JP4532091B2 - 画像記録装置およびその光量補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子アレイを用いて感光材料を露光する画像記録装置に関するものである。
また本発明は、上述のような画像記録装置において、発光素子アレイを構成する複数の発光素子相互間の露光量バラツキを補正する方法に関するものである。
従来、複数の発光素子が主走査方向に配列されてなる発光素子アレイと、この発光素子アレイと感光材料とを、前記主走査方向と略直交する副走査方向に相対移動させる副走査手段と、階調画像を担持する画像データに基づいて前記複数の発光素子の各々の発光時間(発光パルス幅)を制御する駆動回路とを備えて、前記画像データが示す階調画像を前記感光材料に露光する画像記録装置が公知となっている。特許文献1には、その種の画像記録装置の一例が記載されている。
ところで上記発光素子としては、半導体レーザ、LED(発光ダイオード)、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子等が多く用いられているが、そのような発光素子の相互間で発光特性に差が有ると、それらの発光素子が同一の画像データに基づいて駆動されたとき、感光材料が受ける露光量に差が生じることになる。したがって、そのような発光特性の差が、隣接する発光素子間に存在した場合は、記録画像において主走査方向に濃度段差が生じるので、副走査方向に延びる筋状の濃度ムラ(いわゆる筋ムラ)が発生してしまう。
そこで、従来、発光素子アレイを構成する各発光素子を定常状態になるまで連続的に点灯させ、そのときの該発光素子の相互間における発光量偏差を求め、画像記録時にその偏差に基づいて各発光素子の駆動電流を調整する等により、該発光量偏差を補正する方法が提案されている。
また例えば特許文献2には、上述のような補正方法では、複数の発光素子間の応答性(立上り時の過渡特性)の偏差は補正不可能であることを考慮して、この応答性偏差を補正する光量補正方法が提案されている。この特許文献2に示された光量補正方法は、発光素子アレイを構成する各発光素子の発光強度を画像データに基づいて変調して階調画像を記録する画像記録装置において、複数の発光素子を定常状態で点灯させ、そのときの該発光素子の相互間における発光量偏差を求め、この発光量偏差を補正した状態で前記発光素子の各々を実際の印字条件の下に点灯させて、そのときの該発光素子の相互間における応答性偏差を求め、画像記録時に上記発光量偏差および応答性偏差を補正するようにしたものである。
さらに例えば特許文献3には、同じく複数の発光素子からなる発光素子アレイを用いる画像記録装置において、複数の発光素子の各々を複数の階調データに基づいて点灯させて、その各階調毎に発光素子の相互間における露光量偏差を求め、画像記録時に上記露光量偏差を補正するようにした光量補正方法が開示されている。
特開2001−356422号公報 特開平6−234239号公報 特開2002−72364号公報
上述したように発光素子アレイを構成する各発光素子を定常状態になるまで連続的に点灯させて、そのときの該発光素子の相互間における発光量偏差を求め、画像記録時にその発光量偏差を補正する方法では、特許文献2で指摘されている通り、複数の発光素子間の応答性偏差を補正することはできない。
また特許文献2に示された光量補正方法は、記録光を強度変調することを前提として、複数の発光素子の相互間における応答性偏差を求める際に、該発光素子を実際の印字条件の下に点灯させているものであるが、このような光量補正方法を、発光素子の各々の発光時間(発光パルス幅)を制御する画像記録装置に適用する場合は、上記実際の印字条件の設定次第で、応答性偏差の補正が良好になされないことも起こり得る。この応答性偏差の補正を良好に行うためには、基本的に、設定され得る全パルス幅の各々毎に偏差測定および補正を行えばよいが、そのような作業は極めて煩雑であるので、光量補正に多大な時間とコストが必要となってしまう。
他方、特許文献3に示された光量補正方法は、複数の階調毎に発光素子相互間における露光量偏差を求めるようにしており、上記階調数としては実用上、該特許文献3も実施形態で挙げている4階調程度が最低必要である。したがってこの方法を実施する場合も、偏差測定および補正に多大な時間とコストが必要となってしまう。
本発明は上記の問題に鑑みて、発光素子アレイを構成する発光素子の発光時間を制御して階調画像を記録する画像記録装置において、多大な時間とコストを必要とせずに、前述した筋ムラの発生を防止できる光量補正方法を提供することを目的とする。
また本発明は、そのような光量補正方法を実施することができる画像記録装置を提供することを目的とする。
本発明による画像記録装置の光量補正方法は、
前述したように複数の発光素子が主走査方向に配列されてなる発光素子アレイと、
この発光素子アレイと感光材料とを、前記主走査方向と略直交する副走査方向に相対移動させる副走査手段と、
階調画像を担持する画像データに基づいて前記複数の発光素子の各々の発光時間を制御する駆動回路とを備えて、
前記画像データが示す階調画像を前記感光材料に露光、記録する画像記録装置において、
前記複数の発光素子を定常状態で点灯させて、そのときの該発光素子の相互間における発光量偏差を求め、
この発光量偏差を補正した状態で前記発光素子の各々を、ほぼ定常状態に入る前の期間パルス状に点灯させて、そのときの該発光素子の相互間における応答性偏差を求め、
前記階調画像を記録する際に、前記発光量偏差および応答性偏差を補正することを特徴とするものである。
一方、本発明による画素記録装置は、
複数の発光素子が主走査方向に配列されてなる発光素子アレイと、
この発光素子アレイと感光材料とを、前記主走査方向と略直交する副走査方向に相対移動させる副走査手段と、
階調画像を担持する画像データに基づいて前記複数の発光素子の各々の発光時間を制御する駆動回路とを備えて、
