JP4533299B2 - 乗用型田植機 - Google Patents
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Description
これにより、運転者がクラッチ操作具を操作すると、制御手段により電動モータが操作されて作動部材が直線移動し、作動部材により操作部が操作されて、操作部及び連係機構を介して所望の少数条クラッチが作動及び停止状態に操作される。
特許文献1において、仕様変更を行う場合(例えば少数条クラッチの数を変更したり、少数条クラッチが作動及び停止状態に操作されるタイミングを変更したりする場合)、作動部材そのものを別の作動部材に変更する必要がある。
(構成)
本発明の第1特徴は、乗用型田植機において次のように構成することにある。
苗を田面に植え付ける植付アームを植付条に応じて左右方向に所定間隔を置いて苗植付装置に配置して、少数の植付アームを作動及び停止操作自在な少数条クラッチを複数個備える。回転自在に支持された操作軸と、操作軸に取り付けられた複数のカム部材と、操作軸を回転駆動する電動モータと、複数のカム部材の各々に接当する複数の操作部と、操作部と少数条クラッチとを機械的に連係する連係機構と、人為的に操作されるクラッチ操作具とを備えて、クラッチ操作具の操作に基づいて、電動モータにより操作軸及びカム部材を回転駆動し、カム部材により操作部を操作して、操作部及び連係機構を介して所望の少数条クラッチを作動及び停止状態に操作する制御手段を備える。操作軸の断面を異径状に構成し、カム部材のボス部の開口形状を操作軸の断面と同形状に構成して、操作軸をカム部材のボス部に所定位相で挿入することにより、カム部材を操作軸に所定位相で回転不能な状態に取付可能、且つ、操作軸をカム部材のボス部に所定位相とは異なる位相で挿入することにより、カム部材を操作軸に所定位相とは異なる位相で回転不能な状態に取付可能に構成する。複数のカム部材とカム部材の各々に接当する複数の操作部とを苗のせ台に対して取り付けるブラケットを、苗のせ台の左右方向で離れた箇所に配備し、操作軸を離れた箇所の左右のブラケット同士の間にわたる状態に配備して、夫々のブラケット部分に備えられたカム部材同士を操作軸で連動させるように構成してある。
本発明の第1特徴によると、操作軸に沿って複数のカム部材を備え、複数のカム部材の各々に複数の操作部を接当させており、電動モータにより操作軸及びカム部材を回転駆動して、カム部材により操作部を操作している。このように操作軸を長手方向に沿って直線移動させるのに比べて、操作軸を回転駆動することによって操作部を操作するように構成した場合、操作軸及びカム部材を配置する為のスペースが小さなものとなる。
これによって、操作軸をカム部材のボス部に所定位相で挿入することにより、カム部材を操作軸に所定位相で回転不能な状態に取り付けることができ、操作軸をカム部材のボス部に別の所定位相で挿入することにより、カム部材を操作軸に別の所定位相で回転不能な状態に取り付けることができるのであり、このようにして操作軸にカム部材を所望の所定位相で取り付けることができる。操作軸を所望の個数のカム部材のボス部に挿入することにより、操作軸に取り付けられるカム部材の個数を任意に設定することもできる。
このように操作軸に対してカム部材を所望の所定位相で取り付けることができる点や、操作軸に取り付けられるカム部材の個数を任意に設定することができる点により、操作軸やカム部材を別のものに変更する必要なしに、仕様変更(例えば少数条クラッチの数を変更したり、少数条クラッチが作動及び停止状態に操作されるタイミングを変更したりする場合)に容易に対応することができる。
本発明の第1特徴によると、乗用型田植機において、人為的に操作されるクラッチ操作具の操作に基づいて電動モータにより所望の少数条クラッチが作動及び停止状態に操作されるように構成する場合、操作軸及びカム部材を配置する為のスペースを小さなものにすることができて、全体のコンパクト化を図ることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
苗植付装置が上昇駆動されると、制御手段に優先して全ての少数条クラッチが作動状態に操作されるように、電動モータを作動させる復帰手段を備える。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
