JP4532694B2 - 3次元データ取得方法,装置、およびマスク印刷方法、装置 - Google Patents

3次元データ取得方法,装置、およびマスク印刷方法、装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は3次元形状を有する撮像対象物の3次元データ取得方法および装置に関するものであり、特に、取得能率の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
3次元データの取得は、例えば、プリント配線板にクリーム半田を印刷するマスク印刷装置において印刷不良を検出するために行われる。このマスク印刷装置においては、透孔を有するマスクをプリント配線板に重ね、クリーム半田をマスクに沿って移動させつつ透孔に押し込んでプリント配線板に付着させるのであるが、印刷量の不足や印刷位置のずれ等の印刷不良が生ずることがある。そのため、プリント配線板に印刷されたクリーム半田の3次元データを取得し、被印刷剤の量の不足等の印刷不良を検出することが行われるのである。
【0003】
3次元データは、例えば、スリット光源によりクリーム半田に平板状のスリット光を照射するとともに、2次元撮像装置により、クリーム半田のスリット光により照らされた部分を撮像することにより取得される。撮像は、スリット光源を2次元撮像装置およびクリーム半田に対して移動させ、その移動の途中に複数回行われる。照射される光が平板状のスリット光であるため、毎回の撮像により、対象物をスリット光に対応する切断平面によって切断した場合の切断面の外形線に相当する像が得られる。すなわち、プリント配線板の表面のスリット光により照らされた部分の像と、クリーム半田のスリット光により照らされた部分の像とは、撮像面の異なる位置に形成され、両者の位置の相違量からクリーム半田の盛り上がり量(高さ)を取得することができる。そして、複数の撮像により得られる複数の2次元像のデータに基づいて、3次元像データ,クリーム半田の高さの平均値,体積等の3次元データが得られ、その3次元データに基づいて印刷不良が検出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかしながら、スリット光源を2次元撮像装置およびクリーム半田に対して移動させて撮像を行えば、撮像面における像形成位置が撮像毎に変わり、撮像面のどの部分に像が形成されるか不定であるため、撮像面全体について画像処理を行わなければならず、処理に時間がかかる。
この問題は、プリント配線板に印刷されたクリーム半田以外の撮像対象物を、スリット光源および2次元撮像装置を用いて撮像する場合に同様に生ずる。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景とし、能率良く3次元データを取得し得る3次元データ取得方法および装置を提供することを課題としてなされたものであり、本発明によって、プリント基板の表面にマスク印刷された3次元形状の被印刷剤およびその被印刷剤の周辺の前記表面に向かって平板状のスリット光を放射するスリット光源と、前記被印刷剤および前記周辺の表面の前記スリット光により照らされた部分の2次元像を撮像する2次元撮像装置とを、それらスリット光源と2次元撮像装置との両光軸が互いに一定角度で交差するとともに、それら両光軸を含む平面が、前記プリント基板の表面と前記平板状のスリット光との両方と直交する不変の相対位置関係に保ち、かつ、それら不変の相対位置関係に保ったスリット光源および2次元撮像装置と、前記プリント基板とを、そのプリント基板の表面と、前記両光軸を含む平面との両方に平行な相対移動経路に沿って相対移動させ、その相対移動経路に平行な方向に互いに隔たった複数の相対位置の各々において、前記スリット光により照らされた部分の2次元像の撮像を行い、各撮像により得られる画像データのうち、前記スリット光により照らされる部分と、その部分に前記相対移動経路に平行な方向における両側において隣接する限られた両側部分とに対応する画像データを主画像処理部に送る一方、それ以外の画像データは送らず、その送られた画像データの処理を前記主画像処理部に行わせることによって、前記被印刷剤の3次元データを得ることを特徴とする3次元データ取得方法が得られる。
また、本発明によって、(a)プリント基板の表面にマスク印刷された3次元形状の被印刷剤およびその被印刷剤の周辺の前記表面に向かって平板状のスリット光を放射するスリット光源と、(b)被印刷剤およびその被印刷剤の周辺の表面の前記スリット光により照らされた部分の2次元像を撮像する2次元撮像装置と、(c)それらスリット光源と2次元像撮像装置とを、それらスリット光源と2次元像撮像装置との両光軸が互いに交差するとともに、それら光軸を含む平面が、前記プリント基板の表面と前記両光軸を含む平面との両方に平行となる一定の相対位置関係で保持する保持装置と、(d)その保持装置と前記プリント基板とを、前記互いに交差する両光軸を含む平面に平行でかつ前記プリント基板の表面に平行な相対移動経路に沿って相対移動させる相対移動装置と、(e)その相対移動装置による移動中に前記2次元撮像装置による複数回の撮像の各々により得られる画像データを取り込み、取り込んだ画像データのうち、前記スリット光により照らされた部分と、その部分に前記相対移動経路に平行な方向における両側において隣接する限られた両側部分とに対応する画像データを主画像処理部に送出する一方、それ以外の画像データは転送しない画像データ取込部と、(f)その画像データ取込部により送出された画像データの処理を行うことによって、前記被印刷剤の3次元データを取得する主画像処理部とを含むことを特徴とする3次元データ取得装置が得られる。
プリント基板の表面のスリット光により照らされる部分と、被印刷剤のスリット光により照らされる部分との、それらスリット光により照らされる部分の長手方向に直角な方向(スリット光の幅方向であり、相対移動経路に平行な方向)の距離に基づいて、被印刷剤の1つの横断面の形状,寸法が取得され、その1つの横断面の形状,寸法が、相対移動経路に平行な方向に隔たった複数の位置において取得されることにより、それら複数の横断面の形状,寸法に基づいて、被印刷剤の3次元形状を規定する3次元データが取得される。
プリント基板の表面の位置は、被印刷剤の厚さ(プリント基板表面からの高さ)が変わっても一定であるため、スリット光源と2次元撮像装置との相対位置を一定に保って、それらスリット光源および2次元撮像装置と、プリント基板とを、プリント基板に平行な相対移動経路に沿って移動させれば、2次元撮像装置によって得られる画像(スリット光に照らされるプリント基板の表面と被印刷剤の表面との画像であり、全表面像と略称する)のうち、スリット光に照らされるプリント基板の表面の画像(プリント基板表面像と略称する)の位置は一定であり、また、被印刷剤の厚さがマスクの厚さでほぼ決まるため、スリット光に照らされる被印刷剤の表面の画像(被印刷剤表面像と略称する)の位置もほぼ一定である。したがって、2次元撮像装置による撮像によって得られる全表面像の、スリット光の幅方向に直角な方向の位置および大きさはほぼ一定となる。
そこで、本願発明においては、2次元撮像装置の撮像可能領域のうち、全表面像が形成される可能性のある領域に対応する画像データのみを、主画像処理部に送り、その送られた画像データを処理することにより、画像データの転送に要する時間、ならびに主画像処理部における処理に要する時間を共に短縮することとしたのである。
3次元データを取得するためには、上記全表面像の画像データの転送および処理を複数回行うことが必要であり、その回数が多いほど精度の高い3次元データが取得できるため、上記転送および処理に要する時間を短縮し得る効果は実益の大きいものである。
本発明によって、さらに、下記各態様の3次元データ取得方法および3次元データ取得装置得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
なお、以下の項の中には、特許請求の範囲の補正によって、特許請求の範囲に記載の発明ではなくなったものもあるが、特許請求の範囲に記載の発明を理解する上で有用な記載を含んでいるため、そのまま残すこととする。
(1)3次元形状を有する撮像対象物に向かって平板状のスリット光を放射するスリット光源と、撮像対象物の表面の前記スリット光により照らされた部分の2次元像を撮像する2次元撮像装置とを、一定の相対位置関係に保つとともに、それらスリット光源および2次元撮像装置と、前記撮像対象物とを予め定められた相対移動経路に沿って相対移動させ、その相対移動中に、前記スリット光により照らされた部分の2次元像の撮像を複数回行い、それら複数回の撮像結果に基づいて前記撮像対象物の3次元データを得ることを特徴とする3次元データ取得方法。
撮像対象物には、例えば、プリント配線板等の印刷対象材の表面にマスク印刷されたクリーム半田,接着剤等の被印刷剤、BGA(Ball Glid Array )およびCSP(Chip Size Package )等の半田ボールがある。被印刷剤は、マスク印刷の他、ディスペンサ装置等の塗布装置を用いて被印刷材にスポット状に塗布されたものでもよい。撮像対象物はまた、電気部品,プリント配線板に関するものに限らず、他のものでもよい。
撮像は、スリット光源および2次元撮像装置と撮像対象物との相対移動を止めた状態で行ってもよく、移動を止めることなく行ってもよい。
相対移動経路は、例えば、撮像対象物の表面に沿った経路でもよく、 (2)項に記載されているように、撮像対象物が設けられた面に沿った経路でもよい。前者の場合、撮像対象物の表面に予定された凹凸があれば、その予定の凹凸に正確に沿って湾曲あるいは屈曲した経路としてもよく、予定の凹凸の平均を取った直線状の経路としてもよい。
スリット光源と2次元撮像装置とを一定の相対位置関係に保てば、それらの相対位置の変化による撮像対象物の像形成位置の変化がなくなる。そして、相対移動経路を、撮像対象物のスリット光により照らされた部分のうちで目的とする部分の像が、複数回の撮像において、2次元撮像装置の撮像面のほぼ同じ位置に形成されるように決定すれば、撮像面のうちの限られた領域について画像処理を行えばよく、処理時間の短縮が可能になる。ただし、後述の (9)項に記載のスリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルおよびそれに近接するピクセルの画像データについてのみ画像処理を行う場合には、複数回の撮像において、スリット光により照らされた部分の像が2次元撮像装置の撮像面のほぼ同じ位置に形成されるように決定することは不可欠ではない。
(2)前記撮像対象物が、一平面から盛り上がった凸部と、一平面からくぼんだ凹部との少なくとも一方を有する撮像対象物であり、前記予め定められた相対移動経路が前記一平面に平行な直線である (1)項に記載の3次元データ取得方法。
凸部の高さおよび凹部の深さは、ほぼ全体にわたって等しくてもよく、相対移動方向において変化していてもよい。凸部の高さおよび凹部の深さがそれぞれ、撮像対象物全体において等しいのであれば、凸部の表面および凹部の底面の像は、複数回の撮像の各々において撮像面のほぼ同じ位置に形成され、画像処理時間の短縮効果が得られる。凸部の高さおよび凹部の深さが変化していても、複数回の撮像の各々において、一平面の像は撮像面の同じ位置に形成されるため、その分、撮像面のうち、画像処理を行うべき部分が限定され、処理時間を短縮することが可能である。
(3)前記撮像対象物が、プリント基板の表面にマスク印刷された被印刷剤である (1)項または (2)項に記載の3次元データ取得方法。
マスク印刷された被印刷剤は、本来、ほぼ全体に渡って同じ高さであるため、スリット光により照らされた部分の2次元像の高さがほぼ一定となり、本発明の効果を特に有効に享受し得る。
(4)前記被印刷剤が、本来矩形状に印刷されるべきものである (3)項に記載の3次元データ取得方法。
(5)前記相対移動経路が前記矩形状の被印刷剤の長手方向に平行である (4)項に記載の3次元データ取得方法。
相対移動経路を矩形状の被印刷剤の長手方向に選定すれば、得られる2次元像が幅の比較的小さいものとなり、かつ、幅方向の位置がほぼ一定となるため、画像処理時間を効果的に短縮し得る。また、長手形状の被印刷剤は、特に幅および幅方向の位置に精度を要求されるのが普通であるため、相対移動経路を矩形状の被印刷剤の長手方向に選定することはこの点からも有利である。移動経路を長手方向に直角な方向にとって、2次元像を得た場合には、幅寸法および幅方向の位置を精度良く取得することが困難であるからである。
(6)前記2次元撮像装置の撮像領域の一部であって、前記スリット光により照らされた部分の像が存在する可能性があるとして予め定められた領域の画像データの画像処理は行い、それ以外の領域の画像データの画像処理は行わない (1)項ないし (5)項のいずれか一つに記載の3次元データ取得方法。
このように限られた撮像領域の画像データは処理するが、それ以外の撮像領域の画像データは処理しないようにすれば、処理しなくてもよくなる画像データに対応する処理時間を省くことができ、画像処理時間を短縮し得る。
(7)前記画像データの処理を画像処置装置により行うとともに、前記2次元撮像装置からその画像処理装置へ、前記予め定められた領域の画像データは転送するが、それ以外の領域の画像データは転送しない (6)項に記載の3次元データ取得方法。
2次元撮像装置から画像処理装置へ予め定められた領域の画像データが転送されるようにすれば、画像データの処理時間のみならずデータ転送時間も短縮することができる。
(8)前記2次元撮像装置により撮像された画像において、前記スリット光により照らされた部分の像の長手方向と交差する方向に延びる複数の直線の各々に沿って並ぶピクセルのうち、前記スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルを特定する工程を含む (1)項ないし (7)項のいずれか一つに記載の3次元データ取得方法。
例えば、画像データが各ピクセルの明るさを表すデータである場合には、上記「スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセル」は画像の最も明るい部分に対応するピクセルである。スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルの集合が、前記スリット光により照らされた部分の像の幅方向における中央に位置する点の集合に近いとすることは妥当なことであり、このデータの集合として3次元データを得ることも可能である。しかし、次項に記載の処理を行えば、さらに正確な3次元データを得ることができる。
本項の特徴を (6)項の特徴と合わせて採用する場合には、スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルを特定する処理が、予め定められた領域についてのみ行われることとなり、画像処理時間を特に短縮し得る。
それに対して、 (6)項に記載の特徴を合わせて採用しない場合には、スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルを特定する処理を、2次元撮像装置の全撮像領域に関して行うことになる。それでも、従来の画像処理に比較すれば処理時間を短縮し得る。