前記画像データが示す階調画像を前記感光材料に露光、記録する画像記録装置において、
前記複数の発光素子が定常状態で点灯されたとき、該発光素子の相互間における発光量偏差を求める手段と、
この発光量偏差を補正した状態で前記発光素子の各々が、ほぼ定常状態に入る前の期間パルス状に点灯されたとき、該発光素子の相互間における応答性偏差を求める手段と、
前記階調画像を記録する際に、前記発光量偏差および応答性偏差を補正する手段とを備えたことを特徴とするものである。
なお、上記構成を有する本発明の画像記録装置の光量補正方法においては、複数の発光素子を、応答速度が最低の発光素子の応答時間と近い所定時間だけパルス状に点灯させ、そのときの各発光素子による露光量に基づいて前記応答性偏差を求めることが望ましい。またそのようにする場合、上記露光量は、各発光素子の発光強度の発光時間積分値として求めることが好ましい。
他方、上述の発光量偏差は、複数の発光素子の発光強度に基づいて求めることが望ましい。
また前記発光量偏差の補正は、各発光素子の駆動電圧、駆動電流および発光時間のうちの少なくとも1つに補正係数を乗算することによって行うことが望ましい。そしてそのようにする場合は、発光素子と上記補正係数とを対応付けてルックアップテーブルに記憶させておき、上記乗算を、各発光素子毎にルックアップテーブルから読み出した補正係数を用いて行うことが望ましい。
一方、前記応答性偏差の補正は、各発光素子の駆動電圧、駆動電流および発光時間のうちの少なくとも1つに補正値を加算することによって行うことが望ましい。そしてそのようにする場合は、発光素子と上記補正値とを対応付けてルックアップテーブルに記憶させておき、上記加算を、各発光素子毎にルックアップテーブルから読み出した補正値を用いて行うことが望ましい。
本発明による画像記録装置の光量補正方法によれば、発光素子アレイを構成する複数の発光素子を定常状態で点灯させて、そのときの該発光素子の相互間における発光量偏差を求め、この発光量偏差を補正した状態で発光素子の各々を、定常状態に入る前の期間パルス状に点灯させて、そのときの該発光素子の相互間における応答性偏差を求め、階調画像を記録する際に上記発光量偏差および応答性偏差を補正するようにしたので、発光素子の相互間における発光量偏差および応答性偏差の双方を補正して、前述した筋ムラの発生を防止することができる。
そして本方法において偏差の測定は、複数の発光素子を定常状態で点灯させて行う発光量偏差の測定および、それらの発光素子を定常状態に入る前の期間パルス状に点灯させて行う応答性偏差の測定の計2回だけで済むので、本方法によれば、光量補正に要する時間とコストを少なく抑えることが可能となる。
なお上記発光量偏差および応答性偏差の測定並びに補正は、画像記録装置の使用形態等に応じて適宜実施すればよいものであり、例えば画像記録装置を工場から出荷する際に行ってもよいし、あるいは画像記録装置がユーザーにおいて実使用されている際に例えば1日、1週または1月に1回等のサイクルで定期的に行ってもよいし、さらには画像記録装置の電源を入れて立ち上げる際に毎回行ってもよい。特に、画像記録装置が実使用されている際にも上記発光量偏差および応答性偏差の測定並びに補正操作を行えば、各発光素子の発光特性の経時変化にも対応できることになる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による光量補正方法を実施する画像記録装置5の側面形状を示すものである。図示の通りこの画像記録装置5は露光ヘッド1を備え、該露光ヘッド1は、透明基板10と、この透明基板10の上に蒸着により形成された多数の有機EL素子20と、該有機EL素子20の発光光による像をカラー感光材料40上に結像させる等倍結像光学系としての屈折率分布型レンズアレイ30(30R,30G,30B)と、上記透明基板10や屈折率分布型レンズアレイ30を支持する支持体50とを備えている。
そして画像記録装置5は、上記露光ヘッド1に加えて、カラー感光材料40を矢印Yで示す副走査方向に定速搬送する、例えばニップローラ等からなる副走査手段51を備えて構成されている。
上記有機EL素子20は、ガラス等からなる透明基板10上に、透明陽極21、発光層を含んで1画素単位にパターニングされた有機化合物層22、および金属陰極23が順次蒸着により積層されてなるものである。この有機EL素子20を構成する要素は、例えばステンレス製の缶等からなる封止部材25内に配置されている。つまり、この封止部材25の縁部と透明基板10とが接着され、乾燥窒素ガスが充填された封止部材25内に有機EL素子20が封止されている。
上記構成の有機EL素子20において、透明陽極21と金属陰極23との間に所定電圧が印加されると、有機化合物層22に含まれる発光層が発光し、発光光が透明陽極21および透明基板10を介して取り出される。このような有機EL素子20は、波長安定性に優れる特性がある。なお、有機EL素子20の配列状態については、後に詳しく説明する。
ここで透明陽極21は、400nm〜700nmの可視光の波長領域において、少なくとも50パーセント以上、好ましくは70パーセント以上の光透過率を有するものが好ましい。透明陽極21の材料としては、酸化錫、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等、透明電極材料として従来公知の化合物を適宜用いることができるが、その他、金や白金など仕事関数が大きい金属からなる薄膜を用いてもよい。また、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールまたはこれらの誘導体などの有機化合物を用いることもできる。なお、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」シーエムシー社刊(1999年)には、透明導電膜について詳細な記載があり、そこに示されているものを本発明に適用することも可能である。また透明陽極21は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などによって透明基板10上に形成することができる。
