本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る情報記録装置としての光ディスク装置1の概略構成を示すブロック図である。
この光ディスク装置1は、情報記録媒体としての光ディスク2を回転駆動するためのスピンドルモータ3、光ピックアップ装置4、レーザコントロール回路5、モータドライバ6、再生信号処理回路7、サーボコントローラ8、バッファRAM9、バッファマネージャ10、インターフェース11、ROM12、CPU13及びRAM14などを備えて構成されている。なお、図1中に示す矢印は代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
より詳細には、まず、光ディスク2としては、DVD+Rの規格に準拠する2層DVD+Rを記録対象とする場合への適用例である。
光ピックアップ装置4は、光源としての半導体レーザ、この半導体レーザから出射されるレーザ光を光ディスク2の記録面に導くとともに記録面で反射された戻り光を所定の受光位置まで導く対物レンズ等を含む光学系、受光位置に配置されて戻り光を受光する受光器、及び、駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ、シークモータ等)(何れも図示せず)などを含んで構成されている。受光器からは、受光量に応じた電流(電流信号)が再生信号処理回路7に出力される。
サーボコントローラ8では、フォーカスエラー信号に基づいて光ピックアップ装置4のフォーカシングアクチュエータを制御する制御信号を生成するとともに、トラックエラー信号に基づいて光ピックアップ装置4のトラッキングアクチュエータを制御する制御信号を生成する。これらの制御信号はサーボコントローラ8からモータドライバ6に出力される。
モータドライバ6では、サーボコントローラ8からの制御信号に基づいて光ピックアップ装置4のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動する。また、モータドライバ6では、CPU13の指示に基づいて、光ディスク2の線速度が一定となるようにスピンドルモータ3を制御する。さらに、モータドライバ6では、CPU13の指示に基づいて、光ピックアップ装置4用のシークモータを駆動し、光ピックアップ装置4を光ディスク2の目標トラックに向けて半径方向に移動させる。
インターフェース11は、例えばPCのようなホスト(情報処理装置)21と双方向の通信インターフェースである。
CPU13は、ROM12、RAM14とともに当該光ディスク装置1が備えるマイクロコンピュータ(コンピュータ)を構成している。記憶媒体としても機能するROM12には、CPU13により解読可能なコードで記述された後述するような情報記録用プログラムを含むプログラムが格納されている。CPU13は、ROM12に格納されているプログラムに従って上述の各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM14に保存する。なお、当該光ディスク装置1の電源が投入されると、ROM12に格納されているプログラムは、CPU13のメインメモリ(図示せず)にロード(インストール)される。
ここに、光ディスク装置1はホスト21と接続されることにより、情報処理システム22を構成している。
本実施の形態では、対象としている光ディスク2である2層DVD+Rが当該光ディスク装置1マウントされホスト21側からのユーザデータの記録要求があった場合の記録処理制御に特徴があるが、その説明に先立ち、DVD+Rの規格の前提となる再生専用DVDディスクのレイアウト等について説明する。
まず、図2に再生専用DVDディスクのレイアウト例を示す。図2(a)は片面1層(Single Layer)のディスク(以下、「1層ディスク」という)、図2(b)はPTP方式の片面2層(Dual Layer)のディスク(以下、「PTPディスク」という)、図2(c)はOTP方式の片面2層のディスク(以下、「OTPディスク」という)の場合を各々示す。
