JP4526769B2 - マグネシウム合金 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた耐クリープ性、改善した鋳造性を持つマグネシウム合金に関するもので、本発明のマグネシウム合金は高温での使用に優れ、また優れた耐食性を持つものである。
【0002】
【従来の技術】
同じ体積のアルミニウムより1/3軽いマグネシウム合金は、重量を減らす数多くの可能性を提供し、その為、自動車産業、航空宇宙産業においては大変魅力的である。CAFE(Clean Air for Europe欧州大気清浄)その他の環境法制定後は、多くの自動車メーカーは近い将来、自動車一台あたり、マグネシウム合金を40〜100kg使用すべく目標としている。マグネシウム合金の部品は、高圧ダイキャスト(high−pressure die casting)、砂型鋳造(sand casting)や永久鋳型鋳造(permanent mold casting)といった様々な鋳造工程によって製造される。その他の製造技術としては、高圧鋳造(squeeze casting)、半凝固成形(semi−solid casting)、チクソ成形(thixocasting)やチクソモールディング(thixomolding)がある。国際マグネシウム協会(IMA:the International Magnesium Association)は、ダイキャストマグネシウムの使用が増え続けるだろうと予測している。
【0003】
自動車部品の為の理想的マグネシウム合金は、費用効果が高いことの他に、鋳造過程で、また継続的応力負荷の下での使用の過程で、その特性に関係するいくつかの条件を満たさなければならない。良い成形性(castability)とは、溶融合金の薄い鋳型部への流れの良さ、溶融合金の鋳型への固着のしにくさ、キャスティング過程での耐酸化性がある。良い合金はキャスティングの冷却固化工程で亀裂を生じない。合金の鋳造物である部品は高い引張及び圧縮降伏強度を持ち、使用に際しては、高温下で応力負荷されても、連続ひずみ(continued strain)が低くなければならない(耐クリープ性)。
合金の鋳造物である部品がクランクケースのギアボックスの部品とするなら、120℃以上の高温においても優れた機械的特質を維持しなければならない。
また、合金は耐食性も備える必要がある。
合金の物理的化学的特性は、実質的に、種々の金属間化合物(intermetallic compounds)を形成するほかの金属元素の存在によって異なる。こうした金属間化合物は高温時の応力下で結晶粒が滑ること(grain sliding)を妨げる。
【0004】
従来のダイキャストマグネシウム合金は、全てMg−Al系によるものである。Mg−Al−Zn系(市場で入手可能な合金としてはAZ91D等)やMg−Al−Mn系の合金は鋳造性、耐食性に優れ、全体の強度と可塑性(ambient strength and ductility)にすぐれているが、耐クリープ性と、高温下での強度とが劣る。一方、Mg−Al−Si合金及びMg−Al−RE合金は耐クリープ性に優れているものの耐食性は不十分であり(AS41合金及びAS21合金)、鋳造性も劣る(AS21合金及びAE42合金)。どちらのタイプの合金も常温(ambient temperature)での引張降伏強度(tensile yield strength)が比較的低い。さらに、希土類元素(rare elements。以下、REともいう)の含有量が高いと、例えばAE42では2.4%であるが、コストが増す。
【0005】
上記合金にCa或いはSrを含有することで上記のうちいくつかの欠点は克服できる。
ドイツ特許出願第847,992号(特許文献1)は、マグネシウム合金について記載している。このマグネシウム合金は、2〜10重量%のアルミニウム、0〜4重量%の亜鉛、0.001〜0.5重量%のマンガン、0.5〜3重量%のカルシウム、及び0.005重量%までのベリリウムを含む。更に、この合金は熱による亀裂を防ぐ為に比較的高い含有量(0.3重量%までの)の鉄を含んでいる。
イギリス特許出願公開第2,296,256号(特許文献2)は、2重量%までのRE及び5.5重量%までのCaを含むマグネシウム合金を開示している。
国際特許出願公開WO9625529号(特許文献3)は、マグネシウム合金について開示している。このマグネシウム合金は、0.8重量%までのカルシウムを含み、35MPaの応力負荷のもと、150℃で200時間の条件において、0.5%未満のクリープひずみを示している。