一方、有機化合物層22は、発光層のみからなる単層構造であってもよいし、発光層の他に、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層、電子輸送層等のその他の層を適宜有する積層構造であってもよい。有機化合物層22および電極の具体的な層構成としては、陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極とする構成や、陽極/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極とする構成等が挙げられる。また、発光層、ホール輸送層、ホール注入層、電子注入層は、それぞれ複数設けられてもよい。
金属陰極23は、仕事関数の低いLi、Kなどのアルカリ金属、Mg、Caなどのアルカリ土類金属、およびこれらの金属とAgやAlなどとの合金や混合物等の金属材料から形成されるのが好ましい。陰極における保存安定性と電子注入性とを両立させるために、上記材料で形成した電極を、仕事関数が大きく導電性の高いAg、Al、Auなどで更に被覆してもよい。なお、金属陰極23も透明陽極21と同様に、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などの公知の方法で形成することができる。
次に、有機EL素子20の配列状態について詳しく説明する。図2は、露光ヘッド1における透明陽極21および金属陰極23の配置状態を示すものである。図示のように透明陽極21は、ほぼ副走査方向に長く延びる所定形状にパターニングされて、この方向に配列される有機EL素子20についての共通電極とされている。本例ではこれらの透明陽極21が、主走査方向に480×8=3840本並べて配設されている。他方、金属陰極23は、主走査方向に直線状に延びる形状を有するもので、この方向に配列される有機EL素子20についての共通電極とされている。本例ではこれらの金属陰極23が、副走査方向に64本並べて配設されている。
上記透明陽極21および金属陰極23はそれぞれ、いわゆるコラム(列)電極、ロウ(行)電極とされており、図1に示す駆動回路80により、画像データに応じて選択された透明陽極21と金属陰極23との間に所定の電圧が印加される。すると、電圧印加している透明陽極21と金属陰極23との交差部分に積層されている有機化合物層22に含まれる発光層が発光し、この発光光が透明基板10側から取り出される。つまり本実施形態では、透明陽極21と金属陰極23との交差部分単位で1つの有機EL素子20が構成されており、該有機EL素子20が複数主走査方向に所定ピッチで配設されてライン状発光素子アレイが構成され、そしてこのライン状発光素子アレイが副走査方向に複数配設されて面状発光素子アレイが構成されている。
なお本実施形態では、上述の通り、いわゆるパッシブマトリクス(passive matrix)駆動方式を採用しており、その駆動については後に詳しく説明する。駆動回路80の前段に設けられている制御部60および偏差補正演算部70についても、後に詳述する。また、このようなパッシブマトリクス駆動方式に限らず、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス(active matrix)」駆動方式を採用することも可能である。
ここで本実施形態の露光ヘッド1は、例えばハロゲン化銀カラーペーパー等のカラー感光材料40に、フルカラー画像を露光可能に形成されている。以下、そのための構成を詳しく説明する。
有機EL素子20はより詳しくは、有機化合物層22に含まれる発光層の組成に応じて赤色光を発するもの、緑色光を発するもの、および青色光を発するものからなり、以下、それらを区別して説明する場合は各々、有機EL素子20R、有機EL素子20G、および有機EL素子20Bと称することとする。
有機EL素子20Rは、図2に示すR領域に配置されており、主走査方向に並ぶ3840個で1つのライン状赤色発光素子アレイが構成され、そしてこのライン状赤色発光素子アレイが副走査方向に32個並設されて面状赤色発光素子アレイ6Rが構成されている。
有機EL素子20Gは、図2に示すG領域に配置されており、主走査方向に並ぶ3840個で1つのライン状緑色発光素子アレイが構成され、そしてこのライン状緑色発光素子アレイが副走査方向に16個並設されて面状緑色発光素子アレイ6Gが構成されている。
有機EL素子20Bは、図2に示すB領域に配置されており、主走査方向に並ぶ3840個で1つのライン状青色発光素子アレイが構成され、そしてこのライン状青色発光素子アレイが副走査方向に16個並設されて面状青色発光素子アレイ6Bが構成されている。
なお図1では、面状赤色発光素子アレイ6R、面状緑色発光素子アレイ6Gおよび面状青色発光素子アレイ6Bを構成する各ライン状発光素子アレイの個数は便宜的にそれぞれ6個として示してある。
図1に示す画像記録装置5において、カラー感光材料40に画像露光する際には、露光ヘッド1の面状赤色発光素子アレイ6R、面状緑色発光素子アレイ6Gおよび面状青色発光素子アレイ6Bが、それぞれ前記駆動回路80により赤色画像データ、緑色画像データおよび青色画像データに基づいて駆動され、それとともに副走査手段51によってカラー感光材料40が矢印Yで示す副走査方向に定速搬送される。
