上記した特許文献1における技術によれば、インクカートリッジのインク残量が希少になると、プリンタは、型番がプリントされた警告書を出力するので、ユーザは、インクカートリッジの型番を調べてメモしておく等の手間を省くことができるという利点を有するものの、次のような問題を有している。
すなわち、残り少ないインクを使用して上記警告書のプリントを行うため、カートリッジ内の本来必要とするインクが一層減少するし、プリント用紙が無駄に消費される。また、上記警告書のプリントが、通常のプリントが開始される際、またはプリント中に生じると、本来のプリント動作のスループットが低下するのみならず、通常のプリント済み書類の中に警告書が紛れ込むことにもなり、ユーザは警告書がプリントされていることに気付かない場合もある。
一方、上記特許文献2における技術によれば、残り少ないインクカートリッジ内のインクが一層減少する、プリント用紙が無駄に消費される等の、特許文献1における問題は生じないものの、次のような問題を有している。
すなわち、インク残量が希少になったことを検出すると所定の発注先にオートダイヤルするため、インクカートリッジのストックをユーザが既に保有している場合であっても、インクカートリッジの注文は自動で行われてしまい、ユーザの意に反する事態が生じる。
本発明は上記問題を解決することを課題としてなされたものであり、ユーザがプリント装置消耗品の消耗程度を確認した上で消耗品の購入手続を行うことができるプリント装置消耗品購入システムを提供すること、及びそのシステムに利用されるプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1のプリント装置消耗品購入システムは、
印字媒体に印字を行うプリント装置と、
前記プリント装置に関する情報を表示可能な表示手段と、
前記プリント装置に用いられる消耗品の消耗程度を表すステイタス画面を前記表示手段に表示すると共に、少なくとも前記消耗品の配達購入を要求するための配達購入ボタンを前記ステイタス画面内に表示する制御手段と
を備えたことを特徴とする。
このプリント装置消耗品購入システムでは、プリント装置の消耗品の消耗程度を表すステイタス画面を表示手段に表示すると共に、少なくとも消耗品の配達購入を要求するための配達購入ボタンをそのステイタス画面内に表示する。ここで「配達購入」とは購入した消耗品を配達してもらうことをいう。このシステムによれば、ユーザはステイタス画面で消耗品の消耗程度を確認した上で消耗品を購入すると決めたとき、そのステイタス画面上でそのまま配達購入ボタンを押せば消耗品を購入し配達してもらうことができるため便利である。
なお、「プリント装置」とは、通常のプリンタはもちろん、ファクシミリ装置や複写装置等のように印字媒体に印字する装置全般を含む意である。「プリント装置に用いられる消耗品」とは、着色体カートリッジ(インクカートリッジ、トナーカートリッジ、インク昇華型カートリッジまたはインクリボンカートリッジ)、カセットにセットされたプリント用紙、紙送り用のゴムローラなどが挙げられる。このうちプリント用紙はカセット内のプリント用紙が空になるとプリント用紙が充填されたカセットに交換されるかプリント用紙をカセットに補充する。「消耗品の消耗程度」とは、消耗品が着色体カートリッジのうちインクカートリッジの場合にはインク残量、トナーカートリッジのときはトナー残量、インク昇華型カートリッジのときはフィルム残量ないしインク濃度、インクリボンカートリッジのときはインクリボン残量ないしインク濃度である。
本発明の第2のプリント装置消耗品購入システムは、
印字媒体に印字を行うプリント装置と、
前記プリント装置に関する情報を表示可能な表示手段と、
前記プリント装置に用いられる消耗品の消耗程度を表すステイタス画面を前記表示手段に表示すると共に、少なくとも前記消耗品を取り扱う販売者に関する情報(販売者情報)を呼び出すための店頭購入ボタンを前記ステイタス画面内に表示する制御手段と
を備えたことを特徴とする。
このプリント装置消耗品購入システムでは、プリント装置の消耗品の消耗程度を表すステイタス画面を表示手段に表示すると共に、少なくとも販売者情報を呼び出すための店頭購入ボタンをそのステイタス画面内に表示する。ここで「店頭購入」とは販売店で消耗品を購入することをいう。このシステムによれば、ユーザはステイタス画面で消耗品の消耗程度を確認した上で消耗品を購入すると決めたとき、そのステイタス画面上でそのまま店頭購入ボタンを押せば店頭購入するのに役立つ販売者情報が得られ、その情報を基にしてどの販売店で購入するかを決めることができるため便利である。
本発明の第3のプリント装置消耗品購入システムは、
印字媒体に印字を行うプリント装置と、
前記プリント装置に関する情報を表示可能な表示手段と、
前記プリント装置に用いられる消耗品の消耗程度を表すステイタス画面を前記表示手段に表示すると共に、前記消耗品の購入態様に関する複数の選択肢を前記ステイタス画面内に表示するか又は該複数の選択肢を呼び出すための選択肢呼出ボタンを前記ステイタス画面内に表示する制御手段と
を備えたことを特徴とする。
このプリント装置消耗品購入システムでは、プリント装置の消耗品の消耗程度を表すステイタス画面を表示手段に表示すると共に、その消耗品の購入態様に関する複数の選択肢をステイタス画面内に表示するか又はそれら複数の選択肢を呼び出すための選択肢呼出ボタンをステイタス画面内に表示するため、前者においてはユーザはステイタス画面内に表示された複数の選択肢の中から自分の意にかなった購入態様を選択してその消耗品を購入することができ、後者においてはユーザはステイタス画面内に表示された選択肢呼出ボタンをオンして複数の選択肢を表示手段に表示したあとそれら複数の選択肢の中から自分の意にかなった購入態様を選択してその消耗品を購入することができる。また、ユーザはステイタス画面で消耗品の消耗程度を確認した上で消耗品を購入するかどうか決めればよいため便利である。なお、選択肢呼出ボタンは、直ちに複数の選択肢を呼び出すボタンであってもよいし、何らかの情報源や情報サイトを経由して複数の選択肢を呼び出すボタンであってもよい。
本発明の第4のプリント装置消耗品購入システムは、
印字媒体に印字を行うプリント装置と、
前記プリント装置に関する情報を表示可能な表示手段と、
前記プリント装置に用いられる消耗品の残量に基づいて前記消耗品の補充が必要か否かを判断し、前記消耗品の補充が必要と判断されたならば、前記消耗品の購入態様に関する複数の選択肢を前記表示手段に表示するか又は該複数の選択肢を呼び出すための選択肢呼出ボタンを前記表示手段に表示する制御手段と
を備えたことを特徴とする。
このプリント装置消耗品購入システムでは、消耗品の残量に基づいてその消耗品の補充が必要と判断されたならば、その消耗品の購入態様に関する複数の選択肢を表示手段に表示するか又はそれら複数の選択肢を呼び出すための選択肢呼出ボタンを表示手段に表示するため、前者においてはユーザは表示手段に表示された複数の選択肢の中から自分の意にかなった購入態様を選択してその消耗品を購入することができ、後者においてはユーザは表示手段に表示された選択肢呼出ボタンをオンして複数の選択肢を表示手段に表示したあとそれら複数の選択肢の中から自分の意にかなった購入態様を選択してその消耗品を購入することができる。また、消耗品の補充が必要なときに自動的に複数の選択肢が表示されるか選択肢呼出ボタンが表示されるため、その表示をもって消耗品の消耗程度を確認でき、その確認をした上で消耗品を購入するかどうかを決めればよいため、ユーザにとって便利である。
