JP2001157900A - 有機性汚泥の嫌気消化方法 - Google Patents
有機性汚泥の嫌気消化方法Info
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Abstract
ことなく、嫌気消化槽の汚泥濃度を十分に高め、これに
より、消化効率を高めて嫌気消化槽の加温を不要とす
る。有機物の分解効率を高めて、未消化汚泥を発生させ
ることなく効率的な汚泥の分解処理を行う。 【解決手段】 混合生汚泥を嫌気消化槽6で嫌気消化
し、嫌気消化汚泥を遠心分離機8で濃縮する。濃縮汚泥
の一部はそのまま、残部はオゾン処理槽9で可溶化した
後それぞれ嫌気消化槽6に返送する。
Description
化方法に係り、特に、嫌気消化槽に投入する有機性汚泥
を濃縮することなく、嫌気消化槽の汚泥濃度を十分に高
め、無加温運転にて、未消化汚泥を発生させることな
く、効率的な汚泥の分解処理を行う方法に関する。
減容化処理法として嫌気消化法が広く採用されている。
この方法は、下水処理汚泥を嫌気消化槽に投入して嫌気
性菌により消化処理し、嫌気消化汚泥を濃縮汚泥(未消
化汚泥)と脱離液とに濃縮処理するものである。
ことから、嫌気消化槽内の汚泥濃度を高めるために、嫌
気消化槽に投入する汚泥を予め濃縮することが行われて
いる。特に、近年では下水処理で発生する汚泥のうち、
初沈(最初沈殿槽)汚泥については重力濃縮が、また、
終沈(最終沈殿槽)から引き抜かれた余剰汚泥について
は機械濃縮が適用されている。このため、図2に示す如
く、初沈1、曝気槽2及び終沈3で順次処理する下水処
理施設において、初沈汚泥を濃縮する濃縮装置4と、余
剰汚泥を濃縮する濃縮装置5とを設け、各々の濃縮装置
4,5で濃縮を行い、このように濃縮した汚泥を嫌気消
化槽6に投入している。
を予め濃縮して汚泥濃度を高めることにより、嫌気消化
槽6内への投入汚泥流量が少なくなり、嫌気消化槽6内
の汚泥の滞留時間を長くして消化効率を高めることがで
きる。また、加温のための熱量も少なくて足りるという
効果が奏される。
持する方法として、嫌気消化槽の嫌気消化汚泥の一部を
濃縮し、濃縮汚泥を嫌気消化槽に返送し、嫌気消化汚泥
の残部は未消化汚泥として系外へ排出する方法が提案さ
れている。
する方法として、嫌気消化槽の嫌気消化汚泥を濃縮し、
濃縮汚泥の一部を可溶化処理して嫌気消化槽に返送し、
濃縮汚泥の残部を未消化汚泥として系外へ排出する方法
が提案されている。
化槽投入前に予め濃縮する方法では、図2に示す如く、
初沈汚泥と余剰汚泥とを引き抜いてそれぞれについて濃
縮処理する必要があり、また、このように濃縮を行って
も嫌気消化槽の加温を完全に不要とすることはできず、
加温設備、加温のための熱エネルギーが必要であった。
縮し、濃縮汚泥を嫌気消化槽に返送する方法では、汚泥
濃度をある程度高くすることはできるものの、未消化汚
泥が発生するため、未消化汚泥の引き抜き、脱水及び処
分を行う必要があるという不具合がある。
一部を可溶化して嫌気消化槽に返送する方法では、有機
物の分解は促進されるが、嫌気消化槽内の汚泥濃度を高
く維持することはできないために、消化効率が悪く、長
い滞留時間を要することから、処理設備が増大するとい
う問題がある。また、この方法でも未消化汚泥の引き抜
きが必要となる。
消化槽に投入する有機性汚泥を濃縮することなく、嫌気
消化槽の汚泥濃度を十分に高めることができ、これによ
り、消化効率を高めて嫌気消化槽の加温を不要とし、更
には有機物の分解効率をも高めることができ、未消化汚
泥を発生させることなく効率的な汚泥の分解処理を行う
ことができる有機性汚泥の嫌気消化方法を提供すること
を目的とする。
気消化方法は、有機性汚泥を嫌気消化する嫌気消化工程
と、該嫌気消化工程で得られる嫌気消化汚泥を濃縮する
濃縮工程と、該濃縮工程で得られる濃縮汚泥を前記嫌気
消化工程に返送する工程とを備えてなる有機性汚泥の嫌
気消化方法において、前記濃縮工程で得られる濃縮汚泥
の全量を該嫌気消化工程に返送する方法であって、該嫌
気消化工程に返送する濃縮汚泥の一部を改質処理した
後、該嫌気消化工程に返送することを特徴とする。
嫌気消化汚泥を濃縮し、その全量を嫌気消化工程に返送
するため、嫌気消化工程における汚泥濃度を高く維持す
ることができる。このため 嫌気消化工程への投入汚泥の濃縮が不要になる。 消化効率が高まり、嫌気消化工程での加温も不要と
なる。 嫌気消化槽の小型化が図れる。 といった効果が奏される。
ついては改質処理した後嫌気消化工程に返送するため、
