以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載の発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本明細書に記載されている発明をサポートする実施の形態が本明細書に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、本明細書に記載されている発明の全てを意味するものではない。換言すれば、この記載は、本明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出現、追加される発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の記録装置は、データ記録媒体の第1の記録層の記録領域(例えば、図8に示すL0層の記録領域)と、第1の記録層と同じ面に設けられている第2の記録層の記録領域(例えば、図8に示すL1層の記録領域)とを、物理的にほぼ同じ位置で分割することにより、第1の記録層の記録領域を複数の第1の領域(例えば、図8に示す領域251乃至領域256)に分割して管理するとともに、第2の記録層の記録領域を複数の第2の領域(例えば、図8に示す領域261乃至領域266)に分割して管理する分割管理手段(例えば、図10の分割部332)と、フォーマットのための第1のデータの記録の対象となる対象領域としての第1の領域、または第1の領域と物理的にほぼ同じ位置の第2の領域のいずれかの領域に、第1のデータ、またはユーザにより記録が指示された第2のデータが記録されていない領域である未記録領域がある場合、対象領域としての第1の領域または第2の領域のいずれかの領域の未記録領域に第1のデータを記録させるようにデータ記録媒体への記録を制御し、対象領域としての第1の領域または第2の領域の未記録領域に第1のデータまたは第2のデータが記録され、その領域の全体に未記録領域がなくなった場合、対象領域としての第1の領域または第2の領域のうちの第1のデータまたは第2のデータが記録されたことにより、その領域の全体に未記録領域がなくなった領域とは異なる領域に未記録領域があるとき、その未記録領域に第1のデータを記録させるようにデータ記録媒体への記録を制御する記録制御手段(例えば、図10のフォーマット処理部335)と、第2のデータが最後に記録された位置を特定する情報を記憶する記憶手段(例えば、図10の最終記録アドレス記憶部334)とを備え、記録制御手段は、全ての第1の記録層の第1の領域、および第2の記録層の第2の領域に対して、対象領域としての第1の領域およびその第1の領域と物理的にほぼ同じ位置の第2の領域に未記録領域がある場合、対象領域としての第1の領域または第2の領域のうち、情報を基に特定される第2のデータが記録された領域が含まれる記録層とは異なる記録層の領域の未記録領域に第1のデータを優先的に記録させるようにデータ記録媒体への記録を制御することを特徴とする。
請求項4に記載の記録装置は、データ記録媒体の第1の記録層の記録領域(例えば、図8に示すL0層の記録領域)と、第1の記録層と同じ面に設けられている第2の記録層の記録領域(例えば、図8に示すL1層の記録領域)とを、物理的にほぼ同じ位置で分割することにより、第1の記録層の記録領域を複数の第1の領域(例えば、図8に示す領域251乃至領域256)に分割して管理するとともに、第2の記録層の記録領域を複数の第2の領域(例えば、図8に示す領域261乃至領域266)に分割して管理する分割管理手段(例えば、図10の分割部332)と、フォーマットのための第1のデータの記録の対象となる対象領域としての第1の領域、または第1の領域と物理的にほぼ同じ位置の第2の領域のいずれかの領域に、第1のデータ、またはユーザにより記録が指示された第2のデータが記録されていない領域である未記録領域がある場合、対象領域としての第1の領域または第2の領域のいずれかの領域の未記録領域に第1のデータを記録させるようにデータ記録媒体への記録を制御し、対象領域としての第1の領域または第2の領域の未記録領域に第1のデータまたは第2のデータが記録され、その領域の全体に未記録領域がなくなった場合、対象領域としての第1の領域または第2の領域のうちの第1のデータまたは第2のデータが記録されたことにより、その領域の全体に未記録領域がなくなった領域とは異なる領域に未記録領域があるとき、その未記録領域に第1のデータを記録させるようにデータ記録媒体への記録を制御する記録制御手段(例えば、図10のフォーマット処理部335)と、第1の領域、およびその第1の領域と物理的にほぼ同じ位置の第2の領域からなる領域ごとの情報であって、1つの第1の領域またはその第1の領域と物理的にほぼ同じ位置の第2の領域に第2のデータが最後に記録された位置を特定する情報を記憶する記憶手段(例えば、図10の最終記録アドレス記憶部334)とを備え、記録制御手段は、対象領域としての1つの第1の領域およびその第1の領域と物理的にほぼ同じ位置の第2の領域に未記録領域がある場合、対象領域としての第1の領域または第2の領域のうち、情報を基に特定された第2のデータが最後に記録された領域とは異なる領域の未記録領域に第1のデータを優先的に記録させるようにデータ記録媒体への記録を制御することを特徴とする。
本発明は、光ディスクにデータを記録する記録装置に適用することができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。
図2は、本発明を適用した記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
記録再生装置31は、例えば、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置32に接続されており、情報処理装置32から、記録再生装置31に装着されたCD‐RWやDVD+RWなどの光ディスク33へのデータの記録を指示するか、または光ディスク33からのデータの読み出しを指示するディスクアクセス要求が供給されると、その指示に応じて、情報処理装置32から供給されたデータを光ディスク33に記録するか、または光ディスク33に記録されているデータを読み出して、情報処理装置32に供給する。また、記録再生装置31は、情報処理装置32から光ディスク33の排出を指示する、ディスク取り出し要求が供給されると、光ディスク33を排出する。
記録再生装置31は、制御部51、ワークメモリ52、サーボ制御部53、スピンドルモータ54、光ピックアップ55、および信号処理部56を含むように構成される。
制御部51は、例えば、汎用のセントラルプロセッサ、マイクロプロセッサ、または専用コントローラなどから構成され、記録再生装置31全体を制御する。例えば、汎用のセントラルプロセッサまたはマイクロプロセッサである制御部51は、ワークメモリ52に記憶されているプログラムを読み込んで実行し、記録再生装置31全体を制御する。制御部51は、信号処理部56を介して、情報処理装置32からディスク取り出し要求が供給されると、記録再生装置31を制御して、光ディスク33を記録再生装置31から排出させる。
また、制御部51は、信号処理部56を介して、情報処理装置32からデータの書き込みであるディスクアクセス要求が供給された場合、信号処理部56を制御して、ワークメモリ52に記憶されているデータまたは情報処理装置32から供給されたデータを光ディスク33に記録させる。制御部51は、信号処理部56を介して、情報処理装置32からデータの読み出しであるディスクアクセス要求が供給された場合、信号処理部56を制御して光ディスク33に記録されているデータを読み出させる。読み出したデータは、情報処理部32に供給されるか、または制御部51に供給される。
さらに、光ディスク33がスピンドルモータ54のスピンドルに装着された場合、制御部51は、信号処理部56を制御して光ディスク33に記録されているデータを読み出させる。読み出したデータは、制御部51に供給される。光ディスク33がスピンドルモータ54のスピンドルに装着された場合、制御部51は、信号処理部56を制御して、信号処理部56において生成されたデータを光ディスク33に記録させる。
さらに、制御部51は、情報処理装置32からディスクアクセス要求が供給されるか、または光ディスク33がスピンドルモータ54のスピンドルに装着されると、光ディスク33の回転駆動を指示する信号を生成し、サーボ制御部53に供給する。
制御部51は、光ディスク33にデータを記録する場合、または光ディスク33に記録されているデータを読み出す場合、光ピックアップ55を制御し、光ピックアップ55に発光させて、光ディスク33に光を照射させる。また、制御部51は、信号処理部56から供給されたトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を基に、トラッキング制御およびフォーカス制御を行うための制御信号を生成し、サーボ制御部53に供給する。
ワークメモリ52は、例えば、揮発性または不揮発性の半導体メモリなどからなり、予め記憶しているプログラムまたは所定のデータを制御部51に供給する。ワークメモリ52は、必要に応じて情報処理装置32から供給されたデータやプログラムを記憶する。また、ワークメモリ52は、記憶しているデータを制御部51に供給する。例えば、ワークメモリ52は、制御部51を介して、情報処理装置32または信号処理部56から供給されたデータ若しくはプログラムを記憶したり、または光ディスク33から読み出されたデータ若しくはプログラムを記憶する。
サーボ制御部53は、制御部51から供給された光ディスク33の回転駆動を指示する信号に基づいて、スピンドルモータ54のスピンドルを回転させる。また、サーボ制御部53は、制御部51から供給された制御信号に基づいて光ピックアップ55を駆動し、光ディスク33に対して光ピックアップ55を移動させる。
スピンドルモータ54は、サーボ制御部53の制御の基に、スピンドルに装着されている光ディスク33を回転駆動する。
光ピックアップ55は、サーボ制御部53の制御の基に駆動され、トラッキング制御およびフォーカス制御される。例えば、光ピックアップ55は、サーボ制御部53によって、光ピックアップ55から光ディスク33に照射する光のスポットが、光ディスク33のトラックを追従するように、トラッキング制御される。さらに、例えば、光ピックアップ55は、サーボ制御部53によって、光ピックアップ55から光ディスク33に照射する光のスポットのフォーカスが、光ディスク33の記録層に合焦するように、フォーカス制御される。
また、光ピックアップ55は、制御部51の制御の基に、内蔵するレーザダイオードを発光させ、光(レーザ)を光ディスク33に照射する。なお、より詳細には、光ディスク33にデータを記録する場合、光ピックアップ55は、制御部51の制御の基に、信号処理部56から供給された記録信号に応じて、レーザダイオードが射出する光の出力強度を変化させる。
さらに、光ピックアップ55は、光ディスク33に照射して、光ディスク33において反射された光を受光する。そして、光ピックアップ55は、受光した光を、受光した光の強さを示す電気信号に変換し、これにより得られた電気信号を信号処理部56に供給する。
信号処理部56は、光ディスク33にデータを記録させる場合、制御部51の制御の基に、光ディスク33に記録させるデータに対応した記録信号を生成し、生成した記録信号を光ピックアップ55に供給する。信号処理部56は、光ディスク33からデータを読み出す場合、制御部51の制御の基に、光ピックアップ55から供給される、光ピックアップ55が受光した光の強さを示す電気信号から、データを再生する。信号処理部56は、再生したデータを制御部51に供給するか、または情報処理装置32に供給する。
信号処理部56は、再生信号処理部71、メモリコントローラ72、バッファメモリ73、インターフェース74、および記録信号処理部75を含むように構成されており、インターフェース74には、情報処理装置32が接続されている。
再生信号処理部71は、光ピックアップ55から供給された電気信号の波形を整形し、所定の周波数成分を抽出することによって、光ディスク33に記録されているデータを再生するための再生信号を生成する。また、再生信号処理部71は生成した再生信号に、例えば、8-16方式の復調処理などの所定の処理を施し、これにより得られたデータをメモリコントローラ72に供給する。
さらに、再生信号処理部71は、光ピックアップ55から供給された電気信号を基に、トラッキングエラー信号、およびフォーカスエラー信号を生成し、生成したトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号をメモリコントローラ72に供給する。
