JP4534003B2 - 抗アレルギー作用を有する健康食品 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は健康食品及び医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物由来の生薬は、一般に穏やかな作用を有し、副作用が少ないため、喘息、花粉症のようなアレルギー症状を緩和する健康食品や医薬として望ましい。抗アレルギー作用を有する生薬として、例えばオウゴン、シンイ等の生薬が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アレルギー症状、特に花粉症の症状の緩和に画期的な効果を有する生薬は未だ見出されていない。
本発明の発明者は、種々の植物につき鋭意研究を重ねた結果、トクサ科の植物が抗アレルギー作用を有する成分を含むことを見出し、本発明を完成させた。
トクサ科の植物、例えば、Equisetum arvenseは、従来より、利尿作用を有する生薬として知られているが、これらの植物が抗アレルギー作用を有することについては知られていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
第1に、本発明は、下記の健康食品に関する。
(1)トクサ科植物またはそれらの抽出物もしくは分画物を含む健康食品。
(2)トクサ科植物がトクサ科植物の胞子嚢穂もしくは胞子茎またはその両方である(1)の健康食品。
(3)トクサ科植物がスギナ(Equisetum arvense L.)、トクサ(Equisetum hyemale L.)、イヌスギナ(Equisetum palustre L.)からなる群より選択されるトクサ科植物またはその胞子嚢穂もしくは胞子茎またはその両方である(1)の健康食品。
(4)前記抽出物が、超臨界流体による抽出物、または水、有機溶媒もしくはその混合物による抽出物である(1)〜(3)の健康食品。
(5)前記抽出物が、超臨界流体による抽出物、または水、エタノールもしくはその混合物による抽出物である(1)〜(3)の健康食品。
(6)前記分画物が、前記トクサ科植物の超臨界流体による抽出物、または水、有機溶媒もしくはその混合物による抽出物をクロマトグラフィー精製して100%メタノール画分として得られる分画物である(1)〜(5)の健康食品。
(7)アレルギー症状を緩和するための(1)〜(6)の健康食品。
【0005】
また、本発明は、下記の医薬組成物に関する。
(8)トクサ科植物またはそれらの抽出物もしくは分画物を含む医薬組成物。
(9)トクサ科植物がトクサ科植物の胞子嚢穂もしくは胞子茎またはその両方である(8)の医薬組成物。
(10)トクサ科植物がスギナ(Equisetum arvense L.)、トクサ(Equisetum hyemale L.)、イヌスギナ(Equisetum palustre L.)からなる群より選択されるトクサ科植物またはその胞子嚢穂もしくは胞子茎またはその両方である(8)の医薬組成物。
(11)前記抽出物が、超臨界流体による抽出物、または水、有機溶媒抽出物もしくはその混合物による抽出物である(8)〜(10)の医薬組成物。
(12)前記抽出物が、超臨界流体による抽出物、または水、エタノールもしくはその混合物による抽出物である(8)〜(10)の医薬組成物。
(13)前記分画物が、前記トクサ科植物の超臨界流体による抽出物、または水、有機溶媒もしくはその混合物による抽出物をクロマトグラフィー精製して100%メタノール画分として得られる分画物である(8)〜(12)の医薬組成物。
(14)抗アレルギー剤である(8)〜(13)の医薬組成物。
(15)前記健康食品及び医薬組成物のためのトクサ科植物、またはそれらの抽出物もしくは分画物の使用。
【0006】
【発明の実施の形態】
本明細書において「トクサ科植物」は、好ましくはトクサ属の植物、例えば、スギナ(Equisetum arvense)、トクサ(Equisetum hyemale L.)、イヌスギナ(Equisetum palustre L.)、より好ましくはスギナである。「トクサ科植物」は、これらの植物の地上茎、地下茎、栄養茎、胞子嚢穂または胞子茎であり得るが、好ましくはそれらの胞子嚢穂または胞子茎またはその両方である。
該トクサ科植物は、所望により用途に応じて適当な大きさに切断または粉砕された、生のまたは乾燥させた植物であり得る。または冷凍保存されたものを解凍したものまたはその破砕物もしくは粉砕物であってもよい。