(9)前記複数の直線の各々の上において、前記スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルとして特定したピクセルの両側に並ぶ予め定められた数のピクセルの画像データについての画像処理を行い、それ以外のピクセルの画像データは画像処理を行わない (8)項に記載の3次元データ取得方法。
本項の特徴を採用すれば、短い画像処理時間で正確な3次元データを取得することができる。
なお、付言すれば、いちいち記載はしないが、方法発明についても、装置発明に関して以下に記載する各特徴を採用することが可能であり、装置発明についても、方法発明に関して以上に記載した各特徴を採用することが可能である。
(10)3次元形状を有する撮像対象物に向かって平板状のスリット光を放射するスリット光源と、
撮像対象物の表面の前記スリット光により照らされた部分の2次元像を撮像する2次元撮像装置と、
それらスリット光源と2次元撮像装置とを一定の相対位置関係で保持する保持装置と、
その保持装置と前記撮像対象物とを予め定められた相対移動経路に沿って相対移動させる相対移動装置と、
その相対移動装置による移動中に前記2次元撮像装置に複数回の撮像を行わせ、それら撮像結果に基づいて前記撮像対象物の3次元データを取得する制御装置と
を含む3次元データ取得装置。
本態様によれば、例えば、 (1)項に記載の3次元データ取得方法を良好に実施し得る。
(11)一平面から盛り上がった凸部と、一平面からくぼんだ凹部との少なくとも一方を有する撮像対象物の3次元データを取得する装置であって、
前記撮像対象物に向かって平板状のスリット光を放射するスリット光源と、
撮像対象物の表面の前記スリット光により照らされた部分の2次元像を撮像する2次元撮像装置と、
それらスリット光源と2次元撮像装置とを一定の相対位置関係で保持する保持装置と、
その保持装置と前記撮像対象物とを前記一平面に平行な方向に相対移動させる相対移動装置と、
その相対移動装置による移動中に前記2次元撮像装置に複数回の撮像を行わせ、それら撮像結果に基づいて前記撮像対象物の3次元データを取得する制御装置と
を含む3次元データ取得装置。
本態様によれば、例えば、 (2)項に記載の3次元データ取得方法を良好に実施し得る。
(12)前記保持装置が、前記スリット光源と前記2次元撮像装置とを、それらの光軸が前記一平面への垂線に対して互いに異なる角度をなし、かつ、互いに交差する相対位置に保持するものである(11)項に記載の3次元データ取得装置。
本態様の特徴によれば、スリット光に照らされる部分からの正反射光が2次元撮像装置に入射することを回避し得るため、正反射光の入射により撮像が妨げられることを回避することができる。なお、スリット光源と前記2次元撮像装置との光軸が互いに直交するようにすれば、スリット光に照らされる部分全体が2次元撮像装置の光軸に直角な平面上に位置することとなるため、2次元撮像装置の焦点をその照らされる部分全体に合わせることができ、好都合である。
(13)前記2次元撮像装置とスリット光源とのいずれか一方が、それの光軸が前記一平面と直交する向きに配設された(11)項または(12)項に記載の3次元データ取得装置。
2次元撮像装置の光軸が前記一平面と直交するようにすれば、比較的長くなることが多い2次元撮像装置が垂直方向に延びることになり、2次元撮像装置の設置スペースの確保が比較的容易となる。また、スリット光源の光軸が前記一平面と直交するようにすれば、スリット光が直角な方向から前記一平面および撮像対象物の表面に入射するため、斜め方向から入射する場合に比較して、スリット光により照らされた部分の幅が狭くなり、その分、シャープな画像を取得することが容易となる。
(14)前記制御装置が、前記3次元データとして前記撮像対象物の3次元像データを得るものである(10)項ないし(13)項のいずれか一つに記載の3次元データ取得装置。
3次元像データがあれば、例えば、撮像対象物の体積等の3次元データを得ることができ、幅や位置等の2次元データも得られる。
(15)前記制御装置が画像処理装置を含み、前記2次元撮像装置が、その2次元撮像装置の撮像領域の一部であって、前記スリット光により照らされた部分の像が存在する可能性があるとして予め定められた領域の画像データは前記画像処理装置に転送するが、それ以外の領域の画像データは転送しない限定データ転送部を備えた(10)項ないし(14)項のいずれか一つに記載の3次元データ取得装置。
本項に記載の3次元データ取得装置は、前記 (7)項に記載の方法の実施に好適である。
(16)前記制御装置が画像処理装置を含み、前記2次元撮像装置が、その2次元撮像装置が撮像した画像において、前記スリット光により照らされた部分の像の長手方向と交差する方向に延びる複数の直線の各々に沿って並ぶピクセルのうち、前記スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルを特定するピクセル特定部を備えた(10)項ないし(15)項のいずれか一つに記載の3次元データ取得装置。
本項に記載の3次元データ取得装置は、前記 (8)項に記載の方法の実施に好適である。
(17)前記2次元撮像装置が、前記複数の直線の各々の上において、前記スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルとして特定したピクセルの両側に並ぶ予め定められた数のピクセルの画像データは前記画像処理装置に転送し、それ以外のピクセルの画像データは画像処理装置に転送しない限定データ転送部を備えた(16)項に記載の3次元データ取得装置。
本項に記載の3次元データ取得装置においては、2次元撮像装置から画像処理装置に転送すべき画像データの量が少なくて済み、転送時間を短縮し得るとともに、画像処理装置において画像処理すべき画像データの量も少なく、処理時間も短縮し得る。
(18)前記2次元撮像装置が、
前記複数の直線の各々の上において、前記スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルとして特定したピクセルの両側に並ぶ予め定められた数のピクセルの画像データを処理することにより、前記スリット光により照らされた部分の幅方向の中央線を特定する中央線特定部と、
その中央線上における画像データを取得する中央線上画像データ取得部と、
それら中央線特定部により特定された中央線のデータおよび中央線上画像データ取得部により取得された中央線上画像データを前記画像処理装置に転送する中央データ転送部とを備えた(16)項に記載の3次元データ取得装置。
本項に記載の3次元データ取得装置においては、2次元撮像装置から画像処理装置に転送すべき画像データの量、および画像処理装置における画像処理量が、(17)項に記載の3次元データ取得装置におけるよりさらに少なくて済む。
【0006】
以上の3次元データ取得方法および装置は、以下のマスク印刷方法およびマスク印刷装置における被印刷剤の検査に良好に使用し得る。
(1)印刷対象材に被印刷剤をマスクを通して印刷する方法であって、
印刷対象材に被印刷剤をマスク印刷する印刷工程と、
その印刷工程において印刷された被印刷剤の検査を行う検査工程と、
その検査工程において、被印刷剤の量が不足であることが発見された場合に、少なくとも不足が発見された部分に、その不足を補う修正印刷を行う修正印刷工程と
を含むマスク印刷方法。
被印刷剤には、例えば、クリーム半田,接着剤等がある。また、印刷対象材には、例えば、プリント配線板や、チップ部品が容器により保持されたパッケージ電気部品であって、リード線を有さないリードレス電気部品の外部に露出した基材等がある。
マスクは、繊維により作られたスクリーンマスクでもよく、スクリーンマスクが金属により補強されたコンビネーションマスクでもよく、金属により作られたステンシルマスクでもよい。
印刷量の不足は、次項に記載されているように、印刷対象材全体に再度、マスク印刷を行うことにより補ってもよく、あるいは、マスクを用いることなく、印刷対象材に部分的に被印刷剤を印刷することができる装置を使用し、印刷量の不足が生じた印刷スポットのみについて被印刷剤を印刷することにより補ってもよい。
検査は印刷対象材に印刷された全部の被印刷剤について行ってもよく、一部のみについて行ってもよい。後者の場合、例えば、被印刷剤の量の不足が生じ易い部分や、印刷対象材毎に無作為に抽出した部分について検査を行うのである。
被印刷剤の不足を補う修正印刷を行えば、被印刷剤の不足を解消することが可能であり、被印刷剤の不足が生じた印刷対象材を不良品としなくて済む。それにより、例えば、印刷対象材がプリント配線板であり、被印刷剤の印刷がプリント回路板製造の1工程として行われる場合、製造ラインから排除されるプリント配線板を低減させることができる。
(2)前記修正印刷工程が、前記印刷対象材全体に再びマスク印刷を行う再印刷工程である (1)項に記載のマスク印刷方法。
マスク印刷と同じ印刷動作の繰返しにより、容易に修正印刷を行うことができる。
(3)前記再印刷工程が前記印刷工程より被印刷剤のマスクの透孔への押込み条件を緩くして行うものである (2)項に記載のマスク印刷方法。
押込み条件は、例えば、押込圧力,押込時間等である。被印刷剤の量は不足しているが、既にある程度は印刷されており、再印刷工程として通常通りの印刷工程を再び実施すれば、印刷量が過剰になり易い。それに対し、本態様によれば、印刷量が過剰になることを良好に回避し得る。
(4)前記検査工程が、前記印刷工程後の印刷対象材の表面を撮像装置により撮像し、取得された画像に基づいて前記被印刷剤の量の不足を発見する工程である (1)項ないし (3)項のいずれか一つに記載のマスク印刷方法。
被印刷剤の量の不足は、種々の態様で現れる。例えば、高さが不足し、あるいは被印刷剤が印刷されるべき部分の少なくとも一部に被印刷剤が印刷されていない欠けが生ずる。
撮像装置は、例えば、 (6)項の3次元データ取得装置に関連して記載されているように、スリット光源と組み合わせて用いられる2次元撮像装置とすることができ、その場合には、上記 (6)項に記載の作用および効果を得ることができる。撮像装置は、例えば、特開平5−50578号公報に記載されているように 、レーザ変位センサにより構成してもよい。レーザ変位センサは、レーザビーム発生器,光学系,反射光集光装置等を含み、レーザビームを被印刷剤に照射し、その反射光に基づいて被印刷剤の像を取得する。撮像時には、レーザ変位センサと被印刷剤とが、相対移動装置により相対移動させられる。撮像装置は、被印刷剤を平面視において撮像する撮像装置でもよい。このような撮像装置でも、被印刷剤の欠けを発見することは可能である。撮像装置と被印刷剤とは、撮像時に必要であれば、相対移動装置により相対移動させる。
(5)前記検査工程が、前記印刷対象材と前記マスクとをそれらの板面に直角な方向に離間させるが、板面に平行な方向には相対移動させないで、印刷対象材とマスクとの間に前記撮像装置を進入させて行われる (4)項に記載のマスク印刷方法。
本態様によれば、印刷対象材とマスクとのそれらの板面に平行な方向の位置を変えることなく、迅速に検査を行うことができる。
(6)前記検査工程が、前記印刷対象材と前記マスクとをそれらの板面に平行な方向に相対移動させ、印刷対象材の上方にはマスクが存在しない状態で行われる (4)項に記載のマスク印刷方法。
本態様によれば、印刷対象材の上方にマスクが存在しない状態で検査を行うことができるため、検査装置の構成,配置等の自由度が高い。
(7)前記修正印刷工程が、前記印刷対象材全体に再びマスク印刷を行う再印刷工程であり、その再印刷工程の前に、印刷対象材と前記マスクとのそれらの板面に平行な方向の相対位置を合わせる再位置合わせ工程が行われる (6)項に記載のマスク印刷方法。
マスク印刷時には、印刷対象材とマスクとはそれらの板面に平行な方向において位置が合わされるが、検査のために両者をそれらの板面に平行な方向に相対移動させれば、再び、マスク印刷を行うべく、印刷位置に戻しても相対位置がずれることがある。そのため、マスク印刷による再印刷に先立って印刷対象材とマスクとの位置合わせを行い、被印刷剤が印刷対象材の印刷スポットに精度良く再印刷されるようにすることが望ましい。
(8)少なくとも前記検査工程で被印刷剤の量の不足が発見された場合に、前記マスクの清掃を行う清掃工程を含む (1)項ないし (7)項のいずれか一つに記載のマスク印刷方法。
被印刷剤の量の不足の原因の一つは、マスクの透孔の孔面への被印刷剤の付着であると考えられる。そのため、マスクの清掃を行えば、付着した被印刷剤を除去し、印刷量の不足の原因を解消することが可能である。マスクの清掃は被印刷剤の量の不足時以外にも行われるようにしてもよい。
(9)前記検査工程が、前記被印刷剤の量の不足以外に、少なくとも1つの別の印刷不良について検査し、印刷不良の種類を特定する工程である (1)項ないし (8)項のいずれか一つに記載のマスク印刷方法。
印刷不良の種類を特定すれば、種類に応じた対策を講ずることができる。
(10)前記別の印刷不良が、被印刷剤の量の過剰と被印刷剤の印刷位置ずれとの少なくとも1つを含む (9)項に記載のマスク印刷方法。
なお、付言すれば、いちいち記載はしないが、方法発明についても、装置発明に関して以下に記載する各特徴を採用することが可能であり、装置発明についても、方法発明に関して記載した上記各特徴を採用することが可能である。
(11)印刷対象材を支持する対象材支持装置と、
その対象材支持装置に支持された印刷対象材に被印刷剤をマスクを通して印刷する印刷装置と、
その印刷装置によって印刷された被印刷剤の検査を行う検査装置と、
その検査装置により、被印刷剤の量が不足であることが発見された場合に、少なくとも不足が発見された部分に、その不足を補う修正印刷を行う修正印刷装置と
を含むマスク印刷装置。
本態様によれば、例えば、 (1)項に記載のマスク印刷方法を良好に実施することができる。
(12)前記検査装置が、印刷装置によって印刷された被印刷剤を撮像する撮像装置を備え、撮像により取得した画像の処理により検査を行うものである(11)項に記載のマスク印刷装置。
撮像装置は、例えば、 (6)項の3次元データ取得装置に関連して記載されているように構成される。
(13)前記対象材支持装置と前記マスクとをそれらの板面に平行な方向に相対移動させてそれらの相対位置合わせを自動で行う相対位置合わせ装置を含む(11)項または(12)項に記載のマスク印刷装置。
発明の実施の形態の項において説明するように、検査をマスク印刷が行われる位置とは別の位置において行う場合に、再印刷に先立って位置合わせを行ってもよく、検査をマスク印刷が行われる位置において行う場合に、再印刷に先立って位置合わせを行ってもよい。
対象材支持装置とマスクとの位置合わせを行うことにより、印刷対象材の印刷スポットに被印刷剤が精度良く印刷される。
(14)前記相対位置合わせ装置が、
前記対象材支持装置に支持された印刷対象材と前記マスクとにそれぞれ設けられた基準マークを撮像する撮像装置と、
その撮像装置により取得された画像に基づいて印刷対象材とマスクとの相対位置ずれを取得する位置ずれ取得装置と
を含む(13)項に記載のマスク印刷装置。
