JP4527892B2 - ポップアップ機構を備えたシングルレバー式の混合栓 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ポップアップ機構を備えたシングルレバー式の混合栓に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
図8に示すように、例えば洗面ボールの水栓取付板部101に開設された例えば二つの貫通孔102,103に、胴部104に直接接続された二つの取付足105,106が挿通され、取付足105,106と、座金およびナットよりなる締付手段107,107とによって水栓取付板部101に固定される一方、胴部104にポップアップ棒挿通穴108が設けられ、この挿通穴108がオーリングおよびオーリング受け用ビスよりなるシール部材109でシールされ、水栓取付板部101の取付足105,106で挟まれる位置にポップアップ棒107が垂直に挿通可能な挿通穴108を有するポップアップ機構を備えたシングルレバー式の混合栓109があるけれども、前記胴部104が例えば青銅鋳物からなるので、胴部104の中央周面Bから胴部104の吐水部110に至る折れ曲がり形状〔図8(B)参照〕や、周面Bから胴部104の台座部111に至る折れ曲がり形状〔図8(A)参照〕、あるいは、台座部111のエッジ面E,E’の折れ曲がり形状〔図8(A)参照〕等が湾曲形状となり、デサイン的にシャープな外観形状を持つ混合栓ではなかった。
【0003】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、円柱をモチーフにしたシャープな外観形状を持つポップアップ機構を備えたシングルレバー式の混合栓を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、洗面ボールの水栓取付板部に固定されるとともに、少なくとも前記水栓取付板部に形成される挿通穴に挿通可能で、洗面ボールの排出口を閉塞可能に上下移動する閉塞部材を操作する引上げ棒に連動連結されるポップアップ棒を有するポップアップ機構を備たシングルレバー式の混合栓において、
弁機構が乗載される上面を有し、前記弁機構に形成される水導入流路に連通する給水流路、前記弁機構に形成される湯導入流路に連通する給湯流路、前記弁機構に形成される湯水混合水導出流路に連通する湯水混合水排出流路を内蔵し、この湯水混合水排出流路の出口が形成される周面を有する一方、この周面および底面間を貫通するよう胴部における上下方向から所定角度だけ傾斜した状態で形成されているポップアップ棒貫通穴を有する円柱形状の金属製胴部と、この胴部の外径とほぼ同一の外径を有し、前記弁機構の下部を覆うほぼ円筒形状のカバー体と、このカバー体の上方に突出する前記弁機構の上部に係止され、上下・左右方向に回動操作されるレバー体と、前記胴部および前記水栓取付板部間に介装され、前記給水流路の入口を給水管に連通させる流路と、前記給湯流路の入口を給湯管に連通させる流路とを有するとともに、前記ポップアップ棒貫通穴に挿通される前記ポップアップ棒が挿通可能な挿通穴を有する連通機構とを備え、更に、この連通機構を覆う半円筒形状の天板を前記胴部直下に設ける一方、
前記ポップアップ棒は、
胴部の前記ポップアップ棒貫通穴に挿入配置される直線状の棒部分と、
前記上下方向に沿うよう前記棒部分から下方に前記所定角度だけ折れ曲がり連通機構の前記挿通穴および水栓取付板部の前記挿通穴を貫通して前記引上げ棒に至る直線状の棒部分とで構成されるとともに、
連通機構の前記挿通穴および水栓取付板部の前記挿通穴は、前記引上げ棒の操作時にポップアップ棒の折れ曲がり部分の動きを許容しうる大きさに形成されているとともに、前記連通機構の前記挿通穴は長穴に形成されていることを特徴としている(請求項1)
また、この発明は別の観点から、
