JP4530750B2 - ロックアップクラッチ付き流体伝動装置 - Google Patents

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Description

本発明は,ロックアップクラッチのクラッチピストンに形成された環状のスプリング収容溝に複数のダンパスプリングを環状に配列して収容すると共に,隣接するダンパスプリング間に挿入される複数の第1伝動爪をクラッチピストンに固設し,また第1伝動爪と対向しながら隣接するダンパスプリング間に挿入される複数の第2伝動爪の支持部をタービン羽根車のシェルの外周面にレーザビームにより形成される溶接部を介して接合した,ロックアップクラッチ付き流体伝動装置の改良に関する。
かゝるロックアップクラッチ付き流体伝動装置は,例えば下記特許文献1に開示されているように,既に知られている。
特許第3001853号公報
第2伝動爪の支持部がタービン羽根車のシェルの外周面にレーザビームにより溶接されるものでは,TIG溶接時に発生するようなスパッタの付着がなく,また溶接ビードのような肉の盛り上がりが形成されないから,溶接後の仕上げ加工を不要にしながら,外観を良好にすると共にコストの低減を図ることができる。
ところで,特許文献1に開示されるものでは,第2伝動爪の支持部とタービン羽根車のシェルとの重なり部の内隅にレーザビームを出射して,両者を溶接するようにしているが,こうしたものでは,溶接状態の良否の確認が困難である。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,第2伝動爪の支持部とタービン羽根車のシェルとのレーザビームによる溶接を容易に行うことができると共に,その溶接状態の良否を簡単に目視確認し得るようにした,前記ロックアップクラッチ付き流体伝動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,ロックアップクラッチのクラッチピストンに形成された環状のスプリング収容溝に複数のダンパスプリングを環状に配列して収容すると共に,隣接するダンパスプリング間に挿入される複数の第1伝動爪をクラッチピストンに固設し,また第1伝動爪と対向しながら隣接するダンパスプリング間に挿入される複数の第2伝動爪の支持部をタービン羽根車の椀状のシェルの外周面にレーザビームにより形成される溶接部を介して接合した,ロックアップクラッチ付き流体伝動装置において,前記シェルの外周面に対する前記支持部の当接部を,この支持部の,前記シェルの外周面の母線に沿う両側端の2点とすると共に,その2点間では前記シェル及び支持部間に間隔が生じるように,前記2点間を結ぶ前記支持部の内周面の曲面の曲率半径を,前記シェルの外周面の母線の曲率半径より小さく設定し,前記溶接部を,該溶接部のレーザビームによる溶け込みが前記支持部外周面から前記シェルの内周面に達するようにして,前記2点間で前記シェルの周方向に沿って線状に延び,互いに離間した少なくとも2条形成し,それら溶接部の両側に前記間隙を残存させたことを第1の特徴とする。
また本発明は,第1の特徴に加えて,各第2伝動爪を,隣接するダンパスプリング間に挿入される爪部と,この爪部の根元に一体に連なり,且つタービン羽根車の周方向に沿う幅が爪部の幅より大きく設定される支持部とで構成し,この支持部及び前記シェル間を,前記周方向に沿って前記爪部の前記幅よりも長く形成される前記溶接部を介して接合したことを第の特徴とする。
さらにまた本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,線状の前記溶接部を,その両端が前記支持部の端縁に達しないように形成したことを第の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,溶接時には,レーザ溶接機からのレーザビームを第2伝動爪の支持部外面に出射しながら,レーザ溶接機及びシェルを,シェルの軸線周りに相対回転することにより,所望長さの線状の溶接部を容易,確実に形成することができ,支持部及びシェルに所望の接合強度を与えることができる。しかも線状の正常な溶接部の溶け込みは,シェルの内周面にまで達して,その内面に線状の変色部を形成することになるから,その変色部の有無を目視検査するだけで,溶接部の良否を簡単,確実に判定することができ,品質の向上に寄与し得る。さらにレーザビームによる溶接部への入熱は比較的少ないので,シェルの熱歪みを防ぎ,タービン羽根車の品質の安定化を図ることができる。
