JP4083651B2 - 情報記録方法及び情報記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2層DVD+RW(Digital Versatail Disc+Rewritable)等の書換え記録可能な多層情報記録媒体を情報記録の対象とする情報記録方法、及び情報記録装置に関する。
記録型DVDディスクとして追記型DVDディスクであるDVD+Rや書換え型DVDディスクであるDVD+RWなどがあり、これらのディスクは片面1層の再生専用DVDディスクと高い再生互換性を持つ記録型DVDディスクである。このような記録型ディスクは高速化、大容量化のための研究開発が盛んに行われている。
その一つに片面2層の再生専用DVDディスク(以下、単に「2層DVD」という)がある。2層DVDには、2層目のトラックが1層目と同じように内周から外周に向かっているパラレルトラックパス方式(Parallel Track Path方式=PTP方式)と、2層目のトラックが外周から内周に向かっているオポジットトラックパス方式(Opposite Track Path方式=OTP方式)という2種類の記録方式がある。PTP方式では1層目と2層目のデータ領域が開始するアドレスの半径位置が等しく、ともに物理アドレス30000Hから始まる。また、データ領域の後方にはリードアウト領域が配置される。OTP方式では2層目のデータ領域が開始するアドレスの半径位置は1層目データ領域が終了するアドレスの半径位置と等しく、2層目のデータ領域開始位置の物理アドレスは1層目のデータ領域終了アドレスをビット反転したアドレスとなっている。1層目と2層目のデータ領域のサイズに差がある場合、その差分領域はリードアウト領域となる。例えば、PTPディスクにおいて1層目のデータ領域の終了アドレスD1と2層目のデータ領域終了アドレスD2とがD1>D2となる場合、差分領域D1−D2はリードアウト領域となる。このように、片方の記録層においてデータが記録されている領域は、2層目の対応する領域もデータが記録されている。これは、例えばユーザが1層目のデータを再生する際に、目的アドレスへのシークでたまたま2層目へ読み取りレーザの焦点が合った場合に、同一半径位置の2層目にデータが記録されていないとアドレス情報が取得できないなどの不具合が生じ、結果として1層目のデータが再生できないといった問題が生じることを避けるためである。
一方で、記録可能な情報記録媒体についても高速化、大容量化のための研究開発が盛んに行われており、その一つに2層DVDとの再生互換性を持った片面2層のDVD+Rディスク(以下、単に「2層DVD+R」という)がある。2層DVD+Rは記録容量が8.4Gbyteであり、従来の1層DVD+Rはデータ容量が4.7Gbyteであるのに対してほぼ2倍の記録容量を有し、記録されたデータは2層DVDの再生が可能なDVDプレイヤ、或いはDVD−ROMドライブで読み出すことができる。
ここに、2層DVD+Rにおける論理アドレスは、1層目のデータ領域の開始アドレスから連続的に割り振られ、1層目のデータ領域終了アドレスから2層目のデータ領域開始アドレスへは論理アドレスが連続している。つまり、ユーザが連続的にデータ記録を行う場合、1層目のデータ領域開始アドレスから記録が開始され、1層目のデータ領域終了アドレスまで記録が完了すると、引き続き2層目のデータ領域開始アドレスから記録を行うことになる。このように、2層DVD+R記録において、ユーザは記録層を意識することなく記録を行うことが可能となっている。このため、ユーザのデータ記録が2層目のデータ領域の途中、或いは2層目を全く記録することなしに終了する場合が考えられる。例えば、2層目のデータ領域の途中、即ち、2層目のデータ領域内に未記録領域が存在する状態でユーザのデータ記録が完了した場合、2層目のデータ領域内に未記録領域を残したままでは再生専用の2層DVDディスクと非互換のディスクレイアウトとなってしまう。また、例えばユーザが1層目のデータを再生する際に、目的アドレスへのシークでたまたま2層目へ読み取りレーザの焦点が合った場合に、同一半径位置の2層目にデータが記録されていないとアドレス情報が取得できないなどの不具合が生じ、結果として1層目のデータが再生できないといった問題が生じる。このような不具合は2層目を全く記録することなしにユーザのデータ記録を終了する場合も同様である。
この点、2層DVD+Rに関して、2層目の未記録領域を例えばユーザデータ属性を有するダミーデータ、或いはリードアウトで記録することで2層DVDディスクとの論理的な互換をとり、再生専用ドライブでの読み出しを保証する提案がなされている(未公開)。しかしながら、この提案例による場合、記録が完全に終了した状態では2層DVDディスクとの互換を取ることができるが、記録途中の状態において2層DVDディスクとの互換を取ることはできない。
また、例えば、2層DVD+Rに関して、データ領域を複数のセッションに分割して記録を行うようにした提案もなされている(未公開)。このような提案例の装置において1層目のデータ領域内に1セッションを記録した場合、従来の1層DVD+Rではセッション単位でデータ記録することで再生専用ドライブでの再生互換を保証することが可能であったのに対し、2層DVD+Rでは再生専用ドライブでの再生互換を保証することができない。これは1層目の既記録領域と同一半径に位置する2層目のデータ領域にデータが記録されていないためである。
このような問題は、2層DVD+Rがデータの書換えができない追記型ディスクであることに起因する。即ち、記録が完全に完了していない状態において2層目の未記録領域をダミーデータ等で記録してしまうと、引き続き行われる記録においてデータが二重書きされることになり、記録したデータが読み出せないという不具合が生じてしまうからである。
