JP4526283B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
これらの筆記具に用いられる毛管力を発生するペン先としては、繊維を収束させ棒状に成形した繊維芯や、有機高分子微粒子等をペン芯形状に焼結させて成形した焼結芯等がある。
(1) インキ貯留体から、インキを導出させるために毛管力を付与したペン先を有する筆記具において、上記ペン先には、濃淡の変化した描線を筆記する筆記部を備えたことを特徴とする筆記具。
(2) 筆記描線の幅が3mm以上である上記(1)記載の筆記具。
(3) 筆記部の気孔率が、ペン先中央部と外側部とで変化している上記(1)又は(2)記載の筆記具。
(4) ペン先中央部の気孔率が30〜50%である上記(3)記載の筆記具。
(5) ペン先外側部の気孔率が50〜90%である上記(3)記載の筆記具。
(6) ペン先が、合成樹脂を棒状に収束して形成されている上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の筆記具。
(7) ペン先が、樹脂微粒子を焼結して形成されている上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の筆記具。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態を示す筆記具である。
本実施形態の筆記具Aは、図1に示すように、インキを直接貯溜する筆記具本体(軸体)となるインキ貯留体(インキタンク部)10を有すると共に、一時的にインキを保溜するコレクター部材11を有し、インキタンク部10からぺン先20へのインキの導出がコレクター部材11の貫通孔12に設けられた中継芯13を介して(又は直接)行われる直液タイプの筆記具である。なお、図示符号14は後軸、15は先軸、16はキャップ体である。
この特性を有するペン先20としては、具体的には、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる平行繊維束、フェルト等の繊維束を棒状に収束して加工又はこれらの繊維束を棒状に樹脂加工した繊維芯や、上記樹脂等の樹脂微粒子を焼結して形成されている焼結芯などが挙げられ、これらの繊維芯や、焼結芯からなるペン先(ペン芯)内の毛管力、気孔率を変化させたものを用いることができる。
更に、筆記描線の幅は、マーキングする文字の大きさにもよるが、好ましくは、3mm以上、更に好ましくは、3〜10mmとなるものが望ましい。なお、上記筆記描線の幅が3mm未満であると、文字上に描線濃度が高い描線がかかることが多くなり、特に色相濃度が高くあらわれがちなインキを用いた場合には読みずらいものとなる。色相濃度の高くあらわれがちなインキとしては、発色が強くあらわれやすい紫、青などの従来アンダーラインに使用されているインキ、また、青、赤、緑などの従来マーカーに使用されるインキなどが挙げられる。
この実施形態のペン先22は、図2(b)に準拠するように、筆記部21の繊維密度が、ペン先中央部とその両外側部とで変化しているものであり、ペン先の中央部の繊維密度を下げることによって、インキの流出量を低下させ、描線の色相濃度に変化をつけさせることができるものとなっている。
この実施形態のペン先23は、図2(b)に準拠するように、筆記部21の繊維太さが、ペン先中央部とその両外側部とで変化しているものであり、具体的には、ペン先の中央部の太さを下げることによって、インキの流出量を低下させ、描線の色相濃度に変化をつけさせることができるものとなっている。
この実施形態のペン先24は、図2(b)に準拠するように、焼結させる樹脂微粒子の粒子径の分布が、ペン先中央部とその両外側部とで変化しているものであり、具体的には、ペン先の中央部の粒子径の分布を少なくすることによって、インキの流出量を低下させ、描線の色相濃度に変化をつけさせることができるものとなっている。
また、本発明の筆記具に用いるインキ組成は特に限定されるものではないが、特に上述の如く、色相濃度の高くあらわれがちなインキを用いた筆記具では、特に有効である。
(実施例1)
下記構成のペン先、インキ吸蔵体、並びに、下記配合組成のインキを用いた図4に準拠する筆記具を作製した。
1.ペン先構成
ペン先全体の描線幅:7.5mm
ペン先中央部(描線幅4mm):2デニールのポリエステル製の繊維束を収束して、気孔率30%、毛管力380mmのペン先中央部を得た。
ペン先外側部:5デニールのポリエステル製の繊維束を収束して、気孔率70%、毛管力300mmのペン先外側部(2つ)を得た。
上記ペン先中央部とペン先外側部とをウレタン系接着剤である、ニッポラン、コロネートL(ともに日本ポリウレタン工業社製)により接着した後、ナイフカット形状に研磨することによってペン先を作製した。
2.インキ吸蔵体
ポリエステル製の気孔率80%、毛管力120mmのインキ吸蔵体を用いた。
3.インキ組成(配合単位:重量%、全量100重量%)
下記配合組成により赤色の水性インキを得た。
水(精製水) 14.40
VCカラー赤色(御国色素社製、着色微粒子、固形分30重量%) 70.00
グリセリン(和光純薬工業社製、防乾剤) 15.00
トリエタノールアミン(和光純薬工業社製、pH調整剤) 0.50
バイオエース(ケイアイ化成社製、防腐剤) 0.10
ペン先を下記構成、並びに、インキを下記配合組成とした以外は、上記実施例1と同様にして、図4に準拠する筆記具を作製した。
1.ペン先構成
ペン先全体の描線幅:7.5mm
ペン先中央部(描線幅4mm):2デニールのポリエステル製の繊維束を収束して、気孔率40%、毛管力350mmのペン先中央部を得た。
ペン先外側部:5デニールのポリエステル製の繊維束を収束して、気孔率70%、毛管力220mmのペン先外側部(2つ)を得た。
上記ペン先中央部とペン先外側部とをニッポラン、コロネートL(ともに日本ポリウレタン工業社製)により接着した後、ナイフカット形状に研磨することによってペン先を作製した。
2.インキ組成(配合単位:重量%、全量100重量%)
下記配合組成により桃色の水性インキを得た。
水(精製水) 14.40
VCカラー桃色(御国色素社製、着色微粒子、固形分30重量%) 70.00
グリセリン(和光純薬工業社製、防乾剤) 15.00
トリエタノールアミン(和光純薬工業社製、pH調整剤) 0.50
バイオエース(ケイアイ化成社製、防腐剤) 0.10
20 ペン先
21 筆記部
Claims (6)
- インキ貯留体から、インキを導出させるために毛管力を付与したペン先を有する筆記具において、上記ペン先には、該ペン先の気孔率が、中央部において低く、描線中央部は比較的薄い色相の描線となる濃淡の変化した描線を筆記する筆記部を備えたことを特徴とする筆記具。
- 筆記描線の幅が3mm以上である請求項1記載の筆記具。
- ペン先中央部の気孔率が30〜50%である請求項1又は2に記載の筆記具。
- ペン先外側部の気孔率が50〜90%である請求項1又は2に記載の筆記具。
- ペン先が、合成樹脂を棒状に収束して形成されている請求項1〜4の何れか一つに記載の筆記具。
- ペン先が、樹脂微粒子を焼結して形成されている請求項1〜4の何れか一つに記載の筆記具。
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