JP2013164593A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画素TFTを作製する工程数を削減して製造コストの低減および歩留まりの向上
を実現し、信頼性と生産性を向上させる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】画素領域に形成する画素TFTをチャネルエッチ型の逆スタガ型TFTで基
板上に形成し、ソース領域及びドレイン領域のパターニングと画素電極のパターニングを
同じフォトマスクで行う。また、ソース配線を画素電極と同じ材料である導電膜で覆い、
基板全体を外部の静電気等から保護する構造とする。このような構成とすることで、製造
工程において製造装置と絶縁体基板との摩擦による静電気の発生を防止することができる
。特に、製造工程で行われる液晶配向処理のラビング時に発生する静電気からTFT等を
保護することができる。
【選択図】図1

Description

本願発明は薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導体
装置およびその作製方法に関する。特に、表示部を形成する画素領域における各画素の構
成と、該画素に信号伝達する駆動回路の構成に関する。例えば、液晶表示パネルに代表さ
れる電気光学装置およびその様な電気光学装置を部品として搭載した電子機器に関する。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装
置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器をその範疇に含むものとする。
画像表示装置として液晶表示装置が知られている。パッシブ型の液晶表示装置に比べ高
精細な画像が得られることからアクティブマトリクス型の液晶表示装置が多く用いられる
ようになっている。アクティブマトリクス型の液晶表示装置においては、マトリクス状に
配置された画素に電圧を印加することにより液晶の配向を制御して、画面上に画像情報を
表示する仕組みになっている。
このようなアクティブマトリクス型液晶表示装置は、ノート型パーソナルコンピュータ
(ノートパソコン)やモバイルコンピュータ、携帯電話などの携帯型情報端末をはじめ、
液晶テレビなどの様々な電子機器に利用され広く普及している。このような表示装置はC
RTと比較して軽量薄型化が可能であり、用途によっては画面の大面積化や画素数の高密
度化が要求されている。
非晶質シリコンに代表される非晶質半導体膜でTFTのチャネル形成領域などを形成す
る技術は生産性に優れている。非晶質半導体膜は、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノ
ホウケイ酸ガラスなどの比較的安価で大面積の基板に形成できる特徴を有している。しか
しながら、非晶質シリコン膜でチャネル形成領域を形成したTFTの電界効果移動度は、
大きくとも1cm2/Vsec程度しか得ることができない。そのため、画素領域に設けるスイッ
チング用のTFT(画素TFT)としては利用できるが、駆動回路を形成して所望の動作
をさせることはできなかった。従って、画素に印加する電圧を信号に応じて制御する駆動
回路は、単結晶シリコン基板で作製したICチップ(ドライバIC)を用い、画素領域の
周辺にTAB(Tape Automated bonding)方式やCOG(Chip on Glass)方式で実装さ
れている。
TAB方式は可撓性の絶縁基板上に銅箔などで配線を形成し、その上にICチップを直
接装着したものであり、可撓性基板の一方の端が表示装置の入力端子に接続して実装する
方法である。一方、COG方式はICチップを表示装置の基板上に形成した配線のパター
ンに合わせて直接貼り合わせて接続する方式である。
また、駆動回路を実装するその他の方法として、特開平7−014880号公報や特開
平11−160734号公報にはガラスや石英などの基板上に非単結晶半導体材料で作製
したTFTで駆動回路を形成し、短冊状に分割して(以下、このように短冊状に切り出さ
れた駆動回路を有する基板をスティックドライバという)、表示装置の基板上に実装する
技術が開示されている。
いずれにしても、画素領域が形成された基板に駆動回路を実装する領域は可能な限り小
さい方が好ましく、駆動回路の実装方法には配線のレイアウトなどを含め様々な工夫が凝
らされている。
テレビやパーソナルコンピュータのモニタとして、これまではCRTが最も使用されて
きた。しかし、省スペースや低消費電力化の観点から、それが液晶表示装置に置き換えら
れていくにつれ、液晶表示装置に対しては画面の大面積化や高精細化が推進される一方で
製造コストの削減が求められてきた。
アクティブマトリクス型の表示装置は、画素TFTの作製に写真蝕刻(フォトリソグラ
フィー)技術を用い、少なくとも5枚のフォトマスクを使用している。
フォトマスクはフォトリソグラフィーの技術において、エッチング工程のマスクとするフ
ォトレジストパターンを基板上に形成するために用いている。このフォトマスクを1枚使
用することによって、レジスト塗布、プレベーク、露光、現像、ポストベークなどの工程
と、その前後の工程において、被膜の成膜およびエッチングなどの工程、さらにレジスト
剥離、洗浄や乾燥工程などが付加され、製造に係わる作業は煩雑なものとなり問題となっ
ていた。
生産性を向上させ歩留まりを向上させるためには、工程数を削減することが有効な手段
として考えられる。しかし、フォトマスクの数を減らさない限りは、製造コストの削減に
も限界があった。
また、基板が絶縁体であるために製造工程中における摩擦などによって静電気が発生し
ていた。この静電気が発生すると基板上に設けられた配線の交差部でショートしたり、静
電気によってTFTが劣化または破壊されて電気光学装置に表示欠陥や画質の劣化が生じ
ていた。特に、製造工程で行われる液晶配向処理のラビング時に静電気が発生し問題とな
っていた。
その他に、画素数が増加すると実装するICチップの数も必然的に多くなる。
RGBフルカラー表示のXGAパネルでは、画素領域のソース線側の端子数だけで約30
00個となり、それがUXGAでは4800個必要となる。ICチップのサイズは製造プ
ロセスにおけるウエハーサイズで限定され、実用的なサイズとして長辺が20mm程度のも
のが限度となる。このICチップは出力端子のピッチを50μmとしても、1個のICチ
ップで400個の接続端子しか賄うことができない。上述のXGAパネルではソース線側
だけでICチップが8個程度、UXGAパネルでは12個が必要となる。
長尺のICチップを作製する方法も考えられるが、短冊状のICチップは円形のシリコ
ンウエハーから取り出すことのできる数が必然的に減ってしまい実用に即さない。さらに
、シリコンウエハー自体が脆い性質なので、あまり長尺のものを作製すると破損してしま
う確率が増大する。また、ICチップの実装には位置合わせの精度や、端子部のコンタク
ト抵抗を低くする必要がある。1枚のパネルに貼り付けるICチップの数が増えると、不
良の発生率が増え、その工程における歩留まりを低下させる懸念がある。その他にも、I
Cチップの基体となっているシリコンと画素領域が形成されているガラス基板との温度係
数か異なるため、貼り合わせた後にたわみなどが発生し、コンタクト抵抗の増大といった
直接的な不良の他に、発生する応力によって素子の信頼性が低下する要因になる。
一方、スティックドライバは画素領域と同等の長さの駆動回路を形成することも可能で
あり、一つのスティックドライバで駆動回路を形成して実装することもできる。しかしな
がら、回路部の面積が増えると、一つの点欠陥で不良となってしまうスティックドライバ
の数が増加するので、1枚の基板から取り出すことのできる数が減少し、工程歩留まりが
低下を招いてしまう。
生産性の観点からは、大面積のガラス基板や石英基板上に結晶質半導体膜から作製する
TFTで多数のスティックドライバを形成する方法は優れていると考えられる。しかし、
走査線側とソース線側では回路の駆動周波数が異なり、また、印加する駆動電圧の値も異
なっている。具体的には、走査線側のスティックドライバのTFTには30V程度の耐圧
が要求されるものの、駆動周波数は100kHz以下であり高速性は要求されない。ソース
線側のスティックドライバのTFTの耐圧は12V程度あれば十分であるが、駆動周波数
は3Vにて65MHz程度であり高速動作が要求される。このように、要求される仕様の違
いによりスティックドライバおよび該ドライバ内のTFTの構造を適切に作り分ける必要
がある。
このような背景を基にして、本発明は液晶表示装置の画素TFTを作製する工程数を削
減して製造コストの低減および歩留まりの向上を実現することを第1の課題とする。また
、各回路が要求する特性を満たすTFTで形成した駆動回路をガラス基板などの大面積基
板に一括に形成する方法と、そのような駆動回路を実装した表示装置を提供し、信頼性と
生産性を向上させる技術を提供することを第2の課題とする。
上記課題を解決するための第1の手段は、画素領域に形成する画素TFTをチャネルエ
ッチ型の逆スタガ型TFTで形成し、ソース領域及びドレイン領域のパターニングと画素
電極のパターニングを同じフォトマスクで行うことを特徴とする。
本発明の画素TFTの作製方法を図1を参照して簡略に説明する。まず、第1のマスク
(フォトマスク1枚目)でゲート配線102と容量配線103のパターンを形成する。次
いで、絶縁膜(ゲート絶縁膜)、第1の半導体膜、一導電型の第2の半導体膜、第1の導
電膜を順次積層形成する。
第2のマスク(フォトマスク2枚目)で第1の導電膜、一導電型の第2の半導体膜、第
1の半導体膜を所定の形状にエッチングして、画素TFTのチャネル形成領域やソースま
たはドレイン領域を確定すると共に、ソース配線やドレイン電極のパターンを形成する。
その後、画素電極を形成するための第2の導電膜を形成する。
第3のマスク(フォトマスク3枚目)で第2の導電膜をエッチングして画素電極119
を形成する。さらに、画素TFTのチャネル形成領域上に残存する第1の導電膜と一導電
型の第2の半導体膜をエッチングして除去する。このエッチング処理では、エッチングの
選択比が大きくとれないので第1の半導体膜も一部がエッチングされる。
このような工程により、画素TFTの作製に必要なフォトマスクの数を3枚とすること
ができる。画素TFT上に保護絶縁膜を形成する場合には、画素電極に開口を設ける必要
から、もう1枚フォトマスクが必要となる。ソース配線は画素電極と同じ材料である第2
の導電膜で覆い、基板全体を外部の静電気等から保護する構造とすることもできる。また
、この第2の導電膜を用いて画素TFT部以外の領域に保護回路を形成する構造としても
よい。このような構成とすることで、製造工程において製造装置と絶縁体基板との摩擦に
よる静電気の発生を防止することができる。特に、製造工程で行われる液晶配向処理のラ
ビング時に発生する静電気からTFT等を保護することができる。
反射型の液晶表示装置では、明るい表示を得るために画素電極の表面を凹凸化して、最
適な反射特性を有する画素電極を形成する方法がある。本発明はこのような反射型の液晶
表示装置にも適用し得るものであり、そのためにフォトマスクを増やすことを必要としな
い。画素電極の表面を凹凸化する方法として、ゲート配線を形成するときに、画素電極の
下方の領域に島状に分離されたパターンを形成しておく手法を用いる。そのパターン上に
はゲート絶縁膜と画素電極の層が形成されるのみであるので、パターンに対応した凹凸形
状を画素電極の表面に形成することができる。
上記課題を解決するための第2の手段は、画素領域が形成された第1の基板と、対向電
極が形成された第2の基板とを有する表示装置において、結晶質半導体層を有するTFT
を用いて形成される駆動回路と該駆動回路に従属する入出力端子を一つのユニットとした
ものを、第3の基板上に複数個形成し、その後第3の基板を個々のユニット毎に分割して
得られるスティックドライバを、第1の基板に実装することを特徴とする。
スティックドライバの各回路の構成は、走査線側とソース線側で異なるものとし、要求
される回路特性に応じてTFTのゲート絶縁膜の厚さやチャネル長などを異ならせたもの
とする。例えば、シフトレジスタ回路、レベルシフタ回路、バッファ回路から構成する走
査線のスティックドライバでは、30Vの耐圧が要求されるバッファ回路のTFTはシフ
トレジスタ回路のTFTよりもゲート絶縁膜を厚く形成する。また、シフトレジスタ回路
、ラッチ回路、レベルシフタ回路、D/A変換回路から構成されるソース線側のスティッ
クドライバは、高周波数で駆動するためにシフトレジスタ回路やラッチ回路のゲート絶縁
膜の厚さを薄くし、チャネル長も他のTFTよりも短く形成する。
また、高い周波数の入力デジタル信号を必要とするソース線側には信号分割回路を設け
、スティックドライバに入力するデータ信号の周波数を落とす手段を設ける。これにより
、スティックドライバのTFTの負担を軽減し、駆動回路の信頼性を向上させる。信号分
割回路は、n個の入力部とm×n個の出力部とを備え、n個の入力部のそれぞれより入力
信号の供給を受け、入力デジタル信号のパルスの長さを時間伸長した修正デジタル信号を
、m×n個ある出力部より送り出すことにより、入力デジタル信号の周波数を落としてい
る。修正デジタル信号は、入力デジタル信号のパルスの長さを何倍に時間伸長したもので
あっても良い。
本発明の基本的な概念を図32に示す。表示領域3202が形成された第1の基板32
01と、第3の基板3206上に複数の駆動回路を形成し、第3の基板3206を各駆動
回路毎に、短冊状または矩形状に分断することによって取り出されるスティックドライバ
を第1の基板に貼り合わせる。駆動回路の構成は走査線側とソース線側で異なるが、いず
れにしてもそれぞれの側で複数個のスティックドライバを実装する。図32では、走査線
駆動回路が形成されたスティックドライバ3203、3204及びソース線駆動回路が形
成されたスティックドライバ3207、3208が実装される形態を示している。
スティックドライバは大面積の第3の基板上に複数個作り込むことが生産性を向上させ
る観点から適している。例えば、300×400mmや550×650mmの大面積の基板上
に駆動回路部と入出力端子を一つのユニットとする回路パターンを複数個形成し、最後に
分割して取り出すと良い。スティックドライバの短辺の長さは1〜6mm、長辺の長さは1
5〜80mmとする。このようなサイズで分割するには、ダイヤモンド片などを利用してガ
