JP6370024B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
例えば、幅広の筆記部の多孔体を用いて視認部の面積比率を更に向上させた筆記具(例えば、本出願人による特許文献1参照)が知られている。
(1) ペン先が、筆記部となる多孔体と、該多孔体を保持し、筆記部にインクを供給するためのインク誘導部を少なくとも1つ有する保持体とを備え、筆記具本体に含まれるインクを、上記保持体に設けたインク誘導部に供給するための中継多孔体を有し、かつ、上記保持体が、筆記方向を視認できる視認部となる筆記具であって、上記インク誘導部は略中央部に配置すると共に、インクを含浸させたインク供給芯を配設したことを特徴とする筆記具。
(2) インク供給芯は、インク誘導部とインク供給芯との間に隙間を形成し、該隙間からインクで満たされていることを特徴とする上記(1)記載の筆記具。
(3) インク供給芯が中継多孔体と一体であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の筆記具。
(4) 保持体のインク誘導部の外形を凸状に形成したことを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の筆記具。
(5) 保持体のインク誘導部の外形を凹状に形成したことを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の筆記具
また、インク誘導部とインク供給芯との間に隙間を形成し、該隙間からインクで満たされる構成とすることにより、インク供給芯によるインク供給と、隙間の直液作用によるインクによるインク供給とを組み合わせることで、インク残量の視認ができ、また、インク切れを起こしても暫くは筆記を継続することができものとなる。
更に、インク供給芯が中継多孔体と一体とすることで、インク供給芯と中継多孔体との接続部間でのインク供給によるムラが無くなり、また、衝撃等によるインク掠れの防止をより向上させることができる。
更にまた、ペン先の断面外形を凹形状又は凸形状に形成することで視認部への変化を発揮し、視認部を介して筆跡を容易に確認することできる。凸形状の場合、文字、中芯がはっきり見え、凹形状の場合、インク供給芯が細くなるため、視認部を遮蔽されることがなくなり、意匠性を向上させることができる。
図1及び図2は、本発明の実施形態の一例を示す筆記具の各図面である。
本実施形態の筆記具Aは、マーキングペンタイプの筆記具であり、図1及び図2に示すように、筆記具本体(軸部)となる軸筒10、インク吸蔵体20、中継多孔体30、ペン先40を備えている。
軸筒10は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス等で形成されるものであり、筆記具用インクを含浸したインク吸蔵体20を収容する有底筒状の後軸11と、ペン先40を固着する先軸15とを有している。
また、用いるインク組成は特に限定されず、アンダーラインペン等ではインクに蛍光色素、例えば、ベーシックバイオレット11、ベーシックイエロー40などを含有させることできる。
この本体部42の外周面には、フランジ部43が設けられ、筒状部41の入り口には中継多孔体30を嵌入保持する嵌入保持部41aが設けられている。
また、ペン先40の本体部42の外周面上には、先軸15の嵌入部18に設けた嵌合部18aに嵌合するための嵌合突部42aが設けられている。
また、筆記部となる多孔体45は、筆記しやすい傾きとなるように、好ましくは、本体軸の長軸方向に対して、40〜90°の角度で傾いていることが望ましく、本実施形態では、75°の傾きとなっている。
これらの筆記部となる多孔体45の形状、傾き等は、筆記等の使い勝手に合わせて適宜設定される。また、筆記部となる多孔体45は、描線幅が太いものであり、好ましくは、描線幅2mm以上、更に好ましくは、描線幅3mm以上の描線幅となる筆記部である。