なお、消耗品の残量は、どのようにして求めても構わないが、例えば消耗品がインクの場合には吐出したインクのドット数を計数することによりインク消費量を算出し、元のインク量からインク消費量を引くことにより求めてもよい。
ここで、前記制御手段は、前記消耗品の残量に基づいて前記消耗品の補充が必要か否かを判断し、前記消耗品の補充が必要と判断されたならば、前記消耗品の消耗程度を表すステイタス画面を前記表示手段に表示すると共に、前記消耗品の購入態様に関する複数の選択肢を前記ステイタス画面内に表示するか又は該複数の選択肢を呼び出すための選択肢呼出ボタンを前記ステイタス画面内に表示するように構成してもよい。こうすれば、ユーザはステイタス画面で消耗品の消耗程度をみて補充の必要性を確認したうえで自分の意にかなった購入態様を選択してその消耗品を購入することができる。
本発明の第3又は第4のプリント装置消耗品購入システムにおいて、前記制御手段は、前記消耗品の残量が予め定められた閾値以下又は未満になったとき前記消耗品の補充が必要と判断するように構成してもよい。こうすれば、消耗品が残り少なくなったときに補充が必要と判断できるため、適切に補充時期を判断できる。
本発明の第3又は第4のプリント装置消耗品購入システムにおいて、前記制御手段は、前記選択肢呼出ボタンが選択されると、ネットワークを介して所定のサーバに接続し該サーバから前記複数の選択肢が表示された画面を取得して前記表示手段に表示するように構成してもよい。こうすれば、例えば所定のWebサーバがその消耗品につき複数の購入態様の中から一つの購入態様を選択できるようなWebページをインターネット上で公開しているような場合には、そのWebページを利用することにより本システムを比較的容易に構築することができる。
本発明の第3又は第4のプリント装置消耗品購入システムにおいて、前記制御手段は、前記選択肢呼出ボタンが選択されると、前記複数の選択肢を前記表示手段に表示し、その後前記複数の選択肢の中からいずれかの選択肢が選択されると、ネットワークを介して所定のサーバに接続し該サーバから前記選択肢に応じた画面を取得して前記表示手段に表示するように構成してもよい。こうすれば、例えば、その消耗品をある購入態様で販売しているWebページと同じ消耗品を別の購入態様で販売しているWebページとがインターネット上で存在している場合には、それらのWebページを利用することにより本システムを比較的容易に構築することができる。なお、選択肢呼出ボタンが選択されると、直ちに複数の選択肢を表示手段に表示してもよいが、何らかの情報源や情報サイトを経由して複数の選択肢を表示手段に表示してもよい。後者としては、一旦あるWebサイトに接続され、そのWebサイトで国や言語等が選択されるとそれに対応した言語の複数の選択肢を表示するようにしてもよい。
本発明の第3又は第4のプリント装置消耗品購入システムにおいて、前記消耗品の購入態様に関する複数の選択肢は、前記消耗品の配達購入を要求するための配達購入ボタン及び前記消耗品を取り扱う販売者に関する情報(販売者情報)を呼び出すための店頭購入ボタンを含む複数の選択肢であってもよい。こうすれば、ユーザは配達購入と店頭購入とのメリット、デメリットを比較考量して選択勘案してその時々の事情に応じて自分の意にかなった購入態様を選択することができる。
配達購入ボタンが表示される形態において、前記制御手段は、前記配達購入ボタンが選択されたならば、前記消耗品を発注するための発注画面をネットワークを介して所定のサーバから取得して前記表示手段に表示するように構成してもよい。こうすればユーザは簡易な操作でオンラインショッピングで消耗品を購入することができる。
配達購入ボタンが選択されたならば発注画面を表示する形態において、前記制御手段は、前記配達購入ボタンが選択されたならば、前記発注画面として販売条件情報を入力するための販売条件入力欄又は販売条件情報を開示するための販売条件開示欄を含む画面をネットワークを介して所定のサーバから取得して前記表示手段に表示するように構成してもよい。ここで「販売条件」とは例えば消耗品型番号、価格、税金、送料、配達先、配達方法などが挙げられる。また、「販売条件入力欄」とはユーザが提示すべき販売条件であり、例えば配達先、配達方法などが挙げられ、「販売条件開示欄」とは販売者が提示すべき販売条件であり、例えば消耗品型番号、価格、税金、送料などのほか、前記消耗品に関する在庫の有無や空容器回収サービスの有無などが挙げられる。
配達購入ボタンが選択されたならば発注画面を表示する形態において、前記制御手段は、前記配達購入ボタンが選択されたならば、前記発注画面として自己所在地検索キー情報を入力する検索キー情報入力欄を含む画面をネットワークを介して所定のサーバから取得して前記表示手段に表示し、前記検索キー情報入力欄に入力された自己所在地検索キー情報を前記サーバに送信することにより前記サーバが前記自己所在地検索キー情報に基づき抽出した所在地依存性販売条件情報を受信して前記表示手段に表示するように構成してもよい。ここで、「自己所在地検索キー情報」とは、ユーザの所在地を検索するためのキー情報のことをいい、例えば郵便番号(Zipコード)や市外局番などである。また、「所在地依存性販売条件情報」とは、所在地に依存して変動する販売条件に関する情報であり、例えば所在地ごとに税金が異なる場合にはその税金に関する情報、所在地ごとに送料が異なる場合にはその送料に関する情報などである。こうすれば、ユーザは自分の所在地に依存して変動する販売条件に関する情報を容易に入手できる。
店頭購入ボタンが表示される形態において、前記制御手段は、前記店頭購入ボタンが選択されたならば、前記販売者情報を提供する画面をネットワークを介して所定のサーバから取得して前記表示手段に表示するように構成してもよい。こうすれば、ユーザはその消耗品を取り扱っている販売者(販売店を含む)に関する情報を容易に入手できる。
店頭購入ボタンが選択されたならば販売者情報を提供する画面を表示する形態において、前記販売者情報は、販売者所在地を特定するための住所情報及び地図情報の少なくとも一方を含むようにしてもよい。こうすれば、ユーザは例えばその消耗品を取り扱っている販売者の中から自分の所在地に近いところを選ぶことができる。
店頭購入ボタンが選択されたならば販売者情報を提供する画面を表示する形態において、前記制御手段は、前記店頭購入ボタンが選択されたならば、前記販売者情報を提供する画面として自己所在地検索キー情報を入力する検索キー情報入力欄を含む画面をネットワークを介して所定のサーバから取得して前記表示手段に表示し、前記検索キー情報入力欄に入力された自己所在地検索キー情報を前記サーバに送信することにより前記サーバが前記自己所在地検索キー情報に基づき抽出した所在地依存性販売者情報を受信して前記表示手段に表示するように構成してもよい。ここで、「自己所在地検索キー情報」とは、前述の通りであり、「所在地依存性販売者情報」とは、所在地に依存する販売者情報に関する情報であり、例えば販売者所在地がユーザの所在地と同じ又は近傍である販売者の情報などが挙げられる。こうすれば、ユーザは自分の所在地に依存する販売者情報を容易に入手できる。
本発明のプリント装置消耗品購入システムにおいて、前記消耗品は着色体カートリッジであることが好ましい。プリント装置に用いられる消耗品のうち着色体カートリッジは最も使用頻度の高いものの一つであるため、本システムに適している。
