JP4534724B2 - 不揮発性半導体メモリデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、積層絶縁膜内のドレイン側部に保持された第1極性電荷の保持量がデータの書き込みまたは消去の状態を決め、このドレイン側部に第2極性電荷を注入してデータの書き込みまたは消去の状態を変化させる不揮発性半導体メモリデバイスと、その電荷注入方法とに関する。
図4に、不揮発性メモリデバイスのNチャネルMONOS型メモリトランジスタの平面図を示す。また、図5(A)および図5(B)に、その動作時の断面(図4のA−A断面)の概略的な構成を示している。
図5(A)および図5(B)に示すように、P型半導体からなるボディ領域100(半導体基板、ウェルまたはSOI半導体層など)に、第1酸化膜101A,電荷蓄積層としての窒化膜101Bおよび第2酸化膜101Cからなる積層絶縁膜101が形成され、その上にゲート電極102が形成されている。ゲート電極102に一部重なる2つのN型のLDD(lightly doped drain)領域103sおよび103dが、互いに離れてボディ領域100に形成されている。LDD領域103sと103dとの間のボディ領域部分が、動作時にチャネルが形成されるチャネル形成領域100Aである。
ゲート電極102の両側壁に、絶縁体からなるスペーサ104sおよび104dが形成されている。スペーサ104sにより位置が規定されるボディ領域100の表面側部分に、N型不純物領域からなるソース105sが形成され、同様に、スペーサ104dにより位置が規定されるボディ領域100の表面側部分に、N型不純物領域からなるドレイン105dが形成されている。
これらソース105s、ドレイン105d、ゲート電極102およびボディ領域100のそれぞれは、不図示のコンタクト部および配線を介して、それぞれに適した電圧Vs,Vd,Vg,Vbが印加可能となっている。
このような構造のMONOSメモリトランジスタにおいて、電荷蓄積層としての窒化膜101Bは、第2酸化膜101Cとの界面付近でとくに電荷トラップ密度が高い。その電荷トラップに電子を注入して捕獲させた状態と、捕獲されている電子を消去した状態とでは、当該MONOSメモリトランジスタのしきい値電圧が変化する。このため、そのしきい値電圧の変化をデータの2値状態に対応させて、当該MONOSメモリトランジスタにデータの記憶が可能となる。
電子を注入する動作を書き込みと定義する場合、書き込み動作では、ソース105sの電圧Vsを接地電圧GND(=0V)とし、これを基準に、ドレイン105dに正電圧Vd(+)、ゲート電極102に正電圧Vg(+)を印加する。このときボディ領域100はソース105sと同じ接地電圧GNDで保持する。
このバイアス条件の下、ソース105sからチャネルCHに供給された電子がドレイン105dに向かって流れ、その最中に横方向電界により加速される。そして、最も電界が高いLDD領域103dの端部付近で高エネルギー電子(ホットエレクトロン)が発生し、その一部が、第1酸化膜101A等によるエネルギー障壁を越えて積層絶縁膜101の内部に飛び込み、窒化膜101Bのドレイン端部を中心とした領域の電荷トラップに捕獲される。第1酸化膜101Aと第2酸化膜101Cは、ボディ領域100およびゲート電極102から窒化膜101Bを電気的に分離し、窒化膜101Bに注入電荷(電子)を閉じ込める役割を果す。
書き込み後のしきい値電圧は、積層絶縁膜101に捕獲された電子と、読み出し時にゲート電極102に印加される正電圧との相殺により、書き込み前のしきい値電圧より大きくなる。
データの消去は、捕獲されている電子の電荷量をゼロまたは十分小さくすることで達成でき、電子を電界により引き抜く方法のほかに、逆極性の電荷(正孔)を注入して電子と電気的に相殺させる方法がある。図5(B)は正孔を注入する消去動作例を示す図である。
この場合、前述した書き込みの場合と同様に、ソース105sおよびボディ領域100を接地電位GNDで保持し、ドレイン105dに所定の正電圧Vd(+)を印加する。ただし、ゲート電極102に対しては、書き込み時と逆極性の負電圧Vg(−)を印加する。