基準マークを撮像する撮像装置は、被印刷剤を撮像する撮像装置と同じでもよく、それとは別の装置でもよい。また、印刷対象材の基準マークとマスクの基準マークとは、それぞれ別々の撮像装置により撮像してもよく、共通の撮像装置により撮像してもよい。後者の場合には、例えば、共通の撮像装置の向きを上下反転させたり、共通の撮像装置に対して2つの光学系を設け、それら2つの光学系が選択的に使用されるようにしたりするのである。
(15)前記修正印刷装置が、前記印刷装置に、前記印刷対象材の全体について再びマスク印刷を行わせる再印刷指令装置を含む(11)項ないし(14)項のいずれか一つに記載のマスク印刷装置。
本態様によれば、例えば、 (2)項に記載のマスク印刷方法を良好に実施することができる。
(16)前記印刷装置が、前記再印刷指令装置により再印刷を指令された場合には、前記マスクの透孔への被印刷剤の押込み条件を緩くする印刷条件緩和装置を含む(15)項に記載のマスク印刷装置。
本態様によれば、例えば、 (3)項に記載のマスク印刷方法を良好に実施することができる。
(17)前記マスクの清掃を自動で行う清掃装置を含む(11)項ないし(16)項のいずれか一つに記載のマスク印刷装置。
清掃装置には種々の態様がある。発明の実施の形態の項において説明するように、印刷対象材とマスクとをそれらの板面に平行な方向に相対移動させることなく、マスクを印刷に用いられる位置に位置決めしたままの状態で清掃する装置としてもよく、あるいは、マスク印刷が行われる位置から外れた位置に設けられ、マスクを印刷位置から外れた位置において清掃する装置としてもよい。後者の場合、清掃の済んだマスクを再度印刷に使用してもよく、別のマスクを印刷に使用し、印刷と並行して清掃を行うようにしてもよい。
本態様によれば、例えば、 (8)項に記載のマスク印刷方法を良好に実施することができる。
(18)少なくとも前記検査装置により前記被印刷剤の不足が発見された場合に、前記清掃装置を作動させる清掃指令装置を含む(17)項に記載のマスク印刷装置。
(19)前記検査装置が、前記印刷装置から前記マスクの板面に平行な方向に隔たった位置に設けられており、かつ、当該マスク印刷装置が、検査装置の検査により被印刷剤の不足が発見された印刷対象材を前記印刷装置へ戻す印刷対象材戻し装置を含む(11)項ないし(18)項のいずれか一つに記載のマスク印刷装置。
印刷対象材戻し装置は、発明の実施の形態の項において説明するように、印刷対象材を印刷が行われる位置へ搬入し、搬出する搬送装置により構成してもよく、あるいは、搬送装置とは別に設けてもよい。
本態様によれば、例えば、 (6)項に記載のマスク印刷方法を良好に実施することができる。相対位置合わせ装置を有していれば、再印刷が精度良く行われる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の実施形態である3次元データ取得装置を備えたマスク印刷装置としてのマスク印刷機が概略的に示されており、符号10はベースである。ベース10上には、印刷対象材としてのプリント基板たるプリント配線板12を搬送する搬送装置たる配線板コンベヤ14,配線板コンベヤ14により搬送されて来たプリント配線板12を支持して昇降する対象材支持装置の一種である対象材支持昇降装置たる配線板支持昇降装置16,配線板支持昇降装置16による配線板支持時にプリント配線板12を押さえる配線板押さえ装置(図示省略),マスク版18を支持するマスク位置決め支持装置20(図3参照),プリント配線板12に被印刷剤の一種であるクリーム半田を印刷する印刷装置22,マスク版18のマスクを清掃するマスク清掃装置24,印刷装置22によってプリント配線板12に印刷されたクリーム半田の検査を行う検査装置26(図8参照),プリント配線板12に設けられた基準マークを撮像する配線板用基準マーク撮像装置28(図8参照),マスクに設けられた基準マークを撮像するマスク用基準マーク撮像装置29(図8参照)等が設けられている。
【0008】
配線板コンベヤ14は、図3に示すように、位置を固定して設けられた固定レール30と、固定レール30と平行に、かつ接近,離間可能に設けられた可動レール32とを有する。これら固定レール30および可動レール32にはそれぞれ、巻掛部材たる無端のベルト(図示省略)が長手方向に沿って取り付けられており、プリント配線板12はこれらベルト上に載置され、ベルトが図示しないベルト駆動装置によって周回させられることにより搬送される。固定レール30と可動レール32との間の距離は、プリント配線板12の寸法に合わせて調節される。プリント配線板12は、図示しないストッパ装置により、搬送方向においてクリーム半田の印刷が行われる印刷位置に停止させられる。ストッパ装置は、プリント配線板12の移動を止める作用位置と、プリント配線板12の搬送を許容する非作用位置とに移動させられるストッパ部材を備え、プリント配線板12は、後述する配線板支持台40の真上の位置において停止させられる。
【0009】
プリント配線板12の搬送方向において配線板コンベヤ14の上流側には、プリント配線板12を配線板コンベヤ14に搬入する搬入コンベヤ34(図10参照)が設けられ、下流側にはプリント配線板12を配線板コンベヤ14から搬出する搬出コンベヤ36(図10参照)が設けられている。これらコンベヤ14,34,36は、プリント配線板12を搬送する搬送装置を構成しており、プリント配線板12を水平方向に搬送する。
【0010】
配線板支持昇降装置16は、図1および図2に示すように、印刷装置22の下方に設けられ、固定レール30と可動レール32との間を通って昇降可能に設けられた対象材支持台たる配線板支持台40を有する。配線板支持台40は、本実施形態においては、負圧によりプリント配線板12を吸着し、水平に支持するものであり、昇降装置42により、配線板コンベヤ14の下方に位置する下降端位置と、プリント配線板12を配線板コンベヤ14のベルトから持ち上げてマスク版18のマスクの下面に接触させる上昇端位置とに昇降させられる。
【0011】
昇降装置42は、配線板支持台40に固定のねじ軸44と、ベース10に回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられたナット46と、ナット46を回転させるサーボモータ(図示省略)とを含む。サーボモータは駆動源の一種である電動モータたる電動回転モータであって、回転角度および回転速度の精度の良い制御が可能なモータである。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。本マスク印刷機において用いられる他のサーボモータについても、いちいち記載はしないが、同じである。サーボモータの回転は図示しない回転伝達装置によってナット46に伝達され、ナット46が回転させられることにより、ねじ軸44が上下方向に移動させられ、配線板支持台40が昇降させられる。配線板支持台40の水平面内において配線板搬送方向に直角な方向の寸法は、プリント配線板12の幅に合わせて調節可能である。
【0012】
配線板コンベヤ14の、ストッパ装置によってプリント配線板12の移動が停止させられる部分には、プリント配線板12を位置決めする位置決め装置が設けられており、前記ストッパ装置により停止させられたプリント配線板12は、位置決め装置により正確に位置決めされる。位置決め装置は、プリント配線板12の板面に平行な方向に隔たった2箇所にそれぞれ昇降可能に設けられた位置決め部材たる位置決めピンを有し、プリント配線板12に設けられた位置決め穴に嵌入することにより、プリント配線板12を位置決めする。位置決めピンは、常には下降端位置にあり、配線板支持台40の上昇に伴って付勢装置、例えばスプリングの付勢により上昇し、プリント配線板12の位置決め穴に嵌入して位置決めする。配線板支持台40が下降端位置に位置する状態では、位置決めピンも下降端位置にあり、配線板コンベヤ14によるプリント配線板12の搬送を妨げない。
【0013】
なお、図示しない配線板押さえ装置は、配線板コンベヤ14とマスク位置決め支持装置20との間に設けられており、板状の配線板押さえ部材を有する。配線板押さえ部材は、プリント配線板12上に位置する押さえ位置と、プリント配線板12上から退避した退避位置とに移動させられる。前記配線板支持台40は、昇降装置42により、上昇端位置および下降端位置の他、プリント配線板12を配線板押さえ部材に押し付け、吸着する吸着位置にも移動させられ、停止させられる。配線板支持台40が上昇し、プリント配線板12を配線板コンベヤ14のベルトからすくい上げるとき、同時に位置決めピンがプリント配線板12の位置決め穴に嵌入して、プリント配線板12を配線板支持台40に対して正確に位置決めする。この位置決め後、配線板支持台40は更に上昇して吸着位置に到達し、プリント配線板12を配線板押さえ部材に押し付けるとともに負圧により吸着する。この際、位置決めピンはまだ、位置決め穴に嵌入したままであり、プリント配線板12は位置決めピンにより位置決めされた状態で配線板支持台40により支持される。配線板支持台40が更に上昇させられれば、位置決めピンは位置決め穴から離脱させられる。プリント配線板12がマスク版18のマスクに接触させられてクリーム半田が印刷されるときには、位置決めピンは位置決め穴から離脱させられているのである。
【0014】
前記マスク版18は、図3に示すように、マスク48の周縁部がマスク枠50の下面に固定されて成る。マスク48は、本実施形態ではステンシルマスクとされており、ニッケル合金,ステンレススチール等により作られている。このマスク48には、厚さ方向に貫通する透孔51が複数、形成されている。本実施形態においては、複数の透孔51はいずれも、マスク48の板面に平行な断面形状が矩形(正方形を含む)をなす。プリント配線板12の一平面状をなす表面49(図5参照)上には、クリーム半田が塗布される複数の印刷スポットがあり、マスク48のそれら印刷スポットに対応する位置にそれぞれ透孔51が形成されている。透孔51は、本実施形態では、上記断面形状である矩形の一方の辺がX軸方向に平行となり、他方がY軸方向に平行となるように形成されている。
【0015】
マスク位置決め支持装置20は、図4および図5に示すように、マスク枠50を支持するマスク支持台52を備えている。マスク支持台52は板状を成し、前記ベース10上に立設された4本の支柱54上に固定されている。マスク支持台52には、図2に示すように厚さ方向に貫通する開口56が形成され、マスク枠50はマスク支持台52の開口56の周縁部により支持されている。
【0016】
マスク支持台52のマスク枠50の4隅に対応する位置にはそれぞれ、図4に示すように、ボールユニット60が設けられている。ボールユニット60は、まだ、未公開であるが、本出願人に係る特願平10−359044号の明細書に記載されたボールユニットと同様に構成されており、簡単に図示および説明する。
【0017】
ボールユニット60は、ユニットケース62(図5参照)内に回転可能に収容されたボール64および付勢手段の一種である弾性部材たるスプリング(図示省略)を含む。マスク版18がマスク支持台52に固定されていない状態では、ボール64はユニットケース62から上方へ突出した突出位置に位置し、マスク版18が載せられるようにされ、マスク版18のマスク支持台52への固定時には、スプリングの付勢力に抗してケース内に引っ込んだ引込位置へ移動し、マスク枠50がマスク48を介して間接にマスク支持台52に接触することを許容する。
【0018】
上記マスク支持台52には、図4および図5に示すように、押圧装置付位置調節装置70および固定装置72が設けられている。これら押圧装置付位置調節装置70および固定装置72は、上記特願平10−359044号の明細書に記載された押圧装置付位置調節装置および固定装置と同様に構成されており、簡単に図示および説明する。
【0019】
押圧装置付位置調節装置70は、マスク版18のマスク支持台52に対するX軸方向(プリント配線板12の搬送方向と平行な方向)の位置を調節するX軸方向用押圧装置付位置調節装置74と、水平面内においてX軸方向と直角なY軸方向の位置を調節するY軸方向用押圧装置付位置調節装置76とを含む。X軸方向用押圧装置付位置調節装置74は、X軸方向位置調節装置78およびX軸方向押圧装置80を含む。X軸方向位置調節装置78は、サーボモータを駆動源とする電動シリンダにより構成された位置調節用シリンダ82と、位置決め部材たる頭部86とを含み、マスク枠50が頭部86に当接させられて位置決めされる。頭部86が位置調節用シリンダ82によってX軸方向に移動させられることにより、マスク枠18のマスク支持台52に対するX軸方向における位置が自動的に調節される。
【0020】
X軸方向押圧装置80は、X軸方向においてX軸方向位置調節装置78と対向して設けられ、エアシリンダにより構成された押圧用シリンダ90と、位置決め部材たる頭部94とを備えている。エアシリンダは、駆動源たる流体圧アクチュエータであって、流体圧シリンダの一種である。本マスク印刷機に設けられた他のエアシリンダについても、いちいち記載はしないが、同じである。頭部94が押圧用シリンダ90によって移動させられることにより、マスク枠18が頭部86に押し付けられる。Y軸方向用押圧装置付位置調節装置76は、X軸方向位置調節装置78およびX軸方向押圧装置80と同様に構成されたY軸方向位置調節装置96およびY軸方向押圧装置98を2組ずつ備えている。なお、図5においては、Y軸方向押圧装置98の図示が省略されている。
【0021】
前記固定装置72は、図4に示すように、4組のクランプユニット102を備えている(図5においては、クランプユニット102は2組、図示されている)。これらクランプユニット102は、マスク支持台52のマスク枠50の4隅にほぼ対応する位置に設けられており、駆動源たる流体圧アクチュエータの一種であって、流体圧シリンダであるエアシリンダ104,図示しないカム装置およびクランプアーム106を含む。クランプアーム106は、エアシリンダ104およびカム装置により、マスク支持台52に対して直角な方向である垂直方向に移動させられるとともに、アーム軸108の軸線まわりに回転させられ、マスク枠50上に位置するとともにマスク枠50をマスク支持台52に押し付けて固定するクランプ位置と、マスク枠50から離間させられるとともに、マスク枠50上から退避した退避位置とに移動させられる。これらマスク支持台52,押圧装置付位置調節装置70および固定装置72等がマスク48のプリント配線板12に対する位置調節が可能なマスク位置決め支持装置20を構成している。なお、クランプアーム106は、垂直方向においてマスク枠50から上方へ離れた状態では、アーム軸108の軸線まわりにおいてマスク枠50から外れた状態となるが、図5においては、クランプユニット102によるマスク枠50のクランプが解除された状態におけるクランプアーム106とマスク枠50との垂直方向の位置関係を明らかにするために、クランプアーム106がマスク枠50から上方へ離れるとともに、マスク枠50の上方に位置する状態が図示されている。
【0022】