有機物の分解効率が向上し、未消化汚泥の引き抜き、そ
の処理が不要となる本発明の方法は、特に、下水処理施
設から排出される初沈汚泥及び/又は余剰汚泥の嫌気消
化処理に有効であり、この場合において、初沈汚泥及び
/又は余剰汚泥を濃縮することなく嫌気消化工程に導入
して、効率的な処理を行える。
機性汚泥の嫌気消化方法の実施の形態を詳細に説明す
る。
の実施の形態を示す系統図である。図1において、図2
に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付し
てある。
れる初沈汚泥と余剰汚泥とを濃縮することなく、これら
の混合生汚泥(原泥)をそのまま、或いは必要に応じて
貯槽を介して嫌気消化槽6に導入する。即ち、本発明の
方法では、嫌気消化汚泥を濃縮した濃縮汚泥を全量返送
することで嫌気消化槽6内の汚泥濃度を高く維持できる
ため、嫌気消化槽6に投入される原泥については汚泥濃
度2000mg/L以上であれば良く、下水処理汚泥に
対してもこれを濃縮することなく、嫌気消化槽6に投入
することができる。
されるため、特に加温を行うことなく、汚泥の沈降を防
止するための攪拌を行うのみで汚泥の嫌気消化を行うこ
とができる。
縮汚泥の全量返送により5000〜50000mg/L
好ましくは20000〜40000mg/L程度に維持
する。
8に導入して濃縮し、濃縮汚泥と脱離液を得る。脱離液
は排水処理工程の最初沈殿槽1や曝気槽2に返送しても
よく、系外へ排出してもよい。
部はオゾン処理槽9に導入して可溶化処理した後、ま
た、濃縮汚泥の残部はそのまま嫌気消化槽6に返送す
る。
を効率的に高めるために、20000mg/L以上、特
に40000mg/L以上、とりわけ50000〜60
000mg/L程度の汚泥濃度に濃縮されていることが
好ましい。
を返送して循環処理する本発明の方法によれば、嫌気消
化槽6に濃縮された高濃縮汚泥が返送されることで消化
効率が高められる。また、濃縮及び改質処理により汚泥
の減容化効果が高まり、実質的に汚泥の引き抜きなし
で、即ち、嫌気消化槽6の底部に残留する無機物を主体
とする汚泥を引き抜くのみで、未消化汚泥の引き抜きは
全く行うことなく、また、嫌気消化槽6の加温を行うこ
となく、嫌気消化処理を継続することができる。
する濃縮汚泥量は嫌気消化槽に投入される被処理汚泥
(原泥)量とほぼ同等とするのが好ましい。
を満たすように決定するのが好ましい。
40000mg/Lで濃縮汚泥が50000mg/Lで
あれば、4/5=r/(1+r)より、r=4で、投入
原泥量の4倍の汚泥を返送するのが好ましい。
汚泥の嫌気消化方法の実施の形態の一例であって、本発
明はその要旨を超えない限り、何ら図示の方法に限定さ
れるものではない。
泥濃度を高く維持することができるため、嫌気消化槽6
における加温は特に必要とされないが、嫌気消化槽6に
加温設備が設けられている場合には30〜40℃程度
に、高温消化を行う場合は50〜55℃程度に加温して
も良い。
機の他、膜分離装置、浮上濃縮分離装置等を用いること
もでき、濃縮汚泥の改質処理には、オゾン処理の他、熱
処理、酸処理、アルカリ処理、ミルによる破砕処理、酸
化処理、その他の薬品処理等を採用することができる。
説明する。
生汚泥として引き抜き、図1に示す方法に従って嫌気消
化処理した。この混合生汚泥の濃度は乾燥汚泥濃度とし
て7.7g/Lであった。
で1m3容量の嫌気消化槽6に通液した。嫌気消化槽6
は特に加温しなかった。この時の消化槽の温度は25℃
であった。この嫌気消化槽6には種汚泥として、同下水
処理場の嫌気消化汚泥(濃度6,400mg/L)を1
m3添加した。また、嫌気消化槽6には攪拌機を設置
し、汚泥が沈殿しない程度に攪拌した。この運転を3ヶ
月継続した。3ヶ月経過後、流出液の汚泥濃度を測定し
たところ、6.3g/Lであった。
受け、これをトミー精工社製遠心分離機8で連続遠心分
離して、脱離液は廃棄し、濃縮汚泥のうち80%を嫌気
消化槽6へ返送し、20%をオゾン処理槽9でオゾン処
理した後、嫌気消化槽6へ返送した。なお、この濃縮汚
泥の濃度は42g/Lであり、オゾン処理の条件は、汚
泥乾燥重量当たり、5%のオゾンが消費される条件とし
た。
抜くことなく、運転を12ヶ月継続した。その結果、嫌
気消化槽6内の汚泥濃度は、21〜25g/Lで安定し
た。なお、この実施例における汚泥返送比rは1.2と
した。
泥の濃縮を行うことなく、嫌気消化槽の汚泥濃度を高く
維持して、汚泥を引き抜くことなく、無加温運転を行え