このとき、ゲート電圧Vg(−)が負であることからチャネルが形成されず、ドレイン電圧Vd(+)がすべてドレイン105dおよびLDD領域103dに印加される。その結果、負電圧印加の影響を受けるゲート電極102の下方の領域を中心とするLDD領域103dの表面部に正孔の蓄積層が形成され、この正孔が横方向電界でドリフトしながら垂直方向電界により加速され高エネルギー電荷(HH:ホットホール)となり、第1酸化膜101A等によるエネルギー障壁を越えて積層絶縁膜101の内部に飛び込み、窒化膜101Bのドレイン端部を中心とした電子の蓄積領域に入る。書き込み時に捕獲されていた電子は、この消去時に注入される正孔と再結合することから、当該MONOSメモリトランジスタのしきい値電圧は書き込み動作を行う前の値に戻る。
この消去動作時に、LDD領域103dはドレイン105dよりN型不純物濃度が低く、消去動作を行う際に低電圧で正孔を発生させる役割を果す。
この消去方法および前述した書き込み方法自体は、それぞれ既に知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2001−237330号公報
ところが、この2種類の電荷注入方法の組み合わせによるデータの書き換えにおいて、それぞれの電荷注入が積層絶縁膜に対し局部的であることから、先に注入した電子の電荷量を正孔の電荷量で相殺することが難しいという問題がある。
その原因の一つに、注入方法によって電荷注入効率が違うことが挙げられる。つまりチャネルから注入される電子は、ドレインから注入される正孔に比べ、より注入効率が高く、しかも酸化膜の電子に対するエネルギー障壁が正孔に対するエネルギー障壁より低い。したがって、積層絶縁膜内に注入された電子のピーク濃度が正孔のそれより高くなりやすい。また、ソース側からチャネルに供給されて高エネルギー化する電子と、ドレイン側で高エネルギー化する正孔とでは、注入位置にずれが生じやすい。
この2つの原因によってメモリトランジスタの動作において注入電荷の不一致が生じ、データ消去が不完全になりやすいという問題が発生していた。
このため、上記特許文献1に記載されたような2つの電荷注入方法を単に組み合わせて適用した不揮発性メモリデバイスにおいて、データの書き換え特性および保持特性を如何にして向上させるかが課題となっていた。
本発明が解決しようとする課題は、データの書き込みまたは消去の状態を決めるための注入による電荷分布と、データの書き込みまたは消去の状態を変化させるための逆極性電荷の注入時分布とを、積層絶縁膜内で位置的あるいは電荷量的に出来るだけ一致させて、不揮発性メモリデバイスのデータの書き換え特性および保持特性を向上させることである。
本発明に係る不揮発性半導体メモリデバイスは、基体に支持されている半導体層内または半導体基板内に互いに離れて形成され、その間の領域が第1導電型のチャネル形成領域である第2導電型のソースおよびドレインと、前記チャネル形成領域の上に形成され、下層から順に第1酸化膜、電荷保持窒化膜および第2酸化膜からなるMONOS型膜構造、MNOS型膜構造、または、微細な導電粒子を絶縁膜中に埋め込んだ膜構造を有し、第1極性電荷の保持量に応じてデータの書き込みまたは消去の状態が決められる積層絶縁膜と、前記積層絶縁膜上のゲート電極と、前記ドレインの一部として、その主部のチャネル形成領域側に形成され、前記積層絶縁膜に第2極性電荷を注入して前記データの書き込みまたは消去の状態を変化させるときに第2極性電荷をその表面部に蓄積するエクステンション部と、前記積層絶縁膜および前記ゲート電極の側面に絶縁膜を介して形成され、当該絶縁膜が前記エクステンション部の上に延在することで、当該絶縁膜の延在部を介してエクステンション部と絶縁されたコントロール電極と、前記積層絶縁膜内に第1極性電荷を注入するときに、前記ソースを接地電位で保持し、前記ドレインと前記ゲート電極に第2極性の電圧を印加し、前記積層絶縁膜内に第2極性電荷を注入するときに、前記ソースを接地電位で保持し、前記ドレインに第2極性の電圧を印加し、前記ゲート電極に第1極性の電圧を印加し、前記エクステンション部の表面に第2極性電荷を蓄積して前記積層絶縁膜内に注入するとともに第2極性電荷の前記積層絶縁膜内における注入位置を制御するために前記ゲート電極に印加する第1極性の電圧とは独立に前記コントロール電極に第1極性の電圧を印加する電圧供給回路と、