本発明のプリント装置消耗品購入システムにおいて、プリント装置、表示手段、制御手段はおのおの別体として構成されていてもよいが、プリント装置の中に表示手段、制御手段が内蔵されていてもよいし、各種手段の一部をプリント装置に内蔵し残りをプリント装置と別体として構成してもよいし、そのほか各種手段を適当に組み合わせて一つの筐体に入れて構成してもよい。
コンピュータを、本発明のプリント装置消耗品購入システムを構成する制御手段として機能させるためのプログラムは、通常、コンピュータのCPUによって読み出すことが可能なCD−ROMやHDD等の記録媒体に記録され、そこからCPUによって読み出されて実行される。このため、このようなプログラムは上述したプリント装置消耗品購入システムの作用効果を発揮するために用いられ、有用性が高い。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の概略構成説明図、図2はそのブロック図である。本実施形態におけるプリント装置消耗品購入システムは一つの筐体に収められてプリント装置100として構成されている。このプリント装置100は、ネットワーク機能を有し、公衆回線210を介してネットワーク(インターネット)220に接続可能に構成されている。ネットワーク220には、消耗品販売元データベースサイト600が接続されている。この消耗品販売元データベースサイト600は、図1では記憶装置610を備えたWebサーバ620として示してあるが、実質は、ネットワーク上に開設された、いわゆるホームページであってよい。
プリント装置100は、たとえばデジタルカメラにより撮影された画像をプリントするための装置であり、中央処理部110と、画像取り込み部120と、画像展開手段130と、プリンタ部140と、通信部150と、ユーザインタフェース部160と、メモリ部170とを有している。
中央処理部110は、CPUを含んでなる演算装置であり、メモリ部170に記録されている各種プログラムを実行する機能を果たす。
画像取り込み部120は、メモリカードスロット121と、当該メモリカードスロット121から画像データG_DATAを入力する画像入力部122を有している。メモリカードスロット121には、デジタルカメラ用のメモリカード124が装着される。画像入力部122はメモリカード124からJPEG等のフォーマットの画像データG_DATAを取り込み、メモリ部170のRAM171内の画像データ領域1711に格納する。
画像展開手段130は、ユーザからのプリント要求に応じて、画像データ領域1711に格納されている画像データG_DATAをプリントデータP_DATAに変換して、RAM171のプリントデータ領域(プリントバッファ)1712に格納する。
プリンタ部140は、キャリッジ駆動部141と、プリントヘッド駆動部143と、プリント用紙搬送制御部145とを含む。キャリッジ142にはプリントヘッド144が搭載されており、キャリッジ駆動部141は、当該キャリッジを図示しないプラテンに沿って往復移動させる。プリントヘッド駆動部143は、キャリッジ駆動部141によるキャリッジ142の移動、およびプリント用紙搬送制御部145によるプリント用紙の搬送と協働して、プリントヘッド144に駆動信号を送出し、上述したメモリ部170のRAM171に格納されたプリントデータP_DATAに係る画像をプリント用紙にプリントする。キャリッジ142にはインクカートリッジが搭載されている。このインクカートリッジ900はICメモリ901を備えており、ICメモリ901にはインク残量情報領域902および種別情報領域903が割り当てられている。インク残量情報領域902には、中央処理部110により検出されたインク残量情報RESTが書き込まれる。なお、ICメモリを有しないカートリッジが装着される場合には、インク残量情報RESTは、上述した不揮発性メモリ172に書き込むことができる。ICメモリ901には、カートリッジの購入ソース情報および/または種別情報、ならびにこれらの取得先のアドレスを記録しておいてもよい。この場合には、インクカートリッジ900をプリンタに装着したとき(キャリッジ142に装着したとき)に、プリンタ内の適宜のメモリに、購入ソース情報、種別情報、取得先のアドレス等を書き込むようにしてもよい。なお、本実施形態では、購入ソース情報は、販売者情報、ならびに少なくとも販売条件情報、購入形態情報のうちの1つを含む。インク残量情報領域902には、後述するように中央処理部110より検出されたインクカートリッジ900についてのインク残量情報RESTが書き込まれる。種別情報領域903には、後述するように中央処理部110により検出されたインクカートリッジ900の種別情報STが書き込まれる。
通信部150は、インクカートリッジについての購入ソース情報の取得要求BS_REQを、通信ネットワーク220を介して、販売元データベースサイト600(図1参照)に発行し、当該販売元データベースサイト600から購入ソース情報BSを取得することができる。
ユーザインタフェース部160は、表示部161と操作部162とからなる。表示部161は、インク残量少警告、用紙なし警告、クリーニング情報等を表示する液晶表示パネル、LEDインジケータ等を含む。操作部162は、タッチパネル、キーボード等から構成され、表示モードの切替、各種リセット操作が可能である。
メモリ部170は、RAM171と、不揮発性メモリ172とからなる。RAM171内には既に述べたように画像データ領域1711とプリントデータ領域1712とが割り当てられている。不揮発性メモリ172内には、購入ソース情報領域1721とプログラム格納領域1724とが割り当てられている。購入ソース情報領域1721には、前述したように購入ソース情報BS(販売者情報DEAL,販売条件情報TERMを含む)が書き込まれている。プログラム格納領域1724には、CPUによって適宜読み出され実行される各種プログラムが格納されている。具体的にはプリンタ制御プログラムのほか、インク残量検出プログラム、カートリッジタイプ検出プログラム、カートリッジ発注アシストプログラム、カートリッジ交換アシストプログラム、データベースサイトアクセスプログラム(前述した消耗品情報取得プログラムを含む)が書き込まれている。
なお、インク残量は、中央処理部110が、インクが所定量消費されるごとに、インク残量情報領域902に格納されたインク残量情報RESTを更新する。前述したように、インクカートリッジ900にはICメモリ901が取り付けられており、中央処理部110は、インクカートリッジ900の種別情報STを取得することで、インクカートリッジ900の種別即ち型番号を知ることができる。
次に、本実施形態のプリント装置100の動作について、図3のフローチャート、および各種の表示画面例を参照しつつ、説明する。なお、メモリ部170の画像データ領域1711には、プリントデータP_DATAが格納されているものとする。このプリントデータP_DATAは、前述したようにメモリカードスロット121に装着されたメモリカード124からの画像データG_DATAを、画像展開手段130が展開することにより作成されている。
図3において、プリントデータP_DATAにかかる画像について、ユーザからプリント命令があると、中央処理部110は、インクカートリッジについてのインク残量情報RESTの値が、第1閾値N1以下となったか否かが判断される(S10)。この第1閾値N1は、後述する第2閾値N2よりも値が小さく設定されている。なお、インク残量情報RESTが示す値は、インク残量が少なくなればなるほど、その値が小さくなるように設定されている。ここでは、インク残量情報RESTの値は、プリントヘッドから吐出するインク滴を計数して求めたインク量と、クリーニング時に、図示しない吸引手段を用いてプリントヘッドから吐出するインク量とを合算して、インク使用量を算出した値を採用することができる(インク残量は、カートリッジ未使用時のインク量からインク使用量を差し引いた値である)。