また,シェルの外周面に対する支持部の当接部を,この支持部の,シェルの外周面の母線に沿う両側端の2点とすると共に,その2点間ではシェル及び支持部間に間隔が生じるように,前記2点間を結ぶ支持部の内周面の曲面の曲率半径を,シェルの外周面の母線の曲率半径より小さく設定し,溶接部の両側に前記間隙を残存させたことで,支持部及びシェルの対向面間には,各溶接部を囲む間隙が設けられるので,レーザ溶接により線状の溶接部を形成するとき,その溶融状態の溶接部で発生するガスを周囲の間隙へ速やかに流出させ,ガスによるブローホールの発生を防いで,良質の溶接部を形成することができ,支持部及びシェルの所望所定通りの接合強度を確保し得る。しかも溶接部を,シェルの外周面に対する支持部の当接部の前記2点間でシェルの周方向に沿って線状に延び,互いに離間した少なくとも2条形成したことで,支持部及びシェルの接合強度を効果的に増強し得ると共に,伝動中,各溶接部に応力を分散させて,各溶接部の耐久性を高めることができる。
さらに本発明の第の特徴によれば,線状の溶接部を爪部の幅よりも長く形成することを可能にして,支持部及びシェルの接合強度を効果的に増強することができる。
さらにまた本発明の第の特徴によれば,線状の溶接部の両端を支持部の端縁の手前で終わらせることにより,支持部の端縁のレーザビームによる溶け欠けを防ぎ,その端縁の溶け欠けによる強度低下を防ぐことができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の第1実施例に係るロックアップクラッチ付きトルクコンバータの上半部縦断側面図,図2は図1の2−2線断面図,図3は図1の3部拡大図,図4は図3の4矢視図,図5は本発明の第2実施例を示す,図4との対応図である。
先ず,図1において,流体伝動装置としてのトルクコンバータTは,ポンプ羽根車2と,それと対置されるタービン羽根車3と,それらの内周部間に配置されるステータ羽根車4とを備え,これら三羽根車2,3,4間に作動オイルによる動力伝達のための循環回路6が画成される。
ポンプ羽根車2には,タービン羽根車3の外側面を覆う伝動カバー5が溶接により一体的に連設される。伝動カバー5の外周面には,始動用のリングギヤ7が溶接されており,クランク軸1に結合した駆動板8がこのリングギヤ7にボルト9で固着される。タービン羽根車3のハブ3hと伝動カバー5との間にスラストニードルベアリング36が介裝される。
トルクコンバータTの中心部にクランク軸1と同軸上に並ぶ出力軸10が配置され,この出力軸10は,タービン羽根車3のハブ3hにスプライン嵌合されると共に,伝動カバー5のハブ5hの内周面に軸受ブッシュ18を介して回転自在に支承される。出力軸10は図示しない多段変速機の主軸となる。
出力軸10の外周には,ステータ羽根車4のハブ4hをフリーホイール11を介して支承する円筒状のステータ軸12が配置され,これら出力軸10及びステータ軸12間には,それらの相対回転を許容する軸受ブッシュ13が介裝される。ステータ軸12の外端部はミッションケース14に回転不能に支持される。
ステータ羽根車4のハブ4hと,これに対向するポンプ羽根車2及びタービン羽根車3の各ハブ2h,3hとの間にはスラストニードルベアリング37,37′が介裝される。
またステータ軸12の外周には,ポンプ羽根車2のハブ2hに連設した補機駆動軸20が相対回転可能に配置され,この補機駆動軸20によって,トルクコンバータTに作動オイルを供給するオイルポンプ21が駆動される。
タービン羽根車3及び伝動カバー5は,それらの間にクラッチ室22を画成して,タービン羽根車3及び伝動カバー5間を直結し得るロックアップクラッチLcを収容する。ロックアップクラッチLcの主体をなすクラッチピストン25は,クラッチ室22をタービン羽根車3側の内側室22aと伝動カバー5側の外側室22bとに区画するようにクラッチ室22に配置される。このクラッチピストン25は,伝動カバー5側に膨出する環状のウェブ25aと,このウェブ25aの外周縁からタービン羽根車3側に屈曲するリム25bとを備えており,ウェブ25aには,伝動カバー5の内側面に対向する摩擦ライニング28が付設される。クラッチピストン25は,この摩擦ライニング28を伝動カバー5の内側面に圧接させる接続位置と,その内壁から離間する非接続位置との間を軸方向に移動し得るように,タービン羽根車3のハブ3hの外周面に摺動可能に支承される。