本発明の目的は、複数の記録層を持つ情報記録媒体に対する記録動作において、記録が完全に完了していない状態、即ち、記録途中の状態においても、再生専用ディスクとの互換性を保つことができるようにすることである。
本発明の一観点によれば、少なくとも第1の記録層と第2の記録層とを有し情報の書換え可能な光ディスクへ情報を記録する情報記録方法であって、前記第1の記録層のデータ領域への記録単位の記録と第2の記録層のデータ領域への記録単位の記録とを光記録媒体の半径方向の内側から対応する半径位置に交互に行うと共に、前記半径方向に見て最も外側に位置する既記録領域に対応するデータ領域を含めて該データ領域より内側の全未記録領域に対して行うことを含むフォーマット処理を行う情報記録方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、少なくとも第1の記録層と第2の記録層とを有し情報の書換え可能な光ディスクへ情報を記録する情報記録方法であって、前記第1の記録層のデータ領域への記録単位の記録と第2の記録層のデータ領域への記録単位の記録とを光記録媒体の半径方向の内側から対応する半径位置に交互に行うと共に、前記半径方向に見て最も外側に位置する既記録領域に対応するデータ領域を含めて該データ領域より内側の全未記録領域に対して行うことを含むフォーマット処理を行う情報記録装置が提供される。
本発明によれば、データの書換えが可能であり、前記第1の記録層のデータ領域への記録単位の記録と第2の記録層のデータ領域への記録単位の記録とを光記録媒体の半径方向の内側から対応する半径位置に交互に行うと共に、前記半径方向に見て最も外側に位置する既記録領域に対応するデータ領域を含めて該データ領域より内側の全未記録領域に対して行うことを含むフォーマット処理を行うことにしたので、当該媒体への記録が完了していない状態、即ち、記録途中で当該光ディスクを取り出す場合において、再生専用光ディスクとの互換(径方向に関してデータ記録済みの領域が複数の記録層間で一致している)を得るための所定のデータを記録する領域を減らすことができ、フォーマット中断処理を短時間で終了させることができる。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る情報記録装置としての光ディスク装置1の概略構成を示すブロック図である。
この光ディスク装置1は、情報記録媒体としての光ディスク2を回転駆動するためのスピンドルモータ3、光ピックアップ装置4、レーザコントロール回路5、モータドライバ6、再生信号処理回路7、サーボコントローラ8、バッファRAM9、バッファマネージャ10、インターフェース11、ROM12、CPU13及びRAM14などを備えて構成されている。なお、図1中に示す矢印は代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
より詳細には、まず、光ディスク2としては、DVD+RWの規格に準拠する片面2層のDVD+RW(以下、単に「2層DVD+RW」という)を記録対象とする場合への適用例である。
光ピックアップ装置4は、光源としての半導体レーザ、この半導体レーザから出射されるレーザ光を光ディスク2の記録面に導くとともに記録面で反射された戻り光を所定の受光位置まで導く対物レンズ等を含む光学系、受光位置に配置されて戻り光を受光する受光器、及び、駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ、シークモータ等)(何れも図示せず)などを含んで構成されている。受光器からは、受光量に応じた電流(電流信号)が再生信号処理回路7に出力される。
サーボコントローラ8では、フォーカスエラー信号に基づいて光ピックアップ装置4のフォーカシングアクチュエータを制御する制御信号を生成するとともに、トラックエラー信号に基づいて光ピックアップ装置4のトラッキングアクチュエータを制御する制御信号を生成する。これらの制御信号はサーボコントローラ8からモータドライバ6に出力される。
モータドライバ6では、サーボコントローラ8からの制御信号に基づいて光ピックアップ装置4のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動する。また、モータドライバ6では、CPU13の指示に基づいて、光ディスク2の線速度が一定となるようにスピンドルモータ3を制御する。さらに、モータドライバ6では、CPU13の指示に基づいて、光ピックアップ装置4用のシークモータを駆動し、光ピックアップ装置4を光ディスク2の目標トラックに向けて半径方向に移動させる。
インターフェース11は、外部装置となるホスト(例えば、PC)と双方向の通信インターフェースである。
CPU13は、ROM12、RAM14とともに当該光ディスク装置1が備えるマイクロコンピュータ(コンピュータ)を構成している。記憶媒体としても機能するROM12には、CPU13により解読可能なコードで記述された後述するような情報記録用プログラムを含むプログラムが格納されている。CPU13は、ROM12に格納されているプログラムに従って上述の各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM14に保存する。なお、当該光ディスク装置1の電源が投入されると、ROM12に格納されているプログラムは、CPU13のメインメモリ(図示せず)にロード(インストール)される。
本実施の形態では、対象としている光ディスク2である2層DVD+RWが当該光ディスク装置1がマウントされホスト側からのユーザデータの記録要求があった場合の記録処理制御に特徴があるが、その説明に先立ち、DVD+RWの規格の前提となる再生専用DVDディスクのレイアウト等について説明する。
まず、図2に再生専用DVDディスクのレイアウト例を示す。図2(a)は片面1層(Single Layer)のディスク(以下、「1層ディスク」という)、図2(b)はPTP方式の片面2層(Dual Layer)のディスク(以下、「PTPディスク」という)、図2(c)はOTP方式の片面2層のディスク(以下、「OTPディスク」という)の場合を各々示す。
