JP4525161B2 - 嫌気性処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機性排液を、嫌気性微生物を含む汚泥の存在下でメタン発酵により処理する嫌気性消化装置に係り、特に嫌気性消化により、有機成分を大幅に減量化すると共により多くのメタンガスを回収することができる嫌気性処理装置に関する。
有機性汚泥、し尿、食品排水等のスラリー状の高濃度有機性排液を、嫌気性微生物の存在下にメタン発酵によって処理する嫌気性消化方法は、排液の処理と同時に排液から有効利用可能なメタンガスを回収できる方法として、古くから行われている方法である。
このような嫌気性消化処理においては、未分解物質及び嫌気性微生物を主体とする汚泥(消化汚泥)が生成する。従来、生成した汚泥は機械脱水した後、焼却、埋立等により処理されている。
嫌気性消化処理により生成する汚泥を減容化し、有機性排液からメタンガスをより多く回収することができる装置として、特開平9−206785号公報には、消化汚泥をオゾン処理により改質した後、この改質汚泥を嫌気性消化槽に返送する嫌気性消化装置が記載されている。この装置は消化汚泥をオゾン処理して易生物分解性に改質した後、嫌気性消化槽に戻して嫌気性微生物の基質としてさらに分解するものであり、有機性排液からより多くのメタンガスを回収するのに有効な装置である。
この装置では、メタンガスの回収率を高めるために、嫌気性消化槽での汚泥の滞留時間を保って嫌気性消化処理の効率を低下させないようにしながら、改質処理する汚泥量を増加させる必要がある。そのためには、消化汚泥の一部を固液分離し、分離液を処理水として排出するとともに分離された高濃度汚泥(濃縮汚泥)を嫌気性消化槽に返送するように構成し、固形物の系外流出を抑え、嫌気性消化槽の汚泥保持量及び汚泥濃度を高く保つ必要がある。
しかし、このように、固液分離した濃縮汚泥を嫌気性消化槽に返送する装置では、汚泥中の有機成分は著しく減量され、メタンガスとして回収されるのに対して、無機成分は減量されないため、液中に溶解しているごく一部の無機成分が分離液中に含まれて系外に排出されるものの、大部分の無機成分は嫌気性消化槽内に蓄積することとなる。また、汚泥中の無機成分が消化により液中に移行し、それが再析出する。従って、有機性排液中の有機物の消化が進行するほど無機物が再析出しやすくなる。無機成分の蓄積により嫌気性消化槽の汚泥濃度が高くなると、槽内液の粘性が急激に増加するため、嫌気性消化槽内が充分に撹拌混合されなくなり、嫌気性消化の効率が低下してしまう。そのため、嫌気性消化槽の汚泥濃度をある範囲(5〜6%以下)で維持するように消化汚泥を余剰汚泥として適宜引き抜く必要がある。そして、この無機成分の蓄積を防ぐための汚泥の引き抜きにより、本来なら減量されメタンガスとして回収されるはずの有機成分が引き抜き汚泥中に含まれて系外へ排出され、このために有機成分の減量効果が制限されるという問題があった。
また、特開2002−361291号公報には、消化汚泥と有機性排液の一部を混合して固液分離する処理方法が記載されている。この方法は、消化汚泥の固液分離性を改善するのに有効な方法ではあるが、無機成分の溶解に充分な反応時間がとれないため、嫌気性消化槽内への無機成分の蓄積を防ぐことはできなかった。
特開平9−206785号公報 特開2002−361291号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決し、嫌気性消化槽内に蓄積する汚泥中の無機成分をより多く分離液に移行させて系外に排出することによって、汚泥の引き抜きを不要とするか又は汚泥の引き抜き量を低減することができる嫌気性処理装置を提供することにある。
