JP5007683B2 - 発光装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトロルミネセンス等の発光現象に基づく発光装置及び電子機器に関する。
薄型で軽量な発光源として、OLED(organic light emitting diode)、即ち有機EL(electro luminescent)素子が提供されている。この有機EL素子は、有機材料を含む、少なくとも一層の有機発光層を画素電極と対向電極とで挟んだ構造を有する。有機EL素子は、これら画素電極及び対向電極間に所定の電流が供給されることによって発光する。その発光強度は、通常、前記電流の値に依存する。
このような有機EL素子を含む発光装置は、例えば、タンデム方式や4サイクル方式等のラインプリンタ等の画像形成装置用のプリンタヘッドに利用される。ここで画像形成装置とは、例えば前記のプリンタヘッドに加えて、感光体ドラム等の像担持体、帯電器、現像器、及び転写器等を備える。像担持体は、帯電器によって帯電された後、プリンタヘッドの一部を構成する有機EL素子から発した光に曝される。この露光によって、像担持体の表面には静電潜像が形成される。この後、当該静電潜像は、現像器から供給されるトナーによって現像され、このトナーが転写器によって紙等の被転写媒体に転写される。これにより、被転写媒体上には、所望の画像が形成されることになる。
このような画像形成装置等に組み込まれる発光装置としては、例えば特許文献1乃至3に開示されているようなものが知られている。
特開2004−66758号公報 特開2005−225165号公報 特開2005−225166号公報
ところで、上述のような発光装置は、通常、前記有機EL素子を複数もつが、これら複数の有機EL素子それぞれの発光特性は相当程度ばらつく可能性がある。しかし、このばらつきは、一定の範囲に収まっているのが望ましい。そうでなければ、各有機EL素子の発光強度がばらつくことになる結果、前記の静電潜像を初め、これに基づき最終的に形成される前記被転写媒体上の画像、等の品質を低下させるからである。
しかし、上述のような要求を満足させるには困難が伴う。例えば、ある1枚の基板上に、複数の有機EL素子を一斉に形成するにしても、当該基板の平面内におけるプロセス・パラメータの微妙な相違(例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法であれば、原料ガス供給量の相違)等が発生し得、これにより、1個1個の有機EL素子の特性にばらつきが生じる、ということは発生しがちな事象だからである。また、製造直後は一定の範囲に収まっていた特性も、装置の運用に伴って(あるいは、発光に供された時間が次第に長くなるに従って)、ばらついていくということもある。この場合、各有機EL素子の特性のばらつきが時間の進行に伴って拡大する可能性もある。
上述のような不具合に対処するため、前述の特許文献1は、「発光部から発光される光線の光量を検出する光量検出手段」を素子基板の端面に備える「露光ヘッド」に係る技術を開示する(以上、「」内は特許文献1の〔請求項1〕より。なお、〔要約書〕、〔図11〕等も参照)。特許文献1では、前記光量検出手段により検出された各有機EL素子の光量に基づいて、これら各有機EL素子の「発光量を一定量に安定的に制御」する(特許文献1の〔0058〕及びそれ以降参照。)。
あるいは、前述の特許文献2及び3は、それぞれ、「発光素子」に「定電圧」が印加されることを前提として、「発光素子の光量のばらつきを補正する補正データを…階調データに付加」する技術を開示し(以上、「」内は特許文献2の〔請求項1〕より。)、あるいは、「発光素子の光量のばらつきを補正する電気量の補正データ」を、「階調データ」に基づいて形成する技術を開示する(以上、「」内は特許文献3の〔請求項1〕より。)。
これら各特許文献1乃至3によれば、たしかに、相当程度好適に各有機EL素子の発光強度のばらつきを補正することが可能である。
しかしながら、特許文献1の技術では、「光量検出手段」の設置位置が極めて好適に選択されているものの、当該の手段をいわば特別に設置すること自体は、従来の光センサ等を設ける技術と違いはなく、したがって、その設置の手間等を考えると、製造プロセス、コスト等の上で改善の余地があるといえる。
また、特許文献2及び3は、有機EL素子のばらつきを、いざ実際になくそうとする段階における技術として非常に好適ではあるが、そこで用いられる「補正データ」は、当該文献において、いわばアプリオリに取得されるかのような体裁で取り扱われており、それを取得するための具体的手段については特に言及がない。特許文献2及び3の技術はそれ自体で極めて有効ではあるが、好適な補正データの取得手段が提案されればより活きてくるということがいえるだろう。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、前述した問題の全部又は一部を解決しながら、複数の発光素子間の特性のばらつきの影響を可能な限り受けない発光装置及び電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る発光装置は、上述した課題を解決するため、所定の配列に従ってその各々が並べられ、供給される電流量に応じてその発光強度が変化する複数の発光素子と、前記発光素子の発光強度を検出する光検出素子と、前記光検出素子の検出結果に応じて、前記発光素子に流される電流の量を制御する制御手段と、前記複数の発光素子の各々に共通に、電気的に接続される共通配線と、を備え、前記光検出素子は、前記複数の発光素子のうち当該光検出素子の検出対象とされた発光素子以外の発光素子の全部又は一部を含み、前記共通配線は、前記光検出素子として機能する前記発光素子に所定の大きさの電流を流すために、及び、前記発光強度の検出の際、当該発光強度に応じて当該発光素子に流れる電流を検出するために、用いられる、ことを特徴とする。