ここで、「乾燥」は、天日乾燥、風乾、乾燥炉による乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥、スプレードライ等またはそれらの組み合わせにより行い得る。乾燥の程度は、目的にもよるが、水分含有量0〜50重量%、好ましくは0〜10重量%となるまで乾燥する。
【0007】
本明細書において、「抽出物」は、上記生または乾燥させたトクサ植物から、所望により適当な大きさに切断したものを、水、有機溶媒等の溶媒中での冷浸、温浸、還流冷却下での加熱等の適当な抽出方法、または超臨界流体抽出により抽出されたものである。超臨界流体としては、例えば二酸化炭素、ペンタン等を使用し得る。抽出は所望により超音波をかけながら行ってもよい。抽出は、連続式で行ってもバッチ式で行ってもよく、例えば常温から溶媒の沸点の範囲の温度で、加圧、常圧または減圧下で行う。抽出時間は、抽出方法、抽出溶媒等に応じて、適宜決定し得る。例えば、室温での抽出の場合、1〜10日間、好ましくは1〜3日間、特に1〜12時間であり、溶媒の沸点付近の温度での抽出の場合、10分間〜10時間、好ましくは10分間〜5時間、特に1〜3時間である。
ここで、水、有機溶媒等の溶媒は、例えば、水、メタノール、エタノール、n−もしくはイソプロパノール、n−、イソ、第二もしくは第三ブタノール、n−、イソ、第二もしくは第三ペンタノール、n−、イソ、第二もしくは第三ヘキサノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化物、ジエチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ペンタン等の炭化水素、またはこれらの混合物であり得る。
抽出後、溶媒を常圧または減圧下で留去して濃縮または乾固するか、凍結乾燥する。
抽出物は、そのまま健康食品または医薬品組成物原料として使用してもよいが、濃縮または乾固した後、水、エタノール等の溶媒に溶解し、不溶物を濾去して使用してもよい。この場合、濾液はそのまま、または所望により濃縮、乾固または凍結乾燥した後、健康食品または医薬品原料として使用することができる。
【0008】
「分画物」は、前記抽出操作後の抽出溶媒中の成分または抽出操作後、溶媒を留去し、残留物をさらに他の溶媒に溶解した溶液中の成分を、クロマトグラフィーにより分画し、集められた画分を所望により濃縮、乾固または凍結乾燥したものであり得る。クロマトグラフィーは、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーであり得る。充填剤は、シリカゲル、ODSまたはHP−20等のポリマーであり、溶出溶媒は、水、有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類またはそれらの混合物であり得る。
本発明の分画物は、好ましくは、充填剤としてHP−20を使用し、水−メタノール混合溶媒により、メタノールの濃度を増しながら展開し、メタノール90〜100%、特にメタノール100%で得られる画分である。
前記抽出物及び分画物は、所望により滅菌した後に、医薬品原料として使用し得る。
本発明は、上記分画物、特にメタノール100%の画分をさらに分離、精製し、活性物質の構造解析をすることにより解明される構造を有する化合物及びその誘導体を含む健康食品及び医薬品組成物にも関する。
【0009】
(健康食品)
「健康食品」は、エキス剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、錠剤、液剤、浸剤、煎剤、トローチ剤、流エキス剤等の形態であってもよい。これらは当該分野で知られている方法により製剤化することができる。これらの製剤の形態の健康食品は、下記で医薬組成物について列挙した補助剤を含有することができる。
【0010】
また、本発明の健康食品は、一般加工食品等の食品にトクサ科植物またはその抽出物もしくは分画物を添加した食品、いわゆる機能性食品であってもよい。そのような食品としては、例えば、上記トクサ科植物、またはそれらの抽出物もしくは分画物を添加した飴、ガム、ゼリー、ビスケット、クッキー、煎餅、パン、麺、魚肉・畜肉練製品、茶、清涼飲料、コーヒー飲料、乳飲料、乳清飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン等が挙げられる。さらに、本発明の健康食品は、前記トクサ科植物及びその他の材料を飲用アルコールに漬けた健康酒をも含む。また、トクサ科植物を生、乾燥、また加熱(茹でる、醤油、砂糖、アミノ酸等の調味料と共に煮るもしくは油で炒める場合を含む)した状態で含む健康食品も含まれる。