DVDディスクは、基本的に、リードイン領域(Lead-in Area)、データ領域、リードアウト領域(Lead-out Area)からなるインフォメーション領域(Information Area)を有し、1層ディスク及びPTPディスクの場合は記録層毎にインフォメーション領域を有する。OTPディスクは1つのインフォメーション領域からなり、各記録層のデータ領域の後方に中間領域(Middle Area)を有する。1層ディスク及びPTPディスクのレイヤー0,1及びOTPディスクのレイヤー0は内周から外周に向けてデータの再生が行われ、OTPディスクのレイヤー1は外周から内周に向けてデータの再生が行われる。1層ディスク及びPTPディスクの各記録層はリードイン領域からリードアウト領域まで連続した物理アドレス(Physical Sector Number)が割り振られる。一方、OTPディスクの場合は、リードイン領域からレイヤー0の中間領域まで連続した物理アドレスが割り振られるが、レイヤー1の物理アドレスはレイヤー0の物理アドレスをビット反転したアドレスが割り振られ、中間領域からリードアウト領域まで物理アドレスが増加していく。つまり、レイヤー1におけるデータ領域の開始アドレスはレイヤー0における終了アドレスをビット反転したアドレスとなる。
図2(b)に示すように、PTPディスクにおけるリードイン領域開始及び終了アドレス、データ領域の開始アドレス、及び、リードアウト領域の終了アドレスは同一半径位置にあり、リードアウト領域の開始アドレス、即ち、データ領域の終了アドレスは記録層毎に異なる場合がある。データ領域の終了アドレスが異なる場合、その差分の領域はリードアウトが記録されている。
一方、図2(c)に示すように、OTPディスクの場合はリードイン領域の開始アドレスとリードアウト領域の終了アドレス、レイヤー0のデータ領域終了アドレスとレイヤー1のデータ領域開始アドレス、及び、各記録層の中間領域の開始及び終了アドレスは同一半径位置にあり、レイヤー0のデータ領域開始アドレスとレイヤー1のデータ領域終了アドレスは必ずしも一致しない。OTPディスクの場合もその差分領域にはリードアウトが記録されている。
このような再生専用DVDディスクのレイアウトに準拠する、例えばOTP方式による2層DVD+RW(光ディスク2)に対する第1の参考の形態の情報記録方法のうち、所定のデータ例等について図3を参照して説明する。第1の参考の形態では、光ディスク2に対してバックグラウンドフォーマットを行い、バックグラウンドフォーマット中にユーザからのデータ記録を行うものとする。
まず、図3(a)は、バックグラウンドフォーマット中にデータ記録が行われている状態を示す。第1の参考の形態の光ディスク2へのフォーマットでは、リードイン領域(レイヤー0)の一部を記録した後に、ユーザに対してフォーマット完了を通知する。フォーマット完了通知後は、引き続きデータ領域の記録をバックグラウンドで行う。ユーザから記録要求があった場合はバックグラウンドフォーマットを中断し、要求された領域への記録を行う。ここで、図3(a)中に示すようにユーザが光ディスク2上のアドレスBからEまでデータ記録した状態でディスク排出を行うとする。
図3(b)はバックグラウンドフォーマットを中断してディスク排出する場合のダミーデータ記録を示す。ディスク排出を行う場合、ユーザは光ディスク装置1に対してフォーマット中断要求を行う。フォーマット中断処理では、まず、光ディスク2上に間欠的に記録された領域間の未記録領域をダミーデータで記録して連続的に記録された状態にする。もっとも、第1の参考の形態では、ユーザデータは連続的に記録されているためこの処理はスキップされる。次に、レイヤー0のデータ領域内で記録されている領域(アドレスBからE)と同一半径位置にあるレイヤー1の未記録領域(アドレスE´からB´)をユーザデータ属性のダミーデータ(Dammy Data)、例えば、全て0データで記録する。ここで、B´及びE´は各々B及びEをビット反転した値とする。また、このときアドレスEの後方及び、アドレスE´の前方(外周方向)に一時的な中間領域(Temporary Middle Area)を記録し、リードアウト領域にリードアウトを記録しても良い。
従って、第1の参考の形態によれば、基本的に、データの書換えが可能であり、複数の記録層を有する2層DVD+RWのような光ディスク2を対象とし、レイヤー0(1層目)の既記録領域に対応するレイヤー1(2層目)の未記録領域に対して所定のタイミングで記録することにより、当該光ディスク2への記録が完了していない状態であっても再生専用ドライブでの再生互換を保証することが可能となる。即ち、2層DVD+RWディスクにおいてレイヤー0にデータが記録された場合、所定のタイミングでレイヤー0の既記録領域と同一半径位置に相当するレイヤー1のデータ領域に所定のデータを記録することで、記録途中の状態であっても2層DVDとの論理互換を確保することができ、再生専用DVDドライブで正常に読み出しできることを保証することが可能となる。この場合、所定の未記録領域を埋める所定のデータとして、ユーザデータ属性を有するダミーデータを利用することにより、所定のデータとしてリードアウト(Lead-out)等に制限されることなく所定のデータとしての融通性を持たせ得る上に、リードアウト(Lead-out)自体はその記録層の終了アドレスを規定するための本来の目的で使用することができ、ダミーデータを含めて通常のユーザデータ記録に近い状態にすることができる。