図1及び図2に示すように,クラッチ室22には,また,クラッチピストン25及びタービン羽根車3間を緩衝的に連結するトルクダンパDpが配設される。このトルクダンパDpは,クラッチピストン25のリム25bと協働して環状のスプリング収容溝31を画成すべくクラッチピストン25にリベット35で固着される環状のスプリング保持部材30と,スプリング収容溝31に収容されて環状に配列される複数(図示例では3個)のコイル状ダンパスプリング32,32…と,スプリング保持部材30に形成されて各隣接するダンパスプリング32,32間に挿入される複数(ダンパスプリング32と同数)の第1伝動爪33と,タービン羽根車3の椀状のシェル3s外周面に溶接され,第1伝動爪33と対向しながら各隣接するダンパスプリング32,32間に挿入される複数(ダンパスプリング32と同数)の第2伝動爪34,34…とで構成される。環状のスプリング保持部材30は,図示例では,各第1伝動爪33の中央部で周方向に分割された複数の扇形部片30a,30a…で構成される。
出力軸10の中心部には,横孔39及びスラストニードルベアリング36を介してクラッチ室22の外側室22bに連通する第1油路40が設けられる。また補機駆動軸20とステータ軸12との間には,スラストニードルベアリング37,37′及びフリーホイール11を介して循環回路6の内周部に連通する第2油路41が画成され,これら第1油路40及び第2油路41は,ロックアップ制御弁42により,オイルポンプ21の吐出側とオイル溜め43とに交互に接続されるようになっている。
而して,エンジンのアイドリングないし極低速運転域では,ロックアップ制御弁42は,図1に示すように,第1油路40をオイルポンプ21の吐出側に接続する一方,第2油路41をオイル溜め43に接続するように,図示しない電子制御ユニットにより制御される。したがって,エンジンのクランク軸1の出力トルクが駆動板8,伝動カバー5,ポンプ羽根車2へと伝達して,それを回転駆動し,更にオイルポンプ21をも駆動すると,オイルポンプ21の吐出作動オイルがロックアップ制御弁42から第1油路40,横孔39及びスラストニードルベアリング36,クラッチ室22の外側室22b,内側室22aを順次経て循環回路6に流入し,該回路6を満たした後,スラストニードルベアリング37,37′及びフリーホイール11を順次経て第2油路41に移り,ロックアップ制御弁42からオイル溜め43に還流する。
而して,クラッチ室22では,上記のような作動オイルの流れにより外側室22bの方が内側室22aよりも高圧となり,その圧力差によりクラッチピストン25が伝動カバー5の内壁から引き離される方向へ押圧されるので,ロックアップクラッチLcは非接続状態となっており,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3の相対回転を許容している。したがって,クランク軸1からポンプ羽根車2が回転駆動されると,循環回路6を満たしている作動オイルが矢印のように循環回路6を循環することにより,ポンプ羽根車3の回転トルクをタービン羽根車3に伝達し,出力軸10を駆動する。
このとき,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3間でトルクの増幅作用が生じていれば,それに伴う反力がステータ羽根車4に負担され,ステータ羽根車4は,フリーホイール11のロック作用により固定される。
トルク増幅作用を終えると,ステータ羽根車4は,これが受けるトルク方向の反転により,フリーホイール11を空転させながらポンプ羽根車2及びタービン羽根車3と共に同一方向へ回転するようになる。
トルクコンバータTがこのようなカップリング状態となったところで,電子制御ユニットによりロックアップ制御弁42を切換える。その結果,オイルポンプ21の吐出作動オイルは,先刻とは反対に,ロックアップ制御弁42から第2油路41を経て循環回路6に流入して,該回路6を満たした後,クラッチ室22の内側室22aに移って,該内側室22aをも満たす。一方,クラッチ室22の外側室22bは,第1油路40及びロックアップ制御弁42を介してオイル溜め43に開放されるので,クラッチ室22では,内側室22aの方が外側室22bよりも高圧となり,クラッチピストン25は,その圧力差により伝動カバー5側に押圧され,摩擦ライニング28を伝動カバー5の内側壁に圧接させ,ロックアップクラッチLcは接続状態となる。すると,クランク軸1からポンプ羽根車2に伝達した回転トルクは,伝動カバー5からクラッチピストン25,複数の第1伝動爪33,33…,ダンパスプリング32,32…及び複数の第2伝動爪34,34…を介してタービン羽根車3に機械的に伝達することになるから,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3は直結の状態となり,クランク軸1の出力トルクを出力軸10に効率良く伝達することができ,燃費の低減を図ることができる。このとき,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3間で急激なトルク変動が生ずると,ダンパスプリング32が第1及び第2伝動爪33,34間で圧縮され,これに伴いポンプ羽根車2及びタービン羽根車3が相対回転することでトルクショックを吸収することができる。