印刷装置22を説明する。この印刷装置22は、特開平9−39214号公報に記載のマスク印刷装置と同様に構成されており、簡単に図示および説明する。マスク支持台52上には、図2に示すように、一対のガイドレール120が基板搬送方向たる配線板搬送方向と直角に設けられ、スライド122が移動可能に嵌合されている。スライド122は、マスク支持台52により回転可能かつ軸方向に移動不能に支持されたボールねじ124,スライド122に固定されてボールねじ124に螺合されたナット126,印刷ヘッド移動用サーボモータ(図示省略)を含む駆動装置130により、ガイドレール120に案内されて配線板搬送方向と直角なY軸方向である印刷方向に移動させられる。スライド122,駆動装置130が印刷ヘッド移動装置132を構成し、一対のガイドレール120が案内装置を構成している。
【0023】
スライド122上には、印刷ヘッド134が昇降可能に、かつ配線板搬送方向に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられている。印刷ヘッド134は、スライド122に設けられた印刷ヘッド昇降装置を構成する印刷ヘッド昇降用エアシリンダ136により昇降させられる。印刷ヘッド134は、図6に示すように、接触荷重調節装置を構成する接触荷重調節用エアシリンダ138,回動板140,2個の荷重センサ144および取付部材146を介して印刷ヘッド昇降用エアシリンダ136に取り付けられており、これら荷重センサ144の検出値に基づいて接触荷重調節用エアシリンダ138が制御され、印刷ヘッド134が予め設定された荷重でマスク48に接触させられる。
【0024】
印刷ヘッド134は、被印刷剤収容器たる半田収容器150を含む。半田収容器150の収容器本体152は、本実施形態においては、複数の部材が互いに組み付けられて成り、組付け後は一体の収容器本体152として機能する。収容器本体152は、第1板状部材154,第2板状部材156,第1板状部材154の長手方向における両端面にそれぞれ固定された閉塞板158(図6には一方の端面に固定された閉塞板158のみが図示されている)を有する。これら第1,第2板状部材154,156は、水平面内において印刷方向に直角な方向(マスク位置決め支持装置により位置決め支持されたマスクの幅方向に平行な方向)に長く、これら第1,第2板状部材154,156,閉塞板158により構成されて、マスク幅方向に長い被印刷剤収容室たる半田収容室160内にクリーム半田が収容されている。第1,第2板状部材152,154にはそれぞれ、ゴム製の吐出口形成部材162が着脱可能に固定されている。これら吐出口形成部材162はそれぞれ板状を成し、マスク幅方向に長く、一対の吐出口形成部材162の下縁が半田収容室160に連通する印刷剤吐出口たる半田吐出口164を構成している。
【0025】
第1板状部材154と第2板状部材156との間には、押出部材たる押出プレート170が上下方向に、すなわち半田吐出口164に接近,離間可能に挟まれている。押出プレート170は、取付部材146に保持された駆動源たる流体圧アクチュエータの一種であって、押出部材駆動装置を構成する押出用エアシリンダ172のピストンロッド174に着脱可能に保持されており、ピストンロッド174の伸縮により昇降させられる。押出用エアシリンダ172は複動式のエアシリンダであり、図6に示すように、2個のエア室は電磁方向切換弁176の切換えにより、一方がエア源178に連通し、他方が大気に解放された状態と、一方が大気に開放され、他方がエア源178に連通させられた状態と、2個のエア室がエア源178と大気とのいずれにも連通させられず、エア室内の圧力が保持される状態とに切り換えられる。上側にあって押出プレート170を半田吐出口164側へ移動させる側のエア室に供給されるエアの圧力は押出圧力センサ180により検出され、押出圧力センサ180の検出結果に基づいて制御装置182(図10参照)が電磁方向切換弁176の切換えを制御する。それにより、予め設定された押出圧力で押出プレート170が半田収容室160内のクリーム半田を押し出す高さに押出し側のエア室のエア圧力が制御され、前記マスク48の透孔51にクリーム半田が所定の押込圧力で押し込まれる。これら押出プレート170,押出用エアシリンダ172等が被印刷剤押出装置たる半田押出装置184を構成している。押出プレート170,押出用エアシリンダ172は、クリーム半田を透孔51に押し込む押込プレートであり、押込用エアシリンダでもあり、半田押込装置を構成している。
【0026】
マスク清掃装置24を説明する。マスク清掃装置24は、特開平9−39214号公報に記載のマスク清掃装置と同様に構成されており、簡単に図示および説明する。
マスク清掃装置24は、図1および図7に示すように、マスク48の下面、すなわちプリント配線板12が接触させられる配線板接触面200側に配設された洗浄ヘッド202を有する洗浄装置204と、マスク48の上面、すなわちクリーム半田が透孔51に押し込まれる被印刷剤押込面たる半田押込面206側に配設された拭取ヘッド208を有する拭取装置210とを含む。
【0027】
洗浄装置204は、浅い容器状を成し、マスク幅方向に長いパレット212を有する。パレット212の長手方向の両端部にはそれぞれ、図2に示すように、2個ずつのガイドブロック214が設けられ、マスク支持台52の下面に印刷方向に平行に設けられた一対のガイドレール216に摺動可能に嵌合されている。洗浄装置204はマスク支持台52(マスク48)の下側に移動可能に設けられているのであり、ガイドレール216は案内装置を構成している。前記マスク支持台52と配線板押さえ装置との間には、上下方向において、洗浄ヘッド202の進入を許容する大きさの隙間が設けられており、洗浄ヘッド202はこの隙間を移動する。
【0028】
洗浄ヘッド202はパレット212上に昇降可能に設けられており、昇降装置218により昇降させられる。洗浄ヘッド202のヘッド本体222には、図7に示すように、超音波振動器224,洗浄剤供給部材226,228,清掃シート側面乾燥装置230のエア噴射部材232が設けられている。洗浄剤供給部材226,228は、長手形状を成し、マスク幅方向に平行に配設されており、それぞれ図示しない洗浄剤供給源から供給される洗浄剤を複数の供給口234,236から噴出する。また、エア噴射部材232は円筒状を成し、マスク幅方向と平行に配設されており、エア供給源(図示省略)に接続され、図示しないスリットからエアを上方へ、すなわちマスク48に向かって噴射する。
【0029】
前記超音波振動器224および洗浄剤供給部材228上には、清掃シート244が配設されている。清掃シート244は、マスク48の幅(正確には、マスク枠50の内周面の幅)とほぼ等しい幅の帯状を成し、多孔性で吸湿性を有する紙により形成され、供給軸246に巻き付けられている。清掃シート244は、供給軸246から引き出され、洗浄剤供給部材226の下側を通った後、超音波振動器224および洗浄剤供給部材228の上に載せられ、洗浄剤供給部材232とエア噴射部材232との間を通り、巻取軸248により巻き取られる。清掃シート244の超音波振動器224,洗浄剤供給部材228上の位置である清掃位置に位置する部分が、配線板接触面200を清掃する清掃面である。
【0030】
清掃シート244は、洗浄ヘッド202が昇降装置218によって昇降させられることにより、マスク28の配線板接触面200に接触,離間させられる。昇降装置218は、接触・離間装置を構成しているのである。また、清掃シート244は、ヘッド本体222に設けられた図示しない清掃シート送り装置により一定ピッチずつ送られる。これら供給軸246,巻取軸248,超音波振動器224,洗浄剤供給部材226,228,エア噴射部材232および清掃シート送り装置等が洗浄ヘッド202を構成している。
【0031】
拭取装置210を説明する。
印刷装置22の前記スライド122には、昇降台250が昇降可能に設けられており、図示しない昇降台昇降装置により昇降させられる。昇降台250に供給軸252がマスク幅方向に平行な軸線まわりに回転可能に設けられ、拭取シート254が巻き付けられている。拭取シート254はマスク48の幅(正確には、マスク枠50の内周面の幅)とほぼ等しい幅の帯状を成し、多孔性の吸湿性を有する紙により形成されており、巻取軸256により巻き取られる。拭取シート254は、図示しない拭取シート送り装置により一定ピッチずつ送られる。拭取シート254はまた、拭取シート押さえ部材258により押さえられ、拭取シート254の一部にマスク48に平行な拭取面が形成されている。
【0032】
昇降台250にはまた、ゴム製の掻取部材260,拭取シート側面乾燥装置262のエア噴射部材264が設けられている。掻取部材260,エア噴射部材264は長手形状をなし、マスク幅方向に平行に配設されており、エア噴射部材264は、図示しないエア供給源から供給されるエアを下向きに噴射する。
【0033】
このように昇降台250には、供給軸252,巻取軸256,拭取シート送り装置,拭取シート押さえ部材258,掻取部材260,エア噴射部材264等が設けられ、これらが拭取ヘッド208を構成している。拭取ヘッド208は、スライド122に設けられ、マスク48の上側に配設されているのであり、スライド122の移動により印刷方向と同じ方向に移動させられる。また、拭取ヘッド208は昇降台250の昇降により昇降させられ、拭取シート254がマスク48に接触,離間させられる。昇降台250,昇降台昇降装置が拭取ヘッド昇降装置であって、拭取シート等の接触・離間装置を構成している。
【0034】
前記洗浄ヘッド202等と拭取ヘッド208等とは、図2に概略的に示す連結装置270により、前記スライド122を介して連結されて一体的に移動させられる。連結装置270は、洗浄ヘッド202を、スライド122に連結するとともにマスク支持台52との係合を解除し、スライド122との連結を解除するとともにマスク支持台52に係合させるように構成されている。これら連結,係合,解除は、マスク支持台52のマスク48から外れた位置である退避位置において行われる。
【0035】
検査装置26を説明する。検査装置26は、図8に示すように、スリット光源280および2次元撮像装置282を含み、それらをプリント配線板12の板面である表面49に平行な方向であって、水平面に平行な任意の位置へ移動させることにより、プリント配線板12に印刷されたクリーム半田を検査する。そのため、図8に示すように、前記マスク清掃装置24の洗浄ヘッド202の移動を案内する一対のガイドレール216に、Y軸スライド284が複数のガイドブロック286において移動可能に嵌合されている。ガイドレール216は、マスク清掃装置24と検査装置26とにより共用されているのである。
【0036】
Y軸スライド284にはナット288が固定されるとともに、マスク支持台52に回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられたボールねじ290に螺合されており、ボールねじ290が駆動源たるY軸サーボモータ292(図10参照)によって回転させられることにより、Y軸スライド284がガイドレール216に案内されて移動させられる。ガイドレール216およびガイドブロック286が案内装置を構成し、ナット288,ボールねじ290およびY軸サーボモータ292がY軸スライド移動装置294を構成しているのである。
【0037】
Y軸スライド284の垂直な側面には、一対のガイドレール298がX軸方向に平行に設けられるとともに、X軸スライド300が移動可能に嵌合されている。X軸スライド300にはナット(図示省略)が固定されるとともに、Y軸スライド284にX軸方向に平行な軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられたボールねじ302に螺合されており、ボールねじ302がX軸サーボモータ304によって回転させられることにより、X軸スライド300がガイドレール298に案内されてX軸方向に移動させられる。ガイドレール298が案内装置を構成し、図示しないナット,ボールねじ302,X軸サーボモータ304等がX軸スライド移動装置306を構成している。
【0038】
X軸スライド300上には、回転装置たる揺動エアシリンダ310が設けられている。揺動エアシリンダ310はプリント配線板12の表面49と直角な方向である垂直方向に設けられており、揺動軸312は図示しないストッパにより回転位置を規定され、垂直な自身の軸線まわりに90度の範囲で回転させられる。揺動軸312はX軸スライド300から下方へ延び出させられ、その延出端部に保持体314が設けられている。保持体314は、Y軸スライド移動装置294およびX軸スライド移動装置306により、水平面内の任意の位置へ移動させられるとともに、揺動エアシリンダ310により垂直軸線まわりに90度の範囲で回転させられる。
【0039】
保持体314に、図9に示すように、前記スリット光源280および2次元撮像装置282が設けられている。スリット光源280は、本実施形態では、半導体レーザ装置322と、その半導体レーザ装置322から放射される光線の口径を拡大し、かつ、断面が概して円形の平行光束に変換するビームエクスパンダ324と、ビームエクスパンダ324により変換された平行光束を平板状のスリット光に変換するスリット板326とを含み、平板状のスリット光を放射する。スリット板326を交換することにより、スリット幅が異なる種々のスリット光を放射することができる。スリット光を放射し得る他の装置(シリンドリカルレンズ,非球面レンズ等の1個またはそれらの組み合わせで構成したものはその一例である)を用いてもよい。
【0040】
2次元撮像装置282は、本実施形態では、面で像を撮像するCCDカメラにより構成されている。CCDカメラは、固体イメージセンサの一種であるCCD(電荷結合素子)と結像レンズを含むレンズ系とを備えている。CCDは、一平面上に多数の微小な受光素子が配列されており、各受光素子の受光状態に応じた電気信号を発生させる。多数の受光素子の配列により撮像面328(図14参照)が形成されている。撮像面328は多数の受光素子に対応した画素に分解され、各画素について画像データが作成されることになる。
【0041】
保持体314は、スリット光源280および2次元撮像装置282を、スリット光源280の光軸が、プリント配線板12の水平な表面49への垂線に対して、例えば45度の角度で傾斜し、2次元撮像装置282の光軸が表面49と直交する向きに、すなわち表面49への垂線に対して平行となる向きに保持するとともに、それらの光軸が互いに交差する相対位置に保持している。2次元撮像装置282の光軸は表面49に対して直角であって、表面49への垂線に対してなす角度は0度であり、スリット光源280と2次元撮像装置282とは、それらの光軸が表面49への垂線に対して互いに異なる角度をなす状態で保持体314により保持されている。また、本実施形態では、保持体314は、スリット光源280と2次元撮像装置282との各光軸が、前記吸着位置に位置する配線板支持台40に吸着されたプリント配線板12の表面49に印刷されたクリーム半田を、表面49に対して45度傾斜した切断平面で切断した切断面の真中において交差するように設けられている。マスク支持台52と配線板押さえ装置との間に設けられる高さ方向の隙間は、スリット光源280および2次元撮像装置282の進入も許容する大きさを有し、スリット光源280および2次元撮像装置282は、撮像のために吸着位置に位置する配線板支持台40により吸着されたプリント配線板12とマスク支持台52との間へ進入し、吸着位置に位置する配線板支持台40に吸着されたプリント配線板12の表面49に印刷されたクリーム半田を撮像する。