本発明(請求項1)の嫌気性処理装置は、有機性排液を含む被処理液を嫌気性消化処理する嫌気性消化槽と、該嫌気性消化槽の流出液を濃縮汚泥と分離液とに固液分離し、前記分離液の少なくとも一部を系外へ排出する固液分離手段と、該固液分離手段で分離された前記濃縮汚泥を前記嫌気性消化槽に返送する汚泥返送手段とを備える嫌気性消化装置において、前記嫌気性消化槽の流出液を希釈水と混合攪拌して水中に無機成分を溶出させる希釈処理槽と、該希釈処理槽の流出液を前記固液分離手段へ送給する希釈液送給手段とを具備し、前記希釈処理槽の滞留時間が30分〜2日であることを特徴とする。
嫌気性消化槽の流出液を希釈水と単に合流させて固液分離するのみでは、嫌気性消化槽の流出汚泥中の無機成分を液側に移行させることは殆どできず、無機成分は固液分離手段から嫌気性消化槽に返送される分離汚泥(濃縮汚泥)中に含まれて嫌気性消化槽内に蓄積することとなるが、嫌気性消化槽の流出液を希釈水と所定の時間混合攪拌することにより、無機成分を水中に溶出させることができ、これにより、無機成分を固液分離手段の分離液中に移行させて系外へ排出することができる。このため、無機成分の蓄積防止のために汚泥を引き抜く必要はなくなり、汚泥引き抜き量を低減ないし汚泥の引き抜きを不要として、系内の汚泥中の有機成分を大幅に減量化することができる。また、メタンガスの回収率を高めることもできる。
請求項2の嫌気性処理装置は、請求項1において、前記有機性排液の一部を前記嫌気性消化槽に供給する手段と、残部の少なくとも一部を希釈水として前記希釈処理槽に送給する手段とを具備することを特徴とするものである。このように、希釈水として有機性排液の一部を用いることにより、有機性排液の処理効率を高めると共に、固液分離手段における固液分離効率を高めることができる。
請求項3の嫌気性処理装置は、請求項1において、有機性排液の全量を前記希釈処理槽に送給するようにしたことを特徴とするものであり、この態様でも上記と同様に汚泥の減量化、メタンガス回収効率の向上を図ることができる。
請求項4の嫌気性処理装置は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記嫌気性消化槽の流出液の一部を改質処理する改質手段と、該改質手段の改質液を前記嫌気性消化槽に返送する改質液返送手段とを具備することを特徴とするものであり、嫌気性消化槽の流出液の一部を改質して嫌気性消化槽に返送することにより、より一層の有機成分の減量化とメタンガス回収量の増加を図ることができる。
請求項5の嫌気性処理装置は、請求項4において、改質手段がオゾン処理手段であることを特徴とするものであり、オゾン処理により、嫌気性消化槽の流出液を効率的に改質することができる。
本発明の嫌気性処理装置によれば、嫌気性消化槽内に蓄積する汚泥中の無機成分をより多く分離液に移行させて系外に排出することによって、汚泥の引き抜き量を低減し、汚泥中の有機成分を大幅に減量化すると共にメタンガスの回収率を高めることができる。
以下に本発明の嫌気性処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
本発明において処理の対象となる有機性排液は、嫌気性消化処理によって処理される有機物を含有する排液(汚泥を含む)であり、固形物を含むスラリー状のものでも、固形物を含まない液状のものでもよい。また、難生物分解性の有機物、無機物、セルロース、紙、綿、ウール、布、し尿中の固形物などが含有されていてもよい。このような有機性排液としては下水、下水初沈汚泥、し尿、浄化槽汚泥、食品工場排水、ビール廃酵母、その他の産業排液、これらの排液を処理した際に生じる余剰汚泥等の汚泥が挙げられる。
嫌気性消化槽は嫌気性微生物を含む汚泥の存在下に、上記有機性排液をメタン発酵させる槽である。嫌気性微生物を含む汚泥は酸生成菌とメタン生成菌を含む。嫌気性消化槽において有機成分は嫌気性微生物により液化→低分子化→有機酸生成→メタン生成のステップによりメタンガスに転換される。
メタン発酵の条件としては、35℃付近に最適温度がある中温メタン生成菌、及び55℃付近に最適温度を有する高温メタン生成菌が増殖するいずれの温度条件も可能である。中温メタン生成菌は増殖が遅いため滞留時間(SRT)を長くする、すなわち、嫌気性消化槽を大きくする必要があるが、比較的低温での処理が可能なため加温及び保温のための設備が簡単になる。これに対し高温メタン生成菌の場合は加温及び保温の設備が必要になるが、増殖が速いため滞留時間が短くてよく、嫌気性消化槽を小さくすることができる。
