルダ2922の対応する領域に格納される。そして、送信フォルダ2922の添付ファイルアドレス格納領域には、前述の原画像が格納されている添付ファイル格納領域293のアドレスが格納される。しかし、この段階では、メールに添付する画像があったとしても、まだ当該画像をメール本文の背景画像とする設定は為されておらず、ワーキング領域2921の背景画表示識別フラグBDFの情報が背景画像表示を行わないことを示す情報“0”であり、画像明度の補正値も設定されていない。従って、送信フォルダ2922の背景画表示識別フラグBDFには背景画像表示を行わないことを示す情報“0”がセットされ、また、画像明度の補正値も設定されない。また、送信フォルダ2922の識別フラグMSFは、未送信を示す状態“0”にセットされる。
一方、ステップS178で入力内容に対する決定指示が検出されなかった場合には、背景画像の表示指示があったか否かを検出する(ステップS184)。背景画像の表示指示が検出されなかった場合には、ステップS176に戻る。背景画像の表示指示が検出された場合には、ステップS176の処理で画像ファイルが添付されていたか否かを検出する(ステップS186)。画像ファイルが添付されていなかった場合には、エラー表示を行ない(ステップS188)、このエラー表示は、ステップS190においてユーザによる確認操作が検出されるまで維持され、ユーザによる確認操作が検出されると、ステップS176へ戻る。
ステップS186において画像ファイルが添付されていることが検出されると、添付されている画像を表示部13に表示するとともに、ユーザによる画像の表示明度の調整を可能にする(ステップS192)。ユーザが表示されている画像の明度を調整すると、その調整値(原画像の明度に対する補正値)がワーキング領域2921の補正値格納領域に格納される。この画像の表示明度調整は、ユーザが調整完了を指示するまで続けられ、ワーキング領域2921の補正値格納領域に格納される補正値も調整の都度更新される。ユーザが調整完了を指示すると、表示明度が調整された画像の上にメール本文を重ねて表示(プレビュー表示)する(ステップS194)。
ユーザは、ステップS194でのプレビュー表示を見て、満足できるものである場合には、決定を指示する。しかし、満足できないものである場合には、背景画像の表示明度の再調整、本文の訂正、背景画像表示のキャンセルを指示することができる。従って、制御部22は、プレビュー表示が為されている状態で、再調整指示があったか否かの検出(ステップS196)、本文訂正指示があったか否かの検出(ステップS198)、キャンセル指示があったか否かの検出(ステップS200)及び決定指示があったか否かの検出(ステップS202)を実行する。
ステップS196で再調整指示が検出されると、ステップS192の画像の表示明度調整処理に戻る。ステップS198で本文訂正指示が検出されると、図9におけるステップS80と同様の本文訂正処理を行ない(ステップS204)、その後、ステップS194のプレビュー表示に戻る。ステップS200でキャンセル指示が検出されると、ワーキング領域2921の補正値格納領域に格納されている補正値をクリアするとともに、ステップS176の項目データ入力及び表示処理に戻る。
ステップS202で決定指示が検出されると、ワーキング領域2921の背景画表示識別フラグBDFを“1”にセットし(ステップS206)、その後、ステップS180の格納処理を実行する。ステップS206の処理を経た後のステップS180の格納処理では、ワーキング領域2921の背景画表示識別フラグBDFの情報が背景画像表示を行なうことを示す情報“1”にセットされているので、ワーキング領域2921に格納されている作成中メールデータの内、添付ファイルアドレスを除く全てのデータが、送信フォルダ2922の対応する領域に格納される。そして、送信フォルダ2922の添付ファイルアドレス格納領域には、前述の原画像が格納されている添付ファイル格納領域293のアドレスが格納される。
送信フォルダ2922に格納されたメールデータ(サブジェクト及びメール本文)は、ステップS182の待機状態、或いは後刻、送信フォルダ2922から当該メールデータを読み出した状態で送信の指示があったとき、指定されている宛先に、添付ファイルアドレスで指定される画像、画像明度補正値及び背景画表示識別フラグBDFの情報とともに送信される。このとき、送信フォルダ2922の送信日時格納領域には送信時刻が格納され、また識別フラグSDFは送信済みを示す状態“1”に変更される。
一方、当該メールを受信した携帯電話は、受信したメールデータを受信フォルダ2923の対応する領域に格納するとともに、受信日時格納領域に受信時刻を記憶する。また、このとき、受信フォルダ2923の識別フラグMRFは未表示(未確認)を示す状態“0”にセットされる。この場合、受信したメールの背景画表示識別フラグBDFが“1”の場合は、添付の画像をメール本文の背景画像として表示することを示しているので、当該メールを受信フォルダ2923から読み出して表示すると、メールに添付されている画像の明度を補正値に基づいて補正した上で背景画像として表示し、その上にメール本文が重ねて表示される。なお、背景画像付きメールの信号構成が背景画表示識別フラグ情報を付加しない信号構成で、受信フォルダ2923に背景画表示識別フラグBDSを格納する領域が設けられていない場合には、画像明度補正値格納領域にデータがあるか否かに基づいて、背景画像付きメールであるか否かを判別し、メールに添付されている画像を背景画像とするか否かの処理を行なう。