具体的には、中央処理部110は、ICメモリ901内のインク残量情報領域902に格納されたインク残量情報RESTの値を参照して、インクカートリッジ900内のインク残量が、ただちにインクカートリッジを交換するべき程度の量となっているか否か、すなわちインク残量情報領域902に記録されたインク残量情報RESTの値が、所定の第1閾値N1以下となっているか否かを判断する。
インク残量情報RESTの値が第1閾値N1以下となっていないときは、さらに第2閾値N2以下となっているか否かが判断される(S20)。すなわち、中央処理部110はインク残量情報領域902に格納されたインク残量情報RESTの値を参照して、インクカートリッジ900内のインク残量が、まもなくインクカートリッジを交換するべき程度の量(たとえば、購入当初の10%程度)となっているか否か、すなわちインク残量情報領域902に記録されたインク残量情報RESTの値が、第2閾値N2以下となっているか否かを判断する。
中央処理部110は、インク残量情報RESTの値が、第2閾値N2以下となっていないときは、プリント処理を開始する(S50)が、インク残量情報RESTの値が、第2閾値N2以下となっているとき即ちRESTの値がN1より大きくN2以下のときは、カートリッジ発注アシストシーケンスの実行が拒否されているか否かを判断する(S30)。このカートリッジ発注アシストシーケンスの実行の拒否は、図示しない不揮発性記憶領域(不揮発レジスタR)に登録されており、ユーザがたとえば手元にインクカートリッジのストックをすでに用意してある場合に行われる。カートリッジ発注アシストシーケンスの実行が拒否されていない場合には、「インクカートリッジの残量が少なくなりました。アシストシーケンスを実行します」等の表示を行うとともに、後述するカートリッジ発注アシストシーケンス(カートリッジ発注アシストプログラム)を起動しつつ(S40)、ステップS50のプリント処理を開始する。これに対して、カートリッジ発注アシストシーケンスの実行が拒否されている場合には、カートリッジ発注アシストシーケンスを起動することなく、ステップS50のプリント処理を開始する。ステップS50のプリント処理により、1ページがプリントされるごとに、インク残量情報RESTが更新され(S60)、プリントするべき次のページがあるか否かが判断され(S70)、次ページがある場合には、ステップS10に処理を戻し、ない場合には処理を終了する。なお、インク残量情報RESTの更新は、上記のように1ページごとに行ってもよいが、インク残量情報RESTの値が所定量減少するごと、所定行数のプリントごと、あるいは所定ページ数のプリントごとに行ってもよく、さらに、1つのプリントジョブごとに行ってもよい。このインク残量情報RESTの更新は、中央処理部110のCPUによって実行される。
一方、ステップS10において、インク残量情報RESTの値が、第1閾値N1以下となっているときは、「インクカートリッジの交換が必要です」等のカートリッジ交換警告の表示を行う(S80)。ステップS80における警告表示はユーザインタフェース部160の表示部161に表示される。
ステップS80のカートリッジ交換警告の後、プリントは中断される(S90)が、その後の処理は、ユーザがインクカートリッジ900の交換を希望した場合と、希望しない場合とで異なる(S100)。
図4は、ステップS80〜S100での表示部161の表示例を示す図であり、「カラーインクが残り少なくなりました。交換してください。カラーインクカートリッジの型番:XXXYY02」とのコメント付きの警告表示A1が含まれるステイタス画面である。図4には、インクカートリッジとインク残量状態とを表すグラフィクスA2が表示され、さらに「対処方法」ソフトボタンA3、「閉じる」ソフトボタンA4が設けられている。前述したステップS100での分岐は、「対処方法」ソフトボタンA3をポイントするか、「閉じる」ソフトボタンA4をポイントするかによる。
ユーザが、インクカートリッジ900の交換を希望しなかった場合(たとえば図4では、ユーザが「閉じる」ソフトボタンA4を選択した場合)には、処理はステップS50に渡され、プリント処理がなされ、ユーザがインクカートリッジ900の交換を希望した場合(たとえば図4では、ユーザが「対処方法」ソフトボタンA3を選択した場合)には、カートリッジ交換アシストシーケンス(カートリッジ交換アシストプログラム)が起動する(S110)。
カートリッジ交換アシストシーケンスは、インクカートリッジの交換に不慣れなユーザにその手順をグラフィクス等で示すものであり、当該シーケンスを抜ける場合として、ユーザがカートリッジの交換を止めて、プリント再開を希望する場合と、当初の企図どおりにカートリッジの交換を行う場合とがある(S120)。
ステップS120において、最終的に、ユーザがカートリッジの交換を行わなかった場合には、プリントが再開され、処理はステップS50に渡され、ユーザがインクカートリッジの交換を行った場合には、処理はステップS10に戻される。なお、カートリッジ交換アシストシーケンスにおいて、インクカートリッジの交換を行ったか否かの判断は、たとえば、図2の中央処理部110が、ICメモリ901に記録されたインクカートリッジのシリアル番号を参照することにより行うことができる。
図5は、図3におけるステップS40の処理を詳細に示すフローチャートである。図5において、カートリッジ発注アシストプログラムが起動すると、まず、カートリッジ発注アシストシーケンスを続行するか否かの、ユーザからの指示を待つ(S410)。ユーザから、カートリッジ発注アシストシーケンスの続行命令があると、さらに、配達購入をユーザが希望するか否かのユーザからの指示を待つ(S411)。ユーザから、カートリッジ発注アシストシーケンスの停止命令があると、カートリッジ発注アシストシーケンスの実行拒否を、図示しない前述したレジスタRに登録する(S420)。
具体的には、配達購入を希望するか、店頭購入を希望するかを、ユーザに選択させるためのメニューが、ユーザインタフェース部160の表示部161に表示される。
図6は、ステップS411での、表示部161の表示例を示す図(ステイタス画面)であり、「カラーインクの買い替え時期が近づきました。カラーインクカートリッジの型番:XXXYY02」とのコメント付きの表示B1、インクカートリッジとインク残量状態とを表すグラフィクスB2、「配達購入」ソフトボタンB3、「店頭購入」ソフトボタンB4、キャンセルボタンB5設けられている。ここでは、キャンセルボタンB5がポイントされると、以後、このメッセージは表示されずに、後述するステップS420により、カートリッジアシストシーケンスの実行拒否が登録され、処理は図3のステップS50に渡される。
図6では、「配達購入」ソフトボタンB3、「店頭購入」ソフトボタンB4の何れかがポイントされると、図7に示すユーザの適格性を判断するメニューが表示される。図7の表示部161には、ID入力欄C1、パスワード入力欄C2の他、「実行」ソフトボタンC3、「戻る」ソフトボタンC4、「ID取得」ソフトボタンC5が含まれており、IDおよびパスワードが適正であり、かつ「実行」ソフトボタンC3がポイントされたときは次のステップに進み、IDまたはパスワードが不適正であり、かつ「実行」ソフトボタンC3がポイントされたときは、図示しない「IDまたはパスワードが間違っています。」等のコメントが表示され、次のステップに進むことができない。また、「戻る」ソフトボタンC4がポイントされると図6の画面に戻る。なお、未登録ユーザは、「ID取得」ソフトボタンC5をポイントすることで、正規の登録ユーザになることができる。
