JP4533546B2 - デジタルネットワークシステム及びその交換装置 - Google Patents

デジタルネットワークシステム及びその交換装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば複数の交換装置をデジタル専用線を介して接続し、一方の交換装置に接続される内線端末と、他方の交換装置に接続される内線端末との間もしくは他方の交換装置に接続される外線との間を接続して通信を行なうデジタルネットワークシステム及びその交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の構内交換システムは、例えば電話機等の音声通信端末をPBX(Private Branch Exchange)またはボタン電話主装置といった交換装置に内線端末として収容し、これら内線端末と公衆網等の外部通信網との間及び内線端末相互間を交換装置により交換接続して通話可能となるように構成されている。
【0003】
また、複数の交換装置の相互間を専用線で接続して1つの構内交換システムとして構成することも可能となっている。この種のシステムでは、各交換装置ごとに内線間通信や外線発着信を行なえることは勿論のこと、異なる交換装置間での内線通信や異なる交換装置を経由した外線発着信を行なうことができる。
【0004】
しかし、このような発着信制御だけでは不十分なケースも多い。例えば、緊急に電話連絡する必要がある場合、その相手先が市外通話の相手であったり、外国の相手であったりすると、その内線がこのような市外通話や外国通話が許可されていなければ、通話に使用することができない。また、この種の構内交換システムでは、同一のサービスしか提供しておらず、市外通話や外国通話を許可してしまうことは管理上問題となる。
【0005】
なお、この種の構内交換システムにおいて、特開平8−321879号公報及び特開平7−203502号公報に記載されているように、各内線利用者に応じて他の交換装置を経由した外線への発信を規制する制御手順については検討が進んでいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、交換装置相互間を専用線で接続した構内交換システムにおいては、各交換装置でそれぞれ異なるサービス規制を行なっており、システム全体としてのサービス規制については、まだ検討段階であって実現されていないのが現状である。
【0007】
そこで、この発明の目的は、交換装置相互間をデジタル専用線で接続したシステムにあって、システム全体として一貫したサービス規制を行なうことが可能なデジタルネットワークシステム及びその交換装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るデジタルネットワークシステムは、終端に内線端末を接続できる少なくとも1つの内線を収容する交換装置を2以上備え、これら複数の交換装置相互間をデジタル専用線を介して接続したデジタルネットワークシステムであって、複数の交換装置の各々に設けられており、交換装置毎に利用可能なサービス内容を示す情報と、当該サービスを利用するためのシステム共通のネットワーク識別子との対応関係を表すデータを記憶するサービスデータ記憶手段と、他の交換装置におけるサービスを利用するための要求が発生した際に、デジタル専用線上の所定の制御信号中に該当するサービスを利用するためのネットワーク識別子を示す情報を挿入して要求先の交換装置に対しデジタル専用線を介して送信するサービス情報送信手段と、要求先の交換装置において、受信した制御信号中にネットワーク識別子を示す情報が挿入されていた場合に、該ネットワーク識別子に対応するサービス内容を示す情報をサービスデータ記憶手段から参照し、この参照結果に基づき当該サービスを実行するサービス実行手段とを備えるようにしたものである。
【0009】
この発明によれば、交換装置毎に利用可能なサービス内容を示す情報と、当該サービスを利用するためのシステム共通のネットワーク識別子とを対応付けておき、他の交換装置におけるサービスを利用する場合に、該当するサービスを利用するためのネットワーク識別子を示す情報を呼設定信号のような既存の制御信号中に挿入して要求先の交換装置に対しデジタル専用線を介して送信することにより、他の交換装置におけるサービスを利用することが可能となる。
【0010】
このため、例えば様々な交換装置が1つのシステムを共用する場合に、各交換装置毎に利用できるサービスを規制することができる。また、サービス専用の信号ラインを新たに設ける必要がなく、既存の制御信号を利用して簡単に実施できる利点がある。さらに、ネットワーク識別子を示す情報を所定の制御信号に挿入するだけで済むので、各交換装置に他の交換装置におけるサービスを規制するための情報を持たせておく必要がなく、またサービスを要求する際に大容量の情報を送信せずに済み、これによりリアルタイム性を向上できる。
【0011】
