JP4531923B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像、文字などの情報を表示する画素領域を備えた半導体装置に関し、特に画素領域における各画素に信号伝達する駆動回路とその作製方法及びその実装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶層や自発光層を備えた表示装置は、フラットパネルディスプレイとも呼ばれ、パーソナルコンピュータ用のディスプレイ、液晶テレビ、携帯電話をはじめとする携帯型情報端末などの様々な電子機器に利用されている。フラットパネルディスプレイはCRTと比較して軽量薄型化が可能であり、用途によっては画面の大面積化や画素数の高密度化が要求されている。
【0003】
フラットパネルディスプレイは、画素構造からみて単純マトリクス型とアクティブマトリクス型に分類することができる。単純マトリクス型の方がシンプルな構成であるが、画像の高精細化を実現するにはアクティブマトリクス型が適していると考えられている。アクティブマトリクス型は、薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)などの能動素子(または、スイッチング素子)を各画素に設け、画素領域の外側に設けた駆動回路により個々のTFTに信号を与えて画像表示を行う仕組みになっている。
【0004】
TFTの構造やその製造方法には各種あるが、TFTの電気的特性を決定付けるチャネル形成領域を非晶質シリコンに代表される非晶質半導体で形成する技術は、プロセス温度の低温化や処理基板の大面積化を可能とするので、高い生産性を提供している。しかしながら、非晶質シリコン膜で活性層を形成したTFTは、電界効果移動度が小さく、せいぜい1cm2/Vsec程度しか得ることができない。それゆえ、画素領域に設けるスイッチング用のTFT(画素TFT)としては利用できるが、駆動回路を形成して動作させることはできなかった。従って、画素TFTの駆動回路は、単結晶シリコン基板で作製したドライバICを用い、画素領域の周辺にTAB(Tape Automated bonding)方式やCOG(Chip on Glass)方式で実装されている。
【0005】
TAB方式は可撓性の絶縁基板上に銅箔などで配線を形成し、その上にドライバICを直接装着したものであり、可撓性基板の一方の端が表示装置の入力端子に接続して実装する方法である。一方、COG方式はドライバICを表示装置の基板上に形成した配線のパターンに合わせて直接貼り合わせて接続する方式である。
【0006】
また、駆動回路を実装するその他の方法として、特開平7−014880号公報や特開平11−160734号公報にはガラスまたは石英などの基板上に非単結晶半導体材料で作製したTFTで駆動回路を形成し、短冊状に分割して(以下、このように短冊状に切り出された駆動回路を有する基板をスティックドライバという)、表示装置の基板上に実装する技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
フラットパネルディスプレイの駆動回路を提供する手段において、TFTで駆動回路を形成するスティックドライバは、前記ドライバICと比較して遜色ない性能を提供することができる。駆動回路は、走査線側とデータ線側で回路構成が異なり、駆動周波数や駆動電圧が違っている。例えば、走査線側のスティックドライバのTFTには30V程度の駆動電圧が印加され、高耐圧が要求されるが駆動周波数は100kHz以下である。一方、データ線側のスティックドライバのTFTの耐圧は12V程度で十分であるが、駆動周波数は3Vにて65MHz程度であり高速動作が要求される。このように、要求される仕様の違いによりスティックドライバおよび該ドライバ内のTFTの構造を適切に作り分けている。
【0008】
しかし、スティックドライバは、主にガラス基板や石英基板などの絶縁基板上に形成されるために放熱効果が劣り、TFTの発熱により回路の動作特性が変動することが懸念されている。特に、30Vの駆動電圧が印加される走査線側のスティックドライバのTFTは憂慮されるべきものである。
【0009】
図2はチャネル長8μm、チャネル幅8μm、半導体膜の厚さを42nm、ゲート絶縁膜150nmのTFTにゲート電圧30V、ドレイン電圧30Vを印加したときの発熱の状況をシミュレーションで検証した結果を示す。図示するTFTは、ゲート電極とオーバーラップするLDD領域(Lovと表記する)が0.5μm、オーバーラップしないLDD領域(Loffと表記する)が0.5μm設けられていることを想定している。計算された格子温度の最高温度は382℃であり、場所はチャネル形成領域とドレイン側のLDDとの接合界面であった。また、TFT全体の平均温度は94℃となった。上記バイアス条件は走査線側駆動回路におけるバッファ回路のTFTを想定したものである。バイアス電圧は定常的に印加されるものではないが、TFTはかなり発熱することが容易に推測される。
【0010】
TFTの構造から見れば、半導体膜201の上側または下側には、ゲート絶縁膜や層間絶縁膜、またはブロッキング膜などの絶縁膜が形成される。いずれにしても、これらは酸化シリコンや窒化シリコンなどの絶縁膜であり、その熱伝導率は10W/m・K以下である。さらに基板206もガラスまたは石英であり熱伝導率は同様に低い。ゲート電極203はタングステン(熱伝導率170W/m・K、0℃)やタンタルなどで形成されたとしても、パターン化されて形成されているので、その放熱効果はあまり期待できない。従って、半導体膜201で発生した熱は内部で蓄積されやすく、TFTの温度を上昇させるのに十分である。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、TFTの発熱による駆動回路の温度上昇を抑えるために、放熱効果を考慮したスティックドライバとその作製方法を提供することを目的とする。また、そのようなスティックドライバを実装したアクティブマトリクス型表示装置や単純マトリクス型表示装置の信頼性を高めることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スティックドライバにおける上記問題点を解決するために、駆動回路を形成するTFTの半導体膜の上側または下側に熱伝導率の高い絶縁膜を形成し、熱を外部に発散させる。絶縁膜は、熱伝導率が10W/m・K以上である材料を適用する。ダイアモンド・ライク・カーボン(diamond like carbon:以下、DLCと記す)は熱伝導率の高い材料であり適している。その他に、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどを適用することもできる。
【0013】
DLC膜を適用するには下地への付着強度を高めるために、窒化シリコン膜を介在させると良い。図3その構成の一例を示している。図3(A)はトップゲート型のTFTであり、半導体膜301、ゲート絶縁膜302、ゲート電極303、304が形成されている。そして、半導体膜301の上側に、層間絶縁膜として窒化シリコン膜305、DLC膜306、窒化シリコン膜307を積層した構造を示している。図3(B)は当該層間絶縁膜の組成を模式的に示すグラフであり、308はシリコン、309は窒素、310は炭素の濃度を表す曲線である。窒化シリコン膜及びDLC膜にはその他に水素が含まれるが、ここでは省略している。
【0014】
また、図3(C)は他の一例を示すグラフであり、DLC膜306に窒素を添加し、窒化シリコン膜307側に向かってその濃度が増加するように勾配を付けて添加している。窒素を添加することにより、DLC膜306の上層に形成する窒化シリコン膜307の密着性を向上させることができる。
【0015】
勿論、図3に示す窒化シリコン膜とDLC膜を積層する構成は、半導体膜と基板との間に設けるブロッキング膜に適用することもできる。
【0016】
ダイヤモンドの熱伝導率は660W/m・K(0℃における値)であり、銅やアルミニウムよりも高いことで知られている。DLC膜はダイヤモンドに近い硬さを持ち、炭素や炭化水素が混在した膜であるが、非晶質を含むので熱伝導率は若干劣ると考えられる。しかしながら、スティックドライバへの応用においては十分な熱伝導性を持っている。また、膜の形成が容易であり、室温においても平滑で硬質の皮膜が得られるなどの特徴を有している。
【0017】
上記課題を解決するために本発明は、非晶質半導体を活性層に用いたTFTをマトリクス状に配置して画素領域が形成された第1の基板と、前記画素領域に対向して設けられた第2の基板と、前記画素領域の外側に設けられ、結晶質半導体で形成されたTFTで駆動回路が形成された第3の基板とを有し、前記第1の基板と前記第2の基板との間に液晶層を狭持した半導体装置において、前記第3の基板に、熱伝導率が10W/m・K以上の絶縁膜が形成されていることを特徴としている。
【0018】
熱伝導率が10W/m・K以上の絶縁膜は、前記第3の基板と、該第3の基板上に形成された前記結晶質半導体との間に形成するか、または、前記第3の基板上に形成された前記結晶質半導体の上側に形成する。熱伝導率が10W/m・K以上の絶縁膜は、DLC、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを適用することができる。DLCは、炭素の水素化物を含む気体をグロー放電で分解して形成する。
【0019】
このように、TFTを形成する半導体の上側、または下側に熱伝導膜を設けることにより、半導体で発生した熱を熱伝導膜を介して周辺に素早く拡散させることが可能となる。その結果、TFTの温度上昇を抑えることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1を用いて説明する。図1は本発明のスティックドライバの構造を説明する図であり、基板上にpチャネル型TFT150とnチャネル型TFT151とが形成されている様子を示す。尚、ここで示す構造は一例であり、TFTの構造は何ら限定されるものではない。尚、結晶質半導体膜は非晶質半導体膜をレーザー結晶化法や熱結晶化法で結晶化させた膜を適用することが可能であり、その他にもSOI(Silicon On Insulator)技術を用いて形成された単結晶半導体膜で形成することも可能である。
【0021】
TFTは基板上にブロッキング膜、結晶質半導体膜、ゲート絶縁膜、ゲート電極、層間絶縁膜などが積層されている。TFTはトップゲート型またはボトムゲート型のいずれの構造も採用できる。図1では代表例としてトップゲート型の構造で説明している。
【0022】
図1(A)は、基板101と半導体膜105、106との間のブロッキング膜に熱伝導膜を設けた例である。ブロッキング膜は第1の絶縁膜102、熱伝導膜103、第2の絶縁膜104から成っている。第1の絶縁膜102と第2の絶縁膜104は窒化シリコンで形成する。第1の絶縁膜102は20〜100nm、熱伝導膜は50〜500nm、第2の絶縁膜は10〜50nmの厚さで形成する。時に、第2の絶縁膜は半導体膜で発生する熱を速やかに熱伝導膜へ伝搬させるために、このような厚さとする。熱伝導膜は代表的にはDLCを用いるが、その他に酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどで形成しても良い。また、ブロッキング膜の上に形成する半導体膜105、106への応力を緩和する目的からは、第2の絶縁膜を窒化酸化シリコン膜で形成しても良い。