本発明によれば、発光素子→光検出素子→制御手段→発光素子、という流れに沿った、いわゆるフィードバック制御が観念される。すなわち、(i)発光素子は、その供給された電流値に応じた強度でもって発光し、(ii)光検出素子は、その発光強度を検出し、(iii)制御手段は、この光検出素子の検出結果に応じて、(iv)前記の発光素子に流される電流の量を制御する。この場合、前記の(i)では、「複数の発光素子」の各々で、その発光特性に相違があるのが通常であるから、(ii)の発光強度は、当該複数の発光素子それぞれで異なる可能性が大きい。前記の(iii)及び(iv)が、このような1個1個の発光素子の相違に対する配慮を伴った上で実行されるのであれば、制御手段は、これら複数の発光素子間のばらつきを一定の範囲内に収め得る。具体的には例えば、制御手段は、予め一定の基準を定めておくとともに、前記発光強度ないし検出結果を当該基準に一致させるように、発光素子に流される電流の量を制御する、というようである。
ここで本発明においては特に、前記光検出素子が、検出対象とされた発光素子以外の発光素子(以下、この〔課題を解決するための手段〕の項では、「対象外素子」という。)を含む。すなわち、この対象外素子は、本来的には、発光素子としての機能を担いつつも、光検出の機能をも担うのである。また、このことは同時に、当該対象外素子のうちの1個が新たに「検出対象」となる場合、従前まで「検出対象とされた『発光素子』」が、新たに「対象外素子」に該当することになることを意味する。このように、本発明にいう「光検出素子」は、いわば動的に把握される概念である。すなわち、「複数の発光素子」のうちの任意の1個の発光素子は、あるときは、まさに発光機能を発揮することが期待される一方、またあるときは、光検出機能を発揮することが期待されるのである。当該1個の発光素子は、前者の場合、「光検出素子」ではないが、後者の場合は、「光検出素子」なのである。
以上を要するに、本発明にいう「複数の発光素子」は、その全部が、発光機能を担う素子であると同時に、光検出をも担いうる素子である。
以上のような結果、本発明においては、実際の装置上において、「光検出素子」概念に具体的に該当する何らかの特別の要素を、特別に設ける必要は必ずしもない。したがって、本発明に係る「発光装置」は、その構造、あるいは構成が極めて簡易となりえる。また、同じ理由から、その製造プロセスは極めて簡素となり得るし、さらには製造コスト、材料コスト等の各種のコストの増大がもたらされるということもない。
また、この発明によれば、共通配線は、第1に、対象外素子に所定の大きさの電流を供給するために用いられる(なお、本態様にいう「光検出素子として機能する発光素子」とは、前記で定義した「対象外素子」に略同義である。)。ここで「所定の大きさの電流」は、好適には、当該発光素子が発光するには十分でない大きさの電流、更に換言すれば、比較的微小な電流である。この微小な電流の供給は、当該対象外素子が光検出素子として機能するのに好適である。なぜなら、当該対象外素子が光入射を受ける場合、その反応が、当該微小な電流の変動として観測されやすくなるからである。
そして、この発明によれば、共通配線は、第2に、対象外素子が前記発光強度を検出する際、当該発光強度に応じて当該対象外素子に流れる電流を検出するために用いられる。この場合、前記「所定の大きさの電流」が前記微小な電流なのであれば、当該の微小な電流の変動が、共通配線を通じて検出されることになる。
このようにして、本発明に係る「共通配線」は、対象外素子を光検出素子として好適に機能させうるとともに、その検出結果を好適に取得することをも可能とする。
なお、本発明は、このような2つの機能を別々の要素で実現する場合も当然その範囲内におさめるものであるが、本態様では、かかる2つの機能を1個の「共通配線」で実現していることになる。かかる観点からすると、本態様は、装置構成の簡略化、製造プロセスの簡易化、あるいは材料コストの節約、等が更に促進されることになる。
この「共通配線」を備える態様では、前記共通配線と、前記複数の発光素子の各々との電気的な接続の有無を制御する複数の第1スイッチング素子と、前記複数の発光素子の各々に共通に電気的に接続され、これら発光素子に発光用の電流を供給するために用いられる電源線と、当該電源線と、前記複数の発光素子の各々との電気的な接続の有無を制御する複数の第2スイッチング素子と、を更に備え、前記複数の発光素子のうちの任意の1個の発光素子に着目した場合、当該1個の発光素子が前記光検出素子の検出対象とされるとき、当該1個の発光素子に対応する前記第1スイッチング素子はOFFとなり、且つ、当該1個の発光素子に対応する前記第2スイッチング素子はONとなり、当該1個の発光素子が前記光検出素子として機能するとき、当該1個の発光素子に対応する前記第1スイッチング素子はONとなり、且つ、当該1個の発光素子に対応する前記第2スイッチング素子はOFFとなる、ように構成してもよい。
この態様によれば、前記1個の発光素子に着目したとき、当該発光素子に発光機能の発揮が期待される場合と光検出機能の発揮が期待される場合との、2つ場合の間の切換が、好適に行われる。すなわち、当該発光素子を、まさに発光素子として機能させるときは、第1スイッチング素子をOFFとするとともに、第2スイッチング素子をONとするとよく、対象外素子として機能させるときには、その逆に、第1スイッチング素子をONとするとともに、第2スイッチング素子をOFFとするとよい。
また、本発明の発光装置では、ある時点における、前記光検出素子の検出結果を記憶する記憶手段を更に備え、前記制御手段は、前記ある時点以降における、前記光検出素子の検出結果と、前記記憶手段の記憶内容とを比較し、その結果に応じて、前記発光素子に流される電流の量を制御する、ように構成してもよい。
この態様によれば、前記「ある時点」以後の装置運用に伴う発光素子の劣化に、好適に対応することができる。これは、例えば、本態様では、「ある時点」における、複数の発光素子の各々自身の発光強度を基準とした補正が、当該「ある時点」以後、当該複数の発光素子の各々について適宜行われる、といった運用が可能になるからである。