また、この発明において、内線端末もしくは複数の内線端末により構成される内線グループ、または外線毎にサービスを利用するためのサービスクラスが割り当てられている場合に、これらサービスクラスと複数のネットワーク識別子との対応関係を表すデータを記憶する第1のサービスクラス記憶手段をさらに具備し、サービス情報送信手段は、他の交換装置におけるサービスを利用するための要求が発生した際に、要求元となる内線端末もしくは内線グループに割り当てられているサービスクラスに対応するネットワーク識別子を示す情報を第1のサービスクラス記憶手段から読み出し、制御信号中に読み出したネットワーク識別子を示す情報を挿入して要求先の交換装置に対しデジタル専用線を介して送信し、サービス実行手段は、要求先の交換装置において、受信した制御信号中にネットワーク識別子を示す情報が挿入されていた場合に、該ネットワーク識別子に対応するサービス内容を示す情報をサービスデータ記憶手段から参照し、この参照結果に基づき当該サービスを実行することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、各内線もしくは各内線グループ毎に割り当てられたサービスクラスとネットワーク識別子とを対応付けるとともに、他の交換装置におけるサービスを利用する場合に、要求元のサービスクラスに対応するネットワーク識別子を示す情報をデジタル専用線上の呼設定信号のような既存の制御信号中に挿入して相手先に対しサービスを要求し実行することが可能となる。
【0013】
このため、例えば様々な利用者が1つのシステムを共用する場合に、システム全体として各利用者毎に利用できるサービスを限定することができ、これにより各利用者ごとの課金処理等を明確化することができる。
【0014】
また、この発明において、内線に割り当てられた着信番号もしくは内線グループに割り当てられた着信番号グループ毎にサービスを利用するためのサービスクラスが割り当てられている場合に、これらサービスクラスと前記複数のネットワーク識別子との対応関係を表すデータを記憶する第2のサービスクラス記憶手段をさらに具備し、サービス情報送信手段は、他の交換装置におけるサービスを利用するための要求が発生した際に、要求元から到来した着信番号もしくは着信番号グループに割り当てられているサービスクラスに対応するネットワーク識別子を示す情報を第2のサービスクラス記憶手段から読み出し、制御信号中に読み出したネットワーク識別子を示す情報を挿入して要求先の交換装置に対しデジタル専用線を介して送信し、サービス実行手段は、要求先の交換装置において、受信した制御信号中にネットワーク識別子を示す情報が挿入されていた場合に、該ネットワーク識別子に対応するサービス内容を示す情報をサービスデータ記憶手段から参照し、この参照結果に基づき当該サービスを実行することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、着信番号もしくは着信番号グループに割り当てられたサービスクラスとネットワーク識別子とを対応づけておくことにより、例えば公衆網に接続された端末からの着信があり、かつサービスを利用したい交換装置が指定された場合に、当該要求元端末において、サービスクラスに応じたサービスを利用できる。従って、着信番号に該当するサービスクラスに応じたサービスを外部端末装置にて利用できる。
【0016】
また、この発明において、内線もしくは内線グループの呼伝達能力、または外線毎にサービスを利用するためのサービスクラスが割り当てられている場合に、これらサービスクラスと前記複数のネットワーク識別子との対応関係を表すデータを記憶する第3のサービスクラス記憶手段をさらに具備し、サービス情報送信手段は、他の交換装置におけるサービスを利用するための要求が発生した際に、要求元の呼伝達能力に割り当てられているサービスクラスに対応するネットワーク識別子を示す情報を第3のサービスクラス記憶手段から読み出し、制御信号中に読み出したネットワーク識別子を示す情報を挿入して要求先の交換装置に対しデジタル専用線を介して送信し、サービス実行手段は、要求先の交換装置において、受信した制御信号中の拡張情報領域にネットワーク識別子を示す情報が挿入されていた場合に、該ネットワーク識別子に対応するサービス内容を示す情報をサービスデータ記憶手段から参照し、この参照結果に基づき当該サービスを実行することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、内線もしくは内線グループ、または外線の呼伝達能力に割り当てられたサービスクラスとネットワーク識別子とを対応付けておくことにより、システム全体として伝達能力毎におけるサービス規制を行なうことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わるデジタルネットワークシステムの概略構成図である。
【0020】
このデジタルネットワークシステムは、同図に示すように、交換装置1〜5を備え、これら交換装置1〜5相互間をデジタル専用線で接続している。これら交換装置1〜5は、それぞれ内線端末T11〜T1i,T21〜T2j,T31,T41〜T4k,T51〜T5mを内線を介して収容している。また、交換装置2,4は、それぞれ公衆網NWに接続されている。