ユーザが配達購入を希望する場合には、プリント装置100が消耗品販売元データベースサイト600(図1参照)に接続される(S412)。この接続がなされると、種別情報STが当該サイトに送出される(S413)。この後、プリント装置100が販売者情報DEAL,販売条件情報TERMを消耗品販売元データベースサイト600から取得し、これを表示部に表示する(S414)。
販売者情報DEALには、販売者名、在庫の有無等、種々の条件が含まれ、販売条件情報TERMには、販売金額、使用済みインクカートリッジの回収をするか否かの条件、配達時間等の種々の条件が含まれている。
図8は、ステップS414での表示部161の表示例を示す図(ステイタス画面)である。表示部161には、図8における表示B1、「空容器回収サービスを」「希望する」ラジオボタンD1、「希望しない」ラジオボタンD2が表示されているほか、「検索実行」ソフトボタンD3、「戻る」ソフトボタンD4が表示されている。この場合に、「空容器回収サービスを希望する」ラジオボタンD1をアクティブにして「検索実行」ソフトボタンD3をポイントすると、表示部161の表示は、後述する図9に示す画面に変更される。なお、予め、空容器回収サービスを希望するかしないかのデータを、所定のレジスタに登録しておくことができる。
つぎに、販売者情報DEALに「在庫有り情報」が含まれているか否かが判断される(S415)。販売者情報DEALに在庫有り情報が含まれている場合には、ユーザから発注要求があったか、発注拒否があったかに応じた処理が行われ(S416)、また販売者情報DEALに在庫有り情報が含まれていない場合には、ユーザから予約要求があったか予約拒否があったかに応じた処理が行われる(S418)。
ステップS416で、発注要求がなされると、購入情報BUY(即納)を消耗品販売元データベースサイト600に送出し(S417)、カートリッジ発注アシストシーケンスの実行拒否を、図示しないレジスタRに登録した後、処理を図3のステップS50に渡す。
また、ステップS418で、予約要求がなされると、購入情報BUY(予約)を消耗品販売元データベースサイト600に送出し(S419)、カートリッジ発注アシストシーケンスの実行拒否を所定のレジスタRに登録した後、処理を図3のステップS50に渡す。
ステップS416で発注要求がなされない場合(発注拒否がなされた場合)、またはステップS418で予約要求がなされない場合(予約拒否がなされた場合)、カートリッジ発注アシストシーケンスの今後の実行を拒否するか否かをユーザに判断させる(すなわち、カートリッジ発注アシストシーケンスの今後の実行が拒否されたか否かを判断する)(S421)。ここで、カートリッジ発注アシストシーケンスの今後の実行が拒否されているときは、所定のレジスタRに当該アシストシーケンスの実行拒否を登録し(S420)、拒否されていないときは、上記登録をせずに処理を図3のステップS50に渡す。
図9は、「在庫有り情報」が含まれているか否かの判断のための、表示部161の表示を示す図である。表示部161には、図9における表示B1、「販売者」のリストを示すダイアログボックスE1、「在庫確認」ソフトボタンE2、「戻る」ソフトボタンE3が表示されている。ユーザが「在庫確認」ソフトボタンE2をポイントすると、ダイアログボックスE1に表示された販売者において、在庫があるか否かが検索される。ここで、在庫がある場合には、表示部161の表示は図10に示すように、表示B1の表示、「発注」ソフトボタンF1、「戻る」ソフトボタンF2を含む画面となる。なお、図9の表示部161において、「キャンセル」ソフトボタンを設けておき、当該「キャンセル」ソフトボタンがポイントされたときは、前述したステップS410の処理に戻るようにしてもよい。
一方、ステップS411で、ユーザが店頭購入を希望した場合には、消耗品販売元データベースサイト600に接続するとともに(S422)、種別情報STおよび在住地域情報REGを当該サイトに送出する(S423)。この後、販売者情報DEALを消耗品販売元データベースサイト600から取得し、これを表示部161に表示する(S424)。
この後、ユーザに予約要求を行うか否かを判断させ(S425)、予約要求がされたときは、販売者アドレス(たとえばメールアドレス)に、予約情報を送出し(S426)、前述したステップS420に処理を渡し、予約拒否がなされたときは、予約情報を送出することなく、処理を、カートリッジ発注アシストシーケンスの今後の実行を拒否するか否かをユーザに判断させるために(すなわち、カートリッジ発注アシストシーケンスの今後の実行が拒否されたか否かを判断するために)、ステップS421に渡す。
本実施形態においては、ステップS423〜S425で、図11〜図15に示す表示を、表示部161に行わせることができる。図11は、販売者情報DEALを消耗品販売元データベースサイト600からダウンロードしたときの、表示部161の表示例を示す図である。図11においても、図6に示した、「カラーインクの買い替え時期が近づきました。カラーインクカートリッジの型番:XXXYY02」とのコメント付きの表示B1が表示されるとともに、インクカートリッジ取扱店を地域ごとに指定するための地図G1が表示される。図12に示すように、この地図の、たとえば関東地域をユーザがポイントすると、関東地域の「都県名」および「行政管轄地域名」(16図では「23区」,「市名」)のリストH1が表示され、さらに「23区」をポイントすると、図示はしないが23区のリストが現れる。このリストから所定の区を選択すると、図13に示すように当該「区名」に対応する「店名」リストI1が表示される。
そして、図13の「店名」リストI1から特定の「店名」をポイントすると、図14に示すように、図6に示した表示B1、当該特定の「店名」の住所、地図、販売条件(ここでは、回収サービスの有無、在庫の有無)とともに、店頭購入を「予約する」ソフトボタンJ1および「戻る」ソフトボタンJ2が表示される。なお、ユーザが、図14の「予約をする」ソフトボタンJ1をポイントすると、表示部161には、図15に示すように、「終了」ソフトボタンK1、「取消」ソフトボタンK2、「プリント」ソフトボタンK3が表示されるようにもできる。「終了」ソフトボタンK1がポイントされると、処理は前述したステップS426に渡され、「プリント」ソフトボタンK3がポイントされると、プリント処理に割り込みがかかり、図14あるいは図15に表示された、地図、販売店住所等のプリントがなされる。
ここで、本実施形態と本発明との構成要素の対応関係を説明する。本実施形態のプリント装置100(特にプリンタ部140)が本発明のプリント装置に相当し、ユーザインタフェース部160の表示部161が表示手段に相当し、中央処理部110が制御手段に相当する。
以上詳述した本実施形態によれば、プリント装置100の消耗品であるインクカートリッジの消耗程度を表すステイタス画面を表示部161に表示すると共に、そのインクカートリッジの購入態様に関する複数の選択肢である「配達購入」ボタンや「店頭購入」ボタンをステイタス画面内に表示するため、ユーザはステイタス画面内に表示された複数の選択肢の中から自分の意にかなった購入態様を選択してその消耗品を購入することができる。特に、ユーザは配達購入と店頭購入とのメリット、デメリットを比較考量して選択勘案してその時々の事情に応じて自分の意にかなった購入態様を選択することができる。
