JP4534567B2 - コーティング剤およびその製造法 - Google Patents
コーティング剤およびその製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4534567B2 JP4534567B2 JP2004124123A JP2004124123A JP4534567B2 JP 4534567 B2 JP4534567 B2 JP 4534567B2 JP 2004124123 A JP2004124123 A JP 2004124123A JP 2004124123 A JP2004124123 A JP 2004124123A JP 4534567 B2 JP4534567 B2 JP 4534567B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wax
- coating agent
- component
- rubber
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Description
(1) ゴム弾性体表面の官能基とコーティング剤中のポリエステル系接着剤または酸変性ポリエチレン樹脂とが化学的に反応し、ゴムとの密着性にすぐれたコーティング膜を形成させる。
(2) ワックス粒子(およびシリコーンオイル)は、滑り性および非粘着性をゴム弾性体表面に付与する。
(3) このように、ゴムとの密着性と滑り性、非粘着性とを両立させることができる。滑り性、非粘着性は、塗布厚みを5μm以下に薄くしても劣ることがなく、また柔軟性があってゴム物性を損うことがなく、特にシール部品の場合シール性にもすぐれている。
(4) 塗布厚みが5μm以下と薄くとも、塗布ムラなく塗布することができ、しかも所望の性能も十分に発揮されるので、低コストでの処理が可能である。
(5) ゴム部品間の粘着防止だけではなく、ゴム部品が装着される相手面に対する非粘着性および相手面との低摩擦性にすぐれたゴム部品が提供されるので、パーツフィーダによる搬送特性にすぐれている。
(6) 電気接点不具合のおそれのある部位にも使用可能であり、シリコーンオイルを併用しない場合にはアウトガスの心配がないため、IT関連部品にも使用が可能である。
(7) ワックス、ポリエステル系接着剤および/またはポリエチレン樹脂等が別々の粒子として溶媒に分散している場合には、比重や粒子径の違いによって塗液中で分離してしまい、塗布被膜が均一とはならない場合があり、またワックスそれ自体が、くり返し摩擦時にゴムから剥れ易くなるという問題があるが、本発明に係るコーティング剤から形成される皮膜は、ワックス粒子とポリエステル系接着剤および/またはポリエチレン樹脂等が粒子状の一体物を形成しているため、塗布被膜が均一となり、ゴムとの密着性が向上し、くり返し摩擦時においてもゴムから剥離し難くなり、滑り、非粘着性の持続性が向上するようになる。
(8) 本発明のコーティング剤で表面処理したゴム弾性体は、ゴム弾性体同士の粘着防止、金属との粘着や固着現象の低減、ゴム部品の装着作業性の向上、ゴム部品作動時の抵抗低減、摩擦低減、スリップ音やこすれ音の低減などの効果を奏するので、Oリング、パッキン、Vパッキン、オイルシール、ガスケット、角リング、Dリング、ダイアフラム、各種バルブ等のゴムシール部品として、あるいは防振ゴム、ベルト、ゴム引布、ワイパー等のゴム部品などの用途に有効に用いられる。
カルナウバワックス:固形分濃度15重量%、粒径1μm、軟化点80℃
ポリエステル系接着剤:東亜合成製品PES-2655A30
固形分濃度30重量%、軟化点150℃、Tg65℃
(実施例4のみ、同社製品PES-360S30
固形分濃度30重量%、軟化点150℃、Tg65℃)
シリコーンオイルエマルジョン:信越化学製品KF96-100CSのエマルジョン
固形分濃度10重量%
酸変性ポリエチレン樹脂:三井化学製品4252E
固形分濃度15重量%、分子量3200、軟化点110℃
アイオノマー樹脂:三井化学製品ケミパールS-300
固形分濃度35重量%、粒径0.5μm、軟化点67℃
低分子量ポリエチレンワックス:三井化学製品ケミパールW-400
固形分濃度40重量%、粒径4μm、
軟化点110℃
パラフィンワックスエマルジョン:固形分濃度15重量%
パラフィンワックスの軟化点60℃
シリコーンオイル:信越化学製品KF96-100、粘度100mPa・s
調製成分 調合重量比 固形分重量比
カルナウバワックス 667 100
ポリエステル系接着剤 333 100
トリエチルアミン 10
水 1500
(合計) 2510
(固形分濃度) 8重量%
調製成分 調合重量比 固形分重量比
カルナウバワックス 667 100
ポリエステル系接着剤 333 100