DVDディスクは、基本的に、リードイン領域(Lead−in Area)、データ領域、リードアウト領域(Lead−out Area)からなるインフォメーション領域(Information Area)を有し、1層ディスク及びPTPディスクの場合は記録層毎にインフォメーション領域を有する。OTPディスクは1つのインフォメーション領域からなり、各記録層のデータ領域の後方に中間領域(Middle Area)を有する。1層ディスク及びPTPディスクのレイヤー0,1及びOTPディスクのレイヤー0は内周から外周に向けてデータの再生が行われ、OTPディスクのレイヤー1は外周から内周に向けてデータの再生が行われる。1層ディスク及びPTPディスクの各記録層はリードイン領域からリードアウト領域まで連続した物理アドレス(Physical Sector Number)が割り振られる。一方、OTPディスクの場合は、リードイン領域からレイヤー0の中間領域まで連続した物理アドレスが割り振られるが、レイヤー1の物理アドレスはレイヤー0の物理アドレスをビット反転したアドレスが割り振られ、中間領域からリードアウト領域まで物理アドレスが増加していく。つまり、レイヤー1におけるデータ領域の開始アドレスはレイヤー0における終了アドレスをビット反転したアドレスとなる。
図2(b)に示すように、PTPディスクにおけるリードイン領域開始及び終了アドレス、データ領域の開始アドレス、及び、リードアウト領域の終了アドレスは同一半径位置にあり、リードアウト領域の開始アドレス、即ち、データ領域の終了アドレスは記録層毎に異なる場合がある。データ領域の終了アドレスが異なる場合、その差分の領域はリードアウトが記録されている。
一方、図2(c)に示すように、OTPディスクの場合はリードイン領域の開始アドレスとリードアウト領域の終了アドレス、レイヤー0のデータ領域終了アドレスとレイヤー1のデータ領域開始アドレス、及び、各記録層の中間領域の開始及び終了アドレスは同一半径位置にあり、レイヤー0のデータ領域開始アドレスとレイヤー1のデータ領域終了アドレスは必ずしも一致しない。OTPディスクの場合もその差分領域にはリードアウトが記録されている。
ここで、本実施の形態の特徴部分の説明に先立ち、例えば、2層DVD+R(光ディスク2)に生じ得る未記録領域に対する対応処理例を参考例として図3及び図4を参照して説明する。最初に、再生専用DVDディスクのレイアウトに準拠する、例えばPTP方式による2層DVD+R(光ディスク2)に対する未記録領域に対する対応処理例を図3を参照して説明する。
まず、図3(a)は全く記録してない未記録状態における2層DVD+Rのレイアウトを示している。第1の記録層であるレイヤー0及び第2の記録層であるレイヤー1なる各記録層には各々、リードイン領域、データ領域(Data Area)、及び、リードアウト領域が存在する。図中、Aはリードイン開始アドレス、Bはデータ領域の開始アドレス、Cはリードアウト領域の開始アドレス、Dはリードアウト領域の終了アドレスの位置を示しており、各記録層(レイヤー0,1)におけるアドレスA〜Dは光ディスク2の同一半径位置に位置している。
図3(b)〜(b−2)は、レイヤー1の途中でユーザデータの記録が完了した場合の対応処理例を示す。図3(b)は2層目(レイヤー1)のアドレスXの位置でユーザデータの記録が完了したことを示している。
このように途中でユーザデータの記録が完了する場合、一つの対応処理例では、図3(b−1)に示すように、ユーザデータ記録領域以降の未記録領域をリードアウトで記録する。つまり、レイヤー1のアドレスXからアドレスDまでの領域が所定の未記録領域として所定のデータ=リードアウトで記録される。従って、レイヤー0の場合、アドレスAからBがリードイン領域、アドレスBからCがデータ領域、アドレスCからDがリードアウト領域であるのに対し、レイヤー1の場合はアドレスAからBがリードイン領域、アドレスBからXがデータ領域、アドレスXからDがリードアウト領域となる。この結果、片面2層の再生専用DVD-ROMと同じディスクレイアウトとなり、2層目(レイヤー1)のデータ領域の途中でユーザデータの記録が完了した場合も、問題なく、片面2層の再生専用DVD-ROMとの互換性を保つことが可能となる。
また、途中でユーザデータの記録が完了する場合、他の対応処理例では、図3(b−2)に示すように、当該第2の記録層(レイヤー1)のデータ領域のうち、ユーザデータ記録を行ったユーザデータ記録領域を除く領域に対し、データ属性を有するダミーデータ(Dummy Data)、例えば、全て0データで記録する。つまり、レイヤー1のアドレスXからアドレスCまでの領域が所定の未記録領域として所定のデータ=データ属性のダミーデータで記録される。このとき、レイヤー1のリードアウト領域(アドレスCからD)に対し、リードアウトを記録してもよい。従って、レイヤー0,1ともにアドレスAからBがリードイン領域、アドレスBからCがデータ領域、アドレスCからDがリードアウト領域となる。この結果、片面2層の再生専用DVD−ROMと同じディスクレイアウトとなり、2層目(レイヤー1)のデータ領域の途中でユーザデータの記録が完了した場合も、問題なく、片面2層の再生専用DVD-ROMとの互換性を保つことが可能となる。