メモリコントローラ72は、再生信号処理部71から供給されたデータを、必要に応じてバッファメモリ73に供給し、再生信号処理部71から供給されたデータまたはバッファメモリ73に記憶されているデータを、制御部51に供給するか、またはインターフェース74を介して情報処理装置32に供給する。
また、メモリコントローラ72は、再生信号処理部71から供給されたトラッキングエラー信号、およびフォーカスエラー信号を制御部51に供給する。
さらに、メモリコントローラ72は、インターフェース74を介して情報処理装置32から供給された、光ディスク33に記録するデータ、または制御部51から供給された所定のデータを、必要に応じてバッファメモリ73に供給し、バッファメモリ73に記憶されているデータ、情報処理装置32から供給されたデータ、または制御部51から供給された所定のデータを記録信号処理部75に供給する。
バッファメモリ73は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性のメモリからなり、メモリコントローラ72から供給されたデータを一時的に記憶する。
記録信号処理部75は、メモリコントローラ72から供給された、光ディスク33に記録するデータに、例えば、8-16方式の変調処理などの所定の処理を施し、これにより得られた記録信号を光ピックアップ55に供給する。
ところで、一般に、一方の面においてデータを記録するための記録層が2つ設けられている2層式の光ディスクにおいて、光を照射する光ピックアップにより近い記録層はL0層と称され、光ピックアップからより遠い記録層は、L1層と称される。2層式の光ディスクには、パラレル方式の光ディスクとオポジット方式の光ディスクとがある。
パラレル方式の光ディスクにおいて、L0層およびL1層のそれぞれの記録領域の光ディスクの内周側にリードインエリアが設けられ、L0層およびL1層の記録領域からデータを読み出すときに、それぞれ、光ディスクの内周側から外周側に向かってデータが読み出される。オポジット方式の光ディスクにおいて、L0層の記録領域からデータを読み出す場合、光ディスクの内周側から外周側に向かってデータが読み出され、逆にL1層の記録領域からデータを読み出す場合、光ディスクの外周側から内周側に向かってデータが読み出される。
以下、図3および図4を参照して、パラレル方式の光ディスクおよびオポジット方式の光ディスクについて説明する。
図3は、パラレル方式の光ディスクの記録領域を示す図である。図3Aにおいて、縦方向は光ディスクの記録領域に設けられた物理セクタの物理セクタ番号を示しており、横方向は、光ディスクの内周側から外周側に向かう方向を示している。また、直線G11は、光ディスクの記録領域内の各位置の物理セクタ番号を示しており、矢印F11乃至矢印F14のそれぞれは、直線G11上の位置(点)を示している。
図3Aで示されるように、L0層の記録領域の内周側にリードインエリア91が設けられており、リードインエリア91に続いて、データを記録するためのユーザエリア92が設けられている。また、ユーザエリア92に続いて、L0層の記録領域の最も外周側に、L0層のユーザエリア92の終了位置を示すリードアウトエリア93が設けられている。
L1層の記録領域の内周側にリードインエリア94が設けられており、リードインエリア94に続いて、データを記録するためのユーザエリア95が設けられている。また、ユーザエリア95に続いて、L1層の記録領域の最も外周側に、L1層のユーザエリア95の終了位置を示すリードアウトエリア96が設けられている。ここで、L1層のリードアウトエリア96の大きさは、L0層のリードアウトエリア93の大きさよりもわずかに大きい。
記録再生装置31が、L0層のユーザエリア92の先頭の位置(リードインエリア91に隣接する位置)から、ユーザエリア92およびユーザエリア95に記録されているデータを順次読み出していく場合、記録再生装置31は、L0層のユーザエリア92の図中、左側の端の位置から右側に向かって、ユーザエリア92に記録されているデータを読み出す。そして、ユーザエリア92の右側の端の位置(リードアウトエリア93に隣接する位置)に記録されているデータを読み出すと、次に、記録再生装置31は、L1層のユーザエリア95の図中、左側の端の位置から順番に右側の端の位置までユーザエリア95に記録されているデータを読み出していく。
データを読み出す場合と同様に、記録再生装置31が、L0層のユーザエリア92の先頭の位置(リードインエリア91に隣接する位置)から、ユーザエリア92およびユーザエリア95に、ユーザによって記録が指示されたデータを順次記録していく場合、記録再生装置31は、L0層のユーザエリア92の図中、左側の端の位置から右側に向かって、ユーザエリア92にデータを記録する。そして、ユーザエリア92の右側の端の位置(リードアウトエリア93に隣接する位置)にデータを記録すると、次に、記録再生装置31は、L1層のユーザエリア95の図中、左側の端の位置から順番に右側の端の位置までユーザエリア95にデータを記録していく。
また、光ディスクの記録領域は、所定の大きさの領域(物理セクタ)に分けられており、直線G11で示すように、各物理セクタには、光ディスクの内周側の物理セクタから順番に、光ディスクの外周側の物理セクタまで連続した物理セクタ番号(PSN(Physical Sector Number))が付されている。例えば、矢印F11で示される直線G11上の点が示す物理セクタ(記録領域の位置)の物理セクタ番号は、リードインエリア91の終点の位置を含む物理セクタ、およびリードインエリア94の終点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号(例えば、“02FFFFh”)を示している。
同様に、矢印F12で示される直線G11上の点が示す物理セクタの物理セクタ番号は、ユーザエリア92の始点(先頭)の位置を含む物理セクタ、およびユーザエリア95の始点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号(例えば、“030000h”)を示しており、矢印F13で示される直線G11上の点が示す物理セクタの物理セクタ番号は、ユーザエリア92の所定の位置を含む物理セクタ、およびユーザエリア95の終点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号を示しており、矢印F14で示される直線G11上の点が示す物理セクタの物理セクタ番号は、ユーザエリア92の終点の位置を含む物理セクタ、およびリードアウトエリア96の所定の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号を示している。
したがって、図3Bに示すように、ユーザエリア92の始点(先頭)の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号と、ユーザエリア95の始点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号とは、同一の物理セクタ番号“030000h”となっている。なお、図3Bにおいて、ユーザエリア92の図中の左側は、内周側の記録領域を示し、ユーザエリア92の図中の右側は、外周側の記録領域を示す。同様に、ユーザエリア95の図中の左側は、内周側の記録領域を示し、ユーザエリア95の図中の右側は、外周側の記録領域を示す。
また、図3Bでは、図3Aの矢印F14で示される直線G11上の点が示す位置に対応する、ユーザエリア92の終点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号は、“End PSN(0)”で表されており、図3Aの矢印F13で示される直線G11上の点が示す位置に対応する、ユーザエリア95の終点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号は、“End PSN(1)”で表されている。
一方、オポジット方式の光ディスクは、図4Aに示すように、L1層にはリードインエリアが設けられていない。
図4Aにおいて、縦方向は光ディスクの記録領域に設けられた物理セクタの物理セクタ番号を示しており、横方向は、光ディスクの内周側から外周側に向かう方向を示している。また、直線G21および直線G22は、それぞれ、光ディスクのL0層およびL1層の記録領域内の各位置の物理セクタ番号を示している。さらに、矢印F21乃至矢印F23のそれぞれは、直線G21上の位置(点)を示しており、矢印F24および矢印F25は、直線G22上の位置(点)を示している。
図4Aで示されるように、L0層の記録領域の内周側にリードインエリア111が設けられており、リードインエリア111に続いて、データを記録するためのユーザエリア112が設けられている。また、ユーザエリア112に続いて、L0層の記録領域の最も外周側に、L0層のユーザエリア112の終了位置であり、かつL0層とL1層との折り返しの位置であることを示すミドルエリア113が設けられている。
また、L1層の記録領域の外周側には、L1層のユーザエリア115の開始位置であり、かつL0層とL1層との折り返しの位置であることを示すミドルエリア114が設けられており、ミドルエリア114の図中、左側にはデータを記録するためのユーザエリア115が設けられている。また、ユーザエリア115の左側には、L1層の記録領域の最も内周側に、L1層のユーザエリア115の終了位置を示すリードアウトエリア116が設けられている。ここで、L1層のリードアウトエリア116の大きさは、L0層のリードインエリア111の大きさよりもわずかに大きい。
記録再生装置31が、L0層のユーザエリア112の先頭の位置(リードインエリア111に隣接する位置)から、ユーザエリア112およびユーザエリア115に記録されているデータを順次読み出していく場合、記録再生装置31は、L0層のユーザエリア112の図中、左側の端の位置から右側に向かって、ユーザエリア112に記録されているデータを読み出す。そして、ユーザエリア112の右側の端の位置(ミドルエリア113に隣接する位置)に記録されているデータを読み出すと、次に、記録再生装置31は、L1層のユーザエリア115の図中、右側の端の位置(ミドルエリア114に隣接する位置)から左側に向かって順番に左側の端の位置(リードアウトエリア116に隣接する位置)までユーザエリア115に記録されているデータを読み出していく。
データを読み出す場合と同様に、記録再生装置31が、L0層のユーザエリア112の先頭の位置(リードインエリア111に隣接する位置)から、ユーザエリア112およびユーザエリア115にユーザによって記録が指示されたデータを順次記録していく場合、記録再生装置31は、L0層のユーザエリア112の図中、左側の端の位置から右側に向かって、ユーザエリア112にデータを記録する。そして、ユーザエリア112の右側の端の位置(ミドルエリア113に隣接する位置)にデータを記録すると、次に、記録再生装置31は、L1層のユーザエリア115の図中、右側の端の位置(ミドルエリア114に隣接する位置)から左側に向かって順番に左側の端の位置(リードアウトエリア116に隣接する位置)までユーザエリア115にデータを記録していく。
また、光ディスクの記録領域は、所定の大きさの領域(物理セクタ)に分けられており、直線G21で示すように、L0層の記録領域を含む各物理セクタには、光ディスクの内周側の物理セクタから順番に、光ディスクの外周側の物理セクタまで連続した物理セクタ番号(PSN)が付されている。例えば、矢印F21で示される直線G21上の点が示す物理セクタ(記録領域の位置)の物理セクタ番号は、リードインエリア111の終点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号(例えば、“02FFFFh”)を示している。
また、矢印F22で示される直線G21上の点が示す物理セクタの物理セクタ番号は、ユーザエリア112の始点(先頭)の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号(例えば、“030000h”)を示しており、矢印F23で示される直線G21上の点が示す物理セクタの物理セクタ番号は、ユーザエリア112の終点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号を示している。
これに対して、L1層の記録領域を含む各物理セクタには、直線G22で示すように、光ディスクの外周側の物理セクタから順番に、光ディスクの内周側の物理セクタまで連続した物理セクタ番号(PSN)が付されている。矢印F24で示される直線G22上の点が示す物理セクタの物理セクタ番号は、L1層の記録領域において、L0層のユーザエリア112の終点の位置の物理セクタに対応する物理セクタであり、ユーザエリア115の始点(先頭)の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号を示している。すなわち、L0層のユーザエリア112の物理セクタは、矢印F23で示される直線G21上の点が示す物理セクタ番号の物理セクタが最後の物理セクタであり、その物理セクタに続いて、L1層の物理セクタが、矢印F24で示される直線G22上の点が示す物理セクタ番号の物理セクタから始まる。また、矢印F25で示される直線G22上の点が示す物理セクタの物理セクタ番号は、ユーザエリア115の終点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号を示している。