中温メタン生成菌を主体とする場合は嫌気性消化槽での汚泥の滞留時間は10日以上、好ましくは15〜30日程度必要である。これに対して高温メタン生成菌を主体とする場合は上記範囲よりも短い滞留時間(2日以上)とすることも可能である。嫌気性消化槽における処理は、通常、有機物負荷0.5〜2.0kg−VSS/m・日、嫌気性消化槽内のSS濃度5,000〜100,000mg/L、好ましくは30,000〜80,000mg/L、温度30〜38℃または45〜60℃の条件で実施される。
希釈処理槽は、嫌気性消化槽の消化汚泥を希釈水と攪拌混合して無機成分を水中に溶出させる槽である。希釈水としては上水、工水、有機性排液の生物処理水などを用いることもできるが、本発明においては、嫌気性消化槽へ導入される有機性排液の一部又は全部を用いてもよい。希釈処理槽の滞留時間は30分〜2日とする。希釈処理槽の滞留時間が短か過ぎると無機成分を十分に水中に溶出させることができない。滞留時間は過度に長くても、それ以上の無機成分の溶出効果は得られず、槽容量、処理効率の面で不利である。
このように希釈処理槽において、消化汚泥を希釈水と攪拌混合して希釈することによって、消化汚泥中に炭酸塩、リン酸塩、水酸化物などの形態で存在する無機化合物がそれらの物質の溶解度に合わせて水中に溶解してくる。
固液分離手段は、希釈処理槽の流出液を固液分離し、分離液を処理水として排出すると共に分離汚泥(濃縮汚泥)を排出し、汚泥返送手段により嫌気性処理槽に返送する装置であり、本発明の嫌気性処理装置では、希釈処理槽で水中に溶解した無機成分は、固液分離手段の分離液中に含まれて系外に排出される。この固液分離手段としては、遠心分離装置(遠心濃縮装置)、浮上分離装置、沈殿槽、膜分離装置、濾過装置などを用いることができる。
嫌気性処理槽での無機成分や難生物分解性有機成分の蓄積を防ぐため、この濃縮汚泥の一部または、嫌気性消化槽の消化汚泥の一部を余剰汚泥として排出し、脱水、焼却、埋立等の処分を行ってもよい。また、固液分離手段で分離された分離液は処理水としてそのまま下水等へ放流することができるが、好気性生物処理、その他の後処理を行った後放流してもよい。
改質手段は、上記嫌気性消化槽から引き抜いた嫌気性消化汚泥をオゾン処理、熱処理、ミルによる破砕、酸/アルカリ処理など、好ましくはオゾン処理により易生物分解性に改質する手段である。消化汚泥を改質して嫌気性消化槽に返送することにより、改質汚泥を更に分解して汚泥を高度に減量化することができる。
改質処理としてのオゾン処理は嫌気性消化汚泥をオゾンと接触させることにより行う。オゾンの使用量はオゾン処理する嫌気性消化汚泥の有機固形物(VSS)あたり、0.01〜0.08g−O/g−VSS、好ましくは0.02〜0.05g−O/g−VSSである。上記のようなオゾン処理を行うことにより、嫌気性消化汚泥中の菌体は死滅し、その他の有機物と共に易生物分解性に改質される。これら易生物分解性成分が嫌気性消化槽で消化され、より多くのメタンガスが回収されるようになる。
嫌気性消化槽から引き抜いてオゾン処理する嫌気性消化汚泥の量は嫌気性微生物による充分な分解効率を維持するため、嫌気性消化汚泥中に含まれる有機固形物(VSS)の量として、嫌気性消化槽へ導入される有機固形物(VSS)量の1/3〜5倍、好ましくは1/2〜3倍に相当する範囲とするのが好ましい。また、一日当たりにオゾン処理する嫌気性消化汚泥の量は嫌気性消化槽の全保有汚泥量の1/15〜1/100に相当する量とするのが好ましい。一日当たりのオゾン処理汚泥量を上記の量にすることにより、嫌気性消化処理に必要な微生物量を嫌気性消化槽内に十分に保持することができ、処理効率を高く保つことができる。
次に、図面を参照して本発明の嫌気性処理装置の好適な実施の形態をより詳細に説明する。