【0021】
次に、上記交換装置1〜5の具体的構成について図2を参照して詳細に説明する。なお、ここでは、交換装置2を代表して説明する。
【0022】
交換装置2は、局線インタフェースユニット11と、内線インタフェースユニット12と、デジタル専用線インタフェースユニット13と、制御ユニット14とを備え、これらは音声バス15及び制御バス16を介して相互に接続されている。
【0023】
局線インタフェースユニット11には、局線が必要に応じて接続される。局線インタフェースユニット11は、接続された局線に関する局線インタフェース動作を行なう。局線インタフェース動作とは、公衆網NWへの発信信号の送信や公衆網NWからの着信信号の検出などである。また、局線インタフェースユニット11は、上記局線インタフェース動作に係わる種々の制御情報の授受を、制御バス16を介して制御ユニット14との間で行なう。
【0024】
内線インタフェースユニット12には、複数の内線が必要に応じて接続される。内線インタフェースユニット12は、接続された内線に関する内線インタフェース動作を行なう。内線インタフェース動作は、各内線への着信信号の送出や各内線からの発信信号の検出などである。また、内線インタフェースユニット12は、上記内線インタフェース動作に係わる種々の制御情報の授受を、制御バス16を介して制御ユニット14との間で行なう。
【0025】
デジタル専用線インタフェースユニット13には、デジタル専用線が必要に応じて接続される。専用線インタフェースユニット13は、接続されたデジタル専用線に関する専用線インタフェース動作を行なう。専用線インタフェース動作は、デジタル専用線への発信信号の送信やデジタル専用線からの着信信号の検出などである。また、専用線インタフェースユニット13は、上記専用線インタフェース動作に係わる種々の制御情報の授受を、制御バス16を介して制御ユニット14との間で行なう。
【0026】
制御ユニット14は、サブ制御部141と、主制御部142と、記憶部143と、タイムスイッチ144とを備え、各回路はマイコンバス145を介して相互に接続されている。
【0027】
サブ制御部141は、制御バス16とマイコンバス145との間での制御情報の授受を行なう。主制御部142は、記憶部143に記憶された制御プログラムに基づいて、交換装置2内の全体の制御を実行する。記憶部143は、主制御部142が処理を実行する際にデータを記憶するものであり、特に交換動作の際の各種データ等が記憶される。
【0028】
タイムスイッチ144は、主制御部142の指示に従い、上記局線インタフェースユニット11と、内線インタフェースユニット12と、デジタル専用線インタフェースユニット13との間で音声バス15を介して伝送されるデジタル信号のチャネル交換を行なう。
【0029】
ところで、この実施形態では、記憶部143に、サービスグループ識別子テーブル143aと、ネットワークグループ識別子変換テーブル143bと、サービス内容決定テーブル143cとを設けている。
【0030】
サービスグループ識別子テーブル143aには、図3に示すように、内線端末T21〜T2j,外線AT1,AT2と、サービス等級としてのローカル用サービスグループ識別子との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0031】
ネットワークグループ識別子変換テーブル143bには、図4に示すように、ローカル用サービスグループ識別子と、システム共通のネットワーク用サービスグループ識別子との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0032】
サービス内容決定テーブル143cには、図5に示すように、ローカル用サービスグループ識別子別に利用可能なサービス内容を示す情報が記憶されている。このサービス内容としてはサービス名の項に示すように、例えば「局線自動発信」、「国際発信」、「固定短縮ダイヤル」、「話中割込」、「LCR」、「呼返し」、「キャンプオン」、「着信拒否」、「アカウントコード」、「Call Pick Up」、「DNDの乗り越え」、「Emagency Page」等のサービスがあり、これらをサービスグループ識別子別に、利用可能な範囲を定めている。
【0033】
これに対し、主制御部142は、サービス情報送信手段142aと、サービス実行制御手段142bとを備えている。
【0034】
サービス情報送信手段142aは、例えば交換装置4への発信要求が生じた場合に、発信元となる例えば内線端末T23に割り当てられたローカル用サービスグループ識別子「1」をサービスグループ識別子テーブル143aから参照するとともに、このローカル用サービスグループ識別子「1」に対応するネットワーク用サービスグループ識別子「3」をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから読み出し、送信する呼設定信号中の拡張情報領域に該ネットワーク用サービスグループ識別子「3」を示す情報を挿入して送信する。なお、この呼設定信号のフォーマットの一例を図6に示す。また、プロトコル識別子領域にはデジタル専用線上で定義されるQSIGプロトコルを示す情報が挿入され、呼識別子領域には音声であるかデータであるかを識別するための情報が挿入され、呼種別領域には例えば通信確立要求を示す識別情報が挿入され、相手先識別情報領域には相手先の電話番号が挿入される。