有する。
この構成では、前記コントロール電極を、いわゆるサイドウォール導電層とすることができる。そのため、ドレインの主部とエクステンション部の形成時のマスク層とコントロール電極とを兼用できる。
好適に、前記チャネル形成領域の前記エクステンション部に隣接する部分の第1導電型不純物濃度が、当該隣接する部分以外の前記チャネル形成領域の部分の第1導電型不純物濃度より高い。
好適に、前記電圧供給回路は、前記積層絶縁膜内に第1極性電荷を注入するときは、前記コントロール電極に第2極性の電圧を印加する。
以上の構成を有する不揮発性半導体メモリデバイスにおいて、第1極性電荷を積層絶縁膜内に注入してデータの書き込みまたは消去の状態を決め、逆極性の第2極性電荷を注入して、その状態を変化させる。これによりデータの書き換えが行われる。
不揮発性半導体メモリデバイスにおいて、ゲート電極のドレイン側にコントロール電極が形成されている。コントロール電極はドレインやゲート電極と電気的に絶縁されており、電圧供給回路によって独自の電圧が印加可能である。したがって、印加電圧の極性や大きさにもよるが、第1極性電荷の注入時および第2極性電荷の注入時に、当該電荷に水平方向成分が強い電界を作用させることができる。印加電圧の極性や大きさを2回の電荷注入で適正に調整した場合、第1極性電荷の注入後の分布と、第2極性電荷の注入時の分布とのピーク位置が近くなる、あるいは、一致するようになる。コントロール電極がない場合を考えると、注入箇所に対して垂直方向の電界を付与するためのゲート電極だけでは、このような水平方向の電界を付与できない。このときコントロール電極がドレイン側に形成されていることが重要である。これは、電荷注入が積層絶縁膜のドレイン側部に対して行われることから、コントロール電極がドレイン側に形成されていると、ドレインから注入される第2極性電荷の注入時分布に対してもピーク位置の調整がなされるからである。
また、コントロール電極とドレインの一部(エクステンション部)が絶縁膜を介して容量結合している。第2極性電荷の注入時にコントロール電極に印加する電圧の極性と大きさを適正化した場合、第2極性電荷がエクステンション部の表面に蓄積することを、このコントロール電極による電界が促進する作用が得られる。このため、高エネルギーの第2極性電荷の発生効率が高くなる。本発明においてコントロール電極に対し、第1の電荷注入ステップ時に第2極性の電圧を印加し、第2の電荷注入ステップ時に第1極性の電圧を印加することが望ましいのは、以上の理由による。
また、エクステンション部は第2導電型を有するが、その表面に第2極性電荷がより多く誘起されると第2導電型が強まる。この作用はドレインの主部に対しては余り期待できないが、主部から張り出したエクステンション部において当該作用がより顕著となる。ドレイン端の第2導電型が強まると第1導電型のチャネル形成領域との界面付近で電界が集中しやすくなり、この意味でも高エネルギーの第2極性電荷の発生効率が高くなる。
このときチャネル形成領域側でも不純物濃度を高めておくと、この電界集中がさらに加速される。本発明においてチャネル形成領域のエクステンション部に隣接する部分の第1導電型不純物濃度が他の部分より高くすることが望ましいのは、この理由による。
本発明によれば、コントロール電極によって、データの書き込みまたは消去の状態を決めるための注入による電荷分布と、データの書き込みまたは消去の状態を変化させるための逆極性電荷の注入時分布とを、積層絶縁膜内で位置的に出来るだけ一致させることができる。また、コントロールゲート電極がエクステンション部の第2極性電荷の蓄積を促進し、ドレイン端の電界集中を加速する結果、第2極性電荷の注入効率およびピーク濃度が上がり、第1極性電荷の分布とのつりあいが取れるようになる。