そのような機能性食品である場合は、各々の食品原料にトクサ科植物またはその抽出物もしくは分画物の所要量を添加すること以外は、その加工食品の通常の製造方法により製造することができる。この場合、トクサ科植物の配合量は、添加する食品により異なるが、乾燥重量として例えば0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%である。また、トクサ科植物の抽出物または分画物として配合する場合の配合量は、0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%である。
【0011】
本発明の健康食品が健康茶の形態で提供される場合は、半乾燥または乾燥トクサ植物を、長さ5cm以下、好ましくは2cm以下の大きさに切断したもの、または粉末化したものである。この場合、緑茶、紅茶、ウーロン茶、プーアール茶、ハトムギ茶、ドクダミ茶、クワ茶、ムギ茶、ハブ茶等の他の茶葉、健康茶またはその他の材料の一種類またはそれ以上が配合されていてもよい。
【0012】
(医薬組成物)
「医薬組成物」は、有効成分として、上記トクサ科植物またはその抽出物もしくは分画物を含む。剤形は特に限定されないが、例えばエキス剤、カプセル剤、顆粒剤、溶液、乳濁液、懸濁液、散剤、錠剤、液剤、浸剤、煎剤、トローチ剤、流エキス剤、点眼剤、点鼻液、軟膏、クリーム、ローション剤、注射剤、座薬等であり得る。本発明の医薬組成物へのトクサ科植物またはそれらの抽出物もしくは分画物の配合量は剤形により異なるが、例えば、抽出物または分画物である場合、乾燥重量として0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%である。
これらの製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤、希釈剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製剤化される。
投与量は、患者の年齢、体重、状態及び投与経路によるが、例えば成人に経口的に投与する場合の投与量は、例えば、一日に1〜5回、一回当り有効成分量が約10mgから約1000mgとなる量である。
【0013】
本発明の健康食品及び医薬組成物は、アレルギー症状の緩和に使用されるものである。アレルギー症状としては、特に花粉症、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎等の即時型アレルギーのI型に分類されるアレルギー症状が挙げるられる。なお、本発明の健康食品及び医薬組成物は、抗アレルギー作用を有する他の生薬または化合物を含んでいてもよく、さらに、抗アレルギー作用以外の作用を有する成分を含んでいてもよい。
なお、トクサ科植物は、従来より生薬として使用されているため、本発明に使用されるトクサ科植物またはそれらの抽出物もしくは分画物は、安全性が高いと考えられる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。しかしながら、これらは本発明を限定するものではない。
実施例1:
冷凍保存したEquisetum arvense L.の胞子嚢穂を解凍し、水洗し、水気を切った後、その630gを、99%エタノール3リットルで4回、超音波をかけながら抽出した(溶媒温度約25℃、1回30分間)。抽出溶媒を合わせて、減圧濃縮し、粗抽出物を得た。これを、HP-20を充填したカラムを用い、展開溶媒として、メタノール濃度20%、40%、60%、80%、100%のメタノール水溶液、及びアセトンをこの順に用いて、分画し、溶媒を留去し、各々2527mg(メタノール20%画分)、125mg(メタノール40%画分)、139mg(メタノール60%画分)、51mg(メタノール80%画分)、205mg(メタノール100%画分)、101mg(アセトン画分1)、1461mg(アセトン画分2)の画分を得た。
100%メタノール画分は油状であった。
【0015】
実施例2:ラット腹腔内マスト細胞を用いたヒスタミン遊離抑制試験
1)試薬