したがって、図4Bに示すように、ユーザエリア112の始点(先頭)の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号と、ユーザエリア115の始点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号とは異なり、ユーザエリア112の始点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号は、“030000h”となっている。なお、図4Bにおいて、ユーザエリア112の図中の左側は、内周側の記録領域を示し、ユーザエリア112の図中の右側は、外周側の記録領域を示す。また、ユーザエリア115の図中の左側は、外周側の記録領域を示し、ユーザエリア115の図中の右側は、内周側の記録領域を示す。
また、図4Bにおいて、図4Aの矢印F23で示される直線G21上の点が示す位置に対応する、ユーザエリア112の終点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号は、“End PSN(0)”で表される。また、図4Aの矢印F24で示される直線G22上の点が示す位置に対応する、ユーザエリア115の始点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号は、“End PSN(0)’”で表される。さらに、図4Aの矢印F25で示される直線G22上の点が示す位置に対応する、ユーザエリア115の終点の位置を含む物理セクタの物理セクタ番号は、“End PSN(1)”で表される。
次に、光ディスク33のフォーマットについて説明する。
記録再生装置31に光ディスク33が挿入されると、記録再生装置31は、光ディスク33のリードインエリアに必要な情報(データ)を記録することにより、光ディスク33の初期化を行う。
すなわち、記録再生装置31に光ディスク33が挿入されると、制御部51は、リードインエリアに記録する所定のデータをワークメモリ52から取得し、信号処理部56に供給する。メモリコントローラ72は、制御部51から供給されたデータを記録信号処理部75に供給し、記録信号処理部75は、メモリコントローラ72から供給されたデータに、例えば、8-16方式の変調処理などの所定の処理を施し、これにより得られた記録信号を光ピックアップ55に供給する。そして、光ピックアップ55は制御部51の制御のもと、信号処理部56から供給された記録信号に基づいて光を光ディスク33のリードインエリアの記録領域に照射する。なお、以下、光ディスク33のリードインエリアに必要なデータを記録して初期化する処理をパーシャルフォーマットとも称する。
光ディスク33のパーシャルフォーマットを行う場合、例えば、リードインエリアの“Inner Disc Identification Zone”と称される領域に含まれている、光ディスク33に記録されたデータに関する情報などを含むフォーマット情報が記録される“FDCB”と称される領域は、さらに図5に示す領域に分けられて、それぞれの領域に所定の情報(データ)が記録される。
例えば、FDCBには、エラー訂正を行うECC(Error Checking and Correction)ブロックの単位でデータが記録され、図5では、情報が記録される領域、その情報が記録されるECCブロックが含まれる物理セクタの物理セクタ番号、情報が記録される位置、および情報が記録される領域の大きさが示されている。
例えば、FDCBの物理セクタ番号が“0”である物理セクタには、1バイトを単位とする物理セクタの始点(先頭)の位置D0から物理セクタの終点の位置D2047までのうち、位置D0から位置D3までの大きさが4バイトの領域“Content Descriptor”には、ID(Identification)情報がアスキーコードで記録される。ここで、位置D0乃至位置D2047のそれぞれは、1バイトの記録領域を示す。ID情報は、“FDC”とバージョン“0”を示す固定値“0x46444300”とされている。また、物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D4から位置D7までの大きさが4バイトの領域“Unknown Content Descriptor Actions”には、システムが“Content Descriptor”をサポートしていない場合に制限すべき処理内容などが含まれている情報が記録され、物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D8から位置D39までの大きさが32バイトの領域“Drive ID”には、FDCBにデータを記録したときに用いられたドライブの情報を示すドライブ情報が記録される。物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D40から位置D43までの大きさが4バイトの領域“FDCB update count”には、FDCBに記録されているデータが更新された回数が記録される。“FDCB update count”に記録されるデータが更新された回数は、FDCBに記録されているデータが更新される(書き換えられる)たびにインクリメントされる。
さらに、物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D44から位置D47までの大きさが4バイトの領域“Formatting status and mode”には、フォーマットステータス、ベリファイステータス、およびレコーディングステータスを示す情報が記録される。例えば、“Formatting status and mode”のフォーマットステータスを示す情報が記録される領域の最初のバイトの6ビットから7ビットまでの2ビットの領域には、光ディスク33のフォーマットの状態を示す情報が記録され、“00”であるフォーマットの状態を示す情報は、光ディスク33がフォーマットされていないディスクであることを示し、“01”であるフォーマットの状態を示す情報は、光ディスク33がパーシャルフォーマットされているディスクであることを示し、“10”であるフォーマットの状態を示す情報は、光ディスク33が記録再生装置31(ユーザ)によってフルフォーマットされたディスクであることを示し、“11”であるフォーマットの状態を示す情報は、光ディスク33がマニュファクチャ(製造元)において、フルフォーマットされたディスクであることを示す。
さらに、また、物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D48から位置D51までの大きさが4バイトの領域“Last Written address”には、最後にデータが記録された物理セクタの物理セクタ番号が記録され、物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D52から位置D55までの大きさが4バイトの領域“Last verified address”には、最後にベリファイされた(データの誤りが検査された)物理セクタの物理セクタ番号が記録される。物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D56から位置D59までの大きさが4バイトの領域“Bitmap Start Address”には、“Formatting bitmap”で示される、最初のECCブロックが含まれる物理セクタの物理セクタ番号が記録され、物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D60から位置D63までの大きさが4バイトの領域“Bitmap Length”には、“Formatting bitmap”で示されるECCブロックの数が記録される。
さらに、また、物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D64から位置D95までの大きさが32バイトの領域“Disc ID”には、光ディスク33のIDを示す情報が記録され、物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D96から位置D127までの大きさが32バイトの領域“Application dependent”は、アプリケーションソフトウェアによって使用される領域であり、アプリケーションソフトウェアによって何も指定されていない場合、“0”とされる。さらに、また、物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D128から位置D191までの大きさが64バイトの領域“List of DCBs”には、DCBの配置をリスト化した情報が記録され、物理セクタ番号が“0”である物理セクタの位置D192から位置D2047までの大きさが1856バイトの領域“Reserved and set to(00)”には、固定値“0x00”が記録される。
さらに、また、物理セクタ番号が“1”乃至“9”であるそれぞれの物理セクタの位置D0から位置D2047までの領域からなる、大きさが18432バイトの領域“Formatting bitmap”には、ECCブロックの記録状態を示す情報が記録される。例えば、“Formatting bitmap”の最初のバイトの0ビットには、“Bitmap Start Address”に示されるECCブロックの記録状態が記録され、最初のバイトの1ビットには、“Bitmap Start Address”に示されるECCブロックの次のECCブロックの記録状態が記録される。ECCブックの記録状態は、例えば、記録状態を示すビットが“0”であるとき、ECCブックにはデータが記録されていることを示し、記録状態を示すビットが“1”であるとき、ECCブックにはデータが記録されていないことを示す。さらに、また、物理セクタ番号が“10”乃至“15”であるそれぞれの物理セクタの位置D0から位置D2047までの大きさが12288バイトの領域“Reserved and set to(00)”には、固定値“0x00”が記録される。
記録再生装置31は、光ディスク33のパーシャルフォーマットが完了すると、光ディスク33のパーシャルフォーマットが完了した旨の信号を生成し、情報処理装置32に供給する。情報処理装置32は、記録再生装置31から光ディスク33のパーシャルフォーマットが完了した旨の信号が供給されると、記録再生装置31に装着されている光ディスク33へのアクセスが可能となり、光ディスク33に記録されているデータを読み出したり、光ディスク33にデータを記録したりすることができるようになる。
記録再生装置31は、光ディスク33のパーシャルフォーマットが完了した後、情報処理装置32からディスクアクセス要求、またはディスク取り出し要求が供給されると、その要求に応じた処理を行う。すなわち、記録再生装置31は、情報処理装置32からディスクアクセス要求が供給された場合、その要求に応じて、情報処理装置32から供給されたデータを光ディスク33に記録するか、または光ディスク33の情報処理装置32から指定された領域(位置)に記録されているデータを読み出し、読み出したデータを情報処理装置32に供給する。また、記録再生装置31は、情報処理装置32からディスク取り出し要求が供給された場合、記録再生装置31に装着されている光ディスク33を排出する。なお、以下、記録再生装置31が、情報処理装置32から供給されたディスクアクセス要求に応じて行う処理を、ディスクアクセス処理とも称する。
さらに、記録再生装置31は、光ディスク33のパーシャルフォーマットが完了した後、情報処理装置32からディスクアクセス要求が供給されなかった場合、すなわち、アイドル状態となった場合、さらに、光ディスク33のフォーマット(バックグランドフォーマット)の処理を行う。
例えば、光ディスク33が、パラレル式の光ディスクである場合、図6Aに示すように、記録再生装置31は、L0層のリードインエリア141(光ディスク33の内周側)からリードアウトを記録するための領域142(光ディスク33の外周側)に向かう方向に、L0層のユーザエリアにダミーデータを記録していき、同様に、L1層のリードインエリア143からリードアウトを記録するための領域144に向かう方向に、L1層のユーザエリアにダミーデータを記録していく。なお、以下、記録再生装置31が、光ディスク33のユーザエリアのうち、ダミーデータが記録されていない部分(未記録部分)にダミーデータを記録していく処理をディアイス処理とも称する。また、ダミーデータとは、ユーザが光ディスク33への記録を指示したデータとは異なるデータであり、光ディスク33をフォーマットするために書き込まれる、予め定められた所定のデータをいう。