以上の結果、蓄積絶縁膜内で第1極性電荷と第2極性電荷との再結合効率、すなわち保持電荷の相殺確率が高まる。そのためデータ書き換えごとの閾値が安定し、不揮発性メモリデバイスのデータの書き換え特性および保持特性が向上する。
以下、本発明の実施の形態を、MONOS型メモリトランジスタを有する不揮発性メモリデバイスを例として図面を参照しつつ述べる。
図1に、不揮発性メモリデバイスのNチャネルMONOS型メモリトランジスタの平面図を示す。また、図2(A)および図2(B)に、その動作時の断面(図1のA−A断面)の概略的な構成を示している。
不揮発性メモリデバイスは、多数のメモリトランジスタを規則的に配置したメモリセルアレイを有する。図1は、その基本構成を示すものである。したがって、図1に示す平面図は実際のセル平面と、コンタクト部の有無を含め異なる場合がある。また、メモリセルアレイには、書き込み、消去、読み出し、電源供給、セル選択に関する様々な回路が接続されているが、図1において、メモリトランジスタMTと、その各部に必要な極性と大きさの電圧を供給するための電圧供給回路20とのみを示している。電圧供給回路20とメモリトランジスタMTとの接続は、図示を省略したコンタクト、配線によって達成されている。
図2(A)および図2(B)に示すメモリトランジスタMTにおいて、P型半導体からなるボディ領域1(半導体基板、ウェル、または、基体(半導体以外も可)に支持されているSOI半導体層など)に、第1酸化膜2A,電荷蓄積層としての窒化膜2Bおよび第2酸化膜2Cからなる積層絶縁膜2が形成され、その上にゲート電極3が形成されている。ゲート電極3に平面パターン上で一部重なる2つのN型不純物領域4Eと5Eが、互いに離れてボディ領域1内に形成されている。以下、この不純物領域をエクステンション部という。エクステンション部4Eと5Eとの間のボディ領域部分が、動作時にチャネルが形成されるチャネル形成領域1Aである。
ゲート電極3の両側壁に、たとえばポリシリコンのサイドウォール導電層からなるコントロール電極6Dと6Sが形成されている。コントロール電極6Sにより位置が規定されるボディ領域1の表面側部分に、N型不純物領域からなるソースの主部5Mが形成され、同様に、コントロール電極6Dにより位置が規定されるボディ領域1の表面側部分に、N型不純物領域からなるドレインの主部4Mが形成されている。
前記エクステンション部4Eは、主部4Mとともにドレイン4を構成し、前記エクステンション部5Eは、主部5Mとともにソース5を構成する。エクステンション部4Eが主部4Mからコントロール電極6Dの下方を通ってゲート電極端の下方に伸びている。同様に、エクステンション部5Eが主部5Mからコントロール電極6Sの下方を通ってゲート電極端の下方に伸びている。
コントロール電極6Dとエクステンション部4E、コントロール電極6Dとゲート電極3、コントロール電極6Sとエクステンション部5E、コントロール電極6Sとゲート電極3の間に、絶縁膜7が介在している。これによってコントロール電極とゲート電極間、コントロール電極とエクステンション部とが電気的に絶縁されている。ドレイン側のコントロール電極6Dとソース側のコントロール電極6Sは、図1の平面図において接続されていることから、その接続箇所を含め、以下、「コントロール電極6」と総称することがある。
ドレイン側のエクステンション部4Eとチャネル形成領域1Aとの境界付近で、チャネル形成領域のP型濃度が局部的に高められ、これにより、いわゆるポケット領域1Bが形成されている。ポケット領域1Bの形成は任意であるが、書き込みや消去時の電荷注入効率を高めるために効果があり、これにより動作電圧の低減が可能である。従って図示のようにポケット領域1Bを形成することが望ましい。
ゲート電極3、コントロール電極6、ドレイン4、ソース5およびボディ領域1に対し、図1に示す電圧供給回路20によって、それぞれ独立した電圧が印加できる。これらの電圧を、順にゲート電圧Vg、コントロール電圧Vc、ドレイン電圧Vd、ソース電圧Vs、バックバイアス電圧Vbという。
つぎに、このような構成のMONOSメモリトランジスタMTの製造方法例について簡単に述べる。
用意した半導体基板に素子分離絶縁層(不図示)およびPウェル(ボディ領域1)を形成する。また、閾値電圧調整用のイオン注入を行う。