ラス基板の表面に罫書き線を形成し、外力を作用させて罫書き線に沿って分断する方法で
行うことができる。この加工を行う機械はガラススクライバーとも呼ばれるが、分断加工
するのに必要な刃の加工幅は100μmを下らず、100〜500μmは余裕を見込む必要
があった。また、基板上に形成したマーカーとの位置合わせ精度も±100μmの誤差が
ある。従って、ガラススクライバーで短辺が2mmのスティックドライバを切り出すには切
りしろを1〜5mm見込む必要があり、そのために1枚の基板からの取り数が制限されてし
まう。一方、シリコンウェハーを個々のダイに切断するブレートダイシング法を用いたダ
イシング装置は、ブレード(刃)の幅が0.02〜0.05mmであり、位置合わせ精度を
考慮しても100μm以下の精度で基板を分割することができる。
従って、1枚の基板からスティックドライバを効率的に取出す方法は、加工精度の低い
ガラススクライバーで分断する加工領域と、加工精度の高いダイシング装置で分断する加
工領域とを分けて配置する。具体的には、一辺が100〜200mmの領域から成る群を作
り、その群の中に短辺の長さ1〜6mmのスティックドライバを複数個配置する。そして、
群と群との分割はガラススクライバーで行い、分割された群からスティックドライバを取
り出すにはダイシング装置で行う。
また、ソース線側のスティックドライバは、チャネル長を0.3〜1μmとし、さらに
上記のような限られた面積内に必要な回路を形成するために、走査線側のスティックドラ
イバよりもデザインルールを縮小して形成する。その好ましい方法として、ステッパ方式
を用いた露光技術を採用する。
以上説明したとおり、本発明により、3枚のフォトマスクにより逆スタガ型のnチャネ
ル型TFTを有する画素TFT及び、保持容量を備えた液晶表示装置の画素領域を形成す
ることができる。そのことにより製造工程を簡略化することができる。同様に、3枚のフ
ォトマスクで画素電極の表面を凹凸化した反射型の液晶表示装置を作製することができる
また、スティックドライバを、3枚のフォトマスクにより作製された逆スタガ型の画素
TFT及び保持容量を備えた液晶表示装置に実装するに際し、従来のICチップよりも長
尺のスティックドライバで駆動回路を実装することにより、一つの画素領域に対して必要
な数を減らすことができる。その結果、液晶表示装置の製造歩留まりを向上させ、製造コ
ストを低減させることを可能とする。
一方、製造工程からみたスティックドライバの利点は、必ずしもサブミクロンのデザイ
ンルールを必要としない画素領域は、大面積を一度に露光できるプロキシミティ方式やプ
ロジェクション方式が適した方式で行い、サブミクロンのデザインルールが要求されるス
ティックドライバはステッパ方式で露光するといった生産手段の住分けを可能とする。こ
のような手段を用いることにより生産性を高めることができる。
本発明の画素構造を示す上面図。 画素TFT、保持容量、端子部の作製工程を説明する断面図。 画素TFT、保持容量、端子部の作製工程を説明する断面図。 画素TFT、保持容量の作製工程を説明する上面図。 画素TFT、保持容量の作製工程を説明する上面図。 画素領域とスティックドライバの配置を説明する図。 画素領域とスティックドライバの回路構成を説明するブロック図。 スティックドライバの構成を説明する断面図。 スティックドライバの実装方法の一例を説明する図。 スティックドライバの実装方法の一例を説明する図。 入力端子部の上面図及び断面図。 画素TFT、保持容量、端子部の構造を説明する断面図。 マルチチャンバ方式の製造装置の構成を説明する図。 単室連続成膜方式の製造装置の構成を説明する図。 反射型の液晶表示装置の断面構造図。 反射型の液晶表示装置の画素の上面図。 スティックドライバの駆動回路を形成するTFTの作製工程を説明する図。 スティックドライバの駆動回路を形成するTFTの作製工程を説明する図。 スティックドライバの駆動回路を形成するTFTの作製工程を説明する図。 スティックドライバの駆動回路を形成するTFTの作製工程を説明する図。 スティックドライバの駆動回路を形成するTFTの作製工程を説明する図。 スティックドライバの駆動回路を形成するTFTの作製工程を説明する図。 スティックドライバの駆動回路を形成するTFTの作製工程を説明する図。 スティックドライバの端子部の構成を説明する断面図。 スティックドライバの入出力端子部に形成するバンプの作製工程図。 表示装置の回路構成を説明するブロック構成図。 信号分割回路の構成を説明する図。 ソース線に接続するスティックドライバの駆動回路の構成を説明する図。 ラッチ回路の具体例を説明する図。 スティックドライバを実装する液晶表示装置の組み立て図。 表示装置を電気光学装置の筐体に装着する一例を説明する図。 スティックドライバを実装するアクティブマトリクス型表示装置の概念図。 半導体装置の一例を説明する図。 半導体装置の一例を説明する図。
[実施形態1] 本願発明の液晶表示装置における画素領域の画素の構成について説明する
。図1はその平面図の一例であり、ここでは簡略化のため、マトリクス状に配置された複
数の画素の1つの画素構成を示している。また、図2及び図3は作製工程を示す図である
図1に示すように、画素領域は互いに平行に配置された複数のゲート配線と、各ゲート
配線と交差するソース配線を複数有している。ゲート配線とソース配線とで囲まれた領域
には画素電極119が設けられている。また、この画素電極119と重ならないように、
画素電極と同じ材料からなる配線120がソース配線117と重なっている。ゲート配線
102とソース配線117の交差部近傍にはスイッチング素子としてのTFTが設けられ
ている。このTFTは非晶質構造を有する半導体膜(以下、第1の半導体膜と呼ぶ)で形
成されたチャネル形成領域を有する逆スタガ型(若しくはボトムゲート型ともいう)のT
FTである。
さらに、画素電極119の下方で隣り合う2本のゲート配線の間には、ゲート配線10
2と平行に容量配線103が配置されている。この容量配線103は全画素に設けられて
おり、画素電極119との間に存在する絶縁膜104bを誘電体として保持容量を形成し
ている。
本発明の逆スタガ型TFTは、絶縁性基板上に順次、ゲート電極(ゲート配線102と
同じ層で一体形成され、ゲート配線に接続する電極)と、ゲート絶縁膜と、第1の半導体
膜膜と、一導電型(通常はn型を用いる)の不純物元素を含む第2の半導体膜からなるソ
ース領域及びドレイン領域と、ソース電極(ソース配線117と一体形成された)及び電
極118(以下、ドレイン電極とも呼ぶ)とが積層形成されている。
ソース配線(ソース電極含む)及びドレイン電極118の下方には、絶縁性基板上に順
次、ゲート絶縁膜と、第1の半導体膜と、n型を付与する不純物元素を含む第2の半導体
膜とが積層形成されている。
第1の半導体膜のうち、ソース領域と接する領域とドレイン領域との間の領域は、他の
領域と比べ膜厚が薄くなっている。膜厚が薄くなったのは、n型を付与する不純物元素を
含む第2の半導体膜をエッチングにより分離してソース領域とドレイン領域とを形成する
際、第1の半導体膜の一部が除去されたためである。
また、このエッチングによって画素電極の端面、ドレイン電極の端面、及びドレイン領域
の端面が一致している。このような逆スタガ型のTFTはチャネルエッチ型と呼ばれてい
る。また、本発明における逆スタガ型TFTの特徴は、ソース電極を覆う配線120の端
面、ソース領域の端面、及びソース配線の端面が一致している。
[実施形態2] 図6は本発明の表示装置の構成を示す図である。基板651上には画素領
域652が形成されている。その画素領域652が形成された領域上には対向電極が形成
された第2の基板660が液晶層(図示せず)を介して貼り合わされている。第1の基板
と第2の基板との間隔、即ち液晶層の厚さはスペーサによって決定付けられるが、ネマチ
ック液晶の場合には3〜8μm、スメチック液晶の場合には1〜4μmとする。第1及び第
2の基板にはアルミノホウケイ酸ガラスやバリウムホウケイ酸ガラスなどの無アルカリガ
ラスを用いることが好ましく、その厚さは0.3〜1.1mm(代表的には0.7mm)が用
いられるので、相対的に液晶層の厚さは外観上無視できるものである。
画素領域652は走査線(ゲート配線に対応する)群658とソース線群659が交差
してマトリクスを形成し、各交差部に対応してTFTが配置されている。ここで配置され
るTFTは実施形態1で説明した逆スタガ型のTFTを用いる。非晶質シリコン層はプラ
ズマCVD法で300℃以下の温度で形成することが可能であり、例えば、外寸550×
650mmの無アルカリガラス基板であっても、TFTを形成するのに必要な膜厚を数十秒
で形成することができる。このような製造技術の特徴は、大画面の表示装置を作製する上
で非常に有用に活用することができる。
画素領域652の外側の領域には、駆動回路が形成されたスティックドライバ653、
654が実装されている。653はソース線側の駆動回路であり、654は走査線側の駆
動回路であるが、いずれも複数個に分割して実装する。RGBフルカラーに対応した画素
領域を形成するためには、XGAクラスでソース線の本数が3072本であり走査線側が
768本必要となる。また、UXGAではそれぞれ4800本と1200本が必要となる
。このような数で形成されたソース線及び走査線は画素領域652の端部で数ブロック毎
に区分して引出線657を形成し、スティックドライバ653、654の出力端子のピッ
チに合わせて集められている。
一方、基板651の端部には外部入力端子655が形成され、この部分で外部回路と接
続するFPC(フレキシブルプリント配線板:Flexible Printed Circuit)を貼り合わせ
る。そして、外部入力端子655とスティックドライバとの間は基板651上に形成した
接続配線656によって結ばれ、最終的にはスティックドライバの入力端子のピッチに合
わせて集められる。
スティックドライバの回路構成は、走査線側とソース線側とで異なっている。
図7はその一例を示し、図6と同様に画素領域670の外側に走査線側のスティックドラ
イバ671と、ソース線側のスティックドライバ672が設けられる様子を示している。
スティックドライバは画素密度にもよるが、走査線側で1〜2個、データ線側で2〜10
個程度が実装される。走査線側のスティックドライバ671の構成は、シフトレジスタ回
路673、レベルシフタ回路674、バッファ回路675から成っている。この内、バッ
ファ回路675は30V程度の耐圧が要求されるものの、動作周波数は100kHz程度で
あるので、特にこの回路を形成するTFTはゲート絶縁膜の厚さは150〜250nm、チ
ャネル長は1〜2μmで形成する。一方、ソース線側のスティックドライバは、シフトレ
ジスタ回路676、ラッチ回路677、レベルシフタ回路678、D/A変換回路679
から構成される。シフトレジスタ回路676やラッチ回路677は駆動電圧3Vで周波数
50MHz以上(例えば65MHz)で駆動するために、特にこの回路を形成するTFTはゲー
ト絶縁膜の厚さは20〜70nm、チャネル長は0.3〜1μmで形成する。
このような駆動回路が形成されたスティックドライバは図8(A)に示すように、第3
の基板811上に形成され、TFTで形成された回路部812、入力端子813、出力端
子814が設けられている。駆動回路部812のTFTのチャネル形成領域やソース及び
ドレイン領域は結晶質半導体膜で形成する。結晶質半導体膜には非晶質半導体膜をレーザ
ー結晶化法や熱結晶化法で結晶化させた膜を適用することが可能であり、その他のもSO
I技術を用いて形成された単結晶半導体層で形成することも可能である。
図8(B)はスティックドライバの上面図であり、図8(A)の断面図はA−A'線に
対応している。画素領域のソース線または走査線に接続する出力端子のピッチは40〜1
00μmで複数個形成する。また、同様に入力端子813も必要な数に応じて形成する。
これらの入力端子813及び出力端子814は一辺の長さを30〜100μmとした正方
形または長方形状に形成する。図6で示したように、スティックドライバは画素領域の一
辺の長さに合わせて形成するものではなく、長辺が15〜80mm、短辺が1〜6mmの矩形
状または短冊状に形成する。画素領域のサイズ、即ち画面サイズが大型化すると、その一
例として、20型では画面の一方の辺の長さは443mmとなる。勿論、この長さに対応し
てスティックドライバを形成することは可能であるが、基板の強度を確保するには実用的
な形状とはなり得ない。むしろ、15〜80mmの長さとして複数個にスティックドライバ
を分割する方が取り扱いが容易となり、製造上の歩留まりも向上する。
スティックドライバのICチップに対する外形寸法の優位性はこの長辺の長にあり、I
Cチップを15〜80mmという長さで形成することは生産性の観点から適していない。不
可能ではないにしろ、円形のシリコンウエハーから取出すICチップの取り数を減少させ
るので現実的な選択とはなり得ない。一方、スティックドライバの駆動回路はガラス基板
上に形成するものであり、母体として用いる基板の形状に限定されないので生産性を損な
うことがない。このように、長辺が15〜80mmで形成されたスティックドライバを用い
ることにより、画素領域に対応して実装するのに必要な数がICチップを用いる場合より
も少なくて済むので、製造上の歩留まりを向上させることができる。
第3の基板を用いて作製されたスティックドライバを第1の基板上に実装する方法はC
OG方式と同様なものであり、異方性導電材を用いた接続方法やワイヤボンディング方式
などを採用することができる。図9にその一例を示す。図9(A)は第1の基板201に
スティックドライバ208が異方性導電材を用いて実装する例を示している。第1の基板
210上には画素領域202、引出線206、接続配線及び入出力端子207が設けられ
ている。第2の基板はシール材204で第1の基板201と接着されており、その間に液
晶層205が設けられている。また、接続配線及び入出力端子207の一方の端にはFP
C212が異方性導電材で接着されている。異方性導電材は樹脂215と表面にAuなど
がメッキされた数十〜数百μm径の導電性粒子214から成り、導電性粒子214により
接続配線及び入出力端子207とFPC212に形成された配線213とが電気的に接続
されている。スティックドライバ208も同様に異方性導電材で第1の基板に接着され、
樹脂211中に混入された導電性粒子210により、スティックドライバ208に設けら
れた入出力端子209と引出線206または接続配線及び入出力端子207と電気的に接