一回の植付行程を終了して機体が畦際に達すると、苗植付装置を上昇駆動して畦際での旋回を行う。畦際での旋回が終了すると、苗植付装置を田面に下降駆動して、次の植付行程に入る。一般に所望の少数条クラッチを停止状態に操作して、一回の植付行程を終了した場合、次の植付行程では全ての少数条クラッチを作動状態に操作して通常の植付作業を行うことが多い。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、所望の少数条クラッチを停止状態に操作して、一回の植付行程を終了した場合、所望の少数条クラッチを停止状態に操作した状態で誤って次の植付行程に入ると言うことを避けることができるようになって、乗用型田植機の操作性を良いものにすることができた。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
復帰手段により全ての少数条クラッチが作動状態に操作されることを報知する報知手段を備える。
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第3特徴によると、苗植付装置が上昇駆動されて全ての少数条クラッチが作動状態に操作された状態を、報知手段により運転者に認識させることができる。
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、苗植付装置が上昇駆動されて全ての少数条クラッチが作動状態に操作された状態を運転者に認識させることにより、運転者の誤解に基づく誤操作を防止することができた。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1〜第3特徴の乗用型田植機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
操作軸、カム部材、電動モータ及び操作部を、苗のせ台の前側部に備える。
本発明の第4特徴によると、本発明の第1〜第3特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
少数条クラッチは一般に苗植付装置の下部の伝動ケースに備えられることが多いので、本発明の第4特徴のように、操作軸、カム部材、電動モータ及び操作部を苗のせ台の前側部に備えることにより、操作部と少数条クラッチとが比較的近いものとなり、操作部と少数条クラッチとを機械的に連係する連係機構を、苗のせ台の前側部に沿って容易に配置することができる。
本発明の第4特徴によると、苗植付装置を昇降駆動しても、操作軸、カム部材、電動モータ及び操作部と少数条クラッチとの位置関係に変化はないので、苗植付装置を昇降駆動しても、操作部と少数条クラッチとを機械的に連係する連係機構に無理な負荷が掛かることはない。
本発明の第4特徴によると、本発明の第1〜第3特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[III]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第4特徴によると、操作部と少数条クラッチとを機械的に連係する連係機構を苗のせ台の前側部に沿って容易に配置することができる点、及び苗植付装置を昇降駆動しても、操作部と少数条クラッチとを機械的に連係する連係機構に無理な負荷が掛かることがない点により、連係機構の配置に関する構造の簡素化及び連係機構の耐久性の向上と言う面で有利なものとなった。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第4特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
第1苗のせ台部分と第1苗のせ台部分から分離される第2苗のせ台部分とを備えて、苗のせ台を植付作業状態よりも横幅の狭い非植付作業状態に変更自在に構成する。操作軸、カム部材、電動モータ及び操作部を、第1苗のせ台部分の前側部に備える。
本発明の第5特徴によると、本発明の第4特徴と同様に前項[I]〜[IV]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
乗用型田植機において8条植型式等のように比較的大きな苗植付装置では、第1苗のせ台部分と、第1苗のせ台部分から分離される第2苗のせ台部分とを備えて、苗のせ台を植付作業状態よりも横幅の狭い非植付作業状態に変更自在に構成し、乗用型田植機をトラックの荷台に載せる際に苗のせ台が邪魔にならないようにしたものがある。
本発明の第5特徴によると、前述のように苗のせ台を変更自在に構成した場合に、操作軸、カム部材、電動モータ及び操作部を第1苗のせ台部分の前側部に備えているので、第2苗のせ台部分を分離した際に、操作部と少数条クラッチとを機械的に連係する連係機構に無理な負荷が掛かることはない。