なお、本態様にいう「ある時点」は、例えば、当該発光装置の製品出荷時、等々に設定可能である。
この「記憶手段」を備える態様では、前記制御手段は、前記ある時点以降、所定期間の経過の度に、前記光検出素子の検出結果を参照する、ように構成してもよい。
この態様によれば、前述したような補正が、前記「ある時点」以後、所定期間の経過のたびに実施され得ることになるので、経過時間にかかわらない、当初の状態そのままの発光強度の可能な限りの維持が、好適に行われる。
なお、本態様にいう「所定期間」の具体的な長さは、様々に定められ得る。例えば、“20秒”とか、あるいは、“1日”とかであってよい。あるいは、当該発光装置が例えばプリンタヘッドに用いられるのであれば、当該「所定期間」は“1ジョブ完了までの時間”などと設定されてもよい(なお、ここで「1ジョブ」とは、1個のまとまりとして把握される印刷作業の全体を意味する用語として用いた。この場合、“1ジョブ完了までの時間”に対応する実時間の長さは、印刷作業の内容に応じて異なることになる。)。
また、本発明の発光装置では、前記光検出素子は、前記複数の発光素子のうち前記所定の配列の端部に並べられた発光素子の発光強度を検出するための光検出専用素子を含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、「光検出専用素子」が備えられているので、所定の配列の端部に並べられた発光素子についても、その発光強度の把握や、あるいは、それに基づく前記フィードバック制御が好適に行われることになる。このことは、当該発光素子に対応する「光検出素子」の数は、例えば前記所定の配列の真ん中に位置する発光素子に対応するそれに比べて、実質的に少なくなるおそれがあることを鑑みるに、明らかである。
なお、本態様にいう「光検出専用素子」は、前述した対象外素子(即ち、発光素子)と同じ構造をもって好適である。そのようであれば、両者は共通の工程上で製造され得ることになるため、前述した製造プロセスの簡易化、コスト低廉化等の効果がより徹底されるからである。ただ、この場合、当該の「光検出専用素子」については、これが発光するのに必要な要素等の結線等は必要ない(その意味で、「検出専用」である。)。例えば、前述の態様の中で登場した、「電源線」等を、当該「光検出専用素子」に接続する必要はない。
なお、ただし、この「光検出専用素子」には、「発光素子」とはその構造等が異なった、公知のフォトダイオード等が当てられてよいことはいうまでもない。
また、本発明の発光装置では、前記所定の配列は、線状配列を含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、発光素子が線状配列に従って並べられるので、当該発光装置は、例えば、プリンタ等の画像形成装置を構成するプリンタヘッド等に好適に用いられる。
また、本発明の発光装置では、前記所定の配列は、マトリクス状配列を含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、発光素子がマトリクス状配列に従って並べられるので、当該発光装置は、例えば、テレビ等の画像表示装置を構成するもの等として好適に用いられる。
また、本発明の発光装置では、前記発光素子は、有機EL素子を含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、発光素子が有機EL素子を含むので、前述のように、発光機能とともに光検出機能をも果たしうる「発光素子」が好適に提供されることになる。
また、本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した各種の発光装置を備える。
本発明の電子機器は、上述した各種の発光装置を備えているので、輝度ムラ、濃度ムラ、あるいは画像ムラ等のない高品質な静電潜像の形成や、あるいは、画像表示等を行うことが可能となる。
以下では、本発明に係る実施の形態について図1及び図2を参照しながら説明する。なお、ここに言及した図1及び図2に加え、以下で参照する各図面においては、各部の寸法の比率が実際のものとは適宜に異ならせてある場合がある。
本実施形態に係る発光装置10は、図1に示すように、素子基板7及びカバー基板12を備えている。このうち素子基板7は、同図に示すように、平面視して略長方形状をもつ平板状の部材である。また、カバー基板12も、素子基板7と同様、平面視して略長方形状をもつ板状の部材である。本実施形態において、このカバー基板12を平面視した面積は、前述した素子基板7のそれと同じである。
これらの素子基板7及びカバー基板12は、お互いの辺縁同士で、接着剤51により相互に接着されている。
このような素子基板7及びカバー基板12は、例えばガラスや石英、プラスチックなどの透光性材料で作られる。
前記の素子基板7の上には、図1に示すように、有機EL素子8及び単位駆動回路9a等が形成されている。
有機EL素子(発光素子)8は、相互に対向する2つの電極、及び、これら2つの電極間に少なくとも有機発光層を含む発光機能層を備えている(いずれも図1において不図示。なお、後述する図5参照)。これらの各層は、図1の視点でいえば、図中紙面を貫く方向に沿って積層される構造をもつ。前記2つの電極のうち一方の電極には、共通線16が接続され、他方の電極には単位駆動回路9aが接続される。
また、発光機能層に含まれる有機発光層は正孔と電子が結合して発光する有機EL物質から構成されている。発光機能層は、前記有機発光層のほか、電子ブロック層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層及び正孔ブロック層の一部又は全部を備えていてもよい。
本実施形態において、この有機EL素子8は、その複数が素子基板7の長手方向に沿った直線に乗るように、線状に配列されている。
ただし、この配列態様は単なる一例に過ぎない。例えば、有機EL素子8は、前記の素子基板7の長手方向に沿った直線を挟んで、千鳥足状に配列されていてもよい(「千鳥足状の配列」とは、端から順番に有機EL素子に1,2,3,…と番号を振るとするなら、奇数番目は当該直線を基準として図1中下側、偶数番目は当該直線を基準として図1中上側に配置される、というような配列、を含意する。)。