また、ユーザはステイタス画面におけるインクカートリッジとインク残量状態とを表すグラフィクスB2で消耗程度を確認した上でインクカートリッジを購入するかどうか決めればよいため便利である。
更に、インクカートリッジのインク残量が予め定められた第2閾値N2以下になったときインクカートリッジの補充が必要になったと判断してカートリッジ発注アシストシーケンス(S40、図5参照)を起動するため、適切に補充時期を判断できる。
更にまた、「配達購入」ボタンが選択されると、Webサーバ620からインクカートリッジを発注するための発注画面(図7〜図10)を取得して表示部161に表示するため、ユーザは簡易な操作でオンラインショッピングによりインクカートリッジを購入することができる。このとき、発注画面には販売条件入力欄として「空容器回収サービス」の希望の有無(図8参照)が設けられたり販売条件開示欄として「回収サービス:有」(図9参照)が設けられたりしているため、ユーザにとって使い勝手がよい。一方、「店頭購入」ボタンが選択されると、Webサーバ620から販売者情報を提供する画面(図11〜図14)を取得して表示部161に表示するため、ユーザは販売者情報を容易に入手できるので、どこでその消耗品を購入するかの目安にすることができる。このとき、販売者情報として、販売者所在地を特定するための住所情報及び地図情報の少なくとも一方が含まれているため、ユーザは例えばその消耗品を取り扱っている販売者の中から自分の所在地に近いところを選ぶことができる。なお、図11の地図G1で関東地域をユーザがポイントしたが、これが自己所在地検索キー情報の入力に相当する。
[第2実施形態]
本実施形態は、構成は第1実施形態と同じであり動作のみ第1実施形態と異なるため、以下には動作について図16〜図18のフローチャートに基づき図19〜図24を参照しつつ説明する。
ユーザインタフェース部160の操作部162からユーザによりプリント指令がなされると、中央処理部110はこのメインフローのプログラムを読み出して実行する。まず、黒インクや各カラーインクの残量を読み込み(ステップS500)、次いでインクカートリッジ900のICメモリ901の所定領域に基準残量値がセットされているか否かを判断する(ステップS502)。この基準残量値は、初期設定時リセット状態であり、後述する自動起動処理におけるインク発注画面で“インク交換されるまで自動起動禁止”というチェックボックスがオンされたときにそのときのインク残量がセットされるものであり、セットされていれば自動起動禁止中ということになる。つまり、基準残量値がセットされているかリセットされているかによって自動起動禁止か自動起動禁止解除かがわかる。
ステップS502で基準残量値がリセット状態ならば、自動起動が禁止されていないため、各インク残量のうち予め定められた閾値以下のものがあるか否かを判断し(ステップS504)、いずれかのインク残量がその閾値以下であれば、後で詳述する自動起動処理ルーチンを実行し(ステップS506)、その後1ページ分の印刷処理を実行し(ステップS546)、次いで各インク残量を更新し(ステップS548)、印刷していないページが残っているか否かを判断し(ステップS550)、残っていれば再びステップS500へ戻り、残っていなければ本プログラムを終了する。
一方、ステップS504ですべてのインク残量が閾値を上回っていれば、インク交換の必要はないとみなし、図19に示すステイタス画面を表示部161に表示する(ステップS512)。このステイタス画面には、現在のインク残量に基づいて種々のメッセージを表示するメッセージ欄L1と、黒インクの残量レベルをタンクで表示した黒インク残量メータL2と、カラーインクの残量をメータ表示したカラーインク残量メータL3と、印刷処理の実行を指示する際にオンするOKボタンL4と、インク発注時にオンするオーダーボタンL5とが表示される。ここではどのインク残量も印刷に支障のないレベルのため、メッセージ欄L1には「印刷準備完了」と表示される。
そして、OKボタンL4がオンされたか否かを判断し(ステップS514)、OKボタンL4がオンされたならば前述のステップS546以降の処理を行い、OKボタンL4がオンされていなければオーダーボタンL5がオンされたか否かを判断し(ステップS516)、オーダーボタンL5がオンされていなければ再びステップS514へ戻り、オーダーボタンL5がオンされたならばインターネットに接続し(ステップS518)、Webサーバ620に接続して配達購入ボタン、店頭購入ボタンを有するWebページを取得して表示部161に表示し、Webサーバ620とデータの送受信を行い(ステップS520)、その後インターネットの接続を切断し(ステップS522)、ステップS546以降の処理を行う。
ここで、ステップS520におけるWebサーバ620とのデータ送受信について簡単に説明する。接続先のWebサーバ620はインク購入サイトであり、プリント装置100はまず図20に示すトップページP1を取得して表示する。このトップページP1にはプリント装置100の機種名の入力欄が設けられているが、その機種名は接続当初にプリント装置100からWebサーバ620へ自動送信されており、入力済の状態で表示部161に画面表示される。また、Webサーバ620は自動送信された機種名を参照して黒インクの型番やカラーインクの型番を検索して返信してくるため、トップページP1にその型番が表示され、また黒インク、カラーインク、両インクにつきそれぞれ配達購入ボタンが表示されると共に一つの店頭購入ボタンが表示される。
ユーザがトップページP1で配達購入ボタンを選択すると、プリント装置100はそれをWebサーバ620へ送信し、Webサーバ620からページP2を取得して表示する。このページP2には、そのインクに応じた販売価格が表示されると共に郵便番号入力欄と配達方法選択欄とが表示される。ユーザが郵便番号入力欄に郵便番号を入力し、配達方法選択欄に配達方法を入力したあと再計算ボタンを選択すると、プリント装置100は各データをWebサーバ620へ送信し、Webサーバ620からその郵便番号の地域に応じた税金とその配達方法に応じた送料とトータル金額とを含む更新画面を取得して表示する。その後、ユーザが発注ボタンを選択すると、プリント装置100はそれをWebサーバ620へ送信し、Webサーバ620からIDとパスワードの入力欄を備えたログイン画面を取得して表示し、その後発注を行う。このように、ユーザは簡単な操作でインクカートリッジをオンラインショッピングできる。
一方、ユーザがトップページP1で店頭購入ボタンを選択すると、プリント装置100はそれをWebサーバ620へ送信し、Webサーバ620からページP3を取得して表示する。このページP3には、機種名が表示されると共に国名選択欄と郵便番号入力欄とが表示される。ユーザが国名選択欄に国名を入力し、郵便番号入力欄に郵便番号を入力したあと検索ボタンを選択すると、プリント装置100は各データをWebサーバ620へ送信し、Webサーバ620からページP4を取得して表示する。このページP4には、その国でその郵便番号の地域周辺の販売店が列挙して表示される。各販売店には地図ボタンが付けられており、地図ボタンをクリックするとその販売店の所在地が地図上に表示される。このように、ユーザはこの地図を頼りに所望の販売店を訪れてインクカートリッジを店頭購入することができる。