図6Aでは、光ディスク33は、パーシャルフォーマットが完了しているので、光ディスク33には、既にリードインエリア141は記録されている。また、L0層のユーザエリアのうち、領域145には、既にダミーデータの記録(書き込み)が完了しており、領域146には、まだダミーデータが記録されていない。さらに、L1層のユーザエリアのうち、領域147には、既にダミーデータの記録(書き込み)が完了しており、領域148には、まだダミーデータが記録されていない。
記録再生装置31は、ディアイス処理を行う場合、L0層のユーザエリアに対するディアイス処理と、L1層のユーザエリアに対するディアイス処理とが並行して行われるようにする。すなわち、記録再生装置31は、L0層のユーザエリアにおいて記録された領域の大きさと、L1層のユーザエリアにおいて記録された領域の大きさとが、ほぼ同じ大きさになるようにディアイス処理を行う。
より具体的には、例えば、記録再生装置31は、L0層のユーザエリアの始点(先頭の位置)を先頭の位置とする所定の大きさ(記録容量)(例えば、Q1とする。)の領域に存在する未記録領域にダミーデータを記録し、次に、L1層のユーザエリアの始点を先頭の位置とする大きさがQ1の領域に存在する未記録領域にダミーデータを記録する。
また、例えば、図6Aに示される状態において、情報処理装置32から記録再生装置31に、ディスク取り出し要求が供給されると、図6Bに示すように、記録再生装置31は、ディアイス処理を中止して、L0層のユーザエリアおよびL1層のユーザエリアにそれぞれ一時的なリードアウト(TLO)を記録して、光ディスク33を記録再生装置31から排出する。なお、図6(図6B乃至図6E)において、図6Aの場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、繰り返しになるので、その説明は適宜省略する。
記録再生装置31は、情報処理装置32からディスク取り出し要求が供給されると、L0層のユーザエリアおよびL1層のユーザエリアのうち、最も外周側の領域(最も領域144または領域142に近い領域)に記録されたデータ(ダミーデータまたはデータ)に隣接する位置を先頭として(記録されたデータに続いて)、TLOを記録する(必要なデータを記録してTLO領域を設ける)。例えば、図6Aでは、L0層のダミーデータが記録された(ディアイス処理が完了した)領域145の終点の位置よりも、L1層のダミーデータが記録された(ディアイス処理が完了した)領域147の終点の位置の方が、より外周側にあるので、記録再生装置31は、図6Bに示すように、まず、L1層の領域147に隣接する位置を先頭の位置として、領域149(以下、TLO領域149とも称する)にTLOを記録する。
そして、領域149にTLOを記録すると、次に、記録再生装置31は、領域149の終点の位置と、L1層のユーザエリアに設けるTLO領域の終点の位置とが対応する位置となるように、L1層のユーザエリアの領域150にTLOを記録する。すなわち、記録再生装置31は、領域145の先頭の位置から領域150の終点の位置までの距離が、領域147の先頭の位置から領域149の終点の位置までの距離と等しくなるように、領域150にTLOを記録する。
さらに、記録再生装置31は、領域145と、領域150(以下、TLO領域150とも称する)との間の領域151にダミーデータを記録して、領域151に対するディアイス処理が完了すると、光ディスク33を記録再生装置31から排出する。この場合、TLO領域150の終了地点から領域142、およびTLO領域149の終了地点から領域144には、ダミーデータおよびデータが記録されていない状態となっている。
このように、L0層のユーザエリアに対するディアイス処理と、L1層のユーザエリアに対するディアイス処理とを並行して行うことで、ディスク取り出し要求が供給されてからダミーデータを記録する領域を小さくすることができるので、L0層またはL1層のユーザエリアのディアイス処理を片層ずつ行う場合(例えば、L0層に対するディアイス処理が完了してから、L1層に対するディアイス処理を行う場合)と比べて、光ディスク33のバックグランドフォーマットを行っている途中に、情報処理装置32からディスク取り出し要求が供給されたときに、より迅速に光ディスク33を排出することができる。したがってユーザは、光ディスク33の取り出しを要求してから、長い時間待つことなく光ディスク33を記録再生装置31から取り出すことができる。
さらに、記録再生装置31が、図6Bに示した状態の光ディスク33を排出し、その後、再び光ディスク33が、記録再生装置31に挿入(装着)されて、記録再生装置31がアイドル状態となると、記録再生装置31は、光ディスク33のバックグランドフォーマットを開始(再開)する。この場合、記録再生装置31は、図6BにおけるTLO領域149およびTLO領域150に、ダミーデータを記録し(上書きし)、さらに、領域152および領域153に対するディアイス処理を行う。
そして、例えば、情報処理装置32から記録再生装置31にディスクアクセス要求が供給され、光ディスク33へのデータの記録が要求されると、記録再生装置31は、その要求に応じて、光ディスク33のユーザエリアに情報処理装置32から供給されたデータを記録する。例えば、図6Cに示すように、記録再生装置31は、ディスクアクセス要求によって指定された領域154に、ディスクアクセス要求によって指定されたデータを記録する。図6Cでは、領域154には、ディスクアクセス要求によって指定されたデータが記録されており、領域155は、既にディアイス処理が完了した領域となっている。また、領域156および領域157には、データが記録されておらず、ディアイス処理も行われていない。また、領域158は、既にディアイス処理が完了した領域であり、領域159は、まだディアイス処理が行われておらず、データも記録されていない。
光ディスク33が、図6Cに示す状態である場合に、情報処理装置32から記録再生装置31にディスク取り出し要求が供給されると、領域158の終点の位置よりも、領域154の終点の位置が、より光ディスク33の外周側に位置するので、記録再生装置31は、図6Dに示すように、領域154の終点の位置に隣接する位置を始点として、領域160にTLOを記録する。さらに、記録再生装置31は、L1層のユーザエリアにTLOを記録する領域の終点の位置と、領域160の終点の位置とが対応する位置となるように、すなわち、領域158の先頭の位置から領域161の終点の位置までの距離が、領域155の先頭の位置から領域160の終点の位置までの距離と等しくなるように、領域161にTLOを記録する。そして、記録再生装置31は、領域160および領域161にTLOを記録すると、未記録領域である領域156および領域162にダミーデータを記録してから、光ディスク33を記録再生装置31から排出する。
そして、さらに、図6Dに示す状態の光ディスク33が、再び記録再生装置31に装着され、アイドル状態となると、記録再生装置31は、光ディスク33のバックグランドフォーマットを開始(再開)する。光ディスク33のバックグランドフォーマットが完了すると、図6Eに示すように、領域163で示されるL0層のユーザエリア、および領域164で示されるL1層のユーザエリアのフォーマットが完了した状態となる。なお、領域163および領域164のそれぞれには、ディアイス処理によって記録されたダミーデータ、および情報処理装置32からのディスクアクセス要求に応じて記録されたデータが記録されている(書き込まれている)状態となっており、領域142および領域144は、それぞれ必要なデータが記録されたリードアウトエリアとなっている。
また、記録再生装置31に、パーシャルフォーマットが完了しているオポジット方式の光ディスク33が装着され、アイドル状態となった場合、図7Aに示すように、記録再生装置31は、L0層のリードインエリア201(光ディスク33の内周側)から、ミドルエリアとするために必要なデータを記録するための領域202(光ディスク33の外周側)に向かう方向に、L0層のユーザエリアにダミーデータを記録していき、同様に、L1層のリードアウトエリア203から、ミドルエリアとするために必要なデータを記録するための領域204に向かう方向に、L1層のユーザエリアにダミーデータを記録していく。
図7Aでは、光ディスク33は、パーシャルフォーマットが完了しているので、光ディスク33には、既にリードインエリア201は記録されている。また、領域202および領域204には、ミドルエリアとするために必要なデータは記録されていない。さらに、L0層のユーザエリアのうち、領域205には、既にダミーデータの記録(書き込み)が完了しており、領域206には、まだダミーデータが記録されていない。さらに、L1層のユーザエリアのうち、領域207には、既にダミーデータの記録(書き込み)が完了しており、領域208には、まだダミーデータが記録されていない。
また、例えば、図7Aに示される状態において、情報処理装置32から記録再生装置31に、ディスク取り出し要求が供給されると、図7Bに示すように、記録再生装置31は、ディアイス処理を中止して、領域209および領域210に、それぞれ一時的なミドルエリア(TMA(Temporary Middle Area))とするために必要なデータを記録して、光ディスク33を記録再生装置31から排出する。なお、図7(図7B乃至図7E)において、図7Aの場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、繰り返しになるので、その説明は適宜省略する。
記録再生装置31は、情報処理装置32からディスク取り出し要求が供給されると、L0層のユーザエリアおよびL1層のユーザエリアのうち、最も外周側の領域(最も領域202または領域204に近い領域)に記録されたデータ(ダミーデータまたはデータ)に隣接する位置を先頭として、TMAを記録する(必要なデータを記録してTMAを設ける)。例えば、図7Aでは、L0層のダミーデータが記録された(ディアイス処理が完了した)領域205の終点の位置よりも、L1層のダミーデータが記録された(ディアイス処理が完了した)領域207の終点の位置の方が、より外周側にあるので、記録再生装置31は、図7Bに示すように、まず、L1層の領域207に隣接する位置を先頭の位置として、領域209(以下、TMA領域209とも称する)にTMAを記録する。
そして、領域209にTMAを記録すると、次に、記録再生装置31は、領域209の終点の位置と、L1層のユーザエリアに設けるTMAの終点の位置とが対応する位置となるように、L1層のユーザエリアの領域210にTMAを記録する。すなわち、記録再生装置31は、リードインエリア201の先頭の位置から領域210の先頭の位置までの距離が、リードアウトエリア203の先頭の位置から領域209の先頭(始点)の位置までの距離と等しくなるように、領域210にTMAを記録する。さらに、記録再生装置31は、領域205と、領域210(以下、TMA領域210とも称する)との間の領域211にダミーデータを記録して、領域211に対するディアイス処理が完了すると、光ディスク33を記録再生装置31から排出する。この場合、TMA領域210の終了地点から領域202、およびTMA領域209の終了地点から領域204には、ダミーデータおよびデータは記録されていない状態となっている。
このように、L0層のユーザエリアに対するディアイス処理と、L1層のユーザエリアに対するディアイス処理とを並行して行うことで、ディスク取り出し要求が供給されてからダミーデータを記録する領域を小さくすることができるので、L0層またはL1層のユーザエリアのディアイス処理を片層ずつ行う場合(例えば、L0層に対するディアイス処理が完了してから、L1層に対するディアイス処理を行う場合)と比べて、光ディスク33のバックグランドフォーマットを行っている途中に、情報処理装置32からディスク取り出し要求が供給されたときに、より迅速に光ディスク33を排出することができる。したがってユーザは、光ディスク33の取り出しを要求してから、長い時間待つことなく光ディスク33を記録再生装置31から取り出すことができる。
さらに、記録再生装置31が、図7Bに示した状態の光ディスク33を排出し、その後、再び光ディスク33が、記録再生装置31に挿入(装着)されて、アイドル状態となると、記録再生装置31は、光ディスク33のバックグランドフォーマットを開始(再開)する。この場合、記録再生装置31は、図7BにおけるTMA領域209およびTMA領域210に、ダミーデータを記録し(上書きし)、さらに、領域212および領域213に対するディアイス処理を行う。