なお、本実施形態では、特に断りがない限り、有機EL素子8の全数が、N個あるものとした説明を行う(図1の符号D,D,…,D参照)。
単位駆動回路9aは、前述のN個の有機EL素子8のそれぞれに対応する。これらN個の単位駆動回路9aは、その各々に対応する有機EL素子8を駆動する。
これらN個の単位駆動回路9aの1個1個は、図2に示すように、4個の薄膜トランジスタ(Tr1〜Tr4)、及び、1個の蓄積容量(C)を備えている。なお、図2においては、都合3つの単位駆動回路9aが図示されている(それら各々に対応する添え字n−1,n,n+1については後の説明において触れる。)。
前述の回路要素のうち駆動トランジスタTr1は、そのドレインが有機EL素子8を構成する前記画素電極に接続されており、そのソースが第2スイッチング・トランジスタ(第2スイッチング素子)Tr2のドレインに接続されている。また、この駆動トランジスタTr1のゲートは、データ書込用トランジスタTr4のドレインに接続されている。
前記第2スイッチング・トランジスタTr2(以下、「第2SWトランジスタTr2」と略す。)は、そのゲートがデータ線6に接続されており、そのソースが電源線113に接続されている。また、前記データ書込用トランジスタTr4は、そのゲートが走査線3に接続されており、そのソースがデータ線6に接続されている。
蓄積容量Cは、駆動トランジスタTr1のゲートとデータ書込用トランジスタTr4との間を結ぶ配線の途中から延びる配線上に存在する。その一方の電極は、図2に示すように接地されている。
以上の構成要素は、有機EL素子8を駆動するための、基本的、あるいは基盤的な回路を形作る。すなわち、データ書込用トランジスタTr4は、そのゲートに書込信号WRT(アクティブ)を受けるとON状態となり、これにより、蓄積容量Cは、データ線6を通じて供給されてくるデータ信号Dに応じた電荷を蓄積する。この蓄積された電荷は、書込信号WRTがノン・アクティブとなっても一定時間、蓄積されたままである。
一方、データ信号Dがノン・アクティブである場合、第2SWトランジスタTr2はON状態にある。したがって、電源線113、第2SWトランジスタTr2、駆動トランジスタTr1及び有機EL素子8間には電流が流れる。なお、駆動トランジスタTr1は、飽和領域において使用されることが前提とされる。
この場合、有機EL素子8に流される電流は、駆動トランジスタTr1のゲートにかけられている電圧の大きさに応じる。すなわち、当該電圧は、データ書込用トランジスタTr4を通じて供給されるデータ信号Dのレベル、あるいは、蓄積容量Cがもつ蓄積電荷量の大きさに応じるが、この電圧の印加態様は、駆動トランジスタTr1のソース・ドレイン間に流れる電流の大きさを変える。
このようにして、有機EL素子8に流れる電流の大きさは変更を受けうることになる。そして、当該有機EL素子8は、そこに供給される電流量に応じた発光強度で発光する。
他方、前述した4個のトランジスタ(Tr1〜Tr4)の中には、電流検出用のトランジスタ(第1スイッチング素子)Tr3が含まれる。
この電流検出用のトランジスタTr3(以下、「第1SWトランジスタTr3」という。)は、そのゲートがデータ線6に接続されており、そのドレインが駆動トランジスタTr1及び第2SWトランジスタTr2間の配線に接続されている。このうち特に、後者の結線態様によって、有機EL素子8(あるいは、駆動トランジスタTr1)からみて、第1SWトランジスタTr3と第2SWトランジスタTr2とは互いに並列関係にあることになる。また、第1SWトランジスタTr3のソースは、電流検出線118に接続されている。
なお、この第1SWトランジスタTr3は、n型トランジスタである一方、前述の第2SWトランジスタTr2は、p型トランジスタである。したがって、これらのトランジスタ(Tr3及びTr2)は、データ線6を通じて供給されてくるデータ信号のレベルに応じて、いわば交替的に反応する。すなわち、第1SWトランジスタTr3がOFF状態にあるとき、第2SWトランジスタTr2はON状態にあるが、第1SWトランジスタTr3がON状態にあるとき、第2SWトランジスタTr2はOFF状態にある。
以上のような構成を備える単位駆動回路9aは、図1に示すように、素子基板7上で線状にN個並べられる。それらの各々には前記データ線6を介してデータ信号供給回路106が接続される。また、前記電源線113は電源回路110に接続され、前記走査線3は制御回路CCに接続される。
さらに、前記電流検出線118は電流計測回路108に接続される。ただし、この電流検出線118は、図1に示すように、制御回路CCにも接続されている。
これらのうち、データ信号供給回路106は、制御回路CCから受ける原データ信号Doutに基づいて各有機EL素子8に対応したデータ信号Dp(p=1,2,3,…,N)を生成する。また、該回路106は、このデータ信号Dpを、対応する有機EL素子8にデータ線6を介して供給する。
電源回路110は、本実施形態に係る発光装置10全体の電源の供給源である。なお、特に、この電源回路110は、有機EL素子8を発光させるための電流の供給源としての機能をもつ。
電流計測回路108は、後に述べるように、N個ある有機EL素子8のうち、少なくとも1個以上の有機EL素子8が光検出素子として機能する際、当該有機EL素子8に流れる電流の総量を検出する。該回路108はまた、その検出電流値Vsenを制御回路CCに供給する(図1中、該回路108から制御回路CCに向かう矢印参照。)。制御回路CCは、このようにして受けた検出結果に応じて、前述した原データ信号Doutを適当に調整する。
以上のようにして、各有機EL素子8に供給される各データ信号Dpのレベルは、電流計測回路108の検出電流値Vsenに応じて変更を受け得るようになっている。
制御回路CCは、本実施形態に係る発光装置10に、全体的に調和ある動作を行わせるための各種の制御を行うほか、以下に記す制御を特に行う(既に触れた事項も改めて含ませている。)。