【0042】
スリット光源280および2次元撮像装置282は、保持体314がX軸スライド移動装置306,Y軸スライド移動装置294によって移動させられることにより、水平面内の任意の位置へ移動させられ、保持体314が揺動エアシリンダ310によって垂直軸線まわりに回転させられることにより、90度の範囲で旋回させられる。スリット光源280および2次元撮像装置282は共に保持体314に保持されていて、保持体314の移動,回転により、一体的に移動,旋回させられるため、それらの相対位置関係はいずれの移動位置,旋回位置においても変わらない。また、スリット光源280および2次元撮像装置282は、保持体314の回転により、それらの光軸を含む面であって、プリント配線板12の表面49に直角な垂直面がX軸方向とY軸方向とにそれぞれ平行となる2つの位置に選択的に位置させられる。保持体314が保持装置を構成し、X軸スライド300,X軸スライド移動装置306,Y軸スライド284,Y軸スライド移動装置294が保持装置移動装置たる保持体移動装置330を構成している。
【0043】
前述のように、Y軸スライド284は、前記洗浄ヘッド202の移動を案内するためのガイドレール216により移動を案内され、上記スリット光源280および2次元撮像装置282は、洗浄ヘッド202と同様に、前記マスク支持台52と配線板押さえ装置との間の隙間を移動するが、それらの退避位置は、洗浄ヘッド202の退避位置とは反対側とされており、洗浄ヘッド202とスリット光源280および2次元撮像装置282とが、互いに撮像と清掃とを妨げることはない。
【0044】
配線板用基準マーク撮像装置28,マスク用基準マーク撮像装置29(図9参照)を説明する。これら撮像装置28,29はそれぞれ、本実施形態においては、面で像を得るCCDカメラとされており、図示は省略するが、撮像装置28,29の各々と共に照明装置が設けられている。マスク用基準マーク撮像装置29は、X軸スライド300上に、マスク48に向かって上向きに設けられ、配線板用基準マーク撮像装置28はプリント配線板12に向かって下向きに設けられている。プリント配線板12とマスク48とにはそれぞれ、複数個、本実施形態においては2個の基準マークが対角線上に設けられており、撮像装置28,29は保持体移動装置330により水平面内の任意の位置へ移動させられ、それぞれプリント配線板12,マスク48に設けられた基準マークを撮像する。保持体移動装置330が基準マーク撮像装置移動装置を兼ねているのである。これら基準マーク撮像装置28,29は、スリット光源280および2次元撮像装置282と共に退避位置へ退避させられる。また、基準マーク撮像装置28,29の移動は、スリット光源280および2次元撮像装置282と同様に、前記マスク支持台52と配線板押さえ装置との間の隙間により許容される。なお、撮像装置28,29は、一定距離移動する毎にライン状の像を得るラインセンサを有するものとしてもよい。
【0045】
本マスク印刷機は、前記制御装置182により制御される。制御装置182は、図10に示すように、PU(プロセッシングユニット)340,ROM342,RAM344およびそれらを接続するバス346を有するコンピュータ348を主体とするものである。バス346には入力インタフェース350が接続され、前記荷重センサ144等の各種センサ,2次元撮像装置282等の各種撮像装置等が接続されている。バス346にはまた、出力インタフェース356が接続され、駆動回路358を介して、配線板コンベヤ14等、各種装置を構成するアクチュエータ等を制御する他、警報装置360,表示装置362を制御する。また、ROM342には、図11にフローチャートで表す検査ルーチン等、各種ルーチンが記憶されている。さらに、RAM344には、図12に示すように、2次元像データメモリ366,3次元像データメモリ368および検査結果メモリ370がワーキングメモリと共に設けられている。
【0046】
次に作動を説明する。
プリント配線板12へのクリーム半田の印刷の開始に先立って、マスク版18がマスク支持台52に固定される。この際、マスク48のマスク支持台52に対するそれらの板面に平行な方向の相対位置が調節され、それによってマスク48の配線板支持昇降装置16、ひいてはプリント配線板12に対する位置が調節される。マスク48と配線板支持昇降装置16との相対位置合わせが行われるのである。この調節は、プリント配線板12およびマスク48にそれぞれ設けられた基準マークを基準マーク撮像装置28,29により撮像し、マスク48とプリント配線板12との相対位置ずれを取得し、その位置ずれを解消すべく、マスク版18をマスク支持台52に対してマスク48の板面に平行な方向に移動させることにより行われる。本実施形態においては、原則として、マスク版18の位置調節は、1つのマスク版18について1回行われ、1つのマスク版18を用いて行われる複数枚のプリント配線板12へのクリーム半田の塗布のうち、1枚目のプリント配線板12に対して行われることとする。プリント配線板12に設けられた位置決め穴およびその位置決め穴に嵌入される位置決めピンは、プリント配線板12の高い位置決め再現精度が得られる精度で設けられているのである。なお、クリーム半田が塗布される全部のプリント配線板12の各々について、プリント配線板12およびマスク48に設けられた基準マークを撮像し、プリント配線板12毎にマスク48のプリント配線板12に対する位置を調節し、両者の相対位置合わせを行うようにしてもよい。その場合には、位置決め穴および位置決めピンの形成精度は、複数枚のプリント配線板12の1つについてマスク48の位置を調節する場合に比較して低くてよい。
【0047】
マスク支持台52とマスク版18との相対位置合わせは、前記特願平10−359044号の明細書に記載のマスク印刷装置におけると同様に行われるため、簡単に説明する。
位置合わせ時には、プリント配線板12が配線板支持昇降装置16により支持されるとともに、マスク版18から離れた位置に位置させられている。プリント配線板12は位置決めされて配線板支持台40により吸着され、配線板支持台40は吸着位置にあって、プリント配線板12が配線板コンベヤ14から持ち上げられるとともに、マスク版18から離間させられているのである。そして、作業者によりマスク支持台52上にボールユニット60のボール64を介して載せられたマスク版18は、固定装置72による固定は解除されているが、X軸方向押圧装置80およびY軸方向押圧装置98により押圧され、X軸方向位置調節装置78およびY軸方向位置調節装置96によって決められた位置に位置させられている。
【0048】
この状態で基準マーク撮像装置28,29が保持体移動装置330により移動させられ、プリント配線板12とマスク版18との間へ進入させられて、それぞれ、プリント配線板12に設けられた基準マークとマスク48に設けられた基準マークとを撮像する。そして、撮像データに基づいてマスク版18のプリント配線板12に対する位置ずれ量が算出されるとともに、マスク版18をプリント配線板12に対して位置ずれなく、マスク支持台52に固定するための位置、すなわちX軸方向位置調節装置78およびY軸方向位置調節装置96によるマスク版18の位置決め位置が算出される。
【0049】
そして、X軸方向位置調節装置78およびY軸方向位置調節装置96において頭部86がマスク版18を配線板支持昇降装置16に対して、プリント配線板12に対してずれなく位置決めする位置へ移動させられる。X軸方向押圧装置80およびY軸方向押圧装置98はマスク版18を押圧したままであり、X軸方向位置調節装置78およびY軸方向位置調節装置96による位置調節により、マスク版18が移動させられ、そのマスク支持台52に対する相対位置が調節される。マスク版18の位置調節時には、固定装置によるマスク版18の固定は解除されていて、マスク版18はボール64上に載っており、軽快に移動することができる。位置調節後、固定装置によりマスク版18がマスク支持台52に固定される。この際、ボール64はユニットケース60内に引っ込んでマスク版18がマスク支持台52に固定されることを許容する。
【0050】
マスク印刷時には、マスク清掃装置24の洗浄ヘッド202は拭取ヘッド208との連結を解かれ、マスク支持台52に係止されている。洗浄ヘッド202は退避位置にあるのである。また、洗浄ヘッド202は下降端位置にあり、拭取ヘッド208は上昇端位置にあって、清掃シート244,拭取シート254はそれぞれマスク48から離れており、印刷を妨げない。さらに、配線板用基準マーク撮像装置28,マスク用基準マーク撮像装置29,スリット光源280および2次元撮像装置282は退避位置に退避させられており、印刷を妨げない。
【0051】
マスク印刷時には、配線板コンベヤ14により搬送されて来たプリント配線板12がストッパ装置により配線板支持台40上において停止させられる。次いで、配線板押さえ装置の配線板押さえ部材がプリント配線板12上方へ移動させられた後、配線板支持台40が上昇させられ、プリント配線板12が位置決め装置により位置されるとともに、固定レール30,可動レール32,配線板コンベヤ14のベルトから持ち上げられる。配線板支持台40がプリント配線板12を配線板押さえ部材に押し付けたならば、配線板支持台40に負圧が供給され、プリント配線板12を吸着する。
【0052】
配線板支持台40がプリント配線板12を吸着した後、配線板支持台40は小距離下降させられて配線板押さえ部材から離間させられ、配線板押さえ部材が退避させられた後、プリント配線板12は更に配線板支持台40により上昇させられてマスク48の配線板接触面200に接触させられる。次いで、印刷ヘッド134が印刷ヘッド昇降用エアシリンダ136により下降させられ、下降端位置への移動後、さらに接触荷重調節用エアシリンダ138により下降させられて、吐出口形成部材162がマスク48の半田押込面206に接触させられる。
【0053】
吐出口形成部材162をマスク48に接触させるべく印刷ヘッド134を下降させるとき、制御装置182は接触荷重調節用エアシリンダ138を吐出口形成部材162のマスク48への接触荷重に基づいて制御し、吐出口形成部材162を設定荷重でマスク48に接触させる。接触後、押出プレート170が下降させられ、クリーム半田に押出圧力が加えられる。しかし、半田収容器150の半田吐出口164はマスク48により閉塞されているため、クリーム半田は吐出されず、適度に加圧される。この状態で印刷ヘッド134が印刷ヘッド移動装置132によりマスク48に沿って移動させられれば、半田収容室160内のクリーム半田は、印刷方向において下流側に位置する吐出口形成部材162により半田収容室160からの流出を防止され、上流側に位置する吐出口形成部材162によりマスク48上面から掻き取られ、半田収容室160内に収容された状態を保って半田収容器150の移動と共にマスク48上を移動する。そして、半田吐出口164がマスク48の透孔51に対向する毎に、それに対応するクリーム半田が透孔51内に押し込まれ、余分のクリーム半田は上流側に位置する吐出口形成部材162により掻き取られて透孔51いっぱいに充填される。印刷ヘッド134は、収容したクリーム半田を加圧して透孔51に充填し、印刷対象材に付着させ、塗布する加圧式印刷ヘッドないし加圧式塗布ヘッドなのであり、このようにプリント配線板12にクリーム半田をマスク印刷する工程が印刷工程である。
【0054】
押出プレート170は、クリーム半田を押し出すに従って下降させられるが、押出用エアシリンダ172の押出側のエア室の圧力は押出圧力センサ180により検出され、クリーム半田が予め設定された圧力で押し出されるようにエア圧力が制御されるため、クリーム半田が減少しても常に設定された押出圧力でクリーム半田が押し出され、設定された押込圧力でクリーム半田が透孔51に押し込まれ、プリント配線板12の表面49の印刷スポットに付着させられる。1枚のプリント配線板12の印刷終了後、印刷ヘッド134は、一旦、上昇させられて吐出口形成部材162がマスク48から離間させられる。また、図11にフローチャートで示す検査ルーチンが実行され、検査装置26により、プリント配線板12に印刷されたクリーム半田が検査される。
【0055】
検査ルーチンのステップ1(以下、S1と略記する。他のステップについても同じ。)においては、配線板支持台40が下降させられ、プリント配線板12が下降させられてマスク48から離間させられる。配線板支持台40は、プリント配線板12を配線板押さえ部材に押し付けて吸着する位置まで下降させられ、プリント配線板12とマスク支持台52との間に、スリット光源280および2次元撮像装置282が進入する隙間が設けられる。配線板支持台40はプリント配線板12を吸着したままである。なお、配線板支持台40が吸着位置まで下降させられるとき、位置決め装置の位置決めピンがプリント配線板12の位置決め穴に嵌入する。あるいは嵌入しなければ、プリント配線板12により付勢装置の付勢力に抗して押し下げられる。
【0056】
プリント配線板12がマスク48から離間させられた後、S2が実行され、検査装置26により検査が行われる。そのため、保持体314が保持体移動装置330により移動させられ、スリット光源280および2次元撮像装置282がプリント配線板12とマスク48との間に進入させられて、プリント配線板12の一平面状の表面49に印刷されたクリーム半田380(図9参照)を撮像する。検査は、プリント配線板12とマスク48とをそれらの板面に直角な方向に離間させるが、板面に平行な方向には相対移動させないで行われるのである。この際、洗浄ヘッド202は退避位置にあって検査を妨げない。
【0057】
前述のように、本実施形態においてマスク48に設けられた透孔51は、マスク48の板面に平行な断面形状が矩形をなし、表面49に印刷されたクリーム半田380は、図13に示すように、表面49から盛り上がった凸部であって、直方体(立方体を含む)状をなす3次元形状を有し、互いに直交する一方の辺がX軸方向に平行となり、他方の辺がY軸方向に平行となる。
【0058】
表面49には、複数の印刷スポットにクリーム半田が印刷されるが、本実施形態においては、印刷された全部のクリーム半田380のうちの一部について検査が行われる。例えば、印刷不良が少しでも生じては支障が生ずるクリーム半田380、例えば、フラットパッケージ型電気部品のリード線が接合される箇所であって、極めて小さいピッチで塗布されたクリーム半田380はすべて検査される。それ以外の印刷スポットに印刷されたクリーム半田380であって、印刷不良が多少生じても支障がないクリーム半田380、例えばリード線を有しないリードレス電気部品が接合されるパッド上に塗布されたクリーム半田380については、プリント配線板12毎に、異なるクリーム半田380が抜取りで検査される。このように一部のクリーム半田380を検査するようにすれば、検査時間を短く抑えながら、印刷不良に起因する不良プリント回路板の発生を効果的に防止することができる。なお、検査時間を長く取ることができるのであれば、印刷された全部のクリーム半田380を検査してもよく、あるいは多少の印刷不良が生じても支障のないクリーム半田380の全部についても検査を行ってもよい。あるいは多少の印刷不良が生じても支障のないクリーム半田380の全部について検査を行わなくてもよい。