次に、再生専用DVDディスクのレイアウトに準拠する、例えばOTP方式による2層DVD+R(光ディスク2)に対する対応処理例を図4を参照して説明する。
まず、図4(a)は全く記録してない未記録状態における2層DVD+Rのレイアウトを示している。第1の記録層であるレイヤー0にはディスク内周からリードイン領域、データ領域、中間領域が存在し、レイヤー1にはディスク外周から中間領域、データ領域、リードアウト領域が存在する。図中、Aはリードイン領域の開始アドレス、Bはレイヤー0のデータ領域の開始アドレス、Cはレイヤー0の中間領域の開始アドレス、Dはレイヤー0の中間領域の終了アドレスであり、また、図中、D′はレイヤー1の中間領域の開始アドレス、C′はレイヤー1のデータ領域の開始アドレス、B′はリードアウト領域の開始アドレス、A′はリードアウト領域の終了アドレスの位置を示しており、AとA′、BとB′、CとC′、DとD′は各々ビット反転した値であり、光ディスク2の同一半径位置に位置している。
図4(b)〜(b−2)は、レイヤー1の途中でユーザデータの記録が完了した場合の対応処理例を示す。図4(b)は2層目(レイヤー1)のアドレスXの位置でユーザデータの記録が完了したことを示している。
このように途中でユーザデータの記録が完了する場合、一つの対応処理例では、図4(b−1)に示すように、ユーザデータ記録領域以降の未記録領域をリードアウトで記録する。つまり、アドレスXからアドレスA′までの領域が所定の未記録領域として所定のデータ=リードアウトで記録される。従って、アドレスAからBがリードイン領域、アドレスBからCまでがレイヤー0のデータ領域、アドレスCからDまでがレイヤー0の中間領域、アドレスD′からC′までがレイヤー1の中間領域、アドレスC′からXまでがレイヤー1のデータ領域、アドレスXからA′までがリードアウト領域となる。この結果、片面2層の再生専用DVD−ROMと同じディスクレイアウトとなり、2層目(レイヤー1)のデータ領域の途中でユーザデータの記録が完了した場合も、問題なく、片面2層の再生専用DVD−ROMとの互換性を保つことが可能となる。
また、途中でユーザデータの記録が完了する場合、他の対応処理例では、図4(b−2)に示すように、当該第2の記録層(レイヤー1)のデータ領域のうち、ユーザがデータ記録を行ったユーザデータ記録領域を除く領域に対し、データ属性を有するダミーデータ(Dummy Data)、例えば、全て0データで記録する。つまり、アドレスXからアドレスB′までの領域が所定の未記録領域として所定のデータ=データ属性のダミーデータで記録される。このとき、リードアウト領域(アドレスB′からA′)に対し、リードアウトを記録しても良い。従って、アドレスAからBがリードイン領域、アドレスBからCまでがレイヤー0のデータ領域、アドレスCからDまでがレイヤー0の中間領域、アドレスD′からC′までがレイヤー1の中間領域、アドレスC′からB′までがレイヤー1のデータ領域、アドレスB′からA′までがリードアウト領域となる。この結果、片面2層の再生専用DVD−ROMと同じディスクレイアウトとなり、2層目(レイヤー1)のデータ領域の途中でユーザデータの記録が完了した場合も、片面2層の再生専用DVD−ROMとの互換性を保つことが可能となる。
これらの対応処理例に示すように、データ領域に存在する未記録領域を所定のデータ、例えば、リードアウト或いはデータ属性を有するダミーデータ等の所定のデータで記録するようにすれば、データ領域の途中でユーザのデータ記録が完了した場合も未記録領域が残ることによる不具合を解消することが可能となるが、例えば、第2の記録層(レイヤー1)のデータ領域が殆ど未記録の状態でユーザデータの記録が終了した場合、或いは、第2の記録層(レイヤー1)にユーザデータが全く記録されずにデータ記録が完了した場合は、第2の記録層(レイヤー1)のデータ領域に存在する未記録領域を全てこれらの所定のデータで埋めてしまう必要が生じ、未記録領域を埋める処理に長時間を要するといった問題が派生してしまう。
このような場合、ユーザが記録する全データサイズが予め判っていれば、第1の記録層(レイヤー0)のデータ領域の全領域をデータ記録に使用するのではなく、例えば、第1の記録層(レイヤー0)と第2の記録層(レイヤー1)とに記録するデータサイズがほぼ等しくなるように、ユーザデータを分割して記録することで、実質的に未記録領域をなくし、未記録領域を所定データで埋める処理に要する時間を省くことが可能となるが、データを単純に分割するだけでは、以下の理由から実施が困難である。