続されている。
図10(A)はこの方式によるスティックドライバ224の実装方法を詳細に説明する
部分断面図である。スティックドライバ224には入出力端子225が設けられ、その周
辺部には保護絶縁膜226が形成されていることが望ましい。
第1の基板220には第1の導電層221と第2の導電層223、及び絶縁層222が図
で示すように形成され、ここでは第1の導電層221と第2の導電層223とで引出線ま
たは接続配線を形成している。第1の基板に形成されるこれらの導電層及び絶縁層は画素
領域の画素TFTと同じ工程で形成されるものである。例えば、画素TFTが逆スタガ型
で形成される場合、第1の導電層221はゲート電極と同じ層に形成され、Ta、Cr、
Ti、Alなどの材料で形成される。通常ゲート電極上にはゲート絶縁膜が形成され、絶
縁層222はこれと同じ層で形成されるものである。第1の導電層221上に重ねて設け
る第2の導電層223は画素電極と同じ透明導電膜で形成されるものであり、導電性粒子
227との接触を良好なものとするために設られている。樹脂228中に混入させる導電
性粒子227の大きさと密度を適したものとすることにより、このような形態でスティッ
クドライバと第1の基板とは電気的接続構造を形成することができる。
図10(B)は樹脂の収縮力を用いたCOG方式の例であり、スティックドライバ側に
TaやTiなどでバリア層229を形成し、その上に無電解メッキ法などによりAuを約
20μm形成しバンプ230とする。そして、スティックドライバと第1の基板との間に
光硬化性絶縁樹脂231を介在させ、光硬化して固まる樹脂の収縮力を利用して電極間を
圧接して電気的な接続を形成する。
また、図9(B)で示すように第1の基板にスティックドライバを接着材216で固定
して、Auワイヤ217によりスティックドライバの入出力端子と引出線または接続配線
とを接続しても良い。そして樹脂218で封止する。
スティックドライバの実装方法は図9及び図10を基にした方法に限定されるものでは
なく、ここで説明した以外にも公知のCOG方法やワイヤボンディング方法、或いはTA
B方法を用いることが可能である。
スティックドライバの厚さは、対向電極が形成された第2の基板と同じ厚さとすること
により、この両者の間の高さはほぼ同じものとなり、表示装置全体としての薄型化に寄与
することができる。また、それぞれの基板を同じ材質のもので作製することにより、この
液晶表示装置に温度変化が生じても熱応力が発生することなく、TFTで作製された回路
の特性を損なうことはない。その他にも、本実施形態で示すようにICチップよりも長尺
のスティックドライバで駆動回路を実装することにより、一つの画素領域に対して必要な
数を減らすことができる。
本実施例は液晶表示装置の作製方法を示し、基板上に画素部のTFTを逆スタガ型で形
成し、該TFTに接続する保持容量を作製する方法について図1〜図5を用い工程に従っ
て詳細に説明する。また、同図には該基板の端部に設けられ、他の基板に設けた回路の配
線と電気的に接続するための端子部の作製工程を同時に示す。
図2(A)において、基板100にはコーニング社の#7059ガラスや#1737ガ
ラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラ
ス基板を用いる。その他に、石英基板、プラスチック基板などの基板を使用することがで
きる。
この基板100上に導電層を全面に形成した後、第1のフォトマスクを用いるフォトリ
ソ工程を行い、エッチング処理をしてゲート電極102'及びゲート配線(図示せず)、
容量配線103、端子101を形成する。このとき少なくともゲート電極102'の端部
にテーパー部が形成されるようにエッチングする。また、この段階での上面図を図4に示
す。
ゲート電極102及びゲート配線と容量配線103、端子部の端子101は、アルミニ
ウム(Al)や銅(Cu)などの低抵抗導電性材料で形成することが望ましいが、Al単
体では耐熱性が劣り、また腐蝕しやすい等の問題点があるので耐熱性導電性材料と組み合
わせて形成する。また、低抵抗導電性材料としてAgPdCu合金を用いてもよい。耐熱
性導電性材料としては、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリ
ブデン(Mo)、クロム(Cr)、Nd(ネオジム)から選ばれた元素、または前記元素
を成分とする合金か、前記元素を組み合わせた合金膜、または前記元素を成分とする窒化
物で形成する。例えば、TiとCuの積層、TaNとCuとの積層が挙げられる。また、
Ti、Si、Cr、Nd等の耐熱性導電性材料と組み合わせて形成した場合、平坦性が向
上するため好ましい。その他に、耐熱性導電性材料の単層やMoとW、或いはMoとTa
の合金を用いても良い。
液晶表示装置を作製するには、ゲート電極およびゲート配線は耐熱性導電性材料と低抵
抗導電性材料とを組み合わせて形成することが望ましい。画面サイズが4型程度までなら
耐熱性導電性材料の窒化物から成る導電層(A)と耐熱性導電性材料から成る導電層(B
)とを積層したニ層構造とする。導電層(B)はAl、Cu、Ta、Ti、W、Nd、C
rから選ばれた元素、または前記元素を成分とする合金か、前記元素を組み合わせた合金
膜で形成すれば良く、導電層(A)
は窒化タンタル(TaN)膜、窒化タングステン(WN)膜、窒化チタン(TiN)膜な
どで形成する。例えば、導電層(A)としてCr、導電層(B)としてNdを含有するA
lとを積層したニ層構造とすることが好ましい。導電層(A)
は10〜100nm(好ましくは20〜50nm)とし、導電層(B)は200〜400
nm(好ましくは250〜350nm)とする。
一方、4型クラス以上の大画面に適用するには耐熱性導電性材料から成る導電層(A)
と低抵抗導電性材料から成る導電層(B)と耐熱性導電性材料から成る導電層(C)とを
積層した三層構造とすることが好ましい。低抵抗導電性材料から成る導電層(B)は、ア
ルミニウム(Al)を成分とする材料で形成し、純Alの他に、0.01〜5atomic%の
スカンジウム(Sc)、Ti、Nd、シリコン(Si)等を含有するAlを使用する。導
電層(C)は導電層(B)のAlにヒロックが発生するのを防ぐ効果がある。導電層(A
)は10〜100nm(好ましくは20〜50nm)とし、導電層(B)は200〜40
0nm(好ましくは250〜350nm)とし、導電層(C)は10〜100nm(好ま
しくは20〜50nm)とする。本実施例では、Tiをターゲットとしたスパッタ法によ
り導電層(A)をTi膜で50nmの厚さに形成し、Alをターゲットとしたスパッタ法に
より導電層(B)をAl膜で200nmの厚さに形成し、Tiをターゲットとしたスパッタ
法により導電層(C)をTi膜で50nmの厚さに形成する。
次いで、絶縁膜104aを全面に成膜する。絶縁膜104aはスパッタ法を用い、膜厚
を50〜200nmとする。例えば、絶縁膜104aとして窒化シリコン膜を用い、15
0nmの厚さで形成する。勿論、ゲート絶縁膜はこのような窒化シリコン膜に限定される
ものでなく、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化タンタル膜などの他の絶縁膜を
用い、これらの材料から成る単層または積層構造として形成しても良い。例えば、下層を
窒化シリコン膜とし、上層を酸化シリコン膜とする積層構造としても良い。
絶縁膜104a上に50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さで第1
の半導体膜105を、プラズマCVD法やスパッタ法などの公知の方法で全面に形成する
。例えば、シリコンのターゲットを用いたスパッタ法で非晶質シリコン(a−Si)膜を
150nmの厚さに形成する。その他、この第1の半導体膜には、微結晶半導体膜、非晶
質シリコンゲルマニウム膜(SiXGe(1-X)、(0<X<1))、非晶質シリコンカーバ
イト(SiXY)などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用することも可能である
次に、一導電型(n型またはp型の不純物元素を含有する)の第2の半導体膜を20〜
80nmの厚さで形成する。一導電型の第2の半導体膜は、プラズマCVD法やスパッタ
法などの公知の方法で全面に形成する。本実施例では、リン(P)が添加されたシリコン
ターゲットを用いて一導電型の第2の半導体膜106を形成する。或いは、シリコンター
ゲットを用い、リンを含む雰囲気中でスパッタリングを行い成膜してもよい。その他にも
、第2の半導体膜を水素化微結晶シリコン膜(μc−Si:H)で形成しても良い。
金属材料からなる第1の導電膜107はスパッタ法や真空蒸着法で形成する。
第1の導電膜107の材料としては、第2の半導体膜106とオーミックコンタクトのと
れる金属材料であれば特に限定されず、Al、Cr、Ta、Tiから選ばれた元素、また
は前記元素を成分とする合金か、前記元素を組み合わせた合金膜等が挙げられる。本実施
例ではスパッタ法を用い、第1の導電膜107として、50〜150nmの厚さのTi膜と
、そのTi膜上に重ねてアルミニウム(Al)を300〜400nmの厚さで形成し、さら
にその上にTi膜を100〜150nmの厚さで形成する3層構造で形成する(図2(A)
)。
絶縁膜104a、第1の半導体膜105、一導電型の第2の半導体膜106、及び第1
の導電膜107はいずれも公知の方法で作製するものであり、プラズマCVD法やスパッ
タ法で作製することができる。本実施例では、これらの膜(104a、105、106、
107)をスパッタ法で、ターゲット及びスパッタガスを適宣切り替えることにより連続
的に形成した。この時、スパッタ装置において、同一の反応室または複数の反応室を用い
、これらの膜を大気に晒すことなく連続して積層させることが好ましい。このように、大
気に曝さないことで不純物の混入を防止することができる。
そして、第2のフォトマスクを用い、フォトリソグラフィー工程を行い、レジストマス
ク108を形成し、エッチングにより不要な部分を除去して配線(後の工程によりソース
配線及びドレイン電極)111を形成する。この際のエッチング方法としてウエットエッ
チングまたはドライエッチングを用いる。この時、第1の導電膜107、一導電型の第2
の半導体膜106、及び第1の半導体膜105が順次、レジストマスク108のパターン
に従ってエッチングとなする。この工程では配線の形成のみならず、TFTを形成する半
導体層のパターンまでも同時に形成する。TFTの形成部においては、第1の導電膜から
なる配線111、n型を付与する不純物元素を含む第2の半導体膜110、及び第1の半
導体膜109がそれぞれ形成される。本実施例では、SiCl4とCl2とBCl3の混合
ガスを反応ガスとしたドライエッチングにより、Ti膜とAl膜とTi膜を順次積層した
第1の導電膜107をエッチングし、反応ガスをCF4とO2の混合ガスに代えて第1の半
導体膜105及びn型を付与する不純物元素を含む第2の半導体膜106を選択的に除去
する(図2(B))。また、容量部においては容量配線103と絶縁膜104aを残し、
同様に端子部においても、端子101と絶縁膜104aが残る。この状態の上面図を図5
に示す。但し、簡略化のため図5では全面に成膜された第2の導電膜112は図示してい
ない。
次に、レジストマスク108を除去した後、スクリーン印刷で画素領域の全面を覆うマ
スクを形成し、端子部のパッド部分を覆っている絶縁膜104aを選択的に除去する。こ
の処理は高い位置合わせ精度を要求しないので、スクリーン印刷やシャドーマスクを用い
て行うことができる。こうして絶縁膜104bを形成する(図2(C))。
そして、全面に透明導電膜からなる第2の導電膜112を成膜する(図2(D))。こ
の第2の導電膜112の材料は、酸化インジウム(In23)や酸化インジウム酸化スズ
合金(In23―SnO2、ITOと略記する)などをスパッタ法や真空蒸着法などを用
いて形成する。このような材料のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特
にITOのエッチングは残渣が発生しやすいので、エッチング加工性を改善するために酸
化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)を用いても良い。酸化インジウム酸化亜
鉛合金は表面平滑性に優れ、ITOと比較して熱安定性にも優れているので、第2の導電
膜112と接触する配線111をAl膜で形成しても腐蝕反応をすることを防止できる。
同様に、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料であり、さらに可視光の透過率や導電率を高め
るためにガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)などを用いることができ
る。
次に、第3のフォトマスクを用い、フォトリソグラフィー工程によりレジストマスク1
13a〜113cを形成する。そして、エッチングにより不要な部分を除去して第1の半
導体膜114、ソース領域115及びドレイン領域116、ソース電極117及びドレイ
ン電極118、画素電極119を形成する(図3(A))。このフォトリソグラフィー工
程は、第2の導電膜112をパターニングすると同時に配線111と、一導電型の第2の
半導体膜110と第1の半導体膜109の一部をエッチングにより除去して開孔を形成す
る。本実施例では、まず、ITOからなる第2の導電膜112を硝酸と塩酸の混合溶液ま
たは塩化系第2鉄系の溶液を用いたウエットエッチングにより選択的に除去し、ウエット
エッチングにより配線111を選択的に除去した後、ドライエッチングによりn型を付与
する不純物元素を含む第2の半導体膜110と第1の半導体膜109の一部をエッチング
した。なお、本実施例では、ウエットエッチングとドライエッチングとを用いたが、実施
者が反応ガスを適宜選択してドライエッチングのみで行ってもよいし、実施者が反応溶液
を適宜選択してウエットエッチングのみで行ってもよい。
また、開孔の底部は第1の半導体膜に達しており、凹部を有する第1の半導体膜114
が形成される。この開孔によって配線111はソース配線117とドレイン電極118に
分離され、一導電型の第2の半導体膜110はソース領域115とドレイン領域116に
分離される。また、ソース配線と接する第2の導電膜120は、ソース配線を覆い、後の
製造工程、特にラビング処理で生じる静電気を防止する役目を果たす。本実施例では、ソ