さて、ステップS504でインク残量のうち閾値以下のものがあったならば、自動的にインク購入ダイアログを画面表示する自動起動処理ルーチン(ステップS506)を実行するが、この自動起動処理ルーチンにつき図18に基づいて説明する。まず、配達購入ボタンL6、店頭購入ボタンL7、次回禁止チェックボックスL8、閉ボタンL9を備えたインク購入ダイアログ(図21参照)を表示部161に表示する(ステップS600)。そして、閉ボタンL9がオンされたか否かを判断し(ステップS602)、オンされていなければ配達購入ボタンL6又は店頭購入ボタンL7がオンされたか否かを判断し(ステップS604)、いずれもオンされていなければステップS602に戻り、配達購入ボタンL6又は店頭購入ボタンL7がオンされたならば、インターネットに接続し(ステップS606)、Webサーバ620に接続してオンされたボタン(配達購入ボタンL6又は店頭購入ボタンL7)に応じたWebページを取得して表示部161に表示し、Webサーバ620とデータの送受信を行い(ステップS608)、その後インターネットの接続を切断し(ステップS610)、ステップS600に戻る。ステップS608につき、具体的には、ステップS604で配達購入ボタンがオンされたならば図20のページP2を取得して表示し、店頭購入ボタンがオンされたならば図20のページP3を取得して表示する。なお、各ページについては前述した通りである。一方、ステップS602で閉ボタンL9がオンされたならば、次回禁止チェックボックスL8がチェックされているか否かを判断し(ステップS612)、チェックされていれば現在のインク残量を基準残量値としてセットし(ステップS614)、このルーチンを終了する。このあとプリント指令がなされると、ステップS502で基準残量値がセットされているため、自動起動処理ルーチンは実行されない。ステップS612で次回禁止チェックボックスL8がチェックされていなければそのまま(つまり基準残量値はリセット状態のまま)このルーチンを終了する。このあとプリント指令がなされると、ステップS502で基準残量値はリセット状態のため、閾値以下のインク残量があれば自動起動処理ルーチンが実行される。
さて、ステップS502において基準残量値がセットされていれば、現在のインク残量とその基準残量値とを比較し(ステップS508)、前者が後者を上回っていれば自動起動処理ルーチンの実行後にインク交換がなされたものと判断し、基準残量値をリセットして自動起動処理ルーチンの禁止を解除し(ステップS523)、その後ステップS546以降の印刷処理等を実行する。この結果、再び閾値以下のインク残量のものが発生したときには自動起動処理ルーチンが実行される。一方、ステップS508で現在のインク残量が基準残量値以下ならば、インクカートリッジのうち閾値以下のインク残量のものがあるか否かを判断し(ステップS510)、閾値以下のインク残量のものがなければ前述したステップS512以降の処理を実行し、閾値以下のインク残量のものがあればインク交換の必要があるとみなし、図22に示すステイタス画面を表示部161に表示する(ステップS524、図17参照)。このステイタス画面には、現在のインク残量に基づいて種々のメッセージを表示するメッセージ欄L1と、黒インクの残量レベルをタンクで表示した黒インク残量メータL2と、カラーインクの残量をメータ表示したカラーインク残量メータL3と、印刷処理の実行を指示する際にオンするOKボタンL4と、インク発注時にオンするオーダーボタンL5と、対処法を知りたいときにオンするハウツウ(How to)ボタンL10とが表示される。ここでは黒インク残量が印刷に支障をきたすおそれのあるレベルのため、メッセージ欄L1には「黒インクが少なくなりました。」とのメッセージが表示され、黒インク残量メータL2にエクスクラメーションマーク(!)が表示される。
そして、OKボタンL4がオンされたか否かを判断し(ステップS526)、OKボタンL4がオンされたならば前述のステップS546以降の処理を行い、OKボタンL4がオンされていなければオーダーボタンL5がオンされたか否かを判断し(ステップS528)、オーダーボタンL5がオンされたならば前述のステップS518以降の処理を行う。このとき、図20のトップページP1を取得して表示してもよいが、図23のようにインク残量が閾値以下になったインクのみ(ここでは黒インク)を表示してもよい。一方、ステップS528でオーダーボタンL5がオンされていなければ、ハウツウボタンL10がオンされたか否かを判断し(ステップS530)、ハウツウボタンL10がオンされていなければ再びステップS526へ戻り、ハウツウボタンL10がオンされたならば、配達購入ボタンL11、店頭購入ボタンL12、ユーティリティ起動ボタンL13、閉ボタンL14を備えたインク購入ダイアログを表示部161に表示する(ステップS532、図24参照)。
そして、閉ボタンL14がオンされたか否かを判断し(ステップS534)、オンされたならば前述のステップS546以降の処理を行い、オンされていなければユーティリティ起動ボタンL13がオンされたか否かを判断する(ステップS536)。そして、ユーティリティ起動ボタンL13がオンされたならばインクカートリッジの交換手順を開示するガイダンス処理ルーチンを実行し(ステップS545、詳細は省略)、その後前述のステップS546以降の処理を行い、一方、オンされていなければ配達購入ボタンL11又は店頭購入ボタンL12がオンされたか否かを判断し(ステップS538)、いずれもオンされていなければステップS534に戻り、配達購入ボタンL11又は店頭購入ボタンL12がオンされたならば、インターネットに接続し(ステップS540)、Webサーバ620に接続してオンされたボタン(配達購入ボタンL6又は店頭購入ボタンL7)に応じたWebページを取得して表示部161に表示し、Webサーバ620とデータの送受信を行い(ステップS542)、その後インターネットの接続を切断し(ステップS544)、ステップS534に戻る。なお、ステップS542は前述のステップS608と同様の処理を実行すればよい。
以上詳述した本実施形態によれば、プリント装置100の消耗品であるインクカートリッジの消耗程度を表すステイタス画面を表示部161に表示すると共に、そのインクカートリッジの購入態様に関する複数の選択肢である「配達購入」ボタンや「店頭購入」ボタンを呼び出すための選択肢呼出ボタンであるオーダーボタンL5やハウツウボタンL10をステイタス画面に表示するため、ユーザはステイタス画面内に表示されたこのボタンL5,L10をオンして「配達購入」ボタンや「店頭購入」ボタンを表示部161に表示したあとそれらの中から自分の意にかなった購入態様を選択してそのインクカートリッジを購入することができる。特に、ユーザは配達購入と店頭購入とのメリット、デメリットを比較考量して選択勘案してその時々の事情に応じて自分の意にかなった購入態様を選択することができる。
また、ユーザはステイタス画面におけるインクカートリッジとインク残量状態とを表す黒インク残量メータL2と、カラーインクの残量をメータ表示したカラーインク残量メータL3で消耗程度を確認した上でインクカートリッジを購入するかどうか決めればよいため便利である。
更に、インクカートリッジの補充が必要になったときには自動起動処理ルーチン(図18参照)により自動的に「配達購入」ボタンや「店頭購入」ボタンが表示されるため、ユーザにとって便利である。また、一度自動起動処理ルーチンが行われたあとは、ユーザの意思によってインク交換するまで自動起動を禁止することができるため、この点でもユーザにとって便利である。