【0023】
半導体膜105、106上にはゲート絶縁膜107、ゲート電極108、109が形成される。ゲート電極108、109は、窒化物金属から成る第1の導電膜108a、109aと、タングステン(W)やモリブデン(Mo)などの高融点金属や、その化合物から成る第2の導電膜108b、109bから成っている。層間絶縁膜は2層構造であり、無機絶縁物材料から成る第1の層間絶縁膜110と、有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜111から成っている。第1の層間絶縁膜110は窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどから形成し、水蒸気やその他の不純物を遮断する保護膜としての機能も有している。第2の層間絶縁膜111はポリイミドやアクリルなどの有機樹脂材料、または酸化シリコンなどで形成する。
【0024】
pチャネル型TFT150には、半導体膜105にチャネル形成領域とソースまたはドレイン領域が形成されたシングルドレイン構造で形成している。また、nチャネル型TFT151はLDD構造のTFTであり、半導体膜106にチャネル形成領域118、LDD領域119、ソースまたはドレイン領域120が形成される。また、層間絶縁膜上にはそれぞれのTFTのソースまたはドレイン領域とコンタクトを形成する配線112〜115が形成されている。
【0025】
図1(A)で示すように熱伝導膜103を島状に形成した半導体膜105、106の下側に形成することで、半導体膜で発生する熱を分散させることが可能となる。
【0026】
図1(B)は、半導体膜105、106の上側に熱放出層を設けた例であり、層間絶縁膜に熱伝導膜が挿入されている。具体的には、窒化シリコンから成る第1の層間絶縁膜121上に熱伝導膜122が形成される。さらに、第2の層間絶縁膜124が形成されるが、熱伝導膜122との間に第3の層間絶縁膜123を設けても良い。第3の層間絶縁膜は必ずしも必要としないが、熱伝導膜122と第2の層間絶縁膜124との密着性を高めるために設けるものであり、第2の層間絶縁膜124を形成する材料の組合せの中で考慮する。
【0027】
例えば、第2の層間絶縁膜124を酸化シリコン膜で形成する場合には、DLCで形成される熱伝導膜122との密着性が悪くなるので、窒化シリコン膜から成る第3の層間絶縁膜123を設ける。DLCは主として炭素から成る膜であるが、その上に酸化シリコン膜を形成すると、酸化シリコンの酸素とDLCの炭素とが反応しC−O結合が形成される。C−O結合は蒸気圧が高いので不安定であり、そのために密着性を低下させるものと考えられる。
【0028】
半導体膜105、106上に形成された熱伝導膜122は、図示の如く配線112〜115と接して形成される。配線122〜115にはアルミニウムなど熱伝導性に優れる材料を用いるので、半導体膜で発生する熱を配線112〜115を介して熱伝導膜122に効率よく伝えることができる。により、その結果、半導体膜の熱を分散させ、平均温度を低下させることができる。
【0029】
図1(C)は、第2の層間絶縁膜125上に熱伝導膜126を設ける例であり、同様に配線112〜115を介して半導体膜105、106の熱を熱伝導膜126に伝達し、局部的な発熱を抑えることができる。熱伝導膜として形成するDLC膜は、プラズマCVD法を用いれば基板を加熱せず室温での成膜が可能であるから、耐熱性に劣る有機樹脂材料から形成される第2の層間絶縁膜125上に形成することもできる。熱伝導膜126上に設ける第3の層間絶縁膜127は、配線の密着性を高めるために設けるものであり、必ずしも必要なものとはならない。
【0030】
また、熱伝導膜に酸化アルミニウムや窒化アルミニウムを用いる場合は、スパッタ法で作製する。ターゲットには、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムを焼成したものを用いて形成する。また、シリコン(Si)、酸素(O)、窒素(N)とM(Mはアルミニウム(Al)または希土類元素から選ばれた少なくとも一種)を含む化合物を用いることができる。例えば、AlSiONやLaSiONなどを好適に用いることができる。その他に、窒化ホウ素なども適用することができる。
【0031】
このような熱伝導膜が設けられたスティックドライバは、図4で示すように基板601上にpチャネル型TFT及びnチャネル型TFTを用いて形成される駆動回路部602と入出力端子部603から成っている。入出力端子604は、配線と同じ層に形成され、さらに、配線を保護する保護膜605が形成されている。
【0032】
図5はスティックドライバの外観形状を説明する斜視図であり、図5のA−A'線に沿った断面が図4に対応している。入出力端子606のうち、画素領域のデータ線または走査線(ゲート線)に接続する端子のピッチは40〜100μmで複数個形成する。同様に信号を入力する端子も必要な数に応じて形成する。これらの入出力端子606は一辺の長さを30〜100μmとした正方形または長方形状に形成する。
【0033】
スティックドライバは画素領域の一辺の長さに合わせて形成するものではなく、長辺が15〜80mm、短辺が1〜6mmの矩形状または短冊状に形成する。画素領域のサイズ、即ち画面サイズが大型化すると、長尺化してしまい、基板の強度を確保するには実用的な形状とはならない。一例を上げれば、20型の画面では一辺の長さが443mmとなる。勿論、この長さに対応してスティックドライバを形成することは可能であるが、むしろ、15〜80mmの長さとして複数個のスティックドライバを実装する方が取り扱いも容易となり、製造上の歩留まりも向上する。
【0034】
スティックドライバのICチップに対する外形寸法の優位性はこの長辺の長にあり、ICチップを15〜80mmという長さで形成することは生産性の観点から適していない。不可能ではないが、円形のシリコンウエハーから取出すICチップの取り数を減少させるので現実的な選択とはなり得ない。一方、スティックドライバの駆動回路はガラス基板上に形成するものであり、母体として用いる基板の形状に限定されないので生産性を損なうことがない。このように、長辺が15〜80mmで形成されたスティックドライバを用いることにより、画素領域に対応して実装するのに必要な数がICチップを用いる場合よりも少なくて済むので、製造上の歩留まりを向上させることができる。
【0035】
図6はスティックドライバを実装する表示装置の構成を示す図である。第1の基板401上には画素領域402が形成され、その領域上には対向電極が形成された第2の基板410が液晶層(図示せず)を介して設けられている。第1の基板と第2の基板との間隔、即ち液晶層の厚さはスペーサによって決定付けられるが、ネマチック液晶の場合には3〜8μm、スメチック液晶の場合には1〜4μmとする。第1及び第2の基板にはアルミノホウケイ酸ガラスやバリウムホウケイ酸ガラスなどの無アルカリガラスを用いることが好ましく、その厚さは0.3〜1.1mm(代表的には0.7mm)が用いられるので、相対的に液晶層の厚さは外観上無視できるものである。
【0036】
画素領域402は走査線群408とデータ線群409が交差してマトリクスを形成し、各交差部に対応してTFTがマトリクス状に配置されている。ここで配置されるTFTの構造は特に限定されるものではないが、代表的には非晶質シリコン層を能動層とする逆スタガ型のTFTが好適に用いられる。非晶質シリコン層はプラズマCVD法で300℃以下の温度で形成することが可能であり、例えば、外寸550×650mmの無アルカリガラス基板であっても、TFTを形成するのに必要な膜厚を数十秒で形成することができる。このような製造技術の特徴は、大画面の表示装置を作製する上で非常に有用に活用することができる。
【0037】
画素領域402の外側の領域には、駆動回路が形成されたスティックドライバ403、404が実装されている。403はデータ線側の駆動回路であり、404は走査線側の駆動回路であるが、いずれも複数個に分割して実装する。256階調、RGBカラー表示に対応した画素領域を形成するためには、XGAクラスでデータ線の本数が3072本であり走査線側が768本必要となる。また、UXGAではそれぞれ4800本と1200本が必要となる。このような数で形成されたデータ線及び走査線は画素領域402の端部で数ブロック毎に区分して引出線407を形成し、スティックドライバ403、404の出力端子のピッチに合わせて集められている。例えば、XGAクラスに対し、出力端子数768個のスティックドライバでは8個必要であり、出力端子数512個のスティックドライバでは6個が必要となる。
【0038】
一方、基板401の端部には外部入力端子405が形成され、この部分で外部回路と接続するFPC(フレキシブルプリント配線板:Flexible Printed Circuit)を取り付ける。そして、外部入出力端子405とスティックドライバとの間は基板401上に形成した接続配線406によって結ばれ、最終的にはスティックドライバの入力端子のピッチに合わせて集められる。
【0039】
スティックドライバの回路構成は、走査線側とデータ線側とで異なっている。図7はその一例を示し、図6と同様に画素領域420の外側に走査線側のスティックドライバ421と、データ線側のスティックドライバ422が設けられる様子を示している。走査線側のスティックドライバ421の構成は、シフトレジスタ回路423、レベルシフタ回路424、マルチプレクサ回路425、バッファ回路426、から成っている。マルチプレクサ回路は走査線側のスティックドライバのサイズを縮小するために設け、これによりシフトレジスタ回路の段数を減らしている。バッファ回路426は30V程度の耐圧が要求されるが、動作周波数は100kHz程度であるので、特にこの回路を形成するTFTはゲート絶縁膜の厚さは150〜250nm、チャネル長は3〜10μmで形成する。一方、データ線側のスティックドライバは、シフトレジスタ回路427、ラッチ回路428、レベルシフタ回路429、D/A変換回路430から構成される。シフトレジスタ回路427やラッチ回路428は駆動電圧3Vで周波数50MHz以上(例えば65MHz)で駆動するために、特にこの回路を形成するTFTはゲート絶縁膜の厚さは20〜70nm、チャネル長は0.3〜1μmで形成する。
【0040】