そして、例えば、情報処理装置32から記録再生装置31にディスクアクセス要求が供給され、光ディスク33へのデータの記録が要求されると、記録再生装置31は、その要求に応じて、光ディスク33のユーザエリアに情報処理装置32から供給されたデータを記録する。例えば、図7Cに示すように、記録再生装置31は、ディスクアクセス要求によって指定された領域214に、ディスクアクセス要求によって指定されたデータを記録する。図7Cでは、領域214には、ディスクアクセス要求によって指定されたデータが記録されており、領域215は、既にディアイス処理が完了した領域となっている。また、領域216および領域217には、データが記録されておらず、ディアイス処理も行われていない。また、領域218は、既にディアイス処理が完了した領域であり、領域219は、まだディアイス処理が行われておらず、データも記録されていない。
光ディスク33が、図7Cに示す状態である場合に、情報処理装置32から記録再生装置31にディスク取り出し要求が供給されると、領域218の終点の位置よりも、領域214の終点の位置が、より光ディスク33の外周側に位置するので、記録再生装置31は、図7Dに示すように、領域214の終点の位置に隣接する位置を始点として、領域220にTMAを記録する。さらに、記録再生装置31は、L1層のユーザエリアにTMAを記録する領域の終点の位置と、領域220の終点の位置とが対応する位置となるように、すなわち、リードアウトエリア203の先頭の位置から領域221の先頭の位置までの距離が、リードインエリア201の先頭の位置から領域220の先頭の位置までの距離と等しくなるように、領域221にTMAを記録する。そして、記録再生装置31は、領域220および領域221にTMAを記録すると、未記録領域である領域216および領域222にダミーデータを記録してから、光ディスク33を記録再生装置31から排出する。
そして、さらに、図7Dに示す状態の光ディスク33が、再び記録再生装置31に装着され、アイドル状態となると、記録再生装置31は、光ディスク33のバックグランドフォーマットを開始(再開)する。光ディスク33のバックグランドフォーマットが完了すると、図7Eに示すように、領域223で示されるL0層のユーザエリア、および領域224で示されるL1層のユーザエリアのフォーマットが完了した状態となる。なお、領域223および領域224のそれぞれには、ディアイス処理によって記録されたダミーデータ、および情報処理装置32からのディスクアクセス要求に応じて記録されたデータが記録されている(書き込まれている)状態となっており、領域202および領域204には、それぞれ必要なデータが記録されたミドルエリアとなっている。
以上のように、記録再生装置31が、2層式の光ディスク33(例えば、パラレル方式、オポジット方式などの光ディスク33)に対してバックグランドフォーマットを行っている途中に、情報処理装置32から記録再生装置31にディスク取り出し要求が供給された場合に、L0層のユーザエリアおよびL1層のユーザエリアのそれぞれ対応する位置に、一時的なリードアウトエリア(TLO)またはミドルエリア(TMA)を設けることによって、記録再生装置31が、全体のフォーマットが完了していない光ディスク33を排出したときでも、記録再生装置31は、擬似的にフルフォーマットされた光ディスク33を排出することができ、これにより、記録手段を有さない再生装置においても、フルフォーマットされていない光ディスク33を再生することができる。
例えば、記録再生装置31が、光ディスク33に対してバックグランドフォーマットを行っている途中に、情報処理装置32から記録再生装置31にディスク取り出し要求が供給された場合、記録再生装置31は、図7Bに示した状態の光ディスク33を排出する。この場合、L0層のユーザエリアのうちの領域205および領域211、並びにその領域に対応するL1層のユーザエリアの領域207には、ダミーデータまたはデータが記録されている(未記録領域がない)。
したがって、例えば、光ディスク33を、記録手段を有さない再生装置に装着した場合においても、再生装置は、L0層の領域205および領域211、並びにその領域に対応するL1層の領域207の任意の位置において、L0層のユーザエリア内の位置からL1層のユーザエリア内の位置、またはL1層のユーザエリア内の位置からL0層のユーザエリア内の位置に移動して(ジャンプして)、光ディスク33の内周側に向かう方向、または外周側に向かう方向にシーク動作を行い、光ディスク33に記録されているデータを読み出すことができる。
また、より詳細には、図8に示すように、記録再生装置31は、光ディスク33のユーザエリアを、所定の大きさ(記録容量)の領域に分けてバックグランドフォーマットを行う。なお、図中、左側から右側に向かう方向は、光ディスク33の内周側から外周側に向かう方向を示している。
図8では、L0層のユーザエリアは、光ディスク33の内周側から外周側の方向に、それぞれ大きさが等しい領域251乃至領域256に分割されて管理されている。また、L1層のユーザエリアも、L0層のユーザエリアの領域251乃至領域256のそれぞれの位置に対応するように光ディスク33の内周側から外周側の方向に、それぞれ大きさが等しい領域261乃至領域266に分割されて管理されている。
すなわち、図8では、領域251の先頭の位置(ユーザエリアの先頭の位置)から領域251乃至領域256のそれぞれの先頭の位置までの距離が、領域261の先頭の位置(ユーザエリアの先頭の位置)から対応する領域261乃至領域266のそれぞれの先頭の位置までの距離と等しくなるようになされており、L0層のユーザエリアとL1層のユーザエリアとが物理的にほぼ同じ位置で分割されている。
記録再生装置31は、例えば、L0層のユーザエリアを、物理セクタを単位として領域251乃至領域256に分割し、ユーザエリアの内周側の領域251から領域256まで順番に、領域R0−0乃至領域R5−0とする。すなわち、領域251を領域R0−0とし、領域252を領域R1−0とし、領域253を領域R2−0とする。また、領域254を領域R3−0とし、領域255を領域R4−0とし、領域256を領域R5−0とする。
そして、記録再生装置31は、L1層のユーザエリアを、L0層の領域251乃至領域256のそれぞれに対応するL1層の領域261乃至領域266のそれぞれに分割し、ユーザエリアの内周側の領域261から領域266まで順番に、領域R0−1乃至領域R5−1とする。すなわち、領域261を領域R0−1とし、領域262を領域R1−1とし、領域263を領域R2−1とする。また、領域264を領域R3−1とし、領域265を領域R4−1とし、領域266を領域R5−1とする。
なお、以下、領域251および領域261からなる領域を領域R0と称し、領域252および領域262からなる領域を領域R1と称し、領域253および領域263からなる領域を領域R2と称する。また、領域254および領域264からなる領域を領域R3と称し、領域255および領域265からなる領域を領域R4と称し、領域256および領域266からなる領域を領域R5と称する。
記録再生装置31は、L0層のユーザエリアおよびL1層のユーザエリアをそれぞれ領域R0乃至領域R5に分割すると、領域R0(すなわち、領域251および領域261)から順番に領域R5(すなわち、領域256および領域266)までディアイス処理を行い、光ディスク33をフォーマットする。
例えば、図9に示すように、図中、左側から右側に向かう方向を光ディスク33の内周側から外周側に向かう方向として、記録再生装置31が、ユーザエリアを分割して、領域281および領域282からなる領域を領域R0−0とし、領域283を領域R1−0とし、領域284を領域R2−0とし、さらに、領域285を領域R0−1とし、領域286乃至領域288からなる領域を領域R1−1とし、領域289を領域R2−1とした場合を考える。また、この場合、図8における場合と同様に、領域R0−0および領域R0−1からなる領域を領域R0と称し、領域R1−0および領域R1−1からなる領域を領域R1と称し、領域R2−0および領域R2−1からなる領域を領域R2と称する。
例えば、光ディスク33のユーザエリアに、情報処理装置32から記録再生装置31に供給されたディスクアクセス要求に応じて、既にデータが記録されている場合、記録再生装置31は、領域Rx(但し、xは整数)に対するディアイス処理を行うとき、L0層およびL1層のうち、最後にデータが記録された方の記録層とは異なる記録層の領域Rx(すなわち、領域Rx−0または領域Rx−1)に対してディアイス処理を行ってから、最後にデータが記録された方の記録層の領域Rxに対してディアイス処理を行う。すなわち、記録再生装置31は、領域Rxに対するディアイス処理を行う場合、L0層およびL1層のうち、最後にデータが記録された方の記録層とは異なる記録層の領域Rxに対するディアイス処理を優先的に行う。
図9では、領域281、領域283乃至領域286、領域288、および領域289には、データ(情報処理装置32から供給されたデータおよびダミーデータ)が記録されておらず、領域282および領域287には、情報処理装置32から供給されたデータが記録されている。ここで、例えば、領域282にデータが記録された後に、領域287にデータが記録された場合、すなわち、光ディスク33に最後にデータが記録された領域が、領域287である場合、領域287は、L1層のユーザエリアの領域であるので、記録再生装置31は、領域Rxに対するディアイス処理を行うとき、L0層の領域Rx−0に対してディアイス処理を行ってから、L1層の領域Rx−1に対してディアイス処理を行う。
したがって、この場合、記録再生装置31は、領域281、領域285、領域283、領域286、領域288、領域284、および領域289の順番に、それぞれの領域にダミーデータを記録していき、光ディスク33をフォーマットする。
なお、より詳細には、光ディスク33がオポジット方式の光ディスクである場合、記録再生装置31は、L1層のユーザエリアにデータを記録するときには、光ディスク33の外周側から内周側に向かってユーザエリアにデータを記録する。例えば、図9の領域285にデータを記録する場合、記録再生装置31は、領域285の図中、右側から左側に向かってデータを記録していく。また、例えば、領域285にデータを記録する場合、記録再生装置31が領域285を所定の数の領域(例えば、物理セクタを単位とする領域)に分割し、分割された領域のうち、図中、最も左側に位置する領域から順番に最も右側に位置する領域までデータを記録するようにしてもよい。この場合、分割された各領域には、図中、右側から左側に向かってデータが記録される。
図10は、図2の制御部51の機能の構成の例を示すブロック図である。制御部51がプログラムを実行することによって、図10の判定部331、分割部332、ディスクアクセス処理部333、最終記録アドレス記憶部334、フォーマット処理部335、およびフォーマット領域記憶部336が等価的に実現される。
判定部331は、情報処理装置32からディスクアクセス要求、またはディスク取り出し要求が供給されたか否かを判定し、制御部51の各部にその判定の結果に応じた処理を実行させる。また、判定部331は、必要に応じて、フォーマット領域記憶部336が記憶している光ディスク33のユーザエリアのうちの次にフォーマットする領域を示す情報を参照して、光ディスク33のユーザエリアの全体、またはその一部の領域のフォーマットが完了したか否かを判定し、制御部51の各部にその判定の結果に応じた処理を実行させる。
分割部332は、記録再生装置31に光ディスク33が装着されると、装着された光ディスク33のユーザエリアを、予め定められた所定の大きさの領域に分割して管理する。
ディスクアクセス処理部333は、信号処理部56(図2)を介して、情報処理部32からディスクアクセス要求が供給されると、信号処理部56を制御して、その要求に応じた処理(ディスクアクセス処理)を実行させる。
例えば、ディスクアクセス処理部333は、情報処理装置32から、光ディスク33に所定のデータの記録を要求するディスクアクセス要求が供給されると、情報処理装置32から信号処理部56に供給されたデータを光ディスク33に記録させる。また、例えば、ディスクアクセス処理部333は、情報処理装置32から、光ディスク33に記録されているデータの読み出しを要求するディスクアクセス要求が供給されると、信号処理部56に、ディスクアクセス要求によって指定された位置に記録されているデータを光ディスク33から読み出させて、読み出させたデータを情報処理装置32に供給させる。
最終記録アドレス記憶部334は、情報処理装置32からのディスクアクセス要求に応じて、光ディスク33のユーザエリアに記録されたデータのうち、最後に光ディスク33に記録されたデータが、ユーザエリアに記録された位置を示す最終記録アドレス(例えば、物理アドレス)を記憶する。