更にまた、「配達購入」ボタンが選択されると、Webサーバ620からインクカートリッジを発注するための発注画面(図20のページP2)を取得して表示部161に表示するため、ユーザは簡易な操作でオンラインショッピングによりインクカートリッジを購入することができる。また、配達購入ボタンを選択したときに自己所在地検索キー情報である郵便番号を入力することによりその郵便番号の地域に応じた税金が表示されるため、ユーザは自分の所在地に依存して変動する税金の金額を容易に知ることができる。一方、「店頭購入」ボタンが選択されると、Webサーバ620から販売者情報を提供する画面(図20のページP4)を取得して表示部161に表示するため、ユーザは販売者情報を容易に入手できるので、どこでその消耗品を購入するかの目安にすることができる。また、店頭購入ボタンを選択したときに自己所在地検索キー情報である国名や郵便番号を入力することにより販売者所在地が自己の所在地と同じ又は近傍である販売者情報を得ることができる。
[第3実施形態]
図25は、第3実施形態であるプリント装置消耗品購入システムの概略構成図、図26はそのブロック図である。本実施形態のプリント装置消耗品購入システム300は、図25に示すように、プリント装置400と、このプリント装置400が接続されたパーソナルコンピュータ500とからなる。図25では、パーソナルコンピュータ500がネットワーク機能を有し、当該パーソナルコンピュータ500が、公衆回線210およびネットワーク220に接続可能に構成されている。ネットワーク220上には、消耗品販売元データベースサイト600が接続されている。この消耗品販売元データベースサイト600は、図25では記憶装置610を備えたWebサーバ620として示してあるが、実質は、ネットワーク上に開設された、いわゆるホームページであってよい。
プリント装置400は、中央処理部410と、プリンタ部420と、メモリ部430を有している。中央処理部410は、CPUを含んでなる演算装置であり、メモリ部430に記録されている各種プログラムを実行する機能を果たす。プリンタ部420は、キャリッジ駆動部421と、プリントヘッド駆動部423と、プリント用紙搬送制御部425とを含む。キャリッジ422に、プリントヘッド424が搭載されており、キャリッジ駆動部421は、当該キャリッジを図示しないプラテンに沿って往復動させる。プリントヘッド駆動部423は、キャリッジ駆動部421によるキャリッジ422の移動、およびプリント用紙搬送制御部425によるプリント用紙の搬送と協働して、プリントヘッド424に駆動信号を送出し、上述したメモリ部430のRAM431に格納されたプリントデータP_DATAに係る画像をプリント用紙にプリントする。キャリッジ422にはインクカートリッジ900が搭載されている。このインクカートリッジ900はICメモリ901を備えており、ICメモリ901内には、インク残量情報領域902、種別情報領域903が割り当てられている。また、インク残量情報領域902には、中央処理部410により検出されたインク残量情報RESTが書き込まれる。種別情報領域903には、中央処理部410により検出されたインクカートリッジ900の種別情報(型番号)STが書き込まれる。なお、ICメモリを有しないカートリッジが装着される場合には、インク残量情報RESTは、上述した不揮発性メモリ432に書き込むことができる。メモリ部430は、プリントデータ(P_DATA)領域を持つRAM431と、プログラム格納領域(プリンタ制御プログラムのほか、インク残量検出プログラム、カートリッジタイプ検出プログラムを含む)を持つ不揮発性メモリ432とからなる。
パーソナルコンピュータ500は、中央処理部510と、通信部520と、ユーザインタフェース部530と、メモリ部540と、ハードディスク装置550と、ポート560とを有している。中央処理部510は、CPUを含んでなる演算装置であり、メモリ部540に記録されている各種プログラムを実行する機能を果たす。通信部520は、インクカートリッジについての購入ソース情報の取得要求BS_REQを、通信ネットワーク220を介して、販売元データベースサイト600に発行し、当該販売元データベースサイト600から購入ソース情報BSを取得することができる。ユーザインタフェース部530は、表示部531と操作部532とからなる。表示部531は、コンピュータディスプレイであり、操作部532は、通常、キーボード、あるいはコンピュータディスプレイ上のソフトボタンから構成される。メモリ部540は、通常のコンピュータと同様、RAM541と、不揮発性メモリ542とからなる。
ハードディスク装置550には、購入ソース情報領域551とプログラム格納領域552とが割り当てられている。購入ソース情報領域551には、購入ソース情報BS(販売者情報DEAL,販売条件情報TERMを含む)が書き込まれている。プログラム格納領域552には、プリンタドライバのほか、カートリッジ発注アシストプログラム、カートリッジ交換アシストプログラム、データベースサイトアクセスプログラム(前述した消耗品情報取得プログラムを含む)が格納されている。
プリント装置400とパーソナルコンピュータ500とは、ポート440およびポート560を介して相互通信することができ、たとえば、プリント装置400は、パーソナルコンピュータ500のハードディスク装置550から、プリントデータP_DATAをロードして、メモリ部430のRAM431のプリントデータ領域に格納する一方、ICメモリ901のインク残量情報領域902に格納されているインク残量情報RESTをパーソナルコンピュータ500に送出することができる。
本実施形態は、第1実施形態と同様に動作するようにしてもよいし、第2実施形態と同様に動作するようにしてもよい。即ち、プリント装置400の中央処理部410とパーソナルコンピュータ500の中央処理部510とが協働して各フローチャートに従って処理を行い、第1又は第2実施形態と同様の表示画面を表示部531に表示する。
尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。例えば、インクカートリッジのストックがある場合には、その旨をプリント装置100に登録できるようにしておき、インク残量が閾値以下になったときにストックありか否かを判断し、ストックがあれば単にインク交換を促すメッセージを画面に表示するようにしてもよい。
100・・・プリント装置、110・・・中央処理部、120・・・画像取り込み部、121・・・メモリカードスロット、122・・・画像入力部、124・・・メモリカード、140・・・プリンタ部、141・・・キャリッジ駆動部、142・・・キャリッジ、143・・・プリントヘッド駆動部、144・・・プリントヘッド、145・・・プリント用紙搬送制御部、150・・・通信部、160・・・ユーザインタフェース部、161・・・表示部、162・・・操作部、170・・・メモリ部、172・・・不揮発性メモリ、210・・・公衆回線、220・・・ネットワーク、600・・・消耗品販売元データベースサイト、610・・・記憶装置、620・・・Webサーバ、900・・・インクカートリッジ、901・・・ICメモリ、902・・・インク残量情報領域、903・・・種別情報領域、1711・・・画像データ領域、1712・・・プリントデータ領域、1721・・・購入ソース情報領域、1724・・・プログラム格納領域。