ース配線上に第2の導電膜120を形成した例を示したが、第2の導電膜120を除去し
てもよい。また、このフォトリソグラフィー工程において、容量部における絶縁膜104
bを誘電体として、容量配線103と画素電極119とで保持容量が形成される。その他
に、このフォトリソグラフィー工程において、レジストマスク113cで覆い端子部に形
成された透明導電膜からなる第2の導電膜を残す。
次に、レジストマスク113a〜113cを除去した。この状態の断面図を図3(B)
に示す。尚、図1は1つの画素の上面図であり、A−A'線 及びB−B'線に沿った断面
図がそれぞれ図3(B)に相当する。
また、図11(A)は、この状態のゲート配線端子部501、及びソース配線端子部5
02の上面図をそれぞれ図示している。なお、図1〜図3と対応する箇所には同じ符号を
用いている。また、図11(B)は図11(A)中のE−E'線 及びF−F'線に沿った
断面図に相当する。図11(A)において、透明導電膜からなる503は入力端子として
機能する接続用の電極である。また、図11(B)において、504は絶縁膜(104b
から延在する)、505は第1の非晶質半導体膜(114から延在する)、506はn型
を付与する不純物元素を含む第2の非晶質半導体膜(115から延在する)である。
こうして3枚のフォトマスクを使用して、3回のフォトリソグラフィー工程により、逆
スタガ型のnチャネル型TFT201を有する画素TFT、保持容量202を完成させる
ことができる。これらを個々の画素に対応してマトリクス状に配置して画素部を構成する
ことによりアクティブマトリクス型の電気光学装置を作製するための一方の基板とするこ
とができる。本明細書では便宜上このような基板をアクティブマトリクス基板と呼ぶ。
次に、アクティブマトリクス基板の画素部のみに配向膜121を選択的に形成する。配
向膜121を選択的に形成する方法としては、スクリーン印刷法を用いてもよいし、配向
膜を塗布後、シャドーマスクを用いてレジストマスクを形成して除去する方法を用いても
よい。通常、液晶表示素子の配向膜にはポリイミド樹脂が多く用いられている。そして、
配向膜121にラビング処理を施して液晶分子がある一定のプレチルト角を持って配向す
るようにする。
次いで、アクティブマトリクス基板と、対向電極122と配向膜123とが設けられた
対向基板124とをスペーサで基板間隔を保持しながらシール剤により貼り合わせた後、
アクティブマトリクス基板と対向基板の間に液晶材料125を注入する。液晶材料125
は公知のものを適用すれば良く代表的にはTN液晶を用いる。液晶材料を注入した後、注
入口は樹脂材料で封止する(図3(C))。
端子部には、実施形態2で示すように駆動回路が形成されたスティックドライバを取り
付ける。スティックドライバは走査線側とソース線側で異なる駆動回路が用いられる。こ
うして、画素領域を3枚のフォトマスクで作製したアクティブマトリクス型液晶表示装置
を完成させることができる。
本実施例では、実施例1で作製した画素TFT上に保護膜を形成した例を図12に示す
。なお、本実施例は、実施例1の図3(B)の状態まで同一であるので異なる点について
以下に説明する。また、図3(B)に対応する箇所は同一の符号を用いている。
まず、実施例1に従って図3(B)の状態を得た後、薄い無機絶縁膜を全面に形成する
。この薄い無機絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜
、酸化タンタル膜などの無機絶縁膜を用い、これらの材料から成る単層または積層構造と
して形成しても良い。
次いで、第4のフォトマスクを用い、フォトリソグラフィー工程を行い、レジストマス
クを形成し、エッチングにより不要な部分を除去して、画素TFT部においては絶縁膜4
02、端子部においては無機絶縁膜401をそれぞれ形成する。この無機絶縁膜401、
402は、パッシベーション膜として機能する。また、端子部においては、第4のフォト
リソグラフィー工程により薄い無機絶縁膜401を除去して、端子部の端子101上に形
成された透明導電膜からなる第2の導電膜を露呈させる。
こうして本実施例では、4枚のフォトマスクを使用して、4回のフォトリソグラフィー
工程により、無機絶縁膜で保護された逆スタガ型のnチャネル型TFT、保持容量を完成
させることができる。そして、これらを個々の画素に対応してマトリクス状に配置し、画
素部を構成することによりアクティブマトリクス型の電気光学装置を作製するための一方
の基板とすることができる。なお、本実施例は、実施例1の構成と組み合わせることが可
能である。
実施例1では、絶縁膜、第1の非晶質半導体膜、一導電型の第2の非晶質半導体膜及び
第1の導電膜をスパッタ法で形成する例を中心として示しが、本実施例ではプラズマCV
D法を用いる例を示す。具体的には、絶縁膜、第1の非晶質半導体膜、及び一導電型の第
2の半導体膜をプラズマCVD法で形成する。
本実施例においては絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を用い、プラズマCVD法により
150nmの厚さで形成する。この時、プラズマCVD装置において、電源周波数を13〜
70MHz、好ましくは27〜60MHzで行う。特に、電源周波数27〜60MHzを
使うことにより緻密な絶縁膜を形成することができ、ゲート絶縁膜としての耐圧を高める
ことができる。また、SiH4とNH3にN2Oを添加させて作製された酸化窒化シリコン
膜は、膜の内部応力が緩和されるので、この用途に対して好ましい材料となる。勿論、ゲ
ート絶縁膜はこのような酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、酸化シリコン膜、
窒化シリコン膜、酸化タンタル膜などの他の絶縁膜を用い、これらの材料から成る単層ま
たは積層構造として形成しても良い。も良い。その一例を示せば、下層を窒化シリコン膜
とし、上層を酸化シリコン膜とする積層構造はゲート絶縁膜として好ましい形態である。
酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法で、オルトケイ酸テトラエチル(
Tetraethyl Orthosilicate:TEOS)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度2
50〜350℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させ
て形成することができる。このようにして作製された酸化シリコン膜は、その後300〜
400℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
第1の半導体膜として、代表的には、プラズマCVD法で水素化非晶質シリコン(a−
Si:H)膜を100nmの厚さに形成する。この時、プラズマCVD装置において、電
源周波数13〜70MHz、好ましくは27〜60MHzで行えばよい。電源周波数27
〜60MHzを使うことにより成膜速度を向上することが可能となり、成膜された膜は、
欠陥密度の少ないa−Si膜となるため好ましい。その他、この第1の非晶質半導体膜に
は、非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用する
ことも可能である。非晶質半導体膜のプラズマCVD法による成膜において、100〜1
00kHzのパルス変調放電を行えば、プラズマCVD法の気相反応によるパーティクル
の発生を防ぐことができ、成膜においてピンホールの発生を防ぐことができるため好まし
い。
また、本実施例では、一導電型の不純物元素を含有する半導体膜として、一導電型の第
2の非晶質半導体膜を20〜80nmの厚さで形成する。例えば、n型の不純物元素を含
有するa−Si:H膜を形成すれば良く、そのためにシラン(SiH4)に対して0.1
〜5%の濃度でフォスフィン(PH3)を添加する。或いは、n型を付与する不純物元素
を含む第2の非晶質半導体膜106に代えて水素化微結晶シリコン膜(μc−Si:H)
を用いても良い。
これらの膜は、反応ガスを適宣切り替えることにより、連続的に形成することができる
。また、プラズマCVD装置において、同一の反応室または複数の反応室を用い、これら
の膜を大気に晒すことなく連続して積層させることもできる。
このように、大気に曝さないで連続成膜することで特に、第1の半導体膜への不純物の混
入を防止することができる。
図2において示すように、絶縁膜、第1の非晶質半導体膜、一導電型の第2の非晶質半
導体膜、第1の導電膜を順次、連続的に積層する工程では、スパッタ装置やプラズマCV
D装置の一つの形態として、複数の反応室を備えたマルチチャンバー型の装置が適用でき
る。
図13はマルチチャンバー型の装置(連続成膜システム)の上面からみた概要を示す。
装置の構成は、ロード・アンロード室10、15、皮膜を形成するチャンバー11〜14
が備えられ、各チャンバーは共通室20に連結されている。ロード・アンロード室、共通
室及び各チャンバーには、真空排気ポンプ、ガス導入系が配置されている。
ロード・アンロード室10、15は、処理基板30をチャンバーに搬入するためのロー
ドロック室である。第1のチャンバー11は絶縁膜104を成膜するための反応室である
。第2のチャンバー12は第1の非晶質半導体膜105を成膜するための反応室である。
第3のチャンバー13は一導電型の非晶質半導体膜106を成膜するための反応室である
。第4のチャンバー14は第1の導電膜107を成膜するための反応室である。
このようなマルチチャンバー型の装置の動作の一例を示す。最初、全てのチャンバーは
、一度高真空状態に真空引きされた後、窒素またはアルゴンなどのガスを流し、チャンバ
ー内を0.01〜5Pa程度の圧力に保持することにより、排気口からの逆拡散やチャンバ
ー内壁からの脱ガスによる汚染を防いでいる。
処理基板は多数枚が収納されたカセット28ごとロード・アンロード室10にセットさ
れる。処理基板はゲート弁22を開けてカセットから取り出し、ロボットアーム21によ
って共通室20に移される。この際、共通室において位置合わせが行われる。なお、この
基板30は実施例1に従って得られた配線101、102、103が形成されたものを用
いた。
ここでゲート弁22を閉鎖し、次いでゲート弁23を開ける。そして第1のチャンバー
11へ処理基板30を移送する。第1のチャンバー内では150℃から300℃の温度で
成膜処理を行い、絶縁膜104を得る。なお、絶縁膜としては、窒化珪素膜、酸化珪素膜
、窒化酸化珪素膜、またはこれらの積層膜等を使用することができる。本実施例では単層
の窒化珪素膜を採用しているが、二層または三層以上の積層構造としてもよい。なお、こ
こではプラズマCVD法が可能なチャンバーを用いたが、ターゲットを用いたスパッタ法
が可能なチャンバーを用いても良い。
絶縁膜の成膜終了後、処理基板はロボットアームによって共通室に引き出され、第2の
チャンバー12に移送される。第2のチャンバー内では第1のチャンバーと同様に150
℃〜300℃の温度で成膜処理を行い、プラズマCVD法で第1の半導体膜105を得る
。なお、第1の非晶質半導体膜としては、微結晶半導体膜、非晶質ゲルマニウム膜、非晶
質シリコン・ゲルマニウム膜、またはこれらの積層膜等を使用することができる。また、
第1の半導体膜の形成温度を350℃〜500℃として水素濃度を低減するための熱処理
を省略してもよい。なお、ここではプラズマCVD法が可能なチャンバーを用いたが、タ
ーゲットを用いたスパッタ法が可能なチャンバーを用いても良い。
第1の半導体膜の成膜終了後、処理基板は共通室に引き出され、第3のチャンバー13
に移送される。第3のチャンバー内では第2のチャンバーと同様に150℃〜300℃の
温度で成膜処理を行い、プラズマCVD法でn型を付与する不純物元素(PまたはAs)
を含む一導電型の第2の半導体膜106を得る。なお、ここではプラズマCVD法が可能
なチャンバーを用いたが、ターゲットを用いたスパッタ法が可能なチャンバーを用いても
良い。
一導電型の第2の半導体膜の成膜終了後、処理基板は共通室に引き出され、第4のチャ
ンバー14に移送される。第4のチャンバー内では金属ターゲットを用いたスパッタ法で
第1の導電膜107を得る。
このようにして四層が連続的に成膜された被処理基板はロボットアームによってロード
ロック室15に移送されカセット29に収納される。
実施例4では、複数のチャンバーを用いて連続的に積層する例を示したが、本実施例で
は図14に示す装置を用いて一つのチャンバー内で高真空を保ったまま連続的に積層する
方法を採用することもできる。
本実施例では図14に示した装置システムを用いた。図14において、40は処理基板
、50は共通室、44、46はロードロック室、45はチャンバー、42、43はカセッ
トである。本実施例では基板搬送時に生じる汚染を防ぐために同一チャンバーで積層形成
した。
図14で示す装置を実施例1に適用する場合には、チャンバー45に複数のターゲット
を用意し、順次、反応ガスを入れ替えて絶縁膜104、第1の半導体膜105、一導電型
の第2の半導体膜106、第1の導電膜107を積層形成すればよい。
また、実施例4に適用する場合には、順次、反応ガスを入れ替えて絶縁膜104、第1
の非晶質半導体膜105、一導電型の第2の半導体膜106を積層形成すればよい。
実施例4で示すように、プラズマCVD法を用いるTFTの作製工程では、一導電型の
第2の半導体膜を微結晶半導体膜で形成することができる。成膜時の基板加熱温度を80
〜300℃、好ましくは140〜200℃とし、水素で希釈したシランガス(SiH4
2=1:10〜100)とフォスフィン(PH3)との混合ガスを反応ガスとし、ガス圧
を0.1〜10Torr、放電電力を10〜300mW/cm2とすることで微結晶シリコン膜
を得ることができる。また、この微結晶珪素膜成膜後にリン(P)をプラズマドーピング
して形成してもよい。一導電型の第2の半導体膜を微結晶半導体膜で形成することで、ソ
ース及びドレイン領域の低抵抗化が図られ、TFTの特性を向上させることができる。
実施例1〜3では透過型の液晶表示装置に対応するアクティブマトリクス基板の作製方
法を示したが、本実施例では図15、16を用いて、反射型の液晶表示装置に適用する例
について示す。図15は断面図、図16は上面図を示し、図16中の鎖線G―G’で切断
した面での断面構造とH−H’で切断した面に対応する断面構造を図15に示している。
まず、絶縁表面を有する基板を用意する。本実施例は、基板としてガラス基板、石英基