本発明の第5特徴によると、本発明の第4特徴と同様に前項[I]〜[IV]に記載の「発明の効果」を備えておりこれに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第5特徴によると、苗のせ台を変更自在に構成した場合、操作部と少数条クラッチとを機械的に連係する連係機構に無理な負荷が掛かることがないので、連係機構の耐久性の向上と言う面で有利なものとなった。
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第1〜第5特徴の乗用型田植機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
肥料を貯留するホッパーと、ホッパーの肥料を少数条クラッチに対応する植付条に供給可能な複数の繰り出し部と、繰り出し部を作動及び停止操作自在な施肥クラッチとを備える。少数条クラッチが作動及び停止状態に操作されると、これに連動して少数条クラッチの植付条に対応する施肥クラッチを作動及び停止状態に操作するように、制御手段を構成する。
本発明の第6特徴によると、本発明の第1〜第5特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[V]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
乗用型田植機では、肥料を貯留するホッパー、ホッパーの肥料を少数条クラッチに対応する植付条に供給可能な複数の繰り出し部、繰り出し部を作動及び停止操作自在な施肥クラッチを備えて、植付作業に伴って植付条の隣に肥料を供給するように構成したものがある。
本発明の第6特徴によると、本発明の第1〜第5特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[V]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第6特徴によると、ホッパー、繰り出し部及び施肥クラッチを備えた場合、植付アームと繰り出し部とを適切に連係された状態とすることができて、乗用型田植機の操作性を良いものにすることができた。
(構成)
本発明の第7特徴は、本発明の第6特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
制御手段に優先して、全ての施肥クラッチを停止状態に操作可能な施肥停止手段を備える。
本発明の第7特徴によると、本発明の第6特徴と同様に前項[I]〜[VI]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
乗用型田植機において、前項[VI]に記載のホッパー、繰り出し部及び施肥クラッチを備えた場合、一つの圃場では植付作業及び肥料の供給作業の両方を行ったり、別の圃場では植付作業は行うが、肥料の供給は全く行わないと言うようなことがある。
本発明の第7特徴によると、前述のように植付作業は行うが、肥料の供給は全く行わないと言うような圃場において、施肥停止手段により全ての施肥クラッチを停止状態に操作しておけばよい。これにより、制御手段により少数条クラッチを作動及び停止状態に操作しても、制御手段に優先して全ての施肥クラッチは停止状態に操作されている。
本発明の第7特徴によると、本発明の第6特徴と同様に前項[I]〜[VI]に記載の「発明の効果」を備えておりこれに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第7特徴によると、少数条クラッチを作動及び停止状態に操作しても、これに関係なく全ての施肥クラッチを停止状態に操作しておくことができるようになり、植付作業は行うが、肥料の供給は全く行わないと言うような圃場において、乗用型田植機の操作性を良いものにすることができた。
(構成)
本発明の第8特徴は、本発明の第7特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
施肥停止手段により全ての施肥クラッチが停止状態に操作されたことを報知する施肥停止報知手段を備える。
本発明の第8特徴によると、本発明の第7特徴と同様に前項[I]〜[VII]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第8特徴によると、施肥停止手段により制御手段に優先して全ての施肥クラッチを停止状態に操作された状態を、施肥停止報知手段により運転者に認識させることができる。
本発明の第8特徴によると、本発明の第7特徴と同様に、前項[I]〜[VII]に記載の「発明の効果」を備えており,これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第8特徴によると、施肥停止手段により制御手段に優先して全ての施肥クラッチを停止状態に操作された状態を運転者に認識させることにより、運転者の誤解に基づく誤操作を防止することができた。