洗面ボールの水栓取付板部に固定されるとともに、少なくとも前記水栓取付板部に形成される挿通穴に挿通可能で、洗面ボールの排出口を閉塞可能に上下移動する閉塞部材を操作する引上げ棒に連動連結されるポップアップ棒を有するポップアップ機構を備え、
弁機構が乗載される上面を有し、前記弁機構に形成される水導入流路に連通する給水流路、前記弁機構に形成される湯導入流路に連通する給湯流路、前記弁機構に形成される湯水混合水導出流路に連通する湯水混合水排出流路を内蔵し、この湯水混合水排出流路の出口が形成される周面を有する一方、この周面および底面間を貫通するよう胴部における上下方向から所定角度だけ傾斜した状態で形成されているポップアップ棒貫通穴を有する円柱形状の金属製胴部と、この胴部の外径とほぼ同一の外径を有し、前記弁機構の下部を覆うほぼ円筒形状のカバー体と、このカバー体の上方に突出する前記弁機構の上部に係止され、上下・左右方向に回動操作されるレバー体と、前記胴部および前記水栓取付板部間に介装され、前記給水流路の入口を給水管に連通させる流路と、前記給湯流路の入口を給湯管に連通させる流路とを有するとともに、前記ポップアップ棒貫通穴に挿通される前記ポップアップ棒が挿通可能な挿通穴を有する連通機構とを備え、更に、この連通機構を覆う半円筒形状の天板を前記胴部直下に設ける一方、
前記ポップアップ棒は、
胴部の前記ポップアップ棒貫通穴に挿入配置される直線状の棒部分と、
前記上下方向に沿うよう前記棒部分から下方に前記所定角度だけ折れ曲がり連通機構の前記挿通穴および水栓取付板部の前記挿通穴を貫通して前記引上げ棒に至る直線状の棒部分とで構成されるとともに、
連通機構の前記挿通穴および水栓取付板部の前記挿通穴は、前記引上げ棒の操作時にポップアップ棒の折れ曲がり部分の動きを許容しうる大きさに形成されているシングルレバー式の混合栓において、
前記レバー体は、前記弁機構の上部を覆うよう有底円筒形状の被覆部分を有し、この被覆部分は前記胴部の外径とほぼ同一の外径を有する一方、前記湯水混合水排出流路の出口に前記胴部の周面から突出した状態で吐水管が取り付けられ、この吐水管は、円筒形状をなし、
さらに、前記ポップアップ棒貫通穴は、前記ポップアップ棒貫通穴に挿入配置される前記直線状の棒部分の外径とほぼ同一の小径部と、これより大きな径を持つ大径部を胴部の周面側からこの順で備えており、前記大径部には、オーリングが嵌込まれ、このオーリングを保持するオーリング受けがネジ止めされていることを特徴とするポップアップ機構を備えたシングルレバー式の混合栓を提供する(請求項2)。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
図1〜図6は、ポップアップ棒貫通穴を有する円柱形状の金属製胴部と、弁機構の下部を覆うほぼ円筒形状のカバー体と、弁機構の上部を覆う有底円筒形状の被覆部分を有するレバー体とを設け、更に、胴部および水栓取付板部間に介装される連通機構を覆う半円筒形状の天板を胴部直下に設け、胴部の周面から突出した吐水管を有底円筒形状に構成して円柱をモチーフにしたシャープな外観形状を呈するように構成したこの発明の一実施形態を示す。
【0006】
図1〜図6において、1は、ポップアップ機構を備えたシングルレバー式の混合栓で、洗面ボールの水栓取付板部3に開設された二つの貫通孔4および5にそれぞれ取付足4aおよび5aが挿通され、取付足4aおよび5aに挿通された菊座金6およびナット7を用いて水栓取付板部3に固定されている。この実施形態では洗面ボール8に混合栓1を設置した場合を示している。前記取付足4aおよび5aは、それぞれ同一のもので、外周に雄ねじmが形成されている。前記取付足4aおよび5aは、後述する胴部20に直接接続されておらず、胴部とは別の部材よりなる後述する連通機構42の一つを構成する台座43に接続されている。8は、水栓取付板部3の下面3aおよび菊座金6間に設けた座パッキンである。