シリコーンオイルエマルジョン 500 50
トリエチルアミン 10
水 1625
(合計) 3125
(固形分濃度) 8重量%
調製成分 調合重量比 固形分重量比
カルナウバワックス 667 100
酸変性ポリエチレン樹脂 67 10
シリコーンオイルエマルジョン 500 50
トリエチルアミン 10
水 766
(合計) 2010
(固形分濃度) 8重量%
調製成分 調合重量比 固形分重量比
カルナウバワックス 667 100
ポリエステル系接着剤 84 25
トルエン 1749
(合計) 2500
(固形分濃度) 5重量%
調製成分 調合重量比 固形分重量比
カルナウバワックス 667 100
酸変性ポリエチレン樹脂 67 10
シリコーンオイル 50 50
トルエン 2416
(合計) 3200
(固形分濃度) 5重量%
調製成分 調合重量比 固形分重量比
カルナウバワックス 667 100
トルエン 1333
(合計) 2000
(固形分濃度) 5重量%
以上の各成分をホモジナイザを用いて混合し、コーティング剤を調製した。以下の比較例2〜10においても、同様の調製方法がとられた。
調製成分 調合重量比 固形分重量比
シリコーンオイルエマルジョン 100 10
水 25
(合計) 125
(固形分濃度) 8重量%
調製成分 調合重量比 固形分重量比
カルナウバワックス 667 100
シリコーンオイル 50 50
トルエン 2283
(合計) 3000
(固形分濃度) 5重量%
調製成分 調合重量比 固形分重量比
ポリエステル系接着剤 333 100
水 917
(合計) 1250
(固形分濃度) 8重量%
調製成分 調合重量比 固形分重量比
アイオノマー樹脂 286 100
水 964
(合計) 1250
(固形分濃度) 8重量%
実施例3と同様の5成分が用いられた。実施例3と異なり、単に混合したものであるため、カルナウバワックスおよびポリエチレン樹脂粒子がそれぞれ独立して存在しているコーティング剤が調製された。
調製成分 調合重量比 固形分重量比
低分子量ポリエチレンワックス 250 100
パラフィンワックスエマルジョン 437.5 66
シリコーンオイルエマルジョン 312.5 31
水 1462.5
(合計) 2462.5
(固形分濃度) 8重量%
調製成分 調合重量比 固形分重量比
アイオノマー樹脂 286 100
シリコーンオイルエマルジョン 500 50
水 1089
(合計) 1875
(固形分濃度) 8重量%
表面に粘着やオイルのベトツキがあると、傾斜板に付着して滑り角度が大きくなる傾向がみられる。
評価は、500個のOリングの単位時間当りの通過個数(搬送速度)およびパーツフィーダ上に残ったOリングの残留個数をカウントすることにより行われた
通過個数が多い程、搬送速度が速いことになり、ブロッキングしたOリングはパーツフィーダ上に残る
静摩擦係数が低いと、ブロッキングが少なく、Oリング残留個数が少なくなる
動摩擦係数が低くかつ静摩擦係数が低いと、通過速度が速くなる傾向がある
動摩擦係数が低いと、挿入抵抗が低い傾向にある
20回後の挿入抵抗:上記挿入を20回繰り返した後の抵抗を測定
1回目の挿入抵抗との差が少ない程コーティング剤に耐久性がある
評価10 剥れが全くない
〃 8 剥れ微小
〃 6 剥れ小
〃 4 剥れ大
〃 2 大部分に剥れがある
〃 0 テープ粘着部分全面に剥れがある
評価○ ワックスの粒が確認できない
〃 △ ワックスの粒が確認できないが、塗布ムラや皮膜にはじきが発生
〃 × ワックスの粒が確認できる
表
Oリング搬送特性
20回後の
動摩擦 静摩擦 搬送速度 残留個数 挿入抵抗 挿入抵抗 密着性 表面
例 係数 係数 (個/分) (個) (kg) (kg) 試験 外観
実施例1 0.30 0.16 50 0 3.0 7.0 10 ○
〃 2 0.25 0.27 100 0 2.0 5.5 10 ○
〃 3 0.20 0.36 150 0 1.7 5.0 8 ○
〃 4 0.30 0.27 70 0 2.0 9.0 10 ○
〃 5 0.25 0.27 170 0 2.0 6.0 8 ○
比較例1 0.30 0.47 100 0 10.0 14.0 2 △
〃 2 0.05 >2.0 8 400 1.4 10.0 6 △
〃 3 0.25 0.36 120 20 1.5 12.0 4 △
〃 4 >2.0 >2.0 5 450 >20 >20 10 ○
〃 5 >2.0 0.58 80 100 >20 >20 10 ○
〃 6 0.20 0.36 150 0 1.7 12.0 8 ○
〃 7 0.30 0.84 20 250 2.0 12.0 4 △
〃 8 0.05 1.0 15 300 1.8 11.5 6 △
〃 9 >2.0 >2.0 6 400 6.0 17.0 − −