スティックドライバを第1の基板上に実装する方法はCOG方式と同様なものであり、バンプ、異方性導電材を用いた接続方法やワイヤボンディング方式などを採用することができる。図8にその一例を示し、第1の基板501にスティックドライバ508がAuバンプを用いて実装する例を示している。第1の基板501上には画素領域502、引出線506、接続配線及び入出力端子507が設けられている。第2の基板はシール材504で第1の基板501と接着されており、その間に液晶層505が設けられている。また、接続配線及び入出力端子507の一方の端にはFPC512が異方性導電材で接着されている。異方性導電材は樹脂515と表面にAuなどがメッキされた数十〜数百μm径の導電性粒子514から成り、導電性粒子514により接続配線及び入出力端子507とFPC512に形成された配線513とが電気的に接続されている。スティックドライバ508は入出力端子509に形成されたAuバンプ510を用い、光硬化性樹脂511を用いて入出力端子507及び引出線506と接続している。
【0041】
図9(A)は異方性導電材を用いたCOG方式による実装方法を説明する部分断面図である。スティックドライバ524には入出力端子525が設けられ、その周辺部には保護絶縁膜526が形成されている。第1の基板520には第1の導電膜521と第2の導電膜523、及び絶縁膜522が図で示すように形成されている。第1の基板に形成されるこれらの導電層及び絶縁膜は画素領域の画素TFTと同じ工程で形成されるものであれば良い。例えば、画素TFTが逆スタガ型で形成される場合、第1の導電膜521はゲート電極と同じ層に形成され、Ta、Cr、Ti、Alなどの材料で形成される。通常ゲート電極上にはゲート絶縁膜が形成され、絶縁膜522はこれと同じ層で形成されるものである。第1の導電膜521上に重ねて設ける第2の導電膜523は画素電極と同じ透明導電膜で形成されるものであり、導電性粒子527との接触を良好なものとするために設られている。樹脂528中に混入させる導電性粒子527の大きさと密度を適したものとすることにより、このような形態でスティックドライバと第1の基板とは電気的接続構造を形成することができる。
【0042】
図9(B)は導電性ペーストを用いたCOG方式の例であり、スティックドライバ側にTaやTiなどでバリア層529を形成し、その上に無電解メッキ法などによりAuを約20μm形成しバンプ530とする。そして、第1の導電膜521上に導電性ペースト532を塗布し、スティックドライバと位置合わせと加圧をした後、加熱処理をして導電性ペースト532を硬化させる。最後に、保護樹脂531を塗布しておく。
【0043】
スティックドライバの実装方法は図8及び図9を基にした方法に限定されるものではなく、ここで説明した以外にも公知のCOG方法やワイヤボンディング方法、或いはTAB方法を用いることが可能である。
【0044】
スティックドライバの厚さは、対向電極が形成された第2の基板と同じ厚さとすることにより、この両者の間の高さはほぼ同じものとなり、表示装置全体としての薄型化に寄与することができる。また、それぞれの基板を同じ材質のもので作製することにより、この液晶表示装置に温度変化が生じても熱応力が発生することなく、TFTで作製された回路の特性を損なうことはない。その他にも、本実施形態で示すようにICチップよりも長尺のスティックドライバで駆動回路を実装することにより、一つの画素領域に対して必要な数を減らすことができる。
【0045】
【実施例】
[実施例1]
スティックドライバに搭載するTFTの構造及びその作製方法は、時に限定されるものではない。スティックドライバにはCMOS回路を基本形態とするシフトレジスタ回路、マルチプレクサ回路、バッファ回路、ラッチ回路などを形成する。これらの回路を形成するためのTFTの作製方法について図10を用いて説明する。
【0046】
図10(A)において、基板701にはコーニング社の7059ガラスや1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板または石英基板などを用いる。このようなガラス基板は加熱温度により僅かながら収縮するので、ガラス歪み点よりも500〜650℃の温度で熱処理を施したものを用いても良い。
【0047】
ブロッキング膜702は基板701に微量に含まれるアルカリ金属などの不純物が半導体膜に拡散するのを防ぐために設け、酸化シリコンや窒化シリコン、または酸化窒化シリコンなどの絶縁材料で形成する。例えば、ブロッキング膜702として、プラズマCVD法でSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜702を50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに形成する。ブロッキング膜には、SiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜を組み合わせても良い。
【0048】
島状に形成する半導体膜703、704は結晶構造を有する半導体を適用する。この半導体膜は、好適には非晶質構造を有する半導体膜をレーザー結晶化法や熱結晶化法を用いて作製した結晶質半導体膜を用いる。結晶質半導体膜703、704は、25〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコン半導体膜を適用し、その他にシリコンゲルマニウム(SiGe)半導体膜を適用しても良い。
【0049】
レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製するには、エキシマレーザーに代表されるガスレーザーや、YAGレーザー、YVO4レーザーに代表される固体レーザーを用いる。これらのレーザー発振器から出力されるレーザー光は、光学系で線状または長方形状または矩形状に集光して半導体膜に照射する。
【0050】
結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザーを用いる場合の一例は、パルス発振周波数30Hz、レーザーエネルギー密度100〜400mJ/cm2(代表的には200〜300mJ/cm2)である。また、YAGレーザーを用いる場合は、その第2高調波を用いパルス発振周波数1〜10kHzとし、レーザーエネルギー密度を300〜600mJ/cm2(代表的には350〜500mJ/cm2)とすると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザー光を基板全面に渡って照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わせ率(オーバーラップ率)を80〜98%として行う。
【0051】
熱結晶化法では、600℃以上の温度で熱処理を行うことで結晶質半導体膜を得ることができる。また、図10(A)の構成とは若干異なるが、SOI基板を用いて半導体膜703、704を単結晶シリコンで形成しても良い。
【0052】
ゲート絶縁膜705はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、耐圧を考慮して、100〜250nm(代表的には150nm)の厚さを有するシリコンを含む絶縁膜で形成する。プラズマCVD法でSiH4とN2Oの混合ガスから作製される酸化窒化シリコン膜はゲート絶縁膜として適した材料であり、80nmの厚さに形成しゲート絶縁膜とする。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。例えば、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。このようにして作製される酸化シリコン膜は、その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
【0053】
そして、ゲート絶縁膜705上にゲート電極を形成するための第1の導電膜706と第2の導電膜707とを形成する。本実施例で示すTFTのゲート電極は2層構造で形成し、第1の導電膜706を窒化タンタル(TaN)で50〜100nmの厚さに形成し、第2の導電膜707をタングステン(W)で100〜300nmの厚さに形成する。
【0054】
窒化タンタルはスパッタ法でTaのターゲットを用いて形成する。Arと窒素の混合ガスに適量のXeやKrを加えてスパッタすると、窒化タンタルの内部応力を緩和して膜の剥離を防止することができる。タングステンも、Wをターゲットとしたスパッタ法で形成する。その他に6フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することもできる。いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要がある。タングステンの膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることができるが、タングステン中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。従って、ターゲットには純度99.9999%のものを用い、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮して形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができる。
【0055】
次に図10(B)に示すように、光露光プロセスによりレジストパターン708を形成し、第1のエッチング処理を行う。好適なエッチング方法の一例は、誘導結合プラズマ(Induced Combination Plasma :ICP)エッチング装置を用いる方法である。この装置のプラズマヘリカル共振器にはコイル状のアンテナが設けられ、コイルに高周波電力を印加することによりプラズマを生成する。エッチング条件は、エッチング用ガスにCF4とCl2を用い、0.5〜2Pa(好ましくは1Pa)の圧力でコイルに500WのRF(13.56MHz)電力を投入する。基板側(試料ステージ)にも100WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2の混合ガスは、タングステン及びタンタル共に同程度のエッチング速度となる。
【0056】
第1のエッチング処理では、第1の導電膜及び第2の導電膜の端部がテーパー形状となるように加工する。ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させるオーバーエッチング処理をすると良い。エッチング速度に関し、タングステンに対する酸化窒化シリコンの選択比は2〜4(代表的には3)であるので、オーバーエッチング処理により、酸化窒化シリコンが露出した面は20〜50nm程度エッチングされる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電膜と第2の導電膜から成る第1の形状の導電層709、710(第1の導電膜709a、710aと第2の導電膜709b〜710b)を形成する。711はゲート絶縁膜であり、第1の形状の導電層709〜710で覆われない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0057】