〔I〕 制御回路CCは、電流計測回路108からの検出電流値Vsenに応じた原データ信号Doutの生成を行い、かつ、その原データ信号Doutをデータ信号供給回路106に供給する。
〔II〕 制御回路CCは、走査線3に供給するための書込信号WRTを生成する。また、その供給タイミングを制御する。
〔III〕 制御回路CCは、電流供給線118に印加するための電圧Vthを生成する。また、その印加タイミングを制御する(この点については、後に改めて触れる。)。
また、制御回路CCは、図1に示すようにその内部にメモリCCMを備えている。このメモリCCMは、後述するように、発光装置10の使用開始前の適当な段階における各有機EL素子8についての発光強度、あるいは、前記検出電流値Vsenを記憶する。本実施形態では、このような意味におけるメモリCCMの内容の充実を、特に「初期化」ということにする。
以下では、以上のような構成をもつ発光装置10の動作ないし作用、特に単位駆動回路9aに関わる動作ないし作用について、前述の図1及び図2に加えて、図3乃至図6を参照しながら説明する。
まず、説明の前提として、図2に関し若干補足する。図2は、既述のように、3つの単位駆動回路9aの回路構成を図示するが、これらについて、図中左から順に、n−1,n,n+1という記号を付す。ここでn=2,3,4,…,N−1である(Nは、既述のように、有機EL素子8の全数、即ち単位駆動回路9aの全数)。かかる記号は、図2から明らかなように、各単位駆動回路9aを構成する要素を指示する符号の添え字としても用いられる(例えば、記号nに対応する単位駆動回路9a中の駆動トランジスタTr1は、Tr1、というようである)。
以上のような記号使用を前提に、以下では、記号nの単位駆動回路9aに対応する有機EL素子8の発光強度を検出する例を主にとりあげて説明する。
まず、有機EL素子8の発光強度を検出する場合、当該有機EL素子8には、これが発光するに十分な大きさの電流が流される。一般に、有機EL素子では、そこに流す電流値と発光強度とは比例関係にあるので、電流値が大きくなればなるほど、発光強度は増大する。
なお、有機EL素子8が発光するための回路動作については、既に触れたとおりである。これをその要点に限りまとめると、図3中の真ん中の列に示されるようになる。すなわち、データ信号Dはノン・アクティブとなって、第2SWトランジスタTr2はONとなり、有機EL素子8はONとなる(即ち、発光する。)。なお、図3中、駆動トランジスタTr1の欄に示される“○”は、当該飽和トランジスタTr1に所定の電流が流れることを表している(駆動トランジスタTr1は飽和領域において動作する。)。また、この場合、第1SWトランジスタTr3はOFFである。
以上の有機EL素子8の発光動作と並行して、その両隣に位置する記号n−1及びn+1に対応する単位駆動回路9aは、次のように動作する。
すなわち、これらの単位駆動回路9aについては、図3の“n−1”の列、及び、“n+1”の列に表されるように、データ信号Dn−1及びDn+1がアクティブとされる結果、有機EL素子8に対応する第1SWトランジスタTr3及び第2SWトランジスタTr2の状態とは逆に、第1SWトランジスタTr3n−1及びTr3n+1はONとなり、第2SWトランジスタTr2n−1及びTr2n+1は、OFFとなる。これにより、有機EL素子8n―1又は8n+1は、電源線113との間の導通を遮断されるが、電源供給線118との間の導通が確保される。
一方、このような状態がつくりだされると同時に、又は、その直前に、制御回路CCは、電源供給線118に電圧Vthを印加する(図1参照)。この電圧Vthは、有機EL素子8n―1及び8n+1が発光するには十分でない大きさの電流を流すために印加される電圧である。したがって、この電圧Vthの値は、少なくとも有機EL素子8n―1及び8n+1の閾値電圧よりも小さい。以上により、有機EL素子8n―1及び8n+1には、微小な電流が流される。
このような状態の下で、有機EL素子8が発する光は、図2に示すように、その両隣に位置する有機EL素子8n―1及び8n+1に到達する。これにより、これら有機EL素子8n―1及び8n+1内では、前記の微小電流に変動が生じる。この変動は、有機EL素子8n―1及び8n+1の発する光の強度に応じて変わる。より具体的には、当該の発光強度が大きければ大きいほど、当該の変動が大きくなる。
そして、この変動の結果は、駆動トランジスタTr1n―1及びTr1n+1、第1SWトランジスタTr3n―1及びTr3n+1を介して、電流検出線118に流れる電流の変動をもたらす。図1の電流計測回路108は、電流検出線118におけるこの変動電流の値を、検出電流値Vsenとして検出する。
なお、以上のような、記号n−1及びn+1に対応する単位駆動回路9aの動作、及び、有機EL素子8n―1及び8n+1における発光強度ないし検出電流値Vsenの検出は、図3において示されない、記号1,2,…,n−2、及び、記号n+2,n+3,…,N−1,Nのそれぞれに対応する単位駆動回路9aにおいても同様に行われる。以下、記号1,2,…,n−2,n−1,n+1,n+2,n+3,…,N−1,N(言い換えると、Nからnのみを除くすべての記号)を、記号Kで表す。
この際、有機EL素子8における変動電流の大きさは、例えば、概ね図4に示すようになる。すなわち、図4に示す曲線Sは、有機EL素子8を中心として、そこから図中左右方向それぞれに一定程度離れたところで、2つの山をもち、その頂点から裾野を広げるようになだらかに低下していく。