【0007】
10は、弁機構の下部を構成する弁本体で、ほぼ筒形状の下ユニットケース11に、下ディスク12と、この上に設けられるセラミック製の固定ディスク13と、固定ディスク13に摺動自在に重合配置されるセラミック製の可動ディスク14と、この上にあって可動ディスク14を保持する合成樹脂製のサポート部材15とが内蔵されている(特願平7−27515号、明細書、図面参照)。
【0008】
そして、弁本体10には、水導入流路および湯導入流路(図示せず)が形成されるとともに、これら導入流路の下流に湯水混合水導出流路(図示せず)が形成されている。
【0009】
16は、弁機構の上部を構成する栓棒操作部で、ほぼ筒形状の上ユニットケース17に、回転軸18aのまわりに回動する栓棒18と 回転軸18aを支持する支持部材19とが内蔵されている。そして、弁本体10と栓棒操作部16とで前記弁機構が構成されている。
【0010】
20は、円柱形状の胴部で、例えば合金等の金属製である。この胴部20は、所定長さの直径Dを持った円柱形状の長い金属製棒材を予め用意しておき、この金属製棒材を所定長さの高さHに切断することによって得られる。胴部20は、給水流路i、給湯流路rおよび湯水混合水排出流路nを内蔵している。また、胴部20は、表面がバフ処理されたのちメッキされてなる周面hを有する。
【0011】
前記胴部20は、上面qに前記弁機構10,16が乗載され、底面jには給水流路iの入口20aおよび給湯流路rの入口20bが面一に形成されている〔図4(B)参照〕。
【0012】
前記給水流路iは、前記取付足5aに接続されるフレキシブル管等の給水管200(図1参照)と弁本体10の前記水導入流路とを接続する。なお、給水管200と取付足5aの接続は、取付足5aの上流端に螺合している袋ナット120を取り外し、継手201を用いて行われる。
【0013】
一方、前記給湯流路rは、前記取付足4aに接続されるフレキシブル管等の給湯管(図示せず)と弁本体10の前記湯導入流路とを接続する。なお、給湯管と取付足4aの接続も、取付足4aの上流端に螺合している袋ナット120’を取り外し、適宜の継手を用いて行われる。
【0014】
そして、前記給水流路iを形成する給水穴21が胴部20の上下方向を真っ直ぐ貫通している。すなわち、給水穴21によって、底面jに開設した前記入口20aと、下ディスク12に設けた水導入流路の入口(図示せず)とが最短距離で結ばれている。
【0015】
同様に、前記給湯流路rを形成する給湯穴22が給水穴21に平行に胴部20の上下方向を真っ直ぐ貫通している。すなわち、給湯穴22によって、底面jに開設した前記入口20bと、下ディスク12に設けた湯導入流路の入口(図示せず)とが最短距離で結ばれている。給湯穴22および給水穴21は、横断面円形で、同径である。
【0016】
前記下ディスク12に設けた湯導入流路の入口(図示せず)は、前記上面qにおける前記給湯流路rの出口20b’に整合するよう〔図4(A)参照〕、また、前記下ディスク12に設けた水導入流路の入口(図示せず)は、前記上面qにおける前記給水流路iの出口20a’に整合するよう〔図4(A)参照〕、弁機構10,16が胴部20の上面qに乗載される。なお、図4(A)において、121は、弁機構10,16の乗載位置を位置決めするピン122が嵌入可能な嵌入穴で、ピン122は首部から嵌入され、ピン122の胴部の先端が下ディスク12の下面に形成された位置決め穴に嵌入する。
【0017】
更に、前記胴部20は、周面hに前記湯水混合水排出流路nの二つの出口23,24を上下に有する。
【0018】