図1〜4は本発明の嫌気性処理装置の実施の形態を示す系統図である。図1〜4において、同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
図1の嫌気性処理装置は、有機性排液の一部を希釈水として用いるものであり、配管11より導入される有機性排液の一部は配管12より希釈処理槽2に送給され、残部が嫌気性消化槽1に導入される。嫌気性消化槽1からの消化汚泥は配管13より希釈処理槽2に導入され、希釈水である有機性排液と十分に攪拌、混合され、希釈混合液は配管16より固液分離3に送給されて固液分離され、分離液は系外へ排出される。この分離液中には、希釈処理槽2における希釈混合により、消化汚泥中の無機成分が溶解しており、無機成分が分離液中に溶解して系外へ排出されることにより、系内での無機成分の蓄積は防止される。
固液分離手段3の分離汚泥(濃縮汚泥)は配管18より嫌気性消化槽1に返送される。なお、濃縮汚泥の一部は必要に応じて配管19より余剰汚泥として系外へ排出される。汚泥の引き抜きは、嫌気性消化槽1から配管15を経て直接行っても良い。
嫌気性消化槽1の消化汚泥は配管14よりその一部が引き抜かれ、オゾン反応槽4等の汚泥改質手段で改質された後配管21,18を経て嫌気性消化槽1に返送される。5はオゾン発生器であり、オゾン化空気等を配管20よりオゾン反応槽4に送給する。
このように、有機性排液の一部を希釈水として用いる場合、希釈処理槽2に送給する有機性排液量と嫌気性消化槽1に直接導入する有機性排液量との比には特に制限はなく、任意の比率を採用することができるが、消化汚泥中の無機成分を効率的に溶解させるために、希釈処理槽2に導入される消化汚泥に対して同量以上、例えば2〜10倍の有機性排液を希釈処理槽2に導入するようにすることが好ましい。
図2の嫌気性処理装置は、有機性排液とは別に上水、工水、有機性排液の生物処理水等の希釈水を用いるものであり、有機性排液はその全量が配管11より嫌気性消化槽1に導入され、希釈水は配管22より希釈処理槽2に導入される。
この場合においても、消化汚泥中の無機成分を効率的に溶解させるために、希釈水はその種類(水質)によっても異なるが、希釈処理槽2に導入される消化汚泥に対して同量以上、例えば2〜10倍を希釈処理槽2に導入するようにすることが好ましい。
図3の嫌気性処理装置は、有機性排液を希釈水としてその全量を配管12より希釈処理槽2に導入するものであり、この場合においても、有機性排液を含む希釈混合液が固液分離手段3で固液分離され、分離汚泥が嫌気性消化槽1に返送されるため、消化汚泥中の無機成分の溶解と共に、有機性排液の嫌気性消化処理を支障なく行うことができる。
この図3の嫌気性処理装置においても、図1の嫌気性処理装置と同様に、消化汚泥中の無機成分を効率的に溶解させるために、希釈処理槽2に導入される消化汚泥に対して同量以上、例えば2〜10倍の有機性排液を希釈処理槽2に導入するようにすることが好ましい。
図4の嫌気性処理装置は、図3において、更に別途上水、工水、有機性排液の生物処理水等の希釈水を配管22より希釈処理槽2に導入するものである。この場合においても、希釈処理槽2に導入される有機性排液と希釈水との合計が希釈処理槽2に導入される消化汚泥に対して同量以上、例えば2〜10倍となるようにすることが好ましい。
図2、図4の嫌気性処理装置のように、系外から水質の良好な希釈水を導入することにより、消化汚泥中の無機成分の溶解を促進することができる。一方、有機性排液を希釈水として用いた場合には系外から希釈水を導入する手間とコストが省かれ、また、有機性排液中の繊維分が消化汚泥に混合して含まれることで、固液分離手段3における汚泥の沈降性、脱水性が改善されるという効果を得ることができ、好ましい。
