JP4534372B2 - 非可逆回路素子部材及びこれを用いた送信受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話など少なくとも1つのアンテナを送信系と受信系とで共用するようにした送信受信装置及びこれに用いる非可逆回路素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、携帯電話、自動車電話等に採用される移動通信機器の送信受信装置は、1つのアンテナを送信系と受信系とで共用するように構成されている。この送信受信装置の送信系では、アンプ(増幅器)の出力電力を一定に保持する必要がある。また、アンテナ等からの反射電力によりアンプが損傷したり、或いは隣接チャンネルの信号がアンテナから進入してIM(相互変調)が発生したりすることがないようにする必要がある。そのため、アンプからの出力電力を方向性結合器(カプラ)で検出し、この検出信号をAPC回路へ入力してこの動作でもって前記アンプの出力電力を制御するようにしている。また、上記方向性結合器の後段側にアイソレータを設け、これによってアンテナからの反射電力を吸収し、反射波によるアンプの損傷やIMの発生を防止することが行われている。
【0003】
上記したアイソレータは、一般的に非可逆回路素子と称され、この構成は、例えばガーネット等の磁性体を中心として3本の中心導体で折り込み、各中心導体に整合用のコンデンサや抵抗等を接続し、上記ガーネットに磁界を付与する永久磁石を重ねて全体を金属製ケースで覆うようになっている。このような非可逆回路素子としては、例えば特開平10−200308号公報に開示されているように、外部実装用端子基板に電力を検出する結合電極を形成したもの、特開平10−200310号公報に開示されているように、整合用容量が形成された誘電体基板に電力を検出する結合電極を形成したもの、特開平10−327003号公報に開示されるように、何れか1つのポートにインピーダンス変換回路を付加して入力インピーダンスを2〜12.5Ωにしたもの、或いは特開平7−106809号公報に開示されているように、3本の中心導体の内で抵抗を接続した中心導体の幅を、他の入力用及び出力用中心導体の幅とは異なるようにしたもの等が知られている。
【0004】
ところで、上記したような従来の非可逆回路素子は、一般的に部品点数がかなり多いのみならず、回路基板上での実装面積が増大し、携帯電話等で望まれている小型化、低価格化の要請に応えられない。そこで、上記要請に応えるために特開平9−270608号公報等に開示されているように、非可逆回路素子の入力端子から分岐してコンデンサを接続し、このコンデンサをAPC回路の伝送ラインに直列接続することによって出力検出用コンデンサとなし、この出力をアンプの制御端子へフィードバックすることによってアンプの出力をモニターすることが提案されている。また、ここでは、更なる素子の小型化を目的として前記コンデンサを誘電体等からなる薄板シート上に電極パターンとして印刷形成し、これらを積層一体成形して構成すること等も行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の非可逆回路素子にあっては、各部品間の設計パラメータを設定するためには、トライアンドエラー方式で各部品のインピーダンスやリアクタンスを設計するのが一般的であり、これらを最適化するのが非常に困難であった。特に、上記設計パラメータが不十分な場合には、例えば送信時の反射波電力もかなり多くなり、消費電力も増大してしまう、といった問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、部品点数の削減、実装面積の削減、消費電力の削減、組み立ての容易化及び最適な入力インピーダンスの算出の容易化を図ることが可能な非可逆回路素子及びこれを用いた送信受信装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、入力端子及び出力端子と、フェリ磁性体に中心導体を配置した中心導体組立体と、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する永久磁石とを備えた非可逆回路部と、前記非可逆回路部の入力端子側に接続された出力検出用リアクタンス素子として出力検出用コンデンサを備えた非可逆回路素子であって、前記非可逆回路部は前記出力検出用コンデンサとともに積層素体に構成された整合コンデンサを備え、前記出力検出用コンデンサと前記整合コンデンサとは、それらを構成する電極の少なくとも一部が前記積層素体に内蔵され、かつ前記出力検出用コンデンサ用の電極の上下の投影面上には他の電極が配置されて無く、前記非可逆回路部の入力インピーダンスZinが、所望の動作帯域の中心周波数にて、前記出力端子に接続される外部回路系のインピーダンスZo及び前記出力検出用リアクタンス素子のインピーダンスZc(=jXc)に対して以下の式で設定される範囲内にあることを特徴とする非可逆回路素子である。