ヒスタミンの遊離には、Compound48/80(シグマ社製)を用いた。陽性コントロールとしては、インドメタシン(和光純薬製), 097-02471,生化学用)を用いた。全放出物質としては、Triton X-100(Wako)の0.1%PBS溶液を用いた。
【0016】
2)試料調製法
実施例1の上記画分10mgをジメチルスルホキシド(DMSO)100μlに溶解した後、その溶液1μlを分取し、これにDMSO3μl及びPBS396μlを加え、試料溶液とした。Compound 48/80は、保存用溶液を1mg/100mlとなるように調整した後、冷蔵保存し、使用時にPBSで2倍に希釈して用いた。インドメタシンは、2.2mgを0.1%DMSO PBS(10ml)に溶解し、冷凍保存したものを解凍して用いた。Triton X-100はPBS 0.1%溶液として調製したものを用いた。
【0017】
3)ラット腹腔内マスト細胞の採取及び調製
下記の平井らの方法により、7〜8週齢のWistar系の雌のラットの腹腔内マスト細胞を採取し、調製した。
上記ラットを断頭、放血致死後、その腹腔内に冷Tyrode液25mlを注入した。3分間穏やかにマッサージした後、後腹部の毛を除いて開腹し、腹腔内からTyrode液を採取し、遠心管に移した。得られた腹腔液を遠心分離(1000rpm、10分間、4℃)し、遠心上清を除去した。細胞ペレットを再度500μlTyrode液に懸濁し、これをBSA溶液4mlに重層し、10分間静置・氷冷した後、遠心操作(950rpm、20分間、4℃)した。0.2%BSA-Tyrode液に再度懸濁して細胞懸濁液とした。
【0018】
4)ヒスタミン遊離活性の測定
2)で調製した試料溶液20μlと3)で得た細胞懸濁液20μlを合わせ、37℃、10分間水浴上でインキュべートした後、Compound 48/80を10μl添加し、37℃で10分間インキュベートした。さらに、Tyrode液20μlを加え、遠心分離(1500rpm、5分間、4℃)を行い、上清に遊離されるヒスタミンをHPLCにより分離した。
5)陽性コントロールによるマスト細胞からのヒスタミン遊離を抑制する活性の測定
2)で調製したインドメタシン溶液10μlと3)で得た細胞懸濁液10μlを合わせ、37℃で10分間インキュベートした後、これに100μl/mlのホスファチジルセリン10μlを加えて37℃で30分間インキュベートし、さらにCompound 48/80を20μl添加し、37℃で10分間インキュベートした後、遠心分離(1500rpm、5分間、4℃)を行い、上清に遊離されるヒスタミンをHPLCにより分離定量した。
【0019】
6)HPLCの装置および測定条件
カラム:TSK gel Aminopak (直径4.6mm、長さ50mm、東ソー社製)
反応コイル:3mx0.25mm、反応温度:60℃
移動相:H3BO3 12.5g,NaOH2.2g,NaCl234g、25%Briji4ml、クエン酸三ナトリウム・2H2O39.2g、NAC326.3mg/H2O(l):MeOH=4:1)
流速:0.25ml/分
反応試薬:H3BO324.7g、KOH22.4g、25%Briji4ml,OPA268.2mg/l
流速:0.5ml/分
検出(Em:340nm:Ex:450nm)
反応時間:7.93分間
7)活性の測定
ヒスタミンの遊離活性をピーク面積法により測定し、下記式により遊離率及び阻害率を算出した。
遊離率(%)=(Sample−Blank)/(Complete−Blank)×100
阻害率(%)=(1−(Sample−Blank))/(Comp48/80−Blank)×100
式中、Sampleは4)で測定した試料溶液についての値、Blankは細胞をTyrode液のみを用いてインキュベートした時に遊離されるヒスタミン量であり、Completeは0.04%Triton X-100により遊離されるヒスタミン量である。Comp48/80は、細胞懸濁液20μlのみを4)と同様にインキュベートし、10μlのComp48/80を添加した後、4)と同様に処理した時に遊離されるヒスタミン量である。
8)結果
各分画についての結果を下記の表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
表より明らかなように、100%メタノール分画物によるヒスタミン遊離の阻害率が有意に高い。
【0022】
実施例3:ロイコトリエンの放出抑制試験