2層DVD+RW(光ディスク2)に対する情報記録方法のうち、所定のデータ例に関する第2の参考の形態を図4を参照して説明する。第2の参考の形態では、光ディスク2に対してマルチセッション方式により記録方式を行うものとする。なお、ここでは追記型DVDディスクであるDVD+Rのマルチセッション記録方式を適用し、ユーザデータ領域の前にリードイン(DVD+Rのマルチセッション記録に従って、2セッション目以降のリードインをイントロ(Intro)と呼ぶ)を記録し、ユーザデータ領域の後方にリードアウト(同様に最終セッションより前のリードアウトをクロージャ(Closure)と呼ぶ)を記録する。
図4(a)は、第1セッションにデータが記録されている(アドレスBからE)状態を示し、この状態でユーザからセッションクローズの要求を受けたとする。
図4(b)はセッションクローズにおけるリードアウト記録を示す。セッションクローズ処理では、まず、レイヤー0のデータ領域内で記録されている領域(アドレスBからF)と同一半径位置にあるレイヤー1の未記録領域(アドレスF´からB´)をリードアウト(Lead-out)で記録する。次に、リードイン領域を記録して、レイヤー0内に記録されたデータ領域(アドレスBからE)に続けてクロージャ(Closure)が記録される(アドレスEからF)。さらに、レイヤー1においてはアドレスF´からE´、及びリードアウト領域についてもリードアウトを記録する。ここで、B´、E´及びF´は各々B、E及びFをビット反転した値とする。第2の参考の形態ではレイヤー1内のリードアウト記録を分割して行ったが、連続して記録しても良い。
なお、図4(b)に示す状態(レイヤー1が全てリードアウト、中間領域が存在しないなど)は厳密には2層DVDとの論理互換が取れてはいないが、少なくともレイヤー0にのみデータが記録された状態ではないため再生専用DVDドライブにてレイヤー0のデータを正常に読み出すことが可能である。第2の参考の形態の光ディスク2はデータの上書きが可能であるため、データ記録が完全に終了した時点で2層DVDとの論理互換をとるフォーマットに記録すればよい。
従って、第2の参考の形態による場合も、図3で説明した場合と同様に、2層DVD+RWディスクにおいてレイヤー0にデータが記録された場合、所定のタイミングでレイヤー0の既記録領域と同一半径位置に相当するレイヤー1のデータ領域に所定のデータを記録することで、記録途中の状態であっても2層DVDとの論理互換を確保することができ、再生専用DVDドライブで正常に読み出しできることを保証することが可能となるわけであるが、特に、所定の未記録領域を埋める所定のデータとして、本来的にデータ領域の後に記録されるリードアウト(Lead-out)を拡大利用することにより、簡単に実現することができる。
2層DVD+RW(光ディスク2)に対する情報記録方法のうち、所定のデータ例に関するさらに第3の参考の形態を図5を参照して説明する。第3の参考の形態では、図4で説明した場合と同様に、光ディスク2に対してマルチセッション方式にて記録を行うものとする。
図5(a)は第1セッションにデータが記録されている(アドレスBからE)状態を示し、この状態でユーザからセッションクローズの要求を受けたとする。
図5(b)はセッションクローズにおける論理消去パターン記録を示す。セッションクローズ処理では、まず、レイヤー0のデータ領域内で記録されている領域(アドレスBからE)と同一半径位置にあるレイヤー1の未記録領域(アドレスE´からB´)を論理消去パターンで記録する。次に、リードイン領域を記録し、レイヤー0内に記録されたデータ領域(アドレスBからE)に続けてクロージャ(Closure)が記録される(アドレスEからF)。さらに、レイヤー1においてはアドレスF´からE´、及びリードアウト領域についても所定のデータとして論理消去パターンを記録する。ここで、B´、E´及びF´は各々B、E及びFをビット反転した値とする。第3の参考の形態ではレイヤー1内の論理消去パターン記録を分割して行ったが、連続して記録しても良い。また、リードアウト領域は論理消去パターンでなくリードアウトを記録しても良い。
なお、図5(b)に示す状態(リードアウト、中間領域が存在しないなど)は厳密には2層DVDとの論理互換が取れてはいないが、少なくともレイヤー0にのみデータが記録された状態ではないため再生専用DVDドライブにてレイヤー0のデータを正常に読み出すことは可能である。本情報記録媒体はデータの上書きが可能であるため、データ記録が完全に終了した時点で2層DVDとの論理互換をとるフォーマットに記録すればよい。
書換え可能なCD−RW等では記録領域の消去を行う場合に、物理的に未記録状態に戻すのではなく、論理的に消去されていることを示す論理消去パターンで記録を行う。論理消去パターンで記録された領域は、当該パターンを識別できる光ディスク装置にとっては未記録領域であるが、当該パターンを識別できない従来ドライブ装置にとっては記録領域である。そこで、第3の参考の形態のように、2層目の未記録領域に対して論理消去パターンで記録しておくことで、再生専用ドライブでの再生互換を確保することができるとともに、当該パターンを識別可能な光ディスク装置1は2層目が未記録であるという状態を媒体上に保持しておくことが可能となる。
2層DVD+RW(光ディスク2)に対する情報記録方法のうち、所定のデータを記録するタイミング制御例の第4の参考の形態を図6を参照して説明する。第4の参考の形態では、処理を簡素化するためユーザからの記録はレイヤー0のデータ領域開始アドレスから連続的に記録するものとし、ディスク排出要求時にはレイヤー0のみデータが記録されているものとする。
まず、処理が開始されると(ステップS1)、ユーザからの記録要求があるかどうかを判定する(S2)。ユーザからの記録要求があった場合(S2のY)、要求された領域への記録を行う(S3)。ユーザからの記録要求がなかった場合は(S2のN)、ステップS3の処理がスキップされる。次に、ユーザからディスク排出要求があるかどうかを判定する(S4)。ディスク排出要求がなければ(S4のN)、再びユーザからの記録要求を待つ(S2)。一方、ユーザからディスク排出要求があった場合(S4のY)、レイヤー0内における記録領域を検出する(S5)。このステップS5の処理が、既記録領域有無判断工程、既記録領域有無判断手段、既記録領域有無判断機能として実行される。