図1及び図2に示すように、前輪1及び後輪2で支持された機体の前部に、エンジン3及びミッションケース4が備えられ、機体の後部に四連リンク式のリンク機構6が油圧シリンダ14により昇降駆動自在に連結されており、リンク機構6に苗植付装置7が支持されて、乗用型田植機が構成されている。
次に、第1,2,3,4少数条クラッチ19a,19b,19c,19dについて説明する。
図3及び図4に示すように、伝動ケース8における回転ケース9の支持部に、第1〜4少数条クラッチ19a〜19dが右の伝動ケース8から順に備えられている。第1〜4少数条クラッチ19a〜19dは1つの伝動ケース8において、2つの回転ケース9に動力を伝動及び遮断操作して、2つの回転ケース9を作動及び停止操作するものであり、バネ(図示せず)により作動状態に付勢されている。
次に、苗のせ台12及び縦送り機構13、第1,2,3,4縦送りクラッチ24a,24b,24c,24dについて説明する。
図3,4,5,9に示すように、伝動ケース8に亘って支持レール23が支持され、苗のせ台12の下部が支持レール23に沿って左右方向に移動自在に支持されている。支持フレーム16の右及び左側部から上方に右及び左の支持フレーム25が延出され、右及び左の支持フレーム25の上部に亘って支持フレーム26が連結されている。支持フレーム26の複数箇所に固定されたロッド27にローラー28が回転自在に支持され、断面コ字状の支持フレーム29が苗のせ台12の上部の前側部に沿って連結されており、ローラー28が支持フレーム29の内側に挿入されている。これにより、苗のせ台12が支持レール23に沿って左右方向に移動自在に支持されている。
次に、肥料を貯留するホッパー32、ホッパー32の肥料を第1〜4少数条クラッチ19a〜19dに対応する植付条に供給可能な複数の繰り出し部31、繰り出し部31を作動及び停止操作自在な第1,2,3,4施肥クラッチ38a,38b,38c,38dについて説明する。
図1,2,7に示すように、運転座席5の後側に左右方向に沿って支持フレーム30が配置され、2つの植付条に対応した4個の繰り出し部31が支持フレーム30に連結されており、透明樹脂製で肥料を貯留するホッパー32が4個の繰り出し部31に亘って連結されている。植付アーム10によって植え付けられた苗(植付条)の横側に溝を形成する作溝器35が、植付条の各々に対応して8個用意されて接地フロート11に取り付けられており、2個の作溝器35と1個の繰り出し部31とがホース36を介して接続されている。
次に、第1〜4少数条クラッチ19a〜19d及び第1〜4縦送りクラッチ24a〜24dの操作構造について説明する。
図4,5,8,9に示すように、苗のせ台12の第1苗のせ台部分12aにおいて、右から2条目と3条目の苗のせ面の前側部に亘って、コ字状に折り曲げられた右のブラケット42が連結されており、右から4条目と5条目の苗のせ面の前側部に亘って、コ字状に折り曲げられた左のブラケット42が連結されている。
次に、第1〜4少数条クラッチ19a〜19d及び第1〜4縦送りクラッチ24a〜24d、第1〜4施肥クラッチ38a〜38dの操作について説明する。
図1及び図15に示すように、前輪1を操向操作する操縦ハンドル67の下側に、第1,2,3,4停止スイッチ68a,68b,68c,68d(クラッチ操作具に相当)が右側から順に左方に配置されている。第1〜4停止スイッチ68a〜68dはプッシュオン・プッシュオフ型式の押しボタン式に構成されて、第1〜4停止スイッチ68a〜68dにランプ(図示せず)が内装されており、第1〜4停止スイッチ68a〜68dの操作位置が制御装置69(制御手段に相当)に入力されている。制御装置69は後述するように第1〜4停止スイッチ68a〜68dの操作に基づいて、電動モータ43,65を作動操作するのであり、ポテンショメータ49,66の検出信号が制御装置69に入力されている。
前項[6]に記載のように、第1〜4停止スイッチ68a〜68dを押し操作して停止位置に操作した状態(全条停止状態)において、第4停止スイッチ68dを押し操作して作動位置に操作すると、第4停止スイッチ68dのランプが消灯する。これにより、図18(ニ)から図18(ハ)に示すように、電動モータ43により操作軸48及び第1〜4カム部材51〜54が紙面時計方向に所定角度だけ回転駆動されて、第4操作部56dのローラー57が第4カム部材54の第2カム面50cから第1カム面50aに戻り、第4カム部材54により第4操作部56dが下方に揺動操作され、ワイヤ59,61が戻し操作されて、第4少数条クラッチ19d及び第4縦送りクラッチ24dが作動状態に操作される。これと同時に図19(ホ)から図19(ニ)に示すように、電動モータ65により操作軸63及び第1〜4カム部材64a〜64dが紙面時計方向に所定角度だけ回転駆動されて、第4カム部材64dが第4施肥クラッチ38dから離れ、第4施肥クラッチ38dが図17の紙面右方にスライド操作されて作動状態に操作される。