フォーマット処理部335は、信号処理部56に、光ディスク33のリードインエリアのFDCBにフォーマット情報を記録させる。また、フォーマット処理部335は、信号処理部56に光ディスク33のユーザエリアの所定の領域をフォーマットさせる。フォーマット処理部335は、ディアイス処理部401および仮終了データ記録制御部402を備えている。
フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、必要に応じて最終記録アドレス記憶部334が記憶している最終記録アドレスを参照して、判定部331の判定結果にしたがって、信号処理部56に光ディスク33のユーザエリアの所定の領域をフォーマットさせる。
フォーマット処理部335の仮終了データ記録制御部402は、光ディスク33のユーザエリアのフォーマットを行っている途中に、情報処理装置32から信号処理部56を介して、ディスク取り出し要求が供給されると、信号処理部56を制御して、光ディスク33のユーザエリアに、ユーザエリアにデータが記録されている領域の一時的な終了位置を示すデータを記録させる。例えば、フォーマット処理部335の仮終了データ記録制御部402は、信号処理部56を制御して、光ディスク33のユーザエリアに、TLOまたはTMAを記録させる。
フォーマット領域記憶部336は、光ディスク33のユーザエリアのうち、次にフォーマットする領域Rx(ダミーデータの記録の対象となる対象領域Rx)を示す情報を記憶する。例えば、フォーマット領域記憶部336は、光ディスク33のフォーマット(バックグランドフォーマット)を開始する時点では、次にフォーマットする領域RxをR0と設定し、領域Rxのフォーマットが完了するごとに、次にフォーマットする領域Rxをインクリメントし、フォーマットが完了した領域の次の領域を、次にフォーマットする領域Rxとして設定する。
記録再生装置31に、パーシャルフォーマットが完了した光ディスク33が装着されるか、または記録再生装置31に装着された光ディスク33のパーシャルフォーマットが完了すると、記録再生装置31は、バックグランドフォーマットの処理を行う。以下、図11および図12のフローチャートを参照して、記録再生装置31によるバックグランドフォーマットの処理を説明する。
ステップS11において、判定部331は、光ディスク33がフルフォーマットされているか否かを判定する。例えば、ステップS11において、制御部51は、信号処理部56に、図5に示した光ディスク33のリードインエリアのFDCBに含まれる、フォーマットの状態を示す情報を読み出させる。
この場合、再生信号処理部71は、光ピックアップ55から供給された電気信号を基に、光ディスク33に記録されているデータを再生するための再生信号を生成する。そして、再生信号処理部71は生成した再生信号に、例えば、8-16方式の復調処理などの所定の処理を施し、これにより得られた、フォーマットの状態を示す情報が含まれるデータをメモリコントローラ72に供給する。メモリコントローラ72は、再生信号処理部71から供給されたデータを制御部51に供給する。
判定部331は、信号処理部56から供給されたフォーマットの状態を示す情報が含まれるデータを基に、例えば、図5を参照して説明したフォーマットの状態を示す情報が“10”または“11”である場合、すなわち、フォーマットの状態を示す情報が、光ディスク33が記録再生装置31によってフルフォーマットされたディスクであることを示しているか、または光ディスク33がマニュファクチャ(製造元)において、フルフォーマットされたディスクであることを示している場合、光ディスク33がフルフォーマットされていると判定し、フォーマットの状態を示す情報が“01”である場合、すなわち、フォーマットの状態を示す情報が、光ディスク33がパーシャルフォーマットされているディスクであることを示している場合、光ディスク33がフルフォーマットされていないと判定する。
ステップS11において、光ディスク33がフルフォーマットされていると判定された場合、光ディスク33のフォーマットが既に完了しているので、バックグランドフォーマットの処理は終了する。
一方、ステップS11において、光ディスク33がフルフォーマットされていないと判定された場合、ステップS12に進み、分割部332は、光ディスク33のユーザエリアを、予め定められた所定の大きさの領域に分割し、分割した領域を、光ディスク33の内周側から外周側に、順番に領域R0乃至領域Rx(但し、xは整数)と設定する。
例えば、分割部332は、図8を参照して説明したように、L0層のユーザエリアとL1層のユーザエリアとを、物理的にほぼ同じ位置で分割して管理する。すなわち、L0層のユーザエリアを、予め定められた所定の大きさの領域251乃至領域256に分割し、領域251乃至領域256のそれぞれを領域R0−0乃至領域R5−0と設定する。同様に、分割部332は、L1層のユーザエリアを、予め定められた所定の大きさの領域261乃至領域266に分割し、領域261乃至領域266のそれぞれを領域R0−1乃至領域R5−1と設定する。
ステップS13において、判定部331は、記録再生装置31が、アイドル状態であるか否かを判定する。すなわち、ステップS13において、判定部331は、信号処理部56を介して情報処理装置32から制御部51にディスクアクセス要求が供給されたか否かを判定する。
ステップS13において、アイドル状態でないと判定された場合、すなわち、情報処理装置32から制御部51にディスクアクセス要求が供給されたと判定された場合、ステップS14に進み、ディスクアクセス処理部333は、信号処理部56を制御して、ディスクアクセス処理を実行させる。
例えば、ディスクアクセス処理部333は、情報処理装置32から制御部51に、光ディスク33に所定のデータの記録を要求するディスクアクセス要求が供給されると、情報処理装置32から信号処理部56に供給されたデータを光ディスク33に記録させる。この場合、メモリコントローラ72は、インターフェース74を介して情報処理装置32から供給されたデータを、記録信号処理部75に供給する。記録信号処理部75は、メモリコントローラ72から供給されたデータに、例えば、8-16方式の変調処理などの所定の処理を施し、これにより得られた記録信号を光ピックアップ55に供給する。そして、光ピックアップ55は、制御部51の制御のもと、信号処理部56から供給された記録信号に基づいて、内蔵するレーザダイオードを発光させ、光を光ディスク33に照射して、データを光ディスク33に記録する。
また、例えば、ディスクアクセス処理部333は、情報処理装置32から、光ディスク33に記録されているデータの読み出しを要求するディスクアクセス要求が供給されると、信号処理部56に、ディスクアクセス要求によって指定された位置に記録されているデータを光ディスク33から読み出させて、読み出させたデータを情報処理装置32に供給させる。
この場合、再生信号処理部71は、光ピックアップ55から供給された電気信号を基に、光ディスク33に記録されているデータを再生するための再生信号を生成する。そして、再生信号処理部71は生成した再生信号に、例えば、8-16方式の復調処理などの所定の処理を施し、これにより得られた、データをメモリコントローラ72に供給する。メモリコントローラ72は、再生信号処理部71から供給されたデータを、インターフェース74を介して情報処理装置32に供給する。
ステップS15において、最終記録アドレス記憶部334は、ディスクアクセス処理(ステップS14の処理)において、光ディスク33のユーザエリアに記録されたデータのうち、最後に光ディスク33に記録されたデータが、ユーザエリアに記録された位置を示す最終記録アドレス(例えば、物理アドレス)を記憶し、処理はステップS13に戻る。
例えば、ディスクアクセス処理において、図8の領域253にデータが記録された場合、最終記録アドレス記憶部334は、領域253(L0層の領域R2−0)の位置を示す最終記録アドレスを記憶する。なお、より詳細には、ディスクアクセス処理において、光ディスク33に記録されているデータの読み出しを要求するディスクアクセス要求に応じて、光ディスク33に記録されているデータを読み出す処理を行った場合には、光ディスク33にデータを記録していないので、ステップS15の処理は行われない。
また、ステップS13において、アイドル状態であると判定された場合、すなわち、情報処理装置32から制御部51にディスクアクセス要求が供給されていないと判定された場合、ステップS16に進み、判定部331は、信号処理部56から供給されたデータを基に、フォーマット領域記憶部336が記憶している、次にフォーマットする領域Rxを示す情報によって示される領域Rx(対象領域Rx)のフォーマットが完了しているか否かを判定する。
例えば、フォーマット領域記憶部336が記憶している、次にフォーマットする領域Rxを示す情報の領域Rxが領域R0に設定されている場合、判定部331は、L0層およびL1層の領域R0(領域R0−0および領域R0−1)のフォーマットが完了しているか否かを判定する。
ステップS16において、領域Rxのフォーマットが完了していないと判定された場合、ステップS17に進み、制御部51は、領域Rxのフォーマットの処理を行う。なお、領域Rxのフォーマットの処理の詳細は後述するが、領域Rxのフォーマットの処理において、制御部51は、信号制御部56を制御し、ディアイス処理を行わせて、L0層の領域Rx−0またはL1層の領域Rx−1をフォーマットさせる。
ステップS18において、判定部331は、信号処理部56を介して、情報処理装置32から制御部51にディスクアクセス要求が供給されたか否かを判定する。
ステップS18において、ディスクアクセス要求が供給されていないと判定された場合、ステップS19に進み、判定部331は、信号処理部56を介して、情報処理装置32から制御部51にディスク取り出し要求が供給されたか否かを判定する。
ステップS19において、ディスク取り出し要求が供給されていないと判定された場合、ステップS20に進み、判定部331は、ディアイス処理を行っている記録層の領域Rxのフォーマットが完了したか否かを判定する。例えば、領域Rxのフォーマットの処理(ステップS17の処理)において、図8の領域253(L0層の領域R2−0)のフォーマットを行う場合、ステップS20において、判定部331は、L0層の領域R2−0のフォーマットが完了したか否かを判定する。
ステップS20において、ディアイス処理を行っている記録層の領域Rxのフォーマットが完了していないと判定された場合、ステップS18に戻り上述した処理が繰り返される。なお、この場合、制御部51は、ディアイス処理を行い、領域Rxのフォーマットを継続して行う。
一方、ステップS20にいて、ディアイス処理を行っている記録層の領域Rxのフォーマットが完了したと判定された場合、ディアイス処理を行っている記録層の領域Rxのフォーマットが完了し、次の領域のフォーマットを行うので、ステップS16に戻り上述した処理が繰り返される。
また、ステップS16において、領域Rxのフォーマットが完了していると判定された場合、ステップS21に進み、判定部331は、光ディスク33がフルフォーマットされたか否かを判定する。
ステップS21において、光ディスク33がフルフォーマットされたと判定された場合、ステップS22に進み、フォーマット処理部335は、信号処理部56を制御して、光ディスク33のリードインエリアのFDCBにフォーマット情報を記録させて、バックグランドフォーマットの処理は終了する。例えば、フォーマット処理部335は、信号処理部56を制御して、図5を参照して説明した、FDCBに含まれるフォーマットの状態を示す情報として、光ディスク33が記録再生装置31によってフルフォーマットされたディスクであることを示す“10”を記録させる。
例えば、ステップS22において、フォーマット処理部335は、光ディスク33に記録するフォーマット情報が含まれるデータを信号処理部56に供給し、メモリコントローラ72は、制御部51から供給されたデータを記録信号処理部75に供給する。そして、記録信号処理部75は、メモリコントローラ72から供給されたデータに、例えば、8-16方式の変調処理などの所定の処理を施し、これにより得られた記録信号を光ピックアップ55に供給する。さらに、光ピックアップ55は、制御部51の制御のもと、信号処理部56から供給された記録信号に基づいて、内蔵するレーザダイオードを発光させ、光を光ディスク33に照射して、リードインエリアのFDCBに、例えば、図5に示したフォーマット情報を光ディスク33に記録する。