抗DNP IgE(抗体)を有する細胞(RBL(rat basophilic leukemia)-F8)の入った24穴プレートに、実施例1の各画分を20mM Hepes/DMEMに溶解して表2に示す濃度で調製した溶液180μlを入れ、37℃で30分間インキュベートした後、DNP-BSA(抗原)20μl(終濃度:1μg/ml)を加えた。これを再び37℃で30分間インキュベーションした後、ロイコトリエンを測定した。ロイコトリエンの定量は、Leukotriene C4EIA Kit (Cayman社製)を用いて次のように行った。
ロイコトリエンELISAプレートをLT EIA wash buffer(ロイコトリエン酵素免疫アッセー洗浄バッファー)で2回洗浄した後、各ウェルに上記試料溶液をPBSで三倍希釈した溶液またはLT標準溶液50μlとLTC4AchE(ロイコトリエンC4アセチルコリン酵素)50μlを加えて18時間振盪した。その後、LT EIA洗浄バッファーで5回洗浄した後、Ellman's 試薬と一時間反応させた。AchEで分解されたコリンとEllman's試薬との反応によって生成した物質(黄色)を吸光度415nmで測定した。
濃度既知の標準溶液を用いて検量線を作成し、試料溶液中のロイコトリエン濃度を求めた。
結果を下記の表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
表2より、メタノール100%画分のロイコトリエン放出抑制効果が有意に高いことが明らかである。
【0025】
実施例4:
冷凍保存したEquisetum arvense L.の胞子嚢穂及び胞子茎を解凍し、水洗し、水気を切った後、10分間加熱したものを、下記の量及び投与回数で、スギ花粉症の患者A〜Kに摂取させた。投与期間は、各々症状により約1〜3ヶ月間である。下記の表に示すように全員に症状の改善が見られた。この実施例でも明らかなように、Equisetum arvense L.の胞子嚢穂及び胞子茎、いわゆるツクシは、植物体としてそのまま、所望により乾燥、塩漬、冷凍、加熱(茹でる、醤油、砂糖、アミノ酸等の調味料と共に煮るもしくは油で炒める場合を含む)、破砕、粉砕の処理またはそれらの組み合わせを施して摂取した場合にも花粉症のようなアレルギー症状を著しく改善することが明らかになった。
【0026】
【表3】
【0027】
【発明の効果】
本発明により、アレルギー症状の緩和に画期的な効果を奏する健康食品及び医薬組成物が提供される。
Claims (13)
- スギナ(Equisetum arvense L.)の胞子嚢穂もしくは胞子茎またはその両方の、エタノールもしくはエタノールと水の混合物による抽出物、または該抽出物の分画物を含む健康食品。
- 前記抽出物がエタノール抽出物である請求項1記載の健康食品。
- 前記分画物が、前記抽出物をクロマトグラフィー精製して100%メタノール画分として得られる分画物である請求項1または2記載の健康食品。
- 飴の形態である請求項1〜3のいずれか1項に記載の健康食品。
- ガムの形態である請求項1〜3のいずれか1項に記載の健康食品。
- 清涼飲料水の形態である請求項1〜3のいずれか1項に記載の健康食品。
- アレルギー症状を緩和するための請求項1〜6のいずれか1項に記載の健康食品。
- 花粉症の症状を緩和するための請求項1〜6のいずれか1項に記載の健康食品。
- スギナ(Equisetum arvense L.)の胞子嚢穂もしくは胞子茎またはその両方の、エタノールもしくはエタノールと水の混合物による抽出物、または該抽出物の分画物を含む抗アレルギー剤。
- 前記抽出物がエタノール抽出物である請求項9に記載の抗アレルギー剤。
- 前記分画物が、前記抽出物をクロマトグラフィー精製して100%メタノール画分として得られる分画物である請求項10に記載の抗アレルギー剤。
- 花粉症の治療に使用される請求項9〜11のいずれか1項に記載の抗アレルギー剤。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の健康食品または請求項9〜12のいずれか1項に記載の抗アレルギー剤の製造のためのスギナ(Equisetum arvense L.)の胞子嚢穂もしくは胞子茎またはその両方の、エタノールもしくはエタノールと水の混合物による抽出物、または該抽出物の分画物の使用。
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