曲線Sがこのようなかたちをとるのは、例えば、図5に示すような事情があるからである。すなわち、図5においては、素子基板7上に、各種層間絶縁膜300、画素電極13、発光機能層18及び対向電極5という積層構造が構築されている例が示されているが(このうち後三者が有機EL素子8を構成する。)、図中最右端の有機EL素子8から発せられた光は、例えば、素子基板7と各種層間絶縁膜300との間の界面で反射する。この場合、当該光ないし反射光の波長、各種層間絶縁膜300の屈折率と素子基板7の屈折率との関係、あるいは、当該有機EL素子8から発した光が別の有機EL素子8に入射するまでの光学的距離、等々の影響を受けて、当該有機EL素子8から発した光は、そのすぐ隣に位置する有機EL素子8ではなく、それよりも遠い場所に位置する有機EL素子8に、より大きな強度で入射する可能性がある。図4中の曲線Sの山は、このような事情を背景に持つ可能性がある(なお、前述の反射は、各種層間絶縁膜300及び素子基板7間だけでなく、各種層間絶縁膜300が複数の層間絶縁膜からなる場合は、当該複数の層間絶縁膜間の界面、あるいは、素子基板7の図5中下面、等々においても生じる可能性がある。)。
いずれにせよ、電流計測回路108は、電流検出線118を通じ、有機EL素子8を除く、有機EL素子8の全部で検出された前記の微小電流の変動を、総体的に、検出する。
以上述べたような、有機EL素子8及び8に関する動作は、図1に示す、N個の有機EL素子8の全部に関して行われる。つまり、図6に示すように、線状に並ぶN個の有機EL素子8の全部に関する発光強度が、端から順に、検出、計測されていくのである。なお、図6では、図中白丸が発光する有機EL素子8(換言すれば、検出対象とされた有機EL素子8)を、ハッチングされた丸が光検出素子として機能する有機EL素子8を、それぞれ表している。また、図6は、このような考え方を示すことを主目的としているため、有機EL素子8の全数が8個の場合を特に例示している。
ただし、この際、線上に配列された各有機EL素子8のうち、その両端に位置する有機EL素子8及び8については、そのそれぞれの両隣双方には有機EL素子8は存在しないので、そのどちらか一方の側に隣接する有機EL素子8に対応する単位駆動回路9aついて、前述の、n−1及びn+1に対応する単位駆動回路9aに関する動作と同様の動作が行われる。
また、上述のように、順次検出対象とされていく有機EL素子8に対しては、すべて、同じレベルのデータ信号Dが与えられる。これにより、理論上は、N個の有機EL素子8の全部は同じ発光強度で発光することになるはずであるが、実際上は、当該有機EL素子8の1個1個の発光特性が異なること、あるいは、駆動トランジスタTr1の特性が異なること、等の様々な要因により、N個の有機EL素子8はそれぞれ、一般に、互いに異なる発光強度で発光することになる。これは当然、N個の有機EL素子8それぞれについての、電流計測回路108における検出電流値Vsen(以下、「初期値」ということがある。)に相違をもたらす。
制御回路CC中のメモリCCMは、このようにして得られた、1個1個の有機EL素子8に固有の初期値INIを記憶する。メモリCCMの内容は、このようにして初期化される。
以上の結果、N個の有機EL素子8の全部についての初期値INI,INI,…,INIが獲得されたら、後は、これに基づく補正を伴いながら、各有機EL素子8は発光させられる。例えば、有機EL素子8を発光させる際には、データ信号供給回路106は、制御回路CCから初期値INIの情報(これは、原データ信号Doutに含ませうる。)を得た上で、これを用いて本来のデータ信号(具体的にいうと、例えば、表示されるべき階調情報を忠実に反映したデータ信号)を補正し、この補正を経たデータ信号Dを有機EL素子8に向けて供給する。以下、2番目以降の有機EL素子8についても同様である。
以上のように動作する、本実施形態の発光装置10によれば、次のような効果が奏される。
(1) 本実施形態に係る発光装置10によれば、上述のように、有機EL素子8→光検出素子としての有機EL素子8→電流検出線118及び電流計測回路108→制御回路CC→有機EL素子8、という流れに沿った、いわゆるフィードバック制御が行われる。したがって、N個の有機EL素子8間の発光強度のばらつきは、一定の範囲内に収められ得ることになる。これにより、当該発光装置10の具体的適用場面に応じて、輝度ムラ、濃度ムラ、あるいは画像ムラ等のない、高品質な静電潜像の形成や、あるいは、画像表示等が行われ得る。
(2) また、本実施形態に係る発光装置10によれば、上述の説明から明らかなように、発光機能を担う有機EL素子8が、同時に光検出機能を担う光検出素子としても機能する(本実施形態におけるN個の有機EL素子8は、その全部が、発光機能を担う素子であると同時に、光検出をも担う素子である。)。
このようであるから、本実施形態によれば、「光検出素子」を、有機EL素子8とは別個・特別に設ける必要がない。したがって、本実施形態に係る発光装置10は、その構造、あるいは構成が極めて簡易となりえる。また、同じ理由から、その製造プロセスは極めて簡素となり得るし、さらには製造コスト、材料コスト等の各種のコストの増大がもたらされるということもない。
(3) また、本実施形態においては、電流検出線118が、有機EL素子8を好適に光検出素子として機能させるため当該有機EL素子8に微小電流を流すために用いられるとともに、当該有機EL素子8を流れる電流の変動量を検出する用途にも用いられる。このような2つの機能を別々の要素で実現する場合も考えられるところ、本実施形態では、それとの対比において、装置構成の簡略化、製造プロセスの簡易化、あるいは材料コストの節約、等が更に促進される。
なお、本実施形態における「初期化」が行われる時点は、上述した、「発光装置10の使用開始前の適当な段階」のほか、例えば、発光装置10の製品出荷時、あるいは、発光装置10の完成直後、等々様々に設定可能である。
また、本実施形態におけるデータ信号の補正も、前記初期化以後、適宜に、あるいは、所定期間ごとに実施されてよい。例えば、当該補正は“5分”ごとに実施する、としたり、“10日”ごとに実施する、などとしてよい。あるいは、当該発光装置10が例えばプリンタヘッドに用いられるのであれば、当該「所定期間」は“1ジョブ完了までの時間”などと設定されてもよい(ここで「1ジョブ」とは、1個のまとまりとして把握される印刷作業の全体を意味する用語として用いた。“1ジョブ完了までの時間”に対応する実時間の長さは、印刷作業の内容に応じて異なることになる。)