この時、レイヤー0のアドレスAからBまでが既記録領域であったとした場合、レイヤー1のアドレスB´からA´を所定データとしてユーザデータ属性のダミーデータ(Dammy Data)、或いは、リードアウト(Lead-out)、又は論理消去パターンで記録し(S6)、光ディスク2を排出し(S7)、処理を終了する(S8)。ステップS6の処理が、対応未記録領域データ埋込工程、対応未記録領域データ埋込手段、対応未記録領域データ埋込機能として実行される。
なお、第4の参考の形態ではリードイン領域(レイヤー0)及びリードアウト領域(レイヤー1)及び中間領域(レイヤー0、1)の記録については特に考慮していないが、ディスク排出時に各々の領域を記録しても良い。
従って、未記録領域を埋める所定のデータの記録は再生専用ドライブでの再生互換を保証するためのものであるので、ステップS6により未記録領域に対して記録する所定のタイミングは、第4の参考の形態のように、当該光ディスク装置1においてデータ記録後、ユーザから当該光ディスク2の排出要求を受けた時点(ステップS5)であれば十分である。
2層DVD+RW(光ディスク2)に対する情報記録方法のうち、所定のデータを記録するタイミング制御例の第5の参考の形態を図7を参照して説明する。第5の参考の形態では、図6の場合と同様に、処理を簡素化するためユーザからの記録はレイヤー0のデータ領域開始アドレスから連続的に記録するものとし、ディスク排出要求時にはレイヤー0のみデータが記録されているものとする。
まず、処理が開始されると(S11)、ユーザからの記録要求があるかどうかを判定する(S12)。ユーザからの記録要求があった場合(S12のY)、要求された領域への記録を行った後(S13)、当該既記録領域と同一半径にあるレイヤー1の領域を記録する(S14)。ステップS12,S13の処理が、既記録領域有無判断工程、既記録領域有無判断手段、既記録領域有無判断機能として実行され、ステップS14の処理が、対応未記録領域データ埋込工程、対応未記録領域データ埋込手段、対応未記録領域データ埋込機能として実行される。ユーザからの記録要求がなかった場合は(S12のN)、ステップS13,S14の処理がスキップされる。次に、ユーザからディスク排出要求があるかどうかを判定する(S15)。ディスク排出要求がなければ(S15のN)、再びユーザからの記録要求を待つ(S12)。一方、ユーザからディスク排出要求があった場合(S15のY)、ディスクを排出し(S16)、処理を終了する(S17)。
第5の参考の形態ではリードイン領域(レイヤー0)及びリードアウト領域(レイヤー1)及び中間領域(レイヤー0、1)の記録については特に考慮していないが、ディスク排出時に各々の領域を記録しても良い。
このように、第5の参考の形態によれば、記録要求があった場合に当該既記録領域と同一半径に位置するレイヤー1内の未記録領域をその都度記録するため、図6の方法と比べて個々の記録要求に対するパフォーマンスは落ちるが、ディスク排出要求に対する処理は向上させることができる。
2層DVD+RW(光ディスク2)に対する情報記録方法のうち、所定のデータを記録するタイミング制御例の第6の参考の形態を図8を参照して説明する。第6の参考の形態では、書換え可能な2層DVD+RWに対する記録に追記型DVDディスクであるDVD+Rのマルチセッション記録を適用し、ユーザデータ領域の前にリードイン(DVD+Rのマルチセッション記録に従って、2セッション目以降のリードインをイントロ(Intro)と呼ぶ)が記録され、ユーザデータ領域の後方に(同様に最終セッションより前のリードアウトをクロージャ(Closure)と呼ぶ)が記録されるものとする。また、所定データとして図5で示した論理消去パターンを記録するものとする。さらに、図6の場合と同様に、処理を簡素化するためユーザからの記録はレイヤー0のデータ領域開始アドレスから連続的に記録するものとし、セッションクローズ時にはレイヤー0のみデータが記録されているものとする。
まず、処理が開始されると(S21)、ユーザからの記録要求があるかどうかを判定する(S22)。ユーザからの記録要求があった場合(S22のY)、要求された領域への記録を行う(S23)。ユーザからの記録要求がなかった場合は(S22のN)、ステップS23の処理がスキップされる。次に、ユーザからセッションクローズ要求があるかどうかを判定する(S24)。セッションクローズ要求がなければ(S24のN)、ユーザからディスク排出要求があるかどうかを判定する(S29)。ディスク排出要求がなければ(S29のN)、再びユーザからの記録要求を待つ(S22)。以上の処理を繰返してデータ記録を行うが、ここで、図5(a)に示したような位置までデータ記録が行われた時点で、ユーザからセッションクローズ要求があったとする(S24のY)。この場合、図5(b)に示すように、まず、リードイン領域(レイヤー0)を記録し(S25)、続いてクロージャ(レイヤー0)を記録する(S26)。次に、レイヤー0内の既記録領域を取得する(S27)。図5の例では、アドレスAからFまでが記録されている。ステップS27の処理が、既記録領域有無判断工程、既記録領域有無判断手段、既記録領域有無判断機能として実行される。次に、レイヤー0内の既記録領域と同一半径位置にあるレイヤー1内の領域(アドレスF´からA´)を論理消去パターンで記録を行う(S28)。ステップS28の処理が、対応未記録領域データ埋込工程、対応未記録領域データ埋込手段、対応未記録領域データ埋込機能として実行される。以上が、セッションクローズ処理である。引き続き、ユーザからディスク排出要求があるかどうかを確認し(S29)、ディスク排出要求があった場合は(S29のY)、ディスクを排出して(S30)、処理を終了する(S31)。ディスク排出要求がなければ(S29のN)、再びユーザからの記録要求を待つ(S22)。ここでユーザからの記録要求があった場合は新規セッションへの記録となる。一方、ステップS24においてユーザからのセッションクローズ要求がなく、ステップS29においてディスク排出要求があった場合、ユーザは再生専用DVDドライブでの再生互換を必要としないということであり、ステップS25からステップS28の処理をスキップして図5(a)の状態のままディスク排出する。