板、プラスチック基板のような透光性を有する基板の他に、反射型であるため、半導体基
板、ステンレス基板、セラミック基板などに絶縁膜を形成したものでもよい。
次いで、基板上に金属材料からなる導電膜を形成した後、第1のフォトマスクを用いレ
ジストパターンを形成した後、エッチング処理でゲート配線750及びを凸部751形成
する。この凸部は、ゲート配線とソース配線とで囲まれた領域、即ち画素電極が形成され
て表示領域となる領域に配置する。なお、凸部751の形状は特に限定されず、径方向の
断面が多角形であってもよいし、左右対称でない形状であってもよい。例えば、凸部75
1の形状は円柱状や角柱状であってもよいし、円錐状や角錐状であってもよい。また、凸
部751を規則的に配置しても不規則に配置してもよい。本実施例ではゲート配線がテー
パー形状であることが望ましいため、凸部751もテーパー形状を有する角錐形状となる
。テーパー部の角度は5〜45度、好ましくは5〜25度とする。
次いで、絶縁膜(ゲート絶縁膜)752、第1の半導体膜、一導電型の第2の半導体膜
及び第1の導電膜を順次積層形成する。尚、第1の半導体膜は非晶質半導体、微結晶半導
体のいずれを適用しても良い。一導電型の第2の半導体膜も実施例6で示すように微結晶
半導体を用いてもよい。さらに、これらの膜はスパッタ法やプラズマCVD法を用いて複
数のチャンバー内または同一チャンバー内で連続的に大気に曝すことなく形成することが
できる。大気に曝さないようにすることで不純物の混入を防止できる。上記絶縁膜752
は、凸部751が形成された基板上に形成され、表面に凸凹を有している。
次いで、第2のフォトマスクを用いレジストパターンを形成した後、エッチング処理で
上記第1の導電膜、第2の半導体膜、第1の半導体膜をエッチングする。こうしてソース
配線608及び電極(ドレイン電極)609を形成し、第1の半導体膜605を形成する
。このエッチング処理により、ソース配線、ドレイン電極、TFTを形成する半導体層が
所定のパターンに形成される。
その後、全面に第2の導電膜を成膜する。なお、第2の導電膜としては、反射性を有す
る導電膜を用いる。このような導電膜としてAlやAgなどを適用することが望ましいが
、耐熱性が劣るため下層に対するバリアメタル層としてTi、Taなどの層を形成してお
いても良い。
次いで、第3のフォトマスクを用い、レジストパターンを形成した後、エッチング処理
をして、第2の導電膜からなる画素電極604を形成する。こうして、凸部601上に形
成された絶縁膜の表面は凸凹を有し、この凸凹を表面に有する絶縁膜602上に画素電極
604が形成されるので、画素電極604の表面に凹凸を持たせて光散乱性を図ることが
できる。
また、本実施例の構成とすることで、画素TFT部の作製する際、フォトリソグラフィ
ー技術で使用するフォトマスクの数を3枚とすることができる。従来では、凸凹部を形成
する工程を増やす必要があったが、本実施例はゲート配線と同時に凸部を作製するため、
全く工程を増やすことなく画素電極に凸凹部を形成することができる。
本実施形態では主に走査線側のスティックドライバに適したTFTの作製方法について
説明する。走査線側のスティックドライバには、シフトレジスタ回路やバッファ回路など
を形成する。ここでは、シフトレジスタ回路は3〜5V駆動とし、バッファ回路は33V
駆動を前提とする。バッファ回路を構成するTFTは高耐圧が要求されるため、他の回路
のTFTよりもゲート絶縁膜の膜厚を厚くする必要がある。その作製方法を図17と図1
8を用いて説明する。
図17(A)において、基板301にはコーニング社の#7059ガラスや#1737
ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガ
ラス基板などを用いる。このようなガラス基板は加熱温度により僅かながら収縮するので
、ガラス歪み点よりも500〜650℃のい温度で熱処理を施したものを用いると基板の
収縮率を低減させることができる。
ブロッキング層302は基板301に微量に含まれるアルカリ金属などが半導体層に拡
散するのを防ぐために設け、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜、または酸化窒化シリコン
膜などの絶縁膜で形成する。また、TFTのしきい値電圧(Vth)を安定化させるために
、ブロッキング層の応力を引張り応力とすることが望ましい。応力の制御は上記絶縁膜の
作製条件により制御する。その目的のために、ブロッキング層は単層に限らず、組成の異
なる複数の絶縁膜を積層して形成しても良い。例えば、プラズマCVD法でSiH4、N
3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜を10〜200nm(好ましくは50〜10
0nm)形成し、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜を50〜200
nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成してブロッキング層とすることがで
きる。
非晶質構造を有する半導体膜303は、25〜100nmの膜厚で形成する。非晶質構造
を有する半導体膜の代表例としては非晶質シリコン(a−Si)膜、非晶質シリコン・ゲ
ルマニウム(a−SiGe)膜、非晶質炭化シリコン(a−SiC)膜、非晶質シリコン
・スズ(a−SiSn)膜などがあり、そのいずれでも適用できる。これらの非晶質構造
を有する半導体膜はプラズマCVD法やスパッタ法、或いは減圧CVD法などにより形成
されるもので、膜中に水素を0.1〜40atomic%程度含有するようにして形成する。好
適な一例は、プラズマCVD法でSiH4またはSiH4とH2から作製される非晶質シリ
コン膜であり、膜厚は55nmとする。尚、SiH4の代わりにSi26を使用しても良い
そして、非晶質半導体膜の結晶化温度を低温化することのできる触媒元素を添加する。
触媒元素は非晶質半導体膜中に直接注入する方法も可能であるが、スピンコート法、印刷
法、スプレー法、バーコーター法、スパッタ法または真空蒸着法によって触媒元素が含有
する層304を1〜5nmの厚さに形成しても良い。このような触媒元素の一例は、非晶質
シリコンに対してニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、鉄(Fe)、パラジウム(
Pd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)
、コバルト(Co)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)が有効であることが知られ
ている。スピンコート法で触媒元素を含有する層304を形成するには、重量換算で1〜
100ppm(好ましくは10ppm)の触媒元素を含む水溶液をスピナーで基板を回転させて
塗布する。
図17(B)で示す結晶化の工程では、まず400〜500℃で1時間程度の熱処理を
行い、非晶質シリコン膜の含有水素量を5atom%以下にする。そして、ファーネスアニー
ル炉を用い、窒素雰囲気中において550〜600℃で1〜8時間の熱処理を行う。好適
には、550℃で4時間の熱処理を行う。こうして結晶質半導体膜305を得ることがで
きる。このような熱結晶化法により、非晶質シリコン膜からは結晶構造を有する結晶質シ
リコン膜が形成される。
しかし、この熱結晶化法によって作製された結晶質半導体膜305は、局所的に非晶質
領域が残存していることがある。このような場合、ラマン分光法では480cm-1にブロ
ードなピークを持つ非晶質成分の存在を確認することができる。レーザー結晶化法はこの
ように残存する非晶質領域を結晶化させる目的において適した方法である。
レーザー結晶化法において用いるレーザー光源にはエキシマレーザー、YAGレーザー
、YVO4レーザー、YAlO3レーザー、YLFレーザーなどを用いることができる。エ
キシマレーザーでは400nm以下の波長の光を高出力で放射させることができるので半導
体膜の結晶化に好適に用いることができる。一方、YAGレーザー、YVO4レーザー、
YAlO3レーザー、YLFレーザーなどの固体レーザーではその第2高調波(532nm
)、第3高調波(355nm)、第4高調波(266nm)を用いる。光の侵入長により、第
2高調波(532nm)を用いる場合には半導体膜の表面及び内部から、第3高調波(35
5nm)や第4高調波(266nm)の場合にはエキシマレーザーと同様に半導体膜の表面か
ら加熱して結晶化を行うことができる。
図17(C)はその様子を示すものであり、例えば、Nd:YAGレーザーを用い、そ
のパルス発振周波数を1〜10kHzとし、レーザーエネルギー密度を100〜500mJ/cm
2(代表的には100〜400mJ/cm2)として、シリンドリカルレンズなどを含む光学系に
て形成した線状レーザー光306をその長手方向に対し垂直な方向に走査して(或いは、
相対的に基板を移動させて)する。線状レーザー光306の線幅は100〜1000μm
、例えば400μmとする。このようにして熱結晶化法とレーザー結晶化法を併用するこ
とにより、結晶性の高い結晶質半導体膜307を形成することができる。
以上のようにして形成される結晶質半導体膜307は、TFTの能動層としてチャネル
形成領域をはじめ、ソース領域、ドレイン領域、LDD領域などを形成するのに適してい
る。ニッケルなどの触媒元素を用いた熱結晶化法で作製される結晶質シリコン膜は、微視
的に見れば複数の針状または棒状の結晶が集合した構造を有している。しかし、隣接する
結晶粒の連続性が高く不対結合手(ダングリングボンド)が殆ど形成されないことが見込
まれている。また、その結晶粒の大部分は<110>に配向している。その理由の一つと
して、ニッケルなどの触媒元素を用いた場合の結晶成長過程は、触媒元素のシリサイド化
物が関与しているものと考えられ、半導体膜の膜厚が25〜100nmと薄いのでその初期
核のうち(111)面が基板表面とほぼ垂直なものが優先的に成長するため実質的に<1
10>の配向性が高くなると考えられる。
その後、結晶質半導体膜307はエッチング処理により島状の半導体層308〜311
を形成する。図17(D)では便宜上4つの半導体層を示している。以降の説明は、半導
体層308、309にはシフトレジスタ回路など低電圧で駆動する回路のTFTを、半導
体層310、311にはバッファ回路など高電圧で駆動する回路のTFTをそれぞれ作製
することを前提として説明する。
半導体層上に形成するゲート絶縁膜は、回路の駆動電圧を考慮して、同一基板上に形成
するTFTであってもその膜厚を異ならせて形成する。そのために2段階の成膜プロセス
を必要とする。最初に、ゲート絶縁膜第1層目312を40〜200nm(好ましくは70
〜90nm)の厚さで形成する。そして、半導体層308、309上のゲート絶縁膜第1層
目を選択的にエッチングして除去することにより図17(E)の様な状態を形成する。
続いて、図17(F)に示すようにゲート絶縁膜第2層目313を同様に形成する。そ
の結果、ゲート絶縁膜第1層目312とゲート絶縁膜第2層目313とをそれぞれ80nm
の厚さで成膜した場合には、半導体層308、309上のゲート絶縁膜の厚さは80nmと
なり、半導体層310、311のゲート絶縁膜の厚さは160nmとすることができる。
ゲート絶縁膜はプラズマCVD法またはスパッタ法を用いシリコンを含む絶縁膜で形成
する。プラズマCVD法でSiH4とN2Oの混合ガスから作製される酸化窒化シリコン膜
はゲート絶縁膜として適した材料である。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化シリ
コン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜をで形成しても良い。酸化シ
リコン膜を適用する場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate
)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.
56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。このように
して作製される酸化シリコン膜は、その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶
縁膜として良好な特性を得ることができる。
こうして作製されたゲート絶縁膜上にゲート電極を形成するための導電膜を形成する。
本実施形態で示すTFTのゲート電極はドライエッチング法で選択比が5〜20(好まし
くは、10〜13)以上の2種類の導電性材料を積層して形成する。例えば、窒化物導電
性材料から成る第1の導電膜と、400〜650℃の熱処理に耐え得る耐熱性導電性材料
から成る第2の導電膜とから形成する。その具体的な一例として、第1の導電膜を窒化タ
ンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)から選ばれた材料
で形成し、第2の導電膜をタンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モ
リブデン(Mo)
から選ばれた一種または複数種からなる合金材料で形成する。勿論、適用可能なゲート電
極材料はここで記載した材料に限定されるものではなく、上記仕様を満たす導電性材料の
組み合わせであれば、他の導電性材料を選択することも可能である。尚、ここでいう選択
比とは、第1の導電膜に対する第2の導電膜のエッチング速度の割合をいう。
本実施形態では、図示はしないが、第1の導電膜をTaN膜で50〜100nmの厚さに
形成し、第2の導電膜をW膜で100〜400nmの厚さに形成する。TaN膜はスパッタ
法でTaのターゲットを用い、Arと窒素の混合ガスでスパッタして形成する。W膜はW
をターゲットとしたスパッタ法で形成する。その他に6フッ化タングステン(WF6)を
用いる熱CVD法で形成することもできる。
いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要がある。
W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることができるが、W中に酸素などの不
純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。Wのターゲットには純度99.