Zin=A・Zo−j・Zo2 /Xc+j・B・Zo
ここでAは0.85〜1.15、Bは−0.15〜0.15の範囲内であり、jは虚数を示す記号である。
これにより、アイソレータ部の入力インピーダンスと出力検出用リアクタンス素子のインピーダンスを容易に最適化することが可能となる。
【0008】
本発明の関連技術は、入力端子及び出力端子と、フェリ磁性体に中心導体を配置した中心導体組立体と、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する永久磁石とを備えた非可逆回路部と、前記非可逆回路部の入力端子側に接続された出力検出用リアクタンス素子を備えた非可逆回路素子であって、前記非可逆回路部の入力インピーダンスZinが、所望の動作帯域の中心周波数にて、前記出力検出用リアクタンス素子のインピーダンスZc(=jXc)に対して以下の式で設定される範囲内にあることを特徴とする非可逆回路素子である。
Zin=Za−j・2500/Xc+j・Zb
ここでZaは42.5Ω〜57.5Ω、Zbは−7.5Ω〜7.5Ωの範囲内であり、jは虚数を示す記号である。
【0009】
この場合、前記出力検出用リアクタンス素子が容量Cの出力検出用コンデンサの時には、入力インピーダンスZinは以下の式で設定されるのが好ましい。
Zin=Za+j・5000・π・f・C+j・Zb
ここでfは動作帯域の中心周波数である。
【0010】
また、前記中心周波数fが略1.95GHzで、前記容量Cが略0.3pFの時には、前記入力インピーダンスZinは、スミスチャートにおいて抵抗成分が42.5Ωと57.5Ωのそれぞれの曲線と、リアクタンス成分が1.7Ωと16.7Ωのそれぞれの曲線とにより囲まれた範囲内に設定されるのが好ましい。
【0011】
請求項2に係る発明は、入力端子及び出力端子と、フェリ磁性体に中心導体を配置した中心導体組立体と、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する永久磁石とを備えた非可逆回路部と、前記非可逆回路部の入力端子側に接続された出力検出用リアクタンス素子として出力検出用コンデンサを備えた非可逆回路素子であって、前記非可逆回路部は前記出力検出用コンデンサとともに積層素体に構成された整合コンデンサを備え、前記出力検出用コンデンサと前記整合コンデンサとは、それらを構成する電極の少なくとも一部が前記積層素体に内蔵され、かつ前記出力検出用コンデンサ用の電極の上下の投影面上には他の電極が配置されて無く、前記非可逆回路部の入力インピーダンスを外部回路系のインピーダンスに対し、スミスチャート上で虚数成分が正の方向に位置するようにずらしたことを特徴とする非可逆回路素子である。
【0012】
本発明の関連技術は、入力端子及び出力端子と、フェリ磁性体に中心導体を配置した中心導体組立体と、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する永久磁石とを備えた非可逆回路部と、前記非可逆回路部の入力端子側に接続された出力検出用リアクタンス素子を備えた非可逆回路素子であって、前記出力検出用リアクタンス素子がインダクタであり、前記非可逆回路部の入力インピーダンスを外部回路系のインピーダンスに対し、スミスチャート上で虚数成分が負の方向に位置するようにずらしたことを特徴とする非可逆回路素子である。
【0013】
請求項3に係る発明は、高周波信号を送信する送信系と、高周波信号を受信する受信系とを有する送信受信装置において、前記送信系に、請求項1又は2に規定する非可逆回路素子を用いるようにしたことを特徴とする送信受信装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る非可逆回路素子及びこれを用いた送信受信装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明の非可逆回路素子を用いた送信受信装置を示すブロック構成図、図2は本発明の非可逆回路素子を示す分解斜視図、図3は本発明の非可逆回路素子の等価回路を示す図、図4は図3中の積層素体の焼結前のグリーンシートの各層を示す展開図、図5は本発明におけるインピーダンス計算で用いた非可逆回路素子の等価回路を示す図、図6は本発明における最適な入力インピーダンスの範囲をスミスチャート上で示すグラフ、図7は本発明における最適な入力インピーダンスの範囲を示すグラフである。