いずれにせよ、このような処理が実行されると、運用時間の経過に従って有機EL素子8の劣化が生じたとしても、例えば図7に示すように、その発光強度の維持が可能になる。この図7において、記号Ttは、前述の「所定期間」にあたる。また、図中破線は維持される発光強度を表し、図中一点鎖線は、図中1回目の補正を行わないとした場合における発光強度の低下を表している。この図7において、劣化した有機EL素子8の発光強度の検出結果の参照相手ないし比較相手には、初期化時にメモリCCM内に書き込まれたデータが含まれる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明に係る発光装置は、上述した形態に限定されることはなく、各種の変形が可能である。
(1) 上述した実施形態では、有機EL素子8が線状に一列に並ぶ形態について説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。例えば、図8に示すような構成も、本発明の範囲内にある。
この図8では、素子基板7Aの上に、複数の有機EL素子8がマトリクス状配列に従って並べられている。これらの有機EL素子8の各々も、前述の実施形態と同様、画素電極、発光機能層及び対向電極から構成されている。これら有機EL素子8が並べられている領域は、画像表示領域7aを構成する。
走査線3A及びデータ線6Aは、それぞれ、マトリクス状に配列された有機EL素子8の各行及び各列に対応するように配列されている。走査線3Aは図中左右方向に沿って延び、かつ、周辺領域上に形成されている走査線駆動回路103A及び103Bに接続されている。一方、データ線6Aは図中上下方向に沿って延び、かつ、周辺領域上に形成されているデータ線駆動回路106Aに接続されている。
なお、図中上下方向には、各データ線6Aにそれぞれ並行するように、複数の電源線113Aも延びる。また、対向電極用電源線201(以下、単に「電源線201」という。)は、素子基板7の外形輪郭線にほぼ沿うように、平面視してΠ字状の形状をもつ。この電源線201は、有機EL素子8の対向電極に例えばグランドレベル等の電源電圧を供給する。
以上のうち、走査線3A、データ線6A、走査線駆動回路103A及び103B、データ線駆動回路106A、並びに、電源線113Aは、上述の実施形態で言えば、それぞれ、走査線3、データ線6、制御回路CC、データ信号供給回路106、及び、電源線113のそれぞれに、だいたいにおいて相当する。なお、図1に示す電流計測回路108等に相当する要素は、図8においては図示されていない。
このような形態であっても、上記実施形態と本質的に相違のない効果が奏されることは明白である。
また、このような形態では、大多数の有機EL素子8は、図9に示すように、その周囲に8個の有機EL素子8を隣接させていることになるので、ある1個の有機EL素子8を検出対象とする場合、それに隣接する8個の有機EL素子8、更には、その周囲に隣接する多数の有機EL素子8が、光検出素子として機能しうることになる。なお、図9における白丸及びハッチングされた丸の意義は、図6の場合と同様である。
(2) 上述した実施形態では、線状に配列された各有機EL素子8の両端に位置する有機EL素子8については、その一方の側に隣接する有機EL素子8のみを光検出素子として機能させる例について説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
例えば、図10に示すように、線状配列の最左端に位置する有機EL素子8に関しては、その更に左隣に光検出素子801及び802を設け、最右端に位置する有機EL素子8に関しては、その更に右隣に光検出素子803及び804を設けるようにしてもよい(図中、比較的濃いハッチングが施された丸、参照。なお、その他の丸の意義は、図6と場合と同様である)。
これらの光検出素子801乃至804の構造及び光検出機能は、図1、図2、あるいは図5等を参照して説明した有機EL素子8と殆ど同じである。ただし、発光機能はもたない。したがって、これら光検出素子801乃至804は、図2を参照して説明した電源線113等と結線されている必要はない。
このような形態によれば、図6と対比すると明らかなように、あるいは、図4及び図5を参照して説明したような検出特性がありうることからも明らかなように、図10に示す有機EL素子8及び8についての発光強度の把握や、あるいは、それに基づく前記フィードバック制御が更に好適に行われる。
<応用例>
図11は、上記実施形態の発光装置10を光ヘッド(発光装置)として用いる画像形成装置の部分的な構成を示す斜視図である。同図に示すように、この画像形成装置は、発光装置10、集束性レンズアレイ15及び感光体ドラム110を含む。
このうち発光装置10は、線状に配列された複数の有機EL素子(発光素子)を備える。これら有機EL素子の各々は、図11中下方に向けて光を出射する(図中破線参照)。この光は、すぐ後に述べる集束性レンズアレイ15に入射する。
集束性レンズアレイ15は発光装置10と感光体ドラム110との間に配置される。集束性レンズアレイ15は、各々の光軸を発光装置10に向けた姿勢でアレイ状に配列された多数の屈折率分布型レンズを含む。発光装置10の各有機EL素子からの出射光は集束性レンズアレイ15の各屈折率分布型レンズを透過したうえで感光体ドラム110の外表面に到達する。
なお、この集束性レンズアレイ15としては、具体的には例えば、日本板硝子株式会社から入手可能なSLA(セルフォック・レンズ・アレイ)を用いることができる(セルフォック:SELFOCは日本板硝子株式会社の登録商標)。これを用いれば、発光装置10からの光は、感光体ドラム110の上で、正立等倍結像する。
感光体ドラム110は略円柱形状をもつ。その中心軸には、回転軸が備えられている。感光体ドラム110は、この回転軸を中心として記録材(被転写媒体)が搬送される方向である副走査方向に回転する(図中の矢印参照)。なお、回転軸の延在方向は、主走査方向に一致する。