【0035】
サービス実行制御手段142bは、デジタル専用線を介して呼設定信号を受信した場合に、この呼設定信号の拡張情報領域にネットワーク用サービスグループ識別子が挿入されているか否かを判定する。そして、例えばネットワーク用サービスグループ識別子「5」が挿入されていれば、このネットワーク用サービスグループ識別子「5」に対応するローカル用サービスグループ識別子「3」をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから参照し、この参照結果に基づきローカル用サービスグループ識別子「3」に対応するサービス内容をサービス内容決定テーブル143cから参照し、この参照結果に基づき要求元におけるサービスに関する制御を実行する。
【0036】
次に、以上のように構成されたシステムの動作について説明する。
(1)デジタル専用線を使用した公衆網への発信動作
いま、例えば内線端末T22のユーザが、自端末により交換装置4を指定して公衆網NWに対する発信操作を行なったとする。すると、その発信番号信号は交換装置2の内線インタフェースユニット12で検出されて、制御バス16を介して主制御部142に通知される。なお、交換装置4に番号「301」が割り当てられていたとすると、その発信番号は「7001(特番)−301−相手先の電話番号」となる。
【0037】
主制御部142は、図7に示すようにステップST1でこの発信番号信号を検出するとステップST2に移行し、ここで先ず上記発信元の内線端末T22がデジタル専用線を使用する交換サービスを要求しているか否かを、図示しない判定テーブルをもとに判定する。そして、要求された交換サービスがデジタル専用線を使用するサービスだったとすると、次にステップST3に移行する。なお、上記判定の結果、要求された交換サービスがデジタル専用線を使用しない通常のサービスだった場合には、通常の発信処理を実行する。
【0038】
主制御部142は、ステップST3で、内線端末T22に対応するローカル用サービスグループ識別子「3」をサービスグループ識別子テーブル143aの記憶内容から参照するとともに、このローカル用サービスグループ識別子「3」に対応するネットワーク用サービスグループ識別子「5」をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから読み出し、ステップST4で、送信する呼設定信号中の相手先識別情報領域に相手先の電話番号を挿入するとともに、拡張情報領域に該ネットワーク用サービスグループ識別子「5」を示す情報を挿入して、デジタル専用線及び交換装置3を介して交換装置4へ送信する。
【0039】
なお、交換装置4において、ネットワークグループ識別子変換テーブル143bには図8に示すような対応関係を示すデータが記憶されており、サービス内容決定テーブル143cには図9に示すようなデータが記憶されている。
【0040】
交換装置4の主制御部142は、呼設定信号が交換装置4に到来した場合に、先ずこの信号の相手先識別情報領域に通常の相手先の電話番号が挿入されているかを判定し、相手先が外線であることが判定された場合に、続いて拡張情報領域にネットワーク用サービスグループ識別子が挿入されているかを判定する。そして、ネットワーク用サービスグループ識別子が挿入されていれば、該ネットワーク用サービスグループ識別子「5」に対応するローカル用サービスグループ識別子「3」をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから参照し(ステップST5)、続いてローカル用サービスグループ識別子「3」に応じたサービス内容をサービス内容決定テーブル143cから参照する。この参照結果に基づき外線発信が許可されているか否かを判定する(ステップST6)。
【0041】
ここでは、外線発信が許可されているので、交換装置4は、ステップST7で、公衆網NWへの発信処理を実行する。なお、外線発信が許可されていない場合には、交換装置2へ呼解放信号を送信する(ステップST8)。
【0042】
デジタル専用線を使用した内線間通信動作
いま、内線端末T22,T23間で内線音声通信が行なわれているものとする。この状態で、内線端末T22においてユーザが、自端末から内線端末T41への通信の転送を要求する操作を行なったとする。そうすると、その要求信号は交換装置2の内線インタフェースユニット12で検出されて、制御バス16を介して主制御部142に通知される。
【0043】