また、本実施形態では、画像の表示明度を調整する処理が終了した後に画像の上にメール本文を重ねて表示するプレビュー表示処理を行う構成としたが、ステップS192での画像の表示明度調整処理時に、画像の上にメール本文を重ねて表示するようにしてもよい。この場合、ステップS194のプレビュー表示は不要となり、またステップS192でのユーザによる調整完了の指示は、ステップS196において決定指示として検出されることになる。
(2)受信メール表示処理
次に、本第3実施形態による受信メール表示処理を説明する。本第3実施形態による受信メール表示処理は、第1及び第2の実施形態による受信メール表示処理と略同一である。第1及び第2の実施形態による受信メール表示処理との相違は、図13に示したフローチャートにおけるステップS96での背景画像付きメールが選択されたか否かの検出処理が、選択されたメールの識別フラグBDFの情報(内容)、或いは明度補正値の有無によって判断される点、ステップS100でのメール本文表示で、メールに添付された画像の明度をメールに添付された画像明度補正値に基づいて補正したものを背景画像としている点、ステップS108での画像表示で、メールに添付された画像自体を表示するようにしている点だけである。
なお、本実施形態では、メール本文の背景画像の表示を、原画像の明度を明度補正値に基づいて補正する方式で行なうようにしたが、第2の実施形態のようにテンプレートを使用する方式でも行なうことができる。この場合、携帯電話のROM24には、図23のようにテンプレートファイル格納領域を備えたものを使用すればよく、また、メール作成処理におけるステップS192では、画像の表示明度調整処理としてテンプレートの選択処理を行い、メール送信では、画像明度の補正値に替えて選択したテンプレート番号を送信するようにすればよい。
D.第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第1乃至第3実施形態は、待受状態でメールキーを操作してメールモードを起動した後に、メールメニューから新規作成モードを選択し、新規作成モードの中で背景画像を選択したり、添付画像を背景画像として指定して、送信する形態であったが、本第4実施形態は、カメラで撮像した画像を表示しているとき、或いは画像ファイルから画像を読み出しているときに、これらのモードにおけるサブメニューの中の送信を選択したり、メールキーを操作してメール作成モードに入るようにして、表示していた画像をメール本文の背景画像として指定して送信するようにしたものである。
なお、この第4実施形態は、第3実施形態と同様に、原画像自体をメール本文の添付画像として送信する方式であり、前記表示されていた画像をメールに添付するとともに、当該添付画像をメール本文の背景画像として表示することを指示する情報(フラグ情報)と、添付の画像を背景画像として表示する際の明度補正データとをメール本文に添付して送信する方式である。これにより、受信側では、添付されている明度補正データに基づいて添付画像の明度を補正してメール本文の背景画像とするものである。なお、システム構成、携帯電話の外観、携帯電話の主構成は、前述した第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
D−1.第4実施形態の構成
本実施形態におけるROM24やメールデータ格納領域292などの構成は、第3実施形態のものと同じもので良い。
D−2.第4実施形態の動作
次に、第4実施形態の動作について説明する。
(1)メール作成処理
図24は、本第4実施形態によるメール作成処理を説明するためのフローチャートである。フローチャートでは、カメラで撮像した画像や画像ファイルから読み出された画像が表示部13に表示されている状態をスタート状態としている。この表示状態において、送信が指示されたか否かを判断する(ステップS210)。この判断は、より具体的には、例えば、画像モードにおけるサブメニューの中の送信が選択されたか否かの判断、或いは、画像モードにおいてメールキー141が操作されたか否かの判断である。
送信の指示が検出されると、表示部13にメール作成画面を表示し(ステップS212)、他の指示が検出されると、その他の処理に進む(ステップS214)。ステップS212の作成画面では、メールの作成においてデータなどを入力しなければならない項目、すなわち、“宛先”、“サブジェクト”、“本文”、添付ファイルなどの項目が表示される。
次に、それぞれの項目が選択されてデータの入力や添付ファイルの選択が行なわれると、入力された各項目のデータをワーキング領域2921の対応する項目領域に格納するとともに、表示部13で、入力されたこれらの内容(各項目のデータ)の表示を行なう(ステップS176)。なお、送信指示の前に表示されていた画像は、ステップS216において自動的に添付ファイルの1つとして設定される。
ユーザは、この段階で、ステップS216の処理で自動的に添付ファイルとして設定された画像(スタート時に表示されていた画像)を通常の添付ファイルとして送信するか、或いはメール本文の背景画像用の添付ファイルとして送信するかを選択することが可能である。ユーザは、画像ファイルを通常の添付ファイルとして送信する場合には、決定指示を行ない、メール本文の背景画像用の添付ファイルとして送信するとする場合には、背景画像の表示指示を行なう。従って、制御部22は、次に、入力内容に対する決定)が指示されたか否かを判断する(ステップS218)。そして、決定が指示された場合には、作成中のメールデータをメールデータ格納領域292の送信フォルダ2922に格納し(ステップS220)、その後、送信指示或いは終了指示の待機状態に移る(ステップS222)。