さて,図3及び図4により,第2伝動爪34のタービン羽根車3のシェル3s外周面への,レーザ溶接による接合構造について説明する。
シェル3sの周方向に沿って配列する複数の第2伝動爪34,34…はそれぞれ分離独立している。各第2伝動爪34は,第1伝動爪33と対向して相隣るダンパスプリング32,32間に挿入される爪部34aと,この爪部34aの根元に一体に連なる矩形の支持部34bとから構成され,全体としてT字形をなしており,鋼板の打ち抜き加工により製作される。その際,支持部34bの,タービン羽根車3の周方向Dに沿う幅Aは爪部34aの幅Bより大きく設定される。この支持部34bがタービン羽根車3のシェル3sの外周面に,レーザ溶接機Wから出射されるレーザビームLにより形成される溶接部40を介して接合される。この溶接部40は,レーザビームLによる溶け込みが支持部34bの外面から前記シェル3sの内周面に達するように,且つシェル3sの周方向に沿う線状に形成される。
而して,溶接時には,レーザ溶接機WからのレーザビームLを第2伝動爪34の支持部34b外面に出射しながら,レーザ溶接機W及びシェル3sを,シェル3sの軸線周りに相対回転することにより,所望長さの線状の溶接部40を容易,確実に形成することができ,支持部34b及びシェル3sに所望の接合強度を与えることができる。しかも線状の正常な溶接部40の溶け込みは,シェル3sの内周面にまで達して,その内面に線状の変色部を形成することになるから,その変色部の有無を目視検査するだけで,溶接部40の良否を簡単,確実に判定することができ,品質の向上に寄与し得る。さらにレーザビームLにより形成される溶接部40への入熱は比較的少ないので,シェル3sの熱歪みを防ぎ,タービン羽根車3の品質の安定化を図ることができる。
またシェル3sの周方向Dに延びる線状の溶接部40は,互いに離間する複数条,図示例では2条となっており,これら溶接部40の長さCは爪部34aの幅Bより長く設定される。そして各溶接部40の両端は,支持部34bの端縁の手前で終わっている。
而して,シェル3sの周方向Dに沿って爪部34aの幅Bより長く延びる線状の溶接部40を,互いに離間した少なくとも2条とすることにより,支持部34b及びシェル3sの接合強度を効果的に増強し得ると共に,伝動中,各溶接部40に応力を分散させて,各溶接部40の耐久性を高めることができる。また各溶接部40の両端を支持部34bの端縁の手前で終わらせることで,支持部34bの端縁のレーザビームLによる溶け欠けを防ぎ,その端縁の溶け欠けによる強度低下を防ぐことができ,高トルクの伝達に耐えることができる。
さらに支持部34b及びシェル3sの対向面間には,各溶接部40を囲む間隙gが設けられる。具体的には,支持部34bの,シェル3sに対向する内周面の,シェル3sの外周面の母線に沿う曲面の曲率半径rが,対応するシェル3sの外周面の母線の曲率半径Rよりも小さく設定される。その結果,レーザ溶接に当たり,支持部34bをシェル3sの外周面に重ねたとき,支持部34bは,シェル3sの外周面の母線に沿う両側端の2点でシェル3sの外周面に当接し,その他の部分ではシェル3sの外周面との間に間隙gが生じる。そこで上記2条の溶接部40,40を形成すべく,上記間隙gの存在する部分,即ち前記2点間において前記2点に近接した個所でレーザビームLを支持部34bの外面に出射して,支持部34bの外面からシェル3sの内周面に達する溶け込みを生じさせるとき,その溶融部で発生するガスを周囲の間隙gへ速やかに流出させることができる。特に,第2伝動爪34に耐摩耗性確保のための窒化処理を予め施した場合には,窒化層から発生する窒素ガスを溶接部40周囲の間隙gへスムーズに排出させることができ,したがってガスによるブローホールの発生を防いで,良質の溶接部40を形成することが可能となり,支持部34b及びシェル3sの所望所定通りの接合強度を確保することができる。
複数の第2伝動爪34,34…はそれぞれ分離独立しているので,鋼板から多数の第2伝動爪34を歩留まり良く打ち抜くことができ,しかもトルコンバータTの仕様に応じて,第2伝動爪34の使用個数と,取り付けピッチを自由に設定することにより,各種トルコンバータTに適用可能となり,これらにより製作コストの大幅な低減をもたらすことができる。また複数の第2伝動爪34,34…はタービン羽根車3の外周面に分散配置されることで,それらの間には作動流体の流れを阻害するものを存在させず,したがってロックアップクラッチLcへの作動流体の流れがスムーズとなり,その応答性向上にも寄与し得る。