主制御部142は、図10に示すようにステップST11でこの要求信号を検出するとステップST12に移行し、内線端末T23との間の通信リンクを保持したまま、要求元の内線端末T22がデジタル専用線を使用する交換サービスを要求しているか否かを、図示しない判定テーブルをもとに判定する。そして、要求された交換サービスがデジタル専用線を使用するサービスだったとすると、次にステップST13に移行する。なお、上記判定の結果、要求された交換サービスがデジタル専用線を使用しない通常のサービスだった場合には、通常の転送処理を実行する。
【0044】
主制御部142は、ステップST13で、内線端末T22に対応するローカル用サービスグループ識別子「3」をサービスグループ識別子テーブル143aから読み出すとともに、このローカル用サービスグループ識別子「3」に対応するネットワーク用サービスグループ識別子「5」をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから読み出し、ステップST4で、送信する呼設定信号中の相手先識別情報領域に相手先の電話番号を挿入するとともに、拡張情報領域に該ネットワーク用サービスグループ識別子「5」を示す情報を挿入して、デジタル専用線及び交換装置3を介して交換装置4へ送信する。
【0045】
交換装置4の主制御部142は、呼設定信号が交換装置4に到来した場合に、先ずこの信号の相手先識別情報領域に通常の相手先の電話番号が挿入されているかを判定し、相手先が内線端末41であることが判定された場合に、続いて拡張情報領域にネットワーク用サービスグループ識別子が挿入されているかを判定する。そして、ネットワーク用サービスグループ識別子が挿入されていれば、該ネットワーク用サービスグループ識別子「5」に対応するローカル用サービスグループ識別子「3」をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから参照し(ステップST15)、続いてローカル用サービスグループ識別子「3」に応じたサービス内容をサービス内容決定テーブル143cから参照する。この参照結果に基づき話中転送が許可されているか否かを判定する(ステップST16)。
【0046】
ここでは、話中転送が許可されているので、交換装置4は、ステップST17で、上記内線端末T41と保留中の上記内線端末T22とを接続する。なお、話中転送が許可されていない場合には、交換装置2へ転送不可通知を送信する(ステップST18)。
【0047】
以上述べたように上記第1の実施形態であれば、交換装置1〜5の各々に、サービスグループ識別子テーブル143aと、ネットワークグループ識別子変換テーブル143bと、サービス内容決定テーブル143cとを設けておき、内線端末T11〜T1i,T21〜T2j,T31,T41〜T4k,T51〜T5m、もしくは公衆網NWからのデジタル専用線を利用したサービス要求に応じて、要求元に割り当てられたネットワーク用サービスグループ識別子を呼設定信号中の拡張情報領域に挿入して相手先の交換装置にデジタル専用線を介して送信し、相手先の交換装置にてネットワークグループ識別子変換テーブル143b及びサービス内容決定テーブル143cそれぞれの記憶内容をもとに要求に応じたサービスに係わる制御を実行するようにしている。
【0048】
従ってこの第1の実施形態によれば、例えば様々な利用者が1つのシステムを共用する場合に、各利用者毎に利用できるサービスを限定することができ、これにより各利用者ごとの課金処理等を明確化することができる。つまり、様々な交換装置が1つのシステムを共用する場合に、システム全体として各交換装置毎に利用できるサービスを規制することができる。
【0049】
さらに、呼設定信号のような既存の制御信号を利用することで、付加サービス専用の信号ラインを新たに設ける必要がなく、簡単に付加サービスを要求し実行することができる。また、各内線または外線毎に設定されたローカル用サービスグループ識別子をシステム共通のネットワーク用サービスグループ識別子に変換して呼設定信号中の拡張情報領域に挿入するだけで済むので、各交換装置1〜5に他の交換装置におけるサービスを規制するための情報を持たせておく必要がなく、またサービスを要求する際に大容量の情報を送信する必要がなく、これによりリアルタイム性を向上できる。
【0050】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は各交換装置1〜5の主制御部142及び記憶部143に関するものである。
【0051】
図11は、サービスグループ識別子テーブル143aの記憶内容の一例を示している。
すなわち、サービスグループ識別子テーブル143aには、着信先番号とローカル用サービスグループ識別子との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0052】
これに対しサービス情報送信手段142aは、デジタル専用線を利用したサービス要求が発生した場合に、公衆網NWから到来した着信番号のローカル用サービスグループ識別子に対応するネットワーク用サービスグループ識別子をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから参照し、この参照結果に基づき該当するネットワーク用サービスグループ識別子を通信相手先に送信すべく呼設定信号中の拡張情報領域に挿入して送信する。