【0059】
これら一部のクリーム半田380にスリット光源280によりスリット光が照射され、2次元撮像装置282によって撮像される。撮像時には、保持体314が図8に示す保持体移動装置330によって移動させられることにより、スリット光源280および2次元撮像装置282は一定の相対位置関係を保った状態で、撮像対象物である印刷されたクリーム半田380に対して、予め定められた移動経路に沿って移動させられる。本実施形態において移動経路は、プリント配線板12の表面49に平行であって、直方体状のクリーム半田380の長手方向に平行な直線状の経路とされている。この際、保持体314が揺動エアシリンダ310により旋回させられ、スリット光源280と2次元撮像装置282との各光軸を含む平面が、図13に示すように、クリーム半田380の長手方向および移動経路に平行とされる。
【0060】
上記のようにスリット光源280および2次元撮像装置282がクリーム半田380に対して移動させられるとき、移動を停止することなく、2次元撮像装置282が、クリーム半田380のスリット光により照らされた部分を撮像する。撮像は一定時間間隔で複数回行われ、複数の2次元像が得られる。撮像により、2次元撮像装置282の撮像面328には、図14に実線で示すように、プリント配線板12の表面49およびクリーム半田380のスリット光が照射された部分の各像382,384が形成される。クリーム半田380の表面49からの盛上がりにより、表面49のスリット光が照射された部分の像382と、クリーム半田380の上面のスリット光が照射された部分の像384とは、撮像面328の異なる位置に形成され、また、スリット光源280および2次元撮像装置282は、それらの光軸を含む平面がクリーム半田380の長手方向に平行となる状態でクリーム半田380にスリット光を照射し、撮像するため、クリーム半田380をそれの長手方向に直角でかつプリント配線板12の表面49に対して45度傾斜した切断平面で切断した切断面を、その切断面に対して45度傾斜した方向から見たものに相当する2次元像(厳密には、2次元像のうちクリーム半田380とプリント配線板12の上面の像のみ)が得られる。
【0061】
スリット光源280と2次元撮像装置282との相対位置関係は一定であり、それらの移動経路はプリント配線板12の表面49に平行であるため、複数回の撮像の各々において、プリント配線板12の像382は撮像面328のほぼ同じ位置に形成される。また、クリーム半田380は、本来直方体状に印刷されるはずであり、正常に印刷されていれば高さが均一であり、クリーム半田380の像384も、撮像面328のほぼ同じ位置であって、プリント配線板12の像382に対してほぼ同じ相対位置に形成される。たとえクリーム半田380の高さが不均一であっても、図14に一点鎖線および二点鎖線で示すように、正常に印刷された場合の像形成位置近傍に像384が形成され、極端に離れることはない。そのため、撮像面328のうち、処理を行う必要のある部分が限定され、撮像面328全部についてデータ転送および画像処理を行う必要がないため、データ転送量および画像処理量が減少し、データ転送および画像処理に要する時間を短縮することができる。
【0062】
その点についてさらに詳細に説明する。
まず、画像処理の概略を説明する。2次元撮像装置282と、前記制御装置182の画像処理を行う部分である画像処理装置の、2次元撮像装置282からの画像データを処理する部分とを機能ブロック図で表したのが図15である。この図において、2次元撮像装置282のカメラである検査カメラ402が左端に、プリント配線板12の基準マークを撮像する基準マーク撮像装置28のカメラである基準マークカメラ404と共に示されている。これら両カメラ402,404は、画像取込部406を共有している。画像取込部406は、マスク印刷機の本機側に設けられる前記コンピュータ348とは別に構成されたコンピュータを備え、両カメラ402,404から画像データを取り込み、コンピュータ348の画像処理部である主画像処理部410へ転送する。画像取込部406は2次元撮像装置282の光切断処理を行う光切断処理部408を備えており、主画像処理部410から供給されるスキャン回数(撮像回数)およびスキャンピッチ(撮像毎の移動距離)の情報と、前記Y軸サーボモータ292およびX軸サーボモータ304の駆動回路358から供給される取込タイミングのトリガ信号とに基づいて、検査カメラ402から画像データを取り込み、画像取込メモリ414に格納する。
【0063】
画像取込部406は、この画像取込メモリ414に格納された画像データのうち、主画像処理部410へ転送すべき画像データを決定する機能を有している。図16に示すように、プリント配線板12に塗布されたクリーム半田380にスリット光源280からのスリット光を照射すれば、そのスリット光により照らされた部分は明るく、それ以外の部分は暗くなる。この明暗の像が検査カメラ402により撮像されるのであるが、前述のように、スリット光により照らされた部分の像は検査カメラ402の撮像領域のうちの限られた領域に結ばれる。したがって、画像取込部406は、図17において2本の二点鎖線の間の領域のように、スリット光により照らされた部分の像が結ばれる可能性の高い領域として予め定められた領域についてのみ以下の処理を行う。そのため、全領域について処理を行う場合に比較して数分の1程度の処理量で済み、処理に要する時間が短縮される。
【0064】
図16に示すように、複数のクリーム半田380にスリット光が照射された場合には、図17に示すように、プリント配線板12およびクリーム半田380のスリット光に照らされた部分の像382,384が複数ずつ取得されることとなるが、そのうち、ひとつのクリーム半田380に対応する部分を取り出して図18に概念的に示す。図18において、多数の小さい四角形が検査カメラ402のCCDにおける1個の受光素子に対応する領域であり、ピクセルと称される。画像データが、256階調の明るさのデータで表されるとすれば、上記のようにスリット光によって照らされたピクセルの画像データは大きな値、それ以外の画像データは小さい値となる。したがって、図18において、スリット光に照らされた部分の長手方向と直交する方向である上下方向に並んだ各ピクセル列において、最も画像データの大きいピクセルの位置を表す位置データ(CCDが1024×1024の受光素子を有するものである場合には、4バイトのデータとなる)と、そのピクセルを中心として上下方向に連続して並ぶ一定数(図示の例では10ピクセル)の画像データ(画像データは256階調であるため10バイトのデータとなる)とが、各ピクセル列について、画像取込部406から主画像処理部410へ転送される。図18において、転送領域と記載されている領域の画像データが転送されるのであり、このようにして転送されるデータの総量は14バイトの1024倍で、約14キロバイトとなる。1024×1024の受光素子のすべてによって取得された1バイトずつの画像データを転送する場合には、約1メガバイトのデータを転送する必要があるので、約1/70の転送データ量で済むこととなる。
【0065】
以上のようにして取得されるデータは1回の撮像分であり、撮像は前述のように主画像処理部410から供給される情報に基づいて、指定のスキャンピッチで指定のスキャン回数だけの撮像が繰返し行われ、その結果得られたデータが主画像処理部410へ転送される。主画像処理部410は、この転送された画像データを画像処理メモリ416に格納する。画像処理メモリ416は前述のRAM344(図12参照)の一部として構成され、2次元像データメモリ366,3次元像データメモリ368および検査結果メモリ370等を備えており、そのうちの2次元像データメモリ366に格納するのである。そして、主画像処理部410はこの2次元像データメモリ366に格納された画像データに基づいて画像処置を行い、プリント配線板12の表面49に塗布されたクリーム半田380の体積,塗布面積、平均高さ,ブリッジの有無等の各情報を取得する。
【0066】
図18に例示されている1回の撮像によって取得されたデータによって表される画像の一部において、明るい領域のエッジが、スリット光に照らされた部分の像の輪郭を表すこととなるが、本実施形態においては、このエッジの取得が、1ピクセルの一辺の1/8の長さを一辺とするサブピクセル単位で行われる。例えば、図18において、プリント配線板12のスリット光に照らされた部分の像382の上下のエッジe2,e1を取得する場合には、上下方向に並んだ各ピクセル列の画像データの微分値のピークをエッジとする方法でエッジが決定され、エッジの位置はサブピクセル単位で決定されるのである。この処理は一般的なものであるので詳細な説明は省略する。
【0067】
上記のようにしてスリット光に照らされた部分の像382,384の上下のエッジe2,e1が取得されたならば、それら上下のエッジの中央の位置がスリット光に照らされた部分の像382,384の位置として求められ、その位置のデータが図18における横方向のピクセルの位置のデータと対応付けられて主画像処理部410の画像処理メモリ416の3次元像データメモリ368(図12)に格納される。例えば、図19に概念的に示すように、スリット光に照らされた部分の像382,384の上下のエッジの中央位置が太い実線で表されるものであったとすれば(図19においては、図示の容易化のために、上下方向の位置も横方向の位置もピクセルを単位として示されているが、実際には前述のように上下方向の位置はサブピクセルを単位として取得される)、図20に示すように、ピクセル単位で表される横方向の各位置に、それぞれ上下方向の位置が対応付けられ、1回の撮像によって取得されたデータが一行の数値データとして画像処理メモリ410に格納されるのである。所定回数の撮像によって得られるデータを上下方向に並べた状態を考えれば、図21に示すように、2次元のマトリックスのデータとなる。図から明らかなように、数値の小さい領域がプリント配線板16のスリット光によって照らされた部分の像382を表し、数値の大きい領域がクリーム半田380のスリット光によって照らされた部分の像384を表す。ここにおいて、プリント配線板12の像の上下方向の位置とクリーム半田380の像の上下方向の位置との差は、両部分のプリント配線板12の表面49に平行な方向の距離であるが、前述のように、スリット光がプリント配線板12の表面49に対して45度傾斜した方向に照射されるため、両部分のプリント配線板12の表面49に平行な方向の距離は表面49に直角な方向の距離、すなわち、クリーム半田380の高さに等しい。
【0068】
主画像処理部410は、以上のようにして取得した図21のマトリックスのデータに基づいて、以下の演算を行う。
(1)クリーム半田の塗布面積
プリント配線板16の像382を表す領域の数値より予め定められた一定値だけ大きい値を基準値とし、その基準値より大きい値を有する単位領域(一辺がピクセルの一辺(横方向の一辺)と等しく、他の一辺がスキャンピッチに等しい長方形の領域)にクリーム半田が塗布されたと見なし、そのような単位領域の数に単位領域の面積を掛けてクリーム半田380の塗布面積を取得する。
(2)クリーム半田の高さ
上記クリーム半田が塗布されたと見なされた単位領域における各値と、上記基準値より小さい値の平均値との差を、各単位領域におけるクリーム半田の高さとして取得する。これによって得られる値の単位はサブピクセルであるため、サブピクセルの一辺(上下方向の一辺)の大きさを掛けて単位領域毎のクリーム半田380の実際の高さを取得する。
(3)クリーム半田の体積
上記のようにして取得した各単位領域におけるクリーム半田の高さの総和を求め、その総和に1単位領域の面積を掛けてクリーム半田の体積を取得する。
(4)ブリッジ
前記2次元のマトリックスのデータを2次元の画像データと見なし、各単位領域の高さのデータを明るさのグレーデータと見なして、通常の画像処理が行われ、実際のクリーム半田380の輪郭線が取得される。
【0069】
以上のようにして取得されたクリーム半田380に関する各種データは、画像処理メモリ416の3次元像データメモリ368に格納される。そして、これら各種の3次元データと正規のデータ、すなわち半田が過不足なく印刷された場合のクリーム半田380の塗布面積や体積、各単位領域におけるクリーム半田380の高さ等、塗布量に関連する値が、標準値と比較されて塗布量の過不足が判定され、また、実際のクリーム半田380の輪郭線が正規のクリーム半田380の輪郭線と比較されて、塗布位置の適,不適やブリッジの有無が判定される。クリーム半田の量の不足は、クリーム半田380の平面視の印刷形状に不良はないが、高さが少なくとも一部において足らないことによる不足や、平面視の印刷形状の少なくとも一部が欠けていることによる不足を含む。検査の結果、すなわち不良の有無および不良の種類は、画像処理メモリ416の検査結果メモリ370に格納される。このようにプリント配線板12をマスク48から離間させ、印刷工程において印刷されたクリーム半田380の検査を行う工程が検査工程である。
【0070】
検査が行われたならば、次にS3が実行され、印刷不良があるか否かの判定が行われる。印刷不良がなければS3の判定結果はNOになってS11が実行され、印刷正常情報が出力される。この出力に基づいて、クリーム半田の印刷が済んだプリント配線板12の搬出,次にクリーム半田が印刷されるプリント配線板12の搬入,印刷等が行われる。プリント配線板12の搬出時には、プリント配線板12は、配線板支持台40が吸着位置に位置する状態で配線板支持台40による吸着を解除され、その後、配線板支持台40が下降端位置へ下降させられてプリント配線板12が配線板コンベヤ14により支持され、配線板コンベヤ14により搬出される。
【0071】
それに対し、印刷不良があればS3の判定結果がYESになってS4が実行され、不良の種類が量の不足であるか否かの判定が行われる。不良の種類が位置ずれあるいは量の過剰であれば、S4の判定結果はNOになってS10が実行され、当該マスク印刷機の作動が停止させられるとともに、警報装置360および表示装置362により作業者に印刷不良の発生が報知される。作業者は、この報知に基づいて不良原因を調べ、解消する。
【0072】
不良の種類が量の不足であれば、S4の判定結果はYESになってS5が実行され、マスク48がマスク清掃装置24により自動で清掃される。量の不足の原因の一つは、透孔51の目詰まりであると考えられるため、透孔51に付着したクリーム半田を除去すべく、マスク48を清掃するのであり、この工程が清掃工程である。
【0073】
マスク48の清掃時には、洗浄ヘッド202が退避する退避位置において、洗浄ヘッド202がマスク支持台52との連結を解かれるとともにスライド122に連結され、マスク清掃方向において拭取ヘッド208と一体的に移動する状態とされる。基準マーク撮像装置28,29,スリット光源280および2次元撮像装置282は退避位置にあって、清掃を妨げない。また、プリント配線板12はマスク48から離間させられていて、マスク48との間に洗浄ヘッド202が進入することを許容し、清掃を妨げない。次いで、清掃シート244および拭取シート254が送られ、前回の清掃により汚れた面が巻き取られ、きれいな面が清掃位置および拭取位置に位置させられる。なお、洗浄ヘッド202においては、送り時に洗浄剤供給部材226に洗浄剤が供給され、清掃シート244にしみ込まされる。