【0015】
まず、図1を参照して本発明の非可逆回路素子を用いた送信受信装置について説明する。ここでは送信受信装置として携帯電話を例にとって説明する。図1に示すように、この送信受信装置としての携帯電話2は、外部からの高周波信号を受けると共に、送信信号を放射するアンテナ4を有しており、このアンテナ4は、デュプレクサ6を介して受信系8と送信系10とに接続されている。このデュプレクサ6は、送信系10からの信号を上記アンテナ2へ送り、このアンテナ2からの受信信号を受信系8へ送る。
【0016】
上記受信系8は、信号増幅を行うローノイズアンプ12、不要な周波数成分をカットするフィルタ14、電圧制御発振器(VCO)22からのローカル周波数の信号と受信された高周波信号とを混合して中間周波数の信号を得る受信側ミキサ16、不要な周波数成分を除去するフィルタ18及び受信信号を再生する受信回路20を順次接続して構成されている。
【0017】
一方、上記送信系10は、送信すべき信号を発生する送信回路24、不要な周波数成分を除去するフィルタ26、上記電圧制御発振器22からのローカル周波数の信号と送信すべき信号とを混合して高周波信号を得る送信側ミキサ28、上記高周波信号を増幅するパワーアンプ30及び上記アンテナ4等の外乱によるインピーダンス変動の影響を小さくして上記パワーアンプ30の動作を安定化させることにより不要な輻射や混変調を防ぐための本発明の特徴とする非可逆回路素子32を順次接続して構成されており、この非可逆回路素子32の出力の一部をAPC(Auto Power Control)回路34を介して上記パワーアンプ30へ戻すようになっている。また、電圧制御発振器22に接続されるスプリッタ23は、発振されたローカル信号を2方向に分岐させて上記受信ミキサ16と送信ミキサ28とへ供給する。ここで、上記非可逆回路素子32の各端子は、上記パワーアンプ30に接続される端子を入力端子IN、上記デュプレクサ6に接続される端子を出力端子OUT、上記APC回路34に接続される端子を出力検出用端子(Coupling)COUPとする。
【0018】
次に、図2を参照して上記非可逆回路素子32の構成について説明する。図2に示すように、この非可逆回路素子32は、ガーネット等の円板状のフェリ磁性体(フェライト)40を中心として3本のストリップラインからなる中心導体42、44、46を120度間隔で且つ絶縁体を介して折り込んでなる中心導体組立体48と、この中心導体組立体48を中央の貫通孔50に収容できるようにした積層素体52と、上記中心導体組立体48に直流磁界を印加するフェライト磁石などの永久磁石54と、磁性ヨークを兼ねる金属製のケースとなる上ケース56及び下ケース58と、上記積層素体52と上記下ケース58との間に介在されて銅板等の導電板60を樹脂枠62内に一体的に組み込むことにより形成した樹脂ベース64とから主に構成されている。上記樹脂ベース64の導電板60の上面には上記各中心導体42、44、46の基端部側の一端が共通に半田付けされ、この導電板60の下面は下ケース58の中央部の金属部分に嵌まるようになっている。そして、上記樹脂ベース64の左右端の樹脂枠62には、入力端子INとなる外部電極66と、出力端子OUTとなる外部端子68と、出力検出用端子COUPとなる外部電極70と、他のグランド電極GNDが面実装可能なように実装基板面に面して形成されている。尚、導電板60全体もグランドとなる。そして、これらの各部材が上下方向に積層されて周囲が、上ケース56と下ケース58とでパッケージされる。
【0019】