ることが確認された。
の嫌気消化方法によれば、嫌気消化に先立ち被処理有機
性汚泥の濃縮を行うことなく、嫌気消化工程の汚泥濃度
を高く維持することができ、これにより消化効率を高め
て嫌気消化工程での加温を不要とすると共に設備の小型
化を図ることができる。また有機物の分解効率も高める
ことができるため、未消化汚泥の引き抜きを行うことな
く、処理を継続することができる。
利用して、運転条件等を大幅に変更することなく、容易
に実施することができ、工業的に有利である。
操作を初沈汚泥と余剰汚泥の各々について別々に行うこ
とが必要とされている下水処理汚泥の嫌気消化処理に有
効であり、汚泥の前処理濃縮を不要として無加温運転に
て効率的な嫌気消化処理を行うことが可能とされる。
態を示す系統図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 有機性汚泥を嫌気消化する嫌気消化工程
と、該嫌気消化工程で得られる嫌気消化汚泥を濃縮する
濃縮工程と、該濃縮工程で得られる濃縮汚泥を前記嫌気
消化工程に返送する工程とを備えてなる有機性汚泥の嫌
気消化方法において、 前記濃縮工程で得られる濃縮汚泥の全量を該嫌気消化工
程に返送する方法であって、 該嫌気消化工程に返送する濃縮汚泥の一部を改質処理し
た後、該嫌気消化工程に返送することを特徴とする有機
性汚泥の嫌気消化方法。 - 【請求項2】 請求項1の方法において、該有機性汚泥
は、下水処理施設から排出される初沈汚泥及び/又は余
剰汚泥であり、該初沈汚泥及び/又は余剰汚泥を濃縮す
ることなく前記嫌気消化工程に導入することを特徴とす
る有機性汚泥の嫌気消化方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2の方法において、嫌気消
化を加温することなしに行うことを特徴とする有機性汚
泥の嫌気消化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34358099A JP2001157900A (ja) | 1999-12-02 | 1999-12-02 | 有機性汚泥の嫌気消化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34358099A JP2001157900A (ja) | 1999-12-02 | 1999-12-02 | 有機性汚泥の嫌気消化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001157900A true JP2001157900A (ja) | 2001-06-12 |
Family
ID=18362633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34358099A Pending JP2001157900A (ja) | 1999-12-02 | 1999-12-02 | 有機性汚泥の嫌気消化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001157900A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003071411A (ja) * | 2001-08-30 | 2003-03-11 | Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd | 有機性廃棄物の処理方法 |
JP2011131179A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-07-07 | Fuji Koki Kk | 汚泥の処理方法 |
CN109052890A (zh) * | 2018-08-02 | 2018-12-21 | 上海市政工程设计研究总院(集团)有限公司 | 一种污水污泥分质预处理耦合厌氧消化处理方法 |
-
1999
- 1999-12-02 JP JP34358099A patent/JP2001157900A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109052890A (zh) * | 2018-08-02 | 2018-12-21 | 上海市政工程设计研究总院(集团)有限公司 | 一种污水污泥分质预处理耦合厌氧消化处理方法 |
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