JP4528653B2 - 手関節用サポーター - Google Patents

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本発明は、手関節用サポーター、特にガングリオン圧迫用サポーターや腱鞘炎用サポーター、あるいはテニスやゴルフ等の運動時の手首安定用サポーターとして好適に用いられる手関節用サポーターに関する。
従来、手関節用のサポーターあるいは装具としては種々の形態のものが報告され、また実用に供されているが、それらは何れも装着時サポーター本体が手首のくるぶし(尺骨茎状突起)を被覆することを当然の前提とするものであった。
一方、手関節は、背屈、掌屈、橈屈、尺屈、回転とその可動方向はあらゆる方向に及び、またその可動領域もかなり広範囲である。
然るとき、上記の如く従来のサポーターは、手首のくるぶしを被覆して装着するものであったため、手関節の運動により腕側方向にズレが生じ易く、往々にしてサポーター全体が手首のくるぶしを乗り越えてしまうと云う問題があった。
このズレを防止するために、サポーターや装具を強く締めつけることも考えられるが(例えば特許文献1参照)、過度の圧迫は血行障害を起こす問題があり、また中手部から前腕部までを全て被覆してしまった場合には、手関節の運動が阻害され、ゴルフやテニスのプレーはもとより日常生活すら困難になる、と云う問題があった。
特開2000−197655号公報
本発明は上記の如き従来の問題に鑑みてなされたもので、ゴルフやテニスのプレーあるいは日常生活に支障の出ない程度の手関節の可動性を確保しつつ、装着時にズレが生じることのない手関節用サポーターを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、手首のくるぶし部を除いて被覆装着すれば、極めて良い結果が得られることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、少なくとも手首背面被覆部と手首掌面被覆部とを連成した帯状体から成るサポーター本体の腕側方向の辺縁部に、手首のくるぶしを被覆することなく露出せしめる凹湾状の切除部を設けたことを特徴とする手関節用サポーターにより上記課題を解決したものである。
本発明手関節用サポーターを用いれば、日常生活に支障の出ない程度の手関節の可動性を確保しつつ、手関節部を固定し得ると共に、装着時手首のくるぶしが被覆されることなく切除部から露出した状態となるので、手関節の運動時において、サポーターが腕側方向にズレようとしても、当該露出した手首のくるぶしが障害物となり、ズレ動きが防止される。
従って、本発明手関節用サポーターは、特にガングリオン圧迫用サポーターや腱鞘炎用サポーター、あるいはテニスやゴルフ等の運動時の手首安定用サポーターとして好適に用いられる。
本発明において、切除部はサポーター本体に穴状に形設しても良いが、サポーター本体の腕側方向の辺縁部に凹湾状に形設するのが、サポーター本体が過度に巾広とならないため、手関節の可動性を確保できるのでより望ましい。この場合、凹湾状の切除部は、手首のくるぶしを半周程度取り囲む面積とするのが、サポーター本体が当該くるぶしの乗り越えを防止する上で、より有利である。尚、ここに凹湾状の具体的形状としては角形湾、弧状湾の如何を問わない。また、当該凹湾状切除部の奥部側端面を、上方に向って徐々に肉薄となる傾斜面とするのが、手首のくるぶしとの密着性を高めて、より効果的にズレ動を防止することができるので望ましい。
また、サポーター本体の切除部の縁部には、当該切除部から指側方向に向う切れ目を更に設ければ、手関節の最大背屈を無理に強制した場合でも、当該切れ目の拡開作用により、サポーター本体が手首のくるぶしを乗り越えることを防止することができるので、より望ましい。この切れ目の長さとしては、通常3〜5mmとするのが好ましい。
本発明において、サポーター本体は、手首背面側被覆部の腕側方向の辺縁部と手首掌面側被覆部の腕側方向の辺縁部が一直線上にある形状とし、かつ手首掌面側被覆部の指側方向の辺縁部が手首背面側被覆部の指側方向の辺縁部より腕側方向に後退している形状とするのが、手首の掌屈動をスムースにする上でより望ましい。
この場合、手首背面側被覆部の巾としては、第2〜第5中手骨基底部から両前腕骨下端部までを被覆し得る巾が好ましく、また手首掌面側被覆部の巾としては、手根骨から両前腕骨下端部までを被覆し得る巾が好ましい。この手首背面側被覆部の具体的な巾寸法としては、個人差はあるものの、通常4〜6cmが好ましく、同様に手首掌面側被覆部の具体的な巾寸法としては、当該手首背面側被覆部の巾寸法より通常0.5〜1.5cm、特に1cm程度狭くするのが好ましい。
また、本発明において、サポーター本体の手首背面側被覆部の腕側方向の辺縁部と手首掌面側被覆部の腕側方向の辺縁部を一直線上とせずに、手首背面側被覆部の腕側方向の辺縁部が手首掌面側被覆部の腕側方向の辺縁部より指側方向に後退している形状とすれば、手首の背屈動をスムースにすることができより望ましい。
この場合、手首背面側被覆部の巾としては、第2〜第5中手骨基底部から橈骨下端辺縁部までを被覆し得る巾が好ましく、具体的な巾寸法としては、個人差はあるものの、通常2.5〜5.5cm、特に3〜5cmが好ましい。
本発明において、サポーター本体は筒状体、帯状体の如何を問わないが、より強い固定力を得る上では帯状体、特に非伸縮性素材による帯状体とするのが好ましい。また、この場合、当該帯状体の外側面に、例えば面ファスナー部を備えた固定用ベルトを、縫着等の手段により取り付けるのが、装着操作性及び強固な固定作用を得る上でより望ましい。
以下実施例を示す図面と共に本発明を更に説明する。
図1は、本発明手関節用サポーターの第1の実施例を示す概略平面説明図である。
図1において、10はサポーター本体で、手首背面側被覆部11と手首掌面側被覆部12を連成した帯状体から構成されている。尚、この手首掌面側被覆部12は、装着時手首掌面を被覆するのみならず、巻回により手首背面までをも被覆する長さとなっている。
13は切除部で、手首のくるぶしに対応するサポーター本体10の腕側方向の辺縁部において角形湾状に形設され、装着時当該くるぶしを被覆することなく露出せしめるようになっており、この切除部13の端縁と露出した手首のくるぶしの係止作用によりサポーター本体10のズレ動が防止されるようになっている。また、当該切除部13の略1/2の奥部側領域の端面は、図2に示す如く、上部に向って徐々に肉薄となる傾斜面Sとなり、手首のくるぶしとの密着が高められて、より効果的にズレ動が防止されるようになっている。
13aは切れ目で、切除部13の最奥縁部に、当該切除部13から指側方向に向って設けられ、手関節の最大背屈時においても、該切れ目13aの拡開作用により、サポーター本体10が手首のくるぶしを乗り越えないようになっている。
手首背面側被覆部11の腕側方向の辺縁部11bと手首掌面側被覆部12の腕側方向の辺縁部12bは一直線上にあり、かつ手首掌面側被覆部12の指側方向の辺縁部12aは、手首背面側被覆部11の指側辺縁部11aより腕側方向に若干後退している。すなわち、手首掌面側被覆部12の巾は、手首背面側被覆部11の巾より若干狭くなっており、これにより手首の掌屈動がよりスムースに行ない得るようになっている。
手首背面側被覆部11は、第2〜第5中手骨基底部から両前腕骨下端部までを被覆し得る巾を有すると共に、手首掌面側被覆部12は、手根骨から両前腕骨下端部までを被覆し得る巾を有し、これにより日常生活に支障の出ない程度の手関節の可動性を保持しつつ、手関節部を固定し得るようになっている。
図3は、本発明手関節用サポーターの第2の実施例を示す概略平面図である。
図3において、20は固定用面ファスナーベルトで、図1に示したサポーター本体10の外側面に縫着されており、これにより帯状のサポーター本体10を手首に強固に固定し得るようになっている。
斯かる図3に示した固定用面ファスナーベルト20付きサポーター本体10は、図4に示される位置関係にて手首に装着され、手首のくるぶしPは当該切除部13から露出した状態となる。
図5は、本発明手関節用サポーターの第3の実施例を示す概略平面説明図である。
図5に示される実施例は、図1に示されるサポーター本体10における手首背面側被覆部11の腕側方向の辺縁部11bを、手首掌面側被覆部12の腕側方向の辺縁部12bより指側方向に若干後退せしめたものである。すなわち、手首背面側被覆部11の巾を、図1に示した手首背面側被覆部11の巾より狭くすることにより、手首の背屈動をよりスムースに行い得るようになっている。
図6は、本発明手関節用サポーターの第4の実施例を示す概略平面説明図である。
図6において、20は固定用面ファスナーベルトで、図4に示したサポーター本体10の外側面に縫着されており、これにより帯状のサポーター本体10を手首に強固に固定し得るようになっている。
本発明手関節用サポーターの第1の実施例を示す概略平面説明図。 図1のA−A線拡大断面説明図。 本発明手関節用サポーターの第2の実施例を示す概略平面説明図。 本発明手関節用サポーターの装着時の位置関係を示す概略平面説明図。 本発明手関節用サポーターの第3の実施例を示す概略平面説明図。 本発明手関節用サポーターの第4の実施例を示す概略平面説明図。
符号の説明
10:サポーター本体
11:手首背面側被覆部
11a:指側方向辺縁部
11b:腕側方向辺縁部
12:手首掌面側被覆部
12a:指側方向辺縁部
12b:腕側方向辺縁部
13:切除部
13a:切れ目
20:固定用面ファスナーベルト
P:手首のくるぶし
S:傾斜面