欧州特許出願公開第799901号(特許文献4)は、4重量%までのカルシウム及び0.15重量%までのストロンチウムを含む半凝固成形用のマグネシウム合金を記載しており、この合金においてCa/Al比は0.8未満である。
欧州特許出願公開第791662号(特許文献5)は、3重量%までのCa及び3重量%までのRE元素を含むマグネシウム合金を開示しており、該合金は元素のある特定の比率に対してのみダイキャスト可能である。
欧州特許出願公開第1048743号(特許文献6)は、キャスティングの為の3.3%までのCa及び0.2%までのSrを含むマグネシウム合金の製造方法を教示している。
米国特許第6,139,651号(特許文献7)は、1.2重量%までのCa、0.2重量%までのSrを含み、一方、Znの含有率は0.01〜1重量%或いは5〜10重量%であるマグネシウム合金を開示している。
国際特許出願公開WO0144529号(特許文献8)は、2.2%までのSrを含むキャスト用のマグネシウム合金を記載している。
【0006】
【特許文献1】
ドイツ特許出願第847,992号
【特許文献2】
イギリス特許出願公開第2,296,256号
【特許文献3】
国際特許出願公開WO9625529号
【特許文献4】
欧州特許出願公開第799901号
【特許文献5】
欧州特許出願公開第791662号
【特許文献6】
欧州特許出願公開第1048743号
【特許文献7】
米国特許第6,139,651号
【特許文献8】
国際特許出願公開WO0144529号
【特許文献9】
欧州特許出願公開第1,127,950
【非特許文献1】
ハワード アイ カプラン、ジョン エヌ ハリン、バイロン ビー クロウ:”マグネシウム テクノロジー 2000、プロシーディングズ オブ ザ シンポジウム”2000年 3月、pp.279−284(Howard I Kaplan、John N.Hryn & Byron B.Clow:”Magnesium Technology 2000,Proceedings of the symposium”March 2000,pp.279−284)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、少なくとも150℃までの高温時の耐クリープ性を改良しつつ、常温(ambient temperature)時及び高温時の強度を改良した合金を提供することを目的としている。
【0008】
また本発明の別の目的は、特に高圧ダイキャスト工程によく適応し、鋳型にくっ付き難く、酸化し難く、熱間割れが少なく、かつ流動性に優れた合金を提供することである。
【0009】
また本発明の別の目的は、耐食性に優れ、高温時の使用に適したマグネシウム合金を提供することである。
【0010】
さらに本発明の目的は、砂型鋳造、永久鋳型鋳造、高圧鋳造、半凝固成形、チクソ成形、チクソモールディングといった他の工法にも使用できる合金を提供することである。
【0011】
さらに本発明の目的は、ベリリウムを使用せず鋳造できる合金を提供することである。
【0012】
本発明の目的は、上述した動作と特性を持つ比較的安価な合金を提供することである。
【0013】
そのほかの本発明の目的や利点は後述によって明らかとなる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は優れた耐クリープ性、鋳造性があり、高温での使用に適した強度の高いマグネシウム合金に関するものである。本発明の合金は鋳造性に優れ、耐食性に優れている。上記合金は、アルミニウム、マンガン、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、及び希土類元素から成る。
この発明のマグネシウム合金は、
1)6.1〜9.2(「〜」の含有量の表記は、両端の数値を含む6.1質量%以上9.2質量%以下を意味する。以下、同じ。)質量%のアルミニウム、
2)0.08〜0.38質量%のマンガン、
3)0.00〜0.9質量%の亜鉛、
4)0.2〜1.2質量%のカルシウム、
5)0.05〜1.4質量%のストロンチウム、
6)0.00〜0.8質量%の希土類元素
を含み、残部マグネシウム及び不純物からなり、前記不純物としてSi,Fe,Ni,Cuを含み得ると共に、さらに、カルシウムとストロンチウムの合計量が0.9質量%を超え1.6質量%未満であることを特徴とする。