一方、ステップS21において、光ディスク33がフルフォーマットされていないと判定された場合、ステップS23に進み、フォーマット領域記憶部336は、次にフォーマットする領域Rxを示す情報によって示される領域Rx(対象領域Rx)をインクリメントし、処理はステップS16に戻る。例えば、次にフォーマットする領域Rxを示す情報によって示される領域RxとしてR0が設定されている場合、フォーマット領域記憶部336は、次にフォーマットする領域RxをR1と設定する。
また、ステップS18において、ディスクアクセス要求が供給されたと判定された場合、ステップS24に進み、フォーマット処理部335は、ディスクアクセス処理を実行させるために、信号処理部56を制御して、領域Rxのフォーマットを中止させ、処理はステップS14に戻る。
さらに、ステップS19において、ディスク取り出し要求が供給されたと判定された場合、光ディスク33を記録再生装置31から排出するので、ステップS25に進み、フォーマット処理部335の仮終了データ記録制御部402は、信号処理部56を制御して、光ディスク33のユーザエリアにTLOまたはTMAを記録させる。
例えば、光ディスク33が、パラレル方式の光ディスク33であり、図6Aに示す状態である場合、フォーマット処理部335の仮終了データ記録制御部402は、信号処理部56を制御して、図6Bに示すように、L1層の領域149にTLOを記録させ、さらに、L0層の領域150にTLOを記録させる。この場合、フォーマット処理部335の仮終了データ記録制御部402は、信号処理部56に領域149および領域150に記録させるデータ(TLO)を供給し、メモリコントローラ72は、制御部51から供給されたデータを、記録信号処理部75に供給する。記録信号処理部75は、メモリコントローラ72から供給されたデータに、例えば、8-16方式の変調処理などの所定の処理を施し、これにより得られた記録信号を光ピックアップ55に供給する。そして、光ピックアップ55は、制御部51の制御のもと、信号処理部56から供給された記録信号に基づいて、内蔵するレーザダイオードを発光させ、光を光ディスク33に照射して、データを領域149および領域150に記録する。なお、光ディスク33が、オポジット方式の光ディスク33である場合には、フォーマット処理部335の仮終了データ記録制御部402は、信号処理部56を制御して、光ディスク33のユーザエリアにTMAを記録させる。
ステップS26において、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、信号処理部56を制御して、フォーマットを行っている領域Rxの未記録領域をフォーマットさせる。例えば、L0層の領域Rx−0のフォーマットを行っており、まだL1層の領域Rx−1のフォーマットが完了していない場合には、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、信号処理部56を制御して、L0層およびL1層の領域Rxのうち、データ(またはダミーデータ)が記録されていない未記録領域にダミーデータを記録させて、フォーマットさせる。
例えば、図6Bに示すように、リードインエリア141からTLO領域150までの間のユーザエリアの領域145および領域151のうち、領域151が未記録領域(フォーマットが完了していない領域)であり、リードインエリア143からTLO領域149までの間のユーザエリアの領域147のフォーマットが完了している場合、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、信号処理部56を制御して、未記録領域である領域151にダミーデータを記録させる。
ステップS27において、フォーマット処理部335は、信号処理部56を制御して、光ディスク33のリードインエリアのFDCBにフォーマット情報を記録させて、バックグランドフォーマットの処理は終了する。例えば、フォーマット処理部335は、信号処理部56を制御して、光ディスク33のリードインエリアのFDCBに、図5に示したフォーマット情報を記録させる。なお、光ディスク33のFDCBにフォーマット情報が記録されると、制御部51は、記録再生装置31の各部を制御し、記録再生装置31から光ディスク33を排出させる。
このようにして、記録再生装置31は、光ディスク33のユーザエリアを所定の大きさの領域に分割し、L0層のユーザエリアに対するディアイス処理と、L1層のユーザエリアに対するディアイス処理とを並行して行って光ディスク33をフォーマット(バックグランドフォーマット)する。
このように、L0層のユーザエリアに対するディアイス処理と、L1層のユーザエリアに対するディアイス処理とを並行して行って光ディスク33をフォーマットすることで、光ディスク33のバックグランドフォーマットを行っている途中に、情報処理装置32からディスク取り出し要求が供給された場合に、ディスク取り出し要求が供給されてからダミーデータを記録する領域をより小さくすることができるので、より迅速に光ディスク33を排出することができる。
また、記録再生装置31が、2層式の光ディスク33に対してバックグランドフォーマットを行っている途中に、情報処理装置32から記録再生装置31にディスク取り出し要求が供給された場合に、L0層のユーザエリアおよびL1層のユーザエリアのそれぞれ対応する位置に、一時的なリードアウトエリア(TLO)またはミドルエリア(TMA)を設けて、リードインエリアから、TLOまたはTMAまでの領域の未記録領域にダミーデータを記録するようにしたので、記録再生装置31が、バックグランドフォーマットが完了していない光ディスク33を排出したときでも、記録再生装置31は、擬似的にフルフォーマットされた光ディスク33を排出することができ、これにより、記録手段を有さない再生装置においても、フルフォーマットされていない光ディスク33を再生することができる。
次に、図13のフローチャートを参照して、図11のステップS17の処理に対応する領域Rxのフォーマットの処理を説明する。
ステップS51において、判定部331は、信号処理部56から供給されたデータを基に、フォーマット領域記憶部336が記憶している、次にフォーマットする領域Rxを示す情報によって示される領域Rxのうち、L0層の領域Rx−0のフォーマットが完了しているか否かを判定する。例えば、次にフォーマットする領域Rxを示す情報によって示される領域Rxが、領域R0である場合、判定部331は、L0層の領域R0−0のフォーマットが完了しているか否かを判定する。
ステップS51において、L0層の領域Rx−0のフォーマットが完了していないと判定された場合、ステップS52に進み、判定部331は、信号処理部56から供給されたデータを基に、フォーマット領域記憶部336が記憶している、次にフォーマットする領域Rxを示す情報によって示される領域Rxのうち、L1層の領域Rx−1のフォーマットが完了しているか否かを判定する。
ステップS52において、L1層の領域Rx−1のフォーマットが完了していないと判定された場合、すなわち、L0層およびL1層の領域Rx(領域Rx−0および領域Rx−1)のフォーマットが完了していない場合、ステップS53に進み、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、信号処理部56を制御して、最終記録アドレス記憶部334が記憶している最終記録アドレスが示す位置(ユーザエリアの記録領域)を含む記録層とは異なる記録層の領域Rxをフォーマットさせて、処理は終了する。なお、最終記録アドレス記憶部334が最終記憶アドレスを記憶していない場合、すなわち、光ディスク33にダミーデータ以外のデータ(ディスクアクセス処理により記録されたデータ)が記録されていない場合、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、予め定められた記録層(L0層またはL1層)の領域Rxをフォーマットさせる。
例えば、図9において、領域281および領域282からなる領域を領域R0−0とし、領域285を領域R0−1とし、領域281、領域282、および領域285からなる領域を領域R0として、最終記録アドレスが示す位置が領域287であり、次にフォーマットする領域Rxを示す情報によって示される領域Rxが、領域R0である場合、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、信号処理部56を制御して、領域287が含まれているL1層とは異なるL0層の領域R0−0を優先的にフォーマットさせる。
この場合、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、例えば、ワークメモリ52からダミーデータを取得して、信号処理部56に供給し、メモリコントローラ72は、制御部51から供給されたダミーデータを記録信号処理部75に供給する。そして、記録信号処理部75は、メモリコントローラ72から供給されたダミーデータに、例えば、8-16方式の変調処理などの所定の処理を施し、これにより得られた記録信号を光ピックアップ55に供給する。さらに、光ピックアップ55は、制御部51の制御のもと、信号処理部56から供給された記録信号に基づいて、内蔵するレーザダイオードを発光させ、光を光ディスク33に照射して、L0層の領域R0−0の未記録領域である領域281にダミーデータを記録して、L0層の領域R0−0をフォーマットする。なお、L0層の領域282には、既にデータが記録されているので、領域282にはダミーデータを記録しない。
また、ステップS52において、L1層の領域Rx−1のフォーマットが完了していると判定された場合、すなわち、L1層の領域Rx−1のフォーマットが完了しているが、L0層の領域Rx−0のフォーマットが完了していないと判定された場合、ステップS54に進み、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、信号処理部56を制御して、L0層の領域Rx−0をフォーマットさせて、処理は終了する。
さらに、ステップS51において、L0層の領域Rx−0のフォーマットが完了していると判定された場合、すなわち、L0層の領域Rx−0のフォーマットが完了しているが、L1層の領域Rx−1のフォーマットが完了していないと判定された場合、ステップS55に進み、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、信号処理部56を制御して、L1層の領域Rx−1をフォーマットさせて、処理は終了する。
なお、領域Rxのフォーマットの処理において、フォーマットする記録層の領域Rxが最後の領域である場合、すなわち、その記録層の領域Rxのフォーマットが完了すると、光ディスク33のフォーマットが完了する場合、フォーマット処理部335のディアイス処理部401が、信号処理部56を制御して、その記録層の領域Rxをフォーマットさせた後、フォーマット処理部335は、ユーザエリアに隣接する、ユーザエリアよりも光ディスクの外周側の領域に必要な情報を記録させて、リードアウトエリアまたはミドルエリアを設けさせる。
例えば、図9において、領域284以外の領域のフォーマットが既に完了しており、領域284のフォーマットだけが完了していない場合、領域284のフォーマットを行うとき、領域284のフォーマットが完了してから、さらに、フォーマット処理部335は、信号処理部56を制御して、L0層の最も外周側の領域およびL1層の最も外周側の領域に必要なデータを記録させ、リードアウトエリアまたはミドルエリアを設けさせることで、光ディスク33がフルフォーマットされた状態にする。
このようにして、記録再生装置31は、必要に応じて、最終記録アドレス記憶部334が記録している最終記録アドレスを参照して、領域Rxをフォーマットする。例えば、L0層およびL1層の領域Rx(領域R0−0および領域R0−1)のうち、L0層の領域Rx−0または、L1層の領域Rx−1のどちらか一方の記録層の領域Rxのフォーマットだけが完了している場合、もう一方の記録層の領域Rxをフォーマットし、L0層およびL1層の領域Rxのフォーマットが完了していない場合には、最終記録アドレス記憶部334が記録している最終記録アドレスを参照して、最終記録アドレスが示す位置を含む記録層とは異なる記録層の領域Rxを優先してフォーマットする。
情報処理装置32が、記録再生装置31にディスクアクセス要求を供給して、光ディスク33へのデータの記録を指示する場合、情報処理装置32は、ディスクアクセス要求によって、データの記録を開始する位置、およびデータの転送長を指定する。情報処理装置32が実行するアプリケーションプログラムによって異なるが、ムービー(映像)を再生するためのデータ(動画像データ)などは、一般に、光ディスク33のユーザエリアの連続した位置に(シーケンシャルに)記録されることが多い。これは、シームレスな再生を行うためには、光ディスク33へのアクセス時間を最小にすることが望ましいからである。