【0074】
送り後、洗浄ヘッド202が上昇させられるとともに拭取ヘッド208が下降させられ、清掃シート244,拭取シート254がそれぞれ、マスク48の配線板接触面200,半田押込面206に接触させられ、マスク48を挟む。接触後、洗浄剤供給部材226,228に洗浄剤が供給され、清掃シート244全体が十分な洗浄剤を保持した状態を保つようにされるとともに、エア噴射部材264にエアが供給され、超音波振動器224が振動させられた状態でスライド122が駆動装置130により移動させられ、洗浄ヘッド202,拭取ヘッド208がマスク48に沿って一体的に移動させられる。印刷ヘッド移動装置132が洗浄ヘッド・拭取ヘッド移動装置を兼ねているのである。なお、清掃シート244に吸収され損なって滴り落ちた洗浄剤はパレット212により受けられる。
【0075】
清掃シート244は配線板接触面200に接触させられ、超音波振動器224によって振動させられつつ移動させられ、配線板接触面200や透孔内周面に付着したクリーム半田が、それら配線板接触面200や透孔内周面から離れて洗浄剤中に拡散するとともに清掃シート244内の気泡や繊維内部に吸収され、除去される。
【0076】
清掃シート244に保持された洗浄剤は、振動により運動エネルギを与えられてマスク48の透孔内や、マスク48の清掃シート244が接触させられた側とは反対側へ移動させられる。そのため、半田押込面206に付着したクリーム半田は、拭取シート254によって拭き取られるのに先立って掻取部材260により掻き取られるとともに、マスク48が超音波振動器224によって振動させられることにより、半田押込面206から離れて洗浄剤中に拡散するとともに拭取シート254により拭き取られる。拭取シート254内の気泡や繊維内部に吸収されるのである。また、マスク48の透孔51の内周面に付着したクリーム半田も洗浄剤中に拡散し、拭取シート254によっても拭き取られる。半田押込面206は洗浄剤により濡らされるが、拭取ヘッド208のエア噴射部材264から噴射されるエアにより乾燥させられる。
【0077】
洗浄ヘッド202および拭取ヘッド208がマスク48の他方の端まで移動させられたならば、洗浄剤供給部材226,228への洗浄剤の供給が停止され、超音波振動器224の振動が停止させられ、エア噴射部材264へのエアの供給が遮断されるとともに、清掃シート244,拭取シート254がマスク48から離間させられた後、洗浄ヘッド202,拭取ヘッド208が清掃開始位置へ、すなわち清掃前に退避していた退避位置へ戻される。この間、洗浄ヘッド202のエア噴射部材232からエアが噴射され、配線板接触面200が乾燥させられる。清掃開始位置へ戻された後、洗浄ヘッド202と拭取ヘッド208との連結が解除されるとともに、洗浄ヘッド202がマスク支持台52に係止され、マスク印刷時には退避位置に位置するようにされる。
【0078】
マスク48の清掃終了後、S6が実行され、印刷不良が検出されたプリント配線板12に再度、クリーム半田が印刷される。そのため、配線板支持台40が上昇させられ、プリント配線板12がマスク48に接触させられた後、印刷ヘッド134がマスク48に沿って移動させられてクリーム半田をプリント配線板12に印刷する。マスク48はマスク位置決め支持装置20によってマスク支持台52に位置決めされて固定されており、プリント配線板12は印刷後、検査のために下降させられてマスク48から離間させられるが、配線板支持台40により吸着されたままであり、プリント配線板12とマスク48とのそれらの板面に平行な方向の位置はずれておらず、検査後、上昇させられて再度マスク48の配線板接触面200に接触させられるとき、表面49に印刷されたクリーム半田380はマスク48の透孔51にずれなく入る。
【0079】
再印刷は、1回目の印刷と同様に行われ、プリント配線板18全体にマスク印刷が行われるが、押出プレート170によるクリーム半田の押出圧力は、1回目の印刷時より小さくされ、押込圧力が1回目の印刷時より小さくされる。プリント配線板12には既にクリーム半田380が印刷されているため、押出圧力を小さくしなければ、透孔51へのクリーム半田の押込量が過剰となり易く、プリント配線板12に印刷されたクリーム半田380の量が過剰になり易いからである。このようにクリーム半田のマスク48の透孔51への押込み条件を緩くして、プリント配線板18全体に再度マスク印刷を行う工程が修正印刷工程たる再印刷工程である。印刷終了後、S7が実行され、プリント配線板12が下降させられてマスク48から離間させられる。プリント配線板12は、S1におけると同様に、配線板支持台40がプリント配線板12を吸着する位置まで下降させられる。プリント配線板12は配線板支持台40に吸着されたままである。離間後、S8が実行され、プリント配線板12に再印刷されたクリーム半田の検査が行われる。この検査は、S2におけると同様に行われる。
【0080】
検査の終了後、S9が実行され、印刷不良があるか否かの判定が行われる。印刷不良があれば、S9の判定結果はYESになってS10が実行され、マスク印刷機が作動を停止させられるとともに、作業者に印刷不良の発生が報知される。印刷不良がなければ、S9の判定結果はNOになってS11が実行される。
【0081】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、制御装置182の配線板用基準マーク撮像装置28およびマスク用基準マーク撮像装置29の撮像データに基づいて、プリント配線板12とマスク48との相対位置ずれを算出する部分が位置ずれ取得装置を構成し、それら撮像装置28,29が押圧装置付位置調節装置70と共に相対位置合わせ装置を構成している。また、制御装置182のS6を実行する部分が再印刷指令装置を構成し、印刷装置22と共に修正印刷装置を構成している。さらに、制御装置182のS5を実行する部分が清掃指令装置を構成し、制御装置182の再印刷時に押出プレート170によるクリーム半田の押出圧力を1回目の印刷時より小さくする部分および半田押出装置184が印刷条件緩和装置を構成している。
【0082】
上記実施形態において、検査装置26は、マスク48の板面に平行な方向において印刷装置22と同じ場所に設けられていたが、異なる場所に設けてもよい。その例を図22に基づいて説明する。本実施形態において検査装置は、配線板搬送方向において印刷装置の下流側であって、搬出コンベヤの上方に設けられている。検査装置が、印刷装置からマスクの板面に平行な方向に隔たった位置に設けられているのであり、図示は省略するが、搬出コンベヤによるプリント配線板の移動を、検査装置による検査が行われる検査位置に停止させるストッパ装置が設けられている。ストッパ装置は、プリント配線板の移動を止める作用位置と、移動を許容する非作用位置とに移動するストッパ部材を有する。検査装置は、図示は省略するが、前記検査装置26と同様に構成されており、保持体が保持体移動装置によって移動させられることにより、スリット光源および2次元撮像装置がプリント配線板の表面に平行な面である水平面内の任意の位置へ移動させられる。スリット光源および2次元撮像装置は、前記スリット光源280および2次元撮像装置282と同様に保持体に保持されており、本実施形態では、各光軸が、配線板コンベヤにより支持されたプリント配線板の表面に印刷されたクリーム半田を表面に対して45度傾斜した切断平面で切断した切断面の真中において交差するように保持されている。配線板用基準マーク撮像装置およびマスク用基準マーク撮像装置は、上記実施形態におけると同様に印刷装置と同じ場所に設けられている。検査装置とは別に設けられているのであり、保持体移動装置とは別の基準マーク撮像装置移動装置により、プリント配線板とマスクとの間の隙間において水平面内の任意の位置へ移動させられて、基準マークを撮像する。基準マーク撮像装置移動装置は、構成は前記保持体移動装置330と同様である。
【0083】
搬送装置は前記配線板コンベヤ14,搬入コンベヤ34および搬出コンベヤ36と同様の配線板コンベヤ,搬入コンベヤおよび搬出コンベヤを含み、ベルトコンベヤとされており、プリント配線板はベルト上に載置され、ベルトの周回により搬送される。そのため、ベルト駆動装置が各ベルトを正逆両方向に移動させることにより、各配線板コンベヤ,搬入コンベヤおよび搬出コンベヤに、プリント配線板を本来の搬送方向、すなわち搬入コンベヤから搬出コンベヤに向かう方向とは逆方向に搬送させることができる。なお、搬送板コンベヤには、本来の搬送方向に搬送されて来たプリント配線板を停止させるストッパ装置が設けられるとともに、逆方向に搬送されて来たプリント配線板を、配線板支持台の真上において停止させるストッパ装置が設けられている。ストッパ装置は、プリント配線板12の移動を止める作用位置と、移動を許容する非作用位置とに移動するストッパ部材を有する。
【0084】
プリント配線板に印刷されたクリーム半田の検査を図22にフローチャートで表す検査ルーチンに基づいて説明する。検査ルーチンは、印刷終了後、実行され、まず、S21の実行によりプリント配線板が下降させられてマスクから離間させられる。プリント配線板は、配線板支持昇降装置により下降させられ、マスクから離間させられるとともに、吸着位置において配線板支持台による吸着を解除された後、配線板支持台が下降端位置へ下降させられるのに伴って配線板コンベヤのベルト上に載せられる。次いでS22が実行され、配線板コンベヤおよび搬出コンベヤが作動させられて、プリント配線板が検査位置へ搬送される。
【0085】
プリント配線板が検査位置へ搬送され、ストッパにより停止させられたならば、S23ないしS26が前記S2〜S5と同様に実行される。検査は、プリント配線板と2次元撮像装置およびスリット光源とを、プリント配線板の板面である表面に平行な方向に相対移動させ、プリント配線板の上方にはマスクが存在しない状態で行われるのであり、この工程が検査工程である。プリント配線板はストッパにより検査位置に停止させられるが、停止後、検査に先立ってプリント配線板に設けられた基準マークが撮像される。この撮像は、クリーム半田を撮像する2次元撮像装置により行われる。スリット光源から放射されたスリット光により基準マークが照らされ、スリット光源および2次元撮像装置が基準マークに対して移動させられ、2個の基準マークをそれぞれ撮像する。撮像データに基づいてプリント配線板の位置ずれが算出され、それに基づいてクリーム半田を撮像するためのスリット光源および2次元撮像装置のX軸方向およびY軸方向の移動距離が、クリーム半田を予め設定された移動経路に沿って撮像し得るように修正される。
【0086】
検査の結果、印刷不良がなければ、S36が実行され、印刷正常が出力され、それによりプリント配線板は検査位置から搬出される。それに対し、印刷不良があり、印刷されたクリーム半田の量が不足していればマスクの清掃が行われ(S26)、清掃終了後、S27が実行され、プリント配線板が印刷装置へ戻される。搬出コンベヤおよび配線板コンベヤの各ベルトが、プリント配線板の搬出時とは逆向きに周回させられ、プリント配線板が印刷装置によってクリーム半田が印刷される印刷位置へ戻されるのである。プリント配線板はストッパ装置により印刷位置、すなわち配線板支持台の真上に位置に停止させられる。戻し後、S28が実行され、プリント配線板が位置決め装置により位置決めされるとともに、配線板支持台により配線板コンベヤから持ち上げられ、吸着される。
【0087】
そして、S29が実行され、マスクとプリント配線板との再位置合わせが行われる。この再位置合わせ時には、配線板支持台は吸着位置にあり、前記実施形態において説明したのと同様に、まず、配線板用基準マーク撮像装置およびマスク用基準マーク撮像装置により、プリント配線板およびマスクにそれぞれ設けられた基準マークが撮像され、両者の位置ずれが取得される。そして、固定装置によるマスクの固定が解除されるとともに、押圧装置付位置調節装置により、マスクのX軸方向およびY軸方向における各位置が調節され、調節後、マスクが固定装置によりマスク支持台に固定される。
【0088】
再位置合わせ後、S30,S31が前記S6,S7と同様に実行され、プリント配線板全体に再度、クリーム半田が印刷される。この工程が再印刷工程であり、再印刷工程の前に、プリント配線板とマスクとのそれらの板面に平行な方向の相対位置を合わせる工程が再位置合わせ工程である。プリント配線板にクリーム半田が再印刷された後、配線板支持台が吸着位置へ下降させられ、プリント配線板がマスクから離間させられたならば、S32がS22と同様に実行されてプリント配線板が検査位置へ搬送され、S33において再度、検査が行われる。そして、印刷不良があれば、作業者に報知され(S35)、なければ印刷正常指令が出力される(S36)。
【0089】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、配線板コンベヤ,搬出コンベヤおよび制御装置の、検査により印刷不良が発見されたとき、配線板コンベヤ,搬出コンベヤを本来の配線板搬送方向とは逆向きに作動させてプリント配線板を検査装置から印刷装置へ戻す部分がプリント配線板戻し装置を構成している。
【0090】
以上説明した実施形態においては、検査工程におけるクリーム半田380の撮像によって取得された画像データの一部が、2次元撮像装置282側の画像取込部406から制御装置182側の画像処理装置へ転送され、画像処理装置の主画像処理部410において、スリット光に照らされた部分の像382,384のエッジの検出や、エッジ間の中央位置の決定が行われるようになっていたが、これらの画像処理が2次元撮像装置282側の画像取込部406において行われるようにしてもよい。その場合には、画像取込部406から制御装置182側の画像処理装置へ転送されるべきデータが、中央位置が決定されたピクセルの位置を表す4バイトのデータと中央位置自体を表す1バイトのデータとの合計5バイトのデータの1024ピクセル列分、つまり約5キロバイトのデータでよく、転送時間を前記実施形態におけるよりさらに短縮することができる。
【0091】
また、前記実施形態においては、画像取込部406において、スリット光により照らされた部分の像が存在する可能性が高いとして予め定められた領域の画像データのみに基づいて、実際にスリット光により照らされた領域が探され、その近傍の画像データのみが画像処理装置へ転送されるようになっていた。それによって画像処理に要する時間を著しく短縮し得るのであるが、スリット光によって照らされた部分の像が存在する可能性が高いとして予め定められた領域の画像データのみについて画像処理を行うことと、実際にスリット光により照らされた領域近傍の画像データのみを画像処理装置へ転送することとは、互いに独立に採用することが可能である。
【0092】