合金中の鉄、ニッケル、銅及びケイ素(シリコン)の含有量はそれぞれ、0.004質量%、0.001質量%、0.003質量%、0.03質量%を超えない。カルシウムとストロンチウム含有量の合計は0.9質量%を超え、1.6質量%未満である。本発明の合金の微細組織は、母相(matrix)としてMg−Al固溶体(solid slution)を持ち、Mg−Al固溶体の結晶粒界(grain boundaries)に位置するMg17Al9Ca2Sr、Al2Ca0.5Sr0.5、Al8(Mn,RE)5、Al2(Sr,Ca)1、Al2(Sr,Ca,RE)1、Alx(Mn,RE)yといった金属間化合物から成る。
【0015】
本発明の合金は、常温(ambient temperature)及び150℃の高温のいずれにおいても、優れた強度と、優れたクリープ特性とを持つ。また、優れた耐食性を持つ。鋳造工程中では、流動性に優れ、鋳型にくっ付き難く、酸化し難く、熱間割れが少ない。本発明の合金は更に比較的安価である。
【0016】
本発明はさらに高圧ダイキャスト、砂型鋳造、永久鋳型鋳造、高圧鋳造、半凝固成形、チクソ成形、チクソモールディングといった様々な工程にも使用できる合金に関するものである。
【0017】
本発明はさらに前述した構成のマグネシウム合金によって製造した物品に関するもので、その合金は耐クリープ性、鋳造性に優れている。上記物品は高温での使用に適し、優れた耐食性を持つものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
マグネシウム合金(magnesium based alloys)においては、アルミニウム(aluminum)、マンガン(manganese)、亜鉛(zinc)、カルシウム(calcium)、ストロンチウム(strontium)、ジルコニウム(zirconium)及び希土類元素(rare
earth elements)といった元素の組み合わせ方によって先行技術の合金より優れた特性を持つようになることがわかった。これらの特性としては、常温(ambient temperature)及び高温での優れた引張降伏強度(tensile yield strength)及び圧縮降伏強度(compressive yield strength)、優れた溶融金属動作(molten metal behavior)、鋳造性、改良された耐クリープ性、耐食性といったものである。
【0019】
本実施の形態のマグネシウム合金は4.8〜9.2質量%のアルミニウムを含む。アルミニウムの含有量が4.8質量%未満では鋳造性のうち、特に流動性については、それほど向上しない。一方、アルミニウムの含有量が9.2質量%を超えると脆くなり、また、耐クリープ性もそれほど良くならない。
本実施の形態の合金は0.08〜0.38質量%のマンガンを含み、及び0.9質量%までの亜鉛を含んでもよい。
本実施の形態の合金はカルシウム及びストロンチウムの両方を含む。カルシウム含有量は好ましくは0.2〜1.2質量%であり、ストロンチウムの含有量は0.05〜1.4質量%が好ましい。カルシウムとストロンチウムとの含有によって安定した金属間化合物を形成し、この金属間化合物が結晶粒の滑りを防ぐ為、耐クリープ性が大幅に増す。β相、金属間化合物Mg17(Al,Zn)12が形成されるのを抑え、耐クリープ性を改善する為、カルシウム及びストロンチウムの合計量は0.9質量%より高くなければならない。一方で、脆くなるのを防ぎ、熱間割れの原因となる鋳型への固着を防ぐ為、カルシウムとストロンチウムの合計は1.6質量%を超えてはならない。カルシウムの含有はさらに合金の耐酸化性を高める。
本実施の形態の合金の殆どはインゴットで調合されベリリウム(beryllium)を使用せずダイキャストされる。
本実施の形態の合金は、0.8質量%までの希土類元素を含んでもよい。希土類元素は、析出した金属間化合物(the precipitated intermetallic compounds)に働きその安定性を増す。さらに、RE元素を含有することで耐食性が高まる。しかしながら、0.8質量%を超えるRE元素による合金は強度を損ない、鋳造性も損なう。また、合金のコストが高くなるのは言うまでも無い。
【0020】