そして、前記湯水混合水排出流路nは、縦断面L字型をなし、給湯穴22および給水穴21に平行な縦穴25と、上出口23に向かう上横穴26および下出口24に向かう下横穴27とで形成されている。上横穴26および下横穴27は、縦断面円形で、同径である。そして、縦穴25も横穴26,27と同様横断面円形であるが、横穴26,27より径が大きい。すなわち、縦穴25は給湯穴22および給水穴21と同径であるが、これら穴25,22,21より横穴26,27は径が小さく設定されている。これは、図4(A)からも明らかなように、縦穴25は、給湯穴22および給水穴21に邪魔されない位置に形成可能であるけれども、横穴26,27は給湯穴22および給水穴21間に挟まれる位置に形成する必要があり、そのため、スペース的に小さな領域Sにしか横穴26,27を形成できないという制約があるからである。そして、上横穴26または下横穴27のいずれか一つでは上出口23または下出口24から後述する吐水管内に排出される湯水混合水の量が少ないので、この実施形態では上下に二つの横穴26,27を設けることで湯水混合水の量を確保しているのである。なお、この二つの横穴26,27の代わりに湯水混合水の量を確保できる大きさの例えば縦断面楕円形の横穴を設けてもよいが、縦断面を横長の楕円形に形成するのは円穴を形成するより容易ではない。
【0019】
30は、弁機構10,16の下部、すなわち、弁本体10を覆うほぼ円筒形状のカバー体で、胴部20の外径とほぼ同一の外径を有する。このカバー体も、金属製(例えば合金製)で、表面がバフ処理されたのちメッキされてなる周面h’を有する。
【0020】
31は、樹脂製のレバー体で、表面がメッキ処理されている。このレバー体31は、雄ねじkを有するピン36により前記栓棒18に係止される係止部32を内部に有し、弁機構10,16の上部、すなわち、栓棒操作部16を覆う有底円筒形状の被覆部分33を備えている。この被覆部分33は前記胴部20の外径とほぼ同一の外径を有する。35は、レバー体31の操作杆である。30aは、ピン36の挿入穴で、被覆部分33の周壁fに形成されている。レバー体31は、上下方向(Y方向)(図3参照)・左右方向(X方向)(図7参照)の回動操作によって傾動操作される。
【0021】
また、前記湯水混合水排出流路nの出口23,24のまわりには、前記胴部20の周面hから突出した状態で吐水管95が取り付けられている。この吐水管95は、円筒形状をなし、周面hに銀ロー付けされている。吐水管95は、金属製で、表面がバフ処理されたのちメッキされている。96は、吐水管95の先端に取り外し可能に装着された有底円筒形状の断熱キャップで、下方に向けて泡末器97を有する。この断熱キャップ96は、吐水管95の外径とほぼ同一の外径を有し、表面がバフ処理されたのちメッキされている。
【0022】
以下、ポップアップ機構について説明する。
前記水栓取付板部3には、ポップアップ棒40が挿通可能な大きさの縦穴41が形成されている。この縦穴41は、二つの貫通孔4および5の間に位置している。
【0023】
また、ポップアップ棒40は、金属製で、表面がバフ処理されたのちメッキされている。このポップアップ棒40は、細長い直線状の金属棒を所定角度θだけ折り曲げて形成された、長尺部40aと短尺部40bよりなる。短尺部40bの先端には球状のレバー81が螺合している。このレバー81も、金属製で、表面がバフ処理されたのちメッキされている。
【0024】
そして、長尺部40aの下端部は、クリップ203を介して引上げ棒204に連動連結されている。この引上げ棒204は、洗面ボール8の底面中央に位置する排出口205を閉塞可能に上下移動する閉塞部材206を操作するためのものである。207は、排水トラップを構成するU字管である。
【0025】