したがって、例えば、図8のL0層の領域253に動画像データが記録された場合、次にデータが記録される位置は、L0層の領域253に隣接する領域254である可能性が高い。そこで、上述したように、最終記録アドレスを記憶しておき、アイドル状態となり、L0層およびL1層の領域Rxのフォーマットが完了していない場合に、最終記録アドレスが示す位置を含む記録層とは異なる記録層の領域Rxを優先してフォーマットすることで、ユーザエリアへのデータの記録を再開する場合に、最終記録アドレスが示す位置を含む記録層の領域Rxがフォーマットされている可能性をより低くすることができる。
例えば、最終記録アドレスが示す位置が、図8のL0層の領域253である場合に、アイドル状態となったとき、記録再生装置31は、最終記録アドレスが示す領域253を含むL0層とは異なるL1層を優先してフォーマットを行う。したがって、例えば、アイドル状態となり、記録再生装置31がL1層の領域264からフォーマット(ディアイス処理)を開始する場合、領域264のフォーマットが完了する前に、データの記録を再開されたとき、最後にデータが記録された領域253に隣接する領域254は、フォーマットが行われていないので、ダミーデータが記録されていない。この場合、上述したように、領域254にデータが記録される可能性が高いが、領域254にはダミーデータが記録されていないので、領域254にデータが上書きされる回数を減らすことができ、これにより光ディスク33の記録領域に繰り返しデータが上書きされることによる、記録領域の劣化を抑制することができる。
また、最終記録アドレスを記憶しておき、最終記録アドレスが示す位置を含む記録層とは異なる記録層の領域Rxを優先してフォーマットすると説明したが、領域Rxごとの最終記録アドレスを記憶しておき、その領域Rxごとの最終記録アドレスを参照して、領域Rxごとに最終記録アドレスが示す位置を含む記録層とは異なる記録層の領域Rxを優先してフォーマットすることによって、記録領域の劣化をより抑制することができる。
この場合、最終記録アドレス記憶部334は、例えば、図14に示す、領域Rxごとの最終記録アドレスを記憶する。図14では、ユーザエリア上の領域Rxと、その領域Rxに最後にデータが記録された位置を示す最終記録アドレス(例えば、物理アドレス)が示されている。
例えば、最終記録アドレス記憶部334は、領域Rxごとの最終記録アドレスとして、領域R0に最後に記録されたデータの位置を示す最終記録アドレス“L0層、3000”を記憶している。ここで、最終記録アドレス“L0層、3000”は、例えば、領域R0に最後に記録されたデータが、L0層の領域R0−0の物理アドレスが“3000”によって特定される位置であることを示している。
領域R0における場合と同様に、最終記録アドレス記憶部334は、領域Rxごとの最終記録アドレスとして、領域R1に最後に記録されたデータの位置を示す最終記録アドレス“L1層、5000”を記憶しており、領域R2に最後に記録されたデータの位置を示す最終記録アドレス“L0層、6000”を記憶している。
したがって、例えば、この場合、記録再生装置31が光ディスク33の領域R0からフォーマットを行うとき、領域R0の最終記録アドレスは“L0層、3000”であるので、記録再生装置31は、L1層の領域R0−1をフォーマットしてから、L0層の領域R0−0をフォーマットし、続いて、領域R1の最終記録アドレスは“L1層、5000”であるので、記録再生装置31は、L0層の領域R1−0をフォーマットしてから、L1層の領域R1−1をフォーマットし、さらに、領域R2の最終記録アドレスは“L0層、6000”であるので、記録再生装置31は、L1層の領域R2−1をフォーマットしてから、L0層の領域R2−0をフォーマットする。なお、L0層およびL1層の領域Rxの何れにもデータが記録されていない場合、記録再生装置31は、例えば、予め定められた記録層(例えば、L0層)の領域Rxからフォーマットしてもよく、あるいは、領域R(x−1)の最終記録アドレスによって示される位置が含まれる記録層とは異なる記録層の領域Rxからフォーマットするようにしてもよい。
次に、図15および図16のフローチャートを参照して、最終記録アドレス記憶部334が、領域Rxごとの最終記録アドレスを記憶している場合における、記録再生装置31によるバックグランドフォーマットの処理を説明する。
このバックグランドフォーマットの処理は、記録再生装置31に、パーシャルフォーマットが完了した光ディスク33が装着されるか、または記録再生装置31に装着された光ディスク33のパーシャルフォーマットが完了すると開始される。なお、ステップS81乃至ステップS84の処理のそれぞれは、図11のステップS11の処理乃至ステップS14の処理のそれぞれと同様なので、その説明は省略する。
ステップS84において、ディスクアクセス処理部333が信号処理部56を制御して、ディスクアクセス処理を実行させ、光ディスク33にデータを記録させると、ステップS85において、最終記録アドレス記憶部334は、ディスクアクセス処理(ステップS84の処理)において、光ディスク33のユーザエリアに記録されたデータのうち、最後に光ディスク33に記録されたデータが、記録されたユーザエリアの位置を示す最終記録アドレス(例えば、物理アドレス)を記憶し、処理はステップS83に戻る。
例えば、最終記録アドレス記憶部334が、図14に示した領域Rxごとの最終記録アドレスを記憶しており、記録再生装置31がディスクアクセス処理(ステップS84の処理)において、例えば、領域R1のL1層の物理アドレスが“5000”によって特定される領域(位置)にデータを記録した場合、最終記録アドレス記憶部334は、領域R1の最終記録アドレスとして、“L1層、5000”を記憶する。
なお、より詳細には、ディスクアクセス処理において、光ディスク33に記録されているデータの読み出しを要求するディスクアクセス要求に応じて、光ディスク33に記録されているデータを読み出す処理を行った場合には、光ディスク33にデータを記録していないので、ステップS85の処理は行われない。
次に、ステップS83において、アイドル状態であると判定された場合、すなわち、情報処理装置32から制御部51にディスクアクセス要求が供給されていないと判定された場合、ステップS86に進み、その後、ステップS86の処理乃至ステップS97の処理を行うが、ステップS86の処理およびステップS88の処理乃至ステップS97の処理のそれぞれは、図11および図12におけるステップS16の処理およびステップS18の処理乃至ステップS27の処理のそれぞれと同様なので、その説明は省略する。
ステップS87において、制御部51は、領域Rxのフォーマットの処理を行う。なお、領域Rxのフォーマットの処理の詳細は後述するが、領域Rxのフォーマットの処理において、制御部51は、必要に応じて、最終記録アドレス記憶部334が記憶している領域Rxごとの最終記録アドレスを参照し、信号制御部56を制御してディアイス処理を行わせ、L0層の領域Rx−0またはL1層の領域Rx−1をフォーマットさせる。
このようにして、記録再生装置31は、ディスクアクセス処理を行って光ディスク33にデータを記録すると、ユーザエリアの領域Rxごとに最終記録アドレスを記憶する。
次に、図17のフローチャートを参照して、図15のステップS87の処理に対応する領域Rxのフォーマットの処理を説明する。なお、図17において、ステップS121の処理、ステップS122の処理、ステップS124の処理、およびステップS125の処理のそれぞれは、図13におけるステップS51の処理、ステップS52の処理、ステップS54の処理、およびステップS55の処理のそれぞれと同様なので、その説明は省略する。
ステップS122において、L1層の領域Rx−1のフォーマットが完了していないと判定された場合、すなわち、L0層およびL1層の領域Rx(領域Rx−0および領域Rx−1)のフォーマットが完了していない場合、ステップS123に進み、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、信号処理部56を制御して、最終記録アドレス記憶部334が記憶している領域Rxの最終記録アドレスが示す位置(ユーザエリアの記録領域)を含む記録層とは異なる記録層の領域Rxをフォーマットさせて、処理は終了する。なお、最終記録アドレス記憶部334が、領域Rxの最終記憶アドレスを記憶していない場合、すなわち、L0層およびL1層の領域Rxにダミーデータ以外のデータ(ディスクアクセス処理により記録されたデータ)が記録されていない場合、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、例えば、予め定められた記録層(L0層またはL1層)の領域Rxをフォーマットさせる。
例えば、図9において、領域281および領域282からなる領域を領域R0−0とし、領域285を領域R0−1とし、領域R0−0および領域R0−1からなる領域を領域R0とし、領域R0の最終記録アドレスが示す位置が領域282であり、次にフォーマットする領域Rxを示す情報によって示される領域Rxが、領域R0である場合、フォーマット処理部335のディアイス処理部401は、信号処理部56を制御して、領域282が含まれているL0層とは異なるL1層の領域R0−1(領域285)を優先的にフォーマットさせる。
このようにして、記録再生装置31は、必要に応じて、最終記録アドレス記憶部334が記録している、領域Rxごとの最終記録アドレスを参照して、領域Rxをフォーマットする。例えば、L0層およびL1層の領域Rxのうち、L0層の領域Rx−0または、L1層の領域Rx−1のどちらか一方の記録層の領域Rxのフォーマットだけが完了している場合、もう一方の記録層の領域Rxをフォーマットし、L0層およびL1層の領域Rxのフォーマットが完了していない場合には、最終記録アドレス記憶部334が記録している、領域Rxごとの最終記録アドレスを参照して、最終記録アドレスが示す位置を含む記録層とは異なる記録層の領域Rxを優先的にフォーマットする。
このように、領域Rxごとの最終記録アドレスを記憶し、領域Rxの最終記録アドレスによって示される位置(領域)を含む記録層とは異なる記録層の領域Rxを優先してフォーマットすることで、ユーザエリアへのデータの記録を再開する場合に、最終記録アドレスが示す位置を含む記録層の領域Rxがフォーマットされている可能性をより低くすることができ、これにより、光ディスク33の記録領域に繰り返しデータが上書きされることによる、記録領域の劣化を抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、2層式の光ディスクに対してバックグランドフォーマットを行っている途中にディスク取り出し要求が供給された場合においても、L0層のユーザエリアおよびL1層のユーザエリアのそれぞれ対応する位置に、一時的なリードアウトエリア(TLO)またはミドルエリア(TMA)を設けて、リードインエリアから、TLOまたはTMAまでの領域の未記録領域にダミーデータを記録するようにしたので、記録再生装置が、バックグランドフォーマットが完了していない光ディスクを排出したときでも、記録再生装置は、擬似的にフルフォーマットされた光ディスクを排出することができ、これにより、記録手段を有さない再生装置においても、フルフォーマットされていない2層式の光ディスクを再生することができる。
また、本発明によれば、L0層のユーザエリアに対するディアイス処理と、L1層のユーザエリアに対するディアイス処理とを並行して行うようにしたので、ディスク取り出し要求が供給された場合に、ディスク取り出し要求が供給されてからダミーデータを記録する領域をより小さくすることができ、これにより、2層式の光ディスクをフォーマットしている途中に光ディスクの取り出し(排出)が要求された場合に、より迅速に光ディスクを排出することができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、光ディスク33から読み出され、光ピックアップ55から、信号処理部56および制御部51を介してワークメモリ52に供給されて記憶されるか、または、情報処理装置32から、信号処理部56および制御部51を介してワークメモリ52に供給されて記憶される。
また、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
31 記録再生装置, 32 情報処理装置, 33 光ディスク, 51 制御部, 52 ワークメモリ, 55 光ピックアップ, 56 信号処理部, 71 再生信号処理部, 72 メモリコントローラ, 73 バッファメモリ, 74 インターフェース, 75 記録信号処理部, 331 判定部, 332 分割部, 333 ディスクアクセス処理部, 334 最終記録アドレス記憶部, 335 フォーマット処理部, 336 フォーマット領域記憶部, 401 ディアイス処理部, 402 仮終了データ記録制御部