この可視光線透過率が50%未満の材料を使用した場合は、筆記方向に書いてある文字を有効に視認できないことがあり、好ましくない。更なる良好な視認機能を発揮できるようにするために、50%以上透過する材料が好ましく、この可視光線透過率が80%以上であれば、更に良好に視認できるものとなる。なお、可視光線透過率は、多光源測色計を用いて反射率を測定することで求めることができる。
このインク誘導部50の形状、大きさ、本数等は、筆記具本体に含まれるインク吸蔵体20に含浸されたインクが上記中継多孔体30、インク誘導部50内に配設したインク供給芯51を介して筆記部となる多孔体45へ毛管作用により効率よくインク供給できる構造等となるものであれば、その形状、構造、大きさ、本数などは適宜選択することができる。
また、保持体55内部にインク誘導部50の断面積の合計が7mm2以上であることが望ましい。
更に、インク誘導部50の形状は、長軸方向である筆記部45側に向かって直線が望ましいが、テーパーが形成されていてもよく、また、本体軸の長軸方向に対して0〜30°の向きで、2本以上の複数本でもよいが、1本のみ設けられていることが望ましい。
また、本発明では、保持体55のインク供給芯51が配設されたインク誘導部50以外の部分が視認部を形成する面となるものであり、筆記方向を有効に視認するために、略平行面となっていることが望ましい。
特に、インク誘導部50を保持体55の長手方向中央部に形成することにより、筆記部となる多孔体45に、かたよりなく効率的にインクを供給できるので、更に、終筆まで使用可能な筆記具が提供されるものとなる。また、インク誘導部50を保持体55の長手方向中央部に形成することにより、筆記方向を定め易く、非常に筆記しやすい形状となるものである。更に、保持体55の上部にリブ体57を設けることにより、定規で筆記した際に、定規を汚さずに真直ぐな線などを引くこともできる。
図3(a)は、図1及び図2での筆記具Aにおいて、インク供給芯51を配設したインク供給部50を二本設けた点で、筆記具Aと異なるものである。この形態の場合、インク吸蔵体20に含浸されたインクが中継多孔体30、二本のインク供給芯51を介して筆記部となる多孔体45へ毛管作用により効率よく多くのインクを供給するものとなる。
図3(b)は、図1及び図2での筆記具Aにおいて、中継多孔体とインク供給芯とを一体としたインク供給体31とした点でのみ、筆記具Aと異なるものである。この形態の場合、インク吸蔵体20に含浸されたインクが上記中継多孔体とインク誘導部とが一体となったインク供給体31を介して直接筆記部となる多孔体45へ毛管作用により効率よくインク供給するものであり、インク供給芯が中継多孔体と一体とすることで、インク供給芯と中継多孔体との接続部間でのインク供給によるムラが無くなり、また、衝撃等によるインクカスレの防止をより向上させることができるものとなる。なお、この形態の場合、インク誘導部50の大きさも中継多孔体30を保持する筒状体41の大きさと同一となるので、筆記具Aよりも保持体55の視認部の面積比率が若干低下するものである。
図4(a)は、図1及び図2の筆記具Aにおいて、インク供給芯51の配置をインク供給芯51とインク誘導部50との間に隙間52を形成するように配置(収容)し、該隙間52からインクで満たされている構成とした点で図1及び図2の筆記具と異なるものである。この形態の場合、インク供給芯51によるインク供給と、隙間52の毛管作用(直液作用)によるインクによるインク供給とを組み合わせることで、インク残量の視認ができ、また、インク切れを起こしても暫くは筆記を継続することができものとなる。
図4(c)は、図3(b)において、インク供給体31において、前方のインク供給芯部分に相当する部分31aとインク誘導部50との間に隙間52を形成し、該隙間52からインクで満たされている構成とした点で図3(b)の筆記具と異なるものであり、上記図4(a)と同様に機能するものである。
図5は、保持体55のインク誘導部50の外形部55a、55aを凸状に形成したものであり、図6は、保持体55のインク誘導部50の外形部55b、55bを凹状に形成したものである。