図15に示すように、第1〜4停止スイッチ68a〜68dを押し操作していない状態(第1〜4停止スイッチ68a〜68dのランプが消灯した状態)で、作動位置に操作している状態(全条作動状態)において、第4停止スイッチ68dを押し操作して停止位置に操作すると、第4停止スイッチ68dのランプが点灯する。これにより、図12に示す状態から、電動モータ43により操作軸48及び第1〜4カム部材51〜54が紙面時計方向に所定角度だけ回転駆動されて、第4操作部56dのローラー57が第4カム部材54の第1カム面50bから第2カム面50cに乗り上がり、第4操作部56dが上方に揺動操作され、ワイヤ59,61が引き操作されて、第4少数条クラッチ19d及び第4縦送りクラッチ24dが停止状態に操作される。これと同時に、図19(イ)に示す状態から、電動モータ65により操作軸63及び第1〜4カム部材64a〜64dが紙面時計方向に所定角度だけ回転駆動されて、第4カム部材64dが第4施肥クラッチ38dに接当し、第4施肥クラッチ38dが図17の紙面左方にスライド操作されて停止状態に操作される。
第4少数条クラッチ19d及び第4縦送りクラッチ24d、第4施肥クラッチ38dの停止状態(第3,2,1少数条クラッチ19c,19b,19a及び第3,2,1縦送りクラッチ24c,24b,24a、第3,2,1施肥クラッチ38c,38b,38aの作動状態)、
第4,3少数条クラッチ19d,19c及び第4,3縦送りクラッチ24d,24c、第4,3施肥クラッチ38d,38cの停止状態(第2,1少数条クラッチ19b,19a及び第2,1縦送りクラッチ24b,24a、第2,1施肥クラッチ38b,38aの作動状態)、
第4,3,2少数条クラッチ19d,19c,19b及び第4,3,2縦送りクラッチ24d,24c,24b、第4,3,2施肥クラッチ38d,38c,38bの停止状態(第1少数条クラッチ19a及び第1縦送りクラッチ24a、第1施肥クラッチ38aの作動状態)、
並びに全条停止状態が得られる。
第4,3,2少数条クラッチ19d,19c,19b及び第4,3,2縦送りクラッチ24d,24c,24b、第4,3,2施肥クラッチ38d,38c,38bの停止状態(第1少数条クラッチ19a及び第1縦送りクラッチ24a、第1施肥クラッチ38aの作動状態)、
第4,3少数条クラッチ19d,19c及び第4,3縦送りクラッチ24d,24c、第4,3施肥クラッチ38d,38cの停止状態(第2,1少数条クラッチ19b,19a及び第2,1縦送りクラッチ24b,24a、第2,1施肥クラッチ38b,38aの作動状態)、
第4少数条クラッチ19d及び第4縦送りクラッチ24d、第4施肥クラッチ38dの停止状態(第3,2,1少数条クラッチ19c,19b,19a及び第3,2,1縦送りクラッチ24c,24b,24a、第3,2,1施肥クラッチ38c,38b,38aの作動状態)、
並びに全条作動状態が得られる。
乗用型田植機では一般に、一回の植付行程が終了して機体が畦際に達すると、苗植付装置7を田面から大きく上昇駆動して、操縦ハンドル67により前輪1を操向操作し、機体を畦際で旋回させるのであり、畦際での旋回が終了すると、苗植付装置7を田面に下降駆動して次の植付行程に入る。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、図20に示すように、右及び左のブラケット42に亘ってフレーム76を連結することにより、右及び左のブラケット42の付近の支持強度を高めるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、図15に示す第1〜4停止スイッチ68〜68dに代えて、1本の停止レバー(図示せず)により、第1〜4少数条クラッチ19a〜19d及び第1〜4縦送りクラッチ24a〜24d、第1〜4施肥クラッチ38a〜38dを作動及び停止状態に操作できるように構成してもよい。この場合、停止レバーを操縦ハンドル67の近傍に備えてもよく、運転座席5の右横側(又は左横側)に備えてもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、図10(イ)(ロ)及び図11に示す操作軸48の外面及び第1〜4カム部材51〜54のボス部50dの内面を、スプライン状に形成するのではなく6角状や5角状(異径状に相当)に形成してもよい。