Claims (9)

  1. 少なくとも手首背面被覆部と手首掌面被覆部とを連成した帯状体から成るサポーター本体の腕側方向の辺縁部に、手首のくるぶしを被覆することなく露出せしめる凹湾状の切除部を設けたことを特徴とする手関節用サポーター。
  2. 凹湾状切除部の奥部側端面が、上方に向って徐々に肉薄となる傾斜面となっていることを特徴とする請求項記載の手関節用サポーター。
  3. 切除部から指側方向に、更に切れ目が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の手関節用サポーター。
  4. 手首背面側被覆部の腕側方向の辺縁部と手首掌面側被覆部の腕側方向の辺縁部が一直線上にあり、かつ手首掌面側被覆部の指側方向の辺縁部が、手首背面側被覆部の指側方向の辺縁部より腕側方向に後退していることを特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の手関節用サポーター。
  5. 手首背面側被覆部が、第2〜第5中手骨基底部から両前腕骨下端部までを被覆し得る巾を有していることを特徴とする請求項記載の手関節用サポーター。
  6. 手首背面側被覆部の腕側方向の辺縁部が、手首掌面側被覆部の腕側方向の辺縁部より指側方向に後退していると共に、手首掌面側被覆部の指側方向の辺縁部が、手首背面側被覆部の指側方向の辺縁部より腕側方向に後退していることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の手関節用サポーター。
  7. 手首背面側被覆部が、第2〜第5中手骨基底部から橈骨下端辺縁部までを被覆し得る巾を有していることを特徴とする請求項記載の手関節用サポーター。
  8. 手首掌面側被覆部が、手根骨から両前腕骨下端部までを被覆し得る巾を有していることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項記載の手関節用サポーター。
  9. サポーター本体が、固定用ベルトを備えていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項記載の手関節用サポーター。
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