一方、胴部20には、周面hおよび底面j間を貫通するポップアップ棒貫通穴80が垂直方向(上下方向)から所定角度θだけ傾斜した状態で形成されている。この貫通穴80には、ポップアップ棒40の短尺部40bが挿入される。貫通穴80は、短尺部40bの外径とほぼ同一の小径部80aと、これより大きな径を持つ大径部80bよりなる。この大径部80bには、オーリング83が嵌込まれ、更に、このオーリング83を保持するオーリング受け84がネジ止めされている。このオーリング受け84およびオーリング83でシール手段が構成される。このシール手段は、短尺部40bに付着した水滴が胴部20の底面jに位置する貫通穴80の出口80cから後述する連通機構42の長穴55、55’、55’’を通って水栓取付板部3の縦穴41から洗面ボール8下方に侵入するのを防止するよう機能する。
【0026】
42は、台座43、底板44および座パッキン45で構成される連通機構で、前記胴部20および水栓取付板部3間に介装されている。
【0027】
前記台座43は、例えば青銅鋳物からなる偏平な棒状体に形成されている。この台座43は、下部両端にそれぞれ、前記取付足4aに接続される給湯接続部50および前記取付足5aに接続される給湯接続部51を有するとともに、上部中央に、胴部底面jに開設した前記入口20bに整合する円形状の出口52と、胴部底面jに開設した前記入口20aに整合する円形状の出口53とが形成された鍔部54を有する。給湯接続部50は、上側大径部分50aと下側小径部分50bとよりなる。給水接続部51は、上側大径部分51aと下側小径部分51bとよりなる。
【0028】
更に、鍔部54の出口52,53間には、ポップアップ棒挿通用の平面視楕円形の長穴55が上下方向に貫通している。また、鍔部54には、出口52,53および長穴55の前後にそれぞれ一対のビス挿通用の穴56,56、57,57が上下に貫通している。
【0029】
一方、前記胴部20の底面jには、図4(B)に示すように、前記ビス挿通用の穴56,56、57,57に対応する位置にネジ穴56’,56’、57’,57’が形成されている。
【0030】
そして、出口52が前記入口20bに整合するよう、かつ出口53が前記入口20aに整合するようパッキン60を外周に設けてあるアダプタ61を介して鍔部54に前記胴部20が乗載され、前記底板44に形成されたビス挿通用の穴56’’,56’’、57’’,57’’から穴56,56、57,57を経てネジ穴56’,56’、57’,57’までビス62を通し、これを締付けることによって台座43上に胴部20を固定できる。しかも、前記底板44の前記ネジ穴56’,56’、57’,57’は、ビス62を締付けた後には、ビス62の頭62aの表面vが底板44の裏面44aと面一になるようテーパ形状の入口部をそれぞれ有する。
【0031】
前記底板44は、ステンレスよりなる薄板状で、平面視長方形に形成されている。この底板44の長辺は、台座43の長手方向における長さよりも長く設定されている。底板44は、前記給湯接続部50の下側小径部分50bの外径にほぼ等しい径を持った嵌合穴66を有するとともに、前記給水接続部51の下側小径部分51bの外径にほぼ等しい径を持った嵌合穴67を有する。
【0032】
更に、底板44は、台座43の下側から密着させたときに前記長穴55に整合するポップアップ棒挿通用の長穴55’を有する。
【0033】
また、前記座パッキン45は、樹脂製で、外形が底板44と同じ形状をなしており、嵌合穴66と同径の穴66’および嵌合穴67と同径の穴67’を有する。また、座パッキン45は、底板44の下側から密着させたときに前記長穴55’に整合するポップアップ棒挿通用の長穴55’’を有する。
【0034】
90は、前記連通機構42を覆う半円筒形状の天板で、金属製である。この天板90は、表面がバフ処理されたのちメッキされてなり、胴部20直下に位置する。天板90は、中央開口部91を有する。そして、台座43の鍔部54を中央開口部91に組付けるときに、前記中央開口部91の端面tと台座43の鍔部54の上端面pとが面一になるよう構成されていてる。
【0035】