次に,図5に示す本発明の第2実施例について説明する。
この第2実施例は,環状配列の複数の第2伝動爪34,34…の支持部34bを,その支持部34bより横幅の狭い連結帯部41を介して相互に一体に連結したもので,その他の構成は,前実施例と同様である。したがって,各第2伝動爪34の支持部34bは,前実施例と同様に,レーザビームLにより形成される線状の複数条の溶接部40,40を介してタービン羽根車3のシェル3s外面に接合される。尚,図4中,前実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
この第2実施例によれば,複数の第2伝動爪34,34…の支持部34bは,連結帯部41を介して環状に連結されることになるから,これらのシェル3sへのレーザ溶接に際しては,複数の第2伝動爪34,34…相互の位置決めを行う位置決め治具を使用する必要がなく,溶接作業の能率向上を図ることができる。また連結帯部41の横幅を支持部34bのそれより狭めたので,連結帯部41による重量増を極力抑えることができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,本発明は,ステータ羽根車を持たない流体継手にも適用することができる。
本発明の第1実施例に係るロックアップクラッチ付きトルクコンバータの上半部縦断側面図。 図1の2−2線断面図。 図1の3部拡大図。 図3の4矢視図。 本発明の第2実施例を示す,図4との対応図。
D・・・・・・タービン羽根車の周方向
Dp・・・・・トルクダンパ
L・・・・・・レーザビーム
Lc・・・・・ロックアップクラッチ
R・・・・・・シェルの,外周面の母線に沿う曲面の曲率半径
T・・・・・・流体伝動装置(トルクコンバータ)
g・・・・・・間隙
r・・・・・・支持部の,シェルの外周面の母線に沿う曲面の曲率半径
3・・・・・・タービン羽根車
3s・・・・・タービン羽根車のシェル
25・・・・・クラッチピストン
31・・・・・スプリング収容溝
32・・・・・ダンパスプリング
33・・・・・第1伝動爪
34・・・・・第2伝動爪
34a・・・・爪部
34b・・・・支持部
40・・・・・溶接部


Claims (3)

  1. ロックアップクラッチ(Lc)のクラッチピストン(25)に形成された環状のスプリング収容溝(31)に複数のダンパスプリング(32)を環状に配列して収容すると共に,隣接するダンパスプリング(32)間に挿入される複数の第1伝動爪(33)をクラッチピストン(25)に固設し,また第1伝動爪(33)と対向しながら隣接するダンパスプリング(32)間に挿入される複数の第2伝動爪(34)の支持部(34b)をタービン羽根車(3)の椀状のシェル(3s)の外周面にレーザビーム(L)により形成される溶接部(40)を介して接合した,ロックアップクラッチ付き流体伝動装置において,
    前記シェル(3s)の外周面に対する前記支持部(34b)の当接部を,この支持部(34b)の,前記シェル(3s)の外周面の母線に沿う両側端の2点とすると共に,その2点間では前記シェル(3s)及び支持部(34b)間に間隔(g)が生じるように,前記2点間を結ぶ前記支持部(34b)の内周面の曲面の曲率半径を,前記シェル(3s)の外周面の母線の曲率半径より小さく設定し,
    前記溶接部(40)を,該溶接部(40)のレーザビームによる溶け込みが前記支持部(34b)外周面から前記シェル(3s)の内周面に達するようにして,前記2点間で前記シェル(3s)の周方向に沿って線状に延び,互いに離間した少なくとも2条形成し,それら溶接部(40)の両側に前記間隙(g)を残存させたことを特徴とする,ロックアップクラッチ付き流体伝動装置。
  2. 請求項1記載のロックアップクラッチ付き流体伝動装置において,
    各第2伝動爪(34)を,隣接するダンパスプリング(32)間に挿入される爪部(34a)と,この爪部(34a)の根元に一体に連なり,且つタービン羽根車(3)の周方向(D)に沿う幅(A)が爪部(34a)の幅(B)より大きく設定される支持部(34b)とで構成し,この支持部(34b)及び前記シェル(3s)間を,前記周方向(D)に沿って前記爪部(34a)の前記幅(B)よりも長く形成される前記溶接部(40)を介して接合したことを特徴とする,ロックアップクラッチ付き流体伝動装置。
  3. 請求項1又は2記載のロックアップクラッチ付き流体伝動装置において,
    線状の前記溶接部(40)を,その両端が前記支持部(34b)の端縁に達しないように形成したことを特徴とする,ロックアップクラッチ付き流体伝動装置。
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