Claims (8)
- 軟化点60〜100℃のワックス100重量部に対し、軟化点120〜180℃、ガラス転移温度Tg-10〜100℃のポリエステル系接着剤および/または軟化点90〜140℃、数平均分子量Mn 1000〜8000の酸変性ポリエチレン樹脂を5〜300重量部(固形分として)含有し、これらが粒子状の一体物として溶媒中に分散されたコーティング剤。
- オイル分粘度が10〜10000mPa・sのエマルジョン型シリコーンオイルを5〜300重量部(オイル分として)さらに含有せしめた請求項1記載のコーティング剤。
- 粒径が0.5〜50μmの粒子状一体物を形成させた請求項1または2記載のコーティング剤。
- 水性液または有機溶媒液として調製された請求項1記載のコーティング剤。
- ゴム弾性体表面処理剤として用いられる請求項1記載のコーティング剤。
- 請求項1または2記載のコーティング剤皮膜を表面に形成させたゴム弾性体。
- 溶媒中にワックス、ポリエステル系接着剤および/または酸変性ポリエチレン樹脂を加え、ワックス成分、接着剤成分または樹脂成分を加温してそれらが溶解した溶液を形成させた後、高速せん断型攪拌分散装置を用いて均一に混合した溶液を攪拌しながら冷却することを特徴とする請求項1記載のコーティング剤の製造法。
- ワックス成分、接着剤成分または樹脂成分の加温溶解が耐圧容器中で行われる請求項7記載のコーティング剤の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004124123A JP4534567B2 (ja) | 2004-04-20 | 2004-04-20 | コーティング剤およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004124123A JP4534567B2 (ja) | 2004-04-20 | 2004-04-20 | コーティング剤およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005306963A JP2005306963A (ja) | 2005-11-04 |
JP4534567B2 true JP4534567B2 (ja) | 2010-09-01 |
Family
ID=35436099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004124123A Expired - Fee Related JP4534567B2 (ja) | 2004-04-20 | 2004-04-20 | コーティング剤およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4534567B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220063047A (ko) * | 2020-11-09 | 2022-05-17 | 나오테크(주) | 바이오 플라스틱을 활용한 와이퍼 블레이드 조성물 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009242762A (ja) * | 2008-04-01 | 2009-10-22 | Nitto Denko Corp | 塗膜保護シート |
CN104479521A (zh) * | 2014-11-21 | 2015-04-01 | 芜湖市鸿坤汽车零部件有限公司 | 一种导热性能优良的电磁屏蔽型防腐漆及其制备方法 |
JP7000086B2 (ja) * | 2017-09-12 | 2022-01-19 | ニッタ株式会社 | 工作機械用ワイパー及び工作機械用ワイパーの製造方法 |
JP7342351B2 (ja) * | 2018-10-25 | 2023-09-12 | 堺化学工業株式会社 | 塩素含有樹脂用液状安定剤およびその製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS638428A (ja) * | 1986-06-27 | 1988-01-14 | Uchiyama Mfg Corp | 表面処理液 |
JPH01104671A (ja) * | 1987-10-19 | 1989-04-21 | Nippon Parkerizing Co Ltd | 塗面保護剤 |
-
2004
- 2004-04-20 JP JP2004124123A patent/JP4534567B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS638428A (ja) * | 1986-06-27 | 1988-01-14 | Uchiyama Mfg Corp | 表面処理液 |