本実施の形態の合金は低い腐食率(corrosion rate)を保つ為、鉄(iron)、銅(copper)及びニッケル(nickel)の含有は最小量とする。本実施の形態の合金は、鉄の含有は0.004質量%未満、望ましくは0.003質量%未満とする。マンガンを加えることで鉄の含有量を減らすことが出来る。最小でも残存マンガンが0.17質量%あれば鉄の含有量を0.003質量%未満に減らすことが出来る。ここで、0.02質量%までの少量のジルコニウムを入れると0.08質量%のマンガンで同じ結果を得られる。本実施の形態の合金は0.001質量%を超えるニッケル、0.003質量%を超える銅、0.03質量%を超えるケイ素(シリコン)(silicon)を含まない。
【0021】
好適な実施の形態によれば、マグネシウム合金は7.8〜8.8質量%のアルミニウム、0.00〜0.3質量%の亜鉛、0.65〜1.05質量%のカルシウム、0.15〜0.65質量%のストロンチウム、0.00〜0.2質量%の希土類元素、0.08〜0.28質量%のマンガンを含み、希土類元素はセリウムを主とするミッシュメタルとして加えたものである。
本好適な実施の形態による合金は、Mg−Al固溶体を母相(matrix)として、Mg17Al9Ca2Sr、Al2Ca0.5Sr0.5、Al8(Mn,RE)5といった金属間化合物を持ち、上記金属間化合物はMg−Al固溶体の結晶粒界に位置する。
【0022】
別の好適な実施の形態によれば、マグネシウム合金は4.8〜6.0質量%のアルミニウム、0.10〜0.37質量%のマンガン、0.00〜0.3質量%の亜鉛、0.20〜0.30質量%のカルシウム、0.7〜1.4質量%のストロンチウム、0.1〜0.6質量%の希土類元素を含み、希土類元素はセリウムを主とするミッシュメタルとして加えたものである。
本好適な実施の形態による合金は、Mg−Al固溶体を母相(matrix)として、Al2(Sr,Ca)、Al2(Sr,Ca,RE)1、Alx(Mn,RE)yといった金属間化合物を持ち、上記金属間化合物はMg−Al固溶体の結晶粒界に位置する。
【0023】
ここに記載した質量%のカルシウム、ストロンチウム、希土類元素、亜鉛、及びマンガンを添加することは、更に、Mg17(Al,Ca,Sr)12、Mg17(Al,Ca,Sr,Zn)12、(Al,Zn)2(Ca,Sr)といった他の金属間化合物を本実施の形態の合金中に析出させることがわかった。上記金属間化合物相(intermetallic phases)はMg−Al固溶体の母相(matrix)の結晶境界に位置することが観察された。
【0024】
本実施の形態に係るマグネシウム合金をテストし、広く使われており、市場で入手可能なマグネシウム合金のAZ91DやAE42といった比較サンプルと比較した。走査型電子顕微鏡による金属組織学試験(metallography examination)と析出物のX線回折分析とによって、比較サンプルと本実施の形態の合金の間には、例えば新しい金属間析出物(intermetallic precipitates)の形成において、はっきり違いが現れた。新しい合金の微細組織は、例えば、Mg−Al固溶体の微細結晶粒と結晶粒界に位置する共晶相(eutectic phases)から成る。
【0025】
鋳造性の評価は、鋳造過程での合金の性質を特徴付ける流動性(fluidity)、鋳型への固着性(sticking to the die)、耐酸化性(oxidation resistance)といった三つのパラメータの組み合わせによって行った。全ての比較サンプル中で、AZ91D合金だけが本実施の形態の合金と同様の鋳造性を持っており、AE42合金より鋳造動作がはるかに良かった。
【0026】
引張及び圧縮試験によれば、本実施の形態の合金は、常温(ambient temperature)及び150℃でも、AZ91D合金及びAE42合金よりも遥に高い引張降伏強度(tensile yield strength)(TYS)また圧縮降伏強度(compressive yield strength)(CYS)を示した。
【0027】
NaCl溶液に浸した後で測定した新らしい合金の耐食性は、AZ91D合金と同じかより良く、AE42合金より遥に良かった。
【0028】
クリープ特性については85MPa及び50MPaの応力の下で200時間に渡り135℃及び150℃でそれぞれ測定された。この測定条件はギアボックスハウジング、インテーク・マニホールド(intake manifolds)等といったパワートレイン部品(power train components)の要件を考慮して選択したものである。耐クリープ性は最小クリープ速度(minimum creep rate)によって決まるもので、最小クリープ速度(minimum creep rate)は、パワートレイン部品を設計する上で最も重要なパラメータと考えられている。本実施の形態の合金はAE42合金より高い、さらにAZ91Dよりかなり高い耐クリープ性を持っていた。