而して、胴部20を円柱形状とし、この胴部20の外径とほぼ同一の外径を有する円筒形状のカバー体30で弁機構の下部10を覆い、胴部20の外径とほぼ同一の外径を有する有底円筒形状の被覆部分33で弁機構の上部16を覆うとともに、胴部20および水栓取付板部3間に介装される、給水管および給湯管連通用の連通機構43,44,45を覆う半円筒形状の天板90を胴部20直下に設け、更に、胴部20の周面hから突出した状態で円筒形状をなす吐水管95を設け、吐水管95の先端に取り外し可能で吐水管95の外径とほぼ同一の外径を有する有底円筒形状の断熱キャップ96を設け、しかも、ポップアップ棒40の先端に設けたレバー81を球状に形成し、これら構成部材20,30,33,90,95,96,81を全て表面がバフ処理されたのちメッキしているので、シャープな折れ曲がり形状を有するとともに、円柱をモチーフにしたシャープな外観形状を持つポップアップ機構を備えたシングルレバー式の混合栓1を提供できる。
【0036】
なお、この実施形態では、水栓取付板部3に二つの貫通孔4および5を設けた場合を示したが、一つの貫通孔を設けた、いわゆる、ワンホールタイプのポップアップ機構を備えたシングルレバー式の混合栓にもこの発明は適用できる。
【0037】
【発明の効果】
この発明では、胴部を円柱形状とし、この胴部の外径とほぼ同一の外径を有する円筒形状のカバー体で弁機構の下部を覆うとともに、胴部および水栓取付板部間に介装される、給水管および給湯管連通用の連通機構を覆う半円筒形状の天板を胴部直下に設けたので、シャープな折れ曲がり形状を有するとともに、円柱をモチーフにしたシャープな外観形状を持つポップアップ機構を備えたシングルレバー式の混合栓を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態を示す全体構成説明図である。
【図2】 上記実施形態を示す要部分解斜視図である。
【図3】 上記実施形態を示す要部構成説明図である。
【図4】 (A)は、上記実施形態で用いた胴部の上面を示す図である。
(B)は、上記実施形態で用いた胴部の下面を示す図である。
【図5】 上記実施形態を示す要部構成説明図である。
【図6】 (A)は、上記実施形態で用いた連通機構の一部を示す上面図である。
(B)は、上記実施形態で用いた連通機構の一部を示す縦断面図である。
【図7】 上記実施形態で用いたレバー体の動作説明図である。
【図8】 (A)は、従来例を示す概略正面図である。
(B)は、従来例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1…シングルレバー式の混合栓、3…水栓取付板部、10…弁機構の下部、16…弁機構の上部、20…胴部、30…カバー体、31…レバー体、40…ポップアップ棒、43,44,45…連通機構、55,55’,55’’…長穴、90…天板、i…給水流路、r…給湯流路、n…湯水混合水排出流路。

Claims (2)

  1. 洗面ボールの水栓取付板部に固定されるとともに、少なくとも前記水栓取付板部に形成される挿通穴に挿通可能で、洗面ボールの排出口を閉塞可能に上下移動する閉塞部材を操作する引上げ棒に連動連結されるポップアップ棒を有するポップアップ機構を備たシングルレバー式の混合栓において、
    弁機構が乗載される上面を有し、前記弁機構に形成される水導入流路に連通する給水流路、前記弁機構に形成される湯導入流路に連通する給湯流路、前記弁機構に形成される湯水混合水導出流路に連通する湯水混合水排出流路を内蔵し、この湯水混合水排出流路の出口が形成される周面を有する一方、この周面および底面間を貫通するよう胴部における上下方向から所定角度だけ傾斜した状態で形成されているポップアップ棒貫通穴を有する円柱形状の金属製胴部と、この胴部の外径とほぼ同一の外径を有し、前記弁機構の下部を覆うほぼ円筒形状のカバー体と、このカバー体の上方に突出する前記弁機構の上部に係止され、上下・左右方向に回動操作されるレバー体と、前記胴部および前記水栓取付板部間に介装され、前記給水流路の入口を給水管に連通させる流路と、前記給湯流路の入口を給湯管に連通させる流路とを有するとともに、前記ポップアップ棒貫通穴に挿通される前記ポップアップ棒が挿通可能な挿通穴を有する連通機構とを備え、更に、この連通機構を覆う半円筒形状の天板を前記胴部直下に設ける一方、