即ち、前述したように、DVD+Rでは予め用意された初期データ領域の全領域に対し物理アドレスが割り振られており、物理アドレスで指定される領域に対して論理アドレスが一意的に定められる。さらに、第1の記録層(レイヤー0)におけるデータ領域終了アドレスから第2の記録層(レイヤー1)のデータ領域開始アドレスへは論理アドレスが連続している。また、ユーザが記録するデータには、記録データを管理するための管理データも含まれ、この管理データはユーザデータの実体が記録されているアドレス情報として論理アドレスを用いて管理している。従って、ユーザの記録データを単純に任意のサイズで分割してこれらの複数の記録層へ記録すると、管理データ内のアドレス情報と実際に記録されているアドレス情報との不整合が生じることになる。このような問題を回避するためには、第1の記録層(レイヤー0)に予め設定されている初期データ領域のうち、データ記録に実際に使用する領域をデータ領域として変更設定し、以降の領域をリードアウト領域或いは中間領域とするとともに、第2の記録層(レイヤー1)のデータ領域を第1の記録層(レイヤー0)のデータ領域と同一半径位置に相当する領域に設定して、論理アドレスの連続性を保つ必要があるが、現在、このような設定手段は存在しておらず、本発明ではこのような設定手段を提供するものである。
即ち、本実施の形態では、予め設定されている初期データ領域の範囲内で、実際にデータ記録に使用する領域をデータ領域として変更設定可能にしたもので、その一つの実施の形態の原理を図5(b)〜(b−2)を参照して説明する。この例は、第1の記録層(レイヤー0)において予め設定されている初期データ領域の範囲内で所望するデータ領域をホスト21のアドレス指定に基づき設定するようにした例である。
図5(a)〜(a−2)は、参考例として、PTP方式による2層DVD+Rへの記録例を示す。図5(a)は未記録状態における2層DVD+Rのレイアウトである。即ち、レイヤー0及びレイヤー1の各記録層には各々リードイン領域(Lead−in Area)、初期データ領域(Data Area(Initial))、リードアウト領域(Lead−out Area)が存在する。
このような未記録状態において、図5(a)中に示すように、ホスト21から当該光ディスク装置1に対して第1の記録層(レイヤー0)のデータ領域の終了アドレス=Bが指定されたとする(データ領域変更指定手段)(Aは開始アドレスである)。このとき、図5(a−1)に示すように、当該光ディスク装置1はこのようなアドレス指定を受けて、レイヤー0及びレイヤー1のアドレスAからBをデータ領域、アドレスBに続く所定領域をリードアウト領域(Lead−out Area)に設定し、さらに、このようなデータ領域に関する情報をリードイン領域中のSDCB領域(セッションディスクコントロールブロック)(SDCB領域に関しては後述する)に記録する。
つまり、基準となるレイヤー0のデータ領域の変更が決定することによりレイヤー1のデータ領域の範囲も決定されることになる。また、論理アドレスはレイヤー0のアドレスAからB、レイヤー1のアドレスAからBに割り当てられ、レイヤー0のアドレスBとレイヤー1のアドレスAとは論理アドレスが連続している。
次に、図5(a−2)に示すように、ホスト21からユーザデータの記録要求を受けた場合、レイヤー0のアドレスAからユーザデータの記録を行い、アドレスBまで記録が終了した時点で、レイヤー1のアドレスAから記録を続けて行う。即ち、論理アドレスの連続性を保ちつつ、各記録層(レイヤー0,1)に所望するサイズのデータを記録することが可能になる。
なお、本参考例において、図5(a−2)はオープンセッションの状態を示している。従って、最終的にユーザデータの記録が完全に終了し、再生専用の2層DVDディスクとの互換性をとろうとする場合において、レイヤー1に未記録領域があったら、図3を参照して説明した対応処理例に準じてその未記録領域にリードアウトやダミーデータなどの所定のデータを記録し、最終的に、リードアウトを記録してクローズセッションとすればよい。このような未記録領域に対するデータ埋め込み処理を要する場合でも、レイヤー0が初期データ領域のままでなく、所望のデータ領域のサイズに変更設定されており、発生する未記録領域の大きさが小さめとなっているので、処理時間を短縮させることができる。また、このようなアドレス指定を受けたデータ領域の変更設定により、作成したい再生専用DVDと完全に同じデータフォーマット(オリジナルディスクの1層目のサイズに従うフォーマット)で記録することも簡単に実現できることが判る。