その後、第1のドーピング処理を行い、n型不純物(ドナーとなる不純物)をドーピングする。ドーピングの方法はイオンドープ法若しくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1014atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。n型不純物として周期律表15族の元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる。イオンドープ法で行う場合、第1の形状の導電層509、510がn型不純物に対するマスクとなり、自己整合的に第1の不純物領域520〜523が形成される。この領域のn型不純物の濃度は1×1020〜1×1021atomic/cm3の濃度範囲とする。
【0058】
次に図10(C)に示すように第2のエッチング処理を行う。ICPエッチング装置を用い、エッチングガスにCF4とCl2とO2の混合ガスにより、1Paの圧力でコイルに500WのRF電力(13.56MHz)を供給してプラズマを生成する。基板側(試料ステージ)には50WのRF(13.56MHz)電力を投入し、第1のエッチング処理に比べ低い自己バイアス電圧となるようにする。このような条件により、主にタングステンを選択的にエッチングする。そして第2の形状の導電層714、715(第1の導電膜714a、715aと第2の導電膜714b、715b)を形成する。716はゲート絶縁膜であり、第2の形状の導電層714、715で覆われない領域はさらに20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0059】
そして、第2のドーピング処理を行う。この場合、第1のドーピング処理よりもドーズ量を下げ高加速電圧の条件でn型不純物をドーピングする。例えば、加速電圧を70〜120keVとし、1×1013/cm2のドーズ量で行い、第1の導電膜714a、715aを通過したn型不純物により、第2の不純物領域717、718を形成する。この時、第2の導電膜714b、715bはn型不純物に対するマスクとなり、第2の不純物領域717、718は自己整合的に形成される。この領域のn型不純物の濃度は1×1017〜1×1019atoms/cm3の濃度となるようにする。
【0060】
pチャネル型TFTを形成することを目的として、図10(D)に示すように、半導体膜703にp型不純物をドーピングする。この時、半導体膜704上にはレジストのマスク719を形成しておく。p型不純物は周期律表13属の元素から選択する。代表的な一例は、p型不純物としてボロンを採用するものであり、ジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で第3の不純物領域を形成する。第3の不純物領域720には導電型をp型に反転させるために、p型不純物を2×1020〜2×1021atoms/cm3の濃度でドーピングする。
【0061】
次いで、図10(E)に示すように半導体膜703、704の上側に層間絶縁膜を形成する。この層間絶縁膜には、図1(B)で示すように、熱伝導膜を挿入する。具体的には、窒化シリコンから成る第1の層間絶縁膜721上に熱伝導膜722を形成する。さらにその上に第2の層間絶縁膜723を形成する。窒化シリコンはプラズマCVD法でSiH4、NH3、N2を用いて20〜100nmの厚さで形成し、膜中には10〜30atomic%の水素を含有させる。熱伝導膜722はDLC、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムから選ばれる材料で100〜200nmの厚さで形成する。
【0062】
DLCはプラズマCVD法で300℃以下、或いは基板を加熱せずに形成することが可能である。使用するガスはメタン(CH4)に代表される炭素の水素化物で、水素を混合させても良い。基板はカソード側にセットして自己バイアスを−50〜−700V程度印加して緻密な膜を形成する。
【0063】
この熱伝導膜722の形成に前後して、窒素雰囲気中において350〜500℃で熱処理を行う。熱処理により第1の不純物領域、第2の不純物領域、第3の不純物領域に添加した不純物を活性化させる。同時に窒化シリコン膜中の水素が放出され、半導体膜703、704側に拡散することにより、半導体膜中の欠陥を水素で補償することができる。特に、緻密なDLCを形成した後にこの熱処理を行うことにより、水素化の効果を高めることができる。
【0064】
第3の層間絶縁膜724は1.0〜2.0μmの平均膜厚で形成する。有機絶縁物材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することができる。例えば、基板に塗布後、熱重合するタイプのポリイミドを用いる場合には、クリーンオーブンで300℃で焼成して形成する。また、アクリルを用いる場合には、2液性のものを用い、主材と硬化剤を混合した後、スピナーを用いて基板全面に塗布した後、ホットプレートで80℃で60秒の予備加熱を行い、さらにクリーンオーブンで250℃で60分焼成して形成する。
【0065】
そして、半導体膜に形成した第1の不純物領域または第3の不純物領域とコンタクトをする配線725〜728を形成する。この配線は50〜200nmのTi膜、100〜300nmのAl膜、50〜200nmのスズ(Sn)膜またはTi膜で形成する。このような構成で形成された配線725〜726は、最初に形成するTi膜が半導体膜と接触をし、コンタクト部分の耐熱性を高めている。
【0066】
以上の様にして、pチャネル型TFT730、nチャネル型TFT731を形成することができる。pチャネル型TFT730にはチャネル形成領域732、ゲート電極である第2の導電膜714と重なる第3の不純物領域733を有している。第3の不純物領域733はソースまたはドレインとして機能するものである。
【0067】
nチャネル型TFT731はチャネル形成領域734、ゲート電極である第2の導電膜715と重なる第2の不純物領域735(Gate Overlapped Drain:GOLD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する第1の不純物領域736を有している。特に、走査線側駆動回路を形成するスティックドライバのバッファ回路は耐圧を考慮する必要があるので、チャネル長(以下、Liと表記する)を3〜10μm、好ましくは5〜10μm、第2の不純物領域735のチャネル長方向の長さ(以下、Lovと表記する)は1〜4μm、好ましくは1.5〜2.5μmで形成する。このように第2の不純物領域(GOLD領域)を設けることにより、ホットキャリア効果によるTFTの劣化を防止することができ、10V以上の電圧を印加してもきわめて安定した動作を得ることができる。
【0068】
図10で示したTFTの作製工程は、CMOS回路を形成するTFTを5枚のフォトマスクで形成することができる。具体的には、半導体膜を島状に分割するマスク(PM1)、ゲート電極を形成するためのマスク(PM2)、ドーピング用のマスク(PM3)、コンタクトホール形成用のマスク(PM4)、配線形成マスク(PM5)である。しかしながら、図10に示す工程に従えば、nチャネル型TFTには上述のようにLDD領域を作り込むことを可能としている。即ち、TFTの安定性を高める構造を形成するのみでなく、工程数を大幅に削減し、歩留まりの向上と製造コストの大幅な削減を可能としている。
【0069】
このような工程により作製されるTFTを用いて駆動回路を形成する。30V系の高電圧が印加されるバッファ回路などには、特に図11(F)で示すnチャネル型TFT731は適している。同図ではシングルゲートの構造で示しているが、耐圧の向上を考慮してマルチゲート構造を採用しても良い。ここでは、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTの2つを形成する工程を示したが、同工程により容量素子や抵抗素子を形成することは容易に想定できるものであり省略されている。また、回路形成に必要なTFTのサイズ(チャネル長/チャネル幅)やそのレイアウトは実施者が適宣考慮すれば良いものである。
【0070】
[実施例2]
実施例1において図10(A)で示す半導体膜703、704は、非晶質構造を有する半導体膜をレーザー結晶化法や熱結晶化法を用いて結晶化させた結晶質半導体膜で形成する。数十MHzの周波数で駆動するスティックドライバのTFTにおいて、半導体膜に要求される品質は、キャリアをトラップする欠陥密度や結晶粒の粒界ポテンシャルがなるべく低いことが要求される。そのような結晶質半導体膜を形成する方法として、触媒元素を用いた結晶化技術があり、これを図11を用いて説明する。
【0071】
図11(A)において、基板801、ブロッキング膜802は実施例1と同様なものとするので説明を省略する。非晶質構造を有する半導体膜803は、25〜100nmの厚さで形成する。非晶質構造を有する半導体の代表例としては非晶質シリコン(a−Si)、非晶質シリコン・ゲルマニウム(a−SiGe)、非晶質炭化シリコン(a−SiC)、非晶質シリコン・スズ(a−SiSn)などがあり、そのいずれでも適用できる。これらの非晶質構造を有する半導体はプラズマCVD法やスパッタ法、或いは減圧CVD法などで作製するものであり、膜中に水素を0.1〜40atomic%程度含有するようにして形成する。例えば、プラズマCVD法でSiH4またはSiH4とH2から作製される非晶質シリコンを55nmの厚さで形成する。尚、SiH4の代わりにSi26を使用しても良い。
【0072】
そして、重量換算で10ppmの触媒元素を含む水溶液をスピナーで基板を回転させて塗布するスピンコート法で触媒元素を含有する層704を形成する。触媒元素にはニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)などである。この触媒元素を含有する層704は、スピンコート法の他に印刷法やスプレー法、バーコーター法、或いはスパッタ法や真空蒸着法によって上記触媒元素の層を1〜5nmの厚さに形成しても良い。
【0073】
図11(B)で示す結晶化の工程では、まず400〜500℃で1時間程度の熱処理を行い、非晶質シリコンの含有水素量を5atomic%以下にする。そして、ファーネスアニール炉を用い、窒素雰囲気中で550〜600℃で1〜8時間の熱結晶化を行う。好適には、550℃で4時間の熱処理を行う。こうして結晶質シリコンから成る結晶質半導体膜805を得ることができる。
【0074】
しかし、熱結晶化によって作製された結晶質半導体膜805は、光学顕微鏡観察により観察すると局所的に非晶質領域が残存していることがある。このような場合、ラマン分光法では480cm-1にブロードなピークを持つ非晶質成分が観測される。レーザー結晶化法はこのように残存する非晶質領域を結晶化させる目的において適した方法である。
【0075】
レーザー結晶化法において用いるレーザー光源にはエキシマレーザー、YAGレーザー、YVO4レーザー、YAlO3レーザー、YLFレーザーなどを用いることができる。エキシマレーザーでは400nm以下の波長の光を高出力で放射させることができるので半導体膜の結晶化に好適に用いることができる。一方、YAGレーザー、YVO4レーザー、YAlO3レーザー、YLFレーザーなどの固体レーザーではその第2高調波(532nm)、第3高調波(355nm)、第4高調波(266nm)を用いる。光の侵入長により、第2高調波(532nm)を用いる場合には半導体膜の表面及び内部から、第3高調波(355nm)や第4高調波(266nm)の場合にはエキシマレーザーと同様に半導体膜の表面から加熱して結晶化を行うことができる。