次に、図3を参照して上記非可逆回路素子32の等価回路について説明する。図3において、端子P1、P2、P3とグランド(アース)間に接続されたC1、C2、C3は整合容量であり、サーキュレータの動作周波数を決定し、これらに並列に中心導体組立体48の中心導体42、44、46をそれぞれ接続してインダクタンスL成分を付加している。ここでC1は入力用コンデンサ、C2は出力用コンデンサ、C3はロード用コンデンサとなる。また、アイソレータとするために上記ロード用コンデンサC3に終端抵抗R1を並列に接続してグランドに落としているが、この終端抵抗R1は図2に示す積層素体52の上面に印刷抵抗72を設けることによって構成している。尚、印刷抵抗に代えてチップ抵抗等をここに設けてもよい。ここで上記入力端子IN、出力端子OUT及び出力検出用端子COUPが樹脂ベース64の外部電極66、68、70にそれぞれ相当し、各コンデンサC1、C2、C3の各種電極が容量素子基板である積層素体52にそれぞれ印刷形成されている電極82、84、86に相当している。入力端子IN側からは、出力検出用リアクタンス素子88を介して出力検出用端子COUPが接続されており、通常これは入力端子INからアイソレータ(非可逆回路素子部材)に入ったアンプの出力信号の一部が出力検出用端子COUPより出力される量、すなわち、カップリング量が所定の値になるように、後述するようにその容量が定められている。この出力検出用リアクタンス素子88は例えばコンデンサよりなり、このコンデンサ88は、以下に説明するように積層素体52内に電極パターンで形成される。
【0020】
尚、中心導体組立体48は誘電体または磁性体による積層体で構成したものを用いることができ、これにより組立て工数を削減し、更にコスト低減をはかることもできる。また、中心導体組立体48の全体は磁性体のグリーンシートを複数枚積層して形成することもでき、これによれば更に中心導体組立体を薄くすることができる。
【0021】
上記積層素体(容量素子基板)52は、900℃程度の低温焼成が可能なセラミック誘電体材料からなり、例えば比誘電率が約8で厚さ30〜100μm程度のグリーンシートをドクターブレード法で作成し、このグリーンシート上に銀を主体とする導電ペーストを印刷することにより所望の電極パターンを形成している。これらの誘電体グリーンシートを積層して熱圧着し、中央部に貫通穴50(図2参照)を形成した後、これを焼結することにより一体型の積層素体52を成形することができる。この積層素体52と中心導体組立体48とはそれぞれ個別に製造し、中心導体組立体48を上記積層素体52の貫通穴50に嵌合装着させた後、各中心導体42、44、46の基端部である一端を導電板60に半田付けし、他端を積層素体52の上面の電極82、84、86にそれぞれ半田付けして電気的に接続する。次いで、永久磁石54を貼り付けた上ケース56と樹脂ベース64を取り付けた下ケース58とを組み付けて非可逆回路素子(アイソレータ)32を構成している。
【0022】
次に、図4を参照して上記積層素体(容量素子基板)52の構造について説明する。
ここで、積層素体52は上から図4(A)〜図4(E)の順に積層され、図4(F)は図4(E)の裏面を示している。図4(A)に示すグリーンシート層にはそれぞれ整合コンデンサ用の電極がパターン印刷で形成されており、それぞれ入力用コンデンサの電極82、出力用コンデンサの電極84及びロード用コンデンサの電極86(図2参照)と終端抵抗R1の接続用のランドパターン90、92が形成される。図4(B)に示すグリーンシート層にはグランド電極94、96が形成される。図4(C)に示すグリーンシート層には上記各コンデンサの他方の電極を形成する入力用コンデンサの電極98、出力用コンデンサの電極100、ロード用コンデンサの電極102が形成され、更にこの面には出力検出用リアクタンス素子88である出力検出用のコンデンサC4を構成する電極104が同一水平面上の図示する位置に設けられている。
【0023】
次に、図4(D)に示すグリーンシート層にはグランド電極106、108と、上記コンデンサC4の他方の電極110を形成している。ここで、出力検出用コンデンサC4を構成する電極104、110の上下の投影面上には他の電極を配置しないことにより出力端子OUTからアイソレータに入った信号がカップリング端子側に漏洩しないようになり方向性等の特性が向上する。図4(E)に示すグリーンシート層には上層の入出力電極や出力検出用コンデンサの電極及び各グランド電極を裏面に形成した各電極に接続する複数のスルーホール112が各々形成されており、図4(F)に示すこの裏面にはグランド(アース)電極114や入出力の外部電極と接続することになる電極116、118及び出力検出用端子COUPの電極120等が形成されている。
これらのグリーンシート層を順次下から積層し、熱圧着した後に焼成して一体焼結体となした。
【0024】