つぎに、ボディ領域1上に積層絶縁膜2を形成する。熱酸化法により酸化シリコン膜(第1酸化膜2A)を形成し、その上に、たとえばLP−CVD法などにより窒化シリコン膜(窒化膜2B)を形成する。窒化膜2Bの表面を熱酸化する方法などにより酸化シリコン膜(第2酸化膜2C)形成する。これにより、トラップレベル(窒化シリコン膜の伝導帯からのエネルギー差)が深いディープトラップが、窒化膜2Bと第2酸化膜2Cとの界面を中心として多く形成され、窒化膜2B内のバルクトラップとともに、電荷を捕獲する手段として機能する電荷トラップが高密度で形成される。
ゲート電極3となる導電膜を堆積し、この導電膜と、その下の積層絶縁膜2とからなる積層体を同一パターンに加工する。その後、斜めイオン注入法などによりP型不純物を導入し、ポケット領域1Bを形成する。続いてN型不純物をイオン注入しエクステンション部4Eと5Eを形成する。
つぎに、酸化シリコン膜などにより上記積層体とボディ領域1の表面を覆い、コントロール電極6となる導電膜(ポリシリコン膜)を厚く堆積する。コントロール電極6のコンタクト部6C(図1参照)の領域をマスク層で保護した後、ポリシリコン膜を異方性エッチングによりエッチバックし、コントロール電極6を形成する。このとき図1に示すコンタクト部6Cは矩形パターンとして残り、また、積層絶縁膜2とゲート電極3との積層体の周囲にサイドウォール導電層としてのコントロール電極6Dおよび6Sが形成される。
このコントロール電極6Dおよび6S、ゲート電極3および素子分離絶縁層などを自己整合マスクとして、さらにN型不純物をイオン注入する。これによりドレインの主部4Mとソースの主部5Mが形成される。
その後は、活性化アニールを行い、必要に応じて層間絶縁層の堆積、コンタクト形成、上層配線の形成を行う。最後に、オーバーコートの成膜とパッドの開口工程等を経て、当該MONOSメモリトランジスタMTを完成させる。
先に記述したように、このような構造のMONOSメモリトランジスタMTにおいて、電荷蓄積層としての窒化膜2Bは、第2酸化膜2Cとの界面付近でとくに電荷トラップ密度が高い。その電荷トラップに電子を注入して捕獲させた状態と、捕獲されている電子を消去した状態とでは、当該MONOSメモリトランジスタのしきい値電圧が変化する。このため、そのしきい値電圧の変化をデータの2値状態に対応させて、当該MONOSメモリトランジスタにデータの記憶が可能となる。
ただし、しきい値の相対的変化が検出できれば2値または多値の記憶データの読み出しは可能であることから、どのような状態を書き込み状態とし、どのような状態を消去状態とするかは定義上の問題である。本実施の形態において、第1の電荷注入ステップにおいて電子を注入することをデータ記憶の状態と設定する動作、すなわち書き込み動作と定義し、第2の電荷注入ステップにおいて正孔を注入することを、その設定したデータ記憶の状態を変化させて元の消去状態に戻す動作、すなわち消去動作と定義する。なお、電子と正孔、書き込みと消去の関係は、この逆であってもよい。
第1の電荷注入ステップにおいて電子を注入する動作を書き込みと定義する場合、書き込み動作では、ソース電圧Vsを接地電圧GND(=0V)とし、これを基準に、ドレイン4に正電圧Vd(+)、ゲート電極3に正電圧Vg(+)を印加する。また、コントロール電極6Dに所定の極性で所定の値の電圧(コントロール電圧Vc)を印加する。コントロール電圧Vcの極性は任意であるが、一般には、電子の注入位置をドレイン側に移動させると正孔の注入位置と重なることから、コントロール電圧Vcを正電圧とすることが望ましい。また、このときボディ領域1はソース5と同じ接地電圧GNDで保持する。
このバイアス条件の下、ソース5からチャネルCHに供給された電子がドレイン4に向かって流れ、その最中に横方向電界により加速される。そして、最も電界が高いドレインのエクステンション部4Eの端部付近で高エネルギー電子(ホットエレクトロン)が発生し、その一部が、第1酸化膜2A等によるエネルギー障壁を越えて積層絶縁膜2の内部に飛び込み、窒化膜2Bのドレイン端部を中心とした領域の電荷トラップに捕獲される。第1酸化膜2Aと第2酸化膜2Cは、ボディ領域1およびゲート電極3から窒化膜2Bを電気的に分離し、窒化膜2Bに注入電荷(電子)を閉じ込める役割を果す。