図5(b)〜(b−2)はOTP方式による2層DVD+Rへの記録例を示す。図5(b)は未記録状態における2層DVD+Rのレイアウトを示す。即ち、レイヤー0にはディスク内周からリードイン領域(Lead−in Area)、初期データ領域(Data Area(Initial))、中間領域(Middle Area)が存在し、レイヤー1にはディスク外周から中間領域(Middle Area)、初期データ領域(Data Area(Initial))、リードアウト領域(Lead−out Area)が存在する。
このような未記録状態において、図5(b)中に示すように、ホスト21から当該光ディスク装置1に対して第1の記録層(レイヤー0)のデータ領域の終了アドレス=Bが指定されたとする(データ領域変更指定手段)。このとき、図5(b−1)に示すように、当該光ディスク装置1はこのようなアドレス指定を受けて、アドレスAからBをレイヤー0のデータ領域、アドレスBに続く所定領域をレイヤー0の中間領域、アドレスB′以降(外周方向)の所定領域をレイヤー1の中間領域、アドレスB′からA′までをレイヤー1のデータ領域に変更設定し、さらに、データ領域に関する情報をリードイン領域のSDCB領域に記録する。ここで、AとA′、BとB′は各々ビット反転した値であり、同一半径位置に位置している。つまり、基準となるレイヤー0のデータ領域が決定することによりレイヤー1のデータ領域の範囲も決定することになる。また、論理アドレスはレイヤー0のアドレスAからB、レイヤー1のアドレスB′からA′に割り当てられ、レイヤー0のアドレスBとレイヤー1のアドレスB′とは論理アドレスが連続している。
次に、図5(b−2)に示すように、ホスト21によりユーザデータの記録要求を受けた場合、レイヤー0のアドレスAから記録を行い、アドレスBまで記録が終了した時点で、レイヤー1のアドレスB′から続けて記録を行う。即ち、論理アドレスの連続性を保ちつつ、各記録層(レイヤー0,1)に所望するサイズのデータを記録することが可能になる。この場合も図5(a)〜(a−2)の場合と同様な効果が得られる。
次に、他の実施の形態の原理を図6(b)〜(b−2)を参照して説明する。この例は、第1の記録層(レイヤー0)において予め設定されている初期データ領域の範囲内でホスト21からの所望するデータ領域のサイズ指定に基づき設定するようにした例である。なお、本実施の形態では、データ領域の開始アドレスから指定されたサイズだけデータ領域を変更設定するものとする。
図6(a)〜(a−2)は、参考例として、PTP方式による2層DVD+Rへの記録例を示す。図6(a)に示すように、ホスト21から、レイヤー0のデータ領域のサイズ=Cが指定されたとする(データ領域変更指定手段)。このとき、図6(a−1)に示すように、当該光ディスク装置1はレイヤー0及びレイヤー1のアドレスA(Aはデータ領域の開始アドレス)から(A+C)をデータ領域、(A+C)以降の所定領域をリードアウト領域に設定し、さらに、このようなデータ領域に関する情報をリードイン領域中のSDCB領域に記録する。つまり、レイヤー0のデータ領域の変更が決定することによりレイヤー1のデータ領域の範囲も決定されることになる。また、論理アドレスはレイヤー0のアドレスAから(A+C)、レイヤー1のアドレスAから(A+C)に割り当てられ、レイヤー0のアドレス(A+C)とレイヤー1のアドレスAとは論理アドレスが連続している。
次に、図6(a−2)に示すように、ホスト21からユーザデータの記録要求を受けた場合、レイヤー0のアドレスAから記録を行い、アドレス(A+C)まで記録が終了した時点で、レイヤー1のアドレスAから続けて記録を行う。即ち、論理アドレスの連続性を保ちつつ、各記録層(レイヤー0,1)に所望するサイズのデータを記録することが可能になる。この場合も図5(a)〜(a−2)の場合と同様な効果が得られる。
図6(b)〜(b−2)はOTP方式による2層DVD+Rへの記録例を示す。未記録状態において、図6(b)中に示すように、ホスト21から当該光ディスク装置1に対して第1の記録層(レイヤー0)のデータ領域のサイズ=Cが指定されたとする(データ領域変更指定手段)。このとき、図6(b−1)に示すように、当該光ディスク装置1はアドレスA(Aはデータ領域の開始アドレス)から(A+C)をレイヤー0のデータ領域、(A+C)以降の所定領域をレイヤー0の中間領域、(A+C)′以降の所定領域をレイヤー1の中間領域、(A+C)′からA′までをレイヤー1のデータ領域に設定し、さらに、このようなデータ領域に関する情報をリードイン領域中のSDCB領域に記録する。ここで、AとA′、BとB′は各々ビット反転した値であり、同一半径位置に位置している。つまり、基準となるレイヤー0のデータ領域が決定することによりレイヤー1のデータ領域の範囲も決定することになる。また、論理アドレスはレイヤー0のアドレスAから(A+C)、レイヤー1のアドレス(A+C)′からA′に割り当てられ、レイヤー0のアドレス(A+C)とレイヤー1のアドレス(A+C)′とは論理アドレスが連続している。