図1〜4の嫌気性処理装置は、本発明の嫌気性処理装置の実施の形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示のものに限定されるものではない。例えば、図1の嫌気性処理装置において、希釈処理槽2に更に別途系外から希釈水を導入しても良い。また、有機性排液又はその他の希釈水と嫌気性消化槽1からの消化汚泥とは配管内で合流させた後、希釈処理槽2で所定の滞留時間攪拌混合しても良い。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
下水処理場の嫌気性消化汚泥を遠心濃縮機で濃縮したものを種汚泥(TS濃度78g/L、TVS/TS比0.61)として、図1に示す嫌気性処理装置により、90日間、混合生汚泥の嫌気性消化処理を行った。
投入した混合生汚泥は、下水処理場の余剰汚泥(TS濃度9.8g/L、TVS/TS比0.80、120L/day)であり、一部30L/dayを嫌気性消化槽1へ、残部90L/dayを容積100Lの希釈処理槽2に送給し、希釈処理槽2において、嫌気性消化槽1から流量60L/dayで引き抜いた消化汚泥と混合した。希釈処理槽2の滞留時間は16時間とした。また、嫌気性消化槽1からは40L/dayで汚泥を引き抜き、容積20Lのジャー型オゾン反応槽4内でオゾン濃度140g−O/Nmのオゾン化空気と反応させてオゾン処理した(オゾン反応率0.035g−O/g−TVS)。この嫌気性消化槽(容積2m)1は温度35℃で、槽内TS濃度80g/Lを維持するように適宜汚泥を系外に引き抜いた。
希釈処理槽2の希釈混合液は固液分離手段(遠心濃縮機)3で2,000Gの条件で遠心濃縮し、その分離液110〜120L/dayを系外へ排出し、濃縮汚泥を嫌気性消化槽1に返送することにより嫌気性消化槽1の液量を一定に維持した。
実施例2
実施例1において、図3の嫌気性処理装置により、混合生汚泥120L/dayをすべて希釈処理槽2に導入したこと以外は同様にして処理を行った。
比較例1
実施例1において、希釈処理槽2を省略し、混合生汚泥120L/dayをすべて嫌気性消化槽1に導入し、嫌気性消化槽から流量240L/dayで消化汚泥を引き抜いて遠心濃縮機で遠心濃縮したこと以外は同様にして処理を行った。
上記の実施例1,2及び比較例1において、投入汚泥中の無機物の積算量と分離液から系外に排出された無機物の積算量との関係を図5に、投入汚泥の積算量と生成したメタンガスの積算量との関係を図6に示す。
図5,6から明らかなように、実施例1,2では、分離液に含まれて系外に排出された無機分が比較例1のそれぞれ約1.8倍、約1.9倍となった。嫌気性消化槽内の汚泥濃度は実施例1,2、比較例1のいずれも35〜37g/Lであり、比較例1では槽内に蓄積し、余剰汚泥として排出されていた無機物が、実施例1,2では分離液中に含まれて系外へ排出されていることが分かる。
その結果、実施例1,2ではメタンガス量を比較例1のそれぞれ1.18倍、1.25倍に増加させ、メタンガス回収率を65%からそれぞれ76%、81%まで高めることができた。
実施例3
下水処理場の嫌気性消化汚泥を遠心濃縮機で濃縮したものを種汚泥(TS濃度78g/L、TVS/TS比0.61)として、図2に示す嫌気性処理装置により、90日間、混合生汚泥の嫌気性消化処理を行った。
投入した混合生汚泥は、下水処理場の余剰汚泥(TS濃度34g/L、TVS/TS比0.80、45L/day)であり、その全量を嫌気性消化槽1へ導入した。また、希釈処理槽(容積100L)2には、下水二次処理水400L/dayを希釈水として導入し、嫌気性消化槽1から流量90L/dayで引き抜いた消化汚泥と混合した。希釈処理槽2の滞留時間は2.5時間とした。また、嫌気性消化槽1からは40L/dayで汚泥を引き抜き、容積20Lのジャー型オゾン反応槽4内でオゾン濃度140g−O/Nmのオゾン化空気と反応させてオゾン処理した(オゾン反応率0.035g−O/g−TVS)。この嫌気性消化槽(容積2m)1は温度35℃で、槽内TS濃度80g/Lを維持するように適宜汚泥を系外に引き抜いた。
希釈処理槽2の希釈混合液は固液分離手段(遠心濃縮機)3で2,000Gの条件で遠心濃縮し、その分離液435〜445L/dayを系外へ排出し、濃縮汚泥を嫌気性消化槽1に返送することにより嫌気性消化槽1の液量を一定に維持した。