この形態のペン先の断面となる外形部55a、55aを凸状に形成又は外形部55b、55bを凹形状に形成することで視認部への変化を発揮し、視認部を介して筆跡を容易に確認することできる。外形部55a、55aが凸レンズ形状の場合、文字、中芯がはっきり見え、外形部55b、55bが凹レンズの場合、中芯が細くなるため、視認部を遮蔽されることがなくなり、意匠性を向上させることができる。
また、上記実施形態の筆記具Aでは、筆記具本体の軸筒などを楕円軸に形成したが、三角形状、四角形以上の方形状などの異形形状、正円形状にしてもよいものである。
(筆記具の構成:図1及び図2準拠)
(ペン先の構成)
筆記部ペン芯(多孔体45):PE製焼結芯、気孔率60%、上辺長さ5mm、下辺長さ6mm、高さ3mm、前端面の両側を面取り加工
保持体55(本体部含む):ABS樹脂製
インク誘導部50:円筒形状、直径:φ3.1mm
インク供給芯51:PET繊維束、 φ3.0mm
(ペン先以外の筆記具部材の構成)
中継芯30:PET繊維束、気孔率65%、φ4×25mm
インク吸蔵体20:PET繊維束、気孔率85%、φ13×55mm
ペン芯45と保持体55の接着は下記により行った。
ペン芯は、保持体にペン芯を面取り部側から装着した状態で、有機溶剤(酢酸エチル)をしみ込ませ、乾燥させることで接着した。
インクとして、下記組成の蛍光桃インクを使用した。
色材 :VCトナー桃(御国色素社製) 30質量部
湿潤剤:グリセリン 25質量部
防腐剤:バイオエース(ケイアイ化成社製) 0.7質量部
イオン交換水 44.3質量部
(筆記具の構成:図1、図2及び図4(a)準拠)
(ペン先の構成)
上記実施例1の筆記具において、インク誘導部50とインク供給芯51を下記構成のものに代えて筆記具を作製した。
インク誘導部50:円筒形状、直径:φ4.0mm
インク供給芯51:PET繊維束、 φ3.5mm
このように構成される本発明となる実施例2の筆記具を用いて、文字の上に筆記したところ、組立性が容易となり、また、上記落下衝撃試験においてもインクカスレを防ぐことができ、インク残量の視認が良好であり、また、インク切れを起こしても暫くは筆記を継続することができことが判った。
(筆記具の構成:図1、図2及び図3(b)準拠)
(ペン先の構成)
上記実施例1の筆記具において、中継多孔体とインク供給芯を一体とした下記構成のインク供給体を用いて筆記具を作製した。
インク供給体31:PET繊維束、φ4.0mm
このように構成される本発明となる実施例3の筆記具を用いて、文字の上に筆記したところ、組立性が容易となり、また、上記落下衝撃試験においてもインクカスレを防ぐことができることが判った。
10 筆記具本体
11 後軸
15 先軸
20 インク吸蔵体
30 中継多孔体
40 ペン先
45 筆記部
50 インク誘導部
51 インク供給芯
55 保持体
Claims (2)
- ペン先が、筆記部となる多孔体と、該多孔体を保持し、筆記部にインクを供給するためのインク誘導部を少なくとも1つ有する保持体とを備え、筆記具本体に含まれるインクを、上記保持体に設けたインク誘導部に供給するための中継多孔体を有し、かつ、上記保持体が、筆記方向を視認できる視認部となる筆記具であって、上記インク誘導部は略中央部に配置すると共に、該インク誘導部内にインクを含浸させたインク供給芯を配設し、筆記具本体からのインクを保持体内に配設された上記中継多孔体及びインク供給芯を介して筆記部へ供給すると共に、インク供給芯が中継多孔体と一体であることを特徴とする筆記具。
- インク供給芯は、インク誘導部とインク供給芯との間に隙間を形成し、該隙間からインクで満たされ、かつ、筆記具本体からのインクを保持体内に配設された上記中継多孔体を介して当該インク供給芯と、上記隙間の毛管作用とにより筆記部へ供給することを特徴とする請求項1記載の筆記具。
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