このとき、面状赤色発光素子アレイ6Rの32個のライン状赤色発光素子アレイからの赤色光による像、面状緑色発光素子アレイ6Gの16個のライン状緑色発光素子からの緑色光による像、および面状青色発光素子アレイ6Bの16個のライン状青色発光素子アレイからの青色光による像が、それぞれ屈折率分布型レンズアレイ30R,30G,30Bによってカラー感光材料40上に等倍で結像される。それにより、32個のライン状赤色発光素子アレイからの赤色光で露光された部分が、次いで16個のライン状緑色発光素子アレイからの緑色光で露光され、さらに16個のライン状青色発光素子アレイからの青色光で露光される。そして、このようにして形成されるフルカラーの主走査ラインが、カラー感光材料40の搬送に伴って副走査方向に順次並んで形成され、カラー感光材料40に2次元のフルカラー画像が露光される。
なお、上記屈折率分布型レンズアレイ30Rとしては、例えばセルフォックレンズ(登録商標)からなる屈折率分布型レンズを、1つの有機EL素子20Rに対して1個ずつ配してなるもの等を用いることができる。他の屈折率分布型レンズアレイ30G,30Bも同様である。
次に、面状発光素子アレイ6R、6Gおよび6Bについてさらに詳しく説明する。まず、図3に示す面状赤色発光素子アレイ6Rについて説明する。ここでは、該面状赤色発光素子アレイ6Rを構成する32個のライン状赤色発光素子アレイを副走査方向に順次R1、R2、R3・・・R32と称し、それらの配置状態を示してある。図示の通り各ライン状赤色発光素子アレイR1〜R32を構成する有機EL素子20Rの主、副走査方向サイズはそれぞれすべて共通のa、bであり、また主、副走査方向の配設ピッチもそれぞれすべて共通のP1、P2である。
またライン状赤色発光素子アレイR1に対して、ライン状赤色発光素子アレイR2、R3、R4はそれぞれ主走査方向に所定距離d、2d、3dずつずらして配置されている。そして次のライン状赤色発光素子アレイR5は、ライン状赤色発光素子アレイR1と主走査方向位置を揃えて配置され、以下、上述のように互いに主走査方向にずれた配置状態が4個のライン状赤色発光素子アレイ毎に繰り返すようになっている。そこで、カラー感光材料40において赤色光により露光される主走査ラインは、図中にLRで示すように、有機EL素子20Rの主走査方向配設ピッチP1の1/4のピッチで並ぶ複数画素からなるものとなる。
以上から明らかな通り、主走査ラインLRの1番目の画素はライン状赤色発光素子アレイR1、R5、R9、R13、R17、R21、R25、R29の1番目の有機EL素子20Rによって露光され、2番目の画素はライン状赤色発光素子アレイR2、R6、R10、R14、R18、R22、R26、R30の1番目の有機EL素子20Rによって露光され、3番目の画素はライン状赤色発光素子アレイR3、R7、R11、R15、R19、R23、R27、R31の1番目の有機EL素子20Rによって露光され、4番目の画素はライン状赤色発光素子アレイR4、R8、R12、R16、R20、R24、R28、R32の1番目の有機EL素子20Rによって露光され、5番目の画素はライン状赤色発光素子アレイR1、R5、R9、R13、R17、R21、R25、R29の2番目の有機EL素子20Rによって露光され、以下同様にして、該主走査ラインLRの1つの画素が各々8個の有機EL素子20Rによって露光される。そして、それら各8個の有機EL素子20Rをパルス状に発光させ、そのパルス幅を制御することにより、各画素毎に階調を出して、カラー感光材料40に連続調画像を露光可能となる。
なお、カラー感光材料40が有機EL素子20Rから受ける露光量は、該素子20Rの中心に対向する部分で最大となり、該素子20Rの端部に対向する部分ではそれより少ないものとなる。したがって、仮に1つのライン状赤色発光素子アレイによって1本の主走査ラインを露光するようにした場合は、主走査方向に沿った露光量が、有機EL素子20Rの配設ピッチに対応して周期的に大きく変動することになる。このような露光量の周期的変動(リップル)が顕著な場合は、主走査方向に露光ムラが発生するおそれがある。
この問題に対処するために本実施形態においては、前述した通りライン状赤色発光素子アレイが、互いの有機EL素子20Rが主走査方向に少なくとも一部が重なってずれた状態に配設されている。つまりこの構成においては、複数のライン状赤色発光素子アレイにより多重露光される1本の主走査ラインにおいて、あるライン状赤色発光素子アレイによる露光量の周期的変動特性と、それに隣接するライン状赤色発光素子アレイによる露光量の周期的変動特性とが互いに主走査方向にずれて重なる状態になる。そこで、あるライン状赤色発光素子アレイによる露光量が少な目になる部分が、それに隣接するライン状赤色発光素子アレイによって多めの露光量を受けるようになるので、全体で露光量の変動が相殺されて、主走査方向に露光ムラが発生することを防止できる。なお、このようにして露光量の周期的変動を抑制する技術については、前述の特許文献1に詳しい記述がなされている。
次に、面状緑色発光素子アレイ6Gについて、図4を参照してさらに詳しく説明する。ここでは、該面状緑色発光素子アレイ6Gを構成する16個のライン状緑色発光素子アレイを副走査方向に順次G1、G2、G3・・・G16と称し、それらの配置状態を示してある。図示の通り各ライン状緑色発光素子アレイG1〜G16を構成する有機EL素子20Gの主、副走査方向サイズはそれぞれすべて共通のa、bであり、また主、副走査方向の配設ピッチもそれぞれすべて共通のP1、P2である。つまりこれらの素子サイズおよび素子配設ピッチは、上述の有機EL素子20Rと同じである。
またライン状緑色発光素子アレイG1に対して、ライン状緑色発光素子アレイG2、G3、G4はそれぞれ主走査方向に所定距離d、2d、3dずつずらして配置されている。そして次のライン状緑色発光素子アレイG5は、ライン状緑色発光素子アレイG1と主走査方向位置を揃えて配置され、以下、上述のように互いに主走査方向にずれた配置状態が4個のライン状緑色発光素子アレイ毎に繰り返すようになっている。そこで、カラー感光材料40において緑色光により露光される主走査ラインは、図中にLGで示すように、有機EL素子20Gの主走査方向配設ピッチP1の1/4のピッチで並ぶ複数画素からなるものとなる。