2層DVD+RW(光ディスク2)に対する情報記録方法のうち、バックグラウンドフォーマット処理を伴う実施の形態を図9及び図10を参照して説明する。本実施の形態の概要を説明すると、2層DVD+RW(光ディスク2)に対しバックグラウンドフォーマットによりフォーマットを行い、かつ、そのフォーマット中にユーザから記録要求を受けた場合はフォーマット処理を中断してデータ記録を行う。また、レイヤー1への所定データ記録はバックグラウンドフォーマットによるダミーデータ記録としてユーザからのディスクアクセス要求がない場合に行い、所定データ記録中にユーザから記録要求があった場合は所定データ記録を中断してユーザが要求する記録を行う。また、バックグラウンドフォーマットによるダミーデータ記録は図9(a)に示すようにデータ領域をN分割し、分割領域毎にレイヤー0、レイヤー1を交互に記録する。ユーザからフォーマット中断要求があった場合はレイヤー1内の所定データ記録を完了させて、一時的な中間領域、リードアウトを記録する。なお、説明を簡素化するためユーザからの記録はレイヤー0内のアドレスであるとする。
図9(a)は、2層DVD+RW(光ディスク2)に対しフォーマットを開始した状態を示している。図中の破線は記録層毎に連続してダミーデータ記録を行う記録単位を示す。バックグラウンドフォーマットではリードイン領域の一部を記録(イニシャル処理)しただけでユーザからの記録が可能となる。
図9(b)は、ユーザから要求されたデータを記録した状態を示している。バックグラウンドフォーマット中にユーザから記録要求があった場合はフォーマット処理(ダミーデータ記録)を中断して、要求されたデータを記録する。
図9(c)は、ユーザデータ記録完了後にバックグラウンドフォーマットを再開した状態を示している。バックグラウンドフォーマットにおけるダミーデータ記録は所定の分割領域毎にレイヤー0とレイヤー1とを交互に記録する。ここに、ユーザからのアクセス要求がない場合に所定データ記録を行うが、ここではフォーマット処理におけるダミーデータ記録としてその機能を代用している。
図9(d)は、レイヤー1の所定データ記録(フォーマットにおけるダミーデータ記録)中にユーザから記録要求を受けた状態を示している。図9(c)においてフォーマットにおける所定記録単位のダミーデータ記録が完了した場合は、次の記録単位である領域をレイヤー0、レイヤー1の順番で記録する。ここで、レイヤー1をダミーデータで記録中にユーザから記録要求を受けた場合、ダミーデータ記録を中断して要求されたデータ記録を行う。
図9(e)は、ユーザデータ記録完了後に所定データ記録(フォーマットにおけるダミーデータ記録)を再開した状態を示している。
図9(f)は、ユーザからフォーマット中断要求を受けた状態を示す。フォーマット中断では、まず、レイヤー0における最終記録領域を検出し、この領域よりも内周に存在する未記録領域をダミーデータで記録する。ここではレイヤー1の領域がダミーデータで記録される。データ領域内のダミーデータ記録が完了すると、最終記録領域に続けて(外周方向)一時的な中間領域を記録し、さらにリードアウト領域にリードアウトを記録する。
ここで、このような記録動作に関する処理制御例を図10に示す概略フローチャートを参照して説明する。ここでは、レイヤー1への所定のデータ記録はバックグラウンドフォーマットによるダミーデータ記録としてユーザからのディスクアクセス要求がない場合に行うものとする。また、説明を簡素化するためユーザからの記録はレイヤー0内のアドレスであるとする。
まず、ユーザからフォーマット要求があった場合(S41)、リードイン領域の一部を記録して(S42)、ユーザに対しフォーマット完了を通知し(S43)、バックグラウンドフォーマットを開始する(S44)。バックグラウンドフォーマットにおけるデータ領域のダミーデータ記録をディ・アイス(De-ice)と呼ぶ。バックグラウンドフォーマット開始後はユーザからランダムにデータ記録が可能となる。次に、ユーザから記録要求があるかどうかを判定する(S45)。ユーザから記録要求があった場合(S45のY)、バックグラウンドフォーマット中であるかどうかを判定し(S46)、フォーマット中であった場合(S46のY)は、バックグラウンドフォーマットを中断して(S47)、要求されたデータ記録を行う(S48)。ステップS41〜S48の処理が、バックグラウンドフォーマット工程、バックグラウンドフォーマット手段、バックグラウンドフォーマット機能として実行される。
バックグラウンドフォーマット中でなければ(S46のN)、ステップS47の処理はスキップされる。一方、ユーザから記録要求がなかった場合(S45のN)、ユーザからフォーマット中断要求があるかどうかを判定する(S49)。フォーマット中断要求がなければ(S49のN)、バックグラウンドフォーマット中かどうかを判定する(S50)。ここで、バックグラウンドフォーマット中であった場合は(S50のY)、再びユーザからの記録要求を待つ(S45)。一方、バックグラウンドフォーマット中でなければ(S50のN)、バックグラウンドフォーマット開始処理へ移行する。
ここではまず、バックグラウンドフォーマットの開始アドレスから当該アドレスを含む分割領域Nを検索する(S51)。次に、レイヤー1内の分割領域1からN−1までのうち未記録領域が存在するかどうかを判定する(S52)。ここで、分割領域M(Mはレイヤー1の分割領域、1≦M<N−1)内に未記録領域が存在した場合(S52のN)、バックグラウンド開始アドレスを分割領域Mの未記録アドレスに変更し(S53)、バックグラウンドフォーマットを開始する(S54)。