以上説明したように構成された非可逆回路素子32において、本発明では、上記非可逆回路部の入力インピーダンスZinが、所望の動作帯域の中心周波数にて、前記出力端子OUTに接続される外部回路系のインピーダンスZo及び前記出力検出用リアクタンス素子88(C4)のインピーダンスZc(=jXc)に対して以下の式1で設定される範囲内にあるように設定することを特徴としている。
Zin=A・Zo−j・Zo2/Xc+j・B・Zo … (1)
ここでAは0.85〜1.15、Bは−0.15〜0.15の範囲内であり、jは虚数を示す記号である。尚、図3に上記アイソレータ部122が一点鎖線で囲まれており、このアイソレータ部122には各コンデンサC1〜C3、終端抵抗R1が含まれており、出力検出用リアクタンス素子88(C4)は含まれていない。
【0025】
ここで上記インピーダンス計算を行った時の等価回路について説明する。図5はインピーダンス計算で用いた非可逆回路素子の等価回路を示す図である。この等価回路は基本的には図3に示す本発明の非可逆回路素子の等価回路の出力端子OUT及び出力検出用端子COUPにインピーダンスZoの外部回路系124を接続している。また、ここでは出力検出用リアクタンス素子88(C4)のインピーダンスをZc(=jXc)としている。さて、従来の[アイソレータ]+[カプラ]の回路構成では、ある特定の動作周波数で全体の反射を”0”(インピーダンスマッチング)にするためには、一般に[アイソレータ]+[カプラ]の各々を、外部回路系124のインピーダンスZoに整合するように設計していた。しかし、図5に示すようなカプラ機能内蔵型のアイソレータでは、アイソレータ部122をインピーダンスZoに整合させると、この非可逆回路素子32の全体の入力インピーダンスはインピーダンスZoに整合しないため、入力端子INで反射が生じて挿入損失が増加する。そこで本発明では、非可逆回路部122の入力インピーダンスを以下に説明する特定範囲内に設定することによってこのような問題を解消したものである。
【0026】
即ち、ここで、出力検出用リアクタンス素子88(C4)のインピーダンスZc(=j・Xc)が与えられたとき、カプラ機能内蔵アイソレータ(非可逆回路素子32)の入力インピーダンスがインピーダンスZoに整合するためのアイソレータ部122の入力インピーダンスZinの満たすべき条件を、図5の等価回路に基づいて求めると次の式2の結果を得た。
Zin=Zo−j・Zo2/Xc … (2)
特に、出力検出用リアクタンス素子88(C4)がコンデンサである場合は(容量結合型)、このコンデンサの容量C、角周波数ωとして式3のようになる。
Zin=Zo+j・Zo2・ω・C … (3)
【0027】
この条件式の導出過程を以下に述べる。
(1)一般的なリアクタンス素子について条件式の導出について、まず、パラメータを以下の通りにおく。
Zin’:カプラ機能内蔵アイソレータ(非可逆回路素子32)の入力インピーダンス
Zin=Rin+j・Xin :アイソレータ部122の入力インピーダンス
Zo : 外部回路系124のインピーダンス
Zc=j・Xc :出力検出用リアクタンス素子88(C4)のインピーダンス
【0028】
この等価回路により、下記の式4が求まる。
Zin’=1/{1/Zin+1/(Zc+Zo)} … (4)
インピーダンスマッチング条件より、下記の式5が定まる。
Zin’=Zo … (5)
上記式4、5より次の式6が求まる。
Zo=1/{1/Zin+1/(Zc+Zo)} … (6)
ここで、Zin=Rin+j・Xin及びZc=j・Zcを代入して、式7を得る。
Zo=1/{1/(Rin+j・Xin)+1(Zo+j・Xc)}…(7)
これを整理すると、式8を得る。
−Xin・Xc/Zo−Zo+j(Rin・Xc/Zo−Xc)=0…(8)
【0029】
ここで、Zo、Rin、Xin、Xcは全て実数であるため、下記の式9、10を得る。
−Xin・Xc/Zo−Zo=0 … (9)
且つ
(Rin/Zo−1)・Xc=0 … (10)
上記式9よりXin=−Zo2 /Xcを得る。また、上記式10よりRin
=ZoまたはXc=0であるが、Xc=0はこれを式9へ代入するとZo=0となるので不適である。
よって、アイソレータ部122の入力インピーダンスZinの最適値は、Rin=Zo且つXin=−Zo2 /Xcより、式11を得る。
Zin=Zo−j・Zo2 /Xc … (11)
【0030】
▲2▼ 容量結合型の条件式の導出について。