本実施形態は、前述した第3実施形態と同様に、メール本文に画像を添付する場合、原画像自体を送信する方式であり、且つ、添付した画像を受信側の表示部にメール本文の背景画像として表示させる際には、更に、添付の画像をメール本文の背景画像として表示することを指示する情報(フラグ情報)と、添付の画像を背景画像として表示する際の明度補正データとをメール本文に添付して送信する方式である。
従って、ステップS220の格納処理では、ワーキング領域2921に格納されている作成中メールデータの内、添付ファイルアドレスを除くデータ、すなわち、宛先、サブジェクト、メール本文、背景画表示識別フラグBDF、及び画像明度補正値が、送信フォルダ2922の対応する領域に格納される。そして、送信フォルダ2922の添付ファイルアドレス格納領域には、前述の原画像が格納されている添付ファイル格納領域293のアドレスが格納される。
しかし、この段階では、メールに添付する画像があったとしても、まだ当該画像をメール本文の背景画像とする設定は為されておらず、ワーキング領域2921の背景画表示識別フラグBDFの情報が背景画像表示を行わないことを示す情報“0”であり、画像明度の補正値も設定されていない。従って、送信フォルダ2922の背景画表示識別フラグBDFには背景画像表示を行わないことを示す情報“0”がセットされ、また、画像明度の補正値も設定されない。また、送信フォルダ2922の識別フラグMSFは、未送信を示す状態“0”にセットされる。
一方、ステップS218で入力内容に対する決定指示が検出されなかった場合には、背景画像の表示指示があったか否かを検出する(ステップS224)。背景画像の表示指示が検出されなかった場合には、ステップS176に戻る。背景画像の表示指示が検出された場合には、ステップS216の処理で自動的に添付ファイルとして設定された画像(スタート時に表示されていた画像)を表示部13に表示するとともに、ユーザによる画像の表示明度の調整を可能にする(ステップS226)。ユーザが表示されている画像の明度を調整すると、その調整値(原画像の明度に対する補正値)がワーキング領域2921の補正値格納領域に格納される。この画像の表示明度調整は、ユーザが調整完了を指示するまで続けられ、ワーキング領域2921の補正値格納領域に格納される補正値も調整の都度更新される。ユーザが調整完了を指示すると、表示明度が調整された画像の上にメール本文を重ねて表示(プレビュー表示)する(ステップS228)。
ユーザは、ステップS228でのプレビュー表示を見て、満足できるものである場合には、決定を指示する。しかし、満足できないものである場合には、背景画像の表示明度の再調整、本文の訂正、背景画像表示のキャンセルを指示することができる。従って、制御部22は、プレビュー表示が為されている状態で、再調整指示があったか否かの検出(ステップS230)、本文訂正指示があったか否かの検出(ステップS232)、キャンセル指示があったか否かの検出(ステップS234)及び決定指示があったか否かの検出(ステップS236)を実行する。
ステップS230で再調整指示が検出されると、ステップS226の画像の表示明度調整処理に戻る。ステップS232で本文訂正指示が検出されると、図9におけるステップS80及び図22におけるステップS202と同様の本文訂正処理を行ない(ステップS238)、その後、ステップS228のプレビュー表示に戻る。また、ステップS234でキャンセル指示が検出されると、ワーキング領域2921の補正値格納領域に格納されている補正値をクリアするとともに、ステップS216の項目データ入力及び表示処理に戻る。
ステップS236で決定指示が検出されると、ワーキング領域2921の背景画表示識別フラグBDFを“1”にセットし(ステップS240)、その後、ステップS220の格納処理を実行する。ステップS240の処理を経た後のステップS220の格納処理では、ワーキング領域2921の背景画表示識別フラグBDFの情報が背景画像表示を行なうことを示す情報“1”にセットされているので、ワーキング領域2921に格納されている作成中メールデータの内、添付ファイルアドレスを除く全てのデータが、送信フォルダ2922の対応する領域に格納される。そして、送信フォルダ2922の添付ファイルアドレス格納領域には、前述の原画像が格納されている添付ファイル格納領域293のアドレスが格納される。
送信フォルダ2922に格納されたメールデータ(サブジェクト及びメール本文)は、ステップS222の待機状態、或いは後刻、送信フォルダ2922から当該メールデータを読み出した状態で送信の指示があったとき、指定されている宛先に、添付ファイルアドレスで指定される画像、画像明度補正値及び背景画表示識別フラグBDFの情報とともに送信される。このとき、送信フォルダ2922の送信日時格納領域には送信時刻が格納され、また識別フラグSDFは送信済みを示す状態“1”に変更される。
本実施態様は、上記のように、画像表示状態で送信が指示されたときメールの新規作成モードとなり、且つ表示されていた画像が自動的に添付ファイルとなる点を除いて、前述した第3に実施形態と同一である。従って、メール作成処理における部分的な改変事項や受信メールの表示処理については説明しないが、第3に実施形態において説明した事項は、本実施形態においても同様である。