次に、図6(b−2)に示すように、ホスト21からユーザデータの記録要求を受けた場合、レイヤー0のアドレスAから記録を行い、アドレス(A+C)まで記録が終了した時点で、レイヤー1のアドレス(A+C)′から続けて記録を行う。即ち、論理アドレスの連続性を保ちつつ、各記録層(レイヤー0,1)に所望するサイズのデータを記録することが可能になる。この場合も図5(a)〜(a−2)の場合と同様な効果が得られる。
また、さらに他の実施の形態の原理を図7(b)〜(b−2)を参照して説明する。この例は、第1の記録層(レイヤー0)において予め設定されている初期データ領域のうち、データ記録済み領域をデータ領域として変更設定する場合への適用例である。なお、ここでは、ホスト21から当該第1の記録層(レイヤー0)へのデータ記録の完了通知の指定を受けた時点での記録済み領域をデータ領域として設定するものとする。
図7(a)〜(a−2)は、参考例として、PTP方式による2層DVD+Rへの記録例を示す。図7(a)において、アドレスAからDまでデータ記録を行った時点で、ホスト21から第1の記録層(レイヤー0)への記録完了通知を受けたとする(データ領域変更指定手段)。このとき、図7(a−1)に示すように、当該光ディスク装置1はレイヤー0及びレイヤー1のアドレスAからDをデータ領域、アドレスD以降の所定領域をリードアウト領域に設定し、さらに、これらのデータ領域に関する情報をリードイン領域中のSDCB領域に記録する。
つまり、基準となるレイヤー0のデータ領域の変更が決定することによりレイヤー1のデータ領域の範囲も決定されることになる。また、論理アドレスはレイヤー0のアドレスAからD、レイヤー1のアドレスAからDに割り当てられ、レイヤー0のアドレスDとレイヤー1のアドレスAとは論理アドレスが連続している。
次に、図7(a−2)に示すように、ホスト21から引き続きユーザデータの記録要求を受けた場合、レイヤー1のアドレスAから続けて記録を行う。即ち、論理アドレスの連続性を保ちつつ、各記録層(レイヤー0,1)に所望するサイズのデータを記録することが可能になる。この場合も図5(a)〜(a−2)の場合と同様な効果が得られる。
図7(b)〜(b−2)はOTP方式による2層DVD+Rへの記録例を示す。図7(b)において、アドレスAからDまでデータ記録を行った時点で、ホスト21から第1の記録層(レイヤー0)への記録完了通知を受けたとする(データ領域変更指定手段)。このとき、図7(b−1)に示すように、当該光ディスク装置1は、AからDをレイヤー0のデータ領域、D以降の所定領域をレイヤー0の中間領域、D′以降(外周方向)の所定領域をレイヤー1の中間領域、D′からA′までをレイヤー1のデータ領域に変更設定し、さらに、これらのデータ領域に関する情報をリードイン領域中のSDCB領域に記録する。ここで、AとA′、DとD′は各々ビット反転した値であり、同一半径位置に位置している。
つまり、レイヤー0のデータ領域の変更が決定することによりレイヤー1のデータ領域の範囲も決定されることになる。また、論理アドレスはレイヤー0のアドレスAからD、レイヤー1のアドレスD′からA′に割り当てられ、レイヤー0のアドレスDとレイヤー1のアドレスD′とは論理アドレスが連続している。
次に、図7(b−2)に示すように、ホスト21から引き続きユーザデータの記録要求を受けた場合、レイヤー1のアドレスD′から続けて記録を行う。即ち、論理アドレスの連続性を保ちつつ、各記録層(レイヤー0,1)に所望するサイズのデータを記録することが可能になる。この場合も図5(a)〜(a−2)の場合と同様な効果が得られる。
ところで、リードイン領域中に含まれてデータ記録に関する管理情報が記録されるSDCB(セッションディスクコントロールブロック=Session Disc Control Block)について説明する。DVD+Rではマルチトラック(DVD+Rではフラグメントと呼ぶ)、マルチセッション記録が採用されており、各セッション内のフラグメント情報が当該セッションのリードイン内のSDCB領域に記録される。
図8にこのようなSDCBのフォーマット例を示す。図8に示すように、SDCB内には"Contents Descriptor""Unknown Contents Descriptor Actions""Drive ID""Session Number(セッション番号)"等の記述を含む他、SDCB特有の情報として各々16バイト構成の複数(0〜N)の"Session Item(セッションアイテム)"が存在する。