【0053】
サービス実行制御手段142bは、受信した呼設定信号中の拡張情報領域にネットワーク用サービスグループ識別子が挿入されていた場合に、このネットワーク用サービスグループ識別子に対応するローカル用サービスグループ識別子をサービスグループ識別子テーブル143aから参照し、この参照結果に基づき該当するローカル用サービスグループ識別子に対応する利用可能なサービスをサービス内容決定テーブル143cから参照し、この参照結果に基づいてサービスを実行する。
【0054】
次に、上記第2の実施形態におけるシステムの動作について説明する。
いま公衆網NW側の端末ユーザが交換装置2の着信先「1000」に対し発信操作を行ない、かつ交換装置4を指定してサービスを要求する操作を行なったとする。すると、その発信番号信号は局線インタフェースユニット11で検出されて、制御バス16を介して主制御部142に通知される。
【0055】
主制御部142は、通知された発信番号信号から交換装置4を指定したことを特定するとともに、該発信番号信号に含まれる着信先番号「1000」に対応するローカル用サービスグループ識別子「3」をサービスグループ識別子テーブル143aから参照し、さらにこのローカル用グループ識別子「3」に対応するネットワーク用サービスグループ識別子「5」をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから読み出し、呼設定信号中の相手先の電話番号を挿入するとともに、拡張情報領域にネットワーク用サービスグループ識別子「5」を示す情報を挿入して、デジタル専用線及び交換装置3を介して交換装置4へ送信する。
【0056】
交換装置4は、呼設定信号を受信すると、先ずこの信号の相手先識別情報領域に通常の相手先の電話番号が挿入されているかを判定し、相手先の電話番号が挿入されていることが判定された場合に、続いて拡張情報領域にネットワーク用サービスグループ識別子が挿入されているかを判定する。そして、ネットワーク用サービスグループ識別子が挿入されていれば、該ネットワーク用サービスグループ識別子「5」に対応するローカル用サービスグループ識別子「3」をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから参照し、続いてローカル用サービスグループ識別子「3」に応じたサービス内容をサービス内容決定テーブル143cから参照する。この参照結果に基づき呼返しが許可されているか否かを判定し、許可されていれば、公衆網NW側の要求元端末に対し呼返しを実行する。
【0057】
以上のように上記第2の実施形態であれば、着信番号とローカル用サービスグループ識別子とを対応づけておくことにより、公衆網NW側からデジタル専用線を利用したサービス要求が発生した場合に、公衆網NW側の端末において、ローカル用サービスグループ識別子に応じたサービスを利用できる。従って、着信番号に該当するローカル用サービスグループ識別子に応じたサービスを公衆網側の外部端末装置にて利用できる。
【0058】
(第3の実施形態)
この発明の第3の実施形態は各交換装置1〜5の主制御部142及び記憶部143に関するものである。
【0059】
図12は、サービスグループ識別子テーブル143aの記憶内容の一例を示している。
すなわち、サービスグループ識別子テーブル143aには、呼の伝達能力とローカル用サービスグループ識別子との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0060】
これに対しサービス情報送信手段142aは、デジタル専用線を利用したサービス要求が発生した場合に、発信元内線のローカル用サービスグループ識別子に対応するネットワーク用サービスグループ識別子をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから参照し、この参照結果に基づき該当するネットワーク用サービスグループ識別子を通信相手先に送信すべく呼設定信号中の拡張情報領域に挿入して送信する。
【0061】
サービス実行制御手段142bは、受信した呼設定信号中の拡張情報領域にネットワーク用サービスグループ識別子が挿入されていた場合に、このネットワーク用サービスグループ識別子に対応するローカル用サービスグループ識別子をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから参照し、この参照結果に基づき利用可能なサービスをサービス内容決定テーブル143cから参照し、この参照結果に基づいてサービスを実行する。
【0062】
次に、上記第3の実施形態におけるシステムの動作について説明する。
いま、例えば内線端末T22のユーザが、自端末により交換装置4を指定して公衆網NWに対する発信操作を行なったとする。すると、その発信番号信号は交換装置2の内線インタフェースユニット12で検出されて、制御バス16を介して主制御部142に通知される。