書き込み後のしきい値電圧は、積層絶縁膜2に捕獲された電子と、読み出し時にゲート電極3に印加される正電圧との相殺により、書き込み前のしきい値電圧より大きくなる。
データの消去は、捕獲されている電子の電荷量をゼロまたは十分小さくすることで達成でき、ここでは逆極性の電荷(正孔)を注入して電子と電気的に相殺させる(第2の電荷注入ステップ)。図2(B)に正孔を注入する消去動作例を示している。
この場合、前述した書き込みの場合と同様に、ソース5およびボディ領域1を接地電位GNDで保持し、ドレインの主部4Mに所定の正電圧Vd(+)を印加する。ただし、ゲート電極3に対しては、書き込み時と逆極性の負電圧Vg(−)を印加する。なお、ソース領域5およびボディ領域1の一方または双方を電気的にフローティング状態としてもよい。また、ボディ領域1に負電圧を印加してもよい。
このときコントロール電圧Vcの極性は任意であるが、負極性が望ましい。その理由はつぎの動作説明の中で述べる。
消去動作においてゲート電圧Vg(−)が負であることからチャネルが形成されず、ドレイン電圧Vd(+)がすべてドレインの主部4Mおよびエクステンション部4Eに印加される。その結果、負電圧印加の影響を受けるゲート電極3の下方の領域を中心とするエクステンション部4Eの表面部に正孔の蓄積層が形成され、この正孔が横方向電界でドリフトしながら、ゲート電極3による垂直方向電界により加速され高エネルギー電荷(HH:ホットホール)となり、第1酸化膜2A等によるエネルギー障壁を越えて積層絶縁膜2の内部に飛び込み、窒化膜2Bのドレイン端部を中心とした電子の蓄積領域に入る。書き込み時に捕獲されていた電子は、この消去時に注入される正孔と再結合することから注入電荷量が減少し、当該MONOSメモリトランジスタのしきい値電圧は書き込み動作を行う前の値に戻る。
この消去動作の視点からは、エクステンション部4EのN型不純物の濃度を、ドレインの主部4Mの当該濃度より低くすることが望ましい。なぜなら、エクステンション部4Eの濃度が低いと、ここでの正孔の蓄積層が出来やすく、この蓄積層ができるとポケット領域との境界付近で電界強度が高まり、結果として、より低電圧で正孔を発生させやすくなり、同じ電圧ならより正孔の注入効率が上がるからである。また、前述したようにコントロール電極6Dに負電圧を印加することが望ましい理由は、このことエクステンション部4Eの表面部で正孔の蓄積層の形成を促進するからである。
以上の理由により正孔が高効率に注入されことと、書き込み時の電子の注入位置がコントロール電極6Dの制御を受けない場合よりドレイン側に移動することによって、電子注入時の分布と正孔注入時の分布とが位置的および電荷量的により近づいて消去効率が上がる利点がある。
図3(A)および図3(B)に、このことを模式的な分布図で示している。図3(A)がコントロール電極6Dによる制御を行わなかった場合、図3(B)が行った場合である。
図3(A)に示すようにドレインから正孔を注入する消去においては、正孔の注入効率が低いことから正孔分布31は、そのピーク濃度が電子分布30のそれより低く、かつ、相対的にドレイン側に偏った位置31Aにある。これに対しコントロール電極6Dによる制御を適切に行うと、書き込み時の電子分布30が位置30Aからドレイン側に移動し、また消去時の正孔分布31も位置31Aからドレイン側に移動する。このとき正孔分布31のピーク濃度を上げることができ、このことと電子分布30の移動の程度を正孔より相対的に大きくすることとによって、図3(B)に示すように電子分布30と正孔分布31とを位置的および電荷量的にほぼ揃えることが可能となる。