以上から明らかな通り、主走査ラインLGの1番目の画素はライン状緑色発光素子アレイG1、G5、G9、G13の1番目の有機EL素子20Gによって露光され、2番目の画素はライン状緑色発光素子アレイG2、G6、G10、G14の1番目の有機EL素子20Gによって露光され、3番目の画素はライン状緑色発光素子アレイG3、G7、G11、G15の1番目の有機EL素子20Gによって露光され、4番目の画素はライン状緑色発光素子アレイG4、G8、G12、G16の1番目の有機EL素子20Gによって露光され、5番目の画素はライン状緑色発光素子アレイG1、G5、G9、G13の2番目の有機EL素子20Gによって露光され、以下同様にして、該主走査ラインLGの1つの画素が各々4個の有機EL素子20Gによって露光される。
この面状緑色発光素子アレイ6Gにおいて、各画素毎に階調を出すための有機EL素子20Gの駆動、並びに主走査方向に亘る露光量の周期的変動(リップル)を抑制する点に関しては、前述した面状赤色発光素子アレイ6Rにおけるのと同様である。
次に、面状青色発光素子アレイ6Bについて、図5を参照してさらに詳しく説明する。ここでは、該面状青色発光素子アレイ6Bを構成する16個のライン状青色発光素子アレイを副走査方向に順次B1、B2、B3・・・B16と称し、それらの配置状態を示してある。図示の通り各ライン状青色発光素子アレイB1〜B16を構成する有機EL素子20Bの主、副走査方向サイズはそれぞれすべて共通のa、bであり、また主、副走査方向の配設ピッチもそれぞれすべて共通のP1、P2である。つまりこれらの素子サイズおよび素子配設ピッチは、上述の有機EL素子20R、20Gと同じである。
またライン状青色発光素子アレイB1に対して、ライン状青色発光素子アレイB2、B3、B4はそれぞれ主走査方向に所定距離d、2d、3dずつずらして配置されている。そして次のライン状青色発光素子アレイB5は、ライン状青色発光素子アレイB1と主走査方向位置を揃えて配置され、以下、上述のように互いに主走査方向にずれた配置状態が4個のライン状青色発光素子アレイ毎に繰り返すようになっている。そこで、カラー感光材料40において青色光により露光される主走査ラインは、図中にLBで示すように、有機EL素子20Bの主走査方向配設ピッチP1の1/4のピッチで並ぶ複数画素からなるものとなる。
以上から明らかな通り、主走査ラインLBの1番目の画素はライン状青色発光素子アレイB1、B5、B9、B13の1番目の有機EL素子20Bによって露光され、2番目の画素はライン状青色発光素子アレイB2、B6、B10、B14の1番目の有機EL素子20Bによって露光され、3番目の画素はライン状青色発光素子アレイB3、B7、B11、B15の1番目の有機EL素子20Bによって露光され、4番目の画素はライン状青色発光素子アレイB4、B8、B12、B16の1番目の有機EL素子20Bによって露光され、5番目の画素はライン状青色発光素子アレイB1、B5、B9、B13の2番目の有機EL素子20Bによって露光され、以下同様にして、該主走査ラインLBの1つの画素が各々4個の有機EL素子20Bによって露光される。
この面状青色発光素子アレイ6Bにおいて、各画素毎に階調を出すための有機EL素子20Bの駆動、並びに主走査方向に亘る露光量の周期的変動(リップル)を抑制する点に関しては、前述した面状赤色発光素子アレイ6Rにおけるのと同様である。
次に図6および図7を参照して、駆動回路80による露光ヘッド1の駆動についてさらに詳しく説明する。図6は駆動回路80の構成を示すブロック図であり、また図7(1)〜(9)は駆動回路80における各種信号の波形を示し、図7(10)は上記信号の波形に対応した有機EL素子20の発光特性を示している。なお図6において、1Pが露光ヘッド1を構成する有機ELパネルを示しており、その他の部分が駆動回路80を構成する要素である。またこの図6では便宜的に、有機ELパネル1Pが480本の透明陽極21と、第(N−1)、Nおよび(N+1)の3本の金属陰極23とからなるものとして、その等価回路を示してあり、以下の説明もこの図示の構成に準じて行う。
駆動回路80のタイミング発生およびDACライトコントロール部81には、DAC選択信号ADR、DACライト信号WR、シフトクロックShift CLKおよびラインクロックLine CLKが入力され、それらの信号に基づいて該コントロール部81が電流電圧設定用DAC(D/Aコンバータ)82およびシフトレジスタ83の動作を制御する。シフトレジスタ83にはコントロール部81から、ラインクロックLine CLKと同期したシリアルロード信号SRLDが入力されるとともに、上記シフトクロックShift CLK並びに12ビットの画像データDataが入力される。
上記画像データDataは、1主走査ラインつまり480画素に関するデータ毎にシフトレジスタ83にシリアル入力され、該シフトレジスタ83はシリアルロード信号SRLDが入力される毎に、それら480画素に関する画像データDataを、シフトクロックShift CLKによって規定されるタイミングでPWM(パルス幅変調)部84にパラレル転送する。なお図7の(1)、(2)および(3)にそれぞれ、上記シリアルロード信号SRLD、シフトクロックShift CLKおよび画像データDataの波形を示す。
なお上記画像データDataは、偏差補正演算部70において光量補正が施された状態で駆動回路80に入力されるが、この光量補正については後述する。
PWM部84は、ラインクロックLine CLKと同期したクロックPWM CLKが入力される毎に、上記480画素に関する画像データDataの各々に対応したパルス幅の電圧信号PWMoutを出力して、陽極ドライバー85に入力させる。すなわち、上記480画素に関する画像データDataのうちの1つ、例えば1主走査ラインの第M番目の画素に関する画像データPWM Dataが図7の(4)に示すようなものであるとすると、PWM部84は同図(5)に示すように、その画像データPWM Dataに対応したパルス幅の電圧信号PWMoutを出力する。