9999%のものを用い、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配
慮してW膜を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができる。
ゲート電極は2段階のエッチング処理により形成する。図18(A)に示すようにレジ
ストによるマスク314を形成し、第1のエッチング処理を行う。エッチング方法に限定
はないが、好適にはICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチ
ング装置を用い、エッチング用ガスにCF4とCl2を用い、0.5〜2Pa、好ましくは1
Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成
して行う。基板側(試料ステージ)
にも100WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加す
る。CF4とCl2を混合した場合にはW膜及びTa膜とも同程度の速度でエッチングする
ことがでできる。
第1のエッチング処理では、第1の導電膜及び第2の導電膜の端部がテーパー形状とな
るように加工する。テーパー部の角度は15〜45°とする。しかし、ゲート絶縁膜上に
残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間
を増加させるオーバーエッチング処理をすると良い。
W膜に対する酸化窒化シリコン膜の選択比は2〜4(代表的には3)であるので、オーバ
ーエッチング処理により、酸化窒化シリコン膜が露出した面は20〜50nm程度エッチン
グされる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電膜と第2の導電膜から成る
第1の形状の導電層315〜318(第1の導電層315a〜318aと第2の導電層3
15b〜318b)を形成する。
次に図18(B)に示すように第2のエッチング処理を行う。ICPエッチング装置を
用い、エッチングガスにCF4とCl2とO2を混合して、1Paの圧力でコイル型の電極に
500WのRF電力(13.56MHz)を供給してプラズマを生成する。基板側(試料ステージ)
には50WのRF(13.56MHz)電力を投入し、第1のエッチング処理に比べ低い自己バイ
アス電圧となるようにする。このような条件によりW膜を異方性エッチングし、かつ、そ
れより遅いエッチング速度でTa膜を異方性エッチングして第2の形状の導電膜319〜
322(第1の導電層319a〜322aと第2の導電層319b〜322b)を形成す
る。ゲート絶縁膜は図では詳細に示さないが、第2の形状の導電層315〜318で覆わ
れない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなる。
そして、図18(C)で示すように、濃度の異なる2種類の不純物領域を形成する。こ
の不純物領域はいずれもn型であり、リン(P)、砒素(As)などのn型を付与する不
純物元素をイオンドープ法やイオン注入法で添加する。第1のドーピング処理は、第2の
導電層319b〜322bをマスクとして自己整合的に第1の不純物領域323〜326
を形成する。概念的には高加速電圧低ドーズ量の条件を選択し、第1の不純物領域323
〜326には、添加されるn型を付与する不純物元素の濃度は、1×1016〜1×1019
atoms/cm3の濃度となるようにする。例えば、イオンドープ法でフォスフィン(PH3)を
用い、加速電圧を70〜120keVとし、1×1013/cm2のドーズ量で行う。
次いで行う第2のドーピング処理は、低加速高ドーズ量の条件を選択し、不純物領域3
27〜330の形成を行う。第2の不純物領域327〜330の不純物濃度は1×1020
〜1×1021atoms/cm3の範囲となるようにする。その為に、イオンドープ法における条
件の一例は、ドーズ量を1×1013〜5×1014atoms/cm2とし、加速電圧を30〜70k
eVとして行う。こうして半導体層に形成される第1の不純物領域323〜326は第1の
導電層319a〜322aと重なるように形成され、第2の不純物領域327〜330は
、第2の形状の導電層315〜318の外側に形成される。
そして図18(D)に示すように、pチャネル型TFTを形成する半導体層308、3
10にp型を付与する不純物元素が添加された第3の不純物領域332〜335を形成す
る。このとき、nチャネル型TFTを形成する島状半導体層309、311はレジストの
マスク331で全面を被覆しておく。不純物領域332〜335にはそれぞれ異なる濃度
でリン(P)が添加されているが、ジボラン(B26)を用いたイオンドープ法でp型を
付与する不純物元素を添加して、ずれの領域においてもp型を付与する不純物濃度が2×
1020〜2×1021atoms/cm3となるように形成する。
以上までの工程でそれぞれの半導体層に不純物領域が形成される。第2の導電層319
〜322がゲート電極として機能する。そして、図18(E)で示す第1の層間絶縁膜3
36を形成する。第1の層間絶縁膜336は酸化窒化シリコン膜で100〜200nmの厚
さで形成する。その後、導電型の制御を目的としてそれぞれの半導体層に添加された不純
物元素を活性化する処理を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法
、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用すること
ができる。熱アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒
素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜600℃で行う。
レーザーアニール法では波長400nm以下のエキシマレーザー光やYAGレーザー、Y
VO4レーザーの第2高調波(532nm)を用いる。活性化の条件は実施者が適宣選択す
るものであるが、エキシマレーザーを用いる場合はパルス発振周波数30Hzとし、レー
ザーエネルギー密度を100〜300mJ/cm2とする。
また、YAGレーザーを用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数1〜10
kHzとし、レーザーエネルギー密度を200〜400mJ/cm2とすると良い。そして幅1
00〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザー光を基板全面に渡って
照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わせ率(オーバーラップ率)を80〜98%と
して行う。
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱
処理を行い、半導体層を水素化する工程を行う。この工程は熱的に励起された水素により
半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズ
マ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)
を行っても良い。
第2の層間絶縁膜337は、酸化シリコンや酸化窒化シリコンなどの無機絶縁物材料、
または有機絶縁物材料を用い1.0〜2.0μmの平均膜厚で形成する。有機絶縁物材料
としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシク
ロブテン)等を使用することができる。例えば、基板に塗布後、熱重合するタイプのポリ
イミドを用いる場合には、クリーンオーブンで300℃で焼成して形成する。また、アク
リルを用いる場合には、2液性のものを用い、主材と硬化剤を混合した後、スピナーを用
いて基板全面に塗布した後、ホットプレートで80℃で60秒の予備加熱を行い、さらに
クリーンオーブンを用い、250℃で60分焼成して形成する。
そして、半導体層に形成した第2の不純物領域または第3の不純物領域とコンタクトを
する配線338〜345を形成する。この配線は50〜200nmのTi膜768a、10
0〜300nmのAl膜768b、50〜200nmのスズ(Sn)膜またはTi膜で形成す
る。このような構成で形成された配線338〜345は、最初に形成するTi膜が半導体
層と接触をし、コンタクト部分の耐熱性を高めている。
以上の様にして、pチャネル型TFT346、348、nチャネル型TFT347、3
49を有する駆動回路が形成することができる。pチャネル型TFT348とnチャネル
型TFT349のゲート絶縁膜は、pチャネル型TFT346とnチャネル型TFT34
7のゲート絶縁膜よりも厚く形成され、耐圧を高める構造となっている。
pチャネル型TFT346にはチャネル形成領域350、ゲート電極である第2の導電
層319と重なる第3の不純物領域351、ゲート電極の外側に形成される第3の不純物
領域352を有している。また、pチャネル型TFT348にはチャネル形成領域356
、ゲート電極である第2の導電層321と重なる第3の不純物領域357、ゲート電極の
外側に形成される第3の不純物領域358を有している。pチャネル型TFTはシングル
ドレインの構造であり、第3の不純物領域は、ソースまたはドレインとして機能するもの
である。
nチャネル型TFT347はチャネル形成領域353、ゲート電極である第2の導電層
320と重なる第1の不純物領域354、ゲート電極の外側に形成される第2の不純物領
域355が形成されている。また、nチャネル型TFT349はチャネル形成領域359
、ゲート電極である第2の導電層322と重なる第1の不純物領域360、ゲート電極の
外側に形成される第2の不純物領域361が形成されている。第1の不純物領域354、
360はLDD(Lightly Doped Drain)領域であり、第2の不純物領域355、361
はソース領域またはドレイン領域として機能する領域である。特に、第1の不純物領域は
ゲート電極とオーバーラップして形成されるGOLD(Gate Overlapped Drain)構造で
あるため、ホットキャリア効果によるTFTの劣化を防止することができ、10V以上の
高い電圧を印加しても、きわめて安定した動作を得ることができる。
いずれにしても、これらのTFTはチャネル長1〜5μm、好ましくは1.5〜2.5
μmで形成すれば良い。従って、適用すべきデザインルールもライン・アンド・スペース
(線幅と隣接する線との間隔)で1〜1.5μm、コンタクトホールで2μm程度を採用す
れば良い。
本実施形態で作製されるTFTは走査線側のスティックドライバを形成するのに適して
いる。特に、30V系の高電圧が印加されるバッファ回路などには、図18(E)で示す
pチャネル型TFT348、nチャネル型TFT349を適用して形成する。また、シフ
トレジスタ回路などにはpチャネル型TFT346、nチャネル型TFT347を適用し
て形成すると良い。ここでは、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTを形成する工程
を示したが、同工程により容量素子や抵抗素子を形成することは容易に想定できるもので
あり省略されている。また、回路形成に必要なTFTのサイズ(チャネル長/チャネル幅
)やそのレイアウトは実施者が適宣考慮すれば良いものである。
ソース線側に設けるスティックドライバのTFTに要求される耐圧は12V程度である
が、動作周波数は3Vにて50MHz以上(例えば65MHz)が要求される。本実施形態では
そのために適したTFTの作製方法を説明する。
TFTのチャネル形成領域を形成する結晶質半導体膜には、高い電界効果移動度と低い
サブスレッショルド係数(S値)実現可能な品質が要求される。即ち、捕獲中心や再結合
中心となる欠陥準位や、粒界ポテンシャルが低いとった性質を有する結晶質半導体膜が求
められる。図19はそのような結晶質半導体膜を作製する方法の一例を示す。
図19(A)において基板401として適用し得るものは、600℃(好適には950
℃)の熱処理に耐え、絶縁表面を有する基板であれば良い。品質、表面仕上げの精度から
言えば石英基板が適している。そのような基板401に密接して形成する非晶質構造を有
する半導体膜402は、プラズマCVD法や減圧CVD法で25〜100nmの厚さで形成
する。非晶質構造を有する半導体膜の代表例としては非晶質シリコン(a−Si)膜、非
晶質シリコン・ゲルマニウム(a−SiGe)膜、非晶質炭化シリコン(a−SiC)膜
、非晶質シリコン・スズ(a−SiSn)膜などがあり、そのいずれでも適用できる。そ
して、非晶質半導体膜の結晶化温度を低温化することのできる触媒元素を含有する層を形
成する。
図19(A)では非晶質構造を有する半導体膜402上に形成しているが、基板側に形成
されていても構わない。ここで適用可能な触媒元素は実施形態2と同じであり、同様な方
法で形成する。
そして、窒素またはアルゴンなどの雰囲気中で500〜600℃で1〜12時間の熱処
理を行い非晶質構造を有する半導体膜の結晶化を行う。この温度の結晶化に先立っては、
400〜500℃で1時間程度の熱処理を行い、膜中の含有水素を放出させておくことも
必要である。代表的な条件として、450℃で1時間の脱水素処理をした後、続いて57
0℃で8時間の熱処理を行う。このような熱結晶化法により、非晶質シリコン膜からは結
晶構造を有する結晶質半導体膜404が形成される(図19(B))。
しかし、結晶質半導体膜404に残存する触媒元素の濃度はおよそ5×1016〜2×1
18atoms/cm2である。触媒元素は半導体膜の結晶化には有効であるが、その後TFTを
形成するための機能材料として使用する目的においては不要な存在となる。結晶質半導体
膜中に残存する触媒元素は不純物として欠陥準位などを形成し、捕獲中心や再結合中心を
形成したり、半導体接合の不良をもたらす。
図19(B)は触媒元素を除去するためのゲッタリング処理を説明するものであり、結晶
質半導体膜中の触媒元素の濃度を1×1017atms/cm3以下、好ましくは1×1016atms/c
m3にまで低減することを目的としている。
まず、結晶質半導体膜404の表面に酸化シリコン膜などでマスク用絶縁膜405を1
50nmの厚さに形成する。そして、能動層を形成する領域の外側に開口部406を設け
、結晶質半導体膜の表面が露出した領域を形成する。そして、イオンドープ法やイオン注
入法でリン(P)を添加して、結晶質半導体膜に選択的にリン(P)添加領域407を形
成する。この状態で、窒素雰囲気中で550〜800℃、5〜24時間、例えば600℃
、12時間の熱処理を行うと、リン(P)添加領域407がゲッタリングサイトとして働
き、結晶質半導体膜404に残存していた触媒元素をリン(P)添加領域407に偏析さ
せることができる。
その後、マスク用絶縁膜405と、リン(P)添加領域407とをエッチングして除去
することにより、触媒元素の濃度が1×1017atms/cm3以下にまで低減された結晶質半導
体膜408を得ることができる(図19(C))。
また、図20は結晶質半導体膜を形成する方法の他の一例を示す。図20(A)におい
て基板410、非晶質構造を有する半導体膜411は図19(A)の説明と同様なものを
用いる。非晶質構造を有する半導体膜411上にはマスク用絶縁膜412を形成し、選択
的に開口部414を形成する。その後、重量換算で1〜100ppmの触媒元素を含む溶液
を塗布して、触媒元素含有層413を形成する。触媒元素含有層413は開口部414の
みで非晶質構造を有する半導体膜411と接触する構造が形成される。
次に、500〜650℃で1〜24時間、例えば600℃、12時間の熱処理を行い、
結晶質半導体膜を形成する。この結晶化の過程では、触媒元素が接した半導体膜415か
ら結晶化が進行し、基板410の表面と平行な方向(横方向)
へ結晶化が進行する。こうして形成された結晶質半導体膜は棒状または針状の結晶が集合
して成り、その各々の結晶は巨視的に見ればある特定の方向性をもって成長しているため
、結晶性が揃っているという利点がある。
結晶質半導体膜が形成された後、図19(B)と同様に触媒元素を結晶質半導体膜から
除去するゲッタリング処理を行う。先に形成された開口部414からリン(P)を添加し
て、結晶質半導体膜にリン(P)添加領域416を形成する。
この状態で、窒素雰囲気中で550〜800℃、5〜24時間、例えば600℃、12時
間の熱処理を行い、結晶質半導体膜に残存する触媒元素をリン(P)添加領域416に偏
析させる(図20(C))。
その後、マスク用絶縁膜412と、リン(P)添加領域416とをエッチングして除去
することにより、触媒元素の濃度が1×1017atms/cm3以下にまで低減された結晶質半導
体膜417を得ることができる(図20(D))。
図19(C)で示す結晶質半導体膜408及び図20(D)で示す結晶質半導体膜41
7は、いずれもTFTの能動層を形成する用途において適したものである。図21(A)
ではこのような結晶質半導体膜から島状に分離形成した半導体膜420〜423を形成す
る。図21(A)では便宜上4つの半導体層を示している。以降の説明は、半導体層42
0、421にはシフトレジスタ回路など低電圧で駆動する回路のTFTを、半導体層42
2、423にはラッチ回路など高周波数で駆動するTFTをそれぞれ作製することを前提
として説明する。後者は高速駆動を可能とするために、ゲート絶縁膜の厚さが薄く形成す
る。そのために2段階の成膜プロセスを行う。
半導体層上に形成するゲート絶縁膜は、回路の駆動電圧を考慮して、同一基板上に形成
するTFTであってもその膜厚を異ならせて形成する。そのために2段階の成膜プロセス
を必要とする。最初に20〜50nm、例えば40nmの厚さで酸化シリコン膜または酸化窒
化シリコン膜などの絶縁膜を形成する。このような絶縁膜はプラズマCVD法や熱CVD
法で形成する。熱CVD法における作製条件の一例は、SiH4とN2Oを用い、800℃
、40Paであり、ガスの混合比を適当なものとすることにより緻密な膜を形成することが
できる。その後、半導体層422、423上に形成された絶縁膜をフッ酸などでエッチン
グして除去して第1の絶縁膜424を形成する。さらに、表面を清浄に洗浄し、800〜
1000℃(好ましくは950℃)でハロゲン(代表的には塩素)を含む雰囲気中で酸化
膜の形成を行う。
酸化膜は半導体層422、423において30〜50nm(例えば40nm)の厚さとなるよ
うに形成する。その結果、半導体層420、421では80nmの厚さの絶縁膜が形成され
る。ハロゲン雰囲気での酸化膜形成により、微量の金属不純物などが除去され、半導体膜
との界面準位密度が低減された良好な絶縁膜を形成することができる。こうして、半導体
層420、421と半導体層422、423との間で厚さの異なる第2の絶縁膜425が
形成され、この絶縁膜をゲート絶縁膜として利用する(図21(B))。
さらに、図21(B)では第2の絶縁膜425上にゲート電極を形成するための第1の
導電膜426と第2の導電膜427とを形成する。これらの導電膜は実施形態1と同様に
して作製するものであり、第1の導電膜426をTaN膜で50〜100nmの厚さに形成
し、第2の導電膜427をW膜で100〜300nmの厚さに形成する。
以降の行程は実施形態2ど同様にして行い、nチャネル型TFTとpチャネル型TFT
を形成する。ゲート電極の形成は2段階のエッチング処理により行う。
図21(C)はレジストマスク428を形成し、テーパーエッチング処理を行う第1のエ
ッチング処理により第1の形状の導電層429〜432(第1の導電層429a〜432
aと第2の導電層429b〜432b)が形成された状態を示している。また、図21(
D)は異方性エッチングによる第2のエッチング処理により第2の形状の導電層433〜
436(第1の導電層433a〜436aと第2の導電層433b〜436b)が形成さ
れた状態を示している。
nチャネル型TFTおよびpチャネル型TFTの不純物領域の形成は、第2の形状の導
電層を利用して自己整合的に形成する。nチャネル型TFTには濃度の異なる2種類の不
純物領域を形成する。図21(E)は第1のドーピング処理(高加速電圧低ドーズ量の条
件)で形成される第1の不純物領域437〜440と、第2のドーピング処理(低加速電
圧高ドーズ量)の条件で形成される第2の不純物領域441〜44とを示している。pチ
ャネル型TFTの不純物領域は、図21(F)で示す様に、レジストのマスク445をn
チャネル型TFTが形成される領域を保護するように形成し、第3のドーピング処理によ
りp型を付与する不純物元素が添加された領域446〜449を形成する。
これらの不純物領域を形成した後、第1の層間絶縁膜450を形成し、400〜700
℃の熱処理を施して不純物元素の活性化を行う。さらに、3〜100%の水素を含む雰囲
気中で300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、半導体層を水素化して欠陥準位
密度を低減する処理を行う。第2の層間絶縁膜451は、酸化シリコンや酸化窒化シリコ
ンなどの無機絶縁物材料、または有機絶縁物材料を用い1.0〜2.0μmの平均膜厚で
形成する。配線452〜459はAl、Tiなどで形成する。
以上の様にして、pチャネル型TFT460、462、nチャネル型TFT461、4
63を有する駆動回路が形成することができる。pチャネル型TFT462とnチャネル
型TFT463のゲート絶縁膜は、pチャネル型TFT460とnチャネル型TFT46
1のゲート絶縁膜よりも薄く形成され、低電圧で高速に駆動する構造となっている。前者
のTFTは3〜5Vの低電圧で駆動するラッチ回路などを形成し、後者のTFTは5〜1
2Vで駆動するシフトレジスタ回路などを形成するのに適している。
これらのTFTのチャネル長は低電圧部で0.3〜1μm(好ましくは0.6μm)、中
電圧部で0.6〜1.5μm(好ましくは0.9μm)で形成する。従って、適用すべきデ
ザインルールもライン・アンド・スペース(線幅と隣接する線との間隔)で0.3〜1.
5μm、コンタクトホールで0.9μm程度の精度が要求される。
本実施形態で作製されるTFTはソース線側のスティックドライバを形成するのに適し
ている。特に、3Vで数十MHzの周波数で駆動するラッチ回路などは、図21(E)で示
すpチャネル型TFT462とnチャネル型TFT463を用いて形成する。また、シフ
トレジスタ回路などにはpチャネル型TFT460、nチャネル型TFT461を適用し
て形成すると良い。ここでは、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTを形成する工程
を示したが、同工程により容量素子や抵抗素子を形成することは容易に想定できるもので
あり省略されている。また、回路形成に必要なTFTのサイズ(チャネル長/チャネル幅
)やそのレイアウトは実施者が適宣考慮すれば良いものである。
ソース線側に設けるスティックドライバに適したTFTの作製方法について他の一例を
示す。TFTの能動層を形成するための結晶質半導体膜を形成する工程は実施形態3と同
じである。図22(A)において、基板901として適用し得るものは、600℃(好適
には950℃)の熱処理に耐え、絶縁表面を有する石英基板が望ましい。そのような基板
401に密接して形成する非晶質構造を有する半導体膜902は、プラズマCVD法や減
圧CVD法で40〜100nm、一例として70nmの厚さで形成する。石英基板上に良質な
結晶質半導体膜を形成するには、スタート膜として形成する非晶質半導体膜の膜厚をある
程度厚くしておく必要がある。膜厚が30nm以下であると、下地の基板との間で格子不整
合などの影響で結晶化が十分成し遂げることができない懸念がある。非晶質構造を有する
半導体膜は実施形態2または3で示す材料と同じであり、代表的には非晶質シリコンを用
いる。そして、非晶質半導体膜の結晶化温度を低温化することのできる触媒元素を含有す
る層903を形成する。
結晶化は450℃で1時間の熱処理で脱水素処理を行い、続いて600℃で12時間の
熱処理を行う。図22(B)で示すように、こうして得られる結晶質半導体膜904上に
はマスク用絶縁膜905を形成し、その開口部906からリン(P)を添加して、リン(
P)添加領域907を形成する。触媒元素を除去するためのゲッタリング処理は、窒素雰
囲気中で550〜800℃、5〜24時間、例えば600℃で12時間の熱処理を行い、
結晶質半導体膜904に残存していた触媒元素をリン(P)添加領域907に偏析させる
。その後、マスク用絶縁膜905と、リン(P)添加領域907とをエッチングして除去
することにより、触媒元素の濃度が1×1017atms/cm3以下にまで低減された結晶質半導
体膜908を得る。結晶化により、非晶質半導体膜は緻密化するのでその体積は1〜10
%程度収縮し、膜厚は僅かであるが減少する。
図22(C)は、こうして形成された結晶質半導体膜を熱処理により酸化する工程を示
している。熱酸化は800〜1000℃(好ましくは950℃)でハロゲン(代表的には
塩素)を含む雰囲気中で酸化膜の形成を行う。この処理により結晶質半導体膜908は酸
化膜909の形成で薄くなり、当初の厚さよりも減少する。例えば、酸化膜を60nmの厚
さに形成することにより半導体膜はおよそ30nm減少し、40nmの結晶質半導体膜を残す
ことができる(図22(C))。
こうして形成された結晶質半導体膜908をエッチング処理してから島状に分離形成し
た半導体膜911〜914を形成する。半導体膜上に形成するゲート絶縁膜は、回路の駆
動電圧を考慮して、同一基板上に形成するTFTであってもその膜厚を異ならせて形成す
る。図22(D)と(E)はその工程を示し、最初に20〜50nm、例えば40nmの厚さ
で酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜を形成する。これらの絶縁膜は
プラズマCVD法や熱CVD法で形成する。熱CVD法における作製条件の一例は、Si
4とN2Oを用い、800℃、40Paであり、ガスの混合比を適当なものとすることによ
り緻密な膜を形成することができる。その後、半導体層913、914上に形成された絶
縁膜はフッ酸などでエッチングして除去して第1の絶縁膜915を形成する。さらに、表
面を清浄に洗浄し、800〜1000℃(好ましくは950℃)でハロゲン(代表的には
塩素)を含む雰囲気中で酸化膜の形成を行う。酸化膜は半導体層913、914において
30〜50nm(例えば40nm)の厚さとなるように形成する。
一方、半導体層911、912では80nmの厚さの絶縁膜が形成される。ハロゲン雰囲気
での酸化膜形成により、微量の金属不純物などが除去され、半導体膜との界面準位密度が
低減された良好な絶縁膜を形成することができる。こうして、半導体層911、912と
半導体層913、914との間で厚さの異なる第2の絶縁膜916が形成され、この絶縁
膜をゲート絶縁膜として利用する。
ゲート絶縁膜上に形成するゲート電極は、ゲート絶縁膜が薄く形成されているので注意
を要する。勿論、スパッタ法や蒸着法で形成する金属導電膜材料を用いることも可能であ
るが、より好ましくはゲート絶縁膜に接する第1層目は減圧CVD法で作製するリン(P
)ドープされた多結晶シリコン膜であることが望ましい。リン(P)ドープ多結晶シリコ
ン膜は、SiH4とPH3と希釈ガスとしてHe、H2を用い450〜500℃に加熱して
100〜200nm、好ましくは150nmの厚さで形成する。さらにその上層にはゲート電
極の抵抗値を下げるために、シリサイド金属などを形成する。タングステンシリサイド(
WSix)、チタンシリサイド(Ti)など適用し得るシリサイド金属に限定はなく、ス
パッタ法などで100〜200nm、好ましくは150nmの厚さに形成する。
このように第1の導電層、第2の導電層として2層に分けて形成された状態から、図2
2(F)に示すようにゲート電極917〜920(第1の導電層917a〜920aと第
2の導電層917b〜920b)を形成する。
次に、nチャネル型TFTのLDD領域を形成するための第1のドーピング処理を行う
。ドーピングは、代表的な方法としてフォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法で
行い、ゲート電極をマスクとして利用して自己整合的に第1の不純物領域921〜924
を形成する。この領域のリン(P)濃度は2×1016〜5×1019atoms/cm3の範囲とす
る(図23(A))。
さらに、第2のドーピング処理を行い、n型不純物が添加される第2の不純物領域92
7、928の形成を行う。この不純物領域はnチャネル型TFTのソース領域およびドレ
イン領域を形成するものであり、ゲート電極の外側の領域に形成するためにレジストマス
ク926を形成する。また、pチャネル型TFTを形成する半導体層にリン(P)が添加
されないようにレジストマスク925を形成しておく。n型を付与する不純物元素にはリ
ン(P)を用い、その濃度が1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度範囲となるように
フォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法で行う(図23(B))。
そして図23(C)に示すように、pチャネル型TFTを形成する半導体層にソース領
域およびドレイン領域を形成する第3の不純物領域930、931を形成する。ゲート電
極612をマスクとしてジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で行い、自己整合的
に第3の不純物領域を形成する。このときnチャネル型TFTを形成する半導体層はレジ
ストマスク929で全面を被覆しておく。この領域のボロン(B)濃度は3×1020〜3
×1021atoms/cm3となるようにする。
これらの不純物領域を形成した後、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコ
ン膜などから成る第1の層間絶縁膜932を形成し、400〜950℃、好ましくは80
0〜900℃で10〜60分の熱処理を施して不純物元素の活性化を行う。この熱処理で
ゲート電極側に不純物元素が拡散し、オーバーラップ領域533〜536が形成される(
図23(D))。第2の層間絶縁膜937は、酸化シリコンや酸化窒化シリコンなどの無
機絶縁物材料、または有機絶縁物材料を用い1.0〜2.0μmの平均膜厚で形成する。
配線938〜945はAl、Tiなどで形成する。さらに、3〜100%の水素を含む雰
囲気中で300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、半導体層を水素化して欠陥準
位密度を低減する処理を行う(図23(E))。
以上の様にして、pチャネル型TFT946、948、nチャネル型TFT947、9
49を有する駆動回路が形成することができる。pチャネル型TFT948とnチャネル
型TFT949のゲート絶縁膜は、pチャネル型TFT946とnチャネル型TFT94
7のゲート絶縁膜よりも薄く形成され、低電圧で高速に駆動する構造となっている。前者
のTFTは3〜5Vの低電圧で駆動するラッチ回路などを形成し、後者のTFTは5〜1
2Vで駆動するシフトレジスタ回路などを形成するのに適している。
pチャネル型TFT946、948には、チャネル形成領域950、955、第3の不
純物領域から成るソースまたはドレイン領域946、956が形成されたシングルドレイ
ンの構造である。nチャネル型TFT947、949には、チャネル形成領域952、9
57、第1の不純物領域で形成されるLDD領域953、958、第2の不純物領域から
形成されるソースまたはドレイン領域954、959が形成されている。nチャネル型T
FTに形成されるLDD領域は0.2〜1μmの長さで形成され、0.1程度は活性化の
熱処理によりゲート電極の内側に拡散して、ゲート電極とオーバーラップする構造となっ
ている。この構造により、ホットキャリア効果による特性の劣化を防ぎ、また寄生容量を
最低限度に抑えて高速動作を可能とする。
これらのTFTのチャネル長は低電圧部で0.3〜1μm(好ましくは0.6μm)、中
電圧部で0.6〜1.5μm(好ましくは0.9μm)で形成する。従って、適用すべきデ
ザインルールもライン・アンド・スペース(線幅と隣接する線との間隔)で0.3〜1.
5μm、コンタクトホールで0.9μm程度の精度が要求される。
本実施形態で作製されるTFTはソース線側のスティックドライバを形成するのに適し
ている。特に、3Vで数十MHzの周波数で駆動するラッチ回路などは、図23(E)で示
すpチャネル型TFT948とnチャネル型TFT949を用いて形成する。また、シフ
トレジスタ回路などにはpチャネル型TFT946、nチャネル型TFT947を適用し
て形成すると良い。ここでは、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTを形成する工程
を示したが、同工程により容量素子や抵抗素子を形成することは容易に想定できるもので
あり省略されている。また、回路形成に必要なTFTのサイズ(チャネル長/チャネル幅
)やそのレイアウトは実施者が適宣考慮すれば良いものである。
実施例8〜10のいずれかの方法により作製されるTFTで走査線側またはソース線側
のスティックドライバの駆動回路を形成することができる。このようなスティックドライ
バに設けられる入出力端子は図24で示すようにソースまたはドレイン配線と同じ層上に
形成される。図24では入出力端子2400、2401がスティック基板の端部に形成さ
れる様子を示している。画素領域が形成される第1の基板にフェースダウンのCOG法で
実装するには表面パッシベーションが必要であるので、絶縁層2402により表面をパッ
シベーションする。このような入出力端子部の形態は実施形態2〜4で作製したスティッ
ク基板にも適用できる。
また、COGでスティックドライバを実装するには入出力端子にバンプを形成する必要
がある。バンプは公知の方法で形成すれば良いが、その一例を図25で説明する。図25
(A)において、2403はソースまたはドレイン配線と同じ層上に形成される入出力端
子であり、その上にTiとPdまたは、CrとCuを積層したバリアメタル層2405を
形成する。バリアメタル層の形成はスパッタ法や蒸着法などを適用する。そして、メッキ
用のレジストマスク2406を形成する。
そして、図25(B)で示すように、Auで形成されるバンプ2407を電解メッキで
5〜20μmの厚さに形成する。そして、不要となったレジストマスク2406を除去し
て、新たにバンプの上からレジストを塗布してバリアメタル層2405をエッチングする
ためのレジストマスク2408を形成する。このレジストマスクを形成するためのフォト
リソ工程は、バンプを介して行うため高い解像度を得ることができない。レジストマスク
2408はバンプとその周辺を覆うように形成する。このレジストマスク2408を利用
してバリアメタル層をエッチングすることにより、図25(D)で示すようなバリアメタ
ル層2409が形成される。その後、バンプとバリアメタル層との密着性を高めるために
200〜300℃で熱処理を行う。このようにして、他の基板に実装することができるス
ティックドライバを完成させることができる。
以上説明したようにスティックドライバは液晶表示装置の駆動回路を実装する方法とし
て利用することができる。図26はそのような表示装置のブロック構成図を示す。画素領
域1601は複数の走査線とソース線が交差して形成され、実施例1〜7で示されるよう
な逆スタガ型のTFTが設けられたアクティブマトリクス型の構成である。その周辺の領
域には走査線スティックドライバ1602及びソース線スティックドライバ1603が設
けられている。外部から入力されるクロック信号及びデータ信号1607と画質信号16
08は、スティックドライバの入力仕様に変換するためのコントロール回路1605に入
力され、それぞれのタイミング仕様に変換される。また、電源1609、オペアンプから
成る電源回路1606は外付けの回路で賄われる。このようなコントロール回路1605
や電源回路1606はTAB方式で実装すると表示装置を小型化できる。
コントロール回路1605からは走査線側とソース線側にそれぞれ信号が出力されるが
、ソース線側には信号分割回路1604が設けられ、入力デジタル信号をm個に分割して
供給する。分割数mは2以上の自然数で、実際的には2〜16分割にするのが適当である
。この場合、入力デジタル信号線1610の本数がn本であれば、修正デジタル信号線1
620の本数はn×m本となる。画素密度にもよるが、少なくともソース線側のスティッ
クドライバは複数個設けられて、信号分割回路により入力デジタル信号の周波数が1/m
に落とされることによりスティックドライバの負荷を軽減している。信号分割回路は半導
体集積回路で形成されるICチップを実装しても良いし、実施形態3または4で示すよう
なTFTで集積回路を形成したスティックドライバと同様のチップで形成することも可能
である。
図27は信号分割回路の一例を示す。本実施例では便宜上入力デジタル信号線の本数n
は1、信号分割数mは4として説明する。ラッチ回路前段1301〜1304及びラッチ
後段1305〜1308は、各々図27(B)のように2個のインバータ1372、13
74と4個のクロックドインバータ1371、1373、1375、1376により構成
されている。信号入力部1381は1361に、信号出力部1382は1362に、クロ
ック信号入力部1383、1384はそれぞれ1363、1364に対応している。
クロック信号線1322及び反転クロック信号線1323のクロック信号はカウンタ回
路1309に入力し、リセット信号1326からの入力を受けて出力を修正クロック信号
線1324及び反転修正クロック信号線1325に送る。入力デジタル信号は1321か
ら入力し、クロック信号の周期毎にラッチ回路前段1301から1302へと順次移送さ
れていく。そして、修正クロック信号が反転するときにラッチ回路前段に保持されている
入力デジタル信号の電位情報はラッチ回路後段に移される。例えば、ラッチ回路前段13
01の電位情報はラッチ回路後段1305に移される。このような動作により、ラッチ回
路後段1305〜1308の出力部に接続する各修正デジタル信号線1331〜1334
から修正デジタル信号が送出される。ここでは、分割数m=4で説明したため、この場合
には修正デジタル信号の周波数は入力デジタル信号の周波数の1/4になる。勿論、分割
数は4に限定される訳ではなく、2〜32(実用的には4〜16)の範囲で自由に選択す
ることができる。
図26で示すソース線側に設けるスティックドライバの回路構成の一例を図28に示す
。回路構成は、入力側からシフトレジスタ回路1801、ラッチ回路1804、1805
、レベルシフタ回路1806、D/A変換回路1807が設けられている。入力デジタル
信号がnビットで一画素の情報を表現しRGB表示をする場合、この入力デジタル信号を
m分割されていると、ラッチ回路1804、1805はそれぞれ、m×3×n個必要であ
り、レベルシフタ回路1806、D/A変換回路1807はそれぞれm×3個が必要とな
る。
図21はラッチ回路の代表例であり、図29(A)はクロックドインバータを用いた例
であり、図29(B)はSRAM型のものであり、図29(C)はDRAM型のものであ
る。これらは代表例であり、その他の構成をとることも可能である。
シフトレジスタ回路、ラッチ回路は駆動電圧3Vであり、レベルシフタ回路により10
Vに昇圧してD/A変換回路に信号を送る。D/A変換回路は抵抗分割型やスイッチドキ
ャパシタ型のものを採用することができる。
シフトレジスタ回路、ラッチ回路を形成するTFTは実施形態3において図21(G)
で示したpチャネル型TFT462、nチャネル型TFT463、または実施形態4にお
いて図23(E)で示したpチャネル型TFT548、nチャネル型TFT549を用い
て作製すると良い。
図30は本発明のスティックドライバを用いて液晶表示装置の組み立てる様子を模式的
に示す図である。第1の基板には画素領域803、外部入出力端子804、接続配線80
5が形成されている。画素領域803は実施形態1で示す逆スタガ型のTFTで作製され
たものである。点線で囲まれた領域は、走査線側のスティックドライバ貼り合わせ領域8
01とソース線側のスティックドライバ貼り合わせ領域802である。第2の基板808
には対向電極809が形成され、シール材810で第1の基板800と貼り合わせる。シ
ール材810の内側には液晶が封入され液晶層811を形成する。第1の基板と第2の基
板とは所定の間隔を持って貼り合わせるが、ネマチック液晶の場合には3〜8μm、スメ
チック液晶の場合には1〜4μmとする。
スティックドライバ806、807は実施形態2で説明したように、ソース線側と走査
線側とで回路構成が異なる。第3の基板814は特にその区別をしていないが、いずれに
しても走査線側、またはソース線側の駆動回路に適応したスティックドライバであるもの
とする。スティックドライバは第1の基板に実装するが、その方法は実施形態1において
図2及び3で説明されている。走査線側に実装するスティックドライバは実施例8で示す
ものが適しており、ガラス基板上に駆動回路が形成されている。データ線側に実装するス
ティックドライバは、分割駆動を前提にするにしても高い信号周波数に対応できるTFT
特性が要求されるので、実施例9または10で示す石英基板上に形成したスティックドラ
イバが適している。外部入出力端子804には、外部から電源及び制御信号を入力するた
めのFPC(フレキシブルプリント配線板:Flexible Printed Circuit)812を貼り付
ける。FPC812の接着強度を高めるために補強板813を設けても良い。こうして液
晶表示装置を完成させることができる。スティックドライバは第1の基板に実装する前に
電気検査を行えば液晶表示装置の最終工程での歩留まりを向上させることができ、また、
信頼性を高めることができる。
実施例15で示すようにスティックドライバが実装された表示装置を電気光学装置に搭
載する方法の一例を図31に示す。表示装置は画素領域702が実装された基板701の
端部にスティックドライバ710が実装されている。そして、スペーサ706を内包する
シール剤707により対向基板703と貼り合わせられ、さらに偏光版708、709が
設けられている。そして、接続部材723によって筐体724に固定される。
スティックドライバ710は、その入出力端子711において導電性粒子712を含む
樹脂713で基板701上に形成された入力配線714と接続している。入出力配線71
4の一方の端はフレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit:FPC)が導
電性粒子715を含む樹脂716で接着されている。
FPCは、信号処理回路、増幅回路、電源回路などが設けられたプリント基板719にや
はり同様な手法(導電性粒子721を含む樹脂722)で接続し、画像表示に必要な信号
をスティックドライバが実装された表示装置に伝達するようになっている。そして、表示
装置が透過型の液晶表示装置であれば、対向基板703側に光源と光導光体が設けられて
バックライト718が設けられている。
ここで示す表示装置の実装方法は一例であり、電気光学装置の形態に合わせて適宣組み
立てられるものである。
スティックドライバの生産性を観点からは、大面積の基板を使用して1回のプロセスで
1枚の基板からできるだけ多数個取り出す方法が適している。基板はガラス基板または石
英基板を使用するが、いずれにしても大面積基板を分割するときに、いかに加工ロスを無
くすかが第1の課題となる。加工精度から言えばダイシング装置が適しているが、300
×400mmや550×650mm、さらには960×1000mmといった液晶ラインで使用
される基板を直接加工するには、装置の規模が大型化してしまう。むしろ、加工精度は劣
るものの大面積基板を容易に切断できるガラススクライバーを用い、これにより大面積基
板を複数個に分割する第1の段階と、複数個に分割された基板からダイシング装置を用い
て個々のスティックドライバに分割する第2の段階とに分けて行う方が適している。
例えば、液晶第1期ラインで採用された300×400mmの大面積の基板上に一辺が1
00〜200mmの領域から成る群902を複数個作り、その中に短辺の長さ1〜6mmのス
ティックドライバを複数個配置する。各群の間隔は3〜10mmとして配置して、ガラスス
クライバーで加工線904に沿って大面積基板から分割する。群の中のスティックドライ
バは切りしろ0.5〜1mmで配置しダイシング装置で分割するという方法を採用すること
ができる。このような加工方法を用いると、2×20mmのスティックドライバを127×
127mmの群の中に360個作り込むことができ、1枚の基板からは2160個のスティ
ックドライバを取出すことができる。
また、大面積基板上に多数のスティックドライバを形成するための第2の課題は露光技
術である。スティックドライバのデザインルールは0.3〜2μm、好ましくは0.35
〜1μmである。このようなデザインルールで、やはりスループット良く露光を行う必要
がある。露光方式において、プロキシミティ方式やプロジェクション方式はスループット
向上には有利であるが、大型の高精細マスクが必要であり、高い解像度や重ね合わせ精度
が得られにくいなどの欠点がある。
一方、ステッパ方式では、その一例としてi線(365nm)を使って0.7μmの解像度
で44mm角の領域、または54×30mmの領域を一度に露光することができる。これに対
応して、スティックドライバの長辺の長さをこの露光範囲内としておけばサブミクロンパ
ターンであっても効率よく露光することが可能となる。
液晶表示装置などの画素領域は必ずしもサブミクロンのデザインルールを必要としない
ので、大面積を一度に露光できるプロキシミティ方式やプロジェクション方式が適した方
式であると考えられている。従って、駆動回路部と画素領域とを別の露光方式で行うこと
は生産性を向上させるばかりでなく、本発明のようにスティックドライバを実装すること
で大画面の表示装置の周辺部(額縁領域)の面積を小さくすることを可能にする。
本実施例では、実施例8のような構成の表示装置を組み込んだ半導体装置について示す
。このような半導体装置には、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコンピュータ、携帯電
話等)、ビデオカメラ、スチルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビ等が挙げられる
。それらの一例を図33と図34に示す。
図33(A)は携帯電話であり、本体9001、音声出力部9002、音声入力部90
03、表示装置9004、操作スイッチ9005、アンテナ9006から構成されている
。表示装置9004は本発明の逆スタガ型TFTによる画素領域の周辺にスティックドラ
イバを実装した液晶表示装置を用いることができる。
図33(B)はビデオカメラであり、本体9101、表示装置9102、音声入力部9
103、操作スイッチ9104、バッテリー9105、受像部9106から成っている。
表示装置9102は本発明の逆スタガ型TFTによる画素領域の周辺にスティックドライ
バを実装した液晶表示装置を用いることができる。
図33(C)はモバイルコンピュータ或いは携帯型情報端末であり、本体9201、カ
メラ部9202、受像部9203、操作スイッチ9204、表示装置9205で構成され
ている。表示装置9205は本発明の逆スタガ型TFTによる画素領域の周辺にスティッ
クドライバを実装した液晶表示装置を用いることができる。
図33(D)はテレビであり、本体9401、スピーカー9402、表示装置9403
、受信装置9404、増幅装置9405等で構成される。表示装置9403は本発明の逆
スタガ型TFTによる画素領域の周辺にスティックドライバを実装した液晶表示装置を用
いることができる。
図33(E)は携帯書籍であり、本体9501、表示装置9502、9503、記憶媒
体9504、操作スイッチ9505、アンテナ9506から構成されており、ミニディス
ク(MD)やDVDに記憶されたデータや、アンテナで受信したデータを表示するもので
ある。直視型の表示装置9502、9503は本発明の逆スタガ型TFTによる画素領域
の周辺にスティックドライバを実装した液晶表示装置を用いることができる。
図34(A)はパーソナルコンピュータであり、本体9601、画像入力部9602、
表示装置9603、キーボード9604で構成される。表示装置9603は本発明の逆ス
タガ型TFTによる画素領域の周辺にスティックドライバを実装した液晶表示装置を用い
ることができる。
図34(B)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレ
ーヤーであり、本体9701、表示装置9702、スピーカ部9703、記録媒体970
4、操作スイッチ9705で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Di
gtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲー
ムやインターネットを行うことができる。表示装置9702は本発明の逆スタガ型TFT
による画素領域の周辺にスティックドライバを実装した液晶表示装置を用いることができ
る。
図34(C)はデジタルカメラであり、本体9801、表示装置9802、接眼部98
03、操作スイッチ9804、受像部(図示しない)で構成される。表示装置9802は
本発明の逆スタガ型TFTによる画素領域の周辺にスティックドライバを実装した液晶表
示装置を用いることができる。

Claims (3)

  1. トランジスタと、
    画素電極と、
    ゲート配線と、
    島状のパターンと、を有し、
    前記トランジスタは、前記画素電極に電気的に接続されており、
    前記トランジスタは、前記ゲート配線に電気的に接続されており、
    前記画素電極は、表面に凹凸を有し、
    前記画素電極の下方の領域に前記島状のパターンが設けられており、
    前記ゲート配線と、前記島状のパターンは、同一の導電膜をエッチング加工することによって形成されたものであることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1において、
    容量配線を有し、
    前記容量配線と、前記ゲート配線と、前記島状のパターンは、同一の導電膜をエッチング加工することによって形成されたものであることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    シフトレジスタ回路と、ラッチ回路と、レベルシフタ回路と、D/A変換回路と、を有し、
    前記シフトレジスタ回路は、第1のトランジスタを有し、
    前記ラッチ回路は、第2のトランジスタを有し、
    前記レベルシフタ回路は、第3のトランジスタを有し、
    前記D/A変換回路は、第4のトランジスタを有し、
    前記第1のトランジスタのチャネル長は、前記第3のトランジスタのチャネル長及び前記第4のトランジスタのチャネル長よりも短く、
    前記第2のトランジスタのチャネル長は、前記第3のトランジスタのチャネル長及び前記第4のトランジスタのチャネル長よりも短いことを特徴とする半導体装置。
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