このように、本実施の形態によれば、ゲート電極とは独立に異なる電圧を印加可能なコントロール電極を、ゲート電極のドレイン側に設けることによって、電子とホールの注入位置および注入分布を近づけ、あるいはほぼ一致させるができる。そのため、消去時間を長くして閾値電圧を必要な程度さげる長時間消去を行わなくとも、短時間で効率よく消去が可能となる。また、このことは更なる低電圧化に有利である。さらに、電子を保持していない部分に正孔が注入されることを抑制または防止し、これが熱的に動いて閾値が変化することが余りなくなることから、データの書き換え特性および電荷保持特性が安定し、かつ、向上する。
なお、本発明が適用できる不揮発性メモリデバイスはMONOS型に限らず、MNOS型、微細な導電粒子を絶縁膜中に埋め込んだものなど、蓄積絶縁膜の局部に電荷を注入して保持できるものであればよい。
本発明は、半導体不揮発性メモリの分野に広く用途に適用できる。
本発明の実施の形態に係る不揮発性メモリデバイスのNチャネルMONOS型メモリトランジスタの平面図である。 (A)および(B)は、図1のA−A断面における概略的な構成と、その動作を示す模式図である。 (A)および(B)は、コントロール電極の制御の有無による電荷分布の差を説明するための図である。 一般的なMONOS型メモリトランジスタの平面図である。 (A)および(B)は、背景技術に関するものであり、図4のA−A断面における概略的な構成と、その動作を示す模式図である。
符号の説明
1…ボディ領域、1A…チャネル形成領域、1B…ポケット領域、2…積層絶縁膜、2A…第1酸化膜、2B…窒化膜、2C…第2酸化膜、3…ゲート電極、4…ドレイン、4E…エクステンション部、4M…主部、5…ソース、5E…エクステンション部、5M…主部、6,6D,6S…コントロール電極、7…絶縁膜、20…電圧供給回路、MT…メモリトランジスタ

Claims (3)

  1. 基体に支持されている半導体層内または半導体基板内に互いに離れて形成され、その間の領域が第1導電型のチャネル形成領域である第2導電型のソースおよびドレインと、
    前記チャネル形成領域の上に形成され、下層から順に第1酸化膜、電荷保持窒化膜および第2酸化膜からなるMONOS型膜構造、MNOS型膜構造、または、微細な導電粒子を絶縁膜中に埋め込んだ膜構造を有し、第1極性電荷の保持量に応じてデータの書き込みまたは消去の状態が決められる積層絶縁膜と、
    前記積層絶縁膜上のゲート電極と、
    前記ドレインの一部として、その主部のチャネル形成領域側に形成され、前記積層絶縁膜に第2極性電荷を注入して前記データの書き込みまたは消去の状態を変化させるときに第2極性電荷をその表面部に蓄積するエクステンション部と、
    前記積層絶縁膜および前記ゲート電極の側面に絶縁膜を介して形成され、当該絶縁膜が前記エクステンション部の上に延在することで、当該絶縁膜の延在部を介してエクステンション部と絶縁されたコントロール電極と、
    前記積層絶縁膜内に第1極性電荷を注入するときに、前記ソースを接地電位で保持し、前記ドレインと前記ゲート電極に第2極性の電圧を印加し、前記積層絶縁膜内に第2極性電荷を注入するときに、前記ソースを接地電位で保持し、前記ドレインに第2極性の電圧を印加し、前記ゲート電極に第1極性の電圧を印加し、前記エクステンション部の表面に第2極性電荷を蓄積して前記積層絶縁膜内に注入するとともに第2極性電荷の前記積層絶縁膜内における注入位置を制御するために前記ゲート電極に印加する第1極性の電圧とは独立に前記コントロール電極に第1極性の電圧を印加する電圧供給回路と、
    を有する不揮発性半導体メモリデバイス。
  2. 前記チャネル形成領域の前記エクステンション部に隣接する部分の第1導電型不純物濃度が、当該隣接する部分以外の前記チャネル形成領域の部分の第1導電型不純物濃度より高い
    請求項1に記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
  3. 前記電圧供給回路は、前記積層絶縁膜内に第1極性電荷を注入するときは、前記コントロール電極に第2極性の電圧を印加する
    請求項1または2に記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
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