陽極ドライバー85は、480本の透明陽極21の各々に個別に接続するプリチャージ用スイッチング部85a、PWM用スイッチング部85bおよび電源部85cを有し、PWM用スイッチング部85bが受ける電圧信号PWMoutがHレベルになっている期間、透明陽極21を電源部85cに接続する。このときの、第M番目の透明陽極21の駆動波形を図7の(6)に示す。なおこの陽極ドライバー85における駆動電流並びに後述する陰極ドライバー86におけるオフ電圧は、電流電圧設定用D/Aコンバータ82からの出力に基づいて設定される。
一方金属陰極23は、陰極ドライバー86によって、線順次駆動するように制御される。この陰極ドライバー86は、3本の金属陰極23の各々に個別に接続するスイッチング部86aを有し、またこの陰極ドライバー86には、前記ラインクロックLine CLKおよびラインクリア信号Line CLRを受けるラインカウンタ・デコーダ87が接続されている。そして、ラインカウンタ・デコーダ87から上記スイッチング部86aに入力される電圧信号Line SelがLレベルになっている期間、金属陰極23がグランドに接続されて、透明陽極21との交差部分に電流を流し得る状態となる。このときの、第(N−1)、Nおよび(N+1)の金属陰極23の駆動波形を、それぞれ図7の(7)、(8)および(9)に示す。つまり本例では、第Nの金属陰極23が駆動状態にある。そしてこのときの、第Nの金属陰極23と第M番目の透明陽極21との交差部分からなる有機EL素子20の発光波形を、図7の(10)に示す。
なお図7において、その(1)中のT1で示すシリアルロード信号SRLDによりタイミングが規定されて、第Nの金属陰極23が駆動選択されるとともに、それと交差する480本の透明陽極21が各々同図(6)に示すように駆動している期間に、シフトレジスタ83からPWM部84にパラレル転送される画像データDataは、次の第(N+1)の金属陰極23と交差する480本の透明陽極21を駆動させるためのものである。
図7の(10)に波形を示した有機EL素子20の発光特性は、各素子間で共通ではなく、バラツキが認められるのが通常である。この発光特性のバラツキとしては、有機EL素子20が定常状態で点灯している際の発光強度(同図A)が異なることによる発光量偏差と、応答性(同図Bで示す立上り時の過渡特性)の偏差とがある。この点について、図9を参照して詳しく説明する。この図9は、1つの有機EL素子20を連続点灯させた場合の発光時間と発光強度(相対値)との関係の一例を示すものである。有機EL素子20の発光量は発光強度の時間積分値となるが、各有機EL素子20の発光強度が異なれば、同じ時間点灯させても発光量が異なる。またカラー感光材料40が実際に受ける露光量は、単純に(発光強度×発光時間)ではなく、有機EL素子20の立上り時の過渡特性により、図9の網がけ部分を(発光強度×発光時間)から減じた量となる。そしてこの過渡特性も、各有機EL素子20毎に異なるのが一般的である。
複数の有機EL素子20間に上述のような発光量偏差や応答性偏差が存在すると、それらの有機EL素子20が同一の画像データDataに基づいて駆動されたとき、カラー感光材料40が受ける露光量に差が生じることになる。したがって、そのような発光特性の差が、隣接する有機EL素子20間に存在した場合は、記録画像において主走査方向に濃度段差が生じるので、副走査に延びる筋状の濃度ムラ(いわゆる筋ムラ)が発生してしまう。
以下、この筋ムラの発生を防止する点について説明する。図8は、上記筋ムラの発生を防止するための光量補正方法を実施する装置構成を示すブロック図である。この装置は、図1にも示した制御部60および偏差補正演算部70に加えて、露光ヘッド1の各有機EL素子20の発光量を測定する光量測定センサー61と、この光量測定センサー61を主、副走査方向に移動させるセンサー移動ステージ62を設けて構成されている。上記偏差補正演算部70は、制御部60から駆動回路80への画像データDataの転送経路に設けられた露光/測光切替部71、乗算部72および加算部73に加えて、測光制御部74と、乗算部72に接続された発光量偏差補正テーブル75と、加算部73に接続された応答性偏差補正テーブル76とを有している。
以下、光量補正の手順について説明する。まず、露光ヘッド1の全ての有機EL素子20を同一の駆動条件で所定時間(応答時間を十分に超える時間とする)連続点灯させる。この場合、有機EL素子駆動信号S1は測光制御部74から与えられ、露光/測光切替部71を画像データDataの転送経路から切り離して該測光制御部74に接続することにより、有機EL素子駆動信号S1が駆動回路80に供給される。そして、このときの有機EL素子20の発光強度を、センサー移動ステージ62により光量測定センサー61を移動させながら、全素子20について該光量測定センサー61によって測定する。
なおセンサー移動ステージ62の移動は、制御部60から制御信号S2を受ける測光制御部74によって制御される。また、光量測定センサー61が出力する光量測定信号S3は、測光制御部74を介して制御部60に入力される。
制御部60は、入力された光量測定信号S3に基づいて、有機EL素子20の発光強度を均一化させるための補正係数を、各有機EL素子20毎に求める。具体的には、各有機EL素子20の発光強度=En(nは素子番号)とすると、所定の目標値Emaxに基づいて、各有機EL素子20毎の補正係数をEmax/Enと決定する。制御部60は、こうして求めた補正係数Emax/Enを、素子番号すなわち画素アドレスと対応付けて、発光量偏差補正テーブル75として偏差補正演算部70内に記憶させる。