【0076】
図11(C)はその様子を示すものであり、例えば、Nd:YAGレーザーを用い、そのパルス発振周波数を1〜10kHzとし、レーザーエネルギー密度を100〜500mJ/cm2(代表的には100〜400mJ/cm2)として、シリンドリカルレンズなどを含む光学系にて形成した線状レーザー光806をその長手方向に対し垂直な方向に走査して(或いは、相対的に基板を移動させて)する。線状レーザー光806の線幅は100〜1000μm、例えば400μmとする。このようにして熱結晶化法とレーザー結晶化法を併用することにより、結晶性の高い結晶質半導体膜807を形成することができる。
【0077】
以上のようにして結晶質半導体膜807が形成される。結晶質半導体膜807はチャネル形成領域をはじめ、ソース領域、ドレイン領域、LDD領域などを形成するのに用いることができる。必要であれば図14(D)に示すように結晶質半導体膜807を所定の形状にエッチングして島状半導体膜808を形成する。
【0078】
ニッケルなどの触媒元素を用いた熱結晶化法で作製される結晶質シリコン膜は、微視的に見れば複数の針状または棒状の結晶が集合した構造を有している。しかし、隣接する結晶粒の連続性が高く不対結合手(ダングリングボンド)が殆ど形成されないことが見込まれている。また、その結晶粒の大部分は<110>に配向している。その理由の一つとして、ニッケルなどの触媒元素を用いた場合の結晶成長過程は、触媒元素のシリサイド化物が関与しているものと考えられ、半導体膜の膜厚が25〜100nmと薄いのでその初期核のうち(111)面が基板表面とほぼ垂直なものが優先的に成長するため実質的に<110>の配向性が高くなると考えられる。このような配向性が揃った結晶質半導体膜を使用し、実施例1または実施例2で示すTFTを作製することにより高い電界効果移動度を実現することが可能でり、TFTの高速動作を可能とすることができる。
【0079】
[実施例3]
TFTの電気的特性において、高い電界効果移動度と、小さいサブスレッショルド係数(S値)実現するためには、実施例2で述べたように、低欠陥密度や低い粒界ポテンシャルを有する結晶質半導体膜が要求される。本実施例では、そのような半導体膜を実現するための他の方法を図12を用いて説明する。
【0080】
図12(A)において基板901として適用し得るものは、600℃(好適には950℃)の熱処理に耐え、絶縁表面を有する基板であれば良い。品質、表面仕上げの精度から見れば石英基板が最も適している。そのような基板901に密接して形成する非晶質構造を有する半導体膜902は、プラズマCVD法や減圧CVD法で25〜100nmの厚さで形成する。非晶質構造を有する半導体膜の代表例としては非晶質シリコン(a−Si)膜、非晶質シリコン・ゲルマニウム(a−SiGe)膜、非晶質炭化シリコン(a−SiC)膜、非晶質シリコン・スズ(a−SiSn)膜などがあり、そのいずれでも適用できる。そして、非晶質半導体膜の結晶化温度を低温化することのできる触媒元素を含有する層903を形成する。図12(A)では非晶質構造を有する半導体膜902上に形成しているが、基板側に形成されていても構わない。ここで適用可能な触媒元素は実施形態2と同じであり、同様な方法で形成する。
【0081】
そして、窒素またはアルゴンなどの雰囲気中において、500〜600℃で1〜12時間の熱処理を行い非晶質構造を有する半導体膜902の結晶化を行う。この温度の結晶化に先立っては、400〜500℃で1時間程度の熱処理を行い、半導体膜中の含有水素を放出させておくことも必要である。代表的な条件として、450℃で1時間の脱水素処理をした後、続いて570℃で8時間の熱処理を行う。このような熱結晶化法により、非晶質シリコン膜から結晶構造を有する結晶質半導体膜904が形成される(図12(B))。
【0082】
しかし、結晶質半導体膜904に残存する触媒元素の濃度はおよそ5×1016〜2×1018atoms/cm2である。触媒元素は半導体膜の結晶化には有効であるが、その後TFTを形成するための機能材料として使用する目的においては不要な存在となる。結晶質半導体膜中に残存する触媒元素は不純物として欠陥準位などを形成し、捕獲中心や再結合中心を形成したり、半導体接合の不良をもたらす。図12(C)は触媒元素を除去するためのゲッタリング処理を説明するものであり、結晶質半導体膜中の触媒元素の濃度を1×1017atms/cm3以下、好ましくは1×1016atms/cm3にまで低減することを目的としている。
【0083】
まず、結晶質半導体膜904の表面に酸化シリコン膜などでマスク用絶縁膜905を150nmの厚さに形成する。そして、能動層を形成する領域の外側に開口部906を設け、結晶質半導体膜の表面が露出した領域を形成する。そして、イオンドープ法やイオン注入法でリン(P)を添加して、結晶質半導体膜に選択的にリン(P)添加領域907を形成する。この状態で、窒素雰囲気中で550〜800℃、5〜24時間、例えば600℃、12時間の熱処理を行うと、リン(P)添加領域907がゲッタリングサイトとして働き、結晶質半導体膜904に残存していた触媒元素をリン(P)添加領域907に偏析させることができる。
【0084】
その後、マスク用絶縁膜905と、リン(P)添加領域907とをエッチングして除去することにより、触媒元素の濃度が1×1017atms/cm3以下にまで低減された結晶質半導体膜908を得ることができる(図12(D))。
【0085】
また、図13は結晶質半導体膜を形成する方法の他の一例を示す。図13(A)において基板910、非晶質構造を有する半導体膜911は図12(A)と同様なものを用いる。非晶質構造を有する半導体膜911上にはマスク用絶縁膜912を形成し、選択的に開口部914を形成する。その後、重量換算で1〜100ppmの触媒元素を含む溶液を塗布して、触媒元素含有層913を形成する。触媒元素含有層913は開口部914のみで非晶質構造を有する半導体膜911と接触する構造が形成される。
【0086】
次に、500〜650℃で1〜24時間、例えば600℃、12時間の熱処理を行い、結晶質半導体膜を形成する。この結晶化の過程では、触媒元素が接した半導体膜915から結晶化が進行し、基板910の表面と平行な方向(横方向)へ結晶化が進行する。こうして形成された結晶質半導体膜は棒状または針状の結晶が集合して成り、その各々の結晶は巨視的に見ればある特定の方向性をもって成長しているため、結晶性が揃っているという利点がある。
【0087】
結晶質半導体膜が形成された後、図12(C)と同様に触媒元素を結晶質半導体膜から除去するゲッタリング処理を行う。先に形成された開口部914からリン(P)を添加して、結晶質半導体膜にリン(P)添加領域916を形成する。この状態で、窒素雰囲気中で550〜800℃、5〜24時間、例えば600℃、12時間の熱処理を行い、結晶質半導体膜に残存する触媒元素をリン(P)添加領域916に偏析させる(図13(C))。
【0088】
その後、マスク用絶縁膜912と、リン(P)添加領域916とをエッチングして除去することにより、触媒元素の濃度が1×1017atms/cm3以下にまで低減された結晶質半導体膜917を得ることができる(図13(D))。
【0089】
[実施例4]
画素領域に接続するスティックドライバの回路構成は、走査線側に接続するものと、データ線側に接続するものとで異なる。図14は走査線側に接続するスティックドライバの回路構成の一例を示す。このドライバ回路は、信号の入力側からシフトレジスタ回路1401、マルチプレクサ回路1402、NAND回路1403、レベルシフタ回路1404、バッファ回路1405が設けられている。入力電圧は3Vでも良いが、シフトレジスタ回路にはレベルシフタを介して16Vの電圧を入力する。また、バッファ回路1405には、レベルシフタ回路1404により30Vに昇圧された信号が入力される。
【0090】
シフトレジスタ回路1401、マルチプレクサ回路1402、NAND回路1403などのTFTは、Liを3〜8μm(好ましくは4〜6μm)、Lovを1〜3μm(好ましくは1.5〜2.5μm)で形成する。耐圧を考慮しなければならないバッファ回路のTFTは、Liを6〜15μm(好ましくは8〜10μm)、Lovを1〜4μm(好ましくは2〜3μm)で形成する。
【0091】
マルチプレクサ回路1402は、このようなデザインルールで作製されるスティックドライバのデータ線方向のサイズを小さくするために設ける。マルチプレクサ回路1402は、図15に示すようにシフトレジスタ回路1501、NAND回路1502、インバータ回路1503から成っている。また、マルチプレクサ回路1402は、シフトレジスタ回路1404で用いられるクロック信号の2倍の周波数を持つクロック信号を用いることによって、シフトレジスタ回路1404からの出力信号の1/4のパルス幅をもつ信号を出力する。そして、シフトレジスタ回路1404からの出力信号とマルチプレクサ回路1402からの出力信号をNAND回路1403に入力し、1段のシフトレジスタで2本の走査線を駆動する回路構成とすることによって、シフトレジスタ回路1401の段数を走査線の本数の半分に抑えている。
【0092】
TFTは図10(F)で示す構造を採用すれば良い。同図で示すようにソース・ドレイン間に一つのゲート電極を設けたシングルゲート構造に限らず、耐圧を高めるために複数のゲート電極を設けたマルチゲート構造で形成しても良い。
【0093】
[実施例5]
耐圧と放熱効果を考慮したTFTについて他の一例を図22と図23を用いて説明する。図22(A)において、絶縁表面を有する基板750上にW、Moなどの高融点金属膜751を0.5〜2μm(代表的には1μm)の膜厚で形成する。好適にはWを用いる。その上にポリシリコン膜752を減圧CVD法で100〜300nm(代表的には200nm)の厚さで形成する。減圧CVD法で形成するn型ポリシリコン膜752はリンが添加され、比抵抗500μΩ・cm程度の膜を減圧CVD法で形成する。
【0094】
そして、図22(B)において753、754で示すように、所定のパターンに高融点金属膜751とポリシリコン膜752をエッチングする。そして、酸化窒化シリコン膜755を2〜10μmの厚さに形成する。その後、CMP(Chemical-Mechanical Polishing:化学的・機械的ポリッシング)法を用いて表面を平坦化すると共に、ポリシリコン膜754を露出させる。酸化窒化シリコン膜に対するCMPの研磨剤(スラリー)には、例えば、塩化シリコンガスを熱分解して得られるフュームドシリカ粒子をKOH添加水溶液に分散したものを用いると良い。
【0095】