このような"Session Item(セッションアイテム)"には、当該セッション内のフラグメント情報を示すFragment Itemと、当該セッション以前のセッション情報を示すPrevious Session Itemとの2種類が存在する。
図9に"Fragment Item"のフォーマット例を示す。"Fragment Item"のフォーマット中には、"Fragment number(フラグメント番号)""Fragment start adress(フラグメントの開始アドレス)""Fragment end adress(フラグメントの終了アドレス)"等のフラグメント情報が管理情報として記述されるように設定されている。このような"Fragment Item"は当該セッション内に存在するフラグメント毎に"Session Item"の一つとして用意される。
図10に"Previous Session Item"のフォーマット例を示す。"Previous Session Item"のフォーマット中には、"Previous session number(以前のセッション番号)""Previous session start adress(以前の当該セッションの開始アドレス)""Previous session end adress(以前の当該セッションの終了アドレス)"等のセッション情報が管理情報として記述されるように設定されている。
ここに、図11に本実施の形態による、データ領域に関する情報の格納例を示す。本実施の形態では、SDCB内のセッションアイテムに新たに図11に示すような"レイヤーアイテム(Layer Item)"が追加されている。このうち、レイヤーアイテムディスクリプタ(Layer item descriptor)はこの記録情報がレイヤーアイテムを表すことを示すIDであり"LYR"と記録される。レイヤーナンバ(Layer number)はレイヤー番号を示し、レイヤースタートアドレス(Layer start address)及びレイヤーエンドアドレス(Layer end address)が各レイヤー0,1におけるデータ領域の開始アドレス及び終了アドレスを示すこととなり、上述のように変更設定された場合もこのアドレス情報が記録される。従って、データ領域を設定後に光ディスク2が排出されても、変更設定時点でSDCB内のレイヤーアイテム(Layer Item)に、このようなデータ領域に関する情報が記録されているので、データ記録完了前に光ディスク2を排出しても支障ないものとなる。
ところで、図5又は図6に例示したようなデータ領域の変更設定に関してCPU13により実行される処理制御例を図12に示す概略フローチャートを参照し説明する。この例は、ユーザデータの記録動作に先立ち、ホスト21からデータ領域の変更指定を受けてそのデータ領域の変更設定を行うものとする。
処理が開始すると(ステップS1)、ホスト21から第1の記録層(レイヤー0)に関してデータ領域の変更指定があるか否かをチェックする(S2)。データ領域の変更指定があれば(S2のY)、そのデータ領域の範囲に関する情報(例えば、前述したアドレス指定情報やサイズ指定情報)を取得して(S3)、その指定情報に基づきデータ領域を変更設定し(S4)、さらに、これらのデータ領域に関する情報を含むSDCBを更新記録する(S5)。これらのステップS2のY,S3,S4,S5の処理がデータ領域変更設定手段、データ領域変更指定ステップ又はデータ領域変更設定機能として実行される。
即ち、ステップS3の処理で取得される情報は、図5の場合であれば、データ領域の終了アドレスであり、図6の場合であればデータ領域のサイズである。また、これらデータ領域の範囲に関する情報を取得すると、指定された範囲を第1の記録層(レイヤー0)におけるデータ領域として変更設定するとともに、そのデータ領域に続けてリードアウト領域又は中間領域を設定する。この結果、第2の記録層(レイヤー1)におけるデータ領域の範囲と、リードアウト領域又は中間領域の位置が決定する。
その後、ホスト21からのユーザデータの記録要求を待ち(S6)、データ記録要求を受け取ると(S6のY)、要求されたユーザデータをレイヤー0のデータ領域に記録する(S7)。次に、ステップS4で変更設定されたデータ領域の全領域に記録し終わったかどうかを判定し(S8)、レイヤー0に未記録のデータ領域が残っていた場合は(S8のN)、再びホスト21からのユーザデータの記録要求を待つ(S6)。
