JP4530832B2 - 美白用皮膚外用剤、美白剤、美白方法および美白用皮膚外用剤の製造方法 - Google Patents
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Description
Saururus chinensis はハンゲショウと呼ばれ、利尿剤に用いられる事が知られている。
Streptocaulon griffithii は風邪の発熱、コレラ、急性胃腸炎、赤痢、心胃気邪の痛み等に用いられる事が知られている。
Toddalia asiatica はサルカケミカンと呼ばれ、風邪、吐血、咳、胃痛、リウマチ性の痺れと痛み等に用いられる事が知られている。
Tadehagi triquetrum はタデハギと呼ばれ、風邪の発熱、肝炎、腎臓炎、小児消化不良、妊娠、嘔吐、湿熱性下痢、皮膚潰瘍、せつ等に用いられる事が知られている。
本発明の美白剤によれば、該美白剤を用いることにより、メラニン生成抑制作用を有しており、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白に優れた効果を有すると共に、安全性にも優れた美白用皮膚外用剤を提供することができる。
また本発明によれば、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白に優れた効果を有すると共に、安全性にも優れた美白方法が提供される。
さらに、本発明による美白用皮膚外用剤の製造方法によれば、メラニン生成抑制作用を有しており、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白に優れた効果を有すると共に、安全性にも優れた美白用皮膚外用剤を製造することができる。
本発明の美白剤に用いられるPilea cavaleriei 、Saururus chinensis 、Streptocaulon griffithii 、Toddalia asiatica 、およびTadehagi triquetrum は、特に中国、日本、東南アジアなどに生育する植物である。
1.試料の調製
(1)Pilea cavaleriei 抽出液
Pilea cavaleriei の全草60gを、室温で1週間メタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、メタノール抽出物1.6gを得た。この抽出物をDMSOに1質量%溶かし、この溶液を希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
(2)Saururus chinensis 抽出液
Saururus chinensis の根および地下茎部分31gを、室温で1週間メタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、メタノール抽出物1.6gを得た。この抽出物をDMSOに1質量%溶かし、この溶液を希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
(3)Streptocaulon griffithii 抽出液
Streptocaulon griffithii の根部分30gを、室温で1週間メタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、メタノール抽出物1.4gを得た。この抽出物をDMSOに1質量%溶かし、この溶液を希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
(4)Toddalia asiatica 抽出液
Toddalia asiatica の根部分33gを、室温で1週間メタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、メタノール抽出物2.9gを得た。この抽出物をDMSOに1質量%溶かし、この溶液を希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
(5)Tadehagi triquetrum 抽出液
Tadehagi triquetrum の全草30gを、室温で1週間メタノールに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、メタノール抽出物3.0gを得た。この抽出物をDMSOに1質量%溶かし、この溶液を希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
マウスB16メラノーマ培養細胞を使用した。10%FBSおよびテオフィリン(0.09mg/ml)を含むイーグルMEM培地中でCO2インキュベーター(95%空気,5%二酸化炭素)内、37℃の条件下で培養した。培養24時間後に試料溶液を終濃度(抽出乾燥物換算濃度)で2×10-3〜10-5重量%になるように添加し、さらに3日間培養を続け、以下の方法でメラニン生成量の視感判定を測定した。
プレートの蓋上に拡散板を置き、倒立顕微鏡で細胞数と細胞内のメラニン量を観察し、Pilea cavaleriei 、Saururus chinensis 、Streptocaulon griffithii 、Toddalia asiatica 、Tadehagi triquetrum の抽出物を添加していない試料(基準)の場合と比較した。その結果を表1に表示した。また、参考例として、すでにメラニン生成抑制作用のあることが知られているアルブチンについても上記と同様の試験を行った。その結果を併せて表1に示す。細胞増殖については、試験したすべての試料において「抑制なし」の結果であった。
○:白(メラニン量)
△:やや白(メラニン量)
×:基準(メラニン量)
(4−1)美白剤配合皮膚外用剤の調製
美白剤を各試料として、下記の処方に調製した。調製方法は常法に従いアルコール相および水相を調製して行った。
(アルコール相)
99%エタノール 70.0 質量%
「表2」記載の美白剤 「表2」記載の量
(水相)
グリセリン 5.0
イオン交換水 残余
紫外線を曝露したパネル(n=5)の皮膚を対象として、紫外線を曝露した日の14日後より、各処方液を1日1回ずつ8週間塗布した。塗布終了後、紫外線照射によって誘導される色素沈着に対して抑制効果があるかどうかを試験終了時に4段階の評価基準で調べた。結果を表2に示す。
(評価基準)
4:著効
3:有効
2:やや有効
1:効果なし
なお、実施例2および実施例7はいずれも本発明に含まれない参考例としての例である。
(処方)
ステアリン酸 5.0 質量%
ステアリルアルコール 4.0
イソプロピルミリステート 18.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
プロピレングリコール 10.0
Pilea cavalerieiエタノール抽出物 0.01
苛性カリ 0.2
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
防腐剤 適量
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールとPilea cavaleriei エタノール抽出物と苛性カリを加え溶解し、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を徐々に加え、全部加え終わってからしばらくその温度に保ち反応を起こさせる。その後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
(処方)
ステアリン酸 2.0 質量%
ステアリルアルコール 7.0
水添ラノリン 2.0
スクワラン 5.0
2−オクチルドデシルアルコール 6.0
ポリオキシエチレン(25モル)
セチルアルコールエーテル 3.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
プロピレングリコール 5.0
Saururus chinensis ヘキサン抽出物 0.05
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
(処方)
固形パラフィン 5.0 質量%
ミツロウ 10.0
ワセリン 15.0
流動パラフィン 41.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
ポリオキシエチレン(20モル)
ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0
石けん粉末 0.1
硼砂 0.2