CMP処理によりポリシリコン膜754も50〜100nmエッチングされる。図22(C)はその状態の基板に結晶質半導体膜756が形成された状態を示している。結晶質半導体膜は、レーザー結晶化法や熱結晶化法により作製するが、その他に図11〜13に示す触媒元素を用いる結晶化法を適用することもできる。半導体膜の厚さは50〜150nm、好適には100nmの厚さで形成する。結晶質半導体膜は100nm程度の厚さが最も配向性がよくなり、触媒元素を用いた結晶化法ではその傾向が顕著である。スティックドライバのTFTはオフ電流値が増加しても回路動作上さほど問題とならず、むしろ配向性を高めキャリアの移動度などを向上させる効果を得るためにこのような厚さとする。
【0096】
この結晶質半導体膜を光露光プロセスを経て、エッチング処理により半導体膜を島状に形成する。島状の半導体膜757は、図22(D)に示すようにポリシリコン754と一部が重なるように形成する。図22(A)はこの状態の上面図を示し、図中に示すA−A'断面が図22(D)の断面図に対応している。島状の半導体膜757上にゲート絶縁膜として用いる酸化窒化シリコン膜や酸化シリコン膜などの絶縁膜758を100〜200nmの厚さで形成する。
【0097】
図22(D)に示す第1の形状の導電層760(第1の導電膜760a、第2の導電膜760bから成る)はレジストマスク759を用いて実施例1と同様にして第1のエッチング処理により形成する。第1の形状の導電層760は、ポリシリコン754と一部が重なるように形成する。その後、第2のエッチング処理により、第2の形状の導電層762を(第1の導電膜762a、第2の導電膜762bから成る)形成する。この段階で行うドーピングは、実施例1で示す第2のドーピング処理と同様にして行うものであり、島状の半導体膜757に第2の不純物領域764を形成する。この領域のn型不純物の濃度は1×1017〜1×1019atoms/cm3の濃度となるようにする。
【0098】
次に、第2の形状の導電層762の一部を覆うレジストマスク765を形成し、実施例1で示す第1のドーピング処理と同様な条件で第1のドーピング処理を行う。第1の不純物領域のn型不純物の濃度は1×1020〜1×1021atomic/cm3の濃度範囲となるようにする。図22(B)は図22(G)においてレジストマスクを除去した状態の上面図を示し、図中に示すB−B'断面が図22(G)の断面図に対応している。
【0099】
図22(H)において、熱伝導層を含む層間絶縁膜も実施例1と同様にして形成されるものであり、第1の層間絶縁膜768、熱伝導膜769、第2の層間絶縁膜770、第3の層間絶縁膜771を形成する。そして、ソース配線774、ドレイン配線772、ゲート配線773を形成する。また、熱伝導層を形成する前または後に、400〜600℃の熱処理を行い第1及び第2の不純物領域に添加した不純物元素を活性化させる。
【0100】
こうして作製されるnチャネル型TFT780は、島状の半導体膜757にチャネル形成領域781、ソース領域783(第1の不純物領域767で形成されるもの)、LDD領域782、784(第2の不純物領域764で形成されるもの)が形成される。また、LDD領域と重なるポリシリコン膜753はドレインとして機能する。図22(C)は図22(H)においてレジストマスクを除去した状態の上面図を示し、図中に示すC−C'断面が図22(H)の断面図に対応している。
【0101】
ピンチオフ電圧よりも高い電圧が印加されるとTFTの特性を劣化させるホットキャリア効果がしばしば問題となるが、LDDはこれを抑制することができる。また、図22(H)で示すようにドレイン領域をLDD領域の下部に形成することにより、ピンチオフ領域をゲート絶縁膜界面から遠ざけることができ、ホットキャリア効果を低減させるのに効果がある。
【0102】
[実施例6]
実施例5において、結晶質半導体膜を触媒元素を用いて作製する一例を図24に示す。図24(A)に示すように、実施例5と同様に基板750上に高融点金属膜751、ポリシリコン膜752、酸化窒化シリコン膜755を形成する。その上に、非晶質半導体膜790は、非晶質シリコン、非晶質シリコン・ゲルマニウムなどの材料を用い、50〜150nm、好適には100nmの厚さで形成する。非晶質半導体膜790上にはマスク用絶縁膜791を形成し、選択的に開口部795を形成する。その後、重量換算で1〜100ppmの触媒元素を含む溶液を塗布して、触媒元素含有層792を形成する。触媒元素含有層792は開口部791のみで非晶質半導体膜790と接触する構造が形成される。この開口部はソース領域が形成される部分に合わせて形成する。
【0103】
次に、図24(B)に示すように、500〜650℃で1〜24時間、例えば600℃、12時間の熱処理を行い、結晶質半導体膜を形成する。この結晶化の過程では、触媒元素が接した半導体膜793から結晶化が進行し、基板750の表面と平行な方向(横方向)へ結晶化が進行する。この結晶化は、図25で示すように、触媒元素が接した半導体膜793から放射状に結晶成長が進行する。即ち、結晶成長の方向がキャリアの流れる方向と一致させることができる。その結果、移動度などの電流輸送特性を向上させることができる。
【0104】
こうして図24(C)に示すように、結晶質半導体膜794を得ることができる。しかし、結晶化の工程において触媒元素を添加した場合には、結晶質半導体膜794に触媒元素が1×1017atms/cm3以上の濃度で残存するために、ゲッタリング処理を行って、少なくともTFTのチャネル形成領域から触媒元素を除去することが望ましい。
【0105】
ゲッタリング処理は実施例5において、熱伝導層の形成前または後に行う活性化のための熱処理と同時に行うことができる。この場合、図24(D)に示すように、第1の不純物領域がゲッタリングサイトとなり、この領域に触媒元素を偏析させることができる。これは、リンによるゲッタリング作用を利用するものである。
【0106】
[実施例7]
本実施例は、耐圧と放熱効果を考慮した、スティックドライバに適したTFTの作製方法について、実施例1または実施例5と異なる他の一例を示す。まず、図26(A)において、絶縁表面を有する基板220上に、実施例5と同様にして高融点金属膜221、n型のポリシリコン膜222、酸化窒化シリコン膜223、島状の結晶質半導体膜224〜226を形成する。島状の結晶質半導体膜226は、一部がn型のポリシリコン膜222と重なるように形成する。
【0107】
次に、図26(B)に示すようにマスク絶縁膜227を形成し、レジストマスク228を形成した後、イオンドープ法によりn型の不純物(ドナー不純物)をドーピングして第1の不純物領域229、252を形成する。代表的にはリンを用い、この領域に添加する不純物濃度は2×1016〜5×1019/cm3となるようにする。ここで、第1の不純物領域252は一部がn型のポリシリコン膜222と重なるように形成する。
【0108】
このドーピング処理の後に、図26(C)に示すように、マスク絶縁膜227を除去して、100〜200nmの厚さでゲート絶縁膜230を形成する。その上に、導電膜231としてW膜を200〜400nmの厚さに形成する。導電膜231は、図26(D)に示すように光露光プロセスによりレジストマスク232を形成し、エッチングによりゲート電極233〜235を形成する。ゲート電極234は、第1の不純物領域229と一部が重なるように形成する。
【0109】
そして、図26(E)に示すように、レジストマスク236を形成し、pチャネル型TFTを形成する島状の結晶質半導体膜224にp型の不純物(アクセプタ不純物)をドーピングし、第3の不純物領域237を形成する。代表的にはボロンを用い、この領域に添加する不純物濃度は2×1020〜2×1021/cm3となるようにする。
【0110】
図26(F)では、レジストマスク238を形成し、n型の不純物(ドナー不純物)をドーピングして第2の不純物領域239、240を形成する。その後の工程は実施例1または実施例5に従うものとし、第1の層間絶縁膜241、熱伝導層242、第2の層間絶縁膜243、第3の層間絶縁膜244、ソースまたはドレイン配線245〜250とゲート配線251を形成する。(図26(G))
【0111】
こうして、スティックドライバの駆動回路を形成するpチャネル型TFT260、nチャネル型TFT261、262を形成することができる。pチャネル型TFT260はチャネル形成領域263、第3の不純物領域からソースまたはドレイン領域264が設けられている。nチャネル型TFT261には、チャネル形成領域265、ゲート電極288と重なり第1の不純物領域で形成されるLDD領域266、第2の不純物領域で形成されるソースまたはドレイン領域267が設けられている。また、nチャネル型TFT262には、チャネル形成領域268、第1の不純物領域により形成されるLDD領域270、第2の不純物領域により形成されるソース領域269が設けられ、LDD領域270に接するn型のポリシリコン膜222がドレイン領域として機能する。
【0112】
特に、nチャネル型TFT262の構造は走査線側に設けるスティックドライバのバッファ回路に用いるのに適している。バッファ回路のnチャネル型TFTにはピンチオフ電圧よりも高い電圧が印加されるため、ホットキャリア効果による劣化が発生しやすくなる。しかし、図26(G)で示すようにドレイン領域をLDD領域の下部に設けた構造とすることにより、ピンチオフ点をゲート絶縁膜界面から遠ざけることが可能となり、ホットキャリア効果を防止するのに効果がある。また、図2で説明したように、TFTが発熱するときの最高温度領域はチャネル形成領域のドレイン側であるが、W膜221はその熱を周辺に拡散させる熱伝導体としての効果も有する。
【0113】
[実施例8]
図27で示すnチャネル型TFT270、271は実施例7とほぼ同様にして作製されるものである。nチャネル型TFT270には、チャネル形成領域280、第1の不純物領域で形成されるLDD領域281、第2の不純物領域で形成されるソースまたはドレイン領域282が設けられている。nチャネル型TFT271と図26(G)で示すnチャネル型TFT261との相違点はLDD領域の有無であり、nチャネル型TFT271にはLDD領域が設けられていない。このような構造の違いは、図26(B)に示す工程において、レジストマスク228のパターンを変更することによって形成することができる。即ち、島状の半導体膜226の全面を覆うレジストマスクを形成する。
【0114】
nチャネル型TFT271はゲート電極289がn型のポリシリコン膜285上に延在するように設けられている。また、チャネル形成領域283も同様にn型のポリシリコン膜285上に延在している。チャネルはゲート電極289に沿って、また、そこからn型のポリシリコン膜285で形成されるドレイン領域285にかけて形成される。ピンチオフ点は電界が集中するドレイン近傍に形成される。しかし、ドレインをゲート絶縁膜から離して形成することにより、ピンチオフ点をゲート絶縁膜との界面から遠ざけることができる。その結果、ホットキャリア効果による劣化を防ぐことができる。
【0115】
一方、図27ではソースまたはドレイン配線274〜277とゲート配線278が層間絶縁膜272、273上に形成されている。これらの配線は、一例として配線274の構成として示すように、W膜279及びn型のポリシリコン膜290により形成される下側配線とコンタクトを形成し、回路を形成することができる。