    前記ポップアップ棒は、
    胴部の前記ポップアップ棒貫通穴に挿入配置される直線状の棒部分と、
    前記上下方向に沿うよう前記棒部分から下方に前記所定角度だけ折れ曲がり連通機構の前記挿通穴および水栓取付板部の前記挿通穴を貫通して前記引上げ棒に至る直線状の棒部分とで構成されるとともに、
    連通機構の前記挿通穴および水栓取付板部の前記挿通穴は、前記引上げ棒の操作時にポップアップ棒の折れ曲がり部分の動きを許容しうる大きさに形成されているとともに、前記連通機構の前記挿通穴は長穴に形成されていることを特徴とするポップアップ機構を備えたシングルレバー式の混合栓。
  2. 洗面ボールの水栓取付板部に固定されるとともに、少なくとも前記水栓取付板部に形成される挿通穴に挿通可能で、洗面ボールの排出口を閉塞可能に上下移動する閉塞部材を操作する引上げ棒に連動連結されるポップアップ棒を有するポップアップ機構を備え、
    弁機構が乗載される上面を有し、前記弁機構に形成される水導入流路に連通する給水流路、前記弁機構に形成される湯導入流路に連通する給湯流路、前記弁機構に形成される湯水混合水導出流路に連通する湯水混合水排出流路を内蔵し、この湯水混合水排出流路の出口が形成される周面を有する一方、この周面および底面間を貫通するよう胴部における上下方向から所定角度だけ傾斜した状態で形成されているポップアップ棒貫通穴を有する円柱形状の金属製胴部と、この胴部の外径とほぼ同一の外径を有し、前記弁機構の下部を覆うほぼ円筒形状のカバー体と、このカバー体の上方に突出する前記弁機構の上部に係止され、上下・左右方向に回動操作されるレバー体と、前記胴部および前記水栓取付板部間に介装され、前記給水流路の入口を給水管に連通させる流路と、前記給湯流路の入口を給湯管に連通させる流路とを有するとともに、前記ポップアップ棒貫通穴に挿通される前記ポップアップ棒が挿通可能な挿通穴を有する連通機構とを備え、更に、この連通機構を覆う半円筒形状の天板を前記胴部直下に設ける一方、
    前記ポップアップ棒は、
    胴部の前記ポップアップ棒貫通穴に挿入配置される直線状の棒部分と、
    前記上下方向に沿うよう前記棒部分から下方に前記所定角度だけ折れ曲がり連通機構の前記挿通穴および水栓取付板部の前記挿通穴を貫通して前記引上げ棒に至る直線状の棒部分とで構成されるとともに、
    連通機構の前記挿通穴および水栓取付板部の前記挿通穴は、前記引上げ棒の操作時にポップアップ棒の折れ曲がり部分の動きを許容しうる大きさに形成されているシングルレバー式の混合栓において、
    前記レバー体は、前記弁機構の上部を覆うよう有底円筒形状の被覆部分を有し、この被覆部分は前記胴部の外径とほぼ同一の外径を有する一方、前記湯水混合水排出流路の出口に前記胴部の周面から突出した状態で吐水管が取り付けられ、この吐水管は、円筒形状をなし、
    さらに、前記ポップアップ棒貫通穴は、前記ポップアップ棒貫通穴に挿入配置される前記直線状の棒部分の外径とほぼ同一の小径部と、これより大きな径を持つ大径部を胴部の周面側からこの順で備えており、前記大径部には、オーリングが嵌込まれ、このオーリングを保持するオーリング受けがネジ止めされていることを特徴とするポップアップ機構を備えたシングルレバー式の混合栓。
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