Streptocaulon griffithii アセトン抽出物 0.05
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水に石けん粉末と硼砂を加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相をかきまぜながら徐々に加え反応を行う。反応終了後、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
(処方)
ステアリン酸 2.5 質量%
セチルアルコール 1.5
ワセリン 5.0
流動パラフィン 10.0
ポリオキシエチレン(10モル)モノオレイン酸エステル 2.0
ポリエチレングリコール1500 3.0
トリエタノールアミン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.05
(商品名:カーボポール941,B.F.Goodrich Chemical company)
Toddalia asiatica 酢酸エチルエステル抽出物 0.01
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマーを溶解する(A相)。残りのイオン交換水にポリエチレングリコール1500とトリエタノールアミンを加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、A相を加えホモミキサーで均一乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
(処方)
マイクロクリスタリンワックス 1.0 質量%
密ロウ 2.0
ラノリン 20.0
流動パラフィン 10.0
スクワラン 5.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0
ポリオキシエチレン(20モル)
ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
プロピレングリコール 7.0
Tadehagi triquetrum 水抽出物 10.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ(油相)。油相をかきまぜながらこれに水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化する。乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
(処方)
95%エチルアルコール 10.0 質量%
ジプロピレングリコール 15.0
ポリオキシエチレン(50モル)
オレイルアルコールエーテル 2.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
(商品名:カーボポール940,B.F.Goodrich Chemical company)
苛性ソーダ 0.15
L−アルギニン 0.1
Pilea cavaleriei50%エタノール水溶液抽出物 7.0
2-ヒドロキシ-4-
メトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム 0.05
エチレンジアミンテトラアセテート・3ナトリウム・2水 0.05
メチルパラベン 0.2
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にカーボポール940を均一に溶解し、一方、95%エタノールにPilea cavaleriei 50%エタノール水溶液抽出物、ポリオキシエチレン(50モル)オレイルアルコールエーテルを溶解し、水相に添加する。次いで、その他の成分を加えたのち苛性ソーダ、L−アルギニンで中和させ増粘する。
(処方)
(A相)
エチルアルコール(95%) 10.0 質量%
ポリオキシエチレン(20モル)
オクチルドデカノール 1.0
パントテニールエチルエーテル 0.1
Saururus chinensis エタノール抽出物 1.5
メチルパラベン 0.15
(B相)
水酸化カリウム 0.1
(C相)
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 10.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
カルボキシビニルポリマー 0.2
(商品名:カーボポール940,B.F.Goodrich Chemical company)
精製水 残余
(製法)
A相、C相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA相を加えて可溶化する。次いでB相を加えたのち充填を行う。
(処方)
(A相)
ジプロピレングリコール 5.0 質量%
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 5.0
(B相)
Streptocaulon griffithii エタノール抽出物 0.01
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
エチルパラベン 0.2
香料 0.2
(C相)
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール 13.0
(ケン化度90、重合度2,000)
エタノール 7.0
精製水 残余
(製法)
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化する。次いでこれをC相に加えたのち充填を行う。
(処方)
タルク 43.1 質量%
カオリン 15.0
セリサイト 10.0
亜鉛華 7.0
二酸化チタン 3.8
黄色酸化鉄 2.9
黒色酸化鉄 0.2
スクワラン 8.0
イソステアリン酸 4.0
モノオレイン酸POEソルビタン 3.0
オクタン酸イソセチル 2.0
Toddalia asiatica エタノール抽出物 1.0
防腐剤 適量
香料 適量
(製法)
タルク〜黒色酸化鉄の粉末成分をブレンダーで十分混合し、これにスクワラン〜オクタン酸イソセチルの油性成分、Toddalia asiatica エタノール抽出物、防腐剤、香料を加え良く混練した後、容器に充填、成型する。
(処方)
(粉体部)
二酸化チタン 10.3 質量%
セリサイト 5.4
カオリン 3.0
黄色酸化鉄 0.8
ベンガラ 0.3
黒色酸化鉄 0.2
(油相)
デカメチルシクロペンタシロキサン 11.5
流動パラフィン 4.5
ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 4.0
(水相)
精製水 50.0
1,3−ブチレングルコール 4.5
Tadehagi triquetrum エタノール抽出物 1.5
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 3.0
防腐剤 適量
香料 適量
(製法)
水相を加熱攪拌後、十分に混合粉砕した粉体部を添加してホモミキサー処理する。更に加熱混合した油相を加えてホモミキサー処理した後、攪拌しながら香料を添加して室温まで冷却する。
Claims (4)
- イラクサ科 (Urticaceae) 植物の Pilea cavaleriei 、ガガイモ科 (Asclepiadaceae) 植物の Streptocaulon griffithii、ミカン科 (Rutaceae) 植物の Toddalia asiatica、及びマメ科 (Leguminosae) 植物の Tadehagi triquetrum からなる群より選択される1種又は2種以上の植物の抽出物を0.001〜20.0質量%配合することを特徴とする美白用皮膚外用剤。
- イラクサ科 (Urticaceae) 植物の Pilea cavaleriei 、ガガイモ科 (Asclepiadaceae) 植物の Streptocaulon griffithii、ミカン科 (Rutaceae) 植物の Toddalia asiatica、及びマメ科 (Leguminosae) 植物の Tadehagi triquetrum からなる群より選択される1種又は2種以上の植物の抽出物からなることを特徴とする美白剤。
- 請求項2に記載の美白剤を用いて肌の美白を行うことを特徴とする美白方法。
- 請求項2に記載の美白剤を水相または油相に添加して美白用皮膚外用剤を製造することを特徴とする美白用皮膚外用剤の製造方法。
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