このような感光体ドラム110及び前記の発光装置10は、当該感光体ドラム110の回転タイミングと発光装置10の各有機EL素子の発光タイミングとの間に所定の関係が成立するように、制御される。例えば、主走査方向に沿っては、形成しようとする画像の1ライン分の明暗に応じて、各有機EL素子の発光・非発光が制御され、副走査方向に沿っては、1ライン分の画像に関する感光工程が完了した後に感光体ドラムが所定の角度だけ回転するように、当該感光体ドラムの回転が制御される。このようにして、感光ドラム110の外表面には、所望の画像に応じた潜像(静電潜像)が形成される。
本発明の実施形態に係る発光装置の構成を示すブロック図である。 図1の単位駆動回路の回路構成例を示す図である。 図2の3つの単位駆動回路の動作を説明するための説明図である。 光検出結果(発光強度に基づく電流変動量)の一例を示すグラフである。 図4の曲線が得られる根拠を説明するための図である。 検出対象となる有機EL素子が逐次変更していくとともに、それに伴って光検出素子として機能する有機EL素子が逐次変更していく様子を説明するための図である。 補正が繰り返される様子を概念的に表す説明図である。 本発明の別の実施形態に係る発光装置の構成を示す図である。 図8と場合における、検出対象となる有機EL素子と、光検出素子として機能する有機EL素子との配置関係を説明する図である。 図6を前提に、両端に位置する有機EL素子の発光強度を検出するための光検出素子を備えた態様を説明するための図である。 本発明の発光装置を光ヘッドとして含む画像形成装置の一部の構成を示す斜視図である。
符号の説明
10……発光装置、3,3A……走査線、6,6A……走査線、7,7A……素子基板、12……カバー基板、51……接着剤、8……有機EL素子(発光素子)、13……画素電極、18……発光機能層、5……対向電極、9a……単位駆動回路、106……データ信号供給回路、108……電流計測回路、110……電源回路、CC……制御回路、CCM……メモリ、113……電源線、118……電流検出線、Tr1……駆動トランジスタ、Tr2……第2SWトランジスタ、Tr3……第1SWトランジスタ、Tr4……データ書込用トランジスタ、16……共通線、103A,103B……走査線駆動回路、106A……データ線駆動回路、801,802,803,804……光検出素子

Claims (9)

  1. 所定の配列に従ってその各々が並べられ、供給される電流量に応じてその発光強度が変化する複数の発光素子と、
    前記発光素子の発光強度を検出する光検出素子と、
    前記光検出素子の検出結果に応じて、前記発光素子に流される電流の量を制御する制御手段と、
    前記複数の発光素子の各々に共通に、電気的に接続される共通配線と、
    を備え、
    前記光検出素子は、
    前記複数の発光素子のうち当該光検出素子の検出対象とされた発光素子以外の発光素子の全部又は一部を含み、
    当該共通配線は、
    前記光検出素子として機能する前記発光素子に所定の大きさの電流を流すために、及び、
    前記発光強度の検出の際、当該発光強度に応じて当該発光素子に流れる電流を検出するために、
    用いられる、
    ことを特徴とする発光装置。
  2. 前記共通配線と、前記複数の発光素子の各々との電気的な接続の有無を制御する複数の第1スイッチング素子と、
    前記複数の発光素子の各々に共通に電気的に接続され、これら発光素子に発光用の電流を供給するために用いられる電源線と、
    当該電源線と、前記複数の発光素子の各々との電気的な接続の有無を制御する複数の第2スイッチング素子と、
    を更に備え、
    前記複数の発光素子のうちの任意の1個の発光素子に着目した場合、
    当該1個の発光素子が前記光検出素子の検出対象とされるとき、
    当該1個の発光素子に対応する前記第1スイッチング素子はOFFとなり、且つ、当該1個の発光素子に対応する前記第2スイッチング素子はONとなり、
    当該1個の発光素子が前記光検出素子として機能するとき、
    当該1個の発光素子に対応する前記第1スイッチング素子はONとなり、且つ、当該1個の発光素子に対応する前記第2スイッチング素子はOFFとなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. ある時点における、前記光検出素子の検出結果を記憶する記憶手段を更に備え、
    前記制御手段は、
    前記ある時点以降における前記光検出素子の検出結果と、前記記憶手段の記憶内容とを比較し、その結果に応じて、前記発光素子に流される電流の量を制御する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記ある時点以降、所定期間の経過の度に、前記光検出素子の検出結果を参照する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記光検出素子は、
    前記複数の発光素子のうち前記所定の配列の端部に並べられた発光素子の発光強度を検出するための光検出専用素子を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光装置。
  6. 前記所定の配列は、線状配列を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. 前記所定の配列は、マトリクス状配列を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光装置。
  8. 前記発光素子は、有機EL素子を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発光装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発光装置を備える、
    ことを特徴とする電子機器。
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