検査位置へ搬送されたプリント配線板の基準マークを撮像する際、スリット光源に、スリット光ではなく、基準マーク全体を同時に照らす光を放射させ、2次元撮像装置に基準マークを一度に撮像させるようにしてもよい。例えば、スリット光源においてスリット板を、平行光束をスリット光に変換する作用位置と、変換しない非作用位置とに移動可能に設け、基準マークの撮像時には非作用位置へ退避させ、ビームエクスパンダにより変換された平行光束を放射するようにするのである。このようにすれば、スリット光源および2次元撮像装置と基準マークとを相対移動させることなく、基準マークを撮像することができる。また、スリット光源および2次元撮像装置とは別に、基準マークを撮像するための専用の撮像装置を設けてもよい。
さらに、プリント配線板をストッパ装置により検査位置に停止させるのに代えて、あるいはそれと共に、例えば、複数の位置決めピンを有する位置決め装置および負圧によりプリント配線板を吸着して昇降する配線板支持台を含む配線板支持昇降装置を設け、プリント配線板を位置決めし、吸着した状態で撮像が行われるようにしてもよい。あるいはストッパ装置により停止させられたプリント配線板を位置決め装置により位置決めするのみでもよい。これらの場合にも、プリント配線板の基準マークを撮像し、位置ずれを算出する。
【0093】
また、上記各実施形態においてマスク清掃装置24はマスク位置決め支持装置20および印刷装置22と同じ場所に設けられ、マスク48はマスク位置決め支持装置により支持されたままの状態で清掃されるようになっていたが、マスク清掃装置をマスク位置決め支持装置等とは別の場所に設けてもよい。この場合、マスクをマスク清掃装置とマスク位置決め支持装置との間で搬送するマスク搬送装置が設けられ、マスクの清掃が必要であれば、マスクはマスク位置決め支持装置により位置決め支持を解除されてマスク清掃装置へ搬送され、清掃される。清掃後、マスクはマスク位置決め支持装置へ戻されて位置決めされ、マスク支持台に固定される。この際、プリント配線板およびマスクにそれぞれ設けられた基準マークが撮像され、再度、プリント配線板とマスクとの位置合わせが行われる。
【0094】
さらに、透孔51は、矩形に限らず、他の形状、例えば、円形,楕円形等でもよい。検査は、矩形以外の透孔に充填されて印刷されたクリーム半田の全部について行ってもよく、一部について行ってもよい。
【0095】
また、図1ないし図21に示す実施形態において、検査装置26の保持体移動装置330はマスク清掃装置24の洗浄ヘッド202とガイドレール216を共用していたが、それぞれ専用のガイドレールを設けてもよい。保持体314および洗浄ヘッド202の移動をそれぞれ専用の案内装置により案内するのである。
【0096】
さらに、図1ないし図21に示す実施形態において、検査装置26の保持体314を、印刷ヘッド移動装置132により移動させてもよい。印刷ヘッド移動装置132に保持体移動装置を兼ねさせるのである。
【0097】
また、1つの撮像装置により、マスクとプリント配線板とにそれぞれ設けられた基準マークを撮像するようにしてもよい。例えば、撮像装置を、マスクおよびプリント配線板の板面に平行な軸線まわりに回転可能に設け、マスクに対向する位置とプリント配線板に対向する位置とに回転させ、各基準マークを撮像するのである。
【0098】
さらに、配線板用基準マーク撮像装置およびマスク用基準マーク撮像装置は、スリット光源および2次元撮像装置とは別に設け、専用の移動装置によって移動させてもよい。これら2つの基準マーク撮像装置をそれぞれ専用の移動装置により移動させてもよい。
【0099】
また、洗浄ヘッド202と拭取ヘッド208とをそれぞれ、印刷ヘッド移動装置132とは別の専用の移動装置により移動させてもよく、あるいは洗浄ヘッド202および拭取ヘッド208を印刷ヘッド移動装置132とは別の共通の移動装置により移動させてもよい。
【0100】
さらに、以上、詳記したクリーム半田の3次元形状の取得方法および装置は、接着剤等、クリーム半田以外の被印刷剤を印刷するマスク印刷装置およびマスク印刷方法における被印刷剤の検査や、被印刷剤以外の3次元形状の撮像対象物の3次元データを得る装置および方法に適用することができる。その一例を図23に示す。図23に示す撮像対象物は、水平な平面390から上方に突出した突起392である。この突起392は、上方から垂直下向きに(平面390に直角な方向から)見た形状は矩形であるが(図23(a)参照)、表面394に所定の凹凸を有している。この場合、突起392の検査時には、スリット光源および2次元撮像装置の平面390に対する相対移動経路は、図23(b)に二点鎖線で示すように、突起392の表面394の形状にほぼ沿うように予め定められた経路とされる。
【0101】
本突起検査方法(または装置)においては、3次元像データは、突起392の表面394の像のみを処理することにより得られる。相対移動時におけるスリット光源および2次元撮像装置と平面390との距離は予めわかっており、平面390の像を処理しなくても、演算により3次元像データを得ることができるからである。表面394のスリット光により照らされた部分の複数の像は、撮像面のほぼ同じ位置に形成され、突起392の高さに過不足があっても、撮像面の画像処理されるべき範囲は限られ、処理時間が短くて済む。
撮像面のうち、突起392の高さが許容範囲内であれば、必ず表面394の像が形成される範囲内に、実際に表面394の像が形成されているか否かにより、突起392の高さに許されない高さの過不足が生じているか否かを検出するようにしてもよい。
【0102】
上記各実施形態においてクリーム半田380,突起392は、2次元撮像装置を停止させることなく、移動している間に撮像されていたが、2次元撮像装置を停止させて撮像させてもよい。
【0103】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である3次元データ取得装置を備えたマスク印刷機を示す側面図である。
【図2】上記マスク印刷機を示す正面図である。
【図3】上記マスク印刷機を示す平面図である。
【図4】上記マスク印刷機を構成するマスク位置決め支持装置を示す平面図である。
【図5】上記マスク位置決め支持装置を示す側面図である。
【図6】上記マスク印刷機を構成する印刷装置の要部を示す側面図である。
【図7】上記マスク印刷機に設けられたマスク清掃装置を概略的に示す側面図である。
【図8】上記マスク印刷機に設けられた検査装置を示す正面図である。
【図9】上記検査装置のスリット光源および2次元撮像装置を示す正面図である。
【図10】上記マスク印刷機を制御する制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図11】上記制御装置を構成するコンピュータのROMに記憶された検査ルーチンを表すフローチャートである。
【図12】上記コンピュータのRAMのうち、本発明に関連の深い部分を示す図である。
【図13】上記検査装置によるクリーム半田の検査を説明する図である。
【図14】上記検査装置の2次元撮像装置の撮像面に形成された像を示す図である。
【図15】図10における2次元撮像装置と制御装置とのクリーム半田の検査に関連する部分の機能ブロック図である。
【図16】クリーム半田の検査をさらに詳細に説明するための図である。
【図17】クリーム半田の検査をさらに詳細に説明するための図である。
【図18】クリーム半田の検査をさらに詳細に説明するための図である。
【図19】クリーム半田の検査をさらに詳細に説明するための図である。
【図20】クリーム半田の検査をさらに詳細に説明するための図である。
【図21】クリーム半田の検査をさらに詳細に説明するための図である。
【図22】本発明の実施形態である3次元データ取得装置を備えた別のマスク印刷機の制御装置を構成するコンピュータのROMに記憶された検査ルーチンを表すフローチャートである。
【図23】撮像対象物の3次元データ取得の別の実施形態である突起検査方法における突起高さの検査を説明する図である。
【符号の説明】
12:プリント配線板 18:マスク版 20:マスク位置決め支持装置22:印刷装置 24:マスク清掃装置 26:検査装置 70:押圧装置付位置調節装置 72:固定装置 134:印刷ヘッド 150:半田収容器 182:制御装置 184:半田押出装置 204:洗浄装置 210:拭取装置 280:スリット光源 282:2次元撮像装置314:保持体 328:撮像面 330:保持体移動装置 380:クリーム半田 390:平面 392:突起 394:表面 402:検査カメラ 406:画像取込部 410:主画像処理部 414:画像取込メモリ 416:画像処理メモリ

Claims (12)

  1. プリント基板の表面にマスク印刷された3次元形状の被印刷剤およびその被印刷剤の周辺の前記表面に向かって平板状のスリット光を放射するスリット光源と、前記被印刷剤および前記周辺の表面の前記スリット光により照らされた部分の2次元像を撮像する2次元撮像装置とを、それらスリット光源と2次元撮像装置との両光軸が互いに一定角度で交差するとともに、それら両光軸を含む平面が、前記プリント基板の表面と前記平板状のスリット光との両方と直交する不変の相対位置関係に保ち、かつ、それら不変の相対位置関係に保ったスリット光源および2次元撮像装置と、前記プリント基板とを、そのプリント基板の表面と、前記両光軸を含む平面との両方に平行な相対移動経路に沿って相対移動させ、その相対移動経路に平行な方向に互いに隔たった複数の相対位置の各々において、前記スリット光により照らされた部分の2次元像の撮像を行い、各撮像により得られる画像データのうち、前記スリット光により照らされる部分と、その部分に前記相対移動経路に平行な方向における両側において隣接する限られた両側部分とに対応する画像データを主画像処理部に送る一方、それ以外の画像データは送らず、その送られた画像データの処理を前記主画像処理部に行わせることによって、前記被印刷剤の3次元データを得ることを特徴とする3次元データ取得方法。
  2. 前記2次元撮像装置により撮像された画像において、前記スリット光により照らされた部分の像の長手方向と直交する方向に延びる複数の直線の各々に沿って並ぶピクセルのうち、前記スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルを特定する工程を含む請求項に記載の3次元データ取得方法。
  3. 前記複数の直線の各々の上において、前記スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルとして特定したピクセルの両側に並ぶ予め定められた数のピクセルの画像データについて画像処理を行い、それ以外のピクセルの画像データの画像処理は行わない請求項に記載の3次元データ取得方法。
  4. プリント基板の表面に被印刷剤をマスクを通して印刷する方法であって、
    前記プリント基板の表面に被印刷剤をマスク印刷する印刷工程と、
    その印刷工程において印刷された被印刷剤の検査を行う検査工程と、
    その検査工程において、被印刷剤の量が不足であることが発見された場合に、少なくとも不足が発見された部分に、その不足を補う修正印刷を行う修正印刷工程と
    を含み、かつ、前記検査工程が、請求項1ないし3のいずれかに記載の3次元データ取得方法を実行する工程を含むマスク印刷方法。
  5. プリント基板の表面にマスク印刷された3次元形状の被印刷剤およびその被印刷剤の周辺の前記表面に向かって平板状のスリット光を放射するスリット光源と、
    前記被印刷剤およびその被印刷剤の周辺の表面の前記スリット光により照らされた部分の2次元像を撮像する2次元撮像装置と、
    それらスリット光源と2次元像撮像装置とを、それらスリット光源と2次元像撮像装置との両光軸が互いに交差するとともに、それら光軸を含む平面が、前記プリント基板の表面と前記両光軸を含む平面との両方に平行となる一定の相対位置関係で保持する保持装置と、
    その保持装置と前記プリント基板とを、前記互いに交差する両光軸を含む平面に平行でかつ前記プリント基板の表面に平行な相対移動経路に沿って相対移動させる相対移動装置と、
    その相対移動装置による移動中に前記2次元撮像装置による複数回の撮像の各々により得られる画像データを取り込み、取り込んだ画像データのうち、前記スリット光により照らされた部分と、その部分に前記相対移動経路に平行な方向における両側において隣接する限られた両側部分とに対応する画像データを主画像処理部に送出する一方、それ以外の画像データは転送しない画像データ取込部と、
    その画像データ取込部により送出された画像データの処理を行うことによって、前記被印刷剤の3次元データを取得する主画像処理部と
    を含むことを特徴とする3次元データ取得装置。
  6. 前記保持装置が、前記スリット光源と前記2次元撮像装置とを、それらの光軸が前記プリント基板の表面への垂線に対して互いに異なる角度をなす相対位置に保持するものである請求項5に記載の3次元データ取得装置。
  7. 前記保持装置が、前記2次元撮像装置と前記スリット光源とのいずれか一方を、それの光軸が前記プリント基板の表面と直交する向きに保持するものである請求項5または6に記載の3次元データ取得装置。
  8. 前記主画像処理部が、前記2次元撮像装置により撮像された画像において、前記スリット光により照らされた部分の像の長手方向と直交する方向に延びる複数の直線の各々に沿って並ぶピクセルのうち、前記スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルを特定する手段を含む請求項5ないし7のいずれかに記載の3次元データ取得装置。
  9. 前記主画像処理部が、前記複数の直線の各々の上において、前記スリット光により照らされた部分である可能性が最も高いピクセルとして特定したピクセルの両側に並ぶ予め定められた数のピクセルの画像データについて画像処理を行い、それ以外のピクセルの画像データの画像処理は行わない請求項8に記載の3次元データ取得装置。
  10. 前記保持装置を前記プリント基板の表面に垂直な旋回軸線のまわりに旋回させる装置を含む請求項5ないし9のいずれかに記載の3次元データ取得装置。
  11. プリント基板を支持する基板支持装置と、
    その基板支持装置に支持されたプリント基板の表面に被印刷剤をマスクを通して印刷する印刷装置と、
    その印刷装置によって印刷された被印刷剤の検査を行う検査装置と、
    その検査装置により、被印刷剤の量が不足であることが発見された場合に、少なくとも不足が発見された部分に、その不足を補う修正印刷を行う修正印刷装置と
    を含み、かつ、前記検査装置が、請求項5ないし10のいずれかに記載の3次元データ取得装置を含むマスク印刷装置。
  12. プリント基板を支持する基板支持装置と、
    その基板支持装置に支持されたプリント基板の表面に被印刷剤をマスクを通して印刷する印刷装置と、
    その印刷装置によって印刷された被印刷剤の検査を行う検査装置と、
    前記マスクの清掃を自動で行う清掃装置と、
    前記検査装置により少なくとも前記被印刷剤の不足が発見された場合に前記清掃装置を作動させる清掃指令装置と
    を含み、かつ、前記検査装置が、請求項5ないし10のいずれかに記載の3次元データ取得装置を含むマスク印刷装置。
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