JP4534134B2 - 自動車のサスペンション装置及びその組付方法 - Google Patents
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Description
このようなサスペンション装置の車体への組み付けにおいては、コイルスプリングを除くサスペンション装置を車体に組み付けた後、専用治具で圧縮したコイルスプリングを装着させることがある。しかしながら、このような方法では、コイルスプリングの圧縮時にコイルスプリングが外れて危険な場合があり、また、装着が難しいという問題がある。
このように構成された本発明においては、アッパコイルスプリングシートは、車体に着脱自在に取り付けられ、支持部材は、アッパコイルスプリングシートを仮固定用スペーサを介して仮固定用ボルトにより仮固定して支持するようにサスペンションクロスメンバに固定され、これらの仮固定用スペーサ及び仮固定用ボルトは、車体にアッパコイルスプリングシートを取り付けた後に取り外されるので、コイルスプリングを支持するロアアームを外さずに、コイルスプリングのサスペンション装置への組み付け及びサスペンション装置の車体への組み付けを行うことが出来る。さらに、サスペンションクロスメンバ、ロアアーム、アッパコイルスプリングシート及びコイルスプリングを一体でサブアッセンブリすることが出来、より安全に且つ確実に、サスペンション装置の車体への組み付けを行うことが出来る。その結果、コイルスプリングのサスペンション装置への組み付け性及びサスペンション装置の車体への組み付け性を向上させることが出来る。
このように構成された本発明においては、ロアアームをサスペンションクロスメンバに揺動自在に取り付ける工程と、ロアアームにコイルスプリングを設置すると共にそのコイルスプリングの上端にアッパコイルスプリングシートを設置する工程と、コイルスプリングを、ロアアームとアッパコイルスリングシートと共に圧縮する工程と、サスペンションクロスメンバに取り付けられた支持部材と、アッパコイルスプリングシートとを、スペーサを介してボルトにより互いに仮固定する工程とを有しているので、コイルスプリングを支持するロアアームを外さずに、コイルスプリングをサスペンション装置へ組み付けると共に、サスペンションクロスメンバ、ロアアーム、アッパコイルスプリングシート及びコイルスプリングを一体でサブアッセンブリすることが出来る。さらに、サスペンションクロスメンバを車体に固定する工程と、ボルト及びスペーサを取り外すと共にアッパコイルスプリングシートを車体に取り付ける工程とを有しているので、より安全に且つ確実に、サスペンション装置の車体への組み付けを行うことが出来る。その結果、コイルスプリングのサスペンション装置への組み付け性及びサスペンション装置の車体への組み付け性を向上させることが出来る。なお、ボルト及びスペーサを取り外すと共にアッパコイルスプリングシートを車体に取り付ける工程においては、ボルト及びスペーサの取り外しと、アッパコイルスプリングシートの車体への取り付けとは、ほぼ同時に行うか或いはどちらかを先に行っても良い。
このように構成された本発明においては、アッパコイルスプリングシートを車体に容易に取り付けることが出来る。
このように構成された本発明においては、コイルスプリングのサスペンション装置への組み付けを容易に行うことが出来る。
先ず、図1乃至図3により、本発明の実施形態による自動車のサスペンション装置を説明する。図1は、本発明の実施形態による自動車のリアサスペンション装置を示す平面図であり、図2は、図1に示すリアサスペンション装置を車両後方側から見た正面図であり、図3は、図1に示すリアサスペンション装置のアッパコイルスプリングシート及びブラケットの部分を拡大して示す部分拡大平面図である。
リアロアアーム8の上面には、ロアコイルスプリングシート24が一体的に形成され、このロアコイルスプリングシート24により、コイルスプリング22の下端部を支持するようになっている。また、アッパコイルスプリングシート26が、車体50(図4参照)に取り付けられ、このアッパコイルスプリングシート26によりコイルスプリング22の上端部を支持するようになっている。このように、コイルスプリング22は、リアロアアーム8と車体の間で荷重を受けるようになっている。
これらの第1ブラケット30の下面には、それぞれ、ボルト31により、平板状の第2ブラケット(支持部材)32が取り付けられ、この第2ブラケット32は、アッパコイルスプリングシート26の下方でアッパコイルスプリングシート26とほぼ平行に延びている(図2及び図4参照)。
一方、アッパコイルスプリングシート26には、これらのボルト通し孔32bに対応する位置に、ボルト通し孔26bが形成され且つその上面にウェルドナット38が設けられている(図4参照)。また、アッパコイルスプリングシート26には、後述するように車体50から延びる取付用ボルト40(図4参照)を通すためのボルト通し孔26aが形成されている。
本実施形態では、サスペンションクロスメンバ2、各アーム4、6、8、コイルスプリング22及びアッパコイルスプリングシート26等をサブアッセンブリし、コイルスプリング22が予め圧縮された状態で、リアサスペンション装置1を車体50に組み付けるようにしている。図4は、このサブアッセンブリされたリアサスペンション装置1を示している。
次に、コイルスプリング22をロアアームのロアコイルスプリングシート24に載せると共にアッパコイルスプリングシート26をコイルスプリング22の上端部に設置する。その後、治具(図示せず)を用いて、アッパコイルスプリングシート26及びリアロアアーム8及び共にコイルスプリング22を所定長さになるまで圧縮する。本実施形態では、所定長さとして、リアサスペンション装置のフルリバウンド状態となる長さまでコイルスプリング22を圧縮する。