【0063】
主制御部142は、この発信番号信号を検出すると、先ず上記発信元の内線端末T22がデジタル専用線を使用する交換サービスを要求しているか否かを、図示しない判定テーブルをもとに判定する。そして、要求された交換サービスがデジタル専用線を使用するサービスだったとすると、内線端末T22は音声端末であるので、対応するローカル用サービスグループ識別子「1」をサービスグループ識別子テーブル143aから参照するとともに、このローカル用サービスグループ識別子「1」に対応するネットワーク用サービスグループ識別子「3」をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから読み出し、送信する呼設定信号中の相手先識別情報領域に相手先の電話番号を挿入するとともに、拡張情報領域に該ネットワーク用サービスグループ識別子「3」を示す情報を挿入して、デジタル専用線及び交換装置3を介して交換装置4へ送信する。
【0064】
交換装置4は、呼設定信号を受信すると、先ずこの信号の相手先識別情報領域に通常の相手先の電話番号が挿入されているかを判定し、相手先が外線であることが判定された場合に、続いて拡張情報領域にネットワーク用サービスグループ識別子が挿入されているかを判定する。そして、ネットワーク用サービスグループ識別子が挿入されていれば、該ネットワーク用サービスグループ識別子「3」に対応するローカル用サービスグループ識別子「1」をネットワークグループ識別子変換テーブル143bから参照し、続いてローカル用サービスグループ識別子「1」に応じたサービス内容をサービス内容決定テーブル143cから参照する。この参照結果に基づき外線発信が許可されているか否かを判定する。ここでは、外線発信が許可されているので、交換装置4は、公衆網NWへの発信処理を実行する。
【0065】
以上のように上記第3の実施形態であれば、内線もしくは外線の呼伝達能力とローカル用サービスグループ識別子とを対応付けておくことにより、伝達能力毎に異なる内容のサービスを提供することが可能となる。
【0066】
(その他の実施形態)
この発明は、上記各実施形態の範囲に限定されるものではない。例えば上記各実施形態では、サービスグループ識別子テーブルに内線端末及び外線とローカル用サービスグループ識別子との対応関係を示すデータを記憶した例について説明したが、例えば複数の内線端末により構成された内線端末グループとローカル用サービスグループ識別子との対応関係を示すデータを記憶するようにしてもよい。
【0067】
また、各実施形態では、サービスグループ識別子テーブルに内線端末及び外線とローカル用サービスグループ識別子との対応関係を示すデータ、着信番号とローカル用サービスグループ識別子との対応関係を示すデータ、伝達能力とローカル用サービスグループ識別子との対応関係を示すデータを別々に記憶する例について説明したが、これらのデータを1つの記憶部に記憶しておくようにしてもよい。このようにすれば、1つの交換装置で使用状況に応じてサービスを利用できるようになる。
【0068】
その他、システム構成や、デジタル専用線の種類、サービス情報送信制御及びサービス実行制御の各々の手順とその内容、各テーブルの記憶内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、交換装置相互間をデジタル専用線で接続したシステムにあって、システム全体として一貫したサービス規制を行なうことが可能なデジタルネットワークシステム及びその交換装置を提供することができる。
【0070】
またこの発明によれば、複数の交換装置それぞれに、他の交換装置におけるサービスの規制情報を持たせることなく、システム全体として一貫したサービス規制を行なうことが可能なデジタルネットワークシステム及びその交換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わるデジタルネットワークシステムの概略構成図。
【図2】図1に示した交換装置の具体的構成を示すブロック図。
【図3】図2に示したサービスグループ識別子テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図4】図2に示したネットワークグループ識別子変換テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図5】図2に示したサービス内容決定テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図6】呼設定信号のフォーマットの一例を示す図。
【図7】図1に示したシステムのデジタル専用線を使用した公衆網への発信動作を説明するために示すフローチャート。
【図8】図1に示した他の交換装置に属するネットワークグループ識別子変換テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図9】図1に示した他の交換装置に属するサービス内容決定テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図10】図1に示したシステムのデジタル専用線を使用した着信転送動作を説明するために示すフローチャート。