【0116】
[実施例9]
スティックドライバを接続する画素領域の構成の一例を図16と図17を用いて説明する。図16(A)で示すのは液晶表示装置の画素領域の構成を示す上面図である。走査線1651とデータ線1655が交差して一つの画素が形成される。その交差点には画素TFT1658が設けられている。ここで示す画素TFTはボトムゲート型の構造であり、ソース・ドレイン電極1656の一方はデータ線1655と接続し、他方は画素電極1657と接続している。液晶の駆動に必要な保持容量1659はゲート電極1652と同じ層で形成される容量配線1653と、ゲート絶縁膜と同じ層で形成される絶縁膜を介して画素電極1657との間で形成している。図16(B)はその等価回路を示す。
【0117】
画素TFTの構造は何ら限定されるものではないが、例えば、図17(A)で示すチャネル保護型のボトムゲート型TFTで形成することができる。これは、基板1701上にTa、Cr、Mo、Alなどでゲート電極1702を形成する。その後、窒化シリコン膜から成る第1の絶縁膜1703、酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜から成る第2の絶縁膜からゲート絶縁膜1704を形成する。その上にゲート電極1702と一部が重なるように非晶質構造を有する半導体膜1705を形成する。1706は窒化シリコンなどで形成されるチャネル保護膜であり、ソース・ドレイン領域を形成するエッチング加工のときに非晶質構造を有する半導体膜1705がエッチングされない構造となっている。非晶質構造を有する半導体膜1705の代表的な材料は非晶質シリコンであり、プラズマCVD法で100〜250nmの厚さに形成する。n型またはp型不純物が添加された半導体膜1707は、最初非晶質構造を有する半導体膜1705と重ねて設けておく。
【0118】
次いで、ソース・ドレイン電極1708をCr、Ti、Taなどで形成する。このソース・ドレイン電極1708をマスクとしてn型またはp型不純物が添加された半導体膜1707はエッチング処理により2つの領域に分割されている。その後、透明導電膜で画素電極1709を形成する。透明導電膜には酸化インジウム・スズ(In23:SnO2、ITO)や酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム・スズと酸化亜鉛の化合物、酸化ガリウム(Ga23)を添加した酸化亜鉛などを用いる。最後に、窒化シリコンまたは酸化シリコンなどで保護膜1710を形成して画素TFTが完成する。
【0119】
また、図17(B)は保護膜1711の上にアクリルなどの有機樹脂材料で形成される平坦化膜1712が形成され、その上に画素電極1713が形成された構造ある。コンタクトホールを介して画素電極を画素TFTと接続する構造とすることで、開口率を向上させることが可能なり、また、表面を平坦化することによりディスクリネーションなど液晶の配向の乱れを低減させることができる。
【0120】
一方、図17(C)は順スタガ型のTFTであり、基板1714上にソース・ドレイン電極1715が形成され、その上に半導体膜1716、ゲート絶縁膜1717、ゲート電極1718が形成される。さらに、画素電極1714、保護絶縁膜1720が形成されている。
【0121】
図17(D)は逆スタガ型のTFTであり、特に反射型の液晶表示装置に適した構造を示す。基板1721上にゲート電極1722が形成され、これと同じ膜を用いて画素電極17219を形成する領域に島状領域1723を形成する。島状領域1723は5〜10μmの大きさとして1画素内に複数個形成し、ピッチも10〜20μm程度とする。そして、第1の絶縁膜1724、第2の絶縁膜1725を全面に形成する。その上にゲート電極1722と一部が重なるように非晶質構造を有する半導体膜1726を形成する。1727は窒化シリコンなどで形成されるチャネル保護膜であり、1728はn型またはp型不純物が添加された半導体膜である。
【0122】
次いで、配線1730、画素電極1729をCr、Ti、Taなどと導電膜とAlまたはAgを積層して形成する。画素電極1729の下側には、非晶質構造を有する半導体膜1731とn型またはp型不純物が添加された半導体膜1732を島状に形成して、画素電極1729の表面が凹凸形状になるようにする。半導体膜1731、1732は複数個形成し、その大きさと配列させるピッチは3〜10μm程度とする。
【0123】
従って、凹凸形状は、半導体膜1731、1732によるピッチの小さな凹凸と、島状領域1723によるピッチの大きな凹凸の2つが重畳したものとなる。このような画素の構成とすることにより、反射型の液晶表示装置において鏡面反射が防止され、特に白表示のときの表示品位を向上させることができる。
【0124】
TFTの特性と製造コストとの観点からはボトムゲート型のTFTが多くの場合使用されるが、本発明のスティックドライバは、画素領域をタンタルと酸化タンタルを組み合わせて形成されるMIM型の素子で形成したものに対しても応用することができる。
【0125】
[実施例10]
図18は本発明のスティックドライバを用いて液晶表示装置の組み立てる様子を模式的に示す図である。第1の基板には画素領域1803、外部入出力端子1804、接続配線1805が形成されている。点線で囲まれた領域は、走査線側のスティックドライバ貼り合わせ領域1801とデータ線側のスティックドライバ貼り合わせ領域1802である。第2の基板1808には対向電極1809が形成され、シール材1810で第1の基板1800と貼り合わせる。シール材1810の内側には液晶が封入され液晶層1811を形成する。第1の基板と第2の基板とは所定の間隔を持って貼り合わせるが、ネマチック液晶の場合には3〜8μm、スメチック液晶の場合には1〜4μmとする。
【0126】
スティックドライバ1806、1807は図6で説明したように、データ線側と走査線側とで回路構成が異なるが、いずれにしても第3の基板1814から切り出されたものである。スティックドライバは第1の基板に実装するが、その方法は図8及び9で説明するようにCOG法を採用する。外部入出力端子1804には、外部から電源及び制御信号を入力するためのFPC(フレキシブルプリント配線板:Flexible Printed Circuit)1812を貼り付ける。FPC1812の接着強度を高めるために補強板1813を設けても良い。こうして液晶表示装置を完成させることができる。スティックドライバは第1の基板に実装する前に電気検査を行えば液晶表示装置の最終工程での歩留まりを向上させることができ、また、信頼性を高めることができる。
【0127】
[実施例11]
スティックドライバは単純マトリクス型表示装置の駆動回路にも適用できる。図19はその一例を示し、第1の基板1901及び第2の基板1905にはそれぞれスティックドライバ1904、1905が実装されている。画素領域1903は、第1の基板側1901に形成された複数の短冊状の電極と、第2の基板側に形成された複数の短冊状の電極とが交差して形成される。第1及び第2の基板に実装されたスティックドライバは、それぞれの基板に対応して設けられた画素電極に接続されている。
【0128】
図19において、第1の基板と第2の基板との間に液晶層を介在させて液晶表示装置を形成することができる。また、図19の構成とは異なるが、画素領域に自発光層を設けたEL表示装置にも適用することができる。
【0129】
[実施例12]
スティックドライバを実装することができる液晶表示装置は、実施例9で示すアクティブマトリクス型の画素構造や実施例11で示す単純マトリクス型の画素構造の他に、IPS(In-Plane Switching)方式(=横電界方式)のアクティブマトリクス型の液晶表示装置やMVA(Multi-domain Vertical Alignment)液晶表示装置にも適用することができる。また、画素にMIM素子を配置したアクティブマトリクス型液晶表示装置にも適用することができる。
【0130】
[実施例13]
スティックドライバは画素領域にエレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)材料による自発光層を設けた表示装置(EL表示装置という)にも適用できる。EL表示装置は自発光層を画素電極上に形成するため、液晶表示装置のように対向側に設ける第2の基板を必ずしも必要としない。画素領域が形成される第1の基板は図6で示す構成と同等なものであり、画素領域の周辺に引出線、接続配線、外部入力端子が形成され、走査線側及びデータ線側にそれぞれスティックドライバを実装する。
【0131】
図20(A)はEL表示装置の画素を示す図である。EL表示装置の画素領域には、代表的な形態としてスイッチング用TFT2051と電流制御用TFT2052が設けられている。スイッチング用TFT2051のゲート電極2002は走査線2001に、ソース側はデータ線2006に接続し、ドレイン電極2008は電流制御用TFT2052のゲート電極2003に接続している。図20(A)で示すTFTはボトムゲート型の例であり、半導体膜2002、2005は非晶質シリコン膜で形成されている。また、容量部2053は図示されていない絶縁膜を介して電流制御用TFT2052のソース電極2010とゲート電極2003とで形成されている。ソース電極2010は電流供給線2007に接続している。ドレイン電極2009は絶縁膜を介してその上層に形成される画素電極2011と接続する。これらのソース電極及びドレイン電極はAl、Ti、Ta、Moなどの材料で形成すれば良く、Mo−Wなどの合金材料を用いても良い。画素電極2011はアルミニウム合金膜、銅合金膜または銀合金膜など低抵抗な導電膜またはそれらの積層膜を用いることが好ましい。勿論、他の導電膜との積層構造としても良い。
【0132】
図20(B)は画素領域の等価回路を示す。自発光層2054は電流制御用TFT2052に接続される。電流制御用TFTはEL材料で形成する自発光層を駆動するために高い電流駆動能力を要求される。その目的からすれば、半導体膜は非晶質シリコン・ゲルマニウム合金膜で形成しても良い。
【0133】
絶縁膜(好ましくは樹脂)で形成されたバンク1612a、1612bにより形成された溝(画素に相当する)の中に発光層が形成される。発光層とする有機EL材料としてはπ共役ポリマー系材料を用いる。代表的なポリマー系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)系、ポリビニルカルバゾール(PVK)系、ポリフルオレン系などが挙げられる。
【0134】
具体的な発光層としては、赤色に発光する発光層にはシアノポリフェニレンビニレン、緑色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン、青色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン若しくはポリアルキルフェニレンを用いれば良い。膜厚は30〜150nm(好ましくは40〜100nm)とすれば良い。但し、以上の例は発光層として用いることのできる有機EL材料の一例であって、これに限定する必要はまったくない。例えば、ポリマー系材料以外にも、低分子系有機EL材料を用いることも可能である。また、電荷輸送層や電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることもできる。