次に測光制御部74は、露光ヘッド1の各有機EL素子20を均一に点灯させる有機EL素子駆動信号S4を出力し、露光/測光切替部71を介して駆動回路80に入力させる。この有機EL素子駆動信号S4は、予想される最も応答の遅い有機EL素子20の応答時間(過渡期間)よりもやや長い時間、各有機EL素子20をパルス状に点灯させるものである。
このとき有機EL素子駆動信号S4には、乗算部72において、各画素アドレスの信号毎に、該アドレスと対応付けて発光量偏差補正テーブル75に記憶されている補正係数Emax/Enが乗算される。この補正係数Emax/Enが乗算された有機EL素子駆動信号S4に基づいて駆動される各有機EL素子20による露光量について、図10および図11を参照して概略的に説明する。なおここでは、3つの有機EL素子20の各々による露光量について説明する。またこの図10の横軸は、上記有機EL素子駆動信号S4やあるいは画像データData等、その値に応じて有機EL素子20の発光時間をリニアに変化させるデータの値を示しており、縦軸はカラー感光材料40に与えられる露光量を相対値で示している(以下の図11および図12も同様)。
上記3つの有機EL素子20の各々による露光量が、無補正時には図10に示すように互いに異なる変調特性を示すものとする。そこで、それらの有機EL素子20が、一定の有機EL素子駆動信号S4に上記補正係数Emax/Enが乗算された信号に基づいて駆動されると、そのときの変調特性は図11に示すようなものとなる。なお本実施形態では、有機EL素子駆動信号S4に上記補正係数Emax/Enが乗算されることにより、駆動条件の一つである有機EL素子20の発光パルス幅が補正される。しかしそれに限らず、上記補正係数Emax/Enの乗算により、有機EL素子20の駆動電流や駆動電圧、さらに階調変換を行う場合はその階調変換特性を補正するようにしても構わない。
こうして有機EL素子20がパルス状に点灯されるとき、該有機EL素子20の発光強度が、センサー移動ステージ62により光量測定センサー61を移動させながら、全素子20について該光量測定センサー61により測定される。このとき光量測定センサー61が出力する光量測定信号S3は、測光制御部74を介して制御部60に入力される。
制御部60は、入力された光量測定信号S3に基づいて、有機EL素子20の応答性を補正するための補正値を、各有機EL素子20毎に求める。具体的には、各有機EL素子20毎に発光強度の時間積分値を求め、全素子20の中で最も積分値が大きい(つまり応答時間が最小の)有機EL素子20の積分値Smaxに対する、各有機EL素子20の積分値Sn(nは素子番号)の差分Smax−Snを算出して、それを補正値とする。制御部60は、こうして求めた補正値Smax−Snを、素子番号すなわち画素アドレスと対応付けて、応答性偏差補正テーブル76として偏差補正演算部70内に記憶させる。
なお、有機EL素子駆動信号S4によって規定される有機EL素子20のパルス状点灯時間は、余りに長すぎると、上記発光強度の時間積分値に占める応答性偏差の影響が相対的に小さくなるので、できるだけ、有機EL素子20の最大応答時間に近い値とするのが望ましい。
以上の操作が終了すると、光量測定センサー61およびセンサー移動ステージ62が露光ヘッド1から切り離され、画像記録装置5が前述した通りの実使用に供される。なお、以上のように補正係数Emax/Enおよび補正値Smax−Snを求めて、それを各々発光量偏差補正テーブル75、応答性偏差補正テーブル76に記憶させる操作は、例えば画像記録装置5を工場から出荷する際に行ってもよいし、あるいは画像記録装置5がユーザーにおいて実使用されている際に例えば1日、1週または1月に1回等のサイクルで定期的に行ってもよいし、さらには画像記録装置5の電源を入れて立ち上げる際に毎回行ってもよい。特に、画像記録装置5が実使用されている際にも上記操作を行えば、各有機EL素子20の発光特性の経時変化にも対応できることになる。
画像記録装置5が実使用に供される際には、図8の露光/測光切替部71が測光制御部74から切り離されて、制御部60に接続される。このとき制御部60から駆動回路80に転送される画像データには、乗算部72において前記補正係数Emax/Enが乗算されるとともに、次いで加算部73において前記補正値Smax−Snが加算される。なお本実施形態では特に、上記前記補正値Smax−Snに測定系の所定の感度係数αを乗じたものが加算される。つまり、制御部60から送出される画像データをData’とすると、駆動回路80に入力される画像データDataは、
Data=Data’×Emax/En+(Smax−Sn)×α
となる。
以上のようにして、発光量偏差補正と応答性偏差補正がなされることにより、実際の画像記録時の変調特性は図12に示すようなものとなる。つまり、図11に示した特性に対して、さらに応答性偏差補正もなされるので、各有機EL素子20の変調特性は、発光領域の略全域に亘って互いに均一化される。したがって、隣接する有機EL素子20に発光特性の差が存在して、それらが同じ画像データData’によって駆動される際にも、主走査方向に濃度段差が生じることがなく、よって、前述した筋ムラの発生が確実に抑制される。
また本実施形態の方法において、偏差の測定は、複数の有機EL素子20を定常状態で点灯させて行う発光量偏差の測定および、それらの有機EL素子20を定常状態に入る前の期間パルス状に点灯させて行う応答性偏差の測定の計2回だけで済むので、本方法によれば、光量補正に要する時間とコストを少なく抑えることが可能となる。
なお、図12の特性のうちの2つを一部拡大して示す図13に表われているように、有機EL素子20の立上り付近では、少ないながらも露光量の差(図中の網がけ部分)が残る。しかし、ネガ型感光材料、ポジ型感光材料のセンシトメトリー特性例を図14の(a)、(b)にそれぞれ示す通り、一般的な感光材料は、微小な露光量域では露光量変化に対する濃度変化が極めて小さいので、上述のように残る露光量の差は、通常、視認可能な筋ムラを発生させるものとはならない。