【0029】
好適な実施の形態によれば、本実施の形態の合金で作った物品は高圧ダイキャスト鋳造物である。
【0030】
本実施の形態の別の実施の形態によれば、本実施の形態の合金で作った物品は砂型鋳造、永久鋳型鋳造、高圧鋳造、半凝固成形、チクソ成形、チクソモールディングのいずれかの工程による鋳造物である。
【0031】
上記のような認識によって本実施の形態は更にマグネシウム合金による物品製造に適用できる。そうした製造品は強度が高く、常温(ambient temperature)及び高温において耐クリープ性があり耐食性も良好であり、自動車或いは航空宇宙建造システムの一部として使用されるものである。
【0032】
本実施の形態は更に以下の実施例によって記述及び図示される。
【0033】
【実施例】
全体手順
本実施の形態の合金は低カーボンスティール(low carbon steel)で作った100リットルのるつぼで調合された。CO2+0.5%SF6(二酸化炭素と0.5%の六フッ化硫黄)の混合体が保護用ガスとして使用された。原材料は以下のとおりである。
マグネシウム−純粋マグネシウム、階級9980A、少なくとも99.8%のMg。
マンガン−マンガン含有量により異なるが、700℃〜720℃の溶融温度で溶解マグネシウムに加えられたAl−60%Mn母合金(an Al−60%Mn
master alloy)。帯電片を特別に準備し、15−30分間溶融物を集中的に攪拌することで、溶解マグネシウムへのマンガンの溶融を促進した。
アルミニウム−商用純粋Al(不純物0.2%未満)。
希土類元素−セリウムを基礎とするミッシュメタル、含有量は50%Ce+25%La+20%Nd+5%Pr。
カルシウム−母合金Al−75%Ca(a master alloy Al−75%Ca)。
ストロンチウム−母合金Al−90%Sr(a master alloy Al−90%Sr)。
亜鉛−商用純粋Zn(不純物0.1%未満)。
Al,Ca,Sr,Zn導入時の典型的温度は690℃〜710℃であった。2−15分間集中的に攪拌することで溶解マグネシウムへこれらの元素を溶融できた。
ベリリウム−鋳造に先立ち、660〜690℃の温度で溶融物を加減した(適度な硬度にした)後、Al−1%Be母合金(a master alloy Al−1%Be)の形態で本実施の形態による新しい合金のいくつかに5×10-4%〜10×10-4%(5〜10ppm)のベリリウムを添加した。しかし、殆どの本実施の形態による新しい合金はベリリウムを使用せず調合し鋳造した。
【0034】
必要な組成物を調合した後、本実施の形態の合金を8kgのインゴットへと成形した。鋳型中で固形化する間、溶解金属は保護なしで鋳造された。全ての実験用インゴットの表面に焼成(burning)も酸化も見られなかった。放電スペクトロメータ(spark emission spectrometer)を用いて化学的分析を行った。
ダイキャスティング試作(die casting trials)は、3381KN(キロニュートン)(345トン)の型締力でIDRA OL−320冷加圧室ダイキャスト機を使用して行われた。実験用サンプルを製造するのに用いたダイは六個取り金型であり、以下を鋳造した。
−ASTM(American Society for Testing and Materials 材料試験協会)標準B557M−94により引張試験のための丸い試験片2つ、
−クリープ試験の為のサンプル1つ、
−疲労試験の為のサンプル1つ、
−ASTM E23標準の衝撃試験サンプル1つ、
−ASTM G31標準の浸漬腐食試験の為の直径10mmの丸いサンプル1つ、
ダイキャスト性は、ダイキャスティング試作(die casting trials)中の流動性(fluidity)(F)、耐酸化性(oxidation resistance)(OR)、鋳型への固着性(die sticking)(D)によって評価された。それぞれの合金は、3つの特性に関して、質が向上するに従って、1〜10までにランク付けされた。組み合わせた「鋳造性因子」(castability factor)(CF)は、3つのパラメータの重み付けで計算され、鋳型への固着性は重み因子4、流動性と酸化はそれぞれ重み因子1である。
CF=〔(T/670)・OR+(670/T)・F+4D〕・(100/60)