【図11】この発明の第2の実施形態に係わるサービスグループ識別子テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図12】この発明の第3の実施形態に係わるサービスグループ識別子テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【符号の説明】
1〜5…交換装置、
11…局線インタフェースユニット、
12…内線インタフェースユニット、
13…デジタル専用線インタフェースユニット、
14…制御ユニット、
15…音声バス、
16…制御バス、
141…サブ制御部、
142…主制御部、
143…記憶部、
144…タイムスイッチ、
145…マイコンバス、
142a…サービス情報送信手段、
142b…サービス実行制御手段、
143a…サービスグループ識別子テーブル、
143b…ネットワークグループ識別子変換テーブル、
143c…サービス内容決定テーブル、
T11〜T1i,T21〜T2j,T31,T41〜T4k,T51〜T5m…内線端末、
NW…公衆網。

Claims (2)

  1. 終端に内線端末を接続できる少なくとも1つの内線を収容する交換装置を2以上備え、これら複数の交換装置相互間をデジタル専用線を介して接続したデジタルネットワークシステムであって、
    前記複数の交換装置の各々に設けられており、前記交換装置毎に利用可能なサービス内容を示す情報と、当該サービスを利用するためのシステム共通のネットワーク用サービスグループ識別子との対応関係を表すデータを記憶するサービスデータ記憶手段と、
    前記複数の交換装置の各々に設けられており、前記内線もしくは内線グループ、または外線の少なくともスピーチ、オーディオ、データを含む呼伝達能力毎にサービスを利用するためのローカル用サービスグループ識別子が割り当てられている場合に、これらローカル用サービスグループ識別子と前記複数のネットワーク用サービスグループ識別子との対応関係を表すデータを記憶するローカル用サービスグループ識別子記憶手段と、
    他の交換装置におけるサービスを利用するための要求が発生した際に、要求元の呼伝達能力に割り当てられているローカル用サービスグループ識別子に対応するネットワーク用サービスグループ識別子を示す情報を前記ローカル用サービスグループ識別子記憶手段から読み出し、前記制御信号中に前記読み出したネットワーク用サービスグループ識別子を示す情報を挿入して要求先の交換装置に対し前記デジタル専用線を介して送信するサービス情報送信手段と、
    要求先の交換装置において、受信した制御信号中に前記ネットワーク用サービスグループ識別子を示す情報が挿入されていた場合に、該ネットワーク用サービスグループ識別子に対応するサービス内容を示す情報を前記サービスデータ記憶手段から参照し、この参照結果に基づき当該サービスを実行するサービス実行手段とを具備することを特徴とするデジタルネットワークシステム。
  2. 終端に内線端末を接続できる少なくとも1つの内線を収容する交換装置を2以上備え、これら複数の交換装置相互間をデジタル専用線を介して接続したデジタルネットワークシステムで使用される交換装置において、
    自装置で利用可能なサービス内容を示す情報と、当該サービスを利用するためのシステム共通のネットワーク用サービスグループ識別子との対応関係を表すデータを記憶するサービスデータ記憶手段と、
    前記内線もしくは内線グループ、または外線の少なくともスピーチ、オーディオ、データを含む呼伝達能力毎にサービスを利用するためのローカル用サービスグループ識別子が割り当てられている場合に、これらローカル用サービスグループ識別子と前記複数のネットワーク用サービスグループ識別子との対応関係を表すデータを記憶するローカル用サービスグループ識別子記憶手段と、
    他の交換装置におけるサービスを利用するための要求が発生した際に、要求元の呼伝達能力に割り当てられているローカル用サービスグループ識別子に対応するネットワーク用サービスグループ識別子を示す情報を前記ローカル用サービスグループ識別子記憶手段から読み出し、前記制御信号中に前記読み出したネットワーク用サービスグループ識別子を示す情報を挿入して要求先の交換装置に対し前記デジタル専用線を介して送信するサービス情報送信手段と、
    他の交換装置からサービスが要求された場合に、受信した制御信号中に前記ネットワーク用サービスグループ識別子を示す情報が挿入されていた場合に、該ネットワーク用サービスグループ識別子に対応するサービス内容を示す情報を前記サービスデータ記憶手段から参照し、この参照結果に基づき当該サービスを実行するサービス実行手段とを具備することを特徴とする交換装置。
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