ここで、上述したように、第2ブラケット32は、サスペンションクロスメンバ2に固定された第1ブラケット30に取り付けられているので、各ブラケット30、32を介してサスペンションクロスメンバ2により、アッパコイルスプリングシート26が支持される。従って、この仮固定により、サスペンションクロスメンバ2、各アーム4、6、8、コイルスプリング22及びアッパコイルスプリングシート26等がサブアッセンブリされた状態となる。
次に、サスペンションクロスメンバ2を車体50に固定する。この状態では、アッパコイルスプリングシート26は、車体50に接触するか或いは隙間があるような近接した位置になっている。即ち、スペーサ34は、上述したようにアッパコイルスプリングシート26と第2ブラケット32との距離を規定すると共に、アッパコイルスプリングシート26のサスペンションクロスメンバ2に対する相対位置を規定し、サスペンションクロスメンバ2を車体50に固定したとき、アッパコイルスプリングシート26のボルト通し孔26aが取付用ボルト40に完全に嵌ると共にアッパコイルスプリングシート26の車体50への固定が容易となる近接した位置となるようにしている。
次に、車体50に固定された取付用ボルト40とナット(図示せず)により、アッパコイルスプリングシート26を車体50に取り付け、次に、仮固定用ボルト36及びスペーサ34を完全に取り外して、アッパコイルスプリングシート26と第2ブラケット32との仮固定の状態を完全に解除して、リアサスペンション装置1の車体50への組み付けを終了する。
本実施形態では、コイルスプリング22を圧縮した状態で第2ブラケット32とアッパコイルスプリングシート26とを互いに仮固定しているので、コイルスプリング22を支持するロアアーム8を外さずに、コイルスプリング22を組み付けた状態でリアサスペンション装置1を車体に取り付けることが出来る。また、リアサスペンション装置1の車体への組み付け時にコイルスプリング22を圧縮する必要がないので、より安全に且つ確実に、コイルスプリング22のリアサスペンション装置1への組み付け及びリアサスペンション装置1の車体への組み付けを行うことが出来る。
さらに、アーム4、6、8をサスペンションクロスメンバ2及びホイールサポート12に取り付け、コイルスプリング22を圧縮する前に、アライメントカム20を適正位置に調節しているので、リアサスペンション装置1のアライメントを適正に調整することが出来る。
これらの結果、コイルスプリング22のリアサスペンション装置1への組み付け性及びリアサスペンション装置1の車体への組み付け性がいずれも向上する。
さらに、アッパコイルスプリングシート26のサスペンションクロスメンバ2に対する相対位置を規定し、サスペンションクロスメンバ2を車体50に固定したとき、アッパコイルスプリングシート26のボルト通し孔26aが取付用ボルト40に完全に嵌ると共にアッパコイルスプリングシート26の車体50への固定が容易となる近接した位置となるようにしているので、サスペンションクロスメンバ2を車体に固定した後、アッパコイルスプリングシート26を車体に容易に取り付けることが出来る。
2 サスペンションクロスメンバ
4 アッパアーム
8 リアロアアーム
12 ホイールサポート
20 アライメントカム
22 コイルスプリング
26 アッパコイルスプリングシート
30 第1ブラケット
32 第2ブラケット
34 スペーサ
36 仮固定用ボルト
38 ウェルドナット
40 取付用ボルト
50 車体
Claims (4)
- ロアアームと車体の間にコイルスプリングが配置された自動車のサスペンション装置であって、
上記車体に固定され上記ロアアームを揺動自在に支持するサスペンションクロスメンバと、
上記車体に着脱自在に取り付けられて上記コイルスプリングの上端を支持するアッパコイルスプリングシートと、
上記サスペンションクロスメンバに固定され上記アッパコイルスプリングシートを仮固定用スペーサを介して仮固定用ボルトにより仮固定して支持する支持部材と、を有し、
上記仮固定用スペーサ及び上記仮固定用ボルトは、上記車体に上記アッパコイルスプリングシートを取り付けた後に取り外されることを特徴とする自動車のサスペンション装置。 - ロアアームと車体の間にコイルスプリングが配置された自動車のサスペンション装置の組み付け方法であって、
上記ロアアームをサスペンションクロスメンバに揺動自在に取り付ける工程と、
上記ロアアームに上記コイルスプリングを設置すると共にそのコイルスプリングの上端にアッパコイルスプリングシートを設置する工程と、
上記コイルスプリングを、上記ロアアーム及び上記アッパコイルスリングシートと共に圧縮する工程と、
上記サスペンションクロスメンバに取り付けられた支持部材と、上記アッパコイルスプリングシートとを、スペーサを介してボルトにより互いに仮固定する工程と、
上記サスペンションクロスメンバを上記車体に固定する工程と、
上記ボルト及びスペーサを取り外すと共に上記アッパコイルスプリングシートを上記車体に取り付ける工程と、
を有することを特徴とする自動車のサスペンション装置の組み付け方法。 - 上記スペーサは、上記アッパコイルスプリングシートの上記サスペンションクロスメンバに対する相対位置を規定し、上記サスペンションクロスメンバが上記車体に固定されたとき、上記アッパコイルスプリングシートが上記車体に近接した位置にあるようにする請求項1記載の自動車のサスペンション装置。
- 上記スペーサは、上記アッパコイルスプリングシートと上記支持部材との距離を規定し、組み付け時、上記コイルスプリングを上記サスペンション装置のフルリバウンド時の長さになるようにする請求項1又は3記載の自動車のサスペンション装置。
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