ここでTは実際の鋳造温度、670はAZ91D合金の鋳造温度[℃]である。
【0035】
金属組織学試験は光学顕微鏡と、エネルギー分散型分光計(EDS)を装備した走査型電子顕微鏡(SEM)とを用いて行われた。相組成(phase compositions)は、EDS分析とX線回折分析を組み合わせて測定された。
【0036】
常温(ambient temperature)及び高温での引張圧縮試験は、高温室を装備したインストロン(Instron)(登録商標)4483試験機を使用して行った。引張降伏強度(tensile yield strength)(TYS)、最大引張強さ(ultimate tensile strength)(UTS)、伸び率(percent elongation)(%E)、圧縮降伏強度(compressive yield strength)(CYS)を測定した。
【0037】
SATEC型M−3試験機をクリープ特性の試験に使用した。クリープ性の試験は100MPa及び55MPaの応力下で200時間に渡り150℃及び200℃でそれぞれ行った。これらの試験条件はクランクケース、オイルパン、インテーク・マニホールド(intake manifolds)といったパワートレイン部品のクリープ動作要件を考慮して選択した。耐クリープ性は最小クリープ速度(minimum creep rate)(MCR)の値によって特徴付けられ、最小クリープ速度(minimum creep rate)(MCR)は、パワートレイン部品の設計において最も重要なパラメータと考えられている。
【0038】
腐食性はASTM標準G31−87に従って浸漬腐食試験を行うことで評価した。試験をしたサンプルは、長さ100mm、直径10mmの円筒形ロッドであるが、アセトン中で脱脂した後、72時間に渡り、23±1℃の常温(ambient temperature)で、5%NaCL溶液に浸した。それぞれの合金の5つのサンプルをテストした。その後、クロム酸溶液(1リットル当たりCrO3180g)中で3分間80℃でサンプルから腐食物を剥離した。重量損失を測定し、平均腐食率(average corrosion rate)(CR)をmg/cm2/日で計算するのに使用した。
【0039】
合金の実施例
図1〜図4における表1〜表4は本実施の形態による合金と比較例の合金の化学的組成及び特性を表している。図1の表1は、5つの比較例と共に本実施の形態による14の新しい合金の化学的組成を表したものである。比較例1と2はそれぞれ、商用マグネシウム合金のAZ91D及びAE42である。図5〜図6には本実施の形態による新しい合金と比較例1、2の金属組織学試験の結果を示す。新しい合金の微細組織は、Mg−Al固溶体の結晶粒と結晶粒界の共晶の析出物(eutectic phases)より成る。これらの析出物はX線回折分析及びEDS分析によって確認された。これらの分析結果を比較用の合金のデータと共に図2の表2に示す。
【0040】
図2の表2によって、アルミニウム、カルシウム、ストロンチウム、希土類元素、マンガン、亜鉛を用いて合金をつくることにより、AZ91DやAE42合金に見られる金属間化合物とは異なる、新しい析出物が形成されていることがわかる。
【0041】
図3の表3に、新しい合金のダイキャスト性を示す。本実施の形態による新しい合金はAZ91Dと同様のダイキャスト性を示し、AE42合金(比較例2)や他の比較例よりはるかに良いダイキャスト性を示していることは明らかである。
図4の表4には、新しい合金の引張、圧縮、クリープ特性及び耐食性を示す。常温(ambient temperature)及び特に150℃において、本実施の形態による合金の引張降伏強度(tensile yield strength)(TYS)と圧縮降伏強度(compressive yield strength)(CYS)は、AZ91D合金より高く、AE42合金よりもはるかに高い。
【0042】
新しい合金の耐食性もAZ91D合金の耐食性と同様か良く、AE42合金の耐食性よりもはるかに良い。
【0043】
図4の表4に見られるように、本実施の形態の合金は、135℃及び150℃においての耐クリープ性がAZ91D合金よりはるかに良く、その最小クリープ速度(minimum creep rate)(MCR)の違いは2桁に及ぶこともある(例えば図4の表4において、135℃、85MPaでは例1のMCRは1.8×10-9/秒(1.8×10-9(s-1))であり、AZ91Dである比較例1のMCRは305×10-9/秒(305×10-9(s-1))である。)。