図5において、出力検出用のリアクタンス素子88(C4)が特にコンデンサである場合のインピーダンスの条件を導く。このコンデンサの容量をCとし、角周波数をωとする。このコンデンサのインピーダンスは、式12のようになる。
Zc=1/(j・ω・C)=−j/(ω・C) … (12)
これより、Zc=j・Xcとおくとき、式12と比較して、下記の式13となる。
Xc=−1/(ω・C) … (13)
この式13の関係を先の式11へ代入すると式14を得る。
Zin=Zo+j・Zo2 ・ω・C … (14)
ここで式11において実用上許容されるアイソレータの特性ばらつきを考慮して、インピーダンスの範囲を規定する。実用上許容されるインピーダンスの実数成分と虚数成分の許容範囲はそれぞれZoの±15%であるので、以下の式15を得る。これにより、請求項1に記載した範囲が定まる。
Zin=A・Zo−j・Zo2 /Xc+j・B・Zo … (15)
ここで0.85≦A≦1.15、及び−0.15≦B≦0.15である。
【0031】
また、携帯電話などでは一般に外部回路系124は50Ωであることが多いため、Zo=50を式(15)へ代入し、A・Zo=Za、B・Zo=Zbと改めて置くと、以下の式16を得る。これにより、請求項2に記載した範囲が定まる。
Zin=Za−j・2500/Xc+j・Zb … (16)
ここで、42.5≦Za≦57.5、及び−7.5≦Zb≦7.5である。
更に、ここで出力検出用リアクタンス素子88が、特にコンデンサである場合(容量結合型)は、下記式17の関係となる。
Xc=−1/(ω・C)=−1/(2・π・f・C) … (17)
この式17の関係を式16へ代入すると、式18を得る。これにより請求項3に記載した範囲が定まる。
Zin=Za+j・5000・π・f・C+j・Zb
尚、42.5≦Za≦57.5、及び−7.5≦Zb≦7.5である。また、上記fは動作帯域の中心周波数である。
【0032】
ここで、上記式18において、一般的な携帯電話で多く使用される中心周波数fを1.95GHz、出力検出用リアクタンス素子88の容量Cを0.3pFとすると、この時の入力インピーダンスZinの範囲は図6に示すスミスチャートの斜線部分の範囲、すなわち抵抗成分(実数)が42.5Ωと57.5Ωのそれぞれの曲線と、リアクタンス成分(虚数)が1.7Ωと16.7Ωのそれぞれの曲線とにより囲まれた範囲内となる。
【0033】
また、上記入力インピーダンスZinの範囲を、通常の実数と虚数の座標で示すと図7に示す斜線の範囲、すなわち実数は−42.5〜57.5の範囲内で、且つ虚数は1.7〜16.7の範囲となる。以上説明したように、入力インピーダンスZinを定めることにより、いわゆるカプラ機能内蔵型の非可逆回路素子(アイソレータ)において入力インピーダンスと出力検出用リアクタンス素子のインピーダンスとを容易に最適化することができ、しかも動作時の反射波も略確実になくすことが可能となる。
【0034】
このようにしてアイソレータ部の入力インピーダンスと出力検出用リアクタンス素子のインピーダンスとを最適化することにより、スミスチャート上に現れる非可逆回路部の入力インピーダンスの位置は虚数成分が正負(上下位置)のどちらかにずれて設定されることになる。これにより非可逆回路素子部材全体のインピーダンスマッチングが達成される。尚、出力検出用リアクタンス素子がコンデンサの場合には、スミスチャート上では虚数成分が正の方向(上側)にずれて現れ、他方出力検出用リアクタンス素子がインダクタの場合には、スミスチャート上では虚数成分が負の方向(下側)にずれて現れることになる。
【0035】
次に、実際に入力インピーダンスZinが図7中の点P1(51.3,9.1)に相当する本発明の非可逆回路素子を製作し、この評価を行ったので、その評価結果を従来素子と比較して説明する。表1にこの時の評価結果を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
この結果から明らかなように、挿入損失(IN→OUT)は、0.7dB(デシベル)から0.60dBへ、また、反射損失(IN)は、16.4dBから18.3dBへ、共に大きく減少しており、大幅に特性が向上していることが確認できた。
【0038】
ここで、上記入力インピーダンスZinを調整するには、図2における永久磁石54の磁束強度を変えたり、或いは図2に示す中心導体組立体48の3本の中心導体42、44、46の内の入力側の中心導体42を、図9に示すようにその中心部の溝130の幅Sを変えたり、ラインの幅Wを変えたりすることにより調整すればよい。本願の一例として、溝130の幅Sは0.2〜0.4mm程度に、ラインの幅Wは0.15〜0.3mm程度にそれぞれ設定される。
尚、本実施例においては、送信受信装置として携帯電話を例にとって説明したが、これに限定されないのは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の非可逆回路素子及びこれを用いた送信受信装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。アイソレータ部の入力インピーダンスと出力検出用リアクタンス素子のインピーダンスを容易に最適化することができる。また、アイソレータ部の入力インピーダンスを、出力検出用リアクタンス素子のインピーダンスに適合した範囲に限定することにより、入力側反射損失を減少させて挿入損失を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非可逆回路素子を用いた送信受信装置を示すブロック構成図である。
【図2】 本発明の非可逆回路素子を示す分解斜視図である。
【図3】 本発明の非可逆回路素子の等価回路を示す図である。
【図4】 図3中の積層素体の焼結前のグリーンシートの各層を示す展開図である。
【図5】 本発明におけるインピーダンス計算で用いた非可逆回路素子の等価回路を示す図である。
【図6】 本発明における最適な入力インピーダンスの範囲をスミスチャート上で示すグラフである。
【図7】 本発明における最適な入力インピーダンスの範囲を示すグラフである。
【図8】 中心導体組立体の中心導体を寸法を示す部分図である。
【符号の説明】
2 携帯電話(送信受信装置)
4 アンテナ
8 受信系
10 送信系
20 受信回路
23 スプリッタ
24 送信回路
32 非可逆回路素子
40 フェリ磁性体
42,44,46 中心導体
48 中心導体組立体
52 積層素体
54 永久磁石
88 出力検出用リアクタンス素子
122 アイソレータ部
124 外部端子
C1 入力用コンデンサ
C2 出力用コンデンサ
C3 ロード用コンデンサ
R1 終端抵抗
Claims (3)
- 入力端子及び出力端子と、フェリ磁性体に中心導体を配置した中心導体組立体と、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する永久磁石とを備えた非可逆回路部と、前記非可逆回路部の入力端子側に接続された出力検出用リアクタンス素子として出力検出用コンデンサを備えた非可逆回路素子であって、
前記非可逆回路部は前記出力検出用コンデンサとともに積層素体に構成された整合コンデンサを備え、前記出力検出用コンデンサと前記整合コンデンサとは、それらを構成する電極の少なくとも一部が前記積層素体に内蔵され、かつ前記出力検出用コンデンサ用の電極の上下の投影面上には他の電極が配置されて無く、
前記非可逆回路部の入力インピーダンスZinが、所望の動作帯域の中心周波数にて、前記出力端子に接続される外部回路系のインピーダンスZo及び前記出力検出用リアクタンス素子のインピーダンスZc(=jXc)に対して以下の式で設定される範囲内にあることを特徴とする非可逆回路素子。
Zin=A・Zo−j・Zo2/Xc+j・B・Zo
ここでAは0.85〜1.15、Bは−0.15〜0.15の範囲内であり、jは虚数を示す記号である。 - 入力端子及び出力端子と、フェリ磁性体に中心導体を配置した中心導体組立体と、前記中心導体組立体に直流磁界を印加する永久磁石とを備えた非可逆回路部と、前記非可逆回路部の入力端子側に接続された出力検出用リアクタンス素子として出力検出用コンデンサを備えた非可逆回路素子であって、
前記非可逆回路部は前記出力検出用コンデンサとともに積層素体に構成された整合コンデンサを備え、前記出力検出用コンデンサと前記整合コンデンサとは、それらを構成する電極の少なくとも一部が前記積層素体に内蔵され、かつ前記出力検出用コンデンサ用の電極の上下の投影面上には他の電極が配置されて無く、
前記非可逆回路部の入力インピーダンスを外部回路系のインピーダンスに対し、スミスチャート上で虚数成分が正の方向に位置するようにずらしたことを特徴とする非可逆回路素子。 - 高周波信号を送信する送信系と、高周波信号を受信する受信系とを有する送信受信装置において、前記送信系に、請求項1又は2に規定する非可逆回路素子を用いるようにしたことを特徴とする送信受信装置。
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