JPH01104671A (ja) * | 1987-10-19 | 1989-04-21 | Nippon Parkerizing Co Ltd | 塗面保護剤 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220063047A (ko) * | 2020-11-09 | 2022-05-17 | 나오테크(주) | 바이오 플라스틱을 활용한 와이퍼 블레이드 조성물 |
KR102457458B1 (ko) | 2020-11-09 | 2022-10-21 | 나오테크(주) | 바이오 플라스틱을 활용한 와이퍼 블레이드 조성물 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005306963A (ja) | 2005-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI567139B (zh) | 加成硬化型聚矽氧乳膠組成物及剝離膜 | |
CN112601791B (zh) | 含有氟基团的离型膜 | |
CA2110750C (fr) | Systeme silicone modulateur d'adherence et son utilisation pour la preparation de compositions anti-adherentes durcissables | |
JP4534567B2 (ja) | コーティング剤およびその製造法 | |
TWI600547B (zh) | 用於光學透明膜的改質剝離性塗膜 | |
US5942557A (en) | Low coefficient of friction silicone release formulations | |
JP4366925B2 (ja) | コーティング剤 | |
JP3817903B2 (ja) | 水性分散体組成物 | |
JPWO2014050722A1 (ja) | コーティング剤組成物 | |
JP6146544B2 (ja) | 加硫ゴム用表面処理剤 | |
JP3316993B2 (ja) | 加硫ゴム用表面処理剤 | |
JPWO2020144980A1 (ja) | 摺動部材用組成物及び摺動部材 | |
FR2825713A1 (fr) | Systeme silicone modulateur d'adherence et son utilisation pour la preparation de compositions anti-adherentes durcissables | |
JPH11114970A (ja) | タイヤ成型加硫用離型剤組成物及びタイヤ成型加硫方法 | |
JPWO2016047640A1 (ja) | 加硫ゴム用表面処理剤 | |
JP7273968B2 (ja) | オイルシール用コーティング剤 | |
JP5131639B2 (ja) | ゴム用水性コーティング剤およびその硬化皮膜で被覆されたゴム物品 | |
JPS638428A (ja) | 表面処理液 | |
JP4401654B2 (ja) | プラスチックラベル用コーティング剤組成物及び該コーティング剤組成物が塗布されたプラスチックラベル | |
KR102657256B1 (ko) | 오일씨일용 코팅제 | |
JP4836524B2 (ja) | 積層体 | |
JP6476674B2 (ja) | 加硫ゴムシール部品用表面処理剤 | |
JPH0469181B2 (ja) | ||
JP2022186600A (ja) | コーティング膜及びコーティング膜の形成方法 | |
JP2001164181A (ja) | 熱交換器フィン材用塗料用樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070205 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100330 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100413 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100525 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100607 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4534567 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |