JP4531518B2 - 帯電ローラ用のクリーニングローラ - Google Patents
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請求項3に記載の発明の帯電ローラ用のクリーニングローラは、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記メラミン系化合物は微粉末状のものであり、その粒子の平均粒子径が1〜10μmであることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明の帯電ローラ用のクリーニングローラは、熱可塑性樹脂にメラミン系化合物及び溶媒可溶性材料が配合されて成形され、溶媒にて溶媒可溶性材料が溶解されて平均直径が30〜500μmのセルが形成された多孔質体により構成されている。上記メラミン系化合物は帯電性を発現するものと推測され、帯電ローラ表面に存在するトナー等の荷電微粒子を吸引するものと考えられる。また、多孔質体は熱可塑性樹脂に基づくものであり、かつ多数のセルを形成する骨格を備えていることから、帯電ローラ表面に存在するトナーを含む異物を除去して大きな塊に成長させない研掃性を発揮することができる。
まず、画像形成装置について説明する。図3に示すように、円筒状をなす電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)11は一定方向(図3では時計方向)に回転するように構成されている。感光体11の上方位置には帯電ローラ12を備えた帯電部13が設けられ、帯電ローラ12は一定圧力で感光体11に押圧された状態で回転するように構成され、感光体11の表面をコロナ放電により一定電位に帯電させるようになっている。感光体11の回転方向において、帯電部13の隣接位置には露光部14が設けられ、その露光部14において記録されるべき画像や文字に対応するパターンがレーザー発振器やLED(発光ダイオード)にて光照射されて静電潜像として形成されるように構成されている。
1)帯電ローラ12表面に付着されているトナー18、外添剤等を連続的に除去して、ある程度の大きさ以上の塊に成長させない、十分な研掃性を持つこと。
2)帯電ローラ12表面には、帯電ローラ12全体の電気抵抗値を制御したり、ゴム弾力性層中に含まれる可塑剤や加硫剤等の成分のブリードやブルームを抑制し、トナー18や外添剤が表面から容易に離れるようにするため、薄いコーティング層が形成されている場合が多い。このコーティング層を削らないような適度な摩擦力を維持すること。
3)クリーニングローラ28から感光体11を汚染するような低分子成分を放出しないこと。
例えばポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂に、メラミンの微粉末、溶媒可溶性材料として塩化ナトリウム及び滑剤としてポリエチレングリコールを配合し、混練機にて加熱溶融して混練し、小ブロックを調製する。混練機としては、ニーダー、バンバリーミキサ、2軸型押出機、ヘンシェル型ミキサ等が用いられる。加熱温度は、熱可塑性樹脂が溶融する温度に設定される。混練時間は通常30〜40分程度である。次いで、前記小ブロックを加熱された押出機等の成形機に投入し、中空パイプ状に押出成形する。成形機としては、射出成形機等を用いることもできる。
・ 本実施形態における帯電ローラ12用のクリーニングローラ28は、熱可塑性樹脂にメラミン系化合物及び溶媒可溶性材料が配合され、溶媒にて溶媒可溶性材料が溶解されて平均直径が30〜500μmのセル31が形成された多孔質体29により構成されている。このため、メラミン系化合物が帯電性を発現するものと推測され、帯電ローラ12表面に存在するトナー18等の荷電微粒子を吸引し、クリーニングローラ28上に吸着させるものと考えられる。また、多孔質体29は熱可塑性樹脂で構成され、かつ多数のセル31を有する骨格30を備えていることから、トナー18等の異物を除去して大きな塊に成長させない研掃性を発揮することができる。さらに、熱可塑性樹脂の多孔質体29であるため、一定の弾力性を有し、適度な摩擦力を発揮することができる。従って、設計寿命まで非常に多くの印刷枚数を印刷しても帯電ローラ12表面を摩耗せずに、トナー18やトナー外添剤の付着を抑制することができる。よって、帯電ローラ12表面における異物の付着を抑制し、帯電ローラ12が異物に晒される頻度の増大と部品交換までの印刷枚数の増大に十分に対応できる耐久性を発揮することができる。
(実施例1)
エチレン−αオレフィン共重合体〔タフマーA4090;三井化学(株)製〕25体積%、メラミンの微粉末〔三井化学(株)製、平均粒子径1〜10μm〕15体積%、塩化ナトリウム〔100M;富田製薬(株)製、平均粒子径100μm〕48体積%及びポリエチレングリコール〔PEG、三洋化成(株)製〕12体積%の4成分を、一括して10Lのニーダーに投入した。メラミンの微粉末の配合量は、エチレン−αオレフィン共重合体とメラミンとの合計量中に37.5体積%である。そして、120℃で10分間、25rpmの撹拌速度にて溶融、混練し、数mm3の小ブロックに成形した。これを、ダイス温度140℃に加熱したスクリュー径40mmの一軸押出機のホッパーに投入し、外径12mm、内径5mmの中空パイプ状に押出成形した。
(実施例2)
実施例1において、エチレン−αオレフィン共重合体の配合量を27.5体積%、メラミンの微粉末の配合量を12.5体積%とする以外は実施例1と同様にしてクリーニングローラ28を製作した。メラミンの微粉末の配合量は、エチレン−αオレフィン共重合体とメラミンとの合計量中に31.3体積%である。
(実施例3)
実施例1において、エチレン−αオレフィン共重合体の配合量を22.5体積%、メラミンの微粉末の配合量を17.5体積%とする以外は実施例1と同様にしてクリーニングローラ28を製作した。メラミンの微粉末の配合量は、エチレン−αオレフィン共重合体とメラミンとの合計量中に43.8体積%である。
(実施例4)
実施例1において、塩化ナトリウムの平均粒子径を50μmとする以外は実施例1と同様にしてクリーニングローラ28を製作した。
(実施例5)
実施例1において、塩化ナトリウムの平均粒子径を200μmとする以外は実施例1と同様にしてクリーニングローラ28を製作した。
(比較例1)
メラミン樹脂発泡体(BASF社製)をクリーニングローラに加工したものを使用した。
(比較例2)
ポリウレタン樹脂発泡体のシート〔密度70kg/m3、セル数70個/25mm;(株)イノアックコーポレーション製〕の平らな面を帯電ローラに摺接させるように使用した。
(比較例3)
厚さ50μmのポリイミドフィルムのエッジ部分を帯電ローラに摺接させるように使用した。
(比較例4)
実施例1において、ポリエチレン系共重合体の配合量を30体積%とし、メラミンの微粉末の配合量を10体積%とする以外は、実施例1と同様にしてクリーニングローラを製作した。メラミンの微粉末の配合量は、エチレン−αオレフィン共重合体とメラミンとの合計量中に25.0体積%である。
(比較例5)
実施例1において、ポリエチレン系共重合体の配合量を20体積%とし、メラミンの微粉末の配合量を25体積%としたところ、押出成形ができず、中空パイプ状のクリーニングローラは得られなかった。メラミンの微粉末の配合量は、エチレン−αオレフィン共重合体とメラミンとの合計量中に55.6体積%である。
(比較例6)
実施例1において、混合する塩化ナトリウムの平均粒子径を20μmとし、得られた多孔質体のセルの平均直径を20μmとした以外は実施例1と同様にしてクリーニングローラを製作した。
<評価方法>
市販のプリンタ〔IPSiO9000、(株)リコー製〕のドラムカートリッジに、実施例1〜5、比較例1〜4及び比較例6のクリーニングローラを組み込み、10℃、15%RHの環境において、被覆率5%の文字パターンを連続して印刷した。そして、5千枚ごとに帯電ローラ12の表面状態を観察し、マゼンタ25%ベタ濃度のテストパターンを印刷し、最終的にはこのカートリッジの設計寿命である6万枚までの帯電ローラ12の表面状態と画像の状態とを観察した。それらの結果を表1に示した。
・ 前記メラミン系化合物の微粉末に加えて、水酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕、炭酸カルシウム(CaCO3)等の微粉末を配合することもできる。
・ クリーニングローラ28を複数備え、それぞれ帯電ローラ12に接触させるように構成することも可能である。
・ 前記クリーニングローラを形成する原料には滑剤が配合されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の帯電ローラ用のクリーニングローラ。このように構成した場合、原料を溶融して成形する際に流動性が良好となり、三次元の連通構造を有するセルを安定して得ることができる。
Claims (3)
- 回転する電子写真感光体に接触する帯電ローラにより電子写真感光体の表面を帯電させた後、露光部で露光して静電潜像を形成し、その静電潜像に現像部よりトナーを供給し現像してトナー像を形成し、そのトナー像を記録用紙に転写するように構成した画像形成装置の前記帯電ローラに接触し、トナーを含む異物を除去するためのクリーニングローラにおいて、
その原料として熱可塑性樹脂にメラミン系化合物をそれらの合計量中に30〜50体積%配合し、さらに溶媒可溶性材料を配合し、溶融して成形され、溶媒で前記溶媒可溶性材料が溶解されることにより平均直径が30〜500μmのセルが形成された多孔質体により構成されていることを特徴とする帯電ローラ用のクリーニングローラ。 - 前記熱可塑性樹脂はポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の帯電ローラ用のクリーニングローラ。
- 前記メラミン系化合物は微粉末状のものであり、その粒子の平均粒子径が1〜10μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯電ローラ用のクリーニングローラ。
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