一方、レイヤー1内の分割領域1からN−1に未記録領域が存在しない場合(S52のY)、ステップS53をスキップして分割領域N(レイヤー0)の未記録領域からバックグラウンドフォーマットを開始する(S54)。
ところで、ユーザからフォーマット中断要求があった場合は(S49のY)、フォーマット中断処理へ移行する。ここではまず、バックグラウンドフォーマット中かどうかを判定し(S55)、フォーマット中であれば(S55のY)、バックグラウンドフォーマットを中断する(S56)。フォーマット中でなければ(S55のN)、ステップS56はスキップされる。ステップS55,S56の処理が、記録動作中断工程、記録動作中断手段、記録動作中断機能として実行される。
次に、最終既記録アドレスを取得し(S57)、このアドレスまでの分割領域のうち、未記録領域が存在する分割領域を検索する(S58)。ステップS58の処理が、既記録領域有無判断工程、既記録領域有無判断手段、既記録領域有無判断機能として実行される。この結果、該当する分割領域があるかどうかを判定し(S59)、該当する分割領域があったら(S59のY)、当該分割領域内の未記録領域をダミーデータで記録する(S60)。ステップS60の処理が、対応未記録領域データ埋込工程、対応未記録領域データ埋込手段、対応未記録領域データ埋込機能として実行される。当該領域の記録が完了したら、他の領域内に未記録領域が存在する分割領域を再度検索する(S58)。このように、ステップS58からステップS60を繰返して、最終既記録アドレスまでの分割領域を全て記録する。この結果、未記録領域を含む分割領域がなくなった場合(S59のN)、最終既記録アドレスから一時的な中間領域を記録し(S61)、さらにリードアウト領域へリードアウトを記録して(S62)、フォーマット処理を終了する(S63)。
バックグラウンドフォーマットでは、ユーザからのフォーマット要求に対してリードイン領域の一部を記録(イニシャル処理)しただけでユーザに対しフォーマット完了を通知し、ユーザからのアクセスがない時間に残りの領域をダミーデータで記録を行う。従って、本実施の形態のように、所定のデータ記録もユーザからの媒体アクセスがない時間にバックグラウンドで行っても良い。このように、所定のデータ記録をユーザからの媒体アクセスがない時間にバックグラウンドで行うことで、媒体排出やセッションクローズに要する時間を短縮することができ、また、ユーザからの記録中には所定のデータ記録を行わないため、記録パフォーマンスの低下を防ぐことが可能となる。また、このような未記録領域に対する所定データの記録中にユーザから媒体アクセス要求があった場合には、当該所定データの記録動作を中断させるので、本来のアクセス動作に支障を来たすことなく、未記録領域に対する所定のデータの記録動作を行わせることができる。
また、例えば、DVD+RWのバックグラウンドフォーマットでは、フォーマット途中の状態であっても媒体を取り出すことが可能となっている。DVD+RWでは媒体取出しの際に一旦バックグラウンドフォーマットの中断処理を行うが、この中断処理において、従来の再生専用DVDドライブとの互換を取る場合は媒体上に間欠的に記録された既記録領域間の未記録領域をダミーデータで記録して連続的に記録された状態にした後、記録領域の最終アドレスから一時的なリードアウトを記録するようにしている。ここに、複数の記録層を有する情報記録媒体に対してバックグラウンドフォーマットを行う情報記録装置においてもそのフォーマット途中で媒体を取出すことが考えられる。このとき、再生専用ドライブとの再生互換を保証するためには、DVD+RWの場合を例に述べたようなフォーマット中断処理に加えて、他の記録層内の未記録領域に対して所定のデータの記録を行う必要がある。従って、本実施の形態によれば、複数の記録層を有する光ディスク2に対してバックグラウンドフォーマットを行う場合においてもそのフォーマット途中に再生専用ドライブでの再生互換を保証しつつディスクを取出すことが可能となる。
ところで、通常、バックグラウンドフォーマットでは媒体内周から連続的にダミーデータの記録を行う。従って、複数の記録層を有する光ディスク2に対してバックグラウンドフォーマットを行う場合、最小の論理アドレスが割り振られている第1の記録層からダミーデータを記録し、当該記録層へのフォーマットが完了した時点で次の記録層のダミーデータ記録を行うことが予想される。しかしながら、バックグラウンドフォーマットにおけるこのような記録順では、フォーマット途中で再生専用ドライブでの互換を保証しつつ媒体を取出すことを考慮すると、バックグラウンドフォーマットの中断処理に時間がかかるという不具合が生じてしまう。これはフォーマット中断処理で所定のデータ記録を行う必要が考慮されていないためである。例えば、前述した第1の記録層のデータ領域に対し、ほぼ全領域がフォーマットによるダミーデータ記録完了した状態でフォーマット中断を行う場合、再生専用ドライブでの互換を保証するためには他の記録層のデータ領域に対してもほぼ全領域を前記所定データで記録しなければならない。この点、複数の記録層のデータ領域を複数の領域に分割し、これらの分割領域に対して複数の記録層間で交互に記録することにより前記情報記録媒体に対するフォーマット処理をバックグラウンドで行い、未記録領域に対して記録する所定のタイミングを、光ディスク2に対するバックグラウンドフォーマット処理中にユーザからバックグラウンドフォーマットの中断要求を受けた時点とすれば、バックグラウンドフォーマットにおけるダミーデータ記録において、複数の記録層のデータ領域を分割領域毎に交互に記録することで、フォーマット中断要求があった場合に所定のデータを記録する領域を減らすことができ、フォーマット中断処理を短時間で終了させることが可能となる。