一方、レイヤー0のデータ領域に未記録領域がなくなった場合(S8のY)、引き続き、レイヤー1のデータ領域へ記録を行う。ここでは、ホスト21からの記録要求を待ち(S9)、データ記録要求を受け取ると(S9のY)、要求されたデータをレイヤー1のデータ領域に記録し(S10)、再びホスト21からのデータ記録要求を待つ(S9)。これらのステップS8のY,S9,S10の処理が記録処理手段又は記録処理機能として実行される。
一方、データ記録要求がなかった場合は(S9のN)、ホスト21からの記録要求が完了したかどうかを判定する(S11)。データ記録要求が完了していない場合は(S11のN)、再びデータ記録要求を待つが(S9)、データ記録要求が完了した場合は(S11のY)、処理を終了する(S12)。
なお、この処理例ではSDCBを除くリードイン領域、リードアウト領域、及び中間領域の記録タイミング等については特に考慮しておらず、任意のタイミングで記録してよいものとする。
また、図7に例示したようなデータ領域の変更設定に関してCPU13により実行される処理制御例を図13に示す概略フローチャートを参照し説明する。この例は、第1の記録層(レイヤー0)への記録動作中にホスト21から当該第1の記録層(レイヤー0)へのデータ記録の完了通知の指定を受けた時点で、予め設定されている初期データ領域のうち、記録済み領域をデータ領域として変更設定を行うものとする。
処理を開始すると(S21)、ホスト21からのユーザデータの記録要求を待ち(S22)、ユーザデータの記録要求を受け取ると(S22のY)、要求されたデータをレイヤー0のデータ領域(初期データ領域)に記録する(S23)。次に、レイヤー0のデータ領域の全領域に記録し終わったかどうかを判定し(S24)、レイヤー0への記録が完了した場合は(S24のY)、続けてレイヤー1の記録へ移行する。
一方、レイヤー0への記録が完了していない場合は(S24のN)、ホスト21から第1の記録層(ここでは、レイヤー0)へのデータ記録の完了通知を受け取ったかどうかを判定し(S25)、完了通知を受け取っていた場合は(S25のY)、レイヤー0のデータ領域を変更設定し(S26)、かつ、このデータ領域に関する情報を含むSDCBを記録する(S27)。これらのステップS25のY,S26,S27の処理がデータ領域変更設定手段、データ領域変更指定ステップ又はデータ領域変更設定機能として実行される。
即ち、レイヤー0において完了通知の指定を受けた時点で記録済み領域をデータ領域として変更設定するとともに、そのデータ領域に続けてリードアウト領域又は中間領域を設定する。この結果、第2の記録層(レイヤー1)におけるデータ領域の範囲と、リードアウト領域又は中間領域の位置が決定する。
一方、レイヤー0のデータ記録の完了通知を受け取っていない場合は(S25のN)、再び、ホスト21からのデータ記録要求を待つ(S22)。
また、ステップS26においてレイヤー0のデータ領域を変更設定した場合は、引き続き、レイヤー1のデータ領域へ記録を行う。ここでは、ユーザからの記録要求を待ち(S28)、データ記録要求を受け取ると(S28のY)、要求されたデータをレイヤー1のデータ領域に記録し(S29)、再び、ホスト21からのデータ記録要求を待つ(S28)。これらのステップS28,S29の処理が記録処理手段又は記録処理機能として実行される。
一方、データ記録要求がなかった場合は(S28のN)、ホスト21からの記録要求が完了したかどうかを判定する(S30)。データ記録要求が完了していない場合は(S30のN)、再び、ホスト21からのデータ記録要求を待つが(S28)、データ記録要求が完了した場合は(S30のY)、処理を終了する(S31)。
なお、この処理例でもSDCBを除くリードイン領域、リードアウト領域、及び中間領域の記録タイミング等については特に考慮しておらず、任意のタイミングで記録してよいものとする。
また、本実施の形態では、情報記録媒体が2層DVD+Rである場合への適用例として説明したが、本発明は、2層DVD+Rに限らず、ユーザデータを記録するデータ領域を各々有する複数の記録層を持ち、各記録層におけるデータ領域の位置に関してその範囲を決定する基準となる第1の記録層と、この第1の記録層を除く第2の記録層とを持つ情報記録媒体の場合であれば、同様に適用することができる。また、+R形式に限らず、例えば、+RW形式、−R/RW形式等の情報記録媒体についても適用することができる。
さらに、本実施の形態では、光ディスク装置(情報記録装置)1とホスト(情報処理装置)22とが完全に分離したシステム構成例で説明したが、情報処理装置が情報記録装置の内部に設けられたレコーダタイプの場合にも同様に適用することができる。