【0135】
ここでは、EL材料で形成される自発光層をTFTで制御して駆動するアクティブマトリクス型のEL表示装置の例を示したが、パッシブ型のEL表示装置であっても、スティックドライバをその画素領域の周辺に設けることで同様に表示装置を完成させることができる。いずれにしても、画素領域と駆動回路とでは要求されるデザインルールが異なるので、それぞれを別の基板に形成し、その後組み合わせる本発明の方法は製造歩留まりを向上させる観点からも適している。
【0136】
[実施例14]
実施例10で示すようにスティックドライバが実装された表示装置を電気光学装置に搭載する方法の一例を図21に示す。図21は液晶表示装置の例であり、表示装置はスティックドライバ2108が実装される第1の基板2101と対向基板2102との間にシール材2104を介して液晶層2103が設けられている。さらに偏光版2105が設けられている。
【0137】
スティックドライバ2108は、図8または9で示すようにAuバンプなどにより入出力配線2106、2107と接続している。そして、信号処理回路、増幅回路、電源回路などの外部回路が形成されたプリント基板2110とFPC2109により接続し、画像表示に必要な信号をスティックドライバが実装された表示装置に伝達するようになっている。表示装置が透過型の液晶表示装置であれば、光源2112と導光体2114から成るバックライトが設けられている。
【0138】
筐体2114はこれらを包含するように設けられる。また、スティックドライバ2108には熱伝導膜が設けられているが、熱を外部に発散させるためにヒートシンク2111を設けておいても良い。ここで示す表示装置の実装方法は一例であり、電気光学装置の形態に合わせて適宣組み立てられるものである。
【0139】
[実施例15]
本実施例では、スティックドライバを実装する表示装置を組み込んだ半導体装置について示す。このような半導体装置には、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコンピュータ、携帯電話等)、ビデオカメラ、スチルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビ等が挙げられる。それらの一例を図29と図30に示す。
【0140】
図29(A)は携帯電話であり、本体2901、音声出力部9002、音声入力部2903、表示装置2904、操作スイッチ2905、アンテナ2906から構成されている。表示装置2904はスティックドライバが実装されたアクティブマトリクス型及びパッシブ型の液晶表示装置やEL表示装置を用いることができる。
【0141】
図29(B)はビデオカメラであり、本体9101、表示装置9102、音声入力部9103、操作スイッチ9104、バッテリー9105、受像部9106から成っている。表示装置9102はスティックドライバが実装されたアクティブマトリクス型及びパッシブ型の液晶表示装置やEL表示装置を用いることができる。
【0142】
図29(C)はモバイルコンピュータ或いは携帯型情報端末であり、本体9201、カメラ部9202、受像部9203、操作スイッチ9204、表示装置9205で構成されている。表示装置9205はスティックドライバが実装されたアクティブマトリクス型及びパッシブ型の液晶表示装置やEL表示装置を用いることができる。
【0143】
図29(D)はテレビ受像器であり、本体9401、スピーカー9402、表示装置9403、受信装置9404、増幅装置9405等で構成される。表示装置9403はスティックドライバが実装されたアクティブマトリクス型及びパッシブ型の液晶表示装置やEL表示装置を用いることができる。
【0144】
図29(E)は携帯書籍であり、本体9501、表示装置9502、9503、記憶媒体9504、操作スイッチ9505、アンテナ9506から構成されており、ミニディスク(MD)やDVDに記憶されたデータや、アンテナで受信したデータを表示するものである。直視型の表示装置9502、9503はスティックドライバが実装されたアクティブマトリクス型及びパッシブ型の液晶表示装置やEL表示装置を用いることができる。
【0145】
図29(A)はパーソナルコンピュータであり、本体9601、画像入力部9602、表示装置9603、キーボード9604で構成される。表示装置9603はスティックドライバが実装されたアクティブマトリクス型及びパッシブ型の液晶表示装置やEL表示装置を用いることができる。
【0146】
図29(B)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体9701、表示装置9702、スピーカ部9703、記録媒体9704、操作スイッチ9705で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。表示装置9702はスティックドライバが実装されたアクティブマトリクス型及びパッシブ型の液晶表示装置やEL表示装置を用いることができる。
【0147】
図29(C)はデジタルカメラであり、本体9801、表示装置9802、接眼部9803、操作スイッチ9804、受像部(図示しない)で構成される。表示装置9802はスティックドライバが実装されたアクティブマトリクス型及びパッシブ型の液晶表示装置やEL表示装置を用いることができる。
【0148】
【発明の効果】
本発明によれば、特に、30V程度の電圧を印加して駆動する走査線側のスティックドライバにおいて、熱伝導膜を設けることにより放熱効果を高めることができる。その結果、回路の動作を安定化させ液晶表示装置やEL表示装置をはじめとする半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスティックドライバを形成するTFTの断面構造図。
【図2】 Vg=30V、Vd=30Vを印加したnチャネル型TFTの温度分布のシミュレーション結果を示す図。
【図3】 熱伝導膜とするDLC膜と、窒化シリコン膜とを積層して形成するときの構造を説明する図であり、各構成元素の組成分布を説明する図。
【図4】 スティックドライバの入出力端子部の構成を説明する断面図。
【図5】 スティックドライバの外観を示す斜視図。
【図6】 スティックドライバを実装する表示装置の構成を説明する図。
【図7】 画素領域とスティックドライバの回路構成を説明するブロック構成図。
【図8】 スティックドライバの実装方法の一例を説明する図。
【図9】 スティックドライバの実装方法の一例を説明する図。
【図10】 スティックドライバ上に形成するTFTの作製工程を説明する図。
【図11】 結晶質半導体膜の作製方法の一例を説明する図。
【図12】 結晶質半導体膜の作製方法の一例を説明する図。
【図13】 結晶質半導体膜の作製方法の一例を説明する図。
【図14】 走査線に接続するスティックドライバの駆動回路の構成を説明する図。
【図15】 走査線の駆動回路みに設けるマルチプレクサ回路の構成を説明する図。
【図16】 液晶表示装置における画素の構成の一例を説明する上面図と回路図。
【図17】 非晶質半導体膜を用いて作製される画素TFTの断面構造を説明する図。
【図18】 スティックドライバを実装する液晶表示装置の主要構成要素の組み立て図。
【図19】 スティックドライバを実装する単純マトリクス型表示装置の概念図。
【図20】 EL表示装置の画素領域の構成の一例を説明する上面図と回路図。
【図21】 表示装置を電気光学装置の筐体に装着する一例を説明する図。
【図22】 スティックドライバ上に形成するTFTの作製工程を説明する図。
【図23】 スティックドライバ上に形成するTFTの作製工程を説明する上面図。
【図24】 結晶質半導体膜の作製方法の一例を説明する図。
【図25】 結晶質半導体膜の作製方法の一例を説明する図。
【図26】 スティックドライバ上に形成するTFTの作製工程を説明する図。
【図27】 スティックドライバ上に形成するTFTの構造を説明する図。
【図28】 半導体装置の一例を説明する図。
【図29】 半導体装置の一例を説明する図。

Claims (6)

  1. 絶縁表面を有する基板上に設けられた高融点金属膜と、前記高融点金属膜上に設けられ、TFTのドレイン領域として機能するポリシリコン膜と、を有する2つの積層体と、
    前記2つの積層体の周囲に前記2つの積層体の側面と接するように設けられた窒化シリコン膜と、
    前記2つの積層及び前記窒化シリコン膜上に設けられ、ソース領域と、前記ソース領域の両端の側面の一方に接する第1のチャネル形成領域と、前記ソース領域の両端の側面の他方に接する第のチャネル形成領域と、前記第1及び前記第2のチャネル形成領域を挟んで前記ソース領域と反対側にそれぞれ設けられた2つのLDD領域と、を有する島状の半導体膜と、
    前記島状の半導体膜、前記ポリシリコン及び前記窒化シリコン膜を覆って設けられたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に設けられた第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、
    前記第1のゲート電極、前記第2のゲート電極及び前記ゲート絶縁膜上に設けられた層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜上に設けられた熱伝導層と、を有する半導体装置であって、
    前記LDD領域と前記ポリシリコン膜とは、接していることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1において
    前記熱伝導層上に設けられた第2の層間絶縁膜をさらに有することを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または請求項において、
    前記熱伝導層は熱伝導率が10W/m・K以上の絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項において、
    前記熱伝導率が10W/m・K以上の絶縁膜は、炭素を主成分とすることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項において、
    前記熱伝導率が10W/m・K以上の絶縁膜は、ダイヤモンドライクカーボン、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムから選ばれた一つであることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、
    前記高融点金属膜は、タングステンまたモリブデンを有することを特徴とする半導体装置。
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