85Mpaの応力下、135℃で、本実施の形態の合金はAE42合金の耐クリープ性にも勝っている。
【0044】
本実施の形態はいくつかの特定の例によって説明してきたが、多くの修正変更が可能である。従って、上記の請求項の範囲において、これまで説明した以外に本実施の形態を適用できる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも150℃までの高温時の耐クリープ性を改良しつつ、常温(ambient temperature)時及び高温時の強度を改良した合金を提供することができる。
【0046】
また本発明によれば、特に高圧ダイキャスト工程によく適応し、鋳型にくっ付き難く、酸化し難く、熱による亀裂が少なく、かつ流動性に優れた合金を提供することができる。
【0047】
また本発明によれば、耐食性に優れ、高温時の使用に適したマグネシウム合金を提供することができる。
【0048】
さらに本発明によれば、砂型鋳造、永久鋳型鋳造、高圧鋳造、半凝固成形、チクソ成形、チクソモールディングといった他の工法にも使用できる合金を提供することができる。
【0049】
さらに本発明によれば、ベリリウムを使用せず鋳造できる合金を提供することができる。
【0050】
さらに本発明によれば、上述した動作と特性を持つ比較的安価な合金を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合金の化学的組成を示す表1の図である。
【図2】 新しい合金の金属間相(intermetallic phases)を示す表2の図である。
【図3】 新しい合金の鋳造特性を示す表3の図である。
【図4】 新しい合金の機械的特性を示す表4の図である。
【図5】 (a)及び(b)は、それぞれ例4及び例9によるダイキャスト合金の微細組織を示す図である。
【図6】 (a)及び(b)は、それぞれ比較例1及び比較例2によるダイキャスト合金の微細組織を示す図である。
Claims (6)
- マグネシウム合金であって、
1)6.1〜9.2質量%のアルミニウム、
2)0.08〜0.38質量%のマンガン、
3)0.00〜0.9質量%の亜鉛、
4)0.2〜1.2質量%のカルシウム、
5)0.05〜1.4質量%のストロンチウム、
6)0.00〜0.8質量%の希土類元素
を含み、残部マグネシウム及び不純物からなり、前記不純物としてSi,Fe,Ni,Cuを含み得ると共に、さらに、カルシウムとストロンチウムの合計量が0.9質量%を超え1.6質量%未満であることを特徴とするマグネシウム合金。 - 上記マグネシウム合金は、7.8〜8.8質量%のアルミニウムと、0.00〜0.3質量%の亜鉛と、0.65〜1.05質量%のカルシウムと、0.15〜0.65質量%のストロンチウムと、0.00〜0.2質量%の希土類元素と、0.08〜0.28質量%のマンガンとを含むことを特徴とする請求項1記載のマグネシウム合金。
- 上記マグネシウム合金は、母相(matrix)としてMg−Al固溶体(solid slution)を持ち、Mg17Al9Ca2Srと、Al2Ca0.5Sr0.5と、Al8(Mn,RE)5との金属間化合物(intermetallic compounds)を持ち、前記金属間化合物は、前記Mg−Al固溶体の結晶粒界に位置すること特徴とする請求項2のマグネシウム合金。
- 上記マグネシウム合金は、希土類元素はミッシュメタル(mischmetal)を含むことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のマグネシウム合金。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のマグネシウム合金の鋳造物であることを特徴とする物品(article)。
- 上記物品は、高圧ダイキャスト(high−pressure die casting)、砂型鋳造(sand casting)、永久鋳型鋳造(permanent mold casting)、高圧鋳造(squeeze casting)、半凝固成形(semi−solid casting)、チクソ成形(thixocasting)、チクソモールディング(thixomolding)のいずれかによる鋳造物であることを特徴とする請求項5記載の物品(article)。
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