比較例2
実施例3において、希釈処理槽2を省略し、希釈水を用いず、嫌気性消化槽1から流量90L/dayで消化汚泥を引き抜いて遠心濃縮機で遠心濃縮し、分離液35〜45L/dayを系外に排出したこと以外は同様にして処理を行った。
比較例3
実施例3において、希釈処理槽2を省略し、希釈水を嫌気性消化槽1から遠心濃縮機への汚泥移送配管に直接導入し、配管中で希釈、混合したこと以外は同様にして処理を行った。
上記の実施例3及び比較例2,3において、投入汚泥中の無機物の積算量と分離液から系外に排出された無機物の積算量との関係を図7に、投入汚泥の積算量と生成したメタンガスの積算量との関係を図8に示す。
図7,8から明らかなように、実施例3では、分離液に含まれて系外に排出された無機分が比較例2,3の約5倍となった。嫌気性消化槽内の汚泥濃度は実施例3、比較例2,3のいずれも30〜32g/Lであり、比較例2,3では槽内に蓄積し、余剰汚泥として排出されていた無機物が、実施例3では分離液中に含まれて系外へ排出されたことが分かる。
その結果、実施例3ではメタンガス量を比較例2,3の1.2倍に増加させ、メタンガス回収率を71%から85%まで高めることができた。
本発明の嫌気性処理装置の実施の形態を示す系統図である。 本発明の嫌気性処理装置の他の実施の形態を示す系統図である。 本発明の嫌気性処理装置の別の実施の形態を示す系統図である。 本発明の嫌気性処理装置の異なる実施の形態を示す系統図である。 実施例1,2及び比較例1における、投入汚泥中の無機物の積算量と分離液中に含まれて系外に排出された無機物の積算量との関係を示すグラフである。 実施例1,2及び比較例1における、投入汚泥積算量と生成したメタンガスの積算量との関係を示すグラフである。 実施例3及び比較例2,3における、投入汚泥中の無機物の積算量と分離液中に含まれて系外に排出された無機物の積算量との関係を示すグラフである。 実施例3及び比較例2,3における、投入汚泥積算量と生成したメタンガスの積算量との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 嫌気性消化槽
2 希釈処理槽
3 固液分離手段
4 オゾン反応槽
5 オゾン発生器

Claims (5)

  1. 有機性排液を含む被処理液を嫌気性消化処理する嫌気性消化槽と、
    該嫌気性消化槽の流出液を濃縮汚泥と分離液とに固液分離し、前記分離液の少なくとも一部を系外へ排出する固液分離手段と、
    該固液分離手段で分離された前記濃縮汚泥を前記嫌気性消化槽に返送する汚泥返送手段と
    を備える嫌気性消化装置において、
    前記嫌気性消化槽の流出液を希釈水と混合攪拌して水中に無機成分を溶出させる希釈処理槽と、
    該希釈処理槽の流出液を前記固液分離手段へ送給する希釈液送給手段とを具備し、
    前記希釈処理槽の滞留時間が30分〜2日であることを特徴とする嫌気性処理装置。
  2. 前記有機性排液の一部を前記嫌気性消化槽に供給する手段と、残部の少なくとも一部を希釈水として前記希釈処理槽に送給する手段とを具備することを特徴とする請求項1に記載の嫌気性処理装置。
  3. 有機性排液の全量を前記希釈処理槽に送給するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の嫌気性処理装置。
  4. 前記嫌気性消化槽の流出液の一部を改質処理する改質手段と、該改質手段の改質液を前記嫌気性消化槽に返送する改質液返送手段とを具備することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の嫌気性処理装置。
  5. 改質手段がオゾン処理手段であることを特徴とする請求項4に記載の嫌気性処理装置。
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