本発明は、8条植型式の苗植付装置7ばかりではなく、10条植型式や6条植型式、5条植型式の苗植付装置7にも適用できる。6条植型式及び5条植型式の苗植付装置7の場合、図6に示すように苗のせ台12を第1及び第2苗のせ台部分12a,12bの2分割構造に構成する必要はなく、6条分の苗のせ面を連結して6条植型式の苗植付装置7の苗のせ台12とし、5条分の苗のせ面を連結して5条植型式の苗植付装置7の苗のせ台12とすればよい。
本発明はホッパー32、繰り出し部31、作溝器35、ホース36及び第1〜4施肥クラッチ38a〜38dを装備しない乗用型田植機にも適用できる。
10 植付アーム
12 苗のせ台
12a 苗のせ台の第1苗のせ台部分
12b 苗のせ台の第2苗のせ台部分
19a,19b,19c,19d 少数条クラッチ
31 繰り出し部
32 ホッパー
38a,38b,38c,38d 施肥クラッチ
43 電動モータ
48 操作軸
50d カム部材のボス部
51,52,53,54 カム部材
56a,56b,56c,56d 操作部
59,61 連係機構
68a,68b,68c,68d クラッチ操作具
69 制御手段
70 報知手段
73 施肥停止手段
74,75 施肥停止報知手段
Claims (8)
- 苗を田面に植え付ける植付アームを植付条に応じて左右方向に所定間隔を置いて苗植付装置に配置して、少数の前記植付アームを作動及び停止操作自在な少数条クラッチを複数個備え、
回転自在に支持された操作軸と、前記操作軸に取り付けられた複数のカム部材と、前記操作軸を回転駆動する電動モータと、前記複数のカム部材の各々に接当する複数の操作部と、前記操作部と少数条クラッチとを機械的に連係する連係機構と、人為的に操作されるクラッチ操作具とを備えて、
前記クラッチ操作具の操作に基づいて、前記電動モータにより操作軸及びカム部材を回転駆動し、前記カム部材により操作部を操作して、前記操作部及び連係機構を介して所望の少数条クラッチを作動及び停止状態に操作する制御手段を備えると共に、
前記操作軸の断面を異径状に構成し、前記カム部材のボス部の開口形状を操作軸の断面と同形状に構成して、前記操作軸をカム部材のボス部に所定位相で挿入することにより、前記カム部材を操作軸に所定位相で回転不能な状態に取付可能、且つ、前記操作軸をカム部材のボス部に所定位相とは異なる位相で挿入することにより、前記カム部材を操作軸に所定位相とは異なる位相で回転不能な状態に取付可能に構成してあり、
前記複数のカム部材とカム部材の各々に接当する複数の操作部とを苗のせ台に対して取り付けるブラケットを、苗のせ台の左右方向で離れた箇所に配備し、前記操作軸を前記離れた箇所の左右のブラケット同士の間にわたる状態に配備して、夫々のブラケット部分に備えられたカム部材同士を前記操作軸で連動させるように構成してある乗用型田植機。 - 前記苗植付装置が上昇駆動されると、前記制御手段に優先して全ての少数条クラッチが作動状態に操作されるように、前記電動モータを作動させる復帰手段を備えてある請求項1に記載の乗用型田植機。
- 前記復帰手段により全ての少数条クラッチが作動状態に操作されることを報知する報知手段を備えてある請求項2に記載の乗用型田植機。
- 前記操作軸、カム部材、電動モータ及び操作部を、苗のせ台の前側部に備えてある請求項1〜3のうちの一つに記載の乗用型田植機。
- 第1苗のせ台部分と、前記第1苗のせ台部分から分離される第2苗のせ台部分とを備えて、前記苗のせ台を植付作業状態よりも横幅の狭い非植付作業状態に変更自在に構成すると共に、
前記操作軸、カム部材、電動モータ及び操作部を、前記第1苗のせ台部分の前側部に備えてある請求項4に記載の乗用型田植機。 - 肥料を貯留するホッパーと、前記ホッパーの肥料を少数条クラッチに対応する植付条に供給可能な複数の繰り出し部と、前記繰り出し部を作動及び停止操作自在な施肥クラッチとを備えて、
前記少数条クラッチが作動及び停止状態に操作されると、これに連動して前記少数条クラッチの植付条に対応する施肥クラッチを作動及び停止状態に操作するように、前記制御手段を構成してある請求項1〜5のうちの一つに記載の乗用型田植機。 - 前記制御手段に優先して全ての施肥クラッチを停止状態に操作可能な施肥停止手段を備えてある請求項6に記載の乗用型田植機。
- 前記施肥停止手段により全ての施肥クラッチが停止状態に操作されたことを報知する施肥停止報知手段を備えてある請求項7に記載の乗用型田植機。
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