図11に、バックグラウンドフォーマットをこのような方法で行った場合と、レイヤー0から連続的に行った場合とで、フォーマット中断処理にて所定データ記録が必要な範囲の違いを示す。
図11(a1)はバックグラウンドフォーマットをレイヤー0から連続的に行う場合である。ここで、レイヤー0のデータ領域をほぼ全面記録した時点で、ユーザからフォーマット中断要求を受けたとする。このとき、図11(a2)に示すように、レイヤー0内の既記録領域と同一半径位置にあるレイヤー1内のデータ領域を記録するためにはレイヤー1のデータ領域についてもほぼ全面記録しなければならず、フォーマット中断処理に長時間を要することになる。
一方、図11(b1)は本実施の形態で行うバックグラウンドフォーマット例を示している。ここではデータ領域を7分割し(図中の破線領域)、分割領域毎にレイヤー0とレイヤー1のデータ領域を交互に記録していく。従って、レイヤー0内の記録の進み具合は図(a-1)の場合と比べて遅くなっている。ここで、図11(b1)に示した時点でユーザからフォーマット中断要求を受けたとする。この場合、図11(b2)に示すように、フォーマット中断処理で記録しなければならない領域(レイヤー0内の既記録領域と同一半径位置にあるレイヤー1内の未記録領域)は図11(a2)の場合と比べて極わずかであることが分かる。従って、バックグラウンドフォーマット中にディスク排出する場合に、本実施の形態によれば、フォーマット中断処理を短時間で終了させることが可能となる。
なお、前述した実施の形態は、何れもOTP方式への適用例として説明したが、PTP方式についても同様に適用することができる。
本発明の一実施の形態の光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。 再生専用DVDディスクのレイアウト例を示す説明図である。 OTP方式による2層DVD+RWに対する情報記録方法のデータ例の参考の形態を模式的に示す説明図である。 OTP方式による2層DVD+RWに対する情報記録方法のデータ例の別の参考の形態を模式的に示す説明図である。 OTP方式による2層DVD+RWに対する情報記録方法のデータ例の他の参考の形態を模式的に示す説明図である。 OTP方式による2層DVD+RWに対する情報記録方法のタイミング制御例の参考の形態を模式的に示す概略フローチャートである。 OTP方式による2層DVD+RWに対する情報記録方法のタイミング制御例の別の参考の形態を模式的に示す概略フローチャートである。 OTP方式による2層DVD+RWに対する情報記録方法のタイミング制御例の他の参考の形態を模式的に示す概略フローチャートである。 OTP方式による2層DVD+RWに対するバックグラウンドフォーマット処理例の実施の形態を模式的に示す説明図である。 その処理制御例の実施の形態を模式的に示す概略フローチャートである。 連続処理の場合を対比させて示す分割領域毎の処理制御例を説明するための説明図である。
符号の説明
2 情報記録媒体

Claims (8)

  1. 少なくとも第1の記録層と第2の記録層とを有し情報の書換え可能な光ディスクへの情報を記録する情報記録方法であって、
    前記第1の記録層のデータ領域への記録単位の記録と第2の記録層のデータ領域への記録単位の記録とを光記録媒体の半径方向の内側から対応する半径位置に交互に行うと共に、前記半径方向に見て最も外側に位置する既記録領域に対応するデータ領域を含めて該データ領域より内側の全未記録領域に対して行うことを含むフォーマット処理を行う情報記録方法。
  2. 前記第1の記録層のデータ領域における各記録単位内において、前記フォーマット処理は、前記第1の記録層のデータ領域の内側から前記第1の記録層のデータ領域の外側に伸びるパスに沿って行われ、
    前記第2の記録層のデータ領域における各記録単位内において、前記フォーマット処理は、前記第2の記録層のデータ領域の外側から前記第2の記録層のデータ領域の内側に伸びるパスに沿って行われる、請求項1に記載の情報記録方法。
  3. ユーザデータの記録要求を受けると前記フォーマット処理に優先して該ユーザデータを記録する請求項1又は2に記載の情報記録方法。
  4. 前記フォーマット処理が完了していない場合、前記ユーザデータを記録後にフォーマット処理を再開する請求項3に記載の情報記録方法。
  5. 少なくとも第1の記録層と第2の記録層とを有し情報の書換え可能な光ディスクへ情報を記録する情報記録装置であって、
    前記第1の記録層のデータ領域への記録単位の記録と第2の記録層のデータ領域への記録単位の記録とを光記録媒体の半径方向の内側から対応する半径位置に交互に行うと共に、前記半径方向に見て最も外側に位置する既記録領域に対応するデータ領域を含めて該データ領域より内側の全未記録領域に対して行うことを含むフォーマット処理を行うフォーマット手段を備える情報記録装置。
  6. 前記第1の記録層のデータ領域における各記録単位内において、前記フォーマット処理は、前記第1の記録層のデータ領域の内側から前記第1の記録層のデータ領域の外側に伸びるパスに沿って行われ、
    前記第2の記録層のデータ領域における各記録単位内において、前記フォーマット処理は、前記第2の記録層のデータ領域の外側から前記第2の記録層のデータ領域の内側に伸びるパスに沿って行われる、請求項5に記載の情報記録装置。
  7. ユーザデータの記録要求を受けると前記フォーマット処理に優先して該ユーザデータを記録する請求項5又は6に記載の情報記録装置。
  8. 前記フォーマット処理が完了していない場合、前記ユーザデータを記録後にフォーマット処理を再開する請求項7記載の情報記録装置。
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