以上、発光素子として有機EL素子を用いた画像記録装置に適用された実施形態について説明したが、本発明はその他の発光素子、例えばLEDアレイや無機EL素子等を用いる画像記録装置に対しても適用可能であり、その場合も同様の効果を奏するものである。
また以上の実施形態における露光ヘッドは、赤色、緑色、青色の光で感光材料を露光するものであるが、感光材料の特性に応じた他の色、例えばシアン、マゼンダ、イエローの光で露光するように構成することも可能である。さらに、露光色の数も3色に限られるものではなく、フルカラー画像を露光する場合は4色にしてもよいし、フルカラーではないカラー画像を露光する場合は2色にしてもよいし、モノクロ画像を露光する場合は単色にしてもよい。
本発明が適用される画像記録装置の一例を示す側面図 上記画像記録装置における露光ヘッドの概略平面図 上記露光ヘッドにおける赤色発光素子の配列状態を示す概略図 上記露光ヘッドにおける緑色発光素子の配列状態を示す概略図 上記露光ヘッドにおける青色発光素子の配列状態を示す概略図 上記画像記録装置の発光素子駆動回路を示すブロック図 上記発光素子駆動回路における信号波形を示す波形図 本発明の一実施形態による光量補正方法を実行する装置例を示すブロック図 有機EL素子の発光特性を示す概略図 上記有機EL素子の光量補正前の変調特性を示す概略図 上記有機EL素子の発光量偏差補正後の変調特性を示す概略図 上記有機EL素子の発光量偏差および応答性偏差補正後の変調特性を示す概略図 図12の特性を一部拡大して示す図 感光材料のセンシトメトリー特性例を示す概略図
符号の説明
1 露光ヘッド
5 画像記録装置
6R 面状赤色発光素子アレイ
6G 面状緑色発光素子アレイ
6B 面状青色発光素子アレイ
10 透明基板
20R 赤色有機EL素子
20G 緑色有機EL素子
20B 青色有機EL素子
30R,30G,30B 屈折率分布型レンズアレイ
40 カラー感光材料
51 副走査手段
60 制御部
61 光量測定センサー
62 センサー移動ステージ
70 偏差補正演算部
71 露光/測光切替部
72 乗算部
73 加算部
74 測光制御部
75 発光量偏差補正テーブル
76 応答性偏差補正テーブル
80 駆動回路

Claims (8)

  1. 複数の発光素子が主走査方向に配列されてなる発光素子アレイと、
    この発光素子アレイと発光材料とを、前記主走査方向と略直交する副走査方向に相対移動させる副走査手段と、
    階調画像を担持する画像データに基づいて前記複数の発光素子の各々の発光時間を制御する駆動回路とを備えて、
    前記画像データが示す階調画像を前記感光材料に露光、記録する画像記録装置において、
    前記複数の発光素子を定常状態で点灯させて、そのときの該発光素子の相互間における発光量偏差を求め、
    この発光量偏差を補正した状態で前記発光素子の各々を、ほぼ定常状態に入る前の期間応答速度が最低の発光素子の応答時間と近い所定時間だけパルス状に点灯させて、そのときの各発光素子による露光量に基づいて該発光素子の相互間における応答性偏差を求め、
    前記階調画像を記録する際に、前記発光量偏差および応答性偏差を補正することを特徴とする画像記録装置の光量補正方法。
  2. 前記露光量を、各発光素子の発光強度の発光時間積分値として求めることを特徴とする請求項記載の画像記録装置の光量補正方法。
  3. 前記発光量偏差を、前記複数の発光素子の発光強度に基づいて求めることを特徴とする請求項1または2いずれか1項記載の画像記録装置の光量補正方法。
  4. 前記光量偏差の補正を、各発光素子の駆動電圧、駆動電流および発光時間のうち少なくとも1つに補正係数を乗算することによって行うことを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の画像記録装置の光量補正方法。
  5. 前記発光素子と前記補正係数とを対応付けてルックアップテーブルに記憶させておき、前記乗算を、各発光素子毎に前記ルックアップテーブルから読みだした補正係数を用いて行うことを特徴とする請求項記載の画像記録装置の光量補正方法。
  6. 前記応答性偏差の補正を、各発光素子の駆動電圧、駆動連流および発光時間のうちの少なくとも1つに補正値を加算することによって行うことを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の画像記録装置の光量補正方法。
  7. 前記発光素子と前記補正値とを対応付けてルックアップテーブルに記憶させておき、前記加算を、各発光素子毎に前記ルックアップテーブルから読みだした補正値を用いて行うことを特徴とする請求項6記載の画像記憶装置の光量補正方法。
  8. 複数の発光素子が主走査方向に配列されてなる発光素子アレイと、
    この発光素子アレイと感光材料とを、前記主走査方向と略直交する副走査方向に相対移動させる副走査手段と、
    階調画像を担持する画像データに基づいて前記複数の発光素子の各々の発光時間を制御する駆動回路とを備えて、
    前記画像データが示す階調画像を前記感光材料に露光、記録する画像記録装置において、
    前記複数の発光素子が定常状態で点灯されたとき、該発光素子の相互間における発光量偏差を求める手段と、
    この発光量偏差を補正した状態で前記発光素子の各々が、ほぼ定常状態に入る前の期間応答速度が最低の発光素子の応答時間と近い所定時間だけパルス状に点灯されたとき、そのときの各発光素子による露光量に基づいて該発光素子の相互間における応答性偏差を求める手段と、
    前記階調画像を記録する際に、前記発光量偏差および応答性偏差を補正する手